JP4536697B2 - デコンプ装置付きカム機構 - Google Patents
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Description
そこでこの発明は、エンジン始動時の燃焼室内の圧縮圧力を逃がすデコンプ装置付きカム機構において、カムシャフトの軽量化を図った上でデコンプ支持部の摺動特性を簡易に向上させることを目的とする。
さらに前記カムシャフト(13)がチタン製とされ、前記カラー部材(45)及び前記カムスプロケット(14)における前記カムシャフト(13)を挿通させる中央カラー部(15)が鉄製とされることを特徴とする。
図1は、例えば自動二輪車等の車両の原動機に用いられる四ストロークOHC単気筒エンジン(内燃機関)1のシリンダヘッド2周辺の側面図であり、本図に示すように、シリンダヘッド2上にはヘッドカバー3と共に動弁室4が形成され、該動弁室4内に吸排気バルブ5,6作動用の動弁機構7が収容される。
図3に示すように、デコンプ装置30は、カムシャフト13におけるカムスプロケット14と排気カム22との間に設けられるもので、カムシャフト13の外周側にはこれと一体回転可能にデコンプ支持部31が設けられ、該デコンプ支持部31にはカム軸方向に沿う支持孔32が形成され、該支持孔32内にはデコンプ装置30におけるデコンプシャフト33の回動軸34が回動可能に軸支される。
図3を参照し、デコンプシャフト33は、前記回動軸34の左端部に遠心ウェイト部35を、右端部にデコンプカム部36をそれぞれ一体形成してなり、その回動軸34をデコンプ支持部31の支持孔32に左方から挿通させた状態で回動可能に支持される。このとき、デコンプシャフト33のデコンプカム部36は、排気カム22左側面に形成された凹部41内に収容される。
一方、図5(b)、図7(b)を参照し、デコンプカム部36の第一平坦部36aは、デコンプシャフト33が前記外周側限界位置にあるときには前記カム面切り欠き部42内に位置する。このとき、デコンプカム部36(第一平坦部36a)は排気カム22のカム面(ゼロリフト面22c)上に突出しない。
具体的には、デコンプシャフト33は、カムシャフト13が停止又は所定速度未満で回転するときには、トーションコイルスプリング38のバネ力により前記内周側回動限界位置に付勢され、デコンプカム部36を排気カム22のカム面上に突出させる。一方、カムシャフト13が所定速度(エンジン始動時の回転速度)以上で回転するときには、トーションコイルスプリング38のバネ力に抗してデコンプシャフト33が前記外周側回動限界位置に向けて回動し、デコンプカム部36を排気カム22のカム面上に突出させない。
これにより、圧縮上死点手前の圧力上昇によるクランクシャフトの回転抑制力が抑えられ、クランクシャフトの回転が充分に加速される。
この状態でカム面切り欠き部42上をカムローラが転動すると、該カムローラがカム部に乗り上げることなくゼロリフト面22c上を転動し、排気バルブ6が作動することなく排気ポート9の燃焼室側開口を閉じたままとして通常の圧縮工程を可能とする。すなわち、スタータモータ等のエンジン始動手段の初期入力を軽減させた上で、エンジン1を容易かつ確実に始動させることが可能となる。
カラー部材45は、カムシャフト13左半部の右側外周にその左端側から圧入又はスプライン嵌合等により相対回転不能に取り付けられる。カラー部材45の右側部はやや拡径して形成され、該右側部の外周の一部が外周側に膨出することで、前記デコンプ支持部31が一体形成される。すなわち、デコンプ支持部31は、カムシャフト13本体とは別体に設けられる。
また、カムシャフト13の左右支持面13a,15a及び吸排気カム21,22外周のカム面並びにカムスプロケット14外周の歯先には、その摺動特性を向上させて耐摩耗性を確保するべく、線爆溶射による溶射膜が形成される。
この構成によれば、カムシャフト13と別体の支持部材48でデコンプカム支持部49である内周側底面41aを形成することで、カムシャフト13をチタン製として軽量化を図った上で、デコンプカム支持部49を鉄製として摺動特性を簡易に向上でき、デコンプカム支持部49の耐摩耗性を確保すると共に、デコンプカム支持部49に摩耗等が生じたとしても適宜交換することが可能となる。また、環状の支持部材48が前記カラー部材45及びカムスプロケット14と共に軸方向一端側からカムシャフト13に取り付けられることで、動弁機構7の組み付け作業が容易になる。
