JP4486490B2 - 整流カバー - Google Patents

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Description

本発明は、新幹線電車など高速鉄道車両の屋根に取り付けられるようなものであって、所定の距離離して配置され、その間に設けられたケーブルヘッドを走行によって生じる気流から保護する一対の整流カバーに関し、特にそれ自身から発生する風切り音を抑えて騒音の低減を図った整流カバーに関する。
新幹線電車などでは、車両の屋根部に設けられたパンタグラフによって架線から集電しているが、パンタグラフは1編成中に2台しかないので、パンタグラフのない車両ユニットには車体の屋根上で特高圧引き通しが行われている。すなわち、編成車両における各車両間に連結部が配設され、電気の授受が行われる構成がとられている。架線から供給される高電圧(例えば25000V)の電気を利用して走行する、新幹線車両など高速鉄道の編成車両では、屋根に突き出したパンタグラフ風切り音が騒音となるため、極力数を減らして2台にしている。そのため、高電圧のケーブルで1編成中の車両間をレール方向に接続し、大電力を必要とする全車両に高電圧の電気が行き渡るように構成されている。
新幹線電車の特高圧引き通しにおいて、車両と車両との間にある連結部では、絶縁電線と絶縁端子で接続するジョイント方式が一般的である。しかし、営業運転中に車両の電気装置が地絡した場合、故障した部分を電気的に切り離さなければ編成全体が停電してしまうため、列車の半分でも通電可能な走行状態にして自走が可能になるように、編成の中程には図6に示すようなケーブルヘッド式ジョイントが設けられている。このケーブルヘッド式ジョイントは、前後の車両の前後端屋根部201,202に対称的に設けられ、碍子であるケーブルヘッド1の先端に端子2が設けられ、その端子2間がケーブル(導線)3によって接続されている。
特開2004−276780号公報(第2−3頁、図2,3,5)
こうしたケーブルヘッド式ジョイントに用いられるケーブルヘッド1は、大きく、しかも碍子特有の形状としてひだの多い複雑な形状をしている。そのため、ケーブルヘッド1や、その他にも端子2やケーブル3に高速走行による気流が当たると大きな騒音を発生することになる。そこで、従来のケーブル式ジョイントにおいても、図6に示すように、高速な気流がケーブルヘッド1などに当たらないように保護するための整流カバー100が設けられている。しかし、こうした従来の整流カバー100は、高速の気流にさらされると、ケーブルヘッド1などの流体騒音を緩和することはできるが、その整流カバー100自身が新たな騒音源となるため改善の必要があった。
特に、新幹線電車のような高速鉄道車両は、車体間の連結部分でも気流の抵抗によって騒音を発しないように、図6に示すよう車体外形に沿った外幌203が設けられる。そうした場合、外幌203が無ければ車体間に位置するケーブル3と車体側との距離が確保できるが、外幌203が存在することによってケーブル3と車体側(外幌203)との距離が近くなる。そのため、絶縁を確保するためにもケーブルヘッド1の角度を上げてケーブル3の位置を上げる必要がある。しかし、ケーブルヘッド1の角度が大きくなると、最も騒音源となり得るそのケーブルヘッド1が気流にさらされるため、それを回避するには整流カバー100が大きくなってしまい、整流カバー100が原因となって気流の乱れが大きくなり、それが騒音の原因となる。
そこで、本発明は、かかる課題を解決すべく、騒音を抑えた整流カバーを提供することを目的とする。
本発明の整流カバーは、高速走行する鉄道車両の車体表面に突設され、走行方向において前後対称に設けられた一対のものであって、それぞれ両者が向かい合う方向に断面積が大きくなるように形成され、その向かい合った固定面に設けられたケーブルヘッドを走行によって生じる気流から保護するものであり、前記固定面の外周には曲面が形成され、曲率半径rが、車両走行時の最高速度をU、空気の動粘性係数をν、レイノルズ数Rを3×10 5 以上としてR=rU/νから求めたRν/Uを最小値とし、前記固定面に固定された前記ケーブルヘッドの最大横幅寸法をDとした場合の0.5Dを最大値とした範囲内で設定されたものであることを特徴とする。
