JP4462246B2 - 多気筒内燃機関の冷却構造 - Google Patents

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Description

本発明は、ウォータジャケットが形成されたシリンダブロックを備える多気筒内燃機関において、ウォータジャケット内のスペーサによってシリンダ周りの冷却を調整する冷却構造に関する。
従来、レシプロ式エンジンでは、シリンダブロックおよびシリンダヘッド内でシリンダ周りにウォータジャケットを設け、このウォータジャケット内を流れる冷却水(冷却液)によってエンジンの冷却を行う冷却構造がある。この種の冷却構造は、冷却水でエンジン駆動時(燃焼時)に発生する熱を奪うものであるが、シリンダ外周の部分部分に応じて、要求される冷却の度合いが異なる。
例えば、シリンダ外周において燃焼室近傍は特に高温となるので、この箇所は他の箇所に比べてより効果的に冷却する必要がある。一方、燃焼室から遠ざかった部位が過度に冷却され、シリンダ内壁面とピストンリングとの間を潤滑するオイルまでもが冷えてしまうと、ピストンとシリンダとのフリクションが大きくなるおそれがある。このため、燃焼室から遠ざかった部位は、過度に冷却されないようにする必要がある。
そこで、シリンダ外周の部分部分に要求される冷却の度合いに合わせてウォータジャケット内の流路断面を変え、冷却水の流量や流速を調整する部材として、従来よりスペーサが用いられている。
この種のスペーサに関連する公知文献としては、例えば以下に述べる特許文献1を挙げることができる。
この特許文献1に開示されたシリンダブロックの冷却構造は、ウォータジャケット内に挿入されるウォータジャケットスペーサを備えている。このスペーサは、ウォータジャケットのシリンダ寄り内壁(シリンダを囲うボア壁)との間に所定間隔隔てた状態で配置さる。これらスペーサとボア壁間の隙間は、冷却水の主な流路となる。この隙間は、エンジンヘッドに近い側から順に上部領域、中央部領域、下部領域に分けられ、上部領域や下部領域では中央部領域よりも大きな隙間となるように、これら各領域に応じてスペーサの厚みを異ならせている。すなわち、効果的な冷却が必要な上部領域や下部領域では、ボア壁面からスペーサまでの隙間が大きくなるよう、スペーサの厚みを薄くするとともに、過冷却を抑制したい中央部領域は、ボア壁面からスペーサまでの隙間が小さくなるよう、スペーサの厚みを厚くしている。
つまり、特許文献1のスペーサは、その内側面(ボア壁面と対向する面)がシリンダの軸線方向に段状となるように形成されている。このようなスペーサによって、冷却度合いを高くしたい上部領域や下部領域では隙間を大きくとり、冷却度合いが低くてよい中央部領域では隙間を小さくすることができる。これにより、特許文献1のスペーサを備える冷却構造では、必要とされる冷却の度合いに対応した適切な冷却状態を実現することができ、ボア壁平均温度を冷却水の流れの周方向において均一化できるとされている。
特開2005−273469
ところで、複数気筒(シリンダ)が並列に配置されたシリンダブロックを備えるエンジンの場合、各シリンダ間には、ドリルパスなどの冷却水通路が形成されることがある。この冷却水通路の入口と出口とは、ウォータジャケット内に開口している。ウォータジャケット内を流通する冷却水の一部は、入口から冷却水通路内に浸入し、出口から出てウォータジャケット内に戻る。この冷却水通路内を流通する冷却水によって、各シリンダ間は冷却される。
このようなエンジンでは、ウォータジャケット内を流通する冷却水の一部を冷却水通路の入口に導きやすくするため、冷却水の流れ方向を調整したい要求がある。
あるいは、セミクローズドデッキ型のシリンダブロックの場合、ウォータジャケットの一部はシリンダブロックのトップデッキに開口しているが、他の一部はブリッジで覆われている。このブリッジは、ウォータジャケットの両側壁間に架け渡されて、ウォータジャケットの上方を覆うように形成されている。このブリッジの存在によってウォータジャケット内の冷却水の流通が阻まれると、ブリッジの下流側側方ではよどみが生じやすくなる。
