JP4485778B2 - テトラアザポルフィリン色素及びそれを用いた光学フィルター - Google Patents

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Description

本発明は、テトラアザポルフィリン色素混合物及び該色素混合物を用いた光学フィルターに関するものである。さらに詳しくは、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、陰極管表示装置(CRT)、蛍光表示管、電界放射型ディスプレイ等の発光色の色純度を向上させるために取り付けられる光学フィルター用材料として有用なテトラアザポルフィリン色素混合物及び該色素混合物を用いた光学フィルターに関する。
液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、陰極管表示装置(CRT)、蛍光表示管、電界放射型ディスプレイのような画像表示装置は、赤、青、緑の三原色の光の組み合わせでカラー画像を表示する。しかし、これらのディスプレイでは、三原色蛍光体からの発光に余分な光(波長が570〜605nmの範囲)が含まれているため、可視光線の赤色部分を正確に再生できないという問題点を有している。
この不要発光波長の光を抑えるために、その波長の光を選択的に吸収する色素を用いることが有効であり、特定波長帯の光線を通さない光学フィルターが提案されている。例えば、特開昭58−153904号公報、特開昭59−221943号公報、特開昭60−22102号公報、特開2000−193820号公報、特開2001−131345号公報、特開2001−183522号公報に開示されている。
しかしながら、これらの先行技術で開示されている色素は、吸収波長帯がブロードなため、本来遮断すべき特定波長帯以外の波長帯をも遮断するため、発光色の色純度は不十分である。また、先行技術で開示されている色素を用いた光学フィルターにおいては、その耐候性に改善の余地が残されている。
一方、光記録媒体用途にテトラアザポルフィリン化合物異性体混合物を用いる例が提案されている(特開平11−116574公報、特開平11−100520公報)が、テトラアザポルフィリン化合物の特定の異性体の混合物についての開示はない。
特開昭58−153904号公報 特開昭59−221943号公報 特開昭60−22102号公報 特開2000−193820号公報 特開2001−131345号公報 特開2001−183522号公報 特開平11−116574公報 特開平11−100520公報
本発明は、上記従来技術に鑑み、各種ディスプレー、特にプラズマディスプレーパネルにおいて発生する特定の波長の光を選択的にカットするとともに、ディスプレーの色純度を阻害しないような可視光線透過率が高く、さらに耐候性に優れた実用的なフィルター用材料として、有用なテトラアザポルフィリン色素混合物及び該色素混合物を用いた光学フィルターを提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定のテトラアザポルフィリン色素混合物を用いることにより、問題となる570〜605nmの波長帯にある余分な光をカットし、更に耐候性にも優れた光学フィルターを製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
1. 一般式(1)で表されるテトラアザポルフィリン化合物異性体、及び一般式(2)で表されるテトラアザポルフィリン化合物異性体からなるテトラアザポルフィリン色素混合物、
Figure 0004485778
〔式中、Rは炭素数20以下の置換または未置換のアルキル基、アラルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基を表し、Mは2個の水素原子、2価の金属原子、3価または4価の置換金属原子、あるいはオキシ金属を表す。〕
2.溶液中でのグラム吸光係数が20万(ml/g.cm)以上であることを特徴とする1記載の色素混合物、
3.基材中に、1または2記載の色素混合物を含有してなる光学フィルター、
に関する。
本発明によれば、各種ディスプレー、特にプラズマディスプレーパネルにおいて発生する特定の波長の光を選択的にカットするとともに、ディスプレーの色純度を阻害しないような可視光線透過率が高い実用的なフィルター用材料として、有用なテトラアザポルフィリン色素混合物及び該色素混合物を用いた光学フィルターを提供することができる。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明のテトラアザポルフィリン色素混合物とは、以下の一般式(1)及び一般式(2)で表されるテトラアザポルフィリン化合物異性体からなる。
