JP4458556B2 - C型肝炎のe2短縮型ポリペプチドの細胞内生成 - Google Patents
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Description
技術分野
本発明は、一般的に、ウイルスタンパク質に属する。特に、本発明は、ワクチン組成物における使用および診断試薬としての使用のための、改善された生物学的特性を有するC型肝炎ウイルスE1およびE2タンパク質の短縮型(truncated)形態を単離するための改善された方法に関する。
発明の背景
C型肝炎ウイルス(HCV)は、主として輸血および性交渉により伝播される非経口非A・非B型肝炎の主要な原因である。このウイルスは、血液ドナーの0.4〜2.0%に存在する。慢性肝炎は感染の約50%において発現し、そしてこれらのうち、感染個体の約20%が、時折肝細胞ガンとなる肝硬変を発症する。従って、この疾患の研究および制御は、医学的に重要である。
HCVのウイルスゲノム配列は、この配列を得るための方法と同様に知られている。例えば、国際公開番号WO 89/04669;WO 90/11089;およびWO 90/14436を参照のこと。HCVは9.5kbの+センス1本鎖RNAゲノムを有し、そしてフラビウイルス科ウイルスのメンバーである。少なくとも6種の別個であるが、関連するHCV遺伝子型が、系統発生分析に基づいて同定された(Simmondsら、J.Gen.Virol.(1993)74:2391-2399)。このウイルスは、3000を超えるアミノ酸残基を有する単一のポリタンパク質をコードする(Chooら、Science(1989)244:359-362;Chooら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1991)88:2451-2455;Hanら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1991)88:1711-1715)。このポリタンパク質は、翻訳と同時におよび翻訳後に、構造タンパク質および非構造(NS)タンパク質の両方にプロセシングされる。
特に、3つの推定されている構造タンパク質があり、これらは、N末端ヌクレオキャプシドタンパク質(「コア」と呼ばれる)ならびに2つのエンベロープ糖タンパク質、「E1」(Eとしても知られる)および「E2」(E2/NS1としても知られる)からなる。(E1およびE2を含むHCVタンパク質の議論については、Houghtonら、Hepatology(1991)14:381-388を参照のこと)。E1は32〜35kDa種として検出され、そして約18kDaの単一内部H感受性バンドに変換される。対照に、E2は、多数種の生成と一致する、免疫沈降の際の複雑なパターンを示す(Grakouiら、J.Virol.(1993)67:1385-1395;Tomeiら、J.Virol.(1993)67:4017-4026)。HCV E1およびE2糖タンパク質は、それらが霊長類研究において保護的であると示されたので(Chooら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1994)91:1294-1298)、かなり関心がある。
完全長E1およびE2は細胞内で保持され、そして安定に発現されるか、または一過性ワクシニアウイルス系において発現された場合、複合糖質を欠くことが示された(Spaeteら、Virology(1992)188:819-830;Ralstonら、J.Virol.(1993)67:6753-6761)。E1およびE2タンパク質は、普通、これらの発現系において膜結合性であるので、実験者は、以前に、さらなる使用のためのタンパク質精製を容易にするために分泌形態を生成することが望ましいと考えた。
例えば、アミノ酸661で短縮され、そして哺乳動物細胞から分泌されるHCV E2分子が記載されている。Spaeteら、Virology(1992)188:819-830。短縮されて分泌されるHCV E1およびE2分子の生成もまた、1996年2月15日に公開された国際公開番号WO 96/04301において開示された。Inudohら、Vaccine(1996)14:1590-1596は、C末端疎水性ドメインを欠くHCV E2分子の生成を記載する。このタンパク質は培養培地に分泌され、そして細胞内で生成された対照物より抗原性であることが見出された。
使用される発現系に依存して、このような分泌タンパク質はネイティブな立体配座を保持し得ず、そして改変したグリコシル化パターンを含み得る。従って、タンパク質のネイティブな立体配座を保存するために、細胞内で生成されたHCV E1およびE2タンパク質の精製が試みられた。例えば、1992年5月29日に公開された、国際公開番号WO 92/08734を参照のこと。
HCV E1およびE2を得る上記の試みにも関わらず、ワクチン組成物における使用および診断試薬としての使用のための免疫原性HCV E1およびE2分子を効率的に精製する代替方法についての必要性がなお存在する。
発明の要旨
本発明は、改善された生物学的特性を示すHCV E1およびE2タンパク質の単離に基づく。このタンパク質は短縮され、そして組換え技術を用いて生成され得る。このような短縮型タンパク質は、普通、培養培地に分泌される。しかし、本明細書中での使用のためのタンパク質は、培養培地よりむしろ細胞から単離される。このように単離された分子は、それらの分泌対照物と比較して、増強したレセプター結合能を示し、タンパク質がHCV中和抗体の生成を誘発する能力を測定するように設計されたアッセイにおいてより良く機能し;そしてより免疫反応性であり、従って、改善された診断試薬を提供する。
従って、1つの実施態様において、本発明は、HCV1 E1アミノ酸配列に関して番号を付けられた、約アミノ酸370から始まるそのC末端部分を欠くHCV E1ポリペプチドを単離するための方法に関する。この方法は、以下の工程を含む:
(a)HCV E1ポリペプチドのコード配列を含むポリヌクレオチドで形質転換された宿主細胞の集団を提供する工程であって、ここでコード配列は、コード配列が宿主細胞において転写および翻訳され得るように制御エレメントに作動可能に連結されている、工程;
(b)HCV E1ポリペプチドが細胞内で発現される条件下で、細胞の集団を培養する工程;
(c)宿主細胞を破壊する工程;および
(d)HCV E1ポリペプチドを破壊された細胞から単離する工程。
特に好ましい実施態様において、この方法により生成されるHCV E1ポリペプチドは、HCV1 E1アミノ酸配列に関して番号を付けられた、約アミノ酸360から始まるそのC末端部分を欠く。
別の実施態様において、本発明は、HCV1 E2アミノ酸配列に関して番号を付けられた、約アミノ酸730から始まるが、約アミノ酸625を超えて伸長しないそのC末端部分を欠く、HCV E2ポリペプチドを単離するための方法に関する。この方法は、以下の工程を含む:
(a)HCV E2ポリペプチドのコード配列を含むポリヌクレオチドで形質転換された宿主細胞の集団を提供する工程であって、ここでコード配列は、コード配列が宿主細胞において転写および翻訳され得るように制御エレメントに作動可能に連結されている、工程;
(b)HCV E2ポリペプチドが細胞内で発現される条件下で、細胞の集団を培養する工程;
(c)宿主細胞を破壊する工程;および
(d)HCV E2ポリペプチドを破壊された細胞から単離する工程。
特に好ましい実施態様において、この方法により生成されるHCV E2ポリペプチドは、少なくとも、HCV1 E2アミノ酸配列に関して番号を付けられた、約アミノ酸725から始まるそのC末端部分を欠き、より詳細には、約アミノ酸715、661、または655から始まるそのC末端部分を欠く。
本発明のさらなる実施態様は、上記の方法により生成されるHCV E1およびHCV E2ポリペプチド、ならびにHCVポリペプチドを含むワクチン組成物、およびワクチン組成物を調製する方法に属する。
なお他の実施態様において、本発明は、HCV感染を有すると推測される被験体におけるHCV感染の存在または非存在を検出する方法に関する。この方法は、以下の工程を含む:
(a)被験体から生物学的サンプルを提供する工程;
(b)上記のように、HCV E1ポリペプチドまたはHCV E2ポリペプチドを提供する工程;および
(c)生物学的サンプル中にHCVポリペプチドが存在する場合、HCV抗体がHCVポリペプチドと結合し得る条件下で、生物学的サンプルとHCVポリペプチドとを接触させ、それにより被験体におけるHCV感染の存在または非存在を検出する工程。
他の実施態様において、本発明は、HCV感染を検出するための免疫診断試験キットに関する。試験キットは、上記のようなHCV E1またはHCV E2ポリペプチド、および免疫診断試験を行うための説明書を含む。
本発明のこれらおよび他の実施態様は、本明細書中の開示を考慮して当業者に容易に思い起こされる。
【図面の簡単な説明】
図1は、N末端シグナル配列およびC末端膜アンカードメインを含むHCV E1についての完全長ヌクレオチド配列および対応するアミノ酸配列を示す。
図2A〜2Cは、E2についてのN末端シグナル配列およびE2についてのC末端膜アンカードメインを含むHCV E2/NS2領域についての完全長ヌクレオチド配列および対応するアミノ酸配列を示す。
図3は、実施例に記載のHCV1 E1 cDNAテンプレートを示す。NS2領域を介するコアを先端に示し、そして一定の比率に拡大して示す;NS5を介する遠位のNS3は、一定の比率に拡大して示していない。E1領域を、種々のテンプレートをより良好に提示するために、拡大した。右にある数は、各テンプレートで使用されるアミノ酸終点を示す。