前述の通り、ブリッジは、シリンダブロックのトップデッキ側においてウォータジャケットの上方を覆うように形成されている。このブリッジの形成される箇所は、燃焼室近傍に位置しており、この箇所で冷却水のよどみが生じると、特に効果的に冷却されることが望まれる燃焼室近傍が冷却されにくくなることが考えられ、その対応策が望まれている。
これに対し、前述した特許文献1の冷却構造は、ボア壁面とスペーサとの間(隙間)の大きさを調整するものである。これによれば、各隙間における冷却水の流量や流速を変更することはできても、冷却水の流れる方向を調整することは難しいと思われる。
本発明の目的は、ウォータジャケット内において冷却液の流れる方向を調整できる多気筒内燃機関の冷却構造を提供することにある。
本発明の冷却構造は、複数気筒が並列に配置されたシリンダブロックと、該シリンダブロックに形成され、気筒列方向に沿って内部を冷却液が流通するウォータジャケットと、該ウォータジャケット内に配置されたスペーサと、を備える多気筒内燃機関の冷却構造である。前記スペーサは、そのシリンダヘッド側の端面に、冷却液の上流から下流に向かうに連れて気筒列方向に対して傾斜又は湾曲して形成され、冷却液の流れを規制するよう構成された冷却液誘導部を有する。
また、前記シリンダブロックが前記ウォータジャケットの上方の一部を塞ぐブリッジが形成されたセミクローズドデッキ型であって、前記ブリッジが冷却液の下流に向く側部を有す、前記冷却液誘導部は、冷却液を前記側部の側方へと導くよう、冷却液の上流から下流に向かうに連れて気筒列方向に対してシリンダヘッド側へと延びている
本発明によれば、スペーサの端面の傾斜又は湾曲形状に応じて冷却液の流れを規制することができるので、冷却水の一部を所望の方向に導くことが可能となる
また、この構造によれば、冷却液の流れが阻まれてよどみが生じやすいブリッジの側部の側方に冷却液が誘導されるので、冷却液がよどむことが抑制される。
本発明の好ましい形態では、前記端面は、冷却液の上流から下流に向かうに連れて気筒列方向に対してV字状に傾斜又はU字状に湾曲した凹面形状となっており、冷却液の下流に位置する面が前記冷却液誘導部となっている。
この構造によれば、冷却液誘導部を含む端面の形状が簡素であり、成形が容易である。
他の発明の冷却構造は、複数気筒が並列に配置されたシリンダブロックと、該シリンダブロックに形成され、気筒列方向に沿って内部を冷却液が流通するウォータジャケットと、該ウォータジャケット内に配置されたスペーサと、を備える多気筒内燃機関の冷却構造である。前記スペーサは、そのシリンダヘッド側の端面に、冷却液の上流から下流に向かうに連れて気筒列方向に対して傾斜又は湾曲して形成され、冷却液の流れを規制するよう構成された冷却液誘導部を有する。前記端面は、冷却液の上流から下流に向かうに連れて気筒列方向に対して山型状に傾斜又は湾曲した凸面形状となっており、冷却液の下流に位置する面が前記冷却液誘導部となっている。前記シリンダブロックの隣り合う各気筒間に、前記ウォータジャケット内に開口して冷却液の一部が流通する冷却液通路が形成されている。前記冷却液誘導部で前記開口に冷却液を導くよう構成されている。
本発明によれば、スペーサの端面の傾斜又は湾曲形状に応じて冷却液の流れを規制することができるので、冷却水の一部を所望の方向に導くことが可能となる
またこの構造によれば、冷却液誘導部を含む端面の形状が簡素であり、成形が容易である
また、この構造によれば、冷却通路に効率よく冷却液が導かれる。
本発明によれば、ウォータジャケット内において冷却液の流れる方向を調整できる多気筒内燃機関の冷却構造を提供できる。
本発明の第1の実施形態に係る多気筒内燃機関の冷却構造を、図1〜5を用いて説明する。図1は、本発明の冷却構造10が適用されるレシプロ式のエンジン20のシリンダブロック21を示す斜視図である。エンジン20は、本発明で言う多気筒内燃機関の一例である。
図1に示すように、シリンダブロック21は、4つのシリンダ22を備えている。各シリンダ22は、直列に並んでおり、各々例えば図示しないクランクシャフトに略平行に並んでいる。なお、各シリンダ22の並ぶ気筒列方向をBとする。
