JP4507997B2 - 内燃機関の可変動弁装置 - Google Patents

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Description

本発明は、吸気バルブあるいは排気バルブの位相を可変する内燃機関の可変動弁装置に関する。
自動車に搭載されるレシプロ式エンジン(内燃機関)の多くは、エンジンの排出ガス対策や燃費低減などの理由から、吸気バルブや排気バルブの位相を変化させる可変動弁装置を搭載することが行われている。
このような可変動弁装置の多くは、カムシャフトに形成されているカムの位相を、ベース円区間とリフト区間とが連なる揺動カムに置き換える構造が用いられる。具体的には、この揺動カムの揺動範囲を変化させることによって、ロッカアームで駆動される吸気バルブや排気バルブの開弁期間、バルブリフト量を連続的に可変させる構造が用いられている。また近時では、特許文献1にも開示されているようにポンピングロスの改善を図るために、カムと揺動カムとの間に、伝達カムを介在させ、同伝達カムを制御シャフトに揺動自在に支持させる構造を用いて、制御シャフトの回動変位で伝達アームを移動させて、該伝達アームとカムとの当接位置の変更を伴いながら、カム変位を揺動カムへ伝達させてバルブ特性を制御、具体的にはバルブの開閉タイミング、開弁期間、バルブリフト量の連続的な可変を行なうようにした技術が提案されている。
特開2003−239712号公報
こうした可変動弁装置では、高バルブリフトから低バルブリフトまでの可変範囲の拡大が望まれている。
しかし、バルブ特性の可変範囲を拡大するのは難しい。特に伝達アームを移動させる可変動弁装置は、伝達アームを移動させる範囲が、伝達アームの支持構造上、限界であったり、周囲に配置される機器や部品などで規制されたりする関係で、簡単には可変範囲を拡げることは難しい。
そこで、本発明の目的は、簡単な構造で、バルブ特性の可変範囲の拡大が可能な内燃機関の可変動弁装置を提供する。
請求項1に記載の発明において、上記目的を達成するために、伝達アームは、カムと伝達アームとの接点から伝達アームの揺動支点までを結ぶ距離をAとし、伝達アームの揺動支点から伝達アームの作用点までを結ぶ距離をBとしてB/A値を定めたとき、吸気バルブ又は排気バルブのリフト量を大きくした高バルブリフト制御時のときのB/A値なるα1と、高バルブリフト制御時よりもリフト量を小さくした低バルブリフト制御時のときのB/A値なるα2とが、α1>α2なる関係レイアウトした。また、低バルブリフト制御時の揺動カムの揺動角度よりも高バルブリフト制御時の前記揺動カムの揺動角度の方が大きくなる関係に、揺動カムをレイアウトした。
請求項2に記載の発明は、上記目的に加え、上記関係が容易に確保されるよう、揺動カムとの間ですべりを伴いながら、カムの変位が揺動カムに伝わる構成を採用して、揺動カムの入力点を一定とした。
請求項3に記載の発明は、上記目的に加え、高バルブリフト制御時で、より高いバルブリフト量が確保されるよう、α1>1となるように設定した。
請求項1に記載の発明によれば、伝達アームは、高バルブリフト制御時〜低バルブリフト制御時にしたがい変化するてこ比(レバー比)を利用して、可変範囲の高バルブリフト側では、カムプロフィールに依存するだけのときよりも揺動カムの揺動角度を大きくできる。また可変範囲の低バルブリフト側では、カムのカムプロフィールに依存するときよりも揺動角度を小さくできる。つまり、伝達アームの移動範囲は、そのままでありながら、高バルブリフト側では、より高いバブルリフト量が確保でき、低バルブリフト側では、より小さいバルブリフト量が確保できる。
それ故、カムを変更したり、伝達アームの移動範囲を変更したりせずに、伝達アームのレイアウトを設定するだけの簡単な構造で、バルブ特性の可変範囲を拡大させることができる。
請求項2に記載の発明によれば、容易に、上記効果をもたらす「α1>α2」なる伝達アームのレイアウトができる。
請求項3に記載の発明によれば、カムプロフィールだけに依存するときよりも、揺動カムの揺動角度を大きくできるので、高バルブリフト制御時では、より高いバルブリフト量を確保できる。
[第1の実施形態]
以下、本発明を図1〜図9に示す第1の実施形態にもとづいて説明する。
図1は、多気筒の内燃機関、例えば気筒1aが直列に並ぶ4気筒のレシプロ式ガソリンエンジンのシリンダヘッド1の全体平面図、図2は同シリンダヘッド1のII−II線に沿う詳細な側断面図を示し、図3は同シリンダヘッド1の一部を拡大して示す平面図、図4は同シリンダヘッド1に搭載された可変動弁装置20の分解図を示している。