図4は、実施例に記載のHCV E2 cDNAテンプレートのいくつかを示す。NS2領域を介するコアを先端に示し、そして一定の比率に拡大して示す;NS5を介する遠位のNS3は、一定の比率に拡大して示していない。E2/NS2領域を、種々のテンプレートをより良好に提示するために、拡大した。左カラムは、各テンプレートにおいて使用されるアミノ酸終点を示す。
図5は、分泌された短縮型E2および細胞内で産生された(内部)短縮型E2を使用して行われた結合アッセイの中和の結果を示す。
発明の詳細な説明
本発明の実施は、他に示されない限り、当該技術分野の技術の範囲内にあるウイルス学、微生物学、分子生物学および組換えDNA技術の通常の方法を用いる。このような技術は、文献に十分に説明されている。例えば、Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual(第2版,1989);DNA Cloning:A Practical Approach,第IおよびII巻(D.Glover編);Animal Cell Culture(R.Freshney編,1986);Perbal、A Practical Guide to Molecular Cloning(1984);Fundamemental Virology,第2版,第IおよびII巻(B.N.FieldsおよびD.M.Knipe編);Protein Purification Applications:A Practical Approach,(E.L.V.HarrisおよびS.Angal編、1990);およびT.E.Creighton,Proteins:Structures and Molecular Properties(W.H.FreemanおよびCompany、1993)を参照のこと。
本明細書および添付の請求の範囲で用いられる場合、単数形「a」、「an」および「the」は、内容が他に明瞭に示されていない限り、複数の指示物を含む。
I.定義
本発明の説明において以下の用語が用いられ、それらは以下に示されるように定義されることを意図されている。
「E1ポリペプチド」は、HCV E1領域に由来する分子を意味する。HCV1の成熟E1領域は、このポリタンパク質のアミノ酸192付近から始まり、アミノ酸383付近まで続く(図1を参照のこと)。アミノ酸173付近から191付近にかけてはE1のシグナル配列として働く。従って、「E1ポリペプチド」は、シグナル配列を含む前駆体E1タンパク質、またはこの配列を欠く成熟E1ポリペプチドのいずれか、あるいは異種シグナル配列を有するE1ポリペプチドさえも意味する。E1ポリペプチドは、アミノ酸360〜383位付近に生じるC末端膜アンカー配列を含む(1996年2月15日に公開された、国際公開WO 96/04301を参照のこと)。
「E2ポリペプチド」は、HCV E2領域に由来する分子を意味する。HCV1の成熟E2領域は、アミノ酸383〜385付近から始まる(図2を参照のこと)。シグナルペプチドはこのポリタンパク質のアミノ酸364付近から始まる。従って、「E2ポリペプチド」は、シグナル配列を含む前駆体E2タンパク質、またはこの配列を欠く成熟E2ポリペプチドのいずれか、あるいは異種シグナル配列を有するE2ポリペプチドさえも意味する。E2ポリペプチドは、アミノ酸715〜730位付近で生じ、そしてアミノ酸残基746付近まで伸長し得るC末端膜アンカー配列を含む(Linら、J.Virol.(1994)68:5063-5073)。
HCV1に由来する代表的なE1およびE2領域を、それぞれ、図1および2に示す。本発明の目的ため、E1およびE2領域は、開始メチオニンを1位として、HCV1のゲノムによってコードされるポリタンパク質のアミノ酸番号について定義される。しかし、本明細書で用いられる「E1ポリペプチド」または「E2ポリペプチド」という用語は、HCV1配列に限定されないことに注意すべきである。これに関して、別のHCV単離体における対応のE1またはE2領域は、この2つの単離体に由来する配列を、これらの配列が最大に整列するような様式で整列させることにより容易に決定し得る。これは、バージニア大学生化学科(William R.Pearson博士あて)から入手可能なALIGN 1.0のような多くのコンピュータ・ソフトウェア・パッケージのうちの任意のものを用いて行い得る。Pearsonら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1988)85:2444-2448を参照のこと。
さらに、本明細書で定義される「E1ポリペプチド」または「E2ポリペプチド」は、図に示される通りの配列を有するポリペプチドに限定されない。実際、HCVゲノムは絶え間ない変化の状態にあり、単離体の間で比較的高い程度の可変性を示す幾つかの可変ドメインを含む。これらの用語が、Simmondsら(J.Gen.Virol.(1993)74:2391-2399)に記述されるHCVの6つの遺伝子型のうちの任意の遺伝子型を有する単離体、ならびに新たに同定された単離物、およびこれら単離物のサブタイプ(例えば、HCV1a、HCV1bなど)を含む、様々なHCV単離体のうちの任意の単離体に由来するE1およびE2ポリペプチドを包含することは、容易に理解される。
加えて、「E1ポリペプチド」および「E2ポリペプチド」という用語は、さらなる内部欠失、付加および置換(一般的には、自然界で保存性である)のような本来の配列に対するさらなる改変を含むタンパク質を包含する。これらの改変は、部位特異的変異誘発によるように計画的であり得るか、あるいは天然に存在する変異事象によるように偶発的であり得る。これらの改変の全ては、改変E1およびE2ポリペプチドがそれらの意図される目的のために機能する限り、本発明に包含される。従って、例えば、E1および/またはE2ポリペプチドがワクチン組成物に用いられる場合、改変は免疫学的活性(すなわち、このポリペプチドに対する抗体応答を誘発する能力)が失われないようなものでなければならない。同様に、このポリペプチドが診断目的に用いられる場合、そのような能力が保持されなければならない。
「その膜スパンドメインの全てまたは一部分を欠く」E1またはE2ポリペプチドは、それぞれ上に定義されるように、ポリペプチドを小胞体に会合させるために機能する膜アンカー配列の全てまたは一部分を欠失させるために操作されたE1またはE2ポリペプチドである。通常、このようなポリペプチドは、このタンパク質を発現する生物が培養される増殖培地中に分泌され得る。しかし、本発明の目的のために、このようなポリペプチドはまた、細胞内に回収される。増殖培地中への分泌は、例えば、ポリアクリルアミドゲル電気泳動などを含む多くの検出技術、および例えば、1996年2月15日に公開された国際公開WO 96/04301に記述されるような免疫沈降アッセイなどの免疫学的技術を用いて、容易に決定される。E1については、一般に、(HCV1 E1の番号付けに基づいて)アミノ酸370位付近およびそれより上位で終結するポリペプチドはERによって保持され、そのため、増殖培地中に分泌されない。E2については、(同様にHCV1 E2配列の番号付けに基づいて)アミノ酸731位付近およびより上位で終結するポリペプチドはERによって保持され、分泌されない。(例えば、1996年2月15日に公開された国際公開WO 96/04301を参照のこと)。これらのアミノ酸位置は絶対的ではなく、ある程度変化し得ることに注意すべきである。
本明細書中に、可能な全てのC末端短縮物が例示されているわけではないが、例えばアミノ酸351、352、353などで終結するE1ポリペプチド、または例えばアミノ酸716、717、718などで終結するE2ポリペプチドのような間に起こる短縮物(intervnening truncation)もまた本発明に包含されることが理解されるべきである。従って、アミノ酸369付近およびそれより下位で終結する全てのE1ポリペプチド、ならびにアミノ酸730付近およびより下位で終結する全てのE2ポリペプチドが、本発明よって捕捉されることを意図される。
さらに、C末端短縮物は、膜貫通スパンドメインを越えてN末端に広げ得る。このため、例えば360より下位の位置で発生するE1短縮物、および例えば715より下位の位置で発生するE2短縮物もまた本発明に包含される。必要なことは、短縮型E1およびE2ポリペプチドが、それらの意図される目的について機能的なままであることである。しかし、特に好ましいE1構築物は、約アミノ酸300を越えて広がらないE1構築物である。好ましいE2構築物は、約アミノ酸500位を越えて広がらないC末端短縮物を有するE2構築物である。特に好ましいE2短縮物は、約アミノ酸715、661、または655の後ろを短縮されたE2短縮物の分子である。
E1および/またはE2ポリペプチドは、細胞内に見出される場合に、細胞の成分と関連して(例えば、小胞体(ER)またはゴルジ体と関連して)、または可溶性細胞画分に存在する場合のいずれかに、「細胞内的に」産生される。本発明のE1および/またはE2ポリペプチドはまた、本明細書中に記載される技術を用いて細胞溶解物から精製され得るような十分な量のポリペプチドが細胞内に存在する限りは、増殖培地に分泌され得る。
「免疫原性」HCV E1またはE2タンパク質は、少なくとも1つのエピトープを含み、その結果、分子が、タンパク質が投与される個体における免疫原性反応を誘発し得るか、または診断状況において、問題のHCVに対する抗体と反応し得るかのいずれかである分子である。
