以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
<実施形態1>
図1から図3を参照して、本発明に係る多気筒型の予混合圧縮自着火式エンジン1の実施形態1を説明する。ここでは、直列4気筒型の予混合圧縮自着火式エンジンを例に挙げている。但し、気筒数は、2気筒以上であれば特に限定されるものではない。
本発明の特徴構成の説明に先立ち、直列4気筒型の予混合圧縮自着火式エンジン1の概略構成を説明する。図に示す予混合圧縮自着火式エンジン1は、例えば車載用エンジンと同様に、シリンダブロック2の上部にシリンダヘッド3を、また、シリンダブロック2の下部にクランクケース4をそれぞれ取り付けた構成である。
シリンダブロック2は、直列に並ぶ4つの気筒2a,2b,2c,2dを備えているとともに、各気筒2a〜2dのシリンダライナを囲むようにウォータージャケット5が設けられている。
このシリンダブロック2の各気筒2a〜2dには、それぞれピストン6A,6B,6C,6Dが挿入されており、このピストン6A〜6Dは、それぞれクランクケース4に配置されるクランクシャフト7にコネクティングロッド8A,8B,8C,8Dを介して連結されている。シリンダブロック2の4つの気筒2a〜2dと4つのピストン6A〜6Dとシリンダヘッド3とで、独立した4つの燃焼室9A,9B,9C,9Dを形成している。
シリンダヘッド3のインテークポート3a,3b,3c,3dには、個別の吸気管15a,15b,15c,15dを介して吸気サージタンク15が、また、シリンダヘッド3のエキゾーストポート3e,3f,3g,3hには、エキゾーストマニホールド16がそれぞれ取り付けられている。インテークポート3a〜3dにはインテークバルブ17A,17B,17C,17Dが、また、エキゾーストポート3e〜3hにはエキゾーストバルブ18A,18B,18C,18Dがそれぞれ配設されている。なお、シリンダブロック2において各インテークポート3a〜3d近傍には、各インテークポート3a〜3dに流入する混合気の温度を検出する吸気温度センサ19A,19B,19c,19Dが設けられている。また、エキゾーストマニホールド16には、図示していないが、排気管が取り付けられる。
吸気サージタンク15の上流の吸気経路には、上流側から下流側へ向けて、エアフィルタ21、スロットル22、ミキサー23ならびにヒータ24がこの記載順で設けられている。ヒータ24は、エンジン冷却水等を利用した温水式熱交換器や、排気熱を利用した排気熱式熱交換器あるいは電気式発熱体等とすることができる。ミキサー23には、燃料供給路25が連通連結されており、この燃料供給路25にはガスインジェクタ26が設けられている。要するに、スロットル22の開度に応じて空気を吸気し、この空気をエアフィルタ21で濾過し、この濾過した空気とガスインジェクタ26で流量制御された燃料とをミキサー23で予め混合して所定比率の混合気を作り、この混合気をヒータ24で所定温度に加熱してから、吸気サージタンク15で分配し4つの燃焼室9A〜9Dに供給するようにしている。このような混合気の供給形態を同時噴射方式と言う。
なお、各気筒2a〜2dについては、吸気経路の最下流側(図1および図2の右側)から上流側(図1および図2の左側)へ向けて、順番に、1番気筒2a、2番気筒2b、3番気筒2c、4番気筒2dと言うことにする。これと同様に、各ピストン6A〜6Dも、吸気経路の最下流側(図1および図2の右側)から上流側(図1および図2の左側)へ向けて、順番に、1番ピストン6A、2番ピストン6B、3番ピストン6C、4番ピストン6Dと言い、また、各燃焼室9A〜9Dも、吸気経路の最下流側(図1および図2の右側)から上流側(図1および図2の左側)へ向けて、順番に、1番燃焼室9A、2番燃焼室9B、3番燃焼室9C、4番燃焼室9Dと言い、さらに、吸気サージタンク15に備える4つの吸気管15a〜15dも、吸気経路の最下流側(図1および図2の右側)から上流側(図1および図2の左側)へ向けて、順番に、1番吸気管15a、2番吸気管15b、3番吸気管15c、4番吸気管15dと言う。
ところで、上記予混合圧縮自着火式エンジン1は、公知のように、吸気、圧縮、膨張、排気の4行程を繰り返す4サイクルエンジンであって、予め混合した混合気を圧縮による熱で自然に着火させるようにしていること以外、一般的な4サイクルエンジンと基本的に同じである。
簡単に説明すると、吸気行程において、所定のピストン6A〜6Dを下降させつつ所定タイミングで所定のインテークバルブ17A〜17Dを開放して予め混合した混合気を所定の燃焼室9A〜9Dに供給させる。圧縮行程において、所定のピストン6A〜6Dを上昇させて所定の燃焼室9A〜9Dの容積を減少させることにより混合気を圧縮するが、所定のピストン6A〜6Dが上死点(TDC)にまで上昇したときに混合気が自然着火して燃焼される。膨張行程において、前記燃焼によって所定のピストン6A〜6Dが下降されて下死点(BDC)にまで移動され、排気行程において、所定のピストン6A〜6Dの上昇に伴い所定のエキゾーストバルブ18A〜18Dが開放されて所定の燃焼室9A〜9D内の燃焼ガスが排出される。
なお、予混合圧縮自着火式エンジン1は、理論上、点火プラグは不要であるが、この実施形態1では、シリンダヘッド3においてシリンダブロック2の各気筒2a〜2dに対応する位置に点火プラグ27A,27B,27C,27Dを設けている。この点火プラグ27A〜27Dは、燃焼室9A〜9D周辺が十分に温まっていないときの着火を容易にするために用いる。
具体的に、この実施形態1で示した予混合圧縮自着火式エンジン1は、[始動運転(暖機運転)]→[予混合圧縮自着火による運転]→[停止時の運転]を行うようになっている。つまり、始動運転時及び停止時の運転時に点火プラグ27A〜27Dを使用して着火を行い、始動運転によって燃焼室9A〜9D周辺が所定温度以上になると、予混合圧縮自着火による運転を行うようにしている。
これらの動作を簡単に説明する。この動作は、詳細に説明しないが、コントローラ10で制御している。
まず、予混合圧縮自着火式エンジン1をセルモータ(図示せず)にて始動するとともに、所定の点火プラグ27A〜27Dに通電を行って火花点火で予混合圧縮自着火式エンジン1を始動運転させて暖気運転を行う。この暖気運転においてエンジン冷却水の温度が上昇し、これに伴って各燃焼室9A〜9Dへの混合気の温度が上昇する。
これにより、混合気の吸気温度が予混合圧縮自着火の成立温度に達していることが所定の吸気温度センサ19A〜19Dにて検出されると、所定のインテークバルブ17A〜17Dの閉時期を例えば前進(進角)させて圧縮比を高くするとともに、ガスインジェクタ26を調整して空気過剰率を高くする。この圧縮比及び空気過剰率の切換により自然着火(圧縮自着火)が発生し、その予混合圧縮自着火による燃焼状態が正常であることがノッキングセンサ(図示省略)などで検出された時点で所定の点火プラグ27A〜27Dへの通電を停止し、火花点火による着火をOFFにし、予混合圧縮自着火の運転に移行する。
予混合圧縮自着火の運転を停止するときには、所定の点火プラグ27A〜27Dに通電を行って火花点火をONにするとともに、ヒータ24による混合気の加熱を停止する。これにより混合気の吸気温度が下がり始める。次に、例えば進角状態にある所定のインテークバルブ17A〜17Dの閉時期を後退させて遅角状態にするとともに、ガスインジェクタ26を調整して空気過剰率を低くする。このようにすると、燃焼室9A〜9Dに供給された混合気は、所定の点火プラグ27A〜27Dによる火花点火で着火されるようになり、その火花点火による着火が正常な状態となった後に、エンジン回転数を下げて運転を停止する。
次に、図2および図3を参照して、実施形態1の特徴構成を詳細に説明する。
そもそも、燃焼室9A〜9Dにおける混合気の自着火時期は、燃焼室9A〜9Dで圧縮される前の混合気の温度変化に起因して所定の適正時期からずれる。多気筒の場合には、気筒2a〜2dごとの放熱特性が各気筒2a〜2dの配置や構造等に起因して相違する関係より、燃焼室9A〜9Dごとにおける圧縮端温度が不揃いになりやすく、燃焼室9A〜9Dごとにおける混合気の自着火時期がばらつきやすい。
ちなみに、通常、シリンダブロック2の長手方向両端に配置される1番気筒2aおよび4番気筒2dが、長手方向中間に配置される2番気筒2bおよび3番気筒2cに比べて放熱性に優れている。そのため、1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9Dにおける圧縮端温度が2番燃焼室9Bおよび3番燃焼室9Cにおける圧縮端温度よりも低くなりやすく、1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9Dにおける混合気の自着火時期が、2番燃焼室9Bおよび3番燃焼室9Cにおける混合気の自着火時期よりも遅くなる傾向となる。このことを自着火時期のばらつきと言っている。
このような知見に基づき、吸気サージタンク15に備える4つの吸気管15a〜15dそれぞれの外周面に、加熱手段としてのヒータ30A〜30Dを個別に取り付け、各ヒータ30A〜30Dをコントローラ10で個別に制御できるように構成している。
ヒータ30A〜30Dは、例えば電気式発熱体とされている。その他の例として、エンジン冷却水を利用した温水式熱交換器や、排気熱を利用した排気熱式熱交換器等とすることが可能である。この電気式発熱体からなるヒータ30A〜30Dは、筒状あるいはシート状であり、吸気管15a〜15dそれぞれの外周面に嵌合あるいは巻きつけるようにして取り付けられる。