Figure 0004485778
〔式中、Rは炭素数20以下の置換または未置換のアルキル基、アラルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基を表し、Mは2個の水素原子、2価の金属原子、3価または4価の置換金属原子、あるいはオキシ金属を表す。〕
上記一般式(1)、(2)で表されるテトラアザポルフィリン化合物異性体において、Rの具体例としては、
メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、iso-ブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、iso-ペンチル基、2-メチルブチル基、1-メチルブチル基、neo-ペンチル基、1,2-ジメチルプロピル基、1,1-ジメチルプロピル基、cyclo-ペンチル基、n-ヘキシル基、4-メチルペンチル基、3-メチルペンチル基、2-メチルペンチル基、1-メチルペンチル基、3,3-ジメチルブチル基、2,3-ジメチルブチル基、1,3-ジメチルブチル基、2,2-ジメチルブチル基、1,2-ジメチルブチル基、1,1-ジメチルブチル基、3-エチルブチル基、2-エチルブチル基、1-エチルブチル基、1,2,2-トリメチルプロピル基、1,1,2-トリメチルプロピル基、1-エチル-2-メチルプロピル基、cyclo-ヘキシル基、n-ヘプチル基、2-メチルヘキシル基、3-メチルヘキシル基、4-メチルヘキシル基、5-メチルヘキシル基、2,4-ジメチルペンチル基、n-オクチル基、2-エチルヘキシル基、2,5-ジメチルヘキシル基、2,4,4-トリメチルペンチル基、2,4-ジメチルヘキシル基、2,2,4-トリメチルペンチル基、3,5,5-トリメチルヘキシル基、n-ノニル基、n-デシル基、4-エチルオクチル基、4-エチル-4,5-ジメチルヘキシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、1,3,5,7-テトラメチルオクチル基、4-ブチルオクチル基、6,6-ジエチルオクチル基、n−トリデシル基、6-メチル-4-ブチルオクチル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、3,5-ジメチルヘプチル基、2,6-ジメチルヘプチル基、2,4-ジメチルヘプチル基、2,2,5,5-テトラメチルヘキシル基、1-cyclo-ペンチル-2,2-ジメチルプロピル基、1-cyclo-ヘキシル-2,2-ジメチルプロピル基等の炭素数1〜20の置換または未置換のアルキル基;
ベンジル基、ニトロベンジル基、シアノベンジル基、ヒドロキシベンジル基、メチルベンジル基、ジメチルベンジル基、トリメチルベンジル基、ジクロロベンジル基、メトキシベンジル基、エトキシベンジル基、トリフルオロメチルベンジル基、ナフチルメチル基、ニトロナフチルメチル基、シアノナフチルメチル基、ヒドロキシナフチルメチル基、メチルナフチルメチル基、トリフルオロメチルナフチルメチル基等の炭素数7〜20の置換または未置換のアラルキル基;
メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、iso-プロポキシ基、n-ブトキシ基、iso-ブトキシ基、sec-ブトキシ基、t-ブトキシ基、n-ペントキシ基、iso-ペントキシ基、neo-ペントキシ基、n-ヘキシルオキシ基、n-ドデシルオキシ基、メトシキエチル基、エトキシエチル基、iso-プロピルオキシエチル基、3-メトキシプロピル基、2-メトキシブチル基等の炭素数1〜20の置換または未置換のアルコキシ基;
メチルチオ基、エチルチオ基、n-プロピルチオ基、iso-プロピルチオ基、n-ブチルチオ基、iso-ブチルチオ基、sec-ブチルチオ基、t-ブチルチオ基、n-ペンチルチオ基、iso-ペンチルチオ基、2-メチルブチルチオ基、1-メチルブチルチオ基、neo-ペンチルチオ基、1,2-ジメチルプロピルチオ基、1,1-ジメチルプロピルチオ基等の炭素数1〜20の置換または未置換のアルキルチオ基;
