JP4491101B2 - 座席シート及び座席シートの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電車、自動車、事務用椅子などの座席シート及び座席シートの製造方法に関し、特に、表皮カバーの張り替えコストを低減することができると共に、張り替えを繰り返しても表皮カバーの貼着性能を維持することができる座席シート及び座席シートの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電車、自動車、事務用椅子などの座席シートにおいて、従来は、クッション体としてウレタンが用いられていた。かかる座席シートの製造手順は、表皮カバーの裏面にビニールを張り、そのビニールで座席シートの外形を形成しつつ、ウレタンを注入(充填)してクッション体を形成するものである。ここで、表皮カバーは、着座の繰り返しにより汚れたり傷んだりするので、クッション体に対して着脱可能になっていることが望まれるが、かかる座席シートによれば、表皮カバーとクッション体とが完全に一体化しているため、分離することができなかった。そこで、表皮カバーをクッション体に対して着脱可能にした座席シートが考案され、特開平11−42147号公報に示されている。この特開平11−42147号公報に示される座席シートは、クッション体自体を繊維が立体的に絡まった構造に形成して、表皮カバーの裏面に固着された面ファスナーの雄材と係合させることにより、表皮カバーをクッション体に対して着脱可能に取着するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる特開平11−42147号公報に示される構成により表皮カバーをクッション体に対して着脱可能に取着した場合、表皮カバーが汚れたり傷んだりした場合には、表皮カバーとその裏面に固着された面ファスナーの雄材とが一緒に交換されるため、通常の面ファスナーの雌材よりも数倍高価な雄材が再利用できず、コスト高になってしまうという問題点があった。さらに、表皮カバーの交換を複数回繰り返すと、面ファスナーの雌材に相当するクッション体の表面が傷んでしまい、面ファスナーの雄材との貼着(係合)性能を低下させてしまうという問題点があった。
【0004】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、表皮カバーの張り替えコストを低減することができると共に、張り替えを繰り返しても表皮カバーの貼着性能を維持することができる座席シート及び座席シートの製造方法を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、請求項1記載の座席シートは、着座時に人体を保持するクッション体と、そのクッション体の表面を覆う表皮カバーと、その表皮カバーを前記クッション体に貼着する面ファスナーの雄材および雌材とを備えており、前記クッション体は、硬綿を複数層に積層した綿状体により構成され、前記面ファスナーの雄材は、前記クッション体の着座面側の表面から前記着座面側とは反対側の表面までを覆うように固着されると共に、前記面ファスナーの雌材は前記表皮カバーの裏面に固着されている。
【0006】
この請求項1記載の座席シートによれば、表皮カバーがクッション体の表面に押さえ付けられることにより、表皮カバーの裏面に固着された面ファスナーの雌材が、クッション体の表面に固着された面ファスナーの雄材に係合されるので、表皮カバーがクッション体の表面に取着される。逆に、クッション体の外方へ表皮カバーが引っ張られることにより、面ファスナーの雌材と面ファスナーの雄材との係合状態が解除されるので、表皮カバーがクッション体の表面から剥離される。
【0007】
請求項2記載の座席シートは、請求項1記載の座席シートにおいて、前記クッション体は、硬度の異なる前記硬綿を複数層に積層して構成されると共に、前記硬綿の内の最も硬度の大きい硬綿が前記着座面側とは反対側に配置され、前記面ファスナーの雄材は、その縁部が、前記硬綿の内の最も硬度の大きい硬綿に固着されている。
【0008】
請求項3記載の座席シートは、請求項1または2に記載の座席シートにおいて、前記面ファスナーの雄材は、各突起の先端部分に粒状または鉤状の引っ掛け部を有している。