コントローラ10は、吸気温度センサ19A〜19Dごとの検出出力に基づき、吸気温度センサ19A〜19Dごとの検出出力を一致あるいは略一致させるように各ヒータ30A〜30Dを個別にフィードバック制御する。もちろん、コントローラ10は、諸々の条件を加味して各ヒータ30A〜30Dを個別にフィードフォワード制御するものとしてもよいし、両制御を組み合わせた制御を行うものとしてもよい。
具体的に、シリンダブロック2の長手方向両端に位置する1番吸気管15aおよび4番吸気管15dに対する加熱を、長手方向中間に位置する2番吸気管15cおよび3番吸気管15dに対する加熱に比べて強くするよう、コントローラ10で制御する。
この場合、1番吸気管15aおよび4番吸気管15dを加熱することによって、この1番吸気管15aおよび4番吸気管15dに通る混合気の温度を高くすることが可能になるので、1番吸気管15aおよび4番吸気管15dを通る混合気の温度と、2番気筒2bおよび3番気筒2cを通る混合気の温度とに差をつけることができる。
この1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9Dに供給する混合気と、2番燃焼室9Bおよび3番燃焼室9Cに供給する混合気の温度差で、比較的放熱しやすい1番気筒2aおよび4番気筒2dと、比較的放熱しにくい2番気筒2bおよび3番気筒2cとの温度差を相殺することが可能になる。
したがって、前記混合気の温度差を調整することにより、2番燃焼室9Bおよび3番燃焼室9Cの圧縮端温度を基準として、1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9Dの圧縮端温度を合わせるようにする。これにより、燃焼室9A〜9Dごとの圧縮端温度を揃えることができるので、燃焼室9A〜9Dごとにおける自着火時期のばらつきを低減できるようになる。そのため、サイクル効率ならびに熱効率を向上できて、ノッキングおよび失火の回避ならびにNOx発生量の低減に貢献できる。
以下、上記実施形態1の応用例を説明する。
上記加熱手段としてのヒータ30A〜30Dは、吸気サージタンク15の4つの吸気管15a〜15dの内部に設けるようにしてもよい。
その一例としては、図4および図5に示すように、加熱手段として4つのヒータ30A〜30Dを用いる。このヒータ30A〜30Dは、櫛歯状の電気式発熱体とする。このヒータ30A〜30Dに備える複数の棒状部を、それぞれ4つの吸気管15a〜15dの内部に外部から突入させるようにする。
その他の例としては、図6および図7に示すように、加熱手段として8つのヒータ30A〜30Hを用いる。このヒータ30A〜30Hは、櫛歯状の電気式発熱体とする。このヒータ30A〜30Hは、2つ1組とし、各組のヒータ30A〜30Hにおける複数の棒状部を、それぞれ4つの吸気管15a〜15dの内部に外部から直交させる状態で突入させるようにする。
上記いずれの例の場合にも、上記実施形態1と略同等の作用、効果が得られる。さらに、このような構造において使用するヒータ30A〜30Hの種類は特に限定されない。
また、上記実施形態1およびそれに関連する応用例(図4から図7)において、1番吸気管15a、2番吸気管15b、3番吸気管15c、4番吸気管15dそれぞれに対するヒータ30A〜30Hの加熱量を個別に調整することによって、各吸気管15a〜15dを通る混合気の温度を個別に細かく調整することができる。この場合、燃焼室9A〜9Dごとの圧縮端温度をより高精度に揃えることができる。
さらに、上記実施形態1およびそれに関連する応用例(図4から図7)については、4つの吸気管15a〜15dのすべてにヒータ30A〜30Hを個別に取り付けるようにしているが、1番吸気管15aおよび4番吸気管15dのみに、上記のような加熱手段を取り付けるようにしてもよい。
<実施形態2>
図8を参照して、本発明に係る多気筒型の予混合圧縮自着火式エンジン1の実施形態2を説明する。なお、予混合圧縮自着火式エンジン1の基本構成については、実施形態1と同様であるので、ここでの説明は割愛する。
この実施形態2では、4つの吸気管15a〜15dのうち、吸気経路の最も下流に位置する1番吸気管15aと、吸気経路の最も上流に位置する4番吸気管15dとにのみ、断熱材31を被覆していることに特徴がある。
この場合、上記断熱材31の断熱作用で1番吸気管15aおよび4番吸気管15dの保温性が向上するから、1番吸気管15aおよび4番吸気管15dを通る混合気の温度低下を、2番気筒2bおよび3番気筒2cを通る混合気の温度低下に比べて抑えることができる。これにより、1番吸気管15aおよび4番吸気管15dを通る混合気の温度と、2番気筒2bおよび3番気筒2cを通る混合気の温度とに差をつけることができる。
この1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9Dに供給する混合気と、2番燃焼室9Bおよび3番燃焼室9Cに供給する混合気の温度差で、比較的放熱しやすい1番気筒2aおよび4番気筒2dと、比較的放熱しにくい2番気筒2bおよび3番気筒2cとの温度差を相殺することが可能になる。
したがって、前記混合気の温度差を調整することにより、2番燃焼室9Bおよび3番燃焼室9Cの圧縮端温度を基準として、1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9Dの圧縮端温度を合わせるようにする。これにより、燃焼室9A〜9Dごとの圧縮端温度を揃えることができるので、燃焼室9A〜9Dごとにおける自着火時期のばらつきを低減できるようになる。そのため、サイクル効率ならびに熱効率を向上できて、ノッキングおよび失火の回避ならびにNOx発生量の低減に貢献できる。
なお、上記断熱材31の厚みや被覆長さ範囲は、シリンダブロック2の素材、各吸気管15a〜15dの素材、各気筒2a〜2dの間隔、シリンダブロック2の肉厚等といった仕様に応じた各部の放熱特性を考慮して、適宜設定するのが好ましい。
以下、上記実施形態2の応用例を説明する。
まず、4つの吸気管15a〜15dのすべてに断熱材31を被覆させるようにしてもよい。但し、その場合、各吸気管15a〜15dに対する断熱材31ごとの被覆状態、つまり断熱材31ごとの厚みや被覆長さ範囲を個別に適宜調整することによって、吸気管15a〜15dごとの放熱特性を個別に調整する必要がある。
その一例としては、図9に示すように、吸気サージタンク15に備える4つの吸気管15a〜15dのうち、1番吸気管15aおよび4番吸気管15dに被覆する断熱材31の厚みt1,t4を、2番吸気管15bおよび3番吸気管15cに被覆する断熱材31の厚みt2,t3に比べて厚く設定することができる。
その他の例としては、図10に示すように、1番吸気管15aおよび4番吸気管15dに被覆する断熱材31の被覆長さ範囲L1,L4を、2番吸気管15bおよび3番吸気管15cに被覆する断熱材31の被覆長さ範囲L2,L3に比べて大きく設定することができる。
このようにすれば、各吸気管15a〜15dにおける放熱特性を細かく管理することができるので、燃焼室9A〜9Dごとの圧縮端温度をさらに高精度に揃えることができる。
<実施形態3>
図11を参照して、本発明に係る多気筒型の予混合圧縮自着火式エンジン1の実施形態3を説明する。なお、予混合圧縮自着火式エンジン1の基本構成については、実施形態1と同様であるので、ここでの説明は割愛する。
この実施形態3では、2番吸気管15bおよび3番吸気管15cを、1番吸気管15aおよび4番吸気管15dよりも熱伝導率の高いものとしていることに特徴がある。
具体的に、1番吸気管15aおよび4番吸気管15dを一般的に使用している鉄系金属とした場合、2番吸気管15bおよび3番吸気管15cをアルミニウム合金とする。この他の材料の組み合わせとすることも可能であり、また、各吸気管15a〜15dのベースとなる金属を同一とし、組成を個別に調整することも可能である。
この場合、2番吸気管15bおよび3番吸気管15cの放熱性が1番吸気管15aおよび4番吸気管15dに比べて向上するから、2番気筒2bおよび3番気筒2cを通る混合気の温度低下が、1番吸気管15aおよび4番吸気管15dを通る混合気の温度低下に比べて促進されることになる。これにより、2番気筒2bおよび3番気筒2cを通る混合気の温度と、1番吸気管15aおよび4番吸気管15dを通る混合気の温度とに差をつけることができる。
この1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9Dに供給する混合気と、2番燃焼室9Bおよび3番燃焼室9Cに供給する混合気の温度差で、比較的放熱しやすい1番気筒2aおよび4番気筒2dと、比較的放熱しにくい2番気筒2bおよび3番気筒2cとの温度差を相殺することが可能になる。
したがって、前記混合気の温度差を調整することにより、1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9Dの圧縮端温度を基準として、2番燃焼室9Bおよび3番燃焼室9Cの圧縮端温度を合わせるようにする。これにより、燃焼室9A〜9Dごとの圧縮端温度を揃えることができるので、燃焼室9A〜9Dごとにおける自着火時期のばらつきを低減できるようになる。そのため、サイクル効率ならびに熱効率を向上できて、ノッキングおよび失火の回避ならびにNOx発生量の低減に貢献できる。