図1ないし図3を参照してシリンダヘッド1について説明すると、シリンダヘッド1の下面には、シリンダブロック1cに形成された4つ気筒1a(直列に並んでいる)にならって、それぞれ燃焼室2(図2に図示)が形成されている。これら燃焼室2には、それぞれ例えば2個ずつ(一対)、吸気ポート3および排気ポート4(図2だけに図示せず)が形成されている。シリンダヘッド1の上部には、吸気ポート3を開閉する吸気バルブ5、排気ポート4を開閉する排気バルブ6がそれぞれ組み付けてある。吸気バルブ5、排気バルブ6には、いずれもバルブスプリング7で閉方向に付勢される常閉式の往復バルブが用いてある。なお、気筒1a内にはピストン1bが往復動可能に収めてある(図2だけに二点鎖線で図示)。
図1および図2中8は、シリンダヘッド1の上部に搭載された例えばSOHC式の動弁系(一本のカムシャフト10で吸気バルブ5、排気バルブ6を駆動するもの)を示している。動弁系8について説明すると、10は、燃焼室2の頭上にシリンダヘッド1の長手方向に回転自在に配設されたカムシャフト、11はこのカムシャフト10を挟んだ片側(吸気ポート側)に回動可能に配設された吸気側のロッカシャフト(制御シャフトを兼ねる)、12はその反対側(排気ポート側)に配設(固定)された排気側のロッカシャフト、13は例えばロッカシャフト11とロッカシャフト12間の上側の地点(ロッカシャフト12寄り)に配設された支持シャフトを示す。ロッカシャフト11,12および支持シャフト13は、いずれもカムシャフト10と平行(並行)に配置された軸部材から構成されている。
カムシャフト10は、エンジンのクランクシャフト(図示しない)からの出力により、図2中の矢印方向に沿って回転駆動される部品である。このカムシャフト10の各部には、図3に示されるように燃焼室2毎(気筒毎)に、吸気用カム15(1つ:本願のカムに相当)と排気用カム16(2つ)が形成されている。吸気用カム15は燃焼室2の頭上中央に配置され、排気用カム16,16はその吸気用カム15の両側にそれぞれ配置されている。
排気側のロッカシャフト12には、図1および図2に示されるように排気用カム16毎(排気バルブ6毎)に、排気バルブ用のロッカアーム18がそれぞれ回動自在に支持されている。また吸気側のロッカシャフト11には、一対の吸気用カム15毎(一対の吸気バルブ毎)に、可変動弁装置20が組み込まれている。ロッカアーム18は、排気用カム16の変位を排気バルブ6へ伝える部品で、可変動弁装置20は、吸気用カム15の変位を吸気バルブ5,5へ伝える装置で、これらが各カム15,16で駆動されることによって、ピストン1bの動き(往復動)と連動して、気筒1a内で、所定の燃焼サイクル(例えば吸気行程、圧縮行程、爆発行程、排気行程の4サイクル)が形成されるようにしている。なお、図2中87は、燃焼室2内の混合気を点火するための点火プラグを示す。
可変動弁装置20を説明すると、同装置20は、図1〜図4に示されるようにロッカシャフト11に揺動自在に支持された吸気バルブ用のロッカアーム25(本願のロッカアームに相当)と、同ロッカアーム25と組み合うスイングカム45(本願の揺動カムに相当)と、吸気用カム15の変位をスイングカム45へ伝達するセンタロッカアーム(本願の伝達アームに相当)35と、センタロッカアーム35をロッカアーム11に揺動自在に支持する支持機構70とを有して構成される。
このうちロッカアーム25には、例えば図3および図4に示されるような二股形状の構造が用いられている。具体的にはロッカアーム25は、中央に筒状のロッカシャフト支持用ボス26が形成され、一端側に吸気バルブ5の駆動をなす駆動部分、例えばアジャストスクリュ部27が組み付けられた一対の並行なロッカアーム片29と、これらロッカアーム片29の他端部間に挟み込まれた回転自在なローラ部材30(当接部を形成するもの)とを有して構成してある。なお、32は、ローラ部材30をロッカアーム片29に回転自在に枢支させるための短シャフトを示す。そして、ロッカシャフト支持用ボス26,26はロッカシャフト11に揺動自在にそれぞれ嵌挿され、ローラ部材30を支持シャフト13側(シリンダヘッド1の中央側)に配置させている。残るアジャストスクリュ部27は、それぞれ吸気バルブ5,5の上部端(バルブステム端)に配置させてある。つまり、ロッカアーム25は、ロッカシャフト11を支点に揺動すると、吸気バルブ5,5が駆動されるようになっている。