フェニル基、ニトロフェニル基、シアノフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、ジクロロフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、N,N-ジメチルアミノフェニル基、ナフチル基、ニトロナフチル基、シアノナフチル基、ヒドロキシナフチル基、メチルナフチル基、トリフルオロメチルナフチル基等の炭素数6〜20の置換または未置換のアリール基;
ピロリル基、チエニル基、フラニル基、オキサゾイル基、イソオキサゾイル基、オキサジアゾイル基、イミダゾイル基、ベンゾオキサゾイル基、ベンゾチアゾイル基、ベンゾイミダゾイル基、ベンゾフラニル基、インドイル基、イソインドイル基等の炭素数4〜20の置換または未置換のヘテロアリール基;
フェノキシ基、2-メチルフェノキシ基、4-メチルフェノキシ基、4-t-ブチルフェノキシ基、2-メトキシフェノキシ基、4-iso-プロピルフェノキシ基等の炭素数6〜20の置換または未置換のアリールオキシ基;
フェニルチオ基、2-メチルフェニルチオ基、4-メチルフェニルチオ基、4-t-ブチルフェニルチオ基、2-メトキシフェニルチオ基、4-iso-プロピルフェニルチオ基等の炭素数6〜20の置換または未置換のアリールチオ基;
等が挙げられる。
上記一般式においてMで表される2価の金属の例としては、Cu(II)、Zn(II)、Fe(II)、Co(II)、Ni(II)、Ru(II)、Rh(II)、Pd(II)、Pt(II)、Mn(II)、Mg(II)、Ti(II)、Be(II)、Ca(II)、Ba(II)、Cd(II)、Hg(II)、Pb(II)、Sn(II)等が挙げられる。
1置換の3価金属の例としては、Al−Cl、Al−Br、Al−F、Al−I、Ga−Cl、Ga−Br、Ga−F、Ga−I、In−Cl、In−Br、In−F、In−I、Tl−Cl、Tl−Br、Tl−F、Tl−I、Al−Cl、Al−C6H、Al−C6H(CH3 )、In−C6H、In−C6H(CH3 )、Mn(OH)、Mn(OC6H) 、Mn (OSi(CH)、Fe−Cl、Ru−Cl等が挙げられる。
2置換の4価金属の例としては、CrCl、SiCl、SiBr、SiF、SiI、ZrCl、GeCl、GeBr、GeF、GeI、SnCl、SnF、SnBr、TiCl、TiBr、TiF、Si(OH)、Ge(OH)、Zr(OH)、Mn(OH)、Sn(OH)、TiR、CrR、SiR、SnR、GeR[Rは、アルキル基、フェニル基、ナフチル基およびその誘導体を表す。]、
Si(OR’)、Sn(OR’)、Ge(OR’)、Ti(OR’)、Cr(OR’)[R’は、アルキル基、フェニル基、ナフチル基、トリアルキルシリル基、ジアルキルアルコキシシリル基およびその誘導体を表す。]、Sn(SR’’)、Ge(SR’’)、[R’’は、アルキル基、フェニル基、ナフチル基およびその誘導体を表す。]等が挙げられる。
オキシ金属の例としては、VO、MnO、TiO等が挙げられる。
Mの好ましい例としては、前記2価の金属、または前記オキシ金属が挙げられる。吸収強度、及び耐候性の点から更に好ましい例としては、Cu(II)、Zn(II)、Fe(II)、Co(II)、Ni(II)、Pd(II)、Mn(II)、VOが挙げられる。
一般式(1)、(2)で表されるテトラアザポルフィリン化合物異性体混合物は、下記一般式(1)〜(4)で表されるテトラアザポルフィリン化合物異性体混合物から一般式(3)、(4)で表されるテトラアザポルフィリン化合物異性体を除去することによって得られる。
Figure 0004485778
〔式中、Rは炭素数20以下の置換または未置換のアルキル基、アラルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基を表し、Mは2個の水素原子、2価の金属原子、3価または4価の置換金属原子、あるいはオキシ金属を表す。〕
一般式(1)〜(4)で表されるテトラアザポルフィリン化合物異性体混合物は、一般式(5)で表されるマレオニトリル化合物、または一般式(6)で表される2,5−ジイミノピロール化合物を、金属誘導体と反応することによって得られる。
Figure 0004485778
〔式中、Rは炭素数20以下の置換または未置換のアルキル基、アラルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールオキシ基、またはアリールチオ基を表す。〕
一般式(5)で表されるマレオニトリル化合物、または一般式(6)で表される2,5−ジイミノピロール化合物において、Rの具体例としては、
前記の炭素数1〜20の置換または未置換のアルキル基;