以下、上記実施形態3の応用例を説明する。
上記とは逆に、1番吸気管15aおよび4番吸気管15dを2番吸気管15bおよび3番吸気管15cよりも熱伝導率の低いものとしてもよい。この場合、1番吸気管15aおよび4番吸気管15dの保温性が2番吸気管15bおよび3番吸気管15cに比べて向上するので、1番吸気管15aおよび4番吸気管15dを通る混合気の温度低下を、2番気筒2bおよび3番気筒2cを通る混合気の温度低下に比べて抑えることができる。この1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9Dに供給する混合気と、2番燃焼室9Bおよび3番燃焼室9Cに供給する混合気の温度差で、比較的放熱しやすい1番気筒2aおよび4番気筒2dと、比較的放熱しにくい2番気筒2bおよび3番気筒2cとの温度差を相殺することが可能になる。したがって、前記混合気の温度差を調整することにより、2番燃焼室9Bおよび3番燃焼室9Cの圧縮端温度を基準として、1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9Dの圧縮端温度を合わせるようにする。これにより、燃焼室9A〜9Dごとの圧縮端温度を揃えることができるので、上記同様の効果が得られる。
また、図示していないが、1番吸気管15a、2番吸気管15b、3番吸気管15c、4番吸気管15dそれぞれの熱伝導率を個別に調整するよう、その材料や組成を特定することによって、各吸気管15a〜15dにおける放熱特性を細かく管理することができる。この場合、燃焼室9A〜9Dごとの圧縮端温度をさらに高精度に揃えることができる。
<実施形態4>
図12および図13を参照して、本発明に係る多気筒型の予混合圧縮自着火式エンジン1の実施形態4を説明する。なお、予混合圧縮自着火式エンジン1の基本構成については、実施形態1と同様であるので、ここでの説明は割愛する。
この実施形態4では、2番吸気管15bおよび3番吸気管15cの外周に放熱フィン32を一体または別体に設けていることに特徴がある。
具体的に、放熱フィン32を複数の板片とし、放熱フィン32を2番吸気管15bおよび3番吸気管15cの孔中心軸線に沿う方向に配置して円周方向に隣り合わせに並べた状態で取り付けるようにしている。
この他、例えば図14および図15に示すように、放熱フィン32を2番吸気管15bおよび3番吸気管15cの孔中心軸線と直交する方向に配置して孔中心軸線に沿う方向に隣り合わせに並べた状態で取り付けるようにしてもよい。
この場合、放熱フィン32によって2番吸気管15bおよび3番吸気管15cの放熱面積が、1番吸気管15aおよび4番吸気管15dよりも大きくなるから、2番気筒2bおよび3番気筒2cの熱を2番吸気管15bおよび3番吸気管15cから効率よく発散させることが可能になる。
このように、2番吸気管15bおよび3番吸気管15cの放熱性が1番吸気管15aおよび4番吸気管15dに比べて向上するから、2番気筒2bおよび3番気筒2cを通る混合気の温度低下が、1番吸気管15aおよび4番吸気管15dを通る混合気の温度低下に比べて促進されることになる。これにより、2番気筒2bおよび3番気筒2cを通る混合気の温度と、1番吸気管15aおよび4番吸気管15dを通る混合気の温度とに差をつけることができる。
この1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9Dに供給する混合気と、2番燃焼室9Bおよび3番燃焼室9Cに供給する混合気の温度差で、比較的放熱しやすい1番気筒2aおよび4番気筒2dと、比較的放熱しにくい2番気筒2bおよび3番気筒2cとの温度差を相殺することが可能になる。
したがって、前記混合気の温度差を調整することにより、1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9Dの圧縮端温度を基準として、2番燃焼室9Bおよび3番燃焼室9Cの圧縮端温度を合わせるようにする。これにより、燃焼室9A〜9Dごとの圧縮端温度を揃えることができるので、燃焼室9A〜9Dごとにおける自着火時期のばらつきを低減できるようになる。そのため、サイクル効率ならびに熱効率を向上できて、ノッキングおよび失火の回避ならびにNOx発生量の低減に貢献できる。
以下、上記実施形態4の応用例を説明する。
図示していないが、4つの吸気管15a〜15dのすべてに放熱フィン32を設けたうえで、1番吸気管15a、2番吸気管15b、3番吸気管15c、4番吸気管15dそれぞれに対する放熱フィン32の設置数や大きさを個別に調整することによって、各吸気管15a〜15dにおける放熱特性を細かく管理することができる。この場合、燃焼室9A〜9Dごとの圧縮端温度をさらに高精度に揃えることができる。
<実施形態5>
図16および図17を参照して、本発明に係る多気筒型の予混合圧縮自着火式エンジン1の実施形態5を説明する。なお、予混合圧縮自着火式エンジン1の基本構成については、実施形態1と同様であるので、ここでの説明は割愛する。
この実施形態5では、2番吸気管15bおよび3番吸気管15cに冷却水通路33を設け、この冷却水通路33にエンジン冷却水を流すようにしたことに特徴がある。
具体的に、2番吸気管15bおよび3番吸気管15cを形成する管状壁部内に通孔からなる冷却水通路33を設けるようにし、この冷却水通路33をシリンダブロック2のウォータージャケット5に連通連結させるようにしている。
この場合、2番吸気管15bおよび3番吸気管15cを冷却水で冷却することができるので、2番気筒2bおよび3番気筒2cを通る混合気の温度低下が、1番吸気管15aおよび4番吸気管15dを通る混合気の温度低下に比べて促進されることになる。これにより、2番気筒2bおよび3番気筒2cを通る混合気の温度と、1番吸気管15aおよび4番吸気管15dを通る混合気の温度とに差をつけることができる。
この1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9Dに供給する混合気と、2番燃焼室9Bおよび3番燃焼室9Cに供給する混合気の温度差で、比較的放熱しやすい1番気筒2aおよび4番気筒2dと、比較的放熱しにくい2番気筒2bおよび3番気筒2cとの温度差を相殺することが可能になる。
したがって、前記混合気の温度差を調整することにより、1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9Dの圧縮端温度を基準として、2番燃焼室9Bおよび3番燃焼室9Cの圧縮端温度を合わせるようにする。これにより、燃焼室9A〜9Dごとの圧縮端温度を揃えることができるので、燃焼室9A〜9Dごとにおける自着火時期のばらつきを低減できるようになる。そのため、サイクル効率ならびに熱効率を向上できて、ノッキングおよび失火の回避ならびにNOx発生量の低減に貢献できる。
以下、上記実施形態5の応用例を説明する。
図示していないが、2番吸気管15bおよび3番吸気管15cを形成する管状壁部の外周面または内周面に、冷却水通路33となる管体を取り付けるようにしてもよい。この場合、すべての吸気管15a〜15dを同じものとすることができて、単に冷却水通路33となる管体を取り付けるだけで済むので、製造コストを安く済ませることができる。
また、図示していないが、4つの吸気管15a〜15dのすべてに冷却水通路33を設けたうえで、1番吸気管15a、2番吸気管15b、3番吸気管15c、4番吸気管15dそれぞれに対する冷却水の流通量を個別に調整することによって、吸気管15a〜15dごとの放熱特性を細かく管理することができる。この場合、燃焼室9A〜9Dごとの圧縮端温度をさらに高精度に揃えることができる。
その一例としては、図18および図19に示すように、すべての吸気管15a〜15dに冷却水通路33を設けるとともに、各冷却水通路33にシリンダブロック2のウォータージャケット5と適宜連通させたうえで、各冷却水通路33の入口側に水量調整弁34を個別に設けた構成とすることができる。
この場合、各水量調整弁34の開度をコントローラ10で制御する。コントローラ10は、吸気温度センサ19A〜19Dからの検出出力に基づき、この吸気温度センサ19A〜19Dからの検出出力を一致あるいは略一致させるように各水量調整弁34を個別にフィードバック制御するものとすることができる。もちろん、コントローラ10は、諸々の条件を加味して各水量調整弁34を個別にフィードフォワード制御するものとしてもよいし、両制御を組み合わせた制御を行うものとしてもよい。
<実施形態6>
図20を参照して、本発明に係る多気筒型の予混合圧縮自着火式エンジン1の実施形態6を説明する。なお、予混合圧縮自着火式エンジン1の基本構成については、実施形態1と同様であるので、ここでの説明は割愛する。
この実施形態6では、2番ピストン6Bおよび3番ピストン6Cを、1番ピストン6Aおよび4番ピストン6Dよりも熱伝導率の高いものにしたことに特徴がある。
具体的に、1番ピストン6Aおよび4番ピストン6Dを一般的に使用している鉄系金属、好ましくはダクタイル鋳鉄とした場合、2番ピストン6Bおよび3番ピストン6Cをアルミニウム合金とする。この他の材料の組み合わせとすることも可能であり、また、各ピストン6A〜6Dのベースとなる金属を同一とし、組成を個別に調整することも可能である。