【0009】
請求項4記載の座席シートは、請求項1から3のいずれかに記載の座席シートにおいて、前記面ファスナーの雄材は、接着剤によって前記クッション体の表面に固着されている。
【0010】
請求項5記載の座席シートは、請求項1から3のいずれかに記載の座席シートにおいて、前記面ファスナーの雄材と前記クッション体との接合は、双方を圧縮しつつ熱風を通過させることにより前記クッション体の構成材料を溶融させ、前記クッション体の構成材料を凝固させることにより行われる。
請求項6記載の座席シートの製造方法は、着座時に人体を保持するクッション体と、そのクッション体の表面を覆う表皮カバーと、その表皮カバーを前記クッション体に貼着する面ファスナーの雄材および雌材とを備え、前記クッション体が硬綿を複数層に積層した綿状体により構成され、前記面ファスナーの雄材が前記クッション体の表面に固着されると共に、前記面ファスナーの雌材が前記表皮カバーの裏面に固着された座席シートの製造方法であって、前記クッション体の表面を前記面ファスナーの雄材で覆う工程と、その工程の後、前記面ファスナーの雄材と前記クッション体との双方を圧縮しつつ前記クッション体側から前記面ファスナーの雄材側へと熱風を通過させることにより、前記クッション体の構成材料を溶融させる工程と、その工程の後、前記面ファスナーの雄材と前記クッション体との双方を圧縮しつつ前記クッション体側から前記面ファスナーの雄材側へと冷風を通過させることにより、前記クッション体の構成材料を凝固させる工程とを備えている。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。本実施例の座席シート1は、電車、自動車、事務用椅子などに用いられるものである。本実施例では、電車に用いられる座席シート1について説明する。座席シート1は、着座時に人体を保持するクッション体2と、そのクッション体2の表面を覆う表皮カバー3とにより構成されている。
【0012】
図1(a)は、本実施例の座席シート1の部分的な断面を示した斜視図である。図1(a)に示すように、クッション体2は綿状体2aにより略L字形断面に形成されている。クッション体2を構成する綿状体2aには、積層硬綿を使用している。この綿状体2aは、トウ(籐)状のポリエステル繊維(2〜100デニール、5〜10cm)に、芯鞘型でトウ状のポリエステル複合繊維P(2〜100デニール、5〜10cm)を5〜50重量%混合したもの(以下、「混合ポリエステル繊維」という。)を原料と使用している。ポリエステル複合繊維Pの鞘は、重縮合時にイソフタール酸を混合してパイプインパイプ等で製造した低融点共重合体ポリエステルである。
【0013】
このように、クッション体2は綿状体2aで形成されているので、クッション体2の使用後には、綿状体2aを解きほぐすことにより資源として再利用することができる。従って、産業廃棄物の発生を防止することができると共に、産業廃棄物としての処理コストを削減することができるのである。また、クッション体2を焼却処分した場合にも、ウレタンを焼却した場合のように有毒ガスを発生させることはないので、廃棄処分が容易である。さらに、綿状体2aはウレタンよりも通気性が良好なので、過剰な温度上昇を防止することができ、使い心地を快適にすることができるのである。
【0014】
クッション体2の表面には、布状に形成されると共に、クッション体2を覆う表皮カバー3が覆設されている。表皮カバー3の表面に形成される表皮3aの素材は、特に限定されるものではなく、ニット、トリコット、モケット、立毛メリヤスなどが用いられる。
【0015】
次に、図1(b)を参照して表皮カバー3およびクッション体2の構成の詳細について説明する。図1(b)は、図1(a)におけるb部の拡大断面図である。図1(b)に示すように、表皮カバー3の表皮3aの裏面側(クッション体2側)には、着脱可能なテープの一方である面ファスナー雌材3bが接着剤により固着されている。面ファスナー雌材3bは、基材3b1の下面にリング状のわなを出したパイル3b2が多数形成されている。
【0016】