図2は、図1に示されるシリンダブロック21の断面図である。図2は、シリンダブロック21を、気筒列方向Bに沿って各シリンダ22の近傍を切断して示すシリンダブロック21の断面図である。図2に2点鎖線で仮想的に示すように、エンジン20は、シリンダヘッド100を備えている。シリンダヘッド100は、シリンダブロック21のトップデッキ23の上に図示しないガスケットを介して固定されている。各シリンダ22は、シリンダブロック21のシリンダヘッド100側のトップデッキ23上に開口している。
各シリンダ22内には、ピストン25が収容されている。ピストン25は、図示しないクランクシャフトに連結されている。なお、図2には、1つのシリンダ22内にピストン25が収容されている状態が示されており、他のシリンダ22内のピストン25は、省略されている。
図1に示すように、シリンダブロック21の冷却構造10は、シリンダブロック21と、シリンダブロック21に形成されたウォータジャケット30と、このウォータジャケット30内に配置されたスペーサ40とを備えている。
ウォータジャケット30は、シリンダブロック21において4つのシリンダ22の周囲を取り囲んでおり、シリンダブロック21のトップデッキ23から掘り込まれて形成されている。ウォータジャケット30内には、図示しないウォータポンプによって、冷却水Rが送り込まれる。冷却水Rは、本発明で言う冷却液の一例である。冷却水Rは、ウォータジャケット30内を気筒列方向Bの一方向に流れた後、例えばシリンダヘッド100内に流入してシリンダヘッド100から出る。
なお、本実施形態では、ウォータジャケット30は、各シリンダ22の周囲を通るように形成されている。それゆえ、ウォータジャケット30内に浸入した冷却水Rは、各シリンダ22の周りを巡って流れる。
シリンダブロック21のトップデッキ23には、ウォータジャケット30の幅方向に架け渡された複数のブリッジ32が形成されている。各ブリッジ32の間には、ウォータジャケット30と連通する複数の水孔31が形成されている。各ブリッジ32は、ウォータジャケット30の上方の一部を覆っている。ブリッジ32は、各シリンダ22に対して、例えば気筒列方向Bを横切る両側それぞれに一つずつ設けられている。このように、ウォータジャケットの上方の一部がブリッジで覆われた形態のシリンダブロックは、一般にセミクローズドデッキ型(あるいはセミオープンデッキ型)と呼ばれる。
互いに隣り合うシリンダ22の間(本明細書ではこの部分を隣接部24と呼ぶ)には、スリット33が形成されている。スリット33は、トップデッキ23側へ開口しており、気筒列方向Bを横切る方向に延びている。スリット33の両端の開口33aは、ウォータジャケット30内に開口している。スリット33は、本発明で言う冷却液通路の一例である。
スペーサ40は、ウォータジャケット30内に収容される。図3は、スペーサ40がウォータジャケット30内に収容されている状態を示す斜視図である。図3は、ウォータジャケット30内に収容されたスペーサ40をシリンダ22側から見ている。
スペーサ40は、ウォータジャケット30内に挿入されることによって、ウォータジャケット30内における冷却水Rが流動可能な流路断面積を調整するとともに、冷却水Rの流れる方向を調整する。なお、図3中上側には、ウォータジャケット30内に挿入される前の状態のスペーサ40が2点鎖線で示されている。図4は、スペーサ40を図3で示される向きとは反対側から見た状態を示す斜視図である。
図3,4に示すように、スペーサ40は、スペーサ本体41と、支持部材42とを備えており、全体として湾曲板状をなしている。スペーサ本体41は、例えばスポンジ材から形成されている。支持部材42は、スペーサ本体41をウォータジャケット30内で支持する。支持部材42は、スペーサ本体41に重なり合う本体部47と、スペーサ本体41を保持する保持部47aと、シリンダブロック21のブリッジ32に掛けられてスペーサ40をウォータジャケット30内に支持する係合部43とを有している。