この場合、2番ピストン6Bおよび3番ピストン6Cの熱をシリンダブロック2へ伝導させやすくできるから、2番気筒2bおよび3番気筒2cの放熱性を高めることが可能になる。これにより、2番気筒2bおよび3番気筒2cの温度と、1番気筒2aおよび4番気筒2dの温度とを揃えることが可能になる。
したがって、前記ピストンの放熱性を調整することにより、1番気筒2aおよび4番気筒2dの温度を基準として、2番気筒2bおよび3番気筒2cの温度を合わせるようにする。これにより、燃焼室9A〜9Dごとの圧縮端温度を揃えることができるので、燃焼室9A〜9Dごとにおける自着火時期のばらつきを低減できるようになる。そのため、サイクル効率ならびに熱効率を向上できて、ノッキングおよび失火の回避ならびにNOx発生量の低減に貢献できる。
以下、上記実施形態6の応用例を説明する。
上記とは逆に、1番ピストン6Aおよび4番ピストン6Dを2番ピストン6Bおよび3番ピストン6Cよりも熱伝導率の低いものとすることができる。この場合、1番ピストン6Aおよび4番ピストン6Dの熱を1番気筒2aおよび4番気筒2dへ伝導させにくくできるから、1番気筒2aおよび4番気筒2dの放熱性を低下させることが可能になる。そのため、2番気筒2bおよび3番気筒2cの温度を基準として、1番気筒2aおよび4番気筒2dの温度を合わせることが可能になるので、燃焼室9A〜9Dごとの圧縮端温度を揃えることが可能になる。これにより、上記同様の効果が得られる。
また、図示していないが、1番ピストン6A、2番ピストン6B、3番ピストン6C、4番ピストン6Dそれぞれの熱伝導率を個別に設定するよう各ピストン6A〜6Dの材料や組成を特定することによって、各燃焼室9A〜9Dにおける温度をより高精度に揃えることが可能である。
<実施形態7>
図21を参照して、本発明に係る多気筒型の予混合圧縮自着火式エンジン1の実施形態7を説明する。なお、予混合圧縮自着火式エンジン1の基本構成については、実施形態1と同様であるので、ここでの説明は割愛する。
この実施形態7では、1番ピストン6Aおよび4番ピストン6Dの頂部を胴体部分よりも熱伝導率の低い材料で形成していることに特徴がある。
具体的に、1番ピストン6Aおよび4番ピストン6Dを一般的に使用しているアルミ合金で形成し、その頂部に熱伝導率の低い材料、例えばアルマイト、セラミックス等を膜状にコーティングしている。コーティング膜には、符号35を付している。
この構成によれば、コーティング膜35により1番ピストン6Aおよび4番ピストン6Dからの放熱量を低減させることができるから、1番気筒2aおよび4番気筒2dを放熱させにくくすることが可能になる。
そのため、2番気筒2bおよび3番気筒2cの放熱特性を基準として、1番気筒2aおよび4番気筒2dの放熱特性を合わせることが可能になるので、燃焼室9A〜9Dごとの圧縮端温度を揃えることが可能になる。
したがって、燃焼室9A〜9Dごとにおける混合気の自着火時期のばらつきを低減できるようになるので、サイクル効率ならびに熱効率を向上できて、ノッキングおよび失火の回避ならびにNOx発生量の低減に貢献できる。
以下、上記実施形態7の応用例を説明する。
まず、上記コーティング膜35の代わりに、熱伝導率の低い材料からなる部材を1番ピストン6Aおよび4番ピストン6Dの頂部に、接着などによって取り付けるようにしてもよい。
また、1番ピストン6Aおよび4番ピストン6Dを、その胴体部分と頂部とを別体にした組立ピストンとし、頂部を熱伝導率の低い材料で形成することができる。
<実施形態8>
図22および図23を参照して、本発明に係る多気筒型の予混合圧縮自着火式エンジン1の実施形態8を説明する。なお、予混合圧縮自着火式エンジン1の基本構成については、実施形態1と同様であるので、ここでの説明は割愛する。
この実施形態8では、1番ピストン6Aおよび4番ピストン6Dの内部に、断熱部36を設けていることに特徴がある。
具体的に、断熱部36は、例えば1番ピストン6Aおよび4番ピストン6Dの頂部側の外周肉厚部に、環状に形成された丸孔形状の空洞とされている。
この構成によれば、1番ピストン6Aおよび4番ピストン6Dに設けた空洞からなる断熱部36によって1番ピストン6Aおよび4番ピストン6Dの熱伝導率が低くなって冷めにくくなるから、1番気筒2aおよび4番気筒2dを放熱させにくくすることが可能になる。
そのため、2番気筒2bおよび3番気筒2cの放熱特性を基準として、1番気筒2aおよび4番気筒2dの放熱特性を合わせることが可能になるので、燃焼室9A〜9Dごとの圧縮端温度を揃えることが可能になる。
したがって、燃焼室9A〜9Dごとにおける混合気の自着火時期のばらつきを低減できるようになるので、サイクル効率ならびに熱効率を向上できて、ノッキングおよび失火の回避ならびにNOx発生量の低減に貢献できる。
ところで、1番ピストン6Aおよび4番ピストン6Dに空洞からなる断熱部36を設けることによって、その重量が軽くなる場合には、空洞からなる断熱部36によって軽くなる分を見込んで、1番ピストン6Aおよび4番ピストン6Dを質量の重い材料で形成する等して重量バランスを調整することにより、ピストン6A〜6Dごとの重量を略均等に揃えるようにするのが好ましい。
<実施形態9>
図24を参照して、本発明に係る多気筒型の予混合圧縮自着火式エンジン1の実施形態9を説明する。なお、予混合圧縮自着火式エンジン1の基本構成については、実施形態1と同様であるので、ここでの説明は割愛する。
この実施形態9では、各ピストン6A〜6Dに個別にオイルを噴射して冷却するためのオイル供給路37およびオイルジェット噴射器38A〜38Dを設け、各オイルジェット噴射器38A〜38Dによるオイル噴射量を、個別に制御するようにしていることに特徴がある。
具体的に、オイルジェット噴射器38B,38Cによる2番ピストン6Bおよび3番ピストン6Cへのオイル噴射量を、オイルジェット噴射器38A,38Dによる1番ピストン6Aおよび4番ピストン6Dへのオイル噴射量よりも多く設定することにより、2番ピストン6Bおよび3番ピストン6Cを1番ピストン6Aおよび4番ピストン6Dに比べて冷却させやすくしている。これにより、2番気筒2bおよび3番気筒2cを発熱させにくくすることが可能になる。
そのため、1番気筒2aおよび4番気筒2dの放熱特性を基準として、2番気筒2bおよび3番気筒2cの放熱特性を合わせることが可能になるので、燃焼室9A〜9Dごとの圧縮端温度を揃えることが可能になる。
したがって、燃焼室9A〜9Dごとにおける混合気の自着火時期のばらつきを低減できるようになるので、サイクル効率ならびに熱効率を向上できて、ノッキングおよび失火の回避ならびにNOx発生量の低減に貢献できる。
以下、上記実施形態9の応用例を説明する。
例えば、オイルジェット噴射器38A,38Dによる1番ピストン6Aおよび4番ピストン6Dへのオイル噴射量を、オイルジェット噴射器38B,38Cによる2番ピストン6Bおよび3番ピストン6Cへのオイル噴射量よりも少なく設定してもよい。この場合、1番ピストン6Aおよび4番ピストン6Dを2番ピストン6Bおよび3番ピストン6Cよりも冷めにくくすることができる。この場合、2番気筒2bおよび3番気筒2cの放熱特性を基準として、1番気筒2aおよび4番気筒2dの放熱特性を合わせることが可能になるので、上記同様の効果が得られる。
また、図25に示すように、1番ピストン6Aおよび4番ピストン6Dに対応するオイルジェット噴射器38A,38Dをなくして、2番ピストン6Bおよび3番ピストン6Cに対応するオイルジェット噴射器38B,38Cのみ設け、2番ピストン6Bおよび3番ピストン6Cのみに対しオイルジェット噴射を適宜行うようにして冷却するようにしてもよい。この場合、比較的簡素な構成でありながら、上記同様の効果が得られる。
<実施形態10>
図26を参照して、本発明に係る多気筒型の予混合圧縮自着火式エンジン1の実施形態10を説明する。なお、予混合圧縮自着火式エンジン1の基本構成については、実施形態1と同様であるので、ここでの説明は割愛する。
この実施形態10では、シリンダブロック2のウォータージャケット5に、常に一定温度の冷却水を導入させるようにしていることに特徴がある。
具体的に、シリンダブロック2の長手方向一端側の面(4番気筒2d側の面)には、ウォータージャケット5に冷却水を導入するための冷却水導入口5aが、また、シリンダヘッド3の長手方向一端側の面(4番気筒2d側の面)には、シリンダブロック2のウォータージャケット5内の冷却水を導出するための冷却水導出口5bが、それぞれ設けられている。そして、冷却水導入口5aからウォータージャケット5に導入された冷却水は、各気筒2a〜2dを構成するシリンダライナを冷却してから、シリンダヘッド3側へ流され、冷却水導出口5bから排出される。この排出された冷却水は、再度、冷却水導入口5aへ導入させるようにして、循環するようになっている。
このように冷却水を循環するのであるが、冷却水導出口5bから排出された冷却水は、シリンダブロック2やシリンダヘッド3の熱を吸収することによって温度が高くなるので、温度調整装置40により所定温度に調整してから、冷却水導入口5aに導入させるようにしている。
温度調整装置40は、容器41の内部に熱交換器42を配置した構成である。この容器41には、冷却水導入口5aと冷却水導出口5bとが流水路43,44を介して連通連結されている。さらに、シリンダブロック2の冷却水導入口5aには、温度調節弁45が設けられている。温度調節弁45は、温度調整装置40で温度調整された冷却水をシリンダブロック2のウォータージャケット5に導入させるときの入水量を制御することによって、ウォータージャケット5に導入する冷却水の温度を略一定に保つものである。