前記の炭素数7〜20の置換または未置換のアラルキル基;
前記の炭素数1〜20の置換または未置換のアルコキシ基;
前記の炭素数1〜20の置換または未置換のアルキルチオ基;
前記の炭素数6〜20の置換または未置換のアリール基;
前記の炭素数4〜20の置換または未置換のヘテロアリール基;
前記の炭素数6〜20の置換または未置換のアリールオキシ基;
前記の炭素数6〜20の置換または未置換のアリールチオ基等が挙げられる。
一般式(5)で表されるマレオニトリル化合物、または一般式(6)で表される2,5−ジイミノピロール化合物と金属誘導体は有機溶媒中で反応するのが好ましい。
有機溶媒の例としては、沸点が100℃以上であればよい。具体例としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、1−メチル−2−ピロリドン、1−クロロナフタレン、テトラヒドロナフタレン、ベンジルアルコール、キノリン、N,N−ジメチルアミノエタノール、n−アミルアルコール、n−ヘキサノール、シクロヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、1−オクタノール、2−エチルヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、エトキシエタノール、プロポキシエタノール等が挙げられる。
溶媒の使用量は、一般式(5)で表されるマレオニトリル化合物、または一般式(6)で表される2,5−ジイミノピロール化合物に対して、1〜100重量倍、好ましくは1〜20重量倍である。
反応温度は、90〜350℃であり、好ましくは90〜200℃である。
反応時間は、1〜20時間が好ましい。
反応に用いる金属誘導体としては、Cu、Zn、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Pt、Mn、Mg、Ti、Be、Ca、Ba、Cd、Hg、Pb、Sn、Al、Ga、In、Tl、Cr、Si、Zr、Ge、Sn、V及びそのハロゲン化物、カルボン酸誘導体、硫酸塩、硝酸塩、カルボニル化合物、酸化物、錯体等が挙げられる。
また、反応には触媒として、有機塩基を添加してもよい。有機塩基の具体例としては、1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ〔4,3,0〕−5−ノネンなどが挙げられる。
一般式(5)で表されるマレオニトリル化合物は、J.Gen.Chem.USSR,47,1954−(1977)等に記載の方法に従い製造でき、また一般式(6)で表される2,5−ジイミノピロール化合物は、一般式(5)で表されるマレオニトリル化合物をナトリウムの存在下、アルコール中でアンモニアを作用させることにより製造できる。一般式(6)で表される2,5−ジイミノピロール化合物は製造過程で単離してもよいが、好ましくは同一系内に金属誘導体を装入し、一般式(1)〜(4)で表されるテトラアザポルフィリン化合物異性体混合物を製造する。
更に、一般式(1)〜(4)で表されるテトラアザポルフィリン化合物異性体混合物から一般式(3)、(4)で表されるテトラアザポルフィリン化合物異性体を除去することによって、一般式(1)、(2)で表されるテトラアザポルフィリン化合物異性体混合物が得られるが、その方法については、特に限定はなく、従来公知の方法が使用できる。例えば、溶剤からの再結晶、シリカゲル、またはアルミナを用いたカラム精製、吸着による一般式(3)、(4)で表されるテトラアザポルフィリン化合物異性体の除去等が挙げられる。
一般式(1)で表されるテトラアザポルフィリン化合物、及び一般式(2)で表されるテトラアザポルフィリン化合物の混合比については特に限定はないが、一般式(1)で表されるテトラアザポルフィリン化合物の色素混合物全量に対する含有率は、1〜99重量%である。好ましくは1〜50重量%であり、更に好ましくは5〜20重量%である。
本発明の一般式(1)〜(4)で表されるテトラアザポルフィリン化合物は、異性体により吸収波長域、及びグラム吸光係数が相互に異なる。一般式(1)で表される異性体、及び一般式(2)で表される異性体は、最大吸収波長の差が他の異性体に比べ小さく、グラム吸光係数も大きいため、吸収帯が特にシャープである。更に耐候性にも優れる。従って、他の異性体を含有する混合物に比べて一般式(1)で表される異性体、及び一般式(2)で表される異性体のみからなる異性体混合物は、各種ディスプレイの発光色の色純度を向上させるために取り付けられる光学フィルター用材料として特に有用な色素混合物である。
