JP4457514B2 - 無線通信装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話機、PHS電話機、無線通信機能を有する携帯情報端末を含む無線通信装置に関し、特に、フロントエンド部を構成する部品をモジュール化した無線通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
以下、従来例について説明する。
【0003】
(1) :用語の定義
本明細書で使用する用語の説明は次の通りである。
【0004】
a:PA(Power Amplifier )は、パワーアンプ(電力増幅器)のことである。
【0005】
b:APC(Auto Power Control)回路は、PAのオートパワーコントロールを行うための回路のことである。
【0006】
c:無線通信装置は、携帯電話機、PHS電話機、無線通信機能を有する携帯情報端末等を含む装置のことである。
【0007】
d:DAC(Digital to Analog Converter )は、ディジタル信号をアナログ信号に変換するディジタル/アナログ変換器のことである。
【0008】
e:ADC( Analog to Digital Converter)は、アナログ信号をディジタル信号に変換するアナログ/ディジタル変換器のことである。
【0009】
f:PCはパーソナルコンピュータのことである。
【0010】
g:DSP(Digital Signal Processor)はディジタル信号処理専用のマイクロプロセッサのことである。
【0011】
h:VCO(Voltage-Controlled Oscillator )は、電圧制御発振器のことである。
【0012】
i:LNA(Low Noise Amplifier )は、低雑音増幅器(ローノイズアンプ)のことである。
【0013】
j:RF(Radio Frequency )は、高周波のことであり、「RF回路部」は高周波回路部のことである。
【0014】
k:GSM(The Global System For Mobiles )は、ヨーロッパ標準のディジタル携帯電話システムの名称である。GSMでは、8チャンネルを多重化するTDMA/TDDを用いている。また、GSMには、周波数900MHZ を使う「GSM900」、周波数1.8GHZ を使う「GSM1800」、周波数1.9GHZ を使う「GSM1900」がある。
【0015】
l:DCS(Digital Cellular System )は、自動車、携帯電話システム等に使用される通信方式の一種である。
【0016】
m:LPF(Low Pass Filter )は低域通過フィルタのことである。
【0017】
(2) :具体例による従来例の説明
従来、GSMの携帯電話機では、検査工程で出力電力のバラツキを調整する為に、検査用端子からの出力を測定しながら、決められた出力レベルに入るようにAPC電圧を変化させ、適正値を見つけていた。そして、そのAPC電圧値に対応したディジタル値をメモリに保存することで前記調整を行っていた。
【0018】
GSM900とDCS1800のデュアルモードの携帯電話機における「Power Class4」では、GSM900で15パワーレベル、DCS1800で16パワーレベルの調整と、GSM900で890MHZ まで、DCS1800で170MHZ から1785MHZ までの周波数補正を行っていた。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
前記のような従来のものにおいては、次のような課題があった。
【0020】
通常、生産ラインでの前記調整を全周波数、全パワーレベルでは行えない為、従来は、開発時の実績データを基に最低でもセンターチャンネルのパワーレベル調整と、1パワーレベルでの周波数補正を行っていた。
【0021】
前記調整を必要とする理由は、各部品のバラツキと各部品の接続後の負荷変動によるマッチングずれと、APC電圧の基になるディジタル値(DAC値)からアナログ信号への変換によって生成されるAPC電圧のバラツキを調整する必要があるためである。しかし、実績データからパワーレベルの調整時間は短縮できても、調整を無くすことはできなかった。
【0022】
本発明は、このような従来の課題を解決し、PAを含むフロントエンド部の部品をモジュール化し、PAの出力調整において、モジュール供給業者がモジュールの状態で出力調整を済ませた物を出荷し、無線通信装置の最終組み立て業者において、PAの出力調整時間を無くすことにより、主基板の設計時間の短縮、検査時間の短縮、コストダウンを実現できるようにすることを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記の目的を達成するため、次のように構成した。
【0024】