ちなみに、従来は、上記温度調節弁45をシリンダヘッド3の冷却水導出口5bに設けていたため、シリンダブロック2のウォータージャケット5に導入する冷却水の温度にばらつきが生じることがあって、4つの気筒2a〜2dを構成するシリンダライナからの冷却水による吸熱量がエンジン動作サイクルごとにばらつきやすくなる等、エンジン動作サイクルごとに燃焼室9A〜9Dごとの圧縮端温度がばらついてしまうおそれがあった。
これに対し、この実施形態10では、エンジン動作サイクルに関係なく、ウォータージャケット5に導入する冷却水の温度を常に略一定に保つことができるので、4つの気筒2a〜2dを構成するシリンダライナからの冷却水による吸熱量をエンジン動作サイクルに関係なく略均等とすることが可能になる。そのため、エンジン動作サイクルに関係なく、燃焼室9A〜9Dごとの圧縮端温度を略均等にすることが可能になる。したがって、燃焼室9A〜9Dごとにおける混合気の自着火時期のばらつきを低減できるようになるので、サイクル効率ならびに熱効率を向上できて、ノッキングおよび失火の回避ならびにNOx発生量の低減に貢献できる。
ところで、シリンダブロック2のウォータージャケット5に導入する冷却水の温度を、80℃〜90℃に設定するのが好ましい。このように、ウォータージャケット5に導入する冷却水の温度を通常よりも高く設定した場合、1番気筒2aおよび4番気筒2dの熱交換量を、2番気筒2bおよび3番気筒2cの熱交換量に比べて少なくすることができるので、1番気筒2aおよび4番気筒2dを構成するシリンダライナの温度が低下しにくくなる。特に、1番気筒2aおよび4番気筒2dを構成するシリンダライナの温度と、1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9D内に供給される混合気温度との差を小さくすることができるので、燃焼室9A〜9Dごとの圧縮端温度を揃えることが可能になる。
<実施形態11>
図27を参照して、本発明に係る多気筒型の予混合圧縮自着火式エンジン1の実施形態11を説明する。なお、予混合圧縮自着火式エンジン1の基本構成については、実施形態1と同様であるので、ここでの説明は割愛する。
この実施形態11では、2番気筒2bおよび3番気筒2cを、エンジン冷却水で優先的に冷却させるようにしていることに特徴がある。
具体的に、シリンダブロック2の短手方向一側の面(エキゾーストマニホールド16側の面)において2番気筒2bおよび3番気筒2cの間に、ウォータージャケット5へ冷却水を導入するための冷却水導入口5aを設ける一方、シリンダヘッド3の長手方向一端側の面(4番気筒2d側の面)に冷却水導出口5bを設ける。この冷却水導入口5aと冷却水導出口5bとには、図示していないが、上記実施形態10で説明した温度調整装置40が連結される。
このような構成によれば、冷却水は、冷却水導入口5aからウォータージャケット5における2番気筒2bと3番気筒2cとの間へ導入された後、1番気筒2aおよび4番気筒2d側へ分流し、この1番気筒2aおよび4番気筒2dの背面側に回り込んだ後、シリンダヘッド3側へ流れて、冷却水導出口5bから図示していない温度調整装置側へ送られる。
これにより、2番気筒2bおよび3番気筒2cを冷却するときの冷却水の温度は、1番気筒2aおよび4番気筒2dを冷却するときの冷却水の温度よりも低温であるから、2番気筒2bおよび3番気筒2cの冷却能力を1番気筒2aおよび4番気筒2dの冷却能力に比べて高めることができる。
そのため、1番気筒2aおよび4番気筒2dの放熱特性を基準として、2番気筒2bおよび3番気筒2cの放熱特性を合わせることが可能になるので、燃焼室9A〜9Dごとの圧縮端温度を揃えることが可能になる。したがって、燃焼室9A〜9Dごとにおける混合気の自着火時期のばらつきを低減できるようになるので、サイクル効率ならびに熱効率を向上できて、ノッキングおよび失火の回避ならびにNOx発生量の低減に貢献できる。
ところで、シリンダブロック2とシリンダヘッド3との間に介装されるヘッドガスケット11は、図28に示すように、平面から見て長方形で板状に形成されており、その長手方向一列に並ぶ4つの気筒2a〜2dに対応する4個の貫通孔11a〜11dが設けられているとともに、この各貫通孔11a〜11dの周りに、シリンダブロック2のウォータージャケット5とシリンダヘッド3の図示していない冷却水通路とを連通する10個の冷却水通孔11e〜11nが設けられている。ちなみに、図示していないが、従来のヘッドガスケットは、その長手方向両端の短手方向中央にも冷却水通孔を設けていたために、1番気筒2aおよび4番気筒2dの周辺で、シリンダブロック2からシリンダヘッド3側へ流通する冷却水流量が2番気筒2bおよび3番気筒2cのそれよりも多くなって、1番気筒2aおよび4番気筒2dが冷却されやすかった。これに対し、図28に示すヘッドガスケット11を用いた場合、すべての気筒2a〜2dが略均等に冷却されるようになるので、燃焼室9A〜9Dごとの圧縮端温度を揃えるうえで有利となる。
<実施形態12>
図29を参照して、本発明に係る多気筒型の予混合圧縮自着火式エンジン1の実施形態12を説明する。なお、予混合圧縮自着火式エンジン1の基本構成については、実施形態1と同様であるので、ここでの説明は割愛する。
この実施形態12では、2番気筒2bおよび3番気筒2cの周辺部分への冷却水流量を、1番気筒2aおよび4番気筒2dの周辺部分への冷却水流量よりも多くしていることに特徴がある。
具体的に、2番気筒2bおよび3番気筒2cを構成するシリンダライナの肉厚寸法X2,X3を、1番気筒2aおよび4番気筒2dを構成するシリンダライナの肉厚寸法X1,X4よりも薄く設定することにより、ウォータージャケット5における2番気筒2bおよび3番気筒2cの周辺部分の幅(シリンダブロック2の短手方向の幅)W2,W3を、ウォータージャケット5における1番気筒2aおよび4番気筒2dの周辺部分の幅(シリンダブロック2の短手方向の幅)W1,W4よりも広くしている。
この構成によれば、ウォータージャケット5における2番気筒2bおよび3番気筒2cの周辺部分への冷却水流量が、ウォータージャケット5における1番気筒2aおよび4番気筒2dの周辺部分への冷却水流量よりも多くなるので、2番気筒2bおよび3番気筒2cの冷却能力を1番気筒2aおよび4番気筒2dの冷却能力に比べて高めることができる。そのため、2番気筒2bおよび3番気筒2cを放熱させやすくすることができる。
そのため、1番気筒2aおよび4番気筒2dの放熱特性を基準として、2番気筒2bおよび3番気筒2cの放熱特性を合わせることが可能になるので、燃焼室9A〜9Dごとの圧縮端温度を揃えることが可能になる。したがって、燃焼室9A〜9Dごとにおける混合気の自着火時期のばらつきを低減できるようになるので、サイクル効率ならびに熱効率を向上できて、ノッキングおよび失火の回避ならびにNOx発生量の低減に貢献できる。
以下、上記実施形態12の応用例を説明する。
図示していないが、上記とは逆に、ウォータージャケット5における1番気筒2aおよび4番気筒2dの周辺部分の幅(シリンダブロック2の短手方向の幅)を、ウォータージャケット5における2番気筒2bおよび3番気筒2cの周辺部分の幅(シリンダブロック2の短手方向の幅)よりも狭く設定してもよい。
この場合、ウォータージャケット5における1番気筒2aおよび4番気筒2dの周辺部分への冷却水流量が、ウォータージャケット5における2番気筒2bおよび3番気筒2cの周辺部分への冷却水流量よりも少なくなるので、1番気筒2aおよび4番気筒2dの冷却能力を2番気筒2bおよび3番気筒2cの冷却能力よりも低減することができる。これにより、1番気筒2aおよび4番気筒2dを放熱させにくくできる。そのため、2番気筒2bおよび3番気筒2cの放熱特性を基準として、1番気筒2aおよび4番気筒2dの放熱特性を合わせることが可能になるので、上記同様の効果を得ることができる。
<実施形態13>
図30を参照して、本発明に係る多気筒型の予混合圧縮自着火式エンジン1の実施形態13を説明する。なお、予混合圧縮自着火式エンジン1の基本構成については、実施形態1と同様であり、ここでの説明は割愛する。
この実施形態13では、2番気筒2bおよび3番気筒2cに対する冷却水による熱交換面積を、1番気筒2aおよび4番気筒2dに対する冷却水による熱交換面積よりも大きくしていることに特徴がある。
具体的に、ウォータージャケット5の基本構成については上記実施形態12と同様である。このウォータージャケット5における2番気筒2bおよび3番気筒2cの周辺部分の長さ(シリンダブロック2の上下方向の長さ)Y2を、ウォータージャケット5における1番気筒2aおよび4番気筒2dの周辺部分の長さ(シリンダブロック2の上下方向の長さ)Y1よりも長くしている。
この場合、ウォータージャケット5における2番気筒2bおよび3番気筒2cの周辺部分への冷却水流量を、ウォータージャケット5における1番気筒2aおよび4番気筒2dの周辺部分への冷却水流量よりも多くできるので、2番気筒2bおよび3番気筒2cの冷却能力を1番気筒2aおよび4番気筒2dの冷却能力よりも向上させることができる。これにより、2番気筒2bおよび3番気筒2cを放熱させやすくすることができる。