また、整流カバーは、高速走行する鉄道車両の車体表面に突設され、走行方向において前後対称に設けられた一対のものであって、それぞれ両者が向かい合う方向に断面積が大きくなるように形成され、その向かい合った固定面に設けられたケーブルヘッドを走行によって生じる気流から保護するものであり、側面が上方から車両に連続する下方に向けて横幅が広くなるように裾部が形成されたものであることが好ましい
また、本発明の整流カバーは、高速走行する鉄道車両の車体表面に突設され、走行方向において前後対称に設けられた一対のものであって、それぞれ両者が向かい合う方向に断面積が大きくなるように形成され、その向かい合った固定面に設けられたケーブルヘッドを走行によって生じる気流から保護するものであり、前記固定面の外周には曲面が形成され、曲率半径rが、車両走行時の最高速度をU、空気の動粘性係数をν、レイノルズ数Rを3×10 5 以上としてR=rU/νから求めたRν/Uを最小値とし、前記固定面に固定された前記ケーブルヘッドの最大横幅寸法をDとした場合の0.5Dを最大値とした範囲内で設定され、且つ側面は、上方から車両に連続する下方に向けて横幅が広くなるように裾部が形成されたものであることを特徴とする
また、本発明の整流カバーは、前方投影形状を見た場合に、前記裾部は屋根に近づくにつれて横幅の増加率が大きくなるように形成されたものであることが好ましい。
更に、本発明の整流カバーは、上部外形が流線型であることが好ましい。
また、整流カバーは、高速走行する鉄道車両の車体表面に突設され、走行方向において前後対称に設けられた一対のものであって、それぞれ両者が向かい合う方向に断面積が大きくなるように形成され、その向かい合った固定面に設けられたケーブルヘッドを走行によって生じる気流から保護するものであり、前記固定面には凹部が形成され、そこに前記保護部材が一部入るようにして固定されたものであることが好ましい。
よって、本発明の整流カバーによれば、固定面外周に形成された曲面の曲率半径rを、例えばレイノルズ数Rを3×105 として3×105 ν/U≦r≦0.5Dの範囲で設定することにより、従来よりも固定面外周の曲面の曲率半径が大きくなる。そして、これにより風上の整流カバーの後方では気流の巻き込み量が多くなるが、曲率半径を一定の範囲内で設定することで、過度な巻き込みを防止するとともに風下の整流カバーの特に固定面外周に当たる気流の乱れを減らして騒音を抑えることができる。
また、本発明の整流カバーによれば、前述した固定面外周の曲率半径rの大きさを、例えばレイノルズ数Rを3×105 として3×105 ν/U≦r≦0.5Dの範囲で設定するとともに、裾部を設けることによって、風上の整流カバー後方で風の巻き込みが少なく気流の直進性が良くなり、且つ風下の整流カバーの特に固定面外周に当たる気流の乱れを減らし、両方の効果を得て騒音を抑えることができる。
また、整流カバーは、裾部を設けることによって、風上の整流カバー後方で風の巻き込みが少なく気流の直進性が良くなるので、風下の整流カバーへぶつかって気流の乱れが強くなる領域を小さくして騒音を抑えることができる。
更に、整流カバーは、前記固定面に形成した凹部内にケーブルヘッドが一部入るようにして固定すれば、整流カバー同士を近づけることにより、その間にできるスペースを小さくすることで、風上の整流カバー後方の流速が遅くなる領域を狭くしている。そのため、気流の巻き込みが少なくなって、風下の整流カバーの固定面外周に生じる気流の乱れが成長することを抑え、それによって騒音を抑えることができる。