スイングカム45は、図2〜図4に示されるように支持シャフト13に回動自在に嵌挿された筒状のボス部46と、同ボス部46からローラ部材30(ロッカアーム25)へ向って延びるアーム部47と、同アーム部47の下部に形成した受け部48とを有して形成される。このうちアーム部47の先端面には、ロッカアーム25へ変位を伝えるカム面、例えば上下方向に延びるカム面49が形成されている。このカム面49がロッカアーム25のローラ部材30の外周面に転接させてある。このカム面49についての詳細は後述する。また受け部48には、例えば図3および図4に示されるようにアーム部47の下部のうち、カムシャフト10の直上となる下面部分に凹陥部51を形成し、同凹陥部51内に、カムシャフト10と同じ向きで、短シャフト52を回転自在に支持させた構造が用いられる。なお、53は、凹陥部51内の短シャフト52部分の外周部に形成された、平面な底面をもつ凹部を示す。
センタロッカアーム35には、例えば図2および図4に示されるように吸気用カム15のカム面と転接する転接子、例えばカムフォロア36と、同カムフォロア36を回転自在に支持する例えば枠形のホルダ部37とをもつ、ほぼL形部材が用いられている。具体的には、センタロッカアーム35は、カムフォロア36を中心として、ホルダ部37から、上方のロッカシャフト11と支持シャフト13間へ向かって延びる柱状の中継用アーム部38と、ホルダ部37の側部から、一対のロッカアーム片29間から露出するロッカシャフト11のシャフト部分11c(図5〜図8に図示)の下側へ延びる支点用アーム部39とを有して、L形に形成してある。なお、支点用アーム部39は例えば二股状に分けてある。また中継用アーム部38の先端(上端面)には、駆動面として、ロッカシャフト11側が低く、支持シャフト13側が高くなるよう傾斜させた傾斜面40が形成してある。この中継用アーム部38の先端が、上記スイングカム45の凹部53内へ差し込まれている。これで、吸気用カム15とスイングカム45との間にセンタロッカアーム35を介在させている。そして、アーム部38の傾斜面40は、凹部53の底面で形成された受け面53a(被駆動面)にスライド自在に突き当てられて、面接触している。これで、吸気用カム15のカム変位が、中継用アーム部38から、すべりを伴いながら、スイングカム45へ伝達されるようにしてある。
支持機構70には、例えば図2および図4に示されるような、制御アーム72を用いてセンタロッカアーム35を揺動自在に支持する支持部77と、同センタロッカアーム35の位置を調整可能とした調整部80とを組み合わせた構造が用いられている。このうち支持部77について説明すると、シャフト部分11cの下部周壁には、シャフト部分11cの軸心と直交する向きで、通孔73が形成されている。制御アーム72は、円形断面をもつ軸部74と、同軸部74の一端に形成された円板状のピン結合片75と、同ピン結合片75に形成された支持孔75a(図4だけに図示)とを有して形成されている。この軸74の端部がシャフト部分11cの下部から通孔73へ差し込まれている(挿入)。なお、差し込まれた軸部74は、軸方向および周方向に対して移動自在である。この軸部74の端が、後述する調整部80の部品に突き当たっている。ピン結合片75は、二股に分かれた支点用アーム部39内に挿入される。そして、アーム部39および支持孔75aには、ピン42が挿通され、支点用アーム部39の先端部と、シャフト部分11cから突き出た制御アーム72の端部との相互を吸気用カム15の起伏方向(カムシャフト10の軸心と直交する方向)に回動自在に結合させている。この結合により、センタロッカアーム35は、吸気用カム15が回転すると、ピン42を支点として揺動(上下)されるようにしている(揺動支持)。そして、このセンタロッカアーム35の動きに連動して、スイングカム45が、支持シャフト13を支点とし、短シャフト52を作用点(センタロッカアーム35からの荷重が作用する点)とし、カム面49を力点(ロッカアーム25を駆動させる点)として、周期的に揺動されるようにしている。なお、ロッカアーム25、センタロッカアーム35およびスイングカム45の相互間は、付勢手段、例えばプッシャ86(スプリング内蔵の部品)によって、スイングアーム45から、吸気用カム16へ押し付ける方向(密接する方向)に付勢させてある。プッシャ86を用いる理由は、吸気用カム15のベース円とカムフォロア36とが転接しているときは(スイングカム45が揺動していないとき)、バルブスプリング7のスプリング力が作用していないので、それを補うためによる。