図4に示すように、本体部47は、スペーサ本体41の一側面(湾曲外側の面)を覆う大きさを有している。スペーサ40がウォータジャケット30内に収容された状態では、本体部47がウォータジャケット30の外側に向く。保持部47aは、本体部47の上縁に形成された爪状(鉤状)の部分であって、スペーサ本体41の一部を押し潰すようにめり込んでおり、本体部47にスペーサ本体41を固定する役割を果たしている。
図3に示されるように、係合部43は、本体部47の上縁から延び出る第1の腕部46と、第1の腕部46の先端から水平に延びる第2の腕部44とを有している。第2の腕部44の先端45(第3の腕部)は、下側(本体部47側)に鉤状に折り曲げられている。スペーサ40がウォータジャケット30内に収容された状態において、第2の腕部44はブリッジ32に載り、その先端45は第2の腕部44がブリッジ32から外れにくくする役割を果たす。なお、支持部材42の構造は、上記の構造に限定されない。
上記のように、スペーサ40がブリッジ32に支持されるので、スペーサ本体41においてシリンダヘッド100側の端面48は、ブリッジ32と対向する。
第1の腕部46の長さは、シリンダブロック21のトップデッキ23とスペーサ40の端面48との間に所定の隙間Sが形成されるように設定されている。この点について具体的に説明する。
図5は、ウォータジャケット30内に収容されたスペーサ40を、シリンダ22の外側から内側に向かって見た状態を示すウォータジャケットの断面図である。なお、図5中では、支持部材42は、2点鎖線で示されている。この図5において、左側が冷却水Rの流れる上流側であり、右側が冷却水Rの流れる下流側である。
図5に示すように、シリンダ22の外周においてトップデッキ23側の第1の範囲50は、燃焼室(図示せず)に近いので、効果的に冷却されることが望まれる。それゆえ、ウォータジャケット30内において第1の範囲50と対向する部位には、スペーサ本体41が位置しないように考慮されている。この結果、スペーサ40が第1の範囲50上を流れる冷却水Rの流れを妨げないようになる。
また、シリンダ22の外周において燃焼室(図示せず)から離れた第2の範囲51が過度に冷却されると、ピストンリング25aとシリンダ22の内面22aとの間に介在される潤滑油が冷えてしまう。潤滑油が冷えると、ピストンリング25aと内面22aとの間のフリクションが大きくなるので、第2の範囲51が過度に冷却されることは、好ましくない。
それゆえ、スペーサ本体41は、第2の範囲51と対向する位置に配置されるように考慮される。スペーサ本体41が第2の範囲51に存在することによって、第2の範囲51を流れる冷却水Rは、スペーサ本体41とウォータジャケット30側壁の間に規定される隙間を流れるようになる。つまり、スペーサ本体41が冷却水Rの流れをさえぎるので、第2の範囲51を流れる冷却水Rの量が少なくなり、第2の範囲51が冷えすぎないようになる。
このことから、第1の腕部46の長さは、隙間Sが第1の範囲50と対向するように、かつ、スペーサ本体41がウォータジャケット30内において第2の範囲51の一部に配置されように設定されている。
なお、スペーサ本体41は、第2の範囲51において、ウォータジャケット30の側壁と接触するように配置してもよい。この場合、第2の範囲51の一部を冷却水Rが流れなくなるので、第2の範囲51におけるシリンダ22の外周が効果的に保温されるようになる。
ここで、スペーサ40の端面48について具体的に説明する。図5にわかり易く示すように、この端面48は、気筒列方向Bに対して湾曲するとともにトップデッキ23(つまりシリンダヘッド100)に対して凹面状となる略U字状の谷型に形成されている。端面48において最も凹んでいる谷部48aは、ブリッジ32と向かい合うように配置されている。
端面48において谷部48aよりも下流に位置する部分は、冷却液誘導部48bとなっている。冷却液誘導部48bは、上流から下流に向かうにつれて、ブリッジ32の側部32bの下流側Pに向かって、緩やかに立ち上がるよう湾曲している。端面48において谷部48aよりも上流側に位置する上流部48cは、上流から下流に向かうにつれてブリッジ32から離れる方向に緩やかに下がっている。なお、ブリッジ32の下流側Pは、本発明で言う側部の側方である。上記のように形成されるスペーサ40は、例えば、各ブリッジ32に1つずつ支持されている。