次に、本発明に係る整流カバーの一実施形態について、図面を参照しながら以下に説明する。本実施形態でも、高速鉄道車両の車両と車両との間に設けられたケーブルヘッド式ジョイントを例に挙げて説明する。そのケーブルヘッド式ジョイントは、図6に示すものと同様、編成車のほぼ中央に位置する前後の車両の連結部において対称的に設けられ、前後それぞれの整流カバーに対し、碍子であるケーブルヘッド1の先端に端子2が設けられ、先端の端子2同士にケーブル3が接続される。そこで、以下に従来の整流カバーと本発明に係る実施形態の整流カバーとを対比させながら説明する。
ここで、図1は、第1実施形態の整流カバーを示した図であり、図5は、従来の整流カバーを示した図である。両図面とも対称的に形成されたケーブルヘッド式ジョイントを構成する一方を示し、それぞれ平面(a)、側面(b)、正面(c)及び背面(d)の4面を示している。整流カバー100は、車両の走行方向に相当する長手方向に見て、断面積の大きいヘッド部分101から断面積が減少したテール部分102へと高さ及び幅が小さくなるように形成されている。ケーブルヘッド式ジョイントは、図6に示すように、ヘッド部分101が向かい合い、その傾斜した固定面にケーブルヘッド1が角度を上げるようにして突設されている。
ヘッド部分101を向かい合わせた一対の整流カバー100は、風上のテール部分102から風下のテール部分102にかけてあたかも一体になって、その表面を滑るようにスムーズな風の流れができることが望ましい。そして、そのような整流カバー100は、図(c)(d)に示すように、車両の進行方向つまり風の流れる方向に見た投影面内に保護部材であるケーブルヘッド1などが隠れる大きさで形成されている。そのため、(c)図で示されるように、ケーブルヘッド1先端の端子2の高さよりもヘッド部分101の最上部が高くなるように形成されている。
また、前述したように、弛んだケーブル3最下端と車体側(外幌)との距離がある程度確保できるように(図6参照)整流カバー100の高さが必要になる。そのため、整流カバー100は気流の方向に対する投影面は、横幅に対して高さ方向に寸法が大きくなっている。ただし、ケーブルヘッド1、端子2及びケーブル3を気流から保護できる程度で、あまり大きくなりすぎないようにする必要がある。ケーブルヘッド1などに気流が直接当たって騒音が発生することを防止する一方で、走行方向に見た整流カバー100の投影面積が大きすぎると、気流乱れを発生させて騒音を大きくしてしまうからである。
ところで、風上の整流カバー100aは、風下の整流カバー100bに気流がぶつからないように完全に保護することはできない。一対の整流カバー100は走行方向によってどちらも風上になり得るので同じ大きさで形成しなければならず、しかも両者の間にはある程度の距離を設けなければならないため、風上の整流カバー100aを通り過ぎた気流が内側に巻き込んで風下の整流カバー100bに当たってしまう。
なお、図7,8以外には記載していないが、各実施形態及び従来例の整流カバーにおいて、符号の末尾にaを付したものを風上の整流カバーとし、また符号の末尾にbを付したものを風下の整流カバーとして説明することとする。
従って、風下の整流カバー100bは、風上の整流カバー100aを通過した気流に対する保護範囲に入りきらない。そして、音源探査をしたところ、特に、風下の整流カバー100bにおいて、ケーブルヘッド1が固定された固定面111の固定面外周112部分の騒音が大きかった。そこで、第1実施形態の整流カバー10では、次のようにして騒音の低減を図っている。
つまり、図1に示す整流カバー10において、風上の整流カバー10aからの気流が整流カバー10bに当たるのは、ケーブルヘッド1が固定された固定面11の固定面外周12である。そのため、気流による騒音を低減させるには、この気流が衝突する固定面外周12において、流れを乱して局所流速を上げないようにする。