(1) :無線通信装置において、少なくとも、フロントエンド部を構成する、電力増幅用のパワーアンプ、前記パワーアンプを制御するAPC回路、前記パワーアンプの出力を検波する検波回路、前記パワーアンプで増幅された信号を分波する方向性結合器、前記方向性結合器から出力された信号の高域成分を除去するローパスフィルタ、送受信の切替えを行うアンテナスイッチ、ディプレクサ、受信信号を制限するSAWフィルタを含む部品をモジュール化したモジュールであって、前記モジュールは、モジュール状態でのアンテナ出力とAPC端子の出力電圧であるAPC電圧値との特性を取得するパワーレベルの調整工程を含み、当該各パワーレベルでのAPC電圧値からなるパワーレベルの調整データを前記モジュールに添付して出荷することを特徴とする。
(2) :前記パワーレベルの調整工程は、前記モジュールに形成され、携帯電話機のアンテナ端部と接続される検査用コネクタを用いて調整を行うことを特徴とする。
【0025】
(3) :前記(1) の無線通信装置において、各パワーレベルでのAPC電圧値を記録し、前記モジュールとセットにして供給することを特徴とする。
【0026】
(4) :前記(1) の無線通信装置において、前記各部品の調整データを3次元バーコードに記録し、前記モジュールに添付して供給することを特徴とする。
【0027】
(5) :前記(4) の無線通信装置において、前記各部品の調整データを近似式化して供給することを特徴とする。
【0028】
(作用)
前記無線通信装置において、少なくとも、フロントエンド部を構成する、パワーアンプ、APC回路、検波回路、方向性結合器(カプラ)、ローパスフィルタ、アンテナスイッチ、ディプレクサ、SAWフィルタを含む部品をモジュール化している。
【0029】
また、前記無線通信装置において、各パワーレベルでのAPC電圧値を記録し、前記モジュールとセットにして供給したり、前記各部品の調整データを3次元バーコードに記録し、前記モジュールに添付して供給したり、前記各部品の調整データを近似式化して供給したりする。
【0030】
このように、無線通信装置のフロントエンド部のPAを含む部品をモジュール化すると共に、モジュール供給業者がモジュールの状態で出力調整を済ませた物を出荷するので、携帯電話機の最終組み立て業者において、PAの出力調整時間を無くすことができる。また、主基板の設計時間の短縮、検査時間の短縮、コストダウンを実現できる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下、携帯電話機の例について説明する。
【0032】
§1:携帯電話機の説明
携帯電話機のブロック図を図1に示し、図1のブロック図の一部拡大図を図2に示す。この携帯電話機は、GSM/DCSデュアルモードの携帯電話機に適用した例である。
【0033】
図1、図2に示すように、携帯電話機には、ディプレクサ2、アンテナスイッチ3、LPF4、カプラ(Coupler :方向性結合器)5、PA8、APC回路(コンパレータ7、抵抗Rを含む回路)、検波回路(検波ダイオード6を含む回路)、VCO9、LPF14、SAWフィルタ11、LNA12、バンドパスフィルタ13、RFIC(高周波部の集積回路)、コンバータ21、DSP22、メモリ23、IF−SAWフィルタ(中間周波数帯のSAWフィルタ)、LCフィルタ、PLL回路、VCO等の部品が設けてある。
【0034】
なお、この携帯電話機はGSM/DCSデュアルモードを採用しており、前記部品の内、カプラ5、PA8、VCO14からなる部分、SAWフィルタ11、LNA12、バンドパスフィルタ13等を含む部分、その他関連した部分などは2重化され、デュアルモードの回路構成となっている。
【0035】
また、コンバータ21には、DAC27、ADC28等が設けてあり、DSP22には、プロセッサ25等が設けてある。更に、RFICには、IF−VCO(中間周波数帯のVCO)、分周回路、位相検出器等の高周波部に必要な部品が設けてある。
【0036】
前記メモリ23は、ベースバンドメモリとして使用されるものであり、DSP22のプロセッサ25が使用するプログラム(ベースバンドプログラム)や、各種データ(DAC27への設定データ)等を格納しておくものである。
【0037】
そして、前記部品の内、少なくとも、フロントエンド部を構成する、高周波電力増幅用のPA8、PA8の利得を制御するAPC回路、PA8の出力を検波する検波回路、PA8で増幅された信号を分波するカプラ(方向性結合器)5、カプラ5から出力された信号の高域成分を除去するLPF4、送受信の切替えを行うアンテナスイッチ3、ディプレクサ2、受信信号の帯域を制限するSAWフィルタ11を含む部品をモジュール化した。なお、前記モジュール化は、前記部品の他に、VCO9、LPF14を含めて1つのモジュールとしてもよい。
【0038】