表−1に本発明の色素混合物の具体例を示す。
Figure 0004485778
本発明の光学フィルターは、基材中に、570〜605nmに極大吸収波長を有する、一般式(1)及び(2)で表されるテトラアザポルフィリン異性体からなるテトラアザポリフィリン色素混合物を少なくとも1種含有してなるもので、本発明でいう基材に含有するとは、基材の内部に含有されることは勿論、基材の表面に塗布した状態、基材と基材の間に挟まれた状態等を意味する。
基材としては、透明樹脂板、透明フィルム、透明ガラス等が挙げられ、波長400〜700nmの光線透過率が40%以上の透明性があれば特に制限はない。具体的に例示すると、ポリイミド、ポリスルフォン(PSF)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメチレンメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリプロピレン(PP)、トリアセチルセルロース(TAC)等が挙げられる。特に、ポリエチレンテレフタレート(PET)及びトリアセチルセルロース(TAC)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)等のアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等が好ましい。
基材の厚さは、ある程度の機械的強度があれば特に制限はないが、通常は、20μm〜10mmであり、20μm〜1mmが好ましく、20μm〜200μmが特に好ましい。
上記テトラアザポルフィリン色素混合物を用いて本願の光学フィルターを作製する方法としては、特に限定されるものではないが、(1)透明粘着剤に含有させる方法、(2)高分子成形体へ含有させる方法、(3)高分子成形体又はガラス表面にコーティングする方法等が挙げられる。
(1)に挙げた透明粘着剤の具体的な例としては、アクリル系粘着剤、シリコン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリビニルブチラール粘着剤(PVB)、エチレンー酢酸ビニル系粘着剤(EVA)等、ポリビニルエーテル、飽和無定形ポリエステル、メラミン樹脂等のシート状または液状の粘着剤等を挙げることができる。テトラアザポルフィリン色素混合物の添加量は、通常10ppm〜30重量%であり、10ppm〜20重量%が好ましく、10ppm〜10重量%が特に好ましい。
(2)に挙げた高分子成形体へ含有させる方法としては、(A)樹脂に色素混合物を混錬し、加熱成形する方法と(B)有機溶剤に、樹脂または樹脂モノマーと色素混合物を分散、溶解させ、キャスティング法により高分子成形体を作成する方法が挙げられる。
(A)で使用される樹脂としては、板またはフィルム作成した際に、できるだけ透明性の高いものが好ましく、具体的にはポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、ポリエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン6等のポリアミド、ポリイミド、トリアセチルセルロース等のセルロース樹脂、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂、ポリ塩化ビニル等のビニル化合物、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリロニトリル、ビニル化合物の付加重合体、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸エステル、ポリ塩化ビニリデン等のビニリデン化合物、フッ化ビニリデン/トリフルオロエチレン共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体等のビニル化合物又はフッ素系化合物の共重合体、ポリエチレンオキシド等のポリエーテル、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等を挙げることができる。
加工条件としては、用いる色素混合物、ベース高分子によって、加工温度、フィルム化条件等が多少異なるが、色素混合物をベース高分子の粉体或いはペレットに添加し、150〜350℃に加熱、溶解させた後、成形して板を作製する方法、押し出し機でフィルム化する方法、押し出し機で原反を作製し、30〜120℃で2〜5倍に1軸乃至2軸に延伸して、10〜200μm厚のフィルムにする方法、等が挙げられる。