図5に示す従来の整流カバー100でも固定面外周112はなめらかな形状にすべく曲面が形成されている。風下の整流カバー100bには、気流がぶつかる部分で流れの乱れ(圧力の時間的な変動)が小さくなるように滑らかに気流が通過することが望まれるからである。その際、気流を滑らかにするためには単純に固定面外周112に形成された曲面の曲率半径を大きくすることが考えられる。しかし、あまり曲率半径が大きすぎると、風上の整流カバー100aを通過した気流の内側への巻き込みを誘導してしまい、風下の整流カバー100bへ多くの気流がぶつかってしまい逆に騒音を大きくすることになる。そこで、本実施形態では固定面外周12の曲面について曲率半径の適切な範囲を求めた。
整流カバー10の固定面11には、その固定面外周12が曲面(円筒面またはトーラス面)の一部で形成されている。その曲面の曲率半径をrとした場合、rを基準長さとするレイノルズ数Rが3×105 以上であることが望ましい。円柱に対して直交する気流を考えた場合、その抵抗係数CD 値がレイノルズ数Rがほぼ3×105 くらいから低下するからである。そこで車両速度をU、動粘性係数をνとすると、レイノルズ数はR=rU/νで表されるため、レイノルズ数Rが3×105 以上の場合を考えると、3×105 ≦rU/νより、曲率半径はr≧3×105 ν/Uであることが好ましい。
なお、動粘性係数νは空気の場合ν=1.46×10-52/sであり、高速鉄道車両の最高速度を300km/h=83.3m/sで考えると、r≧50mmである。騒音は走行速度の上昇に応じて大きくなっていくためUの値は最高速度で考える。
風下の整流カバー10bとしては、固定面外周12の曲率半径rの値が大きいほど、そこに衝突する気流が滑らかに流れるようになる。しかし、逆に風上の整流カバー10aを見た場合には、気流の巻き込みを誘導することになって風下の整流カバー10bへ多くの風がぶつかるようになり、逆に騒音を大きくすることになる。そこで、風洞試験及びCFDを行ってヘッド面外周の曲率半径rの上限値を検討した。
整流カバー10は、弛んだケーブル3を車体側から距離をとる必要があるため、固定面11の高さ方向を下げることはできない。一方、横幅は気流からケーブルヘッド1などを保護する観点から、ケーブルヘッド1の最大直径の約2倍になった。そこで、固定面11は縦長になり、固定面外周12に形成される曲面の大きさは寸法の短い横幅を考慮して決定することとした。
風上の整流カバー10aの後方ではできる限り巻き込みを無くして気流直進させることが有効であることから、ケーブルヘッドの最大直径をDとして考えた場合、直径Dの1/2までが適当であることが分かった。よって、曲率半径rは次の範囲内で定めることが好ましい。
3×105 ν/U≦r≦0.5D …(1)
ここで、具体的に整流カバーの寸法を見てみる。従来の整流カバー100は、図6に示すように、走行方向の長さLは3500mm、固定面11の最も高い位置である高さhが650mmである。そして、ケーブルヘッド1の最大直径Dが350mmであり、そのケーブルヘッドが固定された固定面11の横幅、すなわち整流カバー100の横幅Tは、2D=700mmである。こうした寸法は整流カバーの基準寸法であり、第1実施形態の整流カバー10においても同じである。そして、従来の整流カバー100は、その固定面外周112の曲率半径rは40mmであった。
これに対して本実施形態では、前述したように空気の動粘性係数νを1.46×10-52/s、最高速度を300km/h=83.3m/sとすると、曲率半径rの範囲は前記(1)式から50mm≦r≦175mmとなった。そこで、図1に示す整流カバー10では、曲率半径rを60mmとして、従来の曲率半径rが40mmとの間でCFD(Computational Fluid Dynamics)による音源の強さ評価を行った。すると、従来の整流カバー100の音のパワーを0.0dBとした場合、本実施形態の整流カバー10では−1.3dBにまで抑えられた。また、図示しないが範囲内において曲率半径rを120mmとした場合の音源の強さ評価では、−3.5dBにまでなった。