「エピトープ」によって、抗原上の特異的B細胞および/またはT細胞が応答する抗原における部位を意味し、このようなエピトープを含む分子が、免疫学的反応を誘発し得るか、または生物学的サンプルに存在するHCV抗体と反応し得ると解釈される。この用語はまた、「抗原決定基」または「抗原決定部位」と交換可能に使用される。エピトープは、エピトープに独特の空間コンフォメーションにおいて3つ以上のアミノ酸を含み得る。一般的には、エピトープは、少なくとも5のこのようなアミノ酸からなり、そしてより通常には少なくとも8から10のこのようなアミノ酸からなる。アミノ酸の空間コンフォメーションを決定する方法は、当該分野で公知であり、そして例えば、X線結晶学および2次元核磁気共鳴が挙げられる。さらに、所定のタンパク質におけるエピトープの同定は、当該分野で周知の技術を用いて(例えば、疎水性研究の使用および部位特異的血清学によって)容易に達成される。Geysenら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1984)81:3998-4002(所定の抗原における免疫原性エピトープの配置を決定するためのペプチドを迅速に合成する一般的な方法);米国特許第4,708,871号(抗原のエピトープを同定しそして化学的に合成するための手順);およびGeysenら、Molecular Immunology(1986)23:709-715(所定の抗体について高い親和性を有するペプチドを同定するための技術)もまた参照のこと。同じエピトープを認識する抗体は、別の抗体の標的抗原への結合をブロックする、ある抗体の能力を示す単純なイムノアッセイにおいて同定され得る。
本明細書中で用いられる「免疫学的応答」は、ポリペプチドがワクチン組成物に存在する場合に、E1および/またはE2ポリペプチドに対する体液性および/または細胞性免疫応答の被検体における発生である。
これらの抗体はまた、感染性を中和し得、そして/または抗体相補性もしくは抗体依存性細胞の細胞傷害性を媒介して、免疫した宿主に防御を提供し得る。免疫学的反応性は、当該分野で周知の標準的なイムノアッセイ(例えば、競合アッセイ)において決定され得る。
2つのポリヌクレオチドまたはタンパク質分子は、この分子からのヌクレオチドまたはアミノ酸の、少なくとも約40〜50%、好ましくは少なくとも約70〜80%、および最も好ましくは少なくとも約85〜95%が、規定された分子の長さを越えて一致する場合、「実質的に相同である」。本明細書中で用いられるように、実質的に相同はまた、特定化した核酸またはタンパク質分子に対して同一性を示す配列を有する分子をいう。実質的に相同である核酸分子は、その特定の系について規定されるような、例えば、ストリンジェントな条件下で、サザンハイブリダイゼーション実験において同定され得る。適切なハイブリダイゼーション条件を規定することは、当業者の範囲内である。例えば、Sambrookら、前出;DNA Cloning,第I巻および第II巻、前出;Nucleic Acid Hybridization、前出を参照のこと。例えば、相同性は、相同領域の間の安定な二重鎖を形成する条件下でポリヌクレオチドのハイブリダイゼーションによって決定され得る。安定な二重鎖は、例えば、一本鎖の特異的ヌクレアーゼ(例えば、S1)での消化に抵抗するものである。このような二本鎖は、種々の方法(例えば、消化したフラグメントのサイズ決定)によって分析され得る。
「ストリンジェンシー」は、異なる配列にわたって非常に類似する配列の会合を支持するハイブリダイゼーション反応における条件をいう。例えば、温度および塩濃度の組み合わせは、研究中のハイブリッドの計算されたTm未満の約12〜20℃であるように選択されるべきである。
配列同一性を決定するための他の技術は当該分野で周知であり、そして目的のポリヌクレオチドまたはポリペプチドの配列を決定する工程およびこれと第2の配列を比較する工程を含む。Wisconsin Sequence Analysis Package,Version 8(Genetics Computer Group,Madison,WIから入手可能)において入手可能なプログラム(例えば、BESTFIT、FESTA、およびGAPプログラム)は、2つの分子の間の同一性を計算し得る。
「単離された」または「精製された」タンパク質またはポリペプチドは、自然界でそのタンパク質が通常会合している生物全体から分離され、そして別々にされているタンパク質である。この用語が、種々のレベルの精製度のタンパク質を示すことは明らかである。代表的には、精製タンパク質を含む組成物は、その中においては、組成物中の全タンパク質の少なくとも約35%、好ましくは少なくとも約40〜50%、より好ましくは少なくとも約75〜85%、そして最も好ましくは少なくとも約90%またはそれより高いものが、該当のタンパク質である。
「コード配列」または選択されたタンパク質を「コードする」配列は、適切な調節配列の制御下に置かれた場合、インビトロまたはインビボでポリペプチドに転写され(DNAの場合)、そして翻訳される(mRNAの場合)核酸配列である。コード配列の境界は、5’(アミノ)末端の開始コドンおよび3’(カルボキシ)末端の翻訳停止コドンによって決定される。コード配列には、ウイルスのヌクレオチド配列に由来するcDNA、ならびに合成DNA配列および半合成DNA配列および塩基アナログを含む配列が含まれ得るが、これらに限定されない。転写終結配列はコード配列に対して3’側に位置され得る。
「制御エレメント」は、宿主細胞においてコード配列のような転写および翻訳を集合的に提供する、プロモーター配列、リボソーム結合部位、ポリアデニル化シグナル、転写終結配列、上流調節ドメイン、エンハンサーなどを集合的にいう。所望の遺伝子が転写され、かつ翻訳され得る限り、これらの制御エレメントの全てが常に存在する必要はない。
RNAポリメラーゼがプロモーター配列に結合し、そしてコード配列をmRNA(これは、次に、このコード配列によってコードされるポリペプチドに翻訳される)に転写する場合、制御エレメントは細胞においてコード配列の「転写を指向する」。
「作動可能に連結する」とは、そのように記載される構成要素がそれらの通常の機能を発揮するように配置(configure)されるエレメントの配列(arrangement)をいう。従って、コード配列に作動可能に連結される制御エレメントは、RNAポリメラーゼが存在する場合に、そのコード配列の発現をもたらし得る。制御エレメントは、それらがコード配列の発現を指向させるように機能する限り、コード配列に連続する必要はない。従って、例えば、プロモーター配列とコード配列との間に翻訳されないが転写される介在配列が存在し得、そしてこのプロモーター配列は依然としてコード配列に「作動可能に連結」しているものと考えられる。
核酸分子を記載するために本明細書において用いられる「組換え」は、その起源または操作によって、(1)天然においてそれが結合するポリヌクレオチドの全てまたは一部と結合していない;および/または(2)天然においてそれが連結しているポリヌクレオチド以外のポリヌクレオチドに連結している、ゲノム、cDNA、半合成または合成起源のポリヌクレオチドを意味する。タンパク質またはポリペプチドに関して用いられる用語「組換え」は、組換えポリヌクレオチドの発現により生成されるポリペプチドを意味する。単細胞物として培養される原核微微生物または真核生物細胞株を意味する「組換え宿主細胞」、「宿主細胞」、「細胞」、「細胞株」、「細胞培養物」およびその他のそのような用語は相互に交換可能に用いられ、そして組換えベクターまたは他の転移DNAのレシピエントとして用いられ得る、または用いられている細胞をいい、そしてトランスフェクトされている元の細胞の子孫を含む。単一の親細胞の子孫が、偶然のまたは故意の変異に起因して、形態学的に、あるいは元の親に対するゲノムまたは全DNA相補性(complement)において、完全に同一である必要がないことが理解される。所望のペプチドをコードするヌクレオチド配列の存在のような関連のある特性によって特徴付けられて、親に十分に類似する親細胞の子孫は、この定義により意図される子孫に包含され、そして上記用語によって含まれる。
「脊椎動物被検体」は、ヒトならびに、チンパンジーおよび他の類人猿およびサル種のような非ヒト霊長類を含む、他の霊長類;ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギおよびウマのような家畜;イヌおよびネコのような家禽;マウス、ラットおよびモルモットのようなげっ歯類を含む実験動物;ニワトリ、七面鳥および他のキジ類鳥類、アヒル、ガチョウなどの家禽、野鳥および競技用鳥を含む鳥類を含むが、これらに限定されない亜門の脊椎動物の任意のメンバーを意味する。この用語は特定の年齢は示さない。従って、成体および新生個体の両者が含まれることが意図される。
本明細書で使用される、「生物学的サンプル」は、個体から単離される組織または体液のサンプルについて言い、例えば、以下のものを含むがこれらに限定されない:血液、血漿、血清、糞便物質、尿、骨髄、胆液、髄液、リンパ液、皮膚サンプル、皮膚の外部分泌物、呼吸性の、腸管の、および尿生殖器の経路、胃の上皮および胃の粘膜由来のサンプル、涙、唾液、乳、血液細胞、器官、生検、ならびにインビトロ細胞培養物成分のサンプル(培養培地における細胞および組織の増殖から得られた馴化培地(例えば、組換え細胞および細胞構成成分)を含むがこれらに限定されない)。
用語「標識」および「検出可能な標識」は、検出し得る分子について言い、以下を含むがこれらに限定されない:放射活性同位体、蛍光剤、化学発光剤、酵素、酵素基質、酵素補因子、酵素インヒビター、発色団、染料、金属イオン、金属コロイド、リガンド(例えば、ビオチンまたはハプテン)など。用語「蛍光剤」は、検出可能な範囲において蛍光を提示し得る物質またはその部分について言う。本発明で使用され得る標識の特定の例は、以下のものを含むがこれらに限定されない、フルオレセイン、ローダミン、ダンシル、ウンベリフェロン、テキサスレッド、ルミノール、アクラジマム(acradimum)エステル、NADPH、α-β-ガラクトシダーゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、およびウレアーゼ。