この構成によれば、1番気筒2aおよび4番気筒2dの放熱特性を基準として、1番気筒2aおよび4番気筒2dの放熱特性を合わせることが可能になるので、燃焼室9A〜9Dごとの圧縮端温度を揃えることが可能になる。したがって、燃焼室9A〜9Dごとにおける混合気の自着火時期のばらつきを低減できるようになるので、サイクル効率ならびに熱効率を向上できて、ノッキングおよび失火の回避ならびにNOx発生量の低減に貢献できる。
以下、上記実施形態13の応用例を説明する。
図示していないが、上記とは逆に、ウォータージャケット5における1番気筒2aおよび4番気筒2dの周辺部分の長さY1を、ウォータージャケット5における2番気筒2bおよび3番気筒2cの周辺部分の長さY2よりも短く設定してもよい。
この場合、ウォータージャケット5における1番気筒2aおよび4番気筒2dの周辺部分への冷却水流量が、ウォータージャケット5における2番気筒2bおよび3番気筒2cの周辺部分への冷却水流量よりも少なくなるので、1番気筒2aおよび4番気筒2dの冷却能力を2番気筒2bおよび3番気筒2cの冷却能力よりも低下させることができる。これにより、1番気筒2aおよび4番気筒2dを放熱させにくくできる。そのため、2番気筒2bおよび3番気筒2cの放熱特性を基準として、1番気筒2aおよび4番気筒2dの放熱特性を合わせることが可能になるので、上記同様の効果を得ることができる。
<実施形態14>
図31を参照して、本発明に係る多気筒型の予混合圧縮自着火式エンジン1の実施形態14を説明する。なお、予混合圧縮自着火式エンジン1の基本構成については、実施形態1と同様であるので、ここでの説明は割愛する。
この実施形態14では、各吸気管15a〜15dに対して予め空気と燃料とを混合した混合気を供給する同時噴射方式の構成に加えて、すべての吸気管15a〜15dにガスインジェクタ46A〜46Dを設けることによって、燃焼室9A〜9Dへの燃料の供給量を個別に制御できるようにしていることに特徴がある。
具体的に、ミキサー23により混合された混合気は、吸気サージタンク15を介してすべての吸気管15a〜15dに供給されるが、1番吸気管15aおよび4番吸気管15dに対する燃料の供給量を、2番吸気管15bおよび3番吸気管15cに対する燃料の供給量に比べて多く設定するよう、ガスインジェクタ46A〜46Dをコントローラ10で制御する。なお、例えば2番吸気管15bおよび3番吸気管15cに対する燃料の供給量をゼロにしてもよい。
この場合、1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9Dに供給される混合気における燃料濃度が、2番燃焼室9Bおよび3番燃焼室9Cに供給される混合気における燃料濃度に比べて濃くなるので、1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9Dにおける残留ガス温度が、2番燃焼室9Bおよび3番燃焼室9Cにおける残留ガス温度に比べて高くなって、次のサイクルでの1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9Dにおける着火時期を進めることができる。
つまり、気筒ごとの温度差を、残留ガス濃度の差で相殺することによって、燃焼室9A〜9Dごとの圧縮端温度を揃えるようにすることが可能になる。したがって、燃焼室9A〜9Dごとにおける混合気の自着火時期のばらつきを低減できるようになるので、サイクル効率ならびに熱効率を向上できて、ノッキングおよび失火の回避ならびにNOx発生量の低減に貢献できる。
以下、上記実施形態14の応用例を説明する。
上記とは逆に、2番吸気管15bおよび3番吸気管15cに対する燃料の供給量を、1番吸気管15aおよび4番吸気管15dに対する燃料の供給量に比べて少なく設定するようにしてもよい。この場合、2番燃焼室9Bおよび3番燃焼室9Cに供給される混合気における燃料濃度が、1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9Dに供給される混合気における燃料濃度に比べて薄くなるので、2番燃焼室9Bおよび3番燃焼室9Cにおける残留ガス温度が、1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9Dにおける残留ガス温度に比べて低くなって、次のサイクルでの2番燃焼室9Bおよび3番燃焼室9Cにおける着火時期を遅らせることができる。つまり、気筒ごとの温度差を、残留ガス濃度の差で相殺することによって、燃焼室9A〜9Dごとの圧縮端温度を揃えるようにすることが可能になる。したがって、上記同様の効果を得ることができる。
また、各ガスインジェクタ46A〜46Dによる燃焼室9A〜9Dへの燃料の供給量を個別に制御することにより、燃焼室9A〜9Dごとの混合気の燃料濃度を互いに相違するように調整することができる。
<実施形態15>
図32を参照して、本発明に係る多気筒型の予混合圧縮自着火式エンジン1の実施形態15を説明する。なお、予混合圧縮自着火式エンジン1の基本構成については、実施形態1と同様であるので、ここでの説明は割愛する。
この実施形態15では、各吸気管15a〜15dに対して予め空気と燃料とを混合した混合気を供給する同時噴射方式の構成に加えて、吸気サージタンク15の1番吸気管15aおよび4番吸気管15dのみにガスインジェクタ46A,46Dを設けるようにしていることに特徴がある。
具体的に、ミキサー23により混合された混合気は、吸気サージタンク15を介してすべての吸気管15a〜15dに供給されるが、1番吸気管15aおよび4番吸気管15dのみにガスインジェクタ46A,46Dから燃料を供給するようコントローラ10で制御する。これにより、1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9Dに供給される混合気における燃料濃度が、2番燃焼室9Bおよび3番燃焼室9Cに供給される混合気における燃料濃度に比べて濃くなる。
そのため、1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9Dにおける残留ガス温度が、2番燃焼室9Bおよび3番燃焼室9Cにおける残留ガス温度に比べて高くなって、次のサイクルでの1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9Dにおける着火時期を進めることができる。つまり、気筒ごとの温度差を、残留ガス温度の差で相殺することによって、燃焼室9A〜9Dごとの圧縮端温度を揃えるようにすることが可能になる。したがって、燃焼室9A〜9Dごとにおける混合気の自着火時期のばらつきを低減できるようになるので、サイクル効率ならびに熱効率を向上できて、ノッキングおよび失火の回避ならびにNOx発生量の低減に貢献できる。
<実施形態16>
図33を参照して、本発明に係る多気筒型の予混合圧縮自着火式エンジン1の実施形態16を説明する。なお、予混合圧縮自着火式エンジン1の基本構成については、実施形態1と同様であるので、ここでの説明は割愛する。
この実施形態16では、2番ピストン6Bおよび3番ピストン6Cの頂部に凹み48を設けることによって、2番燃焼室9Bおよび3番燃焼室9Cの圧縮容積を、1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9Dの圧縮容積よりも大きくしたことに特徴がある。
この構成によれば、2番燃焼室9Bおよび3番燃焼室9Cにおける圧縮比を、1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9Dにおける圧縮比よりも下げることができる。
ここで、仮に、すべての燃焼室9A〜9D内の温度が一定であるならば、2番燃焼室9Bおよび3番燃焼室9Cにおける混合気の自着火時期が、1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9Dにおける混合気の自着火時期よりも遅れることになる。しかしながら、直列4気筒型では、2番燃焼室9Bおよび3番燃焼室9C内の温度が、1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9D内の温度よりも高くなるので、上述したように2番燃焼室9Bおよび3番燃焼室9Cの圧縮比を1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9Dの圧縮比よりも下げることによって、2番燃焼室9Bおよび3番燃焼室9Cにおける圧縮端温度と1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9Dにおける圧縮端温度とを略同じにすることが可能になるのである。
つまり、気筒ごとの温度差を、圧縮比の差で相殺することによって、燃焼室9A〜9Dごとの圧縮端温度を揃えるようにすることが可能になる。したがって、燃焼室9A〜9Dごとにおける混合気の自着火時期のばらつきを低減できるようになるので、サイクル効率ならびに熱効率を向上できて、ノッキングおよび失火の回避ならびにNOx発生量の低減に貢献できる。
以下、上記実施形態16の応用例を説明する。
図示していないが、上記とは逆に、1番ピストン6Aおよび4番ピストン6Dにおいて、その頂部に凸部を設けるか、あるいはコネクティングロッド8A,8Dとの結合部から頂部までの長さを大きくすることによって、1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9Dの圧縮容積を、2番燃焼室9Bおよび3番燃焼室9Cの圧縮容積よりも小さくしてもよい。この場合、1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9Dにおける圧縮比を、2番燃焼室9Bおよび3番燃焼室9Cにおける圧縮比よりも上げることができる。