更に、整流カバー10について図7に示すように平均流速分布のシミュレーションを行った。すると、流速分布P1に示された風下の整流カバー10bの固定面外周12部分では、局所流速が小さくなった。すなわち、整流カバー10の固定面外周12の曲率半径rを調整することにより、風上の整流カバー10aによってある程度の気流の巻き込みが生じてしまっても、風下の整流カバー10における固定面外周12の曲面では、気流の乱れが強い領域において圧力変動を小さくして騒音を低減することができた。
次に、ケーブルヘッド式ジョイントの整流カバーについて第2実施形態を説明する。図2は、本実施形態の整流カバーを示した図であり、平面(a)、側面(b)、正面(c)及び背面(d)の4面を示している。前記第1実施形態では、風下の整流カバー10bの固定面外周12にぶつかる気流に着目し、その曲率半径rの大きさを決定した。しかし、本実施形態の整流カバー20では、そうした風下の整流カバー20bへ衝突する気流を極力抑えるようにするため、風上の整流カバー20aを通過した気流ができる限り直進するようにした。
本実施形態の整流カバー20も図6に示す従来例と同様に、長手方向に見て断面積の大きいヘッド部分101から断面積が減少してテール部分102へと高さ及び幅が小さくなるように形成されている。そして、長さ方向の寸法Lや高さ寸法も同じである。
固定面21が向かい合い、その傾斜した固定面21にケーブルヘッド1が角度を上げるようにして突設されている。そして、本実施形態では、風上の整流カバー20aを通過した気流ができる限り直進するように、両サイドが裾広がりになるように裾部23が形成されている。
整流カバー20は、図(c)(d)から前方投影形状を見た場合、車両の屋根に接する部分の幅を意図的に広くし、しかも屋根に近づくにつれて横幅の増加率が大きくなるように裾部23を形成した。具体的には、ケーブルヘッド1の固定面21に対する取付中心の高さをCとし、その横幅をBとすると、屋根に接する裾部23の最も広い幅は1.5Bであり、さらにその裾部23の曲率半径は1.5C〜3Cであった。また、固定面外周22の曲率半径rは、裾部23に接する以外の部分では図5に示す従来例と同様に40mmで形成し、裾部23に接する部分では曲率半径rが120mm程度となるようにした。
そこで、図5に示す従来の整流カバー100と裾部23を有する本実施形態の整流カバー20とで風洞試験結果を比較してみた。ここでもCFDによる音源強さの評価を行い、従来の整流カバー100の音のパワーを0.0dBとした場合、本実施形態の整流カバー20では−2.1dBにまで抑えられ、風上の整流カバー20aによる気流の直進性が効果的であることが分かった。具体的には図示しないが、図7に示すように平均流速分布を見た場合、流速分布P2に相当する整流カバー20a後方の流速の遅い部分の幅が広がり、内側への巻き込みが少なくなる結果となった。従って、風下の整流カバー20bの固定面外周22にぶつかって気流の乱れが強くなる領域を小さくして騒音を低減することができた。
次に、ケーブルヘッド式ジョイントの整流カバーについて第3実施形態を説明する。図3は、本実施形態の整流カバーを示した図であり、平面(a)、側面(b)、正面(c)及び背面(d)の4面を示している。
本実施形態の整流カバー30は、前記第1、第2実施形態を組み合わせたものである。すなわち、整流カバー30では、風下の整流カバー30bへ衝突する気流を極力抑えるため、風上の整流カバー30aを通過した気流をできる限り直進させるようにし、更に風下の整流カバー30bの固定面外周32にぶつかる気流の流速を落とさないようにしたものである。
本実施形態の整流カバー30も図6に示す従来例と同様に、長手方向に見て断面積の大きいヘッド部分101から断面積が減少してテール部分102へと高さ及び幅が小さくなるように形成されている。そして、長さ方向の寸法Lや高さ寸法も同じである。