II.発明の実施様式
本発明は、組替え的に生成され、C末端が短縮されており、増殖培地から直接的にではなく、細胞培養物由来のE1およびE2ポリペプチドを得る新規の方法の発見に基づく。本明細書中で実証されるように、この様式で精製される分子は、驚くべきことに、これらの分泌対応物よりも良好な生物学的特性を有する。例えば、細胞内で産生される分子は、増強されたレセプター結合能力を提示し、HCV中和抗体の産生を誘発するタンパク質の能力を計測するために設計されたアッセイにおいて、優れた能力(performance)を示し、そしてより免疫応答性であり、従って、それらの分泌対応物と比較して改良された診断剤を提供する。
任意の特定の理論によって限定されることは望まないが、細胞内で発現された形態のHCVのE1およびE2は、分子上に存在する糖モチーフに起因して、ネイティブなウイルス性タンパク質とより密接に類似し得、一方で、分泌糖タンパク質は改変された糖部分またはグリコシル化パターンを含み得る。さらに、細胞内で産生された形態のE1およびE2は、分泌形態のものとは立体配置的に異なり得る。
詳細には、膜スパンドメインの部分を欠く、多数のC-末端が短縮されたE1およびE2ポリペプチドが構築されてきた。それぞれ図3および図4、ならびに実施例を参照のこと。実施例において示されるように、アミノ酸715位で終結し、そして本明細書中で「E2715」と呼ばれる短縮型構築物は、培地中に分泌されて精製されたE2715よりも組換え細胞から精製された場合の方が、驚くべきことに、より免疫反応性である。さらに、アミノ酸661位および655位で終結する分子もまた、増強された免疫応答性を示す。従って、細胞内で産生された短縮型HCVポリペプチドは、ワクチンおよび診断薬のための素晴らしい候補である。
細胞内で産生された、短縮型E1およびE2ポリペプチドは様々な技術を使用して入手され得る。例えば、ポリペプチドは、当該分野で周知である組換え技術を使用して生成され得る。このことについては、オリゴヌクレオチドプローブは、HCVゲノムの既知の配列に基づくデバイスであり得、そしてE1およびE2遺伝子についてのゲノムライブラリーまたはcDNAライブラリーをプローブするために使用され得る。次いで、遺伝子は、標準的な技術、および、例えば、完全長配列の所望される部分での遺伝子を短縮するために使用される制限酵素を使用してさらに単離され得る。同様に、E1およびE2遺伝子は、公知の技術(例えば、フェノール抽出)を使用して同様物を含む細胞および組織から直接的に単離され得、そして所望の短縮物を産生するために配列がさらに操作される。DNAの入手および単離に使用される技術の記載については、例えば、Sambrookら、前出を参照のこと。最終的には、短縮型E1およびE2ポリペプチドをコードする遺伝子は、公知の配列に基づいて合成的に生成され得る。ヌクレオチド配列は、特定の所望されるアミノ酸配列についての適切なコドンで設計され得る。一般には、その中で配列が発現される、意図される宿主に好ましいコドンを選択する。完全な配列は、一般に、標準的方法により調製される重複オリゴヌクレオチドから構築され、そして完全なコード配列中に構築される。例えば、Edge(1981)Nature 292:756;Nambairら、(1984)Science 223:1299;Jayら、(1984)J.Biol.Chem.259:6311を参照のこと。
一旦、所望のタンパク質に対するコード配列が単離されるかまたは合成されると、それらを発現のための任意の適切なベクターまたはレプリコンにクローン化し得る。多くのクローニングベクターが当業者に公知であり、そして適当なクローニングベクターの選択は好みの問題である。クローニングのための組換えDNAベクターおよびそれらが形質転換可能な宿主細胞の例には、バクテリオファージλ(E.coli)、pBR322(E.coli)、pACYC177(E.coli)、pKT230(グラム陰性細菌)、pGV1106(グラム陰性細菌)、pLAFR1(グラム陰性細菌)、pME290(非E.coliグラム陰性細菌)、pHV14(E.coliおよびBacillus subtilis)、pBD9(Bacillus)、pIJ61(Streptomyces)、pUC6(Streptomyces)、YIp5(Saccharomyces)、YCp19(Saccharomyces)およびウシパピローマウイルス(哺乳動物細胞)が含まれる。一般的には、DNA Cloning:第IおよびII巻(前出);Sambrookら(前出);B.Perbal(前出)を参照のこと。
バキュロウイルス系のような昆虫細胞発現系も使用され得、そして当業者に公知であり、例えば、SummersおよびSmith,Texas Agricultural Experiment Station Bulletin No.1555(1987)に記載されている。バキュロウイルス/昆虫細胞発現系のための材料および方法は、とりわけInvitrogen,San Diego CAからキット形態(「MaxBac」キット)で市販されている。
植物発現系もまた、短縮型E1およびE2タンパク質を産生するために使用され得る。一般には、このような系は、植物細胞に異種遺伝子をトランスフェクトするためにウイルスベースのベクターを使用する。このような系の記載については、例えば、Portaら、Mol Biotech.(1996)5:209-221;およびHacklandら、Arch.Virol.(1994)139:1-22を参照のこと。
Tomeiら、J.Virol.(1993)67:4017-4026およびSelbyら、J.Gen.Virol.(1993)74:1103-1113に記載されるワクシニアベースの感染/トランスフェクション系のようなウイルス系も、本発明に関する用途を見出す。この系においては、まず、バクテリオファージT7 RNAポリメラーゼをコードするワクシニアウイルス組換え体を用いて、細胞をインビトロでトランスフェクトする。このポリメラーゼは、T7プロモーターを有するテンプレートのみを転写する卓越した特異性を示す。感染の後、T7プロモーターによって駆動された目的のDNAで細胞をトランスフェクトする。ワクシニアウイルス組換え体から細胞質中で発現されたポリメラーゼは、トランスフェクトされたDNAをRNAに転写し、次いでこのRNAは宿主の翻訳機構によりタンパク質に翻訳される。この方法は、多量のRNAおよびその翻訳産物の高レベルの一過性細胞質生成を提供する。
遺伝子をプロモーター、リボソーム結合部位(細菌性発現のために)および、任意に、オペレーター(本明細書においてまとめて「制御」エレメントといわれる)の制御下に置き、この発現構築物を含有するベクターで形質転換された宿主細胞において、所望のE1またはE2ポリペプチドをコードするDNA配列をRNAに転写し得る。コード配列は、シグナルペプチドまたはリーダー配列を含有していてもいなくてもよい。本発明に関しては、天然に生じるシグナルペプチドまたは異種配列の両方を用い得る。リーダー配列は、翻訳後プロセシングにおいて、宿主によって除去され得る。例えば、米国特許第4,431,739号;同第4,425,437号;同第4,338,397号を参照のこと。このような配列は、以下を含むがこれらに限定されない:tpaリーダー、およびミツバチのメリチンシグナル配列。
宿主細胞の増殖に比較して、タンパク質配列の発現の調節を可能にする他の調節配列も望ましくあり得る。このような調節配列は当業者に公知であり、その例には、調節化合物の存在を含む、化学的または物理的刺激に応答して遺伝子の発現の開始または停止を引き起こす調節配列が含まれる。他のタイプの調節エレメント、例えばエンハンサー配列、もベクター内に存在し得る。
制御配列および他の調節配列は、ベクターに挿入する前に、コード配列に連結され得る。あるいは、すでに制御配列および適切な制限部位を含有する発現ベクターに、コード配列を直接クローン化し得る。
いくつかの場合には、コード配列を、それが適切な方向で制御配列に結合され得るように、すなわち、適切なリーディングフレームを維持するために、改変することが必要であり得る。E1またはE2タンパク質の変異体またはアナログを生成することがまた、望ましくあり得る。変異体またはアナログは、タンパク質をコードする配列の一部を欠失させることにより、配列の挿入により、および/または配列内の1以上のヌクレオチドの置換により調製され得る。部位特異的変異誘発のようなヌクレオチド配列を改変するための技術は、当業者に周知である。例えば、Sambrookら(前出);DNA Cloning,第IおよびII巻(前出);Nucleic Acid Hybridization(前出)を参照のこと。