この場合、仮に、すべての燃焼室9A〜9D内の温度が一定であるならば、1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9Dにおける混合気の自着火時期が、2番燃焼室9Bおよび3番燃焼室9Cにおける混合気の自着火時期よりも進むことになる。
しかしながら、直列4気筒型では、1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9D内の温度が、2番燃焼室9Bおよび3番燃焼室9C内の温度よりも低くなるので、上述したように1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9Dの圧縮比を2番燃焼室9Bおよび3番燃焼室9Cの圧縮比より上げれば、1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9Dにおける圧縮端温度と2番燃焼室9Bおよび3番燃焼室9Cにおける圧縮端温度とを略同じにすることが可能になるのである。このように、気筒ごとの温度差を、燃焼室ごとの圧縮比の差で相殺させることができる。したがって、上記同様の効果を得ることができる。
<実施形態17>
図34を参照して、本発明に係る多気筒型の予混合圧縮自着火式エンジン1の実施形態17を説明する。なお、予混合圧縮自着火式エンジン1の基本構成については、実施形態1と同様であるので、ここでの説明は割愛する。
この実施形態17では、2番燃焼室9B内への2番点火プラグ27Bの突出量Z2および3番燃焼室9C内への3番点火プラグ27Cの突出量Z3を、1番燃焼室9A内への1番点火プラグ27Aの突出量Z1および4番燃焼室9D内への4番点火プラグ27Dの突出量Z4よりも浅くすることにより、2番燃焼室9Bおよび3番燃焼室9Cの圧縮容積を、1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9Dの圧縮容積よりも大きくしていることに特徴がある。
この構成によれば、2番燃焼室9Bおよび3番燃焼室9Cにおける圧縮比を、1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9Dにおける圧縮比よりも下げることができる。この場合、仮に、すべての燃焼室9A〜9D内の温度が一定であるならば、2番燃焼室9Bおよび3番燃焼室9Cにおける混合気の自着火時期が、1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9Dにおける混合気の自着火時期よりも遅れることになる。しかしながら、直列4気筒型では、2番燃焼室9Bおよび3番燃焼室9C内の温度が、1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9D内の温度よりも高くなるので、上述したように2番燃焼室9Bおよび3番燃焼室9Cの圧縮比を1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9Dの圧縮比よりも下げることによって、2番燃焼室9Bおよび3番燃焼室9Cにおける圧縮端温度と1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9Dにおける圧縮端温度とを略同等にさせることが可能になるのである。
つまり、気筒ごとの温度差を、圧縮比の差で相殺することによって、燃焼室9A〜9Dごとの圧縮端温度を揃えるようにすることが可能になる。したがって、燃焼室9A〜9Dごとにおける混合気の自着火時期のばらつきを低減できるようになるので、サイクル効率ならびに熱効率を向上できて、ノッキングおよび失火の回避ならびにNOx発生量の低減に貢献できる。
以下、上記実施形態17の応用例を説明する。
図示していないが、上記とは逆に、1番燃焼室9A内への1番点火プラグ27Aの突出量および4番燃焼室9D内への4番点火プラグ27Dの突出量を、2番燃焼室9B内への2番点火プラグ27Bの突出量および3番燃焼室9C内への3番点火プラグ27Cの突出量よりも深くすることにより、相対的に放熱しやすい1番気筒2aおよび4番気筒2dに対応する1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9Dの圧縮容積を、相対的に放熱しにくい2番気筒2bおよび3番気筒2cに対応する2番燃焼室9Bおよび3番燃焼室9Cの圧縮容積よりも小さくしてもよい。この場合、1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9Dにおける圧縮比を、2番燃焼室9Bおよび3番燃焼室9Cにおける圧縮比よりも上げることができる。
この場合、仮に、すべての燃焼室9A〜9D内の温度が一定であるならば、1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9Dにおける混合気の自着火時期が、2番燃焼室9Bおよび3番燃焼室9Cにおける混合気の自着火時期よりも進むことになる。
しかしながら、直列4気筒型では、1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9D内の温度が、2番燃焼室9Bおよび3番燃焼室9C内の温度よりも低くなるので、上述したように1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9Dの圧縮比を2番燃焼室9Bおよび3番燃焼室9Cの圧縮比より上げることによって、1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9Dにおける圧縮端温度と2番燃焼室9Bおよび3番燃焼室9Cにおける圧縮端温度とを合わせることが可能になるのである。つまり、気筒ごとの温度差を、圧縮比の差で相殺することによって、燃焼室9A〜9Dごとの圧縮端温度を揃えるようにすることが可能になる。したがって、上記同様の効果を得ることができる。
<実施形態18>
図35を参照して、本発明に係る多気筒型の予混合圧縮自着火式エンジン1の実施形態18を説明する。なお、予混合圧縮自着火式エンジン1の基本構成については、実施形態1と同様であるので、ここでの説明は割愛する。
この実施形態18では、2番コネクティングロッド8Bの長さS2および3番コネクティングロッド8Cの長さS3を、1番コネクティングロッド8Aの長さS1および4番コネクティングロッド8Dの長さS4よりも短くすることにより、2番燃焼室9Bおよび3番燃焼室9Cの圧縮容積を、1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9Dの圧縮容積よりも大きくしていることを特徴としている。
この構成によれば、2番燃焼室9Bおよび3番燃焼室9Cにおける圧縮比を、1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9Dにおける圧縮比よりも下げることができる。この場合、仮に、すべての燃焼室9A〜9D内の温度が一定であるならば、2番燃焼室9Bおよび3番燃焼室9Cにおける混合気の自着火時期が、1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9Dにおける混合気の自着火時期よりも遅れることになる。しかしながら、直列4気筒型では、2番燃焼室9Bおよび3番燃焼室9C内の温度が、1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9D内の温度よりも高くなるので、上述したように2番燃焼室9Bおよび3番燃焼室9Cの圧縮比を1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9Dの圧縮比よりも下げることによって、2番燃焼室9Bおよび3番燃焼室9Cにおける圧縮端温度と1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9Dにおける圧縮端温度とを合わせることが可能になるのである。つまり、気筒ごとの温度差を、圧縮比の差で相殺することによって、燃焼室9A〜9Dごとの圧縮端温度を揃えるようにすることが可能になる。したがって、
燃焼室9A〜9Dごとにおける混合気の自着火時期のばらつきを低減できるようになるので、サイクル効率ならびに熱効率を向上できて、ノッキングおよび失火の回避ならびにNOx発生量の低減に貢献できる。
以下、上記実施形態18の応用例を説明する。
図示していないが、上記とは逆に、1番コネクティングロッド8Aおよび4番コネクティングロッド8Dの長さを2番コネクティングロッド8Bおよび3番コネクティングロッド8Cの長さよりも長くすることによって、1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9Dの圧縮容積を、2番燃焼室9Bおよび3番燃焼室9Cの圧縮容積よりも小さくしてもよい。この場合、1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9Dにおける圧縮比を、2番燃焼室9Bおよび3番燃焼室9Cにおける圧縮比よりも上げることができる。