ここで、チタン製とは少なくともTiを含む合金であり、その他にも例えばAl、V等を含むものであってもよい。また、鉄製とは少なくともFeを含む合金であり、その他にも例えばC、Si、Mn、P、S、Cr、Mo、O等の元素を適量含むものであってもよい。
さらに、支持部材が凹部の各側面をも形成する構成であってもよい。また、凹部が軸方向視方形状ではなく台形状や三角形状であってもよい。
そして、上記実施例における構成はこの発明の一例であり、当該発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることはいうまでもない。
6 排気バルブ
13 カムシャフト
13c 段差部(第一位置決め部)
14 カムスプロケット
15 中央カラー部
15b 左環状突部(第二位置決め部)
16 左ボールベアリング(カム支持部)
22 排気カム
30 デコンプ装置
31 デコンプ支持部
32 支持孔
33 デコンプシャフト
34 回動軸
35 遠心ウェイト部
36 デコンプカム部
41 凹部
41a 内周側底面
45 カラー部材
47 溝部
48 支持部材
49 デコンプカム支持部
Claims (4)
- エンジン始動時の燃焼室内の圧縮圧力を逃がすデコンプ装置付きカム機構であって、
少なくとも排気バルブ(6)を駆動するカムシャフト(13)と、回動軸(34)にデコンプカム部(36)及び遠心ウェイト部(35)を有するデコンプシャフト(33)とを備え、前記カムシャフト(13)の外周に一体回転可能に設けたデコンプ支持部(31)に、カム軸方向に沿う支持孔(32)が形成され、該支持孔(32)には前記デコンプシャフト(33)の回動軸(34)が回動可能に軸支され、前記カムシャフト(13)の回転に伴い前記遠心ウェイト部(35)に作用する遠心力に応じて、前記デコンプシャフト(33)が回動して前記デコンプカム部(36)を前記カムシャフト(13)の排気カム(22)のカム面上に出没させるデコンプ装置付きカム機構において、
前記カムシャフト(13)の外周にその軸方向一端側から一体回転可能に取り付けられるカラー部材(45)を備え、該カラー部材(45)に前記デコンプ支持部(31)が形成されると共に、
前記カムシャフト(13)外周に前記軸方向一端側から前記カラー部材(45)に続き一体回転可能に取り付けられるカムスプロケット(14)を備え、前記カラー部材(45)の前記カムシャフト(13)に対する取り付け方向への移動が、前記カムシャフト(13)に設けた第一位置決め部(13c)により規制され、前記カムスプロケット(14)の前記カムシャフト(13)に対する取り付け方向への移動が、前記カラー部材(45)を介して前記第一位置決め部(13c)により規制され、前記カムスプロケット(14)の前記カムシャフト(13)に対する取り外し方向への移動が、前記カムスプロケット(14)に設けた第二位置決め部(15b)がエンジン構造体(2)のカム支持部(16)に当接することにより規制され、
さらに前記カムシャフト(13)がチタン製とされ、前記カラー部材(45)及び前記カムスプロケット(14)における前記カムシャフト(13)を挿通させる中央カラー部(15)が鉄製とされることを特徴とするデコンプ装置付きカム機構。 - 前記排気カム(22)に、その外周のカム面の一部を切り欠く凹部(41)が形成され、該凹部(41)内には、前記デコンプカム部(36)が回動可能に配置されると共に、少なくとも非デコンプ作動時に前記デコンプカム部(36)を支持するデコンプカム支持部(49)が設けられ、該デコンプカム支持部(49)が、前記排気カム(22)に取り付けられる支持部材(48)で形成されることを特徴とする請求項1に記載のデコンプ装置付きカム機構。
- 前記排気カム(22)における前記軸方向一端側に、その外周のカム面の一部を切り欠く凹部(41)が形成されると共に、該凹部(41)の内周側底面(41a)の少なくとも一部を切り欠く溝部(47)が形成され、該溝部(47)内には、これに整合する環状の支持部材(48)が前記軸方向一端側から取り付けられ、前記凹部(41)内には、前記デコンプカム部(36)が回動可能に配置され、少なくとも非デコンプ作動時には、前記デコンプカム部(36)が前記内周側底面(41a)における前記支持部材(48)が形成する部位に支持されることを特徴とする請求項1に記載のデコンプ装置付きカム機構。
- 前記カムシャフト(13)がチタン製とされ、前記カラー部材(45)及び前記支持部(48)材が鉄製とされることを特徴とする請求項2又は3に記載のデコンプ装置付きカム機構。
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