次に、発現ベクターを適切な宿主細胞の形質転換に用いる。多くの哺乳動物細胞株が当該分野において公知であり、そしてこれには、これらに限定されるものではないが、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、HeLa細胞、ベビーハムスター腎臓(BHK)細胞、サル腎臓細胞(COS)、ヒト肝細胞ガン細胞(例えば、Hep G2)およびその他のようなアメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC)から入手可能な不死化細胞株が含まれる。同様に、E.coli、Bacillus subtilis、およびStreptococcus spp.のような細菌宿主に、本発明の発現構築物に関して用途が見出される。本発明において有用な酵母宿主には、とりわけ、Saccharomyces cerevisiae、Candida albicans、Candida maltosa、Hansenula polymorpha、Kluyveromyces fragilis、Kluyveromyces lactis、Pichia guillerimondii、Pichia pastoris、Schizosaccharomyces pombeおよびYarrowia lipolyticaが含まれる。バキュロウイルス発現ベクターと共に用いる昆虫細胞には、とりわけ、Aedes aegypti、Autographa californica、Bombyx mori、Drosophila melanogaster、Spodoptera frugiperda、およびTrichoplusia niが含まれる。
選択された発現系および宿主に依存して、上記発現ベクターで形質転換された宿主細胞を、目的のタンパク質が発現される条件下で増殖させることにより、本発明のタンパク質が生成される。適切な増殖条件の選択は、当該技術分野の技術の範囲内にある。次いで、細胞を、化学的、物理的、または機械的な手段を用いて破壊する。これらの手段は、なお、実質的にインタクトなHCVポリペプチドを保持する細胞を溶解する。細胞内タンパク質もまた、細胞壁もしくは膜から成分を除去することによって例えば、E1および/またはE2ポリペプチドの漏出が起こるような界面活性剤もしくは有機溶媒の使用によって、得られ得る。このような方法は当業者に公知であり、そして、例えば、Protein Purification Applications:A Practical Approach,(E.L.V.HarrisおよびS.Angal編、1990)に記載されている。
例えば、本発明での使用のための細胞を破壊する方法には以下が含まれるがこれらに限定されない:超音波処理(sonicationまたはultrasonication);攪拌;液体または固体押出し;熱処理;凍結解凍;乾燥;爆発的な除圧;浸透圧ショック;トリプシン、ノイラミニダーゼ、およびリゾチームのようなプロテアーゼを含む溶解性酵素での処理;アルカリ処理;ならびに胆汁酸塩、ドデシル硫酸ナトリウム、Triton、NP40、およびCHAPSのような界面活性剤および溶媒の使用。細胞を破壊するために使用される特定の技術は、多くは選択の問題であり、そしてポリペプチドが発現される細胞型、培養条件、および使用される任意の前処理に依存する。
細胞の破壊に続いて、通常、遠心分離によって細胞破片を除去し、そして細胞内で産生されたE1および/またはE2ポリペプチドを、標準的な精製技術(例えば、カラムクロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、電気泳動、HPLC、免疫吸着技術、アフィニティークロマトグラフィー、免疫沈降などであるが、これらに限定されない)を使用してさらに精製する。
例えば、本発明の細胞内HCVポリペプチドを得るための1つの方法は、例えば、抗E1および/または抗E2特異的抗体を使用して免疫親和性クロマトグラフィーによるか、またはレクチン親和性クロマトグラフィーによるアフィニティー精製を含む。特に好ましいレクチン樹脂は、Galanthus nivalisアグルチニン(GNA)、Lens culinarisアグルチニン(LCAまたはレンチルレクチン)、Pisum sativumアグルチニン(PSAまたはエンドウレクチン)、Narcissus pseudonarcissusアグルチニン(NPA)、およびAllium ursinumアグルチニン(AUA)由来の樹脂のようなマンノース部分を認識するレクチンであるが、これらに限定されない。適切なアフィニティー樹脂の選択は、当該分野の技術の範囲内である。アフィニティー精製後、E1およびE2ポリペプチドは、上記の任意の技術によるような当該分野に周知の従来の技術を使用してさらに精製され得る。
E1/E2複合体を産生することが所望であり得る。このような複合体は、例えば、宿主細胞を、E1およびE2短縮型タンパク質をコードする構築物と同時トランスフェクトすることによって、容易に産生される。同時トランスフェクションは、トランスまたはシスのいずれか(すなわち、別々のベクターを使用することによって、またはE1およびE2遺伝子の両方を保有する単一のベクターを使用することによって)で達成され得る。単一のベクターを使用した場合、両遺伝子はコントロールエレメントの単一のセットによって駆動され得るか、または代替的に、遺伝子は、個々のコントロールエレメントによって駆動される、個々の発現カセットにおけるベクター上に存在し得る。発現の後、E1およびE2タンパク質は自発的に結合される。あるいは、複合体は、精製形態もしくは半精製形態のいずれかで別々に産生されている個々のタンパク質を一緒に混合することによって、またはタンパク質を発現する宿主細胞が培養されている培養培地を混和することによってさえ、形成され得る。このような複合体の記載について1996年2月15日に公開された国際公開WO 96/04301を参照のこと。
本発明の、細胞内で産生されたE1およびE2ポリペプチド、それらの複合体、またはそれをコードするポリヌクレオチドは、多数の診断目的および治療目的のために使用され得る。例えば、タンパク質およびポリヌクレオチド、またはそれらに対して産生された抗体は、HCV疾患の診断における補助のために、種々のアッセイにおいて、生物学的サンプル中の反応性抗体ならびに/またはE1およびE2タンパク質の存在を決定するために使用され得る。
HCVポリペプチドと反応性である抗体、そして逆にそれに対して生成される抗体と反応性である抗原の存在は、標準的な電気泳動技術および免疫診断的技術(競合、直接反応、またはサンドイッチ型アッセイのようなイムノアッセイを含む)を使用して検出され得る。このようなアッセイには、ウェスタンブロット;凝集試験;酵素標識および媒介イムノアッセイ(例えば、ELISA);ビオチン/アビジン型アッセイ;ラジオイムノアッセイ;免疫電気泳動;免疫沈降などが含まれるがこれらに限定されない。反応は一般的に、蛍光、化学発光、放射線、または酵素標識もしくは色素分子のような露出標識、あるいは抗原と抗体との間の複合体の形成、もしくは複合体と反応する抗体を検出するための他の方法を含む。
固体支持体は、膜またはマイクロタイターウェル形態におけるニトロセルロース;シートまたはマイクロタイターウェルにおけるポリビニルクロリド;ビーズまたはマイクロタイタープレートにおけるポリスチレンラテックス;ポリビニリジンフルオライド;ジアゾ化紙;ナイロン膜;活性化ビーズなどのようなアッセイにおいて使用され得る。
代表的に、固体支持体は、最初に生物学的サンプルと反応され(またはE1および/もしくはE2タンパク質)、洗浄され、そして次いで抗体(または抗体を含有すると推測されるサンプル)を適用される。洗浄して任意の非結合リガンドを除去した後、二次結合部分を適切な結合条件下で添加し、その結果、二次結合体は結合リガンドと選択的に結合し得る。次いで、二次結合体の存在は当該分野に周知の技術を使用して検出され得る。代表的には、二次結合体は、抗体リガンドに対して指向された抗体を含む。多数の抗ヒト免疫グロブリン(Ig)分子(例えば、市販のヤギ抗ヒトIgまたはウサギ抗ヒトIg)が当該分野で公知である。本明細書中で使用されるIg分子は、好ましくはIgGまたはIgA型であるが、IgMもまたいくつかの場合に適切であり得る。Ig分子は、とりわけ、当業者に公知の方法を使用して、検出可能な酵素標識(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、β-ガラクトシダーゼ、アルカリホスファターゼ、およびウレアーゼ)に容易に結合され得る。次いで適切な酵素基質は検出可能なシグナルを生成するために使用される。
あるいは、「2つの抗体サンドイッチ」アッセイは本発明のタンパク質を検出するために使用され得る。この技術において、固体支持体は、まず、E1および/またはE2に指向される1つ以上の抗体と反応し、洗浄され、次いで試験サンプルに曝される。抗体は再度添加され、そして反応は、直接的な発色反応または標識された二次抗体(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、またはウレアーゼによって標識された抗免疫グロブリン)のいずれかを使用して可視化される。
アッセイはまた、ウイルスタンパク質およびそれに対する抗体が沈殿条件下で複合体を形成するような溶液中で行われ得る。次いで沈殿された複合体は、例えば、遠心分離によって試験サンプルから分離され得る。反応混合物は、任意の多数の標準的な方法(上記の免疫診断的方法のようなもの)を使用して、抗体-抗原複合体の存在または非存在を決定するために分析され得る。
上記のように産生されたE1および/またはE2タンパク質、またはこのタンパク質に対する抗体は、上記のイムノアッセイを行うために、適切な説明書および他の必要な試薬と共に、キットにおいて提供され得る。キットはまた、使用される特定のイムノアッセイに依存して、適切な標識、ならびに他のパッケージ試薬および材料(すなわち、洗浄緩衝液など)を含み得る。上記のような標準的なイムノアッセイは、これらのキットを使用して行われ得る。