尚、混錬する際に可塑性等の通常の樹脂成形に用いる添加剤を加えても良い。色素混合物の添加量は、吸収係数、作製する高分子成形体の厚み、目的の吸収強度、目的の透過特性・透過率等によって異なるが、通常、ベース高分子成形体の重量に対して1ppm〜20重量%であり、1ppm〜10重量%が好ましく、1ppm〜5重量%が特に好ましい。
(B)のキャスティング法では、樹脂又は樹脂モノマーの有機溶剤溶液に、色素混合物を添加・溶解させ、必要であれば可塑剤、重合開始剤、酸化防止剤を加え、必要とする面状態を有する金型やドラム上へ流し込み、溶剤揮発・乾燥又は重合・溶剤揮発・乾燥させることにより、板又はフィルムを製造することができる。
使用される樹脂としては、脂肪族エステル系樹脂、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、ウレタン樹脂、芳香族エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、脂肪族ポリオレフィン樹脂、芳香族ポリオレフィン樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニル系変成樹脂(PVA、EVA等)或いはそれらの共重合樹脂の樹脂モノマーが挙げられる。
溶媒としては、ハロゲン系、アルコール系、ケトン系、エステル系、脂肪族炭化水素系、芳香族炭化水素系、エーテル系溶媒、或いはそれらの混合物系等が挙げられる。
色素混合物の濃度は、色素混合物の吸収係数、板又はフィルムの厚み、目的の吸収強度、目的の透過特性・透過率等によって異なるが、樹脂又は樹脂モノマーの重量に対して、通常、1ppm〜20重量%である。また、樹脂(又は樹脂モノマー)濃度は、塗料(即ち、樹脂又は樹脂モノマーの有機溶剤溶液)全体に対して、通常、1〜90重量%である。
(3)に挙げた高分子成形体又はガラス表面にコーティングする方法としては、テトラアザポルフィリン色素混合物をバインダー樹脂及び有機系溶媒に溶解させて塗料化する方法、未着色のアクリルエマルジョン塗料にテトラアザポルフィリン色素混合物を微粉砕(50〜500nm)したものを分散させてアクリルエマルジョン系水性塗料にする方法等が挙げられる。
バインダー樹脂としては、脂肪族エステル系樹脂、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、芳香族エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、脂肪族ポリオレフィン樹脂、芳香族ポリオレフィン樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニル系変成樹脂(PVB、EVA等)或いはそれらの共重合樹脂等が挙げられる。
溶媒としては、ハロゲン系、アルコール系、ケトン系、エステル系、脂肪族炭化水素系、芳香族炭化水素系、エーテル系溶媒、或いはそれらの混合物系等が挙げられる。
色素混合物の濃度は、吸収係数、コーティングの厚み、目的の吸収強度、目的の可視光透過率等によって異なるが、バインダー樹脂の重量に対して、通常、0.1ppm〜30重量%である。また、樹脂濃度は、塗料全体に対して、通常、1〜50重量%である。
アクリルエマルジョン系水系塗料の場合も、前記と同様に、未着色のアクリルエマルジョン塗料に色素(テトラアザポルフィリン色素混合物)を微粉砕(50〜500nm)したものを分散させて得られる。塗料中には、酸化防止剤等の通常塗料に用いるような添加物を加えても良い。
上記の方法で作製した塗料は、透明高分子フィルム、透明樹脂、透明ガラス等の上にバーコーダー、ブレードコーター、スピンコーター、リバースコーター、ダイコーター、或いはスプレー等のコーティング法等で塗膜を形成することにより、該塗膜中に色素(テトラアザポルフィリン色素混合物)を含有させることができる。
色純度・色座標の評価には、通常のカラーメーターを使うこともできるし、また、分光放射輝度計を用いて、波長分散情報から計算することもできる。実際の測定では、それぞれ色の3原色を表示させて、その時の(x、y)を測定し、次にフィルターを装着して、(x、y)を測定し、この時の変化分として(Δx、Δy)を評価すればよい。