固定面31が向かい合い、その傾斜した固定面31にケーブルヘッド1が角度を上げるようにして突設されている。そして、風上の整流カバー30aを通過した気流ができる限り直進するように両サイドが裾広がりになるように裾部33形成され、更に風下の整流カバー30bに衝突する気流が滑らかに流れるように固定部外周32の曲率半径rを大きくするよう形成されている。
更に、整流カバー30は、図(c)(d)から前方投影形状を見た場合、車両の屋根に接する部分の幅を意図的に広くし、しかも屋根に近づくにつれて横幅の増加率が大きくなるように裾部33が形成されている。具体的には、ケーブルヘッド1の固定面31に対する取付中心の高さをCとし、その横幅をBとすると(図2参照)、屋根に接する裾部33の最も広い幅は1.5Bであり、さらにその裾部33の曲率半径は1.5C〜3Cであった。また、固定面外周32の曲率半径rは、裾部33に接する以外の部分では図5に示す従来例と同様に40mmで形成し、裾部33に接する部分では曲率半径rが120mm程度となるようにした。
一方、固定面外周32の曲率半径rは前記(1)式の範囲、すなわち3×105 ν/U≦r≦0.5Dで求められるが、本実施形態では更に風洞実験の結果、上部から裾部33にかけて曲率半径rを大きくした場合に騒音低減に好ましい結果が得られた。具体的には、固定面外周32の上部の曲率半径r1をrとした場合、裾部33の曲率半径r2はその3倍である3rとする。従って、本実施家形態の整流カバー30は、その固定面外周32の曲率半径が、r1=60mmからr2=180mmまで、その間を緩やかに変化させるように形成されている。そして、更に整流カバー30全体において流れを乱さないように上部外形が流線型に形成されている。
そこで、図5に示す従来の整流カバー100と本実施形態の整流カバー30とで風洞試験結果を比較してみた。ここでもCFDによる音源強さの評価を行い、従来の整流カバー100の音のパワーを0.0dBとした場合、本実施形態の整流カバー30では−2.4dBにまで抑えられた。これは、風上の整流カバー30aによる気流の直進性を良くすることができ、それに加え風下の整流カバー30bでの気流の乱れを抑えることができたからと考えられる。従って、風下の整流カバー30bの固定面外周32において局所流速が小さくなり、気流の乱れが強い領域において圧力変動を小さくして騒音を低減することができた。
次に、ケーブルヘッド式ジョイントの整流カバーについて第4実施形態を説明する。図4は、本実施形態の整流カバーを示した図であり、平面(a)、側面(b)、正面(c)及び背面(d)の4面を示している。本実施形態では、一対の整流カバー40の距離が近づくようにしたものである。
先ず、整流カバー40で構成されるケーブルヘッド式ジョイントは、図6に示す従来例と比較して、ケーブルヘッド1同士が同じ距離だけ離れ、同じ角度で取り付けられて、その先端の端子2同士によってケーブル3が同じように弛んで連結されている。
ケーブルヘッド1などを気流から保護する整流カバー40は、長手方向に見た投影面は、図(c)(d)に示すように、上部45が円弧で形成され、途中から一定の幅になるよう形成されている。その円弧で形成された上部45の外形が流線型をなし、その際、長手方向の断面積変化率がほぼ一定になるように形成されている。そして、ケーブルヘッド1が取り付けられる固定部41は、図(b)に示すように傾斜し、その角度がほぼ45度で形成されている。固定部41は、こうして角度を低くして全体的に前方に突き出され、対応する整流カバー40a,40b同士の距離が小さくなった。すなわち、風上の整流カバー40aから風下の整流カバー40bまでの間の空間が小さくなった。
また、ケーブルヘッド1同士の距離を従来と同じにする一方で、こうして固定部41の距離を近づけられるように、固定部41にはケーブルヘッド1の取り付け部として、窪んだ凹部46が形成されている。このとき、ケーブルヘッド1からの必要な絶縁距離を保つため、凹部46は底面に対して外側に広がるようにすり鉢状にくり抜かれている。更に、そうした凹部46を有する固定部41の固定部外周42には曲面が形成され、その曲率半径rは、前記(1)式の範囲内となる60mmで形成されている。