前記構成の回路において、パワーレベルコントロールは、DSP22のプロセッサ25がメモリ23から必要とするAPC電圧相当値のディジタル値を呼び出し、DAC27に送りDAC値(ディジタルデータ)として設定する。そして、DAC27では、前記DAC値をアナログの直流電圧に変換し、APC電圧としてコンパレータ7へ送る。
【0039】
APC回路のコンパレータ7では、前記APC電圧をPA8の出力の検波電圧(検波ダイオード6の出力電圧)と比較し、適正なコントロール電圧をPA8に送り、PA8から希望する出力電圧を得る。このように、DAC値を変えることで、任意の希望する出力電圧を得ることができる。
【0040】
§2:調整手順等の説明
前記携帯電話機におけるパワーレベルの調整を次のようにして行う。先ず、モジュール供給業者(例えば、部品メーカ)で、フロントエンド部を構成する前記部品をモジュール化した後、パワーレベルの調整等を行い、その調整済みのモジュールを出荷する。最終組み立てを行うメーカでは、前記調整済みのモジュールを購入して最終組み立てを行うが、この時、パワーレベルの調整を製造工程から無くすことができる。従って、作業性の向上とコストダウンを実現することが可能になる。
【0041】
ところで、モジュール供給業者で前記調整を行う場合、携帯電話機のアンテナ1の端部には検査用コネクタ20が有り、ケーブルを介してパワーメータに接続する。そして、外部のPC(パーソナルコンピュータ)からDSP22が送信状態になるように設定する。
【0042】
この状態で、DSP22のプロセッサ25は、希望するパワーレベルのデータをメモリ23から読み出し、DAC27に設定する。DAC27では、設定されたDAC値をAPC端子(DAC出力)で直流電圧(APC電圧)に変換し、APC回路のコンパレータ7へ送る。
【0043】
コンパレータ7では、PA8の出力パワーの検波電圧(検波タイオード6の出力電圧)と、前記APC電圧を比較し、該比較結果に応じてPA8の出力を制御する。この時、、希望の出力パワーをアンテナ1の端部で測定することにより、希望の規格値を得る。
【0044】
GSM900の場合、15レベルの調整が必要なため、同じ手順を15回繰り返すことになる。DCS1800でも同様な作業が必要になる。調整が必要となる問題点を整理すると、▲1▼.PA8からSAWフィルタ11間の部品のバラツキ、▲2▼.各部品の接続後の負荷変動による特性変化、▲3▼.DAC27の変換電圧バラツキの3点がある。
【0045】
前記▲1▼と▲2▼の問題点を解決するために、少なくとも、PA8からSAWフィルタ11までをモジュール化し(図2参照)、部品バラツキと各部品の接続後の負荷変動による特性変化を吸収したモジュールを作り、モジュール状態で調整する。また、▲3▼の問題点を解決する為に、前記モジュール状態で調整されたAPC電圧値を、例えば、記録媒体に格納して、携帯電話機の最終組み立て業者へ供給する。
【0046】
前記設定されたディジタル値に対するDAC27のアナログ出力は、1次関数で表される為、ディジタル値からアナログ値へ変換の変換値を2点測定することにより、APC電圧から、正確に調整されたAPC電圧値をディジタル値に変換できる。
【0047】
また、出荷対象のモジュールには、調整後のデータを格納した記録媒体等を添付するが、その場合のデータは、バーコード、フレキシブルディスク(フロッピィディスク)、サーバのハードディスク装置等に保存され、必要な時にモジュール番号に対比されたデータが読み出せるようにしておく。
【0048】
§3:実験例の説明
実験データ例を図3に示す。図3において、横軸はAPC端子の出力電圧Vap c 、縦軸はアンテナ出力Pout を示す。この場合、前記APC端子の出力電圧Vapc は単位がVである。また、前記アンテナ出力Pout は、Powerで表し、その単位は(dBm)である。更に、PA8では、周波数900MHZ 、入力(Pin=6dBm)である。
【0049】
この実験では、各部品のバラツキを無くすために、PA8、カプラ5、LPF4、アンテナスイッチ3、ディプレクサ2、SAWフィルタ11、検波回路(検波ダイオード6を含む回路)、APC回路(コンパレータ7、Rを含む回路)までを一体化したモジュールを作り、出力電圧調整を行った結果、図3に示す特性曲線が得られた。調整には、約1分の時間を要した。前記アンテナ出力とAPC端子の出力電圧Vapc を3次元バーコードに変換し、モジュールの上部に添付した。
【0050】