またロッカシャフト11の端部には、アクチュエータとして、例えば制御用モータ43(図1および図4だけに図示)が接続されている。これで、ロッカシャフト11が軸心回りに駆動(回動)される構造にしている。このロッカシャフト11の回動により、制御アーム72が、例えば図5および図6に示される略垂直となる姿勢から、例えば図7および図8に示されるカムシャフト回転方向に大きく傾いた姿勢まで可変できるようにしている。この制御アーム72の姿勢の変化から、センタロッカアーム35を、シャフト部分11cの軸方向と交差する方向に移動(変位)できるようにしている。つまり、図5〜図8に示されるようにカムフォロア36の吸気用カム15に対する転接位置が変更(進角方向や遅角方向)できるようにしている。この転接位置の可変により、スイングカム45のカム面49の姿勢を変化させて、吸気バルブ5の開閉タイミングや開弁期間やバルブリフト量が、同時に連続的に可変される構造にしている。具体的には、カム面49には、例えば支持シャフト13の中心からの距離が変化する曲面が用いられている。これには、例えば図2中に示されるようにカム面49の上部側をベース円区間α、すなわち図2中に示されるように支持シャフト13の軸心を中心とした円弧面で形成された区間とし、下部側をリフト区間β、すなわち上記円弧に連続した反対向きの円弧面及びそれに続く反対向きの円弧面、具体的には例えば吸気用カム15のリフト域のカム形状と同じような円弧面で形成される区間としてある。このカム面49により、カムフォロア36が吸気用カム15の進角方向あるいは遅角方向へ変位すると、スイングカム45の揺動範囲が変化して、ローラ部材30が接するカム面49の領域が変化するようにしてある。つまり、吸気用カム15の位相が進角方向あるいは遅角方向へずれながら、ローラ部材30が行き交うベース円区間αとリフト区間βの比率が変わるようにしてある。
調整部80には、例えば図2〜図4に示されるようにねじ部材82で、差し込まれた制御アーム端を支持する構造が用いられている。具体的には、ねじ部材82は、通孔73とは反対側となるシャフト部分11cの地点(上部周壁)から、進退可能に螺挿されている。このねじ部材82の挿入端が、通路73内の途中で、制御アーム72の端と突き当たり、制御アーム72を支持させている。これにより、ねじ部材82を回転操作すると、シャフト部材11cから突き出る軸部74の突出量が可変され、吸気用カム15の転接位置の変更から、吸気バルブ5の開弁時期や閉弁時期が調整されるようにしている。但し、83は、ねじ部材81を回転操作するための、ねじ部材81の上端面に形成した例えば十字形の溝部、84は、ねじ部材81の端部にねじ込まれたロックナット、84aは同ロックナット84の座面を形成する切欠きを示す。
一方、センタロッカアーム35には、吸気バルブ5のバルブ特性の可変範囲を拡大させる工夫が施されている。同工夫には、センタロッカアーム35のてこ比(レバー比)が、高バルブリフト側、低バルブリフト側で変化するように、センタロッカアーム35を配置させた構造が用いられている。これには、図2に示されるように吸気用カム15とセンタロッカアーム35のカムフォロア36との接点S1からセンタロッカアーム35の揺動支点S2(ピン42の中心)を結ぶ距離をAとし、センタロッカアーム35の揺動支点S2からセンタロッカアーム35の作用点S3(スイングカム45へカム変位に伝える点)を結ぶ距離をBとしたときのB/A値を定め、この値が低バルブリフト制御時より高バルブリフト制御時で大きくなるように、センタロッカアーム35をレイアウトさせた構造が用いられる。例えばセンタロッカアーム35は、図5に示されるような高バルブリフト制御時において、そのときの接点S1から揺動支点S2を結ぶ距離をA1とし、揺動支点S2から作用点S3を結ぶ距離をBとしたときのB1/A1の値をα1をとし、例えば図7に示されるような低バルブリフト制御時において、そのときの接点S1から揺動支点S2を結ぶ距離をA2とし、揺動支点S2から作用点S3を結ぶ距離をB2としたときのB2/A2の値をα2としたとき、α1>α2(B1/A1値>B2/A2値)なる関係が成立するように配置させてある。なお、ここではA(A1,A2)、B(B1,B2)は、A(A1,A2)<B(B1,B2)なる関係にある。
つぎに、図5〜図8を参照して、こうしたセンタロッカアーム35のレイアウトがもたらす作用を、可変動弁装置20の作用と共に説明する。