つぎに、冷却構造10の作用を説明する。
図5に示すように、冷却水Rは、スペーサ40のスペーサ本体41に到達すると、端面48上側の隙間S内に流入する。冷却水Rは、端面48に沿って、上流側から下流側(図中の矢印に示す)に向かって流れる。隙間Sは、ブリッジ32が存在する分、本来は狭くなるのであるが、本発明に係るスペーサ40は、その端面48が略U字状の谷型であることによって、隙間Sは充分に確保される。端面48は、ブリッジ32によって狭くなる分を相殺するように形成されることが好ましい。
谷部48aを越えると、冷却水Rは、冷却液誘導部48bに沿って、ブリッジ32の下流側Pに導かれる。ブリッジ32の下流側Pは、ブリッジ32にさえぎられることによって流れがよどむ傾向にある。しかしながら、本発明に係るスペーサ40は、その端面48に冷却液誘導部48bを有することで、冷却水Rが冷却液誘導部48bに沿ってブリッジ32の下流側Pに導かれる。これにより、ブリッジ32が形成されたセミクローズドデッキ型のシリンダブロック21においても、ブリッジ32の下流側Pで流れがよどむことが抑制される。
ブリッジ32の下流側Pに導かれた冷却水Rは、そのままトップデッキ23近傍を流れる。このことによって、冷却水Rの一部は、各シリンダ間の隣接部24に形成された開口33aからスリット33内に導かれる。冷却水Rは、スリット33内を流動する過程で、各シリンダ22間を冷却する。
このように構成される冷却構造10では、冷却水Rの流れる方向は、スペーサ40の冷却液誘導部48bによって調整される。そして、冷却液誘導部48bによって冷却水Rが下流側Pに導かれるので、冷却水Rの流れによどみが生じることが抑制され、その結果、シリンダ22の外周において燃焼室近傍が効果的に冷却される。
また、スペーサ40の端面48が略U字状の谷型であることによって、下流側Pに冷却水Rを導く冷却液誘導部48bを簡単に形成できる。
さらに、スペーサ40の端面48とシリンダブロック21のブリッジ32間の隙間Sを充分に広くとることができ、上述した第1の範囲50を流れる冷却水Rを充分に確保できるので、第1の範囲50を効果的に冷却することができる。
つぎに、本発明の第2の実施形態に係る多気筒内燃機関の冷却構造を、図6を用いて説明する。なお、第1の実施形態と同様な機能を有する構成は、同一の符号を付して説明を省略する。本実施形態では、スペーサ本体41のシリンダヘッド100側の端面48の形状が第1の実施形態と異なる。他の構造は、第1の実施形態と同じであってよい。
上記異なる点について、具体的に説明する。図6は、ウォータジャケット30内に収容された本実施形態のスペーサ40を、シリンダ22の外側から内側へ向かって見た状態を示すウォータジャケット30の断面図である。なお、図中、支持部材42は、2点鎖線で示されている。
図6に示すように、本実施形態の端面48は、略V字状の谷型となるように凹んでいる。詳しくいうと、この端面48は、気筒列方向Bに対して傾斜するとともにシリンダブロック21のトップデッキ23(つまりシリンダヘッド100)に対して凹面状となる略V字状の谷型である。本実施形態では、第1の実施形態と同様な効果を得ることができる。
つぎに、本発明の第3の実施形態に係る多気筒内燃機関の冷却構造を、図7〜10を用いて説明する。なお、第1の実施形態と同様な機能を有する構成は、同一の符号を付して説明を省略する。本実施形態は、主にスペーサ40の構造が第1の実施形態と異なる。他の構造は、第1の実施形態と同様であってよい。上記異なる点について具体的に説明する。
図7は、本実施形態のシリンダブロック21のシリンダヘッド100側のトップデッキ23を示す平面図である。本実施形態のシリンダブロック21は、第1の実施形態とは異なりクローズドデッキ型である。この種のクローズドデッキ型のシリンダブロック21は、シリンダヘッド側の端面の大部分が閉塞されたものであって、互いに隣り合う水孔31間の間隔(つまりブリッジ32の幅)が大きい。