そこで、本実施形態の整流カバー40について、図8に示すように平均流速分布を見た場合、風上と風下の整流カバー40a,40bの距離が短くなることにより、整流カバー40a後方に生じる流速の遅い流速分布P3では巻き込みが少なくなった。そのため、図7に示す流速分布P1のように固定面外周12にできる気流の乱れが成長することが抑えられている。従って、風下の整流カバー40bの固定面外周42においも曲率半径rが大きくなっていることとも合わせて、局所流速が小さくなり、気流の乱れが強い領域において圧力変動を小さくして騒音を低減することができた。
以上、本発明に係る整流カバーの実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、固定面外周の曲率半径の寸法などは、前記(1)式で求められる範囲内で適宜変更可能である。
第1実施形態の整流カバーを示した図である。 第2実施形態の整流カバーを示した図である。 第3実施形態の整流カバーを示した図である。 第4実施形態の整流カバーを示した図である。 従来の整流カバーを示した図である。 整流カバーを使用したケーブルヘッド式ジョイントを示した図である。 ケーブルヘッド式ジョイントを構成する第1実施形態の整流カバーについて、その平均流速分布のシミュレーション結果を示した図である。 ケーブルヘッド式ジョイントを構成する第4実施形態の整流カバーについて、その平均流速分布のシミュレーション結果を示した図である。
符号の説明
1 ケーブルヘッド
2 端子
3 ケーブル
10 整流カバー
11 固定面
12 固定面外周

Claims (4)

  1. 高速走行する鉄道車両の車体表面に突設され、走行方向において前後対称に設けられた一対のものであって、それぞれ両者が向かい合う方向に断面積が大きくなるように形成され、その向かい合った固定面に設けられたケーブルヘッドを走行によって生じる気流から保護する整流カバーにおいて、
    前記固定面の外周には曲面が形成され、曲率半径rが、車両走行時の最高速度をU、空気の動粘性係数をν、レイノルズ数Rを3×10 5 以上としてR=rU/νから求めたRν/Uを最小値とし、前記固定面に固定された前記ケーブルヘッドの最大横幅寸法をDとした場合の0.5Dを最大値とした範囲内で設定されたものであることを特徴とする整流カバー。
  2. 高速走行する鉄道車両の車体表面に突設され、走行方向において前後対称に設けられた一対のものであって、それぞれ両者が向かい合う方向に断面積が大きくなるように形成され、その向かい合った固定面に設けられたケーブルヘッドを走行によって生じる気流から保護する整流カバーにおいて、
    前記固定面の外周には曲面が形成され、曲率半径rが、車両走行時の最高速度をU、空気の動粘性係数をν、レイノルズ数Rを3×10 5 以上としてR=rU/νから求めたRν/Uを最小値とし、前記固定面に固定された前記ケーブルヘッドの最大横幅寸法をDとした場合の0.5Dを最大値とした範囲内で設定され、且つ側面は、上方から車両に連続する下方に向けて横幅が広くなるように裾部が形成されたものであることを特徴とする整流カバー。
  3. 請求項2に記載する整流カバーにおいて、
    前方投影形状を見た場合に、前記裾部は屋根に近づくにつれて横幅の増加率が大きくなるように形成されたものであることを特徴とする整流カバー。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載する整流カバーにおいて、
    上部外形が流線型であることを特徴とする整流カバー。
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