本発明の光学フィルターには、電磁波シールド機能と近赤外線遮断機能を持たせることが好ましい。電磁波シールドとしては、銀薄膜を用いた積層体や銅を主として用いる金属のメッシュを用いることができる。銀薄膜を用いた積層体としては、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化チタン、等の誘電体(DE)と銀(M)を交互に、DE/M/DE/M/DE(5層)となるよう作成したものが好ましい。積層数は3層から11層が好ましいがこの、総数に限定されるものではなく、密着性や耐久性を上げるためにMとDEの間に光学特性を妨げない程度の超薄膜を挿入しても良い。金属のメッシュとしては、繊維に金属を蒸着した繊維メッシュ、フォトリソグラフィーの技術を用いパターンを形成してエッチングによりメッシュを得るエッチングメッシュ等を使用することができる。
近赤線遮断機能については、銀薄膜を用いる電磁波シールドを用いる場合は、銀の自由電子による散乱のため、同時に、近赤外線の遮断を行うことができる。メッシュを用いた場合は、別途、近赤外線を吸収するフィルムもしくは近赤外線を反射するフィルムを用いる。
更に本発明の光学フィルターには公知の反射防止層、防眩層、ハードコート層、静電防止層、防汚層などの機能性透明層を付加することができる。
次に図を用いて光学フィルターの構成について説明する。図1〜4は、本発明における光学フィルターの一例を示す断面図である。
図1は、透明基体10上に色素混合物を含有した透明粘着層20を積層した場合の光学フィルターの模式的な断面図を示した。図2は、色素混合物を含有した透明粘着層20のみからなる光学フィルターの模式的な断面図を示した。図3は、色素混合物を含有した透明基体10のみからなる光学フィルターの模式的な断面図を示した。図4は、透明基体10上に色素混合物を含有したコート層30が積層された光学フィルターの模式的な断面図を示した。
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれによりなんら限定されるものではない。
テトラアザポルフィリン化合物異性体混合物Aの合成
n−アミルアルコール970gに下記構造式(5−a)で示される化合物69.0g、ナトリウムエトキシド17.3gを分散し、攪拌下50℃でアンモニアガスを3時間吹き込んだ。アンモニアガスの吹き込みを停止した後、90℃に昇温し、同温度で三塩化バナジウム21.0gを装入した。120℃に昇温し、同温度で2時間攪拌した後、室温に冷却した。トルエン200gを装入し、不溶物を濾別、濾液を減圧濃縮した後、メタノール400gを装入した。析出物を濾過、メタノールにて洗浄、乾燥した後、濾塊をカラム精製(シリカゲル/トルエン:ヘキサン=4:6vol.)して、紫色成分下記異性体3成分を得た。下記分析より、目的物であることを確認した。また各異性体成分の収量を併せて記載する。
Figure 0004485778
Figure 0004485778
このようにして得られた各成分のトルエン中での吸収極大、及びグラム吸光係数は以下のとおりであった。
Figure 0004485778
更に、(1−a)、及び(2−a)を上記収量と同一の比で混合した、混合物Aのトルエン中での吸収極大、及びグラム吸光係数は以下のとおりであった。
Figure 0004485778
テトラアザポルフィリン化合物異性体混合物Bの合成
n−アミルアルコール74.0gに下記構造式(5−a)で示される化合物10.0g、1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕−7−ウンデセン8.9gを分散し、攪拌下95℃に昇温し、同温度で塩化第1銅3.8gを装入した。135℃に昇温し、同温度で5時間攪拌した後、室温に冷却した。反応溶液を減圧濃縮した後、メタノール140gを装入した。析出物を濾過、メタノールにて洗浄、乾燥した後、濾塊をカラム精製(シリカゲル/トルエン:ヘキサン=5:5vol.)して、紫色成分下記異性体3成分を得た。下記分析より、目的物であることを確認した。また各異性体成分の収量を併せて記載する。
Figure 0004485778
Figure 0004485778
このようにして得られた各成分のトルエン中での吸収極大、及びグラム吸光係数は以下のとおりであった。
Figure 0004485778
更に、(1−b)、及び(2−b)を上記収量と同一の比で混合した、混合物Bのトルエン中での吸収極大、及びグラム吸光係数は以下のとおりであった。
Figure 0004485778
〔比較例1〕
実施例1において、混合物Aに更に成分(3−a)を実施例1の収量の比で混合した混合物A2のトルエン中での吸収極大、及びグラム吸光係数は以下のとおりであった。