E1およびE2ポリペプチドならびにこのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドはまた、例えば、予防的ワクチン(すなわち、感染を予防するため)または治療的ワクチン(感染後のHCVを処置するため)において、ワクチン組成物において、個々にまたは組み合わせて使用され得る。ワクチンは、1より多いウイルス単離物由来のE1およびE2タンパク質のような、1以上のE1およびE2タンパク質(またはこれらのタンパク質をコードするヌクレオチド配列)の混合体を含み得る。このワクチンはまた、他の抗原および免疫調節剤、例えば、IL-2、改変IL-2(cys125→ser125)、GM-CSF、IL-12、γ−インターフェロン、IP-10、MIP1βおよびRANTESを含むがこれらに限定されない、免疫グロブリン、サイトカイン、リンホカイン、およびケモカインと組み合わせて投与され得る。
ワクチンは、一般に、水、生理食塩水、グリセロール、エタノールなどの、1以上の「薬学的に受容可能な賦形剤またはビヒクル」を含有する。さらに、このようなビヒクル中には、加湿剤または乳化剤、pH緩衝化物質などの補助物質が存在し得る。
組成物を受けた個体に対して有害な抗体の生成を、それ自体が誘導しない分子であるキャリアが必要に応じて存在する。適切なキャリアは、代表的には、タンパク質、多糖、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリマーアミノ酸、アミノ酸コポリマー、脂質凝集物(例えば、油滴またはリポソーム)、および不活性ウイルス粒子のような、大きな、徐々に代謝される巨大分子である。このようなキャリアは当業者に周知である。さらに、HCVポリペプチドは、ジフテリア、破傷風、コレラなどに由来するトキソイドのような細菌性トキソイドと結合され得る。
アジュバントもまたワクチンの有効性を増強するために使用され得る。このようなアジュバントには、(1)水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム、硫酸アルミニウムなどのアルミニウム塩(alum);(2)例えば(a)Model 110Y微小流動体化装置(microfluidizer、Microfluidics,Newton,MA)のような微小流動体化装置を用いてサブミクロン粒子に処方された、5%Squalene、0.5%Tween80、および0.5%Span85を含有する(必要に応じて、様々な量のMTP-PE(下記参照)を含有する)MF59(国際公開第WO90/14837号)、(b)サブミクロンェマルジョンに微小流動体化されるか、またはより大きな粒径のエマルジョンが生じるようにボルテックスされるかのいずれかの、10%Squalane、0.4%Tween80、5%pluronic−ブロックポリマーL121、およびthr-MDP(下記参照)を含有するSAF、ならびに(c)2%Squalene、0.2%Tween80、ならびのモノホスホリリピッドA(MPL)、トレハロースジミコレート(TDM)、および細胞壁骨格(CWS)から選択される1以上の細菌細胞壁成分、好ましくはMPL+CWS(DetoxTM)を含有するRibiTMアジュバントシステム(RAS)(Ribi Immunochem,Hamilton,MT)のような(ムラミルペプチド(下記参照)または細菌細胞壁成分のような他の特定の免疫刺激剤を含み、または含まない)水中油エマルジョン製剤;(3)サポニンアジュバント(例えば、StimulonTM(Cambridge Bioscience,Worcester,MA)を使用し得るか、または粒子がそれから形成される(例えば、ISCOM(免疫刺激複合体));(4)完全フロイントアジュバント(CFA)および不完全フロイントアジュバント(IFA);(5)インターロイキン(IL-1、IL-2など)、マクロファージコロニー刺激因子(M-CSF)、腫瘍壊死因子(TNF)などのサイトカイン;(6)コレラ毒素(CT)、百日咳毒素(PT)、またはE.coli易熱性毒素(LT)、特にLT-K63(ここで、リジンは63位で野生型アミノ酸について置換される)、LT-R72(ここで、アルギニンは72位で野生型アミノ酸と置換される)、CT-S109(ここで、セリンは109位で野生型アミノ酸と置換される)、およびPT-K9/G129(ここで、リジンは9位で野生型アミノ酸と置換され、グリシンは129位で野生型アミノ酸と置換される)のような細菌ADPリボシル化毒素の解毒化された変異体(例えば、国際公開WO93/13202およびWO92/19265を参照のこと);ならびに(7)組成物の有効性を増強する免疫刺激剤として作用する他の物質が含まれるが、これらに限定されない。
ムラミルペプチドには、N−アセチル−ムラミル−L−トレオニル−D−イソグルタミン(thr-MDP)、N−アセチル−ノルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミン(N-acteyl-normuramyl-L-alanyl-D-isogluame)(nor-MDP)、N−アセチルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミニル−L−アラニン−2−(1’−2’−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ヒドロキシホスホリルオキシ)−エチルアミン(N-acetylmuramyl-L-alanyl-D-isogluatminyl-L-alanine-2-(1’-2’-dipalmitoyl-sn-glycero-3-huydroxyphosphoryloxy)-ethylamine)(MTP-PE)などが含まれるが、これらに限定されない。
代表的に、ワクチン組成物は、溶液またば懸濁液のいずれかとして注射可能に調製される;液体ビヒクル中の溶液または懸濁液に適切な固体形態もまた注射の前に調製され得る。調製物はまた、上記のように、増強されるアジュバント効果のためにリポソーム中に乳化もしくはカプセル化され得る。
ワクチンは、治療有効量のE1および/またはE2短縮型タンパク質、またはこのタンパク質の複合体、またはタンパク質をコードするヌクレオチド配列、ならびに上記成分の他のいかなるものも必要に応じて包含する。「治療有効量」は、投与される個体において保護的な免疫学的応答を誘導するE1および/またはE2短縮型タンパク質の量を意味する。このような応答は、一般に、被験体において、ワクチンに対する分泌性免疫応答、細胞性免疫応答および/または抗体媒介性免疫応答の発生を生じる。通常、このような応答には、以下の効果の1つ以上が含まれるが、これらに限定されない;免疫グロブリンA、D、E、GまたはMのような任意の免疫学的クラスに由来する抗体の生成;BおよびTリンパ球の増殖;免疫学的細胞に対する活性化シグナル、増殖シグナルおよび分化シグナルの供給;ヘルパーT細胞、サプレッサーT細胞、および/または細胞障害性T細胞および/またはγδT細胞集団の拡張。
好ましくは、有効量は疾患症状の処置または予防をもたらすに十分な量である。必要とされる正確な量は、処置される被験体に依存して変化する;特に、処置される個体の年齢および一般的な状態;個体の免疫系が抗体を合成し得る能力;所望の防御の程度;処置する状態の重篤度;選択される特定のHCVポリペプチド、およびその投与様式。適切な有効量は当業者により容易に決定され得る。「治療有効量」は日常的な試行により決定され得る比較的広範な範囲内にある。
一旦処方されると、ワクチンは、通常、非経口的に、例えば、皮下または筋肉内のいずれかで注射することにより投与される。他の投与様式に適切なさらなる処方物には、経口処方物および肺処方物、坐剤、ならびに経皮塗布物が含まれる。投薬処置は、単回用量スケジュールまたは複数回用量スケジュールであり得る。ワクチンは、他の免疫調節剤と組み合わせて投与され得る。
III.実験
以下は、本発明を行うための具体的な実施態様の例である。これらの例は例証を目的としてのみ提示されるものであり、そしていかなる意味においても本発明の範囲を限定することを意図しない。
用いられる数字(例えば、量、温度など)に関して正確を期する努力はなされているが、幾つかの実験上の誤差および偏差はもちろん考慮される。
材料および方法
HCV鋳型
図3に示す一連の短縮型E1鋳型および図4に示すE2鋳型を、PCRを用いて作製した。メチオニン残基およびNcoI部位を含む適切な5’プライマーを、示されたエンベロープ終点の後ろに終結コドンおよびE1については最後にBamHI部位を有する3’プライマーと共に使用した。両方のオリゴは、NcoIおよびBamHI酵素によるより効率的な消化を容易にするために、その末端に非特異的配列を有した。消化されたPCRフラグメントを、NcoI/BamHI消化pTM1(Elroy-SteinおよびMoss、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1990)87:6743-6747)に連結した。pTM1ベクターは、T7プロモーターおよび示されたDNAによりコードされる第1のメチオニン残基に相当する、NcoIクローニング部位に隣接したEMCリーダーを含む。E2鋳型をNcoIおよびAscIで消化し、そしてNcoI(部分的)/AscI-pTM1-CE2(Selbyら、J.Gen.Virol.(1993)74:1103-1113)にクローニングして、翻訳がアミノ酸1から始まり、そしてコア、E1、および示されたE2領域をコードする、Hクローンを作製した。
短縮型E1ポリペプチドについて、コード鋳型はメチオニン残基から始まり、イソロイシン、次いでアミノ酸172が続く。特に、メチオニン残基から始まり、イソロイシン、次いでHCVポリタンパク質のアミノ酸172が続き、そしてアミノ酸330まで続くコード鋳型、およびアミノ酸380までの10アミノ酸漸増のクローンを作製した。アミノ酸173から191は、明らかにシグナル配列としての役割を果たすコアのC末端に相当する。成熟E1は、シグナル配列切断後に、ポリタンパク質のアミノ酸192から始まると考えられる。
