JP4458560B2 - エアゾール剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、噴出物がシャーベット状に凝固する冷却効果の高いエアゾール剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
打撲、捻挫、筋肉疲労などによる痛み、または水虫、虫刺されなどによるかゆみを早急に静めるためには患部を冷却することが有効である。従来、それらの症状に対してはエアゾール剤で患部を冷却する方法が汎用されていた。しかし、従来のエアゾール剤は皮膚の冷却効果に持続性が無いので、患部の痛み、かゆみを持続的に静める効果は得られていなかった。その欠点を解決したものとしてWO90/11068号公報、特開平4−103526号公報などには噴出したときにシャーベット状の泡沫ゲルを形成するエアゾール剤が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、噴出したときにシャーベット状固体を形成するエアゾール剤について検討したところ、従来知られているものは、保存状態によっては製剤の安定性が十分でなくなることがあることを見出した。また、それらのエアゾール剤は配合する水を凍らせることにより持続した冷却効果を得ることから、水の配合が必須であり、水に不安定な薬剤や、親油性の高い薬剤は配合が困難であった。
【0004】
本発明の目的は、製剤が安定で、かつ、噴射した際に持続的な冷却効果を有するエアゾール剤を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するため種々検討した結果、低級アルコール、非イオン性界面活性剤および液化ガスを配合したエアゾール剤は、噴射した際に噴出物がシャーベット状に凝固することにより、持続的な冷却効果を有し、かつ、保存状態にかかわらず安定であることを見出し本発明を完成した。
【0006】
すなわち本発明は炭素数1〜3の低級アルコールおよび非イオン性界面活性剤を含む原液、ならびに噴射剤からなる、噴出したときシャーベット状固体を形成するエアゾール剤である。
【0007】
従来知られている噴出したときにシャーベット状固体を形成するエアゾール剤は、そのいずれも配合する水が凍ることにより噴出物が凝固するが、本発明のエアゾール剤には、必ずしも水の配合が必要でなく、全く新たな条件でシャーベット状固体を形成することに特徴がある。
【0008】
本発明のエアゾール剤は、液化ガスの気化熱により冷却された非イオン性界面活性剤が凝固することからシャーベット状になる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明において炭素数1〜3の低級アルコールとは直鎖状または分岐鎖状のアルコールであり、具体的にはメタノール、エタノール、変性エタノール、プロパノール、イソプロパノールなどがあげられるが、特に好ましいものとしてエタノールおよびイソプロパノールをあげることができる。低級アルコールの配合量は製剤全体の0.3〜60重量%が好ましく、さらに好ましくは1.5〜50重量%であり、最も好ましくは15〜35重量%である。低級アルコールの配合量が0.3重量%未満であると原液と噴射剤が均一に混和しにくくなり、60重量%を越えると噴射剤量が相対的に減るため、冷却効果が弱まるからである。
【0010】
本発明の非イオン性界面活性剤は、エアゾール剤原液が室温において低粘度であるものであり、好ましいものとして300センチストークス以下のものがあげられる。具体的にはポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステルなどが好ましい。非イオン性界面活性剤の配合量は製剤全体の0.005〜14重量%が好ましく、さらに好ましくは0.015〜10重量%であり、最も好ましくは0.5〜5重量%である。非イオン性界面活性剤の配合量が0.005重量%未満であると、噴出したときにシャーベット状固体を形成しにくくなるため、持続的な冷感が弱くなり、配合量が14重量%を越えると製剤の安定性が悪くなるためである。
【0011】
噴射剤は通常エアゾール剤に使用されるものであればよいが、好ましいものとしてジメチルエーテル、n−ブタン、i−ブタン、プロパン、液化石油ガスなどの液化ガスをあげることができる。液化ガスの配合量は製剤全体の30〜95重量%が好ましく、さらに好ましくは50〜85重量%である。液化ガスの配合量が30重量%未満であるとエアゾールの冷感が低くなり、痛み、かゆみを静める効果が弱くなる。また、液化ガスの配合量が95重量%を越えるとシャーベット状固体を形成しにくくなり、持続した冷却効果が得にくくなる。
【0012】
本発明のエアゾール剤において、噴出物がシャーベット状に凝固する原液の条件は、炭素数1〜3の低級アルコールは原液中に6重量%以上必要であり、好ましくは20〜75重量%である。低級アルコールの配合量が6重量%未満であると冷感が無くなるからである。また、非イオン性界面活性剤は原液中に1重量%以上の配合が必要であり、好ましくは1〜10重量%である。10重量%を越えて配合すると皮膚刺激が生じることがあるからである。
【0013】
原液に対する液化ガスの配合量は原液1重量部に対して0.5〜20重量部の量が必要である。
【0014】
本発明のエアゾール剤は、低級アルコール、非イオン性界面活性剤および必要であれば他の成分をさらに配合し、エアゾール容器に液化ガスと共に充填することにより製造することができる。エアゾール容器としては通常用いられる金属またはプラスチック製のものが用いられる。冷却効果の持続の点からは、他の成分として適量の水を配合するとさらに好ましい。原液中に水を配合する場合は原液全体の90重量%以下の量を配合することができるが、製剤設計の容易さの点から原液中の20〜60重量%の配合が好ましい。
【0015】
本発明のエアゾール剤は患部の痛み、かゆみを静める効果を増進するため、消炎鎮痛剤(インドメタシン、サリチル酸メチル、サリチル酸モノグリコールエステル、ケトプロフェン、フルルビプロフェン、ピロキシカム、ジクロフェナック、イブプロフェン、メフェナム酸、酢酸デキサメタゾンなど)、鎮痒剤(クロタミトン、イクタモール、モクタモール、チモール酸など)、抗真菌剤(塩酸アモロルフィン、ウンデシレン酸、ペンタクロールフェノール、クロトリマゾール、トルナフテート、トリコマイシン、硝酸ミコナゾール、ラノコナゾール、硝酸スルコナゾール、硝酸オキシコナゾール、ビフォナゾールなど)、抗ヒスタミン剤(ジフェンヒドラミン、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸イソチベンジルなど)、局所麻酔剤(リドカイン、塩酸ジブカインなど)、抗菌剤(ヨウ化カリウム、グルコン酸クロルヘキシジン、アクリノール、塩化ベンザルコニウムなど)、抗化膿性疾患剤(ペニシリン類、塩酸テトラサイクリン、フラジオマイシン、カナマイシンなど)、清涼剤(l−メントール、カンフル、ハッカ油など)などの薬効成分を配合することができる。薬効成分の配合量は成分により異なるが製剤全体の0.001〜10重量%が好ましい。