今、図2中の矢印方向に示されるようにエンジンの運転にしたがい、カムシャフト10が回転しているとする。
このとき、センタロッカアーム35のカムフォロア36は、吸気用カム15を受けていて、同カム15のカムプロフィールにならい駆動される。これにより、センタロッカアーム35は、ピン42(揺動支点)を支点として、上下方向へ揺動する。
スイングカム45の受け面53aは、傾斜面40から、センタロッカアーム35の揺動変位を受けている。ここで、受け面53aと傾斜面40とはスライド可能であるから、スイングカム45は、傾斜面40をすべりながら、該傾斜面40で押し上げられたり下降したりするといった揺動運動を繰り返す。このスイングカム45の揺動により、スイングカム45のカム面49は上下方向へ往復動する。
このとき、カム面49は、ロッカアーム25のローラ部材30と転接しているから、カム面49でローラ部材30を周期的に押圧する。この押圧を受けてロッカアーム25は、ロッカシャフト11を支点に駆動(揺動)され、吸気バルブ5(一対)を開閉させる。
ここで、アクセルペダル(図示しない)の踏操作により、エンジンが高回転運転されるとする。すると、モータ43(アクチュエータ)は、そのアクセル信号を受けて、ロッカシャフト11を回動させ、制御アーム72を、高バルブリフトが確保される地点、例えば図5および図6に示されるような垂直姿勢となる地点まで移動(回動)させる。この高バルブリフト制御により、センタロッカアーム35は、制御アーム72の回動変位を受けて、吸気用カム15上を回転方向に沿って変位する。これにより、センタロッカアーム35と吸気用カム15との転接位置は、吸気用カム15上を例えば遅角方向に沿ってずれ、図5および図6に示されるようにスイングカム45のカム面49を垂直に近い角度となる姿勢に位置決める。
このカム面49の姿勢により、図5および図6に示されるようにカム面49のローラ部材30が行き交う領域(比率)は、高バルブリフトをもたらす領域、すなわち短いベース円区間αと長いリフト区間βとに設定される。つまり、ロッカアーム25は、狭いベース円区間αと長いリフト区間βとがなすカム面部分にしたがって駆動される。
ここで、センタロッカアーム35は、図5に示されるようにB1/A1値(α1)は、低バルブリフト制御時のそれより(B2/A2値)も大きくなる値に設定してある。
このとき、センタロッカアーム35のカムフォロア36は、吸気用カム15の転接位置変わることにより、接点S1〜揺動支点S2までの距離Aが長くなるものの、センタロッカアーム35の移動により、揺動支点S2〜作用点S3までの距離Bはそれ以上の変化で長くなる挙動を示す。そして、最大のバルブリフト量となる地点で最も大きなてこ比(レバー比)、ここではB1/A1>1となる。このため、スイングカム45の揺動角度は、吸気用カム15のカムプロフィールだけに依存するときよりも、大きい角度で揺動する。つまり、吸気バルブ5は、カムプロフィールで規定されていたときよりも、より高いバルブリフト量が確保される。
また、アクセルペダル(図示しない)を戻して、例えば低回転運転を行なうと、制御モータ43の駆動により、ロッカシャフト11が回動して、図7および図8に示されるようにピン42を吸気用カム15へ接近する方向に回動変位させる。すると、センタロッカアーム35は、この制御アーム72の回動を受けて、吸気用カム15上を回転方向前側へ移動する。これにより、センタロッカアーム35と吸気用カム15との転接位置(当接位置)は、図7および図8に示されるように吸気用カム15上を進角する方向へずれる。この転接位置の変更により、カム位相の開弁時期が早まる。また傾斜面40も、センタロッカアーム35の移動を受けて、受け面53a上を進角方向へスライドする。
このセンタロッカアーム35の移動により、スイングカム45は、図7および図8に示されるようにカム面49が下側へ傾く姿勢に変わる。傾きが大きくなるにしたがい、ローラ部材30が行き交うカム面49の領域は、ベース円区間αが次第に長く、リフト区間βが次第に短くなる比率に変わる。この可変したカム面49のカムプロフィールがローラ部材30へ伝達されるにしたがい、ロッカアーム25は、開弁時期を早めながら揺動駆動される。
ここで、センタロッカアーム35は、図7に示されるようにB2/A2値(α2)は、高バルブリフト制御時のそれより(B1/A1値)も小さくなる値に設定してある。