図8は、ウォータジャケット30に収容されているスペーサ40を、シリンダ22の外側から内側に向かって見た状態を示すウォータジャケット30の断面図である。図中、係合部43は、2点鎖線で示されている。図9に示すスペーサ40は、第1の実施形態と比較して、支持部材42のシリンダブロック21への係合部(一対の第4の腕部49及び切欠部102)が大きく異なる。第4の腕部49は、本体部47においてスペーサ本体41を挟んで両側からシリンダブロック21のトップデッキ23側にそれぞれ延びている。各第4の腕部49の端部49aは、外側に向けて折れ曲がっている。各第4の腕部49は、全体が鉤型状(L字状)となっている。
一方、ウォータジャケット30には、その底面から隆起した突部101が形成されている(図8、図11も参照)。スペーサ40の本体部47において、この突部101と向かい合う部位には、突部101に係合する切欠部102が形成されている。
スペーサ40がウォータジャケット30内に収容された状態において、第4の腕部49はシリンダブロック21の水孔31の縁31bに引っ掛かり、切欠部102は突部101に係合する。このことによって、スペーサ40は、ウォータジャケット30内に固定される。
図10は、図8に示されるF10−F10線に沿って示すウォータジャケット30の断面図である。図10に示すように、各シリンダ22間には、ドリルパス60が形成されている。ドリルパス60は、気筒列方向Bを横切るシリンダ22の両側のウォータジャケット30に連通しており、ドリルパス60の両端の開口(入口61a、出口61b)は、それぞれウォータジャケット30に開口している。ドリルパス60は、気筒列方向Bを横切る方向に対して、入口61aから出口61bに向けて登るように傾斜しており、一つの隣接部24に2本(一例)ずつ形成されている。ドリルパス60は、本発明で言う冷却液通路の一例である。
図8に示すように、スペーサ本体41の端面48は、山形に突出した形状となっている。詳しくいうと、端面48は、冷却水Rをドリルパス60の入口61aに導くように、上流から下流に向かうにつれて気筒列方向Bに対して傾斜するとともにトップデッキ23(つまり、シリンダヘッド100)に向かって突出する山形状となっている。
本実施形態では、冷却水Rは、端面48において最も突出する頂点部分48dよりも下流に位置する冷却液誘導部48bに沿ってドリルパス62の入口61aに導かれるので、互いに隣り合うシリンダ22の間(隣接部24)が効果的に冷却される。
また、本実施形態のように、ドリルパス60の入口61aがシリンダブロック21のトップデッキ23から離れた位置に形成されていても、端面48が山型であることによって、冷却水Rを効率よく入口61aまで導くことができる。
つぎに、本発明の第4の実施形態に係る多気筒内燃機関の冷却構造を、図11を用いて説明する。なお、第3の実施形態と同様な機能を有する構成は、同一の符号を付して説明を省略する。本実施形態では、スペーサ40の端面48の形状が第3の実施形態と異なる。他の構造は、第3の実施形態と同様であっていよい。上記異なる点について具体的に説明する。
図11は、ウォータジャケット30内に収容されたスペーサ40を、シリンダ22の外側から内側に向かって見た状態を示すウォータジャケット30の断面図である。図中、支持部材42は、2点鎖線で示されている。
図11に示すように、端面48は、滑らかな凸面状の山型に形成されている。詳しくいうと、この端面48は、上流から下流に向かうにつれて気筒列方向Bに対して湾曲するとともにトップデッキ23(つまりシリンダヘッド100)に向かって突出する凸面形状となっている。本実施形態では、第3の実施形態と同様な効果を得ることができる。
なお、上述した第3、第4の実施の形態では、端面48が山形(凸状)に形成されたスペーサ40をクローズドデッキ型のシリンダブロックに適用した場合について説明したが、図1等に示すようなセミクローズドデッキ型のシリンダブロックに適用することも勿論可能である。