短縮型E2構築物について、364位のメチオニンを、構築におけるN末端として使用した。アミノ酸364は、ほぼE2シグナルペプチド開始部位に相当する(Hijikataら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1991)88:5547-5551;Ralstonら、J.Virol.(1993)67:6753-6761)。成熟E2はアミノ酸385から始まると考えられる。部分的にずらしたC末端は、アミノ酸661から1006の範囲に及ぶ。特に、このクローンは、アミノ酸661、699、710、715、720、725、730、760、780、807、837、906、および1006で終結する。
上記のおよび図4に示されるそれらのクローンに加えて、アミノ酸500、550、590、625、655で終結する、短縮型E2ポリペプチド、およびアミノ酸715で終結し、そしてN末端超可変領域のさらなる欠失を含む構築物(δ715と呼ぶ)もまた上記のように作った。
短縮型HCV E2の細胞内生成
以下のように、アミノ酸715lysにそのC末端を有する短縮型E2分子(「E2715」)を発現した。アミノ酸715で終結するクローンを使用して、Spaeteら、Virol.(1992)188:819-830に記載される技術を用いてDHFR欠損チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞株をトランスフェクトした。発現後、CHO細胞を溶解し、そして細胞内で生成されたE2715を、以下のように、GNAアガロースクロマトグラフィー、続いて陽イオン交換クロマトグラフィーにより精製した。
細胞を溶解するために、2容量の溶解緩衝液(4% Triton X-100中の0.1M Tris(pH8)、1mM EDTA、1μg/mlペプスタチンA、および1mMフェニルメチル-スルホニル-フルオリド(PMSF))を、4℃でCHO細胞に添加した。混合物を、ぴったりとあった乳棒Bを用いて、40ml Dounceホモジナイザーにおいてアリコート中でホモジナイズした(20回上下した)。ホモジネートを、4℃で20分間、12Krpmで回転させた。上清を、水を用いて2% Triton/50mM Tris(pH8)に調節し、そして乳棒Bを用いて再びホモジナイズした(10回上下した)。上記のようにホモジネートを回転させ、そして細胞内で生成されたE2715を、以下のように上清からさらに精製した。
GNAアガロースカラム(4mlベッド容量、Vector Labs、Burlingame,CA)を、界面活性剤緩衝液(2% Triton/50mM Tris(pH8))で予め平衡化した。上清サンプルを4℃でカラムにアプライし、そしてカラムを、5ベッド容量のカラム緩衝液(0.1% Triton/20mMリン酸ナトリウム(pH6))で洗浄した。カラムをまた、5ベッド容量の1M NaClで洗浄した。(あるいは、NaClを、サンプルのカラムへのローディング前に、1M濃度まで界面活性剤緩衝液に添加し得る)。E2タンパク質を、5ベット容量のメチルα-D-マンノピラノシド(MMP)および1M NaCl中に溶出させ、そして1.2mlの画分を収集した。
E2タンパク質を含む画分をプールし、そして2容量のS-Sepharose緩衝液(0.1% Triton/20mMリン酸ナトリウム(pH6))を用いて溶出させた。プールし、そして希釈した画分を、一定に攪拌しながら、4℃で一晩、4LのS-Sepharose緩衝液に対して膜透析した(Spectra/Por、分子量カットオフ1,000)。透析後、透析物をS-Sepharoseカラム(速い流速、Pharmacia、4℃、4mlベット容量、S-Sepharose緩衝液で予め平衡化した)にアプライした。カラムを5ベット容量のS-Sepharose緩衝液で洗浄し、そして1ml画分を、0.5M NaClを含むS-Sepharose緩衝液中に溶出させた。E2を含む画分をプールし、そしてカラムを1M NaClを含むS-Sepharose緩衝液で洗浄し、そしてS-Sepharose緩衝液で再平衡化した。
E2ポリペプチドδ715(上記)、ならびにアミノ酸500、550、590、625、および655で終結するE2分子もまた上記のように生成した。
分泌型短縮型HCV E2の生成
アミノ酸715lysでそのC末端を有する、短縮型E2分子(「E2715」)を作った。短縮型E2分子を、Spaeteら、Virol.(1992)188:819-830において記載されたように、チャイニーズハムスター卵巣細胞/ジヒドロ葉酸レダクターゼ(CHO/DHFR)発現系を用いて発現した。発現後、分泌型E2715を、1996年2月15日に公開された国際公開番号WO 96/04301において記載されたようなさらなる実験における使用のために精製した。
E2ポリペプチドδ715(上記)、ならびにアミノ酸500、550、590、625、および655で終結するE2分子もまた上記のように生成した。
E1/E2複合体の細胞内生成
HeLa細胞において生成されたE1/E2複合体(複合体化完全長E1およびE2を含む)を、以下のように単離した。HeLa S3細胞に、5pfu/細胞の感染多重度でE1およびE2を発現する精製高力価ワクシニアウイルスを接種し、そして混合物を37℃で30分間攪拌した。次いで、感染細胞を、8リットルのスピナー培地を含むスピナーフラスコに移し、そして37℃で3日間インキュベートした。細胞を遠心分離により再収集し、そして氷上で低張緩衝液(20mM HEPES、10mM NaCl、1mM NaCl、1mM MgCl2、120ml)中に再懸濁した。
発現後、HeLa細胞をTriton X-100で溶解し、そしてE1/E2を、細胞内で発現されたE2を精製するために使用される手順を用いて、GNAアガロースクロマトグラフィー、続いて陽イオン交換クロマトグラフィーにより単離した。得られた物質を、0.05% Triton X-100を含む緩衝液中に提供した。還元SDS-PAGE分析は、これが、多量のマンノース型グリコシル化の存在と一致する、比較的密着した(tight)55kDバンドを有することを示した。純度を33%と見積もった。複合体を、以下の実験においてコントロールとして使用した。
実施例1
分泌型E2および細胞内E2のレセプター結合
GNAアガロース精製細胞内E2および分泌型E2を、Rosaら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1996)93:1759-1763および1996年2月22日に公開された国際公開番号WO 96/05513において記載されたような結合アッセイにおいて使用した。このアッセイは、E2タンパク質のヒトリンパ腫T細胞(MOLT-4細胞)への特異的結合、および抗原のMOLT-4細胞への結合を中和する血清の細胞蛍光測定評価に基づいて、その中和を評価する。
図5に示すように、細胞内(内部)E2は、分泌型対照物よりも約30倍効率的に細胞に結合した。
実施例2
分泌型E2および細胞内E2の免疫反応性
細胞内で生成された短縮型E2タンパク質の免疫反応性もまた、マウスモノクローナル抗体およびヒトポリクローナル血清を用いて、分泌型E2タンパク質の免疫反応性と比較した。
A.抗E2モノクローナル抗体を用いた細胞内E2および分泌型E2のエピトープ暴露研究
このアッセイにおいて使用されたマウスモノクローナル抗体を以下のように生成した。マウスを、表1に明記された免疫原で免疫化した。免疫化マウスに由来する脾臓細胞を得、そしてKohlerおよびMilstein,Nature(1975)256:495-497により記載された手順を用いて、50%ポリエチレングリコール4000(Merk)中で2.5×107個NSO/2マウス骨髄腫細胞と融合させた。融合後、細胞を、非必須アミノ酸、10%胎児ウシ血清(FBS)(Hyclone Laboratories,Salt Lake City,UT)、100Ul/mlのペニシリン、100μg/mlストレプトマイシン、2mM L-グルタミン、108Mヒポキサンチン、4×10-3Mチミジン(全試薬はSigmaに由来する)を補充した、ダルベッコ培地を用いて作られたHAT中に再懸濁した。100μlアリコートを、96ウェル組織培養プレート(Nunk,DK 4000 Roskikle,Denmark)上に播種した。プレートを、空気中10%CO2を含む加湿空気内で37℃でインキュベートした。融合の10日後、ハイブリドーマ増殖を示す培養物に由来する上清を、抗B抗体生成についての血球凝集反応によりスクリーニングした。全ての陽性培養物を24ウェルプレートに拡大し、そして細胞を、90%FCSおよび10%ジメチルスルホキシド(Merk)を含む培地中で液体窒素下で凍結した。目的のハイブリドーマを、それらの特異性、アビディティー、および血球凝集反応の強度に基づいて選択し、そして限界希釈技術により2回、再クローニングした。
腹水を誘導するために、再クローニングされたハイブリドーマを、0.5mlの2,6,10,14-テトラメチルペニンデカン(tetramethylpenindecane)(Pristane、Sigmaに由来する)を腹腔内に予め注射した、BALB/CまたはF2’(BALB/C X B10)マウスの腹膜腔内で増殖させた。
抗体のアイソタイプを、マウス免疫グロブリンアイソタイプに対するラットモノクローナル抗体と結合したヒツジ赤血球の赤血球凝集反応に基づく市販キット(Serotec,22 Bankside,Oxford,England)を用いて決定した。モノクローナル抗体のアイソタイプ、特異性、および特徴付けを表1に示す。