このとき、センタロッカアーム35のカムフォロア36は、吸気用カム15の転接位置変わることにより、接点S1〜揺動支点S2までの距離Aが短くなるものの、センタロッカアーム35の移動により、揺動支点S2〜作用点S3までの距離Bはそれ以上の変化で短くなる挙動を示す。そして、最小のバルブリフト量となる地点で最も小さなてこ比(レバー比)、ここではB2/A2となる。このため、スイングカム45の揺動角度は、吸気用カム15のカムプロフィールだけに依存するときよりも、小さい角度で揺動する。つまり、吸気バルブ5は、カムプロフィールで規定されていたときよりも、より低いバルブリフト量が確保される。
これにより、可変動弁装置20は、例えば図9中の線図A1〜A6に示されるように吸気バルブ5の開閉タイミングとバルブリフト量とが、エンジンの高回転運転から低回転運転まで、最大バルブリフト時とほぼ同じ開弁時期から開弁するタイミングを保ち、かつ閉弁時期を大きく変化させながら連続的に可変されるだけでなく、センタロッカアーム35の移動範囲(量)は変わらずに、図9中の矢印方向のように、可変動弁装置20の可変範囲A1〜A6が、高バルブリフトA1側および低バルブリフトA6側の双方共、より拡大される。これで、カムプロフィールだけのときよりも、より高いバブルリフト量が確保、さらには、より小さいバルブリフト量が確保できる。
したがって、吸気用カム15を変更したり、センタロッカアーム35の移動範囲を変更したりせずに、センタロッカアーム35のレイアウトを設定するだけの容易な構造で、吸気バルブ5の可変範囲を、高・低バルブリフト側の双方で拡大させることができる。しかも、低バルブリフト制御時は、バルブリフトしていない間のスイングカム45の揺動はプッシャ86のスプリング荷重により付勢するためスイングカム45の揺動角度が小さくなることで、スイングカム45のイナーシャは小さく抑えられるから、プッシャ86のスプリング荷重は小さく設定でき、フリクションの低減(燃費向上)に加え、スプリングサイズのコンパクト化(省スペース)を図ることができる。
特にセンタロッカアーム35からスイングカム45へカム変位を伝える構造には、センタロッカアーム35とスイングカム45との間ですべりを伴いながら、センタロッカアーム35からのカムの変位をスイングカム45に伝わる構成を用いたので、スイングカム45の入力点(S3)は一定位置に定められる。これにより、図5および図7に示されるようにスイングカム45の揺動支点S4からスイングカム45の入力点(S3)までの距離Lは、どのような可変制御の状態でも一定にできるので、センタロッカアーム35のレイアウト(B1/A1値(α1)>B2/A2値(α2)なる設定)がしやすい。
しかも、高バルブリフト制御時のときのB1/A1値(α1)は、α>1としてあるので、カム15のカムプロフィールだけに依存するときよりも、スイングカム45の揺動角度が大きくでき、高バルブリフト制御時では、より高いバルブリフト量が確保できる。
[第2の実施形態]
図10〜図13は、本発明の第2の実施形態を示す。
本実施形態は、例えばDOHC式の動弁系(カムシャフトが吸気側と排気側とに専用にある構造)に適した可変動弁装置20に本発明を適用したものである。
DOHC式の動弁装置に採用した可変動弁装置20は、第1の実施形態とは各部品のレイアウトが異なるだけで、構造は、実質的に第1の実施形態と同じである。
すなわち、図10〜図13に示される可変動弁装置20は、吸気用カム15をもつカムシャフト10の側方に、センタロッカアーム35を配置する構造、同センタロッカアーム35のカムフォロア36を側方から吸気用カム15に転接させる構造、同センタロッカアーム35の側方にロッカシャフト11を配置させる構造、同ロッカシャフト11に、制御アーム72、ねじ部材82およびロックナット84でセンタロッカアーム35を揺動自在に支持する構造、ロッカシャフト11に、カム面49を下側へ向けてスイングカム45を揺動自在に支持する構造、スイングカム45のカム面49の下方に、吸気バルブ5を駆動するロッカアーム25を配置する構造、カム面49をロッカアーム25のローラ部材30に転接させる構造、センタロッカアーム35の側部に形成した傾斜面40をスイングカム45の短シャフト52の受け面53aに突き当ててセンタロッカアーム35からのカムの変位をすべらせながらスイングカム45へ伝える構造が用いてある。なお、90はラッシュアジャスタ(例えばハイドロ式)を示す。
