JP4552460B2 - 熱可塑性セルロースエステル組成物の製造方法 - Google Patents
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(1)セルロースエステルと、ポリエーテル化合物、分子量250以上のグリセリンエステル、および分子量250以上のジグリセリンエステルから選ばれる少なくとも1種である可塑剤とを主成分とする熱可塑性セルロースエステル組成物の製造方法であって、上記セルロースエステルとしてアシル部の炭素数が3以上であるエステルをグルコース単位あたり平均0.5個以上有し、カールフィッシャー電量滴定法水分計を用いて180℃にて測定した水分率が0.2〜5.0重量%であるセルロースエステルを用い、かつ少なくとも1個のベント孔を有する成形機を用いて溶融成形を行うことを特徴とする熱可塑性セルロースエステル組成物の製造方法。
(ただし、R1、R2はH、アルキル基、アシル基よりなる群から選ばれた同一または異なる基を表す。nは2〜5の整数、mは3〜30の整数)
(5)前記一般式(1)で表されるポリエーテル化合物の分子量が200〜1000であることを特徴とする前記(4)に記載の熱可塑性セルロースエステル組成物の製造方法。
(ただし、R1、R2はH、アルキル基、アシル基よりなる群から選ばれた同一または異なる基を表す。nは2〜5の整数、mは3〜30の整数)
これは、一般式(1)で示されるポリエーテル化合物がセルロースエステルとの相溶性に優れるため熱可塑化効果が顕著に表れる。さらに、ポリエーテル化合物自身の耐熱性が良好なこと、可塑剤量を少量とできるため、添加したポリマーの色調も良好になる効果を有するからである。さらには、一般式(1)で示されるポリエーテル化合物は溶融成型時の揮発性も非常に低く抑えることができる特徴も有している。
乾燥したセルロースエステル0.9gを秤量し、アセトン35mlとジメチルスルホキシド15mlを加え溶解した後