Figure 0004485778
酢酸エチル/トルエン(50:50重量%)溶剤に混合物Aを分散・溶解させ、濃度が1150ppmになるようにアクリル系粘着剤用の色素入り希釈剤とした。アクリル系粘着剤/色素入り希釈剤(80:20重量%)を混合し、バッチ式ダイコーターでポリエチレンテレフタレートフィルム[帝人社製、厚さ75μm]上に塗工し、乾燥させて光学フィルターを作製した。該フィルターについて、島津製作所製分光光度計UV-3100にて透過率を測定した。594nmの吸収極大での透過率は16.0%であった。
赤色の発光色度(x、y)=(0.614、0.332)である透過型液晶ディスプレー(カラーフィルター付)に、当該フィルターを装着したところ、(Δx、Δy)=(+0.004、−0.009)と向上したことが確認できた。
混合物Aの代わりに混合物Bを用いる以外、実施例3と同様にして光学フィルターを作製した。該フィルターについて、島津製作所製分光光度計UV-3100にて透過率を測定した。584nmの吸収極大での透過率は15.0%であった。
赤色の発光色度(x、y)=(0.614、0.332)である透過型液晶ディスプレー(カラーフィルター付)に、当該フィルターを装着したところ、(Δx、Δy)=(+0.003、−0.008)と向上したことが確認できた。
赤色の発光色度(x、y)=(0.631、0.370)であるプラズマディスプレーパネルに、実施例3で作製した光学フィルターを装着したところ、(Δx、Δy)=(+0.035、−0.031)と向上したことが確認できた。
実施例3で作製した光学フィルターを紫外線カットアクリル板[厚さ2mm]に装着した。
該フィルター付きアクリル板について、島津製作所製分光光度計UV-3100にて透過率を測定した。594nmの吸収極大での透過率は16.4%であった。
更に、該フィルター付きアクリル板にキセノンランプ[58.5mW/cm]を照射して耐光性試験を行ったところ、1000時間で594nmでの透過率は16.0%でありフィルターの劣化はほとんど見られなかった。
〔比較例2〕
混合物Aの代わりに混合物A2を用いる以外、実施例3と同様にして光学フィルターを作製した。更に、該光学フィルターを紫外線カットアクリル板[厚さ2mm]に装着した。
該フィルター付きアクリル板について、島津製作所製分光光度計UV-3100にて透過率を測定した。596nmの吸収極大での透過率は16.1%であった。
更に、該フィルター付きアクリル板にキセノンランプ[58.5mW/cm]を1000時間照射して耐光性試験を行ったところ、500時間で596nmでの透過率は60%でありフィルターの劣化が見られた。
本発明によれば、各種ディスプレー、特にプラズマディスプレーパネルにおいて発生する特定の波長の光を選択的にカットするとともに、ディスプレーの色純度を阻害しないような可視光線透過率が高い実用的なフィルター用材料として、有用なテトラアザポルフィリン色素混合物及び該色素混合物を用いた光学フィルターを提供することができる。
光学フィルターの一例を示す断面図 光学フィルターの一例を示す断面図 光学フィルターの一例を示す断面図 光学フィルターの一例を示す断面図
符号の説明
10 透明基礎体
20 透明粘着層
30 コート層

Claims (4)

  1. 一般式(1)で表されるテトラアザポルフィリン化合物異性体、及び一般式(2)で表されるテトラアザポルフィリン化合物異性体のみの混合物からなるテトラアザポルフィリン色素
    Figure 0004485778
    〔式中、Rはt−ブチル基を表し、MはCu(II),Zn(II),Fe(II),Co(II),Ni(II),Pd(II),Mn(II)あるいはVOを表す。〕
  2. 一般式(1)〜(4)で表されるテトラアザポルフィリン化合物異性体混合物から、一般式(3)及び(4)で表されるテトラアザポルフィリン化合物異性体を除去して得られるテトラアザポルフィリン色素
    Figure 0004485778
    〔式中、Rはt−ブチル基を表し、MはCu(II),Zn(II),Fe(II),Co(II),Ni(II),Pd(II),Mn(II)あるいはVOを表す。〕
  3. 570〜605nmの波長帯において、20万(ml/g.cm)以上の溶液中でのグラム吸光係数を有する請求項1又は2に記載の色素
  4. 基材中に、1乃至3のいずれか1項に記載の色素を含有してなる光学フィルター。
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