なお、図3の特性によれば、周波数900MHZ において、Pout (dBm)=5.0の時、Vapc (V)=1.265、Pout (dBm)=7.0の時、Vapc (V)=1.285、Pout (dBm)=9.0の時、Vapc (V)=1.300、Pout (dBm)=11.0の時、Vapc (V)=1.324、Pout (dBm)=13.0の時、Vapc (V)=1.345、Pout (dBm)=21.0の時、Vapc (V)=1.474、Pout (dBm)=25.0の時、Vapc (V)=1.599、Pout (dBm)=31.0の時、Vapc (V)=2.063、Pout (dBm)=33.0の時、Vapc (V)=2.689となっている。
【0051】
また、このモジュールをGSM携帯電話機に組み込み、記録されたAPC電圧をディジタル値に変換し、メモリ23に組み込んだ結果、前記携帯電話機での出力調整を行うことなく、要求される出力電力が得られた。
【0052】
なお、メモリ23に格納するベースバンドソフトにAPC電圧を組み込む方法として、アンテナ出力(出力電力)Pout と、APC電圧値Vapc の関係(図3に示す特性曲線)を近似式に置き換え、計算によりAPC電圧を求めることもできた。
【0053】
また、周波数についても、同様に出力調整を行い、APC電圧を記録し、モジュールをGSM携帯電話機に組み込み、記録されたAPC電圧をディジタル値に変換し、メモリ23に書き込んだ結果、PA出力調整の必要は無くなった。同様に、近似式に置き換えることもできた。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば次のような効果がある。
【0055】
無線通信装置において、少なくとも、フロントエンド部を構成する、パワーアンプ、APC回路、検波回路、方向性結合器(カプラ)、ローパスフィルタ、アンテナスイッチ、ディプレクサ、SAWフィルタを含む部品をモジュール化している。
【0056】
また、無線通信装置において、各パワーレベルでのAPC電圧値を記録し、前記モジュールとセットにして供給したり、前記各部品の調整データを3次元バーコードに記録し、前記モジュールに添付して供給したり、前記各部品の調整データを近似式化して供給したりする。
【0057】
このように、無線通信装置のフロントエンド部のパワーアンプを含む部品をモジュール化すると共に、モジュール供給業者がモジュールの状態で出力調整を済ませた物を出荷するので、携帯電話機の最終組み立て業者において、パワーアンプの出力調整時間を無くすことができる。また、主基板の設計時間の短縮、検査時間の短縮、コストダウンを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における携帯電話機のブロック図である。
【図2】図1のブロック図の一部拡大図である。
【図3】本発明の実施の形態における実験データ例である。
【符号の説明】
1 アンテナ
2 ディプレクサ
3 アンテナスイッチ
4 LPF
5 カプラ
6 検波ダイオード
7 コンパレータ
8 PA(パワーアンプ)
9 VCO(電圧制御発振器)
11 SAWフィルタ
12 LNA(ローノイズアンプ)
13 BPF(バンドパスフィルタ)
14 LPF(ローパスフィルタ)
20 検査用コネクタ
21 コンバータ
22 DSP(ディジタルシグナルプロセッサ)
23 メモリ(ベースバンドメモリ)
25 プロセッサ
27 DAC(ディジタル/アナログコンバータ)
28 ADC(アナログ/ディジタルコンバータ)
PC パーソナルコンピュータ

Claims (5)

  1. 無線通信装置において、
    少なくとも、フロントエンド部を構成する、電力増幅用のパワーアンプ、前記パワーアンプを制御するAPC回路、前記パワーアンプの出力を検波する検波回路、前記パワーアンプで増幅された信号を分波する方向性結合器、前記方向性結合器から出力された信号の高域成分を除去するローパスフィルタ、送受信の切替えを行うアンテナスイッチ、ディプレクサ、受信信号を制限するSAWフィルタを含む部品をモジュール化したモジュールであって、
    前記モジュールは、モジュール状態でのアンテナ出力とAPC端子の出力電圧であるAPC電圧値との特性を取得するパワーレベルの調整工程を含み、当該各パワーレベルでのAPC電圧値からなるパワーレベルの調整データを前記モジュールに添付して出荷することを特徴とする無線通信装置。
  2. 前記パワーレベルの調整工程は、前記モジュールに形成され、携帯電話機のアンテナ端部と接続される検査用コネクタを用いて調整を行うことを特徴とする請求項1記載の無線通信装置。
  3. 各パワーレベルでのAPC電圧値を記録し、前記モジュールとセットにして供給することを特徴とする請求項1記載の無線通信装置。
  4. 前記各部品の調整データを3次元バーコードに記録し、前記モジュールに添付して供給することを特徴とする請求項1記載の無線通信装置。
  5. 前記各部品の調整データを近似式化して供給することを特徴とする請求項4記載の無線通信装置。
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