一方、クッション体2の綿状体2aの表面には、パイルを利用した着脱可能なテープの他方である面ファスナー雄材2bが固着されている。面ファスナー雄材2bは、基材2b1の上に多数の突起2b2が突設されており、その各突起2b2の先端部分には、略半球状の係合粒2b3がそれぞれ形成され、略きのこ形状を呈している。なお、面ファスナー雄材2bの表面形状は、きのこ状に限らず、各突起2b2の先端部分に粒状または鉤状の引っ掛け部を有したJフック状、膨頭状であっても良い。
【0017】
かかる構成によれば、表皮カバー3をクッション体2の表面に押さえ付けると、表皮カバー3の裏面側に固着された面ファスナー雌材3bのパイル3b2が、クッション体2の表面に固着された面ファスナー雄材2bの係合粒2b3に係合される(引っ掛けられる)ので、表皮カバー3がクッション体2の表面に取着(貼着)される。
【0018】
逆に、クッション体2の外方へ表皮カバー3を引っ張ると、面ファスナー雌材3bのパイル3b2と面ファスナー雄材2bの係合粒2b3との係合状態が解除されるので、表皮カバー3がクッション体2の表面から剥離される。つまり、クッション体2に対して、表皮カバー3を着脱可能に取着することができるのである。
【0019】
ここで、本実施例の面ファスナー雄材2bによれば、確実に面ファスナー雌材3bと係合することができると共に、面ファスナー雄材2bを形成する突起2b2の突出量を極力抑えることができる。よって、座席シート1に着座した場合における、比較的硬質な面ファスナー雄材2bによる違和感をなくすことができるのである。
【0020】
このように、面ファスナー雄材2bはクッション体2側に固着されているので、表皮カバー3が汚れたり傷んだりして表皮カバー3の張り替えを行った場合にも、面ファスナー雌材3bよりも数倍高価な面ファスナー雄材2bは、そのままクッション体2の表面で再利用することができる。よって、面ファスナー雄材2bが表皮カバー3側に固着されていた場合と比較して、表皮カバー3の張り替えコストを大幅に低減することができるのである。
【0021】
さらに、表皮カバー3の交換を複数回繰り返すと、面ファスナー雌材3bは摩耗して傷むが、本実施例の座席シート1によれば、表皮カバー3ごと面ファスナー雌材3bを新品と交換することができるので、表皮カバー3の貼着性能を維持することができる。また、面ファスナー雄材2bよりも柔軟性がある面ファスナー雌材3bが表皮カバー3側に固着されているので、表皮カバー3の縫製が容易になると共に、クッション体2の曲面形状にも馴染みやすくなるので、製造時および張り替え時の作業性が向上する。さらに、面ファスナー雄材2bが表皮カバー3側に固着されていた場合と比較して、表皮カバー3の肌ざわりや感触が良くなる。一方、面ファスナー雌材3bよりも剛性がある面ファスナー雄材2bがクッション体2側に固着されているので、クッション体2の強度および耐久性が増す。
【0022】
図2を参照して、クッション体2の製造工程および綿状体2aの構成の詳細について説明する。図2は、クッション体2の製造工程を示した概略的な断面図である。図2に示すように、クッション体2の上方および下方には、その内側壁がクッション体2の完成形状を有しつつ、フッ素樹脂のコーティングを施された金型4がそれぞれ配設されている。その金型4には、均等径(1〜20mmの範囲)の通気孔4aが全面に等しい間隔を保って多数穿設されている。なお、図2においては、金型4に設けられる通気孔4aは一部のみを図示し、他の図示を省略している。
【0023】
図2に示すように、クッション体2の綿状体2aは、複数層(図2においては4層)の硬綿2a1〜2a4により構成されている。これらの各硬綿2a1〜2a4は、前述の混合ポリエステル繊維を圧縮することにより、略平板状に形成したものである。具体的には、所定の厚さの混合ポリエステル繊維を圧縮しつつ、その内部に100〜250℃の熱風を通過させて加熱する。すると、前述の複合繊維Pの鞘が溶融してポリエステル繊維同士が接合されるとともに、混合ポリエステル繊維の体積が減少して成形可能な硬綿となるのである。
【0024】