本実施形態は、このような可変動弁装置20において、例えばセンタロッカアーム35は、図12に示されるような高バルブリフト制御時において、そのときの接点S1から揺動支点S2を結ぶ距離をA3とし、揺動支点S2から作用点S3を結ぶ距離をB3としたときのB3/A3の値をα1をとし(>1)、図13に示されるような低バルブリフト制御時において、そのときの接点S1から揺動支点S2を結ぶ距離をA4とし、揺動支点S2から作用点S3を結ぶ距離をB4としたときのB4/A4の値をα2としたとき、α1>α2(B3/A3値>B4/A4値)なる関係が成立するように配置させてある。
このように設定しても、第1の実施形態と同様の効果を奏する。特に本実施形態のようにA3<B3、A4>B4なる関係にすると、可変範囲(特に低バルブリフト側)が拡げやすい。
但し、第2の実施形態において、第1の実施形態と同じ部分には同一符号を付してその説明を省略した。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施しても構わない。上述した実施形態では、吸気側のロッカシャフトを制御シャフトとして兼用させた構造を採用したが、別途、制御シャフトを用いた構造でも構わない。また上述した実施形態では、本発明を吸気バルブ側に適用したが、これに限らず、排気バルブ側に本発明を適用してもよい。
本発明の第1の実施形態に係る可変動弁装置を搭載したシリンダヘッドの平面図。 図1中のII−II線に沿う可変動弁装置およびシリンダヘッドの断面図。 同可変動弁装置の平面図。 同可変動弁装置の分解斜視図。 同可変動弁装置の高バルブリフト制御時におけるカム面のベース円区間にセンタロッカアームが当接しているときの状態を示す断面図。 同じくカム面のリフト区間にロッカアームが当接しているときの状態を示す断面図。 同可変動弁装置の低バルブリフト制御時におけるカム面のベース円区間にロッカアームが当接しているときの状態を示す断面図。 同じくカム面のリフト区間にロッカアームが当接しているときの状態を示す断面図。 同可変動弁装置の性能を示す線図。 本発明の第2の実施形態の要部となる可変動弁装置の外観を示す斜視図。 同可変動弁装置の分解斜視図。 同可変動弁装置の高バルブリフト制御時におけるカム面のベース円区間にロッカアームが当接しているときの状態を示す断面図。 同可変動弁装置の低バルブリフト制御時におけるカム面のベース円区間にロッカアームが当接しているときの状態を示す断面図。
符号の説明
5…吸気バルブ、6…排気バルブ、10…カムシャフト、11…吸気側のロッカシャフト(制御シャフト)、13…支持シャフト、15…吸気用カム(カム)、20…可変動弁装置、25…吸気用のロッカアーム(ロッカアーム)、35…センタロッカアーム(伝達アーム)、40…傾斜面、42…ピン、45…スイングカム(揺動カム)、49…カム面、53a…受け面、S1…カムとセンタロッカアームとの接点、S2…センタロッカアームの揺動支点、S3…センタロッカアームの作用点。

Claims (4)

  1. 内燃機関に回転自在に設けられたカムシャフトと、
    前記カムシャフトに形成されたカムと、
    前記内燃機関に揺動自在に設けられた、吸気バルブ又は排気バルブを駆動するカム面を有する揺動カムと、
    前記内燃機関に揺動自在に支持され、前記揺動カムと前記カムとの間に介在し、前記カムと当接する位置の変更により前記吸気バルブ又は排気バルブのリフト量および開弁時期を含めたバルブリフト特性を制御して前記カムの変位を前記揺動カムに伝達する伝達アームとを有し、
    前記カムと該伝達アームとの接点から該伝達アームの揺動支点までを結ぶ距離をAとし、該伝達アームの揺動支点から前記伝達アームの作用点までを結ぶ距離をBとしてB/A値を定めたとき、前記リフト量を大きくした高バルブリフト制御時のときのB/A値なるα1と、前記高バルブリフト制御時よりも前記リフト量を小さくした低バルブリフト制御時のときのB/A値なるα2とが、α1>α2を成立させる関係に、前記伝達アームがレイアウトされ、
    前記低バルブリフト制御時の前記揺動カムの揺動角度よりも前記高バルブリフト制御時の前記揺動カムの揺動角度の方が大きくなる関係に、前記揺動カムがレイアウトされており、
    前記揺動カムは、前記カムシャフトと平行に配置された支持シャフトによって揺動自在に支持され、この支持シャフトから半径方向に離れた一定位置に前記伝達アームから前記カムの変位が伝えられる入力点を備え、
    前記伝達アームは、前記カムのカム面に転接するカムフォロアと、前記揺動支点を有する支点用アーム部と、前記入力点に当接されて前記作用点となる駆動面を有する中継用アーム部と、を備え、前記高バルブリフト制御時に前記入力点と接する前記駆動面の部位が、前記低バルブリフト制御時に前記入力点と接する前記駆動面の部位よりも前記揺動支点から遠い位置となるよう構成されている
    ことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  2. 内燃機関に回転自在に設けられたカムシャフトと、
    前記カムシャフトに形成されたカムと、
    前記内燃機関に揺動自在に設けられた、吸気バルブ又は排気バルブを駆動するカム面を有する揺動カムと、
    前記内燃機関に揺動自在に支持され、前記揺動カムと前記カムとの間に介在し、前記カムと当接する位置の変更により前記吸気バルブ又は排気バルブのリフト量および開弁時期を含めたバルブリフト特性を制御して前記カムの変位を前記揺動カムに伝達する伝達アームとを有し、
    前記カムと該伝達アームとの接点から該伝達アームの揺動支点までを結ぶ距離をAとし、該伝達アームの揺動支点から前記伝達アームの作用点までを結ぶ距離をBとしてB/A値を定めたとき、前記リフト量を大きくした高バルブリフト制御時のときのB/A値なるα1と、前記高バルブリフト制御時よりも前記リフト量を小さくした低バルブリフト制御時のときのB/A値なるα2とが、α1>α2を成立させる関係に、前記伝達アームがレイアウトされ、
    前記低バルブリフト制御時の前記揺動カムの揺動角度よりも前記高バルブリフト制御時の前記揺動カムの揺動角度の方が大きくなる関係に、前記揺動カムがレイアウトされており、
    前記伝達アームは、前記揺動カムの入力点を一定にすべく、前記揺動カムとの間ですべりを伴いながら、前記カムの変位を前記揺動カムに伝わるようにしてあることを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  3. 高バルブリフト制御時のときのB/A値となる前記α1は、α1>1となることを特徴等する請求項1に記載の内燃機関の可変動弁装置。
  4. 内燃機関に回転自在に設けられたカムシャフトと、
    前記カムシャフトに形成されたカムと、
    前記内燃機関に揺動自在に設けられた、吸気バルブ又は排気バルブを駆動するカム面を有する揺動カムと、
    前記内燃機関に揺動自在に支持され、前記揺動カムと前記カムとの間に介在し、前記カムと当接する位置の変更により前記吸気バルブ又は排気バルブのリフト量および開弁時期を含めたバルブリフト特性を制御して前記カムの変位を前記揺動カムに伝達する伝達アームとを有し、
    前記カムと該伝達アームとの接点から該伝達アームの揺動支点までを結ぶ距離をAとし、該伝達アームの揺動支点から前記伝達アームの作用点までを結ぶ距離をBとしてB/A値を定めたとき、前記リフト量を大きくした高バルブリフト制御時のときのB/A値なるα1と、前記高バルブリフト制御時よりも前記リフト量を小さくした低バルブリフト制御時のときのB/A値なるα2とが、α1>α2を成立させる関係に、前記伝達アームがレイアウトされ、
    前記低バルブリフト制御時の前記揺動カムの揺動角度よりも前記高バルブリフト制御時の前記揺動カムの揺動角度の方が大きくなる関係に、前記揺動カムがレイアウトされており、
    前記カムシャフトと平行に配置されて前記揺動カムを揺動自在に支持する支持シャフトと、
    前記揺動カムと組み合い前記吸気バルブ又は前記排気バルブを駆動するロッカアームと、
    前記カムシャフトと平行に配置されて前記ロッカアームを揺動自在に支持するロッカシャフトと
    をさらに備え、
    前記伝達アームは、前記接点から前記支持シャフトと前記ロッカシャフトとの間に向かって延びる中継用アーム部と、この中継用アーム部の先端に設けられて前記ロッカシャフト側が低く前記支持シャフト側が高く傾斜し前記作用点となる駆動面と、前記接点から前記カムシャフトと前記ロッカシャフトとの間に向かって延びて前記ロッカシャフトから半径方向に延びた制御アームに連結され前記揺動支点となる支点用アームと、を有し、
    前記揺動カムは、前記カムシャフトに面した部分に形成された凹陥部と、前記支持シャフトから一定の距離で平行に配置されて前記凹陥部に回転自在に支持された短シャフトと、この短シャフトの外周部に平面に形成されて前記駆動面がスライド自在に突き当てられる被駆動面と、を有する
    ことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
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