分泌型E2タンパク質および細胞内で生成されたE2タンパク質のエピトープ暴露を、以下のように上記のモノクローナル抗体を用いて決定した。Costar高結合プレートに、表2に記載のように、200μlの精製E2抗原(200ng/ウェル)(これは、コーティング緩衝液で希釈された)をロードした。プレートを室温で一晩インキュベートし、次いで、dH2Oで3回洗浄した。プレートを、300μlのポストコート(post coat)溶液でポストコートし、そして室温で1時間インキュベートした。プレートを吸引し、そして300μlの安定溶液をプレートに添加した。プレートを、室温で1時間インキュベートし、吸引し、そして数回軽くたたいた。プレートを、少なくとも4時間、凍結乾燥機において乾燥させた。
200μlの予め希釈した(1:100)、表2に明記されたモノクローナル抗体をプレートに添加し、そしてプレートを37℃で1時間インキュベートした。プレートを、洗浄緩衝液で5回洗浄し、そして200μlの1:5K結合ヤギ抗マウスIgG(H+L)Fab’2を添加した。プレートを37℃で1時間インキュベートし、そして上記のように洗浄した。プレートを、200μOPD基質を用いて発色させた。結果を表2に示す。見られ得るように、分泌型E2タンパク質は、線状エピトープに対するモノクローナル抗体により認識されるだけであったが、細胞内で(内部)生成されたE2は、線状および立体配座エピトープの両方に対するモノクローナル抗体により認識された。
B.HCVセロコンバージョンを用いた分泌型E2および細胞内E2の免疫反応性研究
細胞内で生成された短縮型E2対分泌型E2の免疫反応性をさらに決定するために、セロコンバージョンパネルを、市販の血清供給源を用いて行った。200μlのサンプル希釈剤中に希釈された5μlの各血清サンプルを、表3に同定される抗原を用いて上記のように調製されたプレートに添加した。プレートを37℃で1時間インキュベートし、そして洗浄緩衝液で5回洗浄した。結合希釈剤中に希釈された200μlの結合ヤギ抗ヒトIgG(H+L)Fab’2を添加し、そしてプレートを37℃で1時間インキュベートした。プレートを上記のように洗浄し、そして200μlのOPD基質を用いて発色した。
細胞内E2は、セロコンバージョン検出において、いずれの分泌型E2タンパク質よりも有意に感受性であった。例えば、代表的なアッセイからの結果を詳述する表3を参照のこと。
上記の結果は、細胞内で生成された短縮型E2タンパク質が、分泌型対照物よりも免役反応性であることを示す。従って、細胞内タンパク質は、増強した免疫反応性のためにより良い診断試薬を提供する。
C.固定化HCV抗体を用いた分泌型E2および細胞内E2の免疫反応性研究
細胞内で生成された短縮型E2対分泌型E2の免疫反応性をさらに決定するために、さらなる研究を、固定化HCV抗体を用いて行った。これらのアッセイにおいて使用された抗体は、モノクローナル抗体6A21および3E5-1(両方とも上記の表1に記載される)、ならびにHCV感染患者の血清から精製され、そしてE2 N末端の超可変領域に特異的であるIgG抗体調製物であった。
特に、抗体FF25931を、プロテインGアフィニティカラムに通して患者血清から精製し、次いで、アッセイにおける使用前に、常磁性粒子(Chiron Diagnostics,Walpole,MA)に結合させた。モノクローナル抗体6A21および3E5-1もまた、5mlゲル(Pierce,Rockford,IL)に通してプロテインG精製し、そして抗体を、1-エチル-3-C3-ジメチルアミノプロピル-カルボジミドハイドロクロライド(EDC)化学を用いて、磁気ラテックス粒子(Bangs Laboratories,Fisher,IN)に共有結合させた。
このアッセイにおいて使用された検出試薬は、上記のように生成された、分泌型E2715に対して惹起されたモルモットポリクローナル抗血清であった。1mlのポリクローナル抗血清を、1mlゲルプロテインAカラム(Pierce)への通過により精製した。タンパク質含有量を、280nmでの吸光度を読み取ることにより決定した。抗体を、2’,6’-ジメチル-4’-(N-スクシンイミジルオキシカルボキシニル(carboxnyl))フェニル-10-(3’-スルホプロピル)-アクリジニウム-9-カルボキシレート(NHS-NSP-DMAE)(Chiron Diagnostics,Walpole,MA)で標識した。
固相抗体および検出試薬の両方を最適化し、そして作用緩衝液(50mM Tris(pH8.0)、500mM KCl、1mM EDTA、1.75% BSA、0.01% Tween-20)中に希釈した。
アッセイを以下のように行った。100μlサンプルを、75×12mmポリスチレンチューブ(Sarstedt,Newton,NC)に入れ、そして100μlの固相抗体を30μg/アッセイで添加した。これを37℃で18分間インキュベートした。100μlの検出試薬を、アッセイあたり30×106相対光単位(RLU)の量で添加し、そして反応を37℃で18分間進行させた。生成物をリン酸緩衝化生理食塩水、0.1% Tween-20で3回洗浄し、そしてチューブを、Magic Lite Analyzer II(Chiron Diagnostics,Walpole,MA)を用いて読み取った。結果を表4に示す。
このアッセイを、上記のように、常磁性粒子上に固定化されたFF25931抗体を用いて反復し、そして検出を、NHS-NSP-DMAEに結合された、E2 N末端の超可変領域に特異的なモノクローナル抗体1G2/A7を用いて達成した。このアッセイの結果を表5に示す。
表4に見られ得るように、モノクローナル抗体3E5-1は、上清(培地)および細胞内溶解物の両方において、アミノ酸550以上で終結するE2末端切断物(truncation)と反応する。しかし、Molt-4 NOBアッセイにおいてE2結合をブロックする6A21モノクローナル抗体は、500と625との間で終結するE2末端切断物に結合しない。アミノ酸655以上で終結する分子との実質的な免疫反応性はある。従って、655より下の残基は、E2が、6A21に結合するための正確な構造をとるのに必要とされると思われる。661で終結するE2はまた、6A21に対して高い反応性を有するが、715で終結するE2は、6A21に対して実質的に低い免疫反応性を有する。この効果は、特に、上清において見られる。
表4および5において示されるように、同じ効果が、E2 N末端の超可変領域に特異的な抗体である抗体FF25931を用いて見られる。625、655、および661での末端切断物は非常に活性であるが、E2715では上清および培地の両方において急低下があった。δ715分子は、試験された全ての抗体と実質的に不活性であった。
データは、E2655およびE2661がかなり免疫反応性であることを示す。
実施例3
モルモットの分泌型E2および細胞内E2での免疫化
分泌型HCV E2715および細胞内で生成されたHCV E2715の免疫原性を、モルモットにおいて決定した。5群の動物を、MF-75およびアジュバントとしてMTP-PEを用いて処方された上記の抗原で免疫化した。内部HeLa E1/E2を、コントロールE2調製物として使用した。モルモットを、表6に明記された用量を用いて、0、1、および3ヶ月で筋肉内に免疫化し、そして血清をモルモットから収集し、そしてさらなる研究のためにプールした。
a0、30、および90日目で、最初の用量については50μgのMTP-PE、および後の用量については10μgのMTP-PEを含むMF75-0中に希釈した。1群あたり5匹の動物を使用した。
表7において見られ得るように、内部CHO E2調製物は、HeLa E1/E2免疫化モルモットにより生成された抗体と同じくら高いか、またはよそれより高いと思われる阻止抗体を生成した。分泌型CHO E2調製物は、検出可能な阻止抗体を生成しなかった。これらの結果は、細胞内で生成されたE2が、中和抗体を誘導することにおいて、分泌型細胞外形態よりはるかに優れていることを示唆する。
表7において示され得るように、内部E2抗原は、分泌型E2抗原により誘導される中和抗体の欠如とは対照に、HCV1a抗原に対するNOB力価を誘導した。さらに、内部E2抗原で免疫化されたモルモットはまた、使用されたT細胞へのHCV1b E2結合を交差中和し得る抗体を発生した。
従って、細胞内で発現されたE1およびE2ポリペプチドを得るための方法は、それを使用する方法と同様に開示される。本発明の好ましい実施態様は、いくらか詳細に記載されたが、添付の請求の範囲により定義されるような本発明の精神および範囲を逸脱することなく、明らかな改変がなされ得ることは理解される。
Claims (3)
- C型肝炎ウイルス(HCV)E2ポリペプチドを単離するための方法であって、ここで該HCVE2ポリペプチドは、C型肝炎ウイルス(HCV)1 E2アミノ酸配列に関する番号付けによるアミノ酸715のC末端側が切断されたものであり、該方法は:
(a)該HCV E2ポリペプチドのコード配列を含むポリヌクレオチドで形質転換された宿主細胞の集団を提供する工程であって、ここで、該コード配列は、該コード配列が該宿主細胞において転写および翻訳され得るように、制御エレメントに作動可能に連結されている、工程;
(b)該HCVE2ポリペプチドが細胞内で発現される条件下で、該細胞の集団を培養する工程;
(c)該宿主細胞を破壊する工程;および
(d)該HCVE2ポリペプチドを、該破壊された細胞から単離する工程、
を包含する、方法。 - 前記単離する工程が、アフィニティクロマトグラフィーを用いて行われる、請求項1に記載の方法。
- 前記アフィニティクロマトグラフィーが、GNAアガロースクロマトグラフィーである、請求項2に記載の方法。
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