【0016】
本発明のエアゾール剤は必要があれば抗酸化剤(ジブチルヒドロキシトルエンなど)、経皮吸収促進剤(グリセリン脂肪酸エステル、油脂類、脂肪族カルボン酸エステル、ニコチン酸エステル、エイゾン、アルキレングリコール脂肪酸エステルなど)、香料、染料などのエアゾール剤に通常使用される添加剤を配合することもできる。
【0017】
【実施例】
以下、実施例および試験例により本発明をさらに詳細に説明する。
【0018】
実施例1
プロピレングリコールステアリン酸エステル 0.9重量%
ポリオキシエチレンステアリルエーテル 3.8
イソプロパノール 18
セイセイスイ 9
ジメチルエーテル 68.3
噴射剤以外の成分を混合、撹拌して均一に溶解させ原液を調製した。その原液を耐圧容器に充填しバルブを装着し噴射剤を充填し、エアゾール剤を得た。
【0019】
実施例2
上記成分について、実施例1に準じてエアゾール剤を製造した。
【0020】
実施例3
上記成分について、実施例1に準じてエアゾール剤を製造した。
【0021】
実施例4
上記成分について、実施例1に準じてエアゾール剤を製造した。
【0022】
実施例5
実施例1のポリオキシエチレンステアリルエーテルをポリオキシエチレンセチルエーテルに変更した処方で、実施例1と同様にしてエアゾール剤を得た。
【0023】
実施例6
実施例1のポリオキシエチレンステアリルエーテルをポリオキシエチレンベヘニルエーテルに変更した処方で、実施例1と同様にしてエアゾール剤を得た。
【0024】
比較例1
イソプロパノール 22.7重量%
セイセイスイ 9
ジメチルエーテル 68.3
上記成分について、実施例1に準じてエアゾール剤を製造した。
【0025】
比較例2
L−メントール 0.3重量%
アジピン酸ジイソプロピル 4
変性エタノール 19
セイセイスイ 13.4
ジメチルエーテル 63.3
上記成分について、実施例1に準じてエアゾール剤を製造した。
【0026】
比較例3
DL−カンフル 0.4
アジピン酸ジイソプロピル 1.8
ミリスチン酸イソプロピル 1
グリセリン 0.7
変性エタノール 17.9
セイセイスイ 8.7
ジメチルエーテル 69.5
上記成分について、実施例1に準じてエアゾール剤を製造した。
【0027】
比較例4
ジフェンヒドラミン 0.2
L−メントール 0.6
アジピン酸ジイソプロピル 1
ミリスチン酸イソプロピル 0.6
グリセリン 0.3
変性エタノール 10.5
セイセイスイ 4.4
n−ブタン 9.7
i−ブタン 5
ジメチルエーテル 67.7
上記成分について、実施例1に準じてエアゾール剤を製造した。
【0028】
試験例1
33℃に設定した恒温水槽上にシートを張り、そのシート上にテープで固定した熱電対センサー上に実施例1〜4及び比較例1〜4のエアゾール剤を各3秒間噴射塗布した。噴出物の性状を確認し、熱電対センサーの示した温度の値を経時的に測定した。その結果を表1に示した。
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】
本発明により、製剤が安定で、かつ、持続的な冷却効果を有するエアゾール剤を提供することが可能になった。
Claims (1)
- (a)エアゾール剤全体の0.3〜60重量%の炭素数1〜3の低級アルコールおよび、エアゾール剤全体の0.005〜14重量%のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステルから選ばれる1種または2種以上からなる非イオン性界面活性剤を含み、室温の粘度が300センチストークス以下の原液、ならびに、
(b)エアゾール剤全体の50〜85重量%液化ガスからなる、
(c)水を含まないことを特徴とする、
噴出したときシャーベット状固体を形成するエアゾール剤。
Priority Applications (1)
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| JP09950397A JP4458560B2 (ja) | 1997-04-17 | 1997-04-17 | エアゾール剤 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP09950397A JP4458560B2 (ja) | 1997-04-17 | 1997-04-17 | エアゾール剤 |
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| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10287553A JPH10287553A (ja) | 1998-10-27 |
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| JP09950397A Expired - Lifetime JP4458560B2 (ja) | 1997-04-17 | 1997-04-17 | エアゾール剤 |
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Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP5044103B2 (ja) * | 2005-03-23 | 2012-10-10 | 株式会社ダイゾー | 乳化型エアゾール組成物 |
-
1997
- 1997-04-17 JP JP09950397A patent/JP4458560B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH10287553A (ja) | 1998-10-27 |
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