本発明の第1の実施形態に係る多気筒内燃機関冷却構造を備えるシリンダブロックを示す斜視図。 図1に示されたシリンダブロックの内部を各シリンダが並ぶ方向に沿って示す断面図。 本発明の第1の実施形態に係る多気筒内燃機関の冷却構造のスペーサがウォータジャケット内に収容されている状態を示す斜視図。 図3に示されたスペーサを図3とは反対側から見た状態を示す斜視図。 ウォータジャケット内に収容された図3に示されたスペーサを、シリンダの外側から内側に向かって見た状態を示すウォータジャケットの断面図 本発明の第2の実施形態に係る多気筒内燃機関の冷却構造のウォータジャケット内に収容されたスペーサを、シリンダの外側から内側に向かって見た状態を示すウォータジャケットの断面図。 本発明の第3の実施形態に係る多気筒内燃機関の冷却構造を備えるシリンダブロックのシリンダヘッド側のトップデッキを示す平面図。 本発明の第3の実施形態に係る多気筒内燃機関の冷却構造のウォータジャケット内に収容されたスペーサを、シリンダの外側から内側へ向かって見た状態を示すウォータジャケットの断面図。 図8に示されたスペーサを図8とは反対側から見た正面図。 図8に示されたF10−F10線に沿って示すシリンダブロックの断面図。 本発明の第4の実施形態に係る多気筒内燃機関の冷却構造のスペーサを、シリンダの外側から内側に向かって見た状態を示すウォータジャケットの断面図。
符号の説明
10…冷却構造、20…エンジン(多気筒内燃機関)、21…シリンダブロック、22…シリンダ、30…ウォータジャケット、32…ブリッジ、32b…側部、33…スリット(冷却液通路)、40…スペーサ、48…シリンダヘッド側の端面、48b…冷却液誘導部、60…ドリルパス(冷却液通路)、100…シリンダヘッド、B…気筒列方向、P…下流側(側方)、R…冷却水(冷却液)。

Claims (3)

  1. 複数気筒が並列に配置されたシリンダブロックと、
    該シリンダブロックに形成され、気筒列方向に沿って内部を冷却液が流通するウォータジャケットと、
    該ウォータジャケット内に配置されたスペーサと、
    を備える多気筒内燃機関の冷却構造であって、
    前記スペーサは、そのシリンダヘッド側の端面に、冷却液の上流から下流に向かうに連れて気筒列方向に対して傾斜又は湾曲して形成され、冷却液の流れを規制するよう構成された冷却液誘導部を有し、
    前記シリンダブロックは、前記ウォータジャケットの上方の一部を塞ぐブリッジが形成されたセミクローズドデッキ型であって、
    前記ブリッジは、冷却液の下流に向く側部を有し、
    前記冷却液誘導部は、冷却液を前記側部の側方へと導くよう、冷却液の上流から下流に向かうに連れて気筒列方向に対してシリンダヘッド側へと延びている
    ことを特徴とする多気筒内燃機関の冷却構造。
  2. 前記端面は、冷却液の上流から下流に向かうに連れて気筒列方向に対してV字状に傾斜又はU字状に湾曲した凹面形状となっており、冷却液の下流に位置する面が前記冷却液誘導部となっていることを特徴とする請求項1に記載の多気筒内燃機関の冷却構造。
  3. 複数気筒が並列に配置されたシリンダブロックと、
    該シリンダブロックに形成され、気筒列方向に沿って内部を冷却液が流通するウォータジャケットと、
    該ウォータジャケット内に配置されたスペーサと、
    を備える多気筒内燃機関の冷却構造であって、
    前記スペーサは、そのシリンダヘッド側の端面に、冷却液の上流から下流に向かうに連れて気筒列方向に対して傾斜又は湾曲して形成され、冷却液の流れを規制するよう構成された冷却液誘導部を有し、
    前記端面は、冷却液の上流から下流に向かうに連れて気筒列方向に対して山型状に傾斜又は湾曲した凸面形状となっており、冷却液の下流に位置する面が前記冷却液誘導部となっており、
    前記シリンダブロックの隣り合う各気筒間に、前記ウォータジャケット内に開口して冷却液の一部が流通する冷却液通路が形成されており、
    前記冷却液誘導部で前記開口に冷却液を導くよう構成されている
    ことを特徴とする多気筒内燃機関の冷却構造。
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