この場合、仮に、すべての燃焼室9A〜9D内の温度が一定であるならば、1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9Dにおける混合気の自着火時期が、2番燃焼室9Bおよび3番燃焼室9Cにおける混合気の自着火時期よりも進むことになる。
しかしながら、直列4気筒型では、1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9D内の温度が、2番燃焼室9Bおよび3番燃焼室9C内の温度よりも低くなるので、上述したように1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9Dの圧縮比を2番燃焼室9Bおよび3番燃焼室9Cの圧縮比より上げることによって、1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9Dにおける圧縮端温度と2番燃焼室9Bおよび3番燃焼室9Cにおける圧縮端温度とを合わせることが可能になるのである。つまり、気筒ごとの温度差を、圧縮比の差で相殺することによって、燃焼室9A〜9Dごとの圧縮端温度を揃えるようにすることが可能になる。したがって、上記同様の効果を得ることができる。
<実施形態19>
図36を参照して、本発明に係る多気筒型の予混合圧縮自着火式エンジン1の実施形態19を説明する。なお、予混合圧縮自着火式エンジン1の基本構成については、実施形態1と同様であるので、ここでの説明は割愛する。
この実施形態19では、2番気筒2bに配置される2番インテークバルブ17Bおよび3番気筒2cに配置される3番インテークバルブ17Cを基本閉時期より早く閉じさせたうえで、この早閉じ量を意図的に多めにしていることに特徴がある。
なお、前記早閉じとは、インテークバルブを閉じるタイミングをピストンが下死点に到達する前に設定することである。
この構成によれば、2番燃焼室9Bおよび3番燃焼室9Cの有効圧縮比を1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9Dの有効圧縮比よりも相対的に下げることができる。
この場合、仮に、すべての燃焼室9A〜9D内の温度が一定であるならば、2番燃焼室9Bおよび3番燃焼室9Cにおける混合気の自着火時期が、1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9Dにおける混合気の自着火時期よりも遅れることになる。
しかしながら、直列4気筒型では、2番燃焼室9Bおよび3番燃焼室9C内の温度が、1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9D内の温度よりも高くなるので、上述したように2番燃焼室9Bおよび3番燃焼室9Cの有効圧縮比を1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9Dの有効圧縮比よりも下げることによって、2番燃焼室9Bおよび3番燃焼室9Cにおける圧縮端温度と1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9Dにおける圧縮端温度とを合わせることが可能になるのである。
つまり、気筒ごとの温度差を、有効圧縮比の差で相殺することによって、燃焼室9A〜9Dごとの圧縮端温度を揃えるようにすることが可能になる。したがって、燃焼室9A〜9Dごとにおける混合気の自着火時期のばらつきを低減できるようになるので、サイクル効率ならびに熱効率を向上できて、ノッキングおよび失火の回避ならびにNOx発生量の低減に貢献できる。
以下、上記実施形態19の応用例を説明する。
上記とは逆に、図37に示すように、1番気筒2aに配置される1番インテークバルブ17Aおよび4番気筒2dに配置される4番インテークバルブ17Dの早閉じ量を少なめにすることにより、1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9Dの有効圧縮比を2番燃焼室9Bおよび3番燃焼室9Cの有効圧縮比よりも上げることができる。
この場合、仮に、すべての燃焼室9A〜9D内の温度が一定であるならば、1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9Dにおける混合気の自着火時期が、2番燃焼室9Bおよび3番燃焼室9Cにおける混合気の自着火時期よりも進むことになる。
しかしながら、直列4気筒型では、1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9D内の温度が、2番燃焼室9Bおよび3番燃焼室9C内の温度よりも低くなるので、上述したように1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9Dの有効圧縮比を2番燃焼室9Bおよび3番燃焼室9Cの有効圧縮比より上げることによって、1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9Dにおける圧縮端温度と2番燃焼室9Bおよび3番燃焼室9Cにおける圧縮端温度とを合わせることが可能になるのである。つまり、気筒ごとの温度差を、有効圧縮比の差で相殺することによって、燃焼室9A〜9Dごとの圧縮端温度を揃えるようにすることが可能になる。したがって、上記同様の効果を得ることができる。
<実施形態20>
図38を参照して、本発明に係る多気筒型の予混合圧縮自着火式エンジン1の実施形態20を説明する。なお、予混合圧縮自着火式エンジン1の基本構成については、実施形態1と同様であるので、ここでの説明は割愛する。
この実施形態20では、2番気筒2bに配置される2番インテークバルブ17Bおよび3番気筒2cに配置される3番インテークバルブ17Cの遅閉じ量を、1番気筒2aに配置される1番インテークバルブ17Aおよび4番気筒2dに配置される4番インテークバルブ17Dを基本閉時期より遅く閉じさせたうえで、この遅閉じ量を意図的に多めにしていることに特徴がある。
なお、前記遅閉じとは、インテークバルブを閉じるタイミングをピストンが下死点に到達した後に設定することである。
この場合、2番燃焼室9Bおよび3番燃焼室9Cの有効圧縮比を1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9Dの有効圧縮比よりも下げることができる。
この場合、仮に、すべての燃焼室9A〜9D内の温度が一定であるならば、2番燃焼室9Bおよび3番燃焼室9Cにおける混合気の自着火時期が、1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9Dにおける混合気の自着火時期よりも遅れることになる。
しかしながら、直列4気筒型では、2番燃焼室9Bおよび3番燃焼室9C内の温度が、1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9D内の温度よりも高くなるので、上述したように2番燃焼室9Bおよび3番燃焼室9Cの有効圧縮比を1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9Dの有効圧縮比よりも下げることによって、2番燃焼室9Bおよび3番燃焼室9Cにおける圧縮端温度と1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9Dにおける圧縮端温度とを合わせることが可能になるのである。
つまり、気筒ごとの温度差を、有効圧縮比の差で相殺することによって、燃焼室9A〜9Dごとの圧縮端温度を揃えるようにすることが可能になる。したがって、燃焼室9A〜9Dごとにおける混合気の自着火時期のばらつきを低減できるようになるので、サイクル効率ならびに熱効率を向上できて、ノッキングおよび失火の回避ならびにNOx発生量の低減に貢献できる。
以下、上記実施形態20の応用例を説明する。
上記とは逆に、図39に示すように、1番気筒2aに配置される1番インテークバルブ17Aおよび4番気筒2dに配置される4番インテークバルブ17Dの遅閉じ量を少なめに設定することによって、1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9Dの有効圧縮比を2番燃焼室9Bおよび3番燃焼室9Cの有効圧縮比よりも上げるようにしてもよい。
この場合、仮に、すべての燃焼室9A〜9D内の温度が一定であるならば、1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9Dにおける混合気の自着火時期が、2番燃焼室9Bおよび3番燃焼室9Cにおける混合気の自着火時期よりも進むことになる。
しかしながら、直列4気筒型では、1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9D内の温度が、2番燃焼室9Bおよび3番燃焼室9C内の温度よりも低くなるので、上述したように1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9Dの有効圧縮比を2番燃焼室9Bおよび3番燃焼室9Cの有効圧縮比より上げることによって、1番燃焼室9Aおよび4番燃焼室9Dにおける圧縮端温度と2番燃焼室9Bおよび3番燃焼室9Cにおける圧縮端温度とを合わせることが可能になるのである。つまり、気筒ごとの温度差を、有効圧縮比の差で相殺することによって、燃焼室9A〜9Dごとの圧縮端温度を揃えるようにすることが可能になる。したがって、上記同様の効果を得ることができる。