このようにして形成される各硬綿2a1〜2a4の硬度は、それぞれ10度、15度、25度、30度(高分子計器株式会社製アスカーF型硬度計で測定)とし、密度は0.02〜0.05g/cm3の範囲とする。これらの硬綿2a1〜2a4を硬度の大きいものから順に積層したものが、クッション体2の綿状体2aである。この状態においては、各硬綿2a1〜2a4は重ね合わされているだけであり、まだ接着はされていない。
【0025】
かかる綿状体2aの着座面側の表面(図2における左上表面)を面ファスナー雄材2bで覆い、下方に配設された金型4の上にクッション体2を設置する。そして、そのクッション体2の上方から他方の金型4を被せる。この状態でクッション体2を圧縮しつつ、矢印A方向から矢印B方向へと多数の通気孔4aを介して、100〜220℃の熱風を10〜180秒間通過させる。
【0026】
その結果、綿状体2aに含まれるポリエステル複合繊維Pの鞘が溶融して、各硬綿2a1〜2a4がその溶融したポリエステル複合繊維Pによって連結されると共に、その溶融したポリエステル複合繊維Pによって綿状体2aと面ファスナー雄材2bとが連結される。その後、金型4による圧縮を継続しつつ20〜180秒間放置した後、矢印A方向から矢印B方向へと多数の通気孔4aを介して冷風を通過させる。
【0027】
すると、クッション体2の形状が固定されるとともに、溶融したポリエステル複合繊維Pが凝固し、綿状体2aを構成する各硬綿2a1〜2a4どうし、および綿状体2aと面ファスナー雄材2bとが接着される。かかる方法によれば、接着剤を用いることなく、綿状体2aと面ファスナー雄材2bとを接着することができ、加えて、表皮カバー3の張り替えを行った場合にも、面ファスナー雄材2bを確実に綿状体2aの表面に固着しておくことができる。さらに、綿状体2aの成形とその綿状体2aの表面への面ファスナー雄材2bの接着とが同一工程内で行われるので、クッション体2の製造工程を短縮して省力化を図ることができる。
【0028】
次に、図1を参照して、表皮カバー3を張り替える場合の動作について説明する。まず、クッション体2の表面に取着(貼着)された表皮カバー3をクッション体2の外方へ引っ張り、面ファスナー雄材2bの係合粒2b3に係合されていた面ファスナー雌材3bのパイル3b2を開放し、表皮カバー3をクッション体2の表面から剥離する。剥離された表皮カバー3は洗浄したり、傷みが激しい物については廃棄処分する。
【0029】
続いて、洗浄済み、または新品の表皮カバー3をクッション体2の表面における所定の位置に押さえ付け、表皮カバー3の裏面側に固着された面ファスナー雌材3bのパイル3b2を、クッション体2の表面に固着された面ファスナー雄材2bの係合粒2b3に係合させ、表皮カバー3をクッション体2の表面に取着(貼着)する。以上の動作により、容易に表皮カバー3の張り替えが完了する。
【0030】
以上説明したように、本実施例の座席シート1は、面ファスナー雄材2bがクッション体2側に固着されているので、表皮カバー3が汚れたり傷んだりして表皮カバー3の張り替えを行った場合に、面ファスナー雌材3bよりも数倍高価な面ファスナー雄材2bは、そのままクッション体2の表面で再利用することができる。よって、面ファスナー雄材2bが表皮カバー3側に固着されていた場合と比較して、表皮カバー3の張り替えコストを大幅に低減することができる。さらに、表皮カバー3の交換を複数回繰り返すと、面ファスナー雌材3bは摩耗して傷むが、面ファスナー雌材3bは表皮カバー3側に固着されているので、表皮カバー3ごと面ファスナー雌材3bを新品と交換することができる。よって、表皮カバー3の貼着性能を維持することができる。
【0031】
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0032】
例えば、本実施例では、クッション体2を構成する綿状体2aの表面に、面ファスナー雄材2bを固着する場合に、綿状体2aに含まれるポリエステル複合繊維Pの鞘を溶融させてクッション体2を成形させつつ接着したが、クッション体2を構成する綿状体2aだけを成形した後に、綿状体2aと面ファスナー雄材2bとを接着剤によって接着しても良い。かかる方法によれば、表皮カバー3の張り替えを行った場合にも、面ファスナー雄材2bを確実にクッション体2の表面に固着させておくことができ、表皮カバー3がクッション体2からずれない。
【0033】
【発明の効果】
請求項1及び2記載の座席シートによれば、表皮カバーが汚れたり傷んだりして表皮カバーの張り替えを行った場合に、雌材よりも数倍高価な雄材は、そのままクッション体の表面で再利用することができるので、雄材が表皮カバー側に固着されていた場合と比較して、表皮カバーの張り替えコストを大幅に低減することができるという効果がある。さらに、表皮カバーの交換を複数回繰り返すと、面ファスナーの雌材は摩耗して傷むが、かかる場合には、表皮カバーごと面ファスナーの雌材を新品と交換することができるので、表皮カバーの貼着性能を維持することができる。また、雄材よりも柔軟性がある雌材が表皮カバー側に固着されているので、表皮カバーの縫製が容易になると共に、クッション体の曲面形状にも馴染みやすくなるので、製造時および張り替え時の作業性が向上する。さらに、雄材が表皮カバー側に固着されていた場合と比較して、表皮カバーの肌ざわりや感触が良くなる。一方、雌材よりも剛性がある雄材がクッション体側に固着されているので、クッション体の強度および耐久性が増すという効果がある。
【0034】
また、クッション体は、綿状体により構成されているので、クッション体使用後に綿状体を解きほぐすことにより、資源として再利用することができる。よって、産業廃棄物の発生を防止することができると共に、産業廃棄物としての処理コストを削減することができるという効果がある。また、クッション体を焼却処分した場合にも、ウレタンを焼却した場合のように有毒ガスを発生させることはないので、廃棄処分が容易である。さらに、綿状体はウレタンよりも通気性が良好なので、過剰な温度上昇を防止することができ、使い心地を快適にすることができるという効果がある。
更に、クッション体は、硬綿を複数層に積層した綿状体により構成され、面ファスナーの雄材は、クッション体の着座面側の表面から着座面側とは反対側の表面までを覆うように固着されるので、複数層に積層された各硬綿を面ファスナーの雄材により覆うことができるという効果がある。
【0035】
請求項3記載の座席シートによれば、請求項1または2に記載の座席シートの奏する効果に加え、更に、面ファスナーの雄材は、各突起の先端部分に粒状または鉤状の引っ掛け部を有しているので、確実に雌材と係合することができると共に、雄材を形成する突起の突出量を抑えることができる。よって、座席シートに着座した場合における、面ファスナーの雄材による違和感を一層防止することができるという効果がある。
【0036】
請求項4記載の座席シートによれば、請求項1から3のいずれかに記載の座席シートの奏する効果に加え、更に、面ファスナーの雄材は、接着剤によってクッション体の表面に固着されている。よって、表皮カバーの張り替えを行った場合にも、面ファスナーの雄材を確実にクッション体の表面に固着させておくことができるので、表皮カバーがクッション体からずれないという効果がある。
【0037】
請求項5記載の座席シートによれば、請求項1から3のいずれかに記載の座席シートの奏する効果に加え、更に、面ファスナーの雄材は、面ファスナーの雄材とクッション体との双方を圧縮しつつ熱風を通過させることにより、クッション体の構成材料を溶融させ、クッション体の構成材料を凝固させることにより、クッション体に接着される。よって、接着剤が不要であると共に、表皮カバーの張り替えを行った場合にも、面ファスナーの雄材を確実にクッション体の表面に固着しておくことができるという効果がある。
請求項6記載の座席シートの製造方法によれば、面ファスナーの雄材がクッション体の表面に固着されると共に、面ファスナーの雌材が表皮カバーの裏面に固着された座席シートを製造することができる。よって、表皮カバーが汚れたり傷んだりして表皮カバーの張り替えを行った場合に、雌材よりも数倍高価な雄材は、そのままクッション体の表面で再利用することができるので、雄材が表皮カバー側に固着されていた場合と比較して、表皮カバーの張り替えコストを大幅に低減することができるという効果がある。さらに、表皮カバーの交換を複数回繰り返すと、面ファスナーの雌材は摩耗して傷むが、かかる場合には、表皮カバーごと面ファスナーの雌材を新品と交換することができるので、表皮カバーの貼着性能を維持することができるという効果がある。
また、面ファスナーの雄材とクッション体との双方を圧縮しつつクッション体側から面ファスナーの雄材側へと熱風を通過させることにより、クッション体の構成材料が溶融して、クッション体の各硬綿が連結されると共にクッション体と面ファスナーの雄材とが連結される。そして、面ファスナーの雄材とクッション体との双方を圧縮しつつクッション体側から面ファスナーの雄材側へと冷風を通過させることにより、クッション体の構成材料が凝固して、クッション体の各硬綿が接着されると共にクッション体と面ファスナーの雄材とが接着される。よって、クッション体の成形とクッション体への面ファスナーの雄材の接着とが同一工程内で行われるので、クッション体の製造工程を短縮して省力化を図ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は、本実施例の座席シートの部分的な断面を示した斜視図であり、(b)は、図1(a)におけるb部の拡大断面図である。
【図2】 クッション体の製造工程を示した概略的な断面図である。
【符号の説明】
1 座席シート
2 クッション体
2a 綿状体
2a1〜2a4 硬綿
2b 面ファスナー雄材
2b2 突起
2b3 係合粒(引っ掛け部)
3 表皮カバー
3b 面ファスナー雌材
P 芯鞘型でトウ状のポリエステル複合繊維(構成材料)
Claims (6)
- 着座時に人体を保持するクッション体と、そのクッション体の表面を覆う表皮カバーと、その表皮カバーを前記クッション体に貼着する面ファスナーの雄材および雌材とを備えた座席シートにおいて、
前記クッション体は、硬綿を複数層に積層した綿状体により構成され、
前記面ファスナーの雄材は、前記クッション体の着座面側の表面から前記着座面側とは反対側の表面までを覆うように固着されると共に、
前記面ファスナーの雌材は前記表皮カバーの裏面に固着されていることを特徴とする座席シート。 - 前記クッション体は、硬度の異なる前記硬綿を複数層に積層して構成されると共に、前記硬綿の内の最も硬度の大きい硬綿が前記着座面側とは反対側に配置され、
前記面ファスナーの雄材は、その縁部が、前記硬綿の内の最も硬度の大きい硬綿に固着されていることを特徴とする請求項1記載の座席シート。 - 前記面ファスナーの雄材は、各突起の先端部分に粒状または鉤状の引っ掛け部を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の座席シート。
- 前記面ファスナーの雄材は、接着剤によって前記クッション体の表面に固着されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の座席シート。
- 前記面ファスナーの雄材と前記クッション体との接合は、双方を圧縮しつつ熱風を通過させることにより前記クッション体の構成材料を溶融させ、前記クッション体の構成材料を凝固させることにより行われることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の座席シート。
- 着座時に人体を保持するクッション体と、そのクッション体の表面を覆う表皮カバーと、その表皮カバーを前記クッション体に貼着する面ファスナーの雄材および雌材とを備え、前記クッション体が硬綿を複数層に積層した綿状体により構成され、前記面ファスナーの雄材が前記クッション体の表面に固着されると共に、前記面ファスナーの雌材が前記表皮カバーの裏面に固着された座席シートの製造方法において、
前記クッション体の表面を前記面ファスナーの雄材で覆う工程と、
その工程の後、前記面ファスナーの雄材と前記クッション体との双方を圧縮しつつ前記クッション体側から前記面ファスナーの雄材側へと熱風を通過させることにより、前記クッション体の構成材料を溶融させる工程と、
その工程の後、前記面ファスナーの雄材と前記クッション体との双方を圧縮しつつ前記クッション体側から前記面ファスナーの雄材側へと冷風を通過させることにより、前記クッション体の構成材料を凝固させる工程とを備えていることを特徴とする座席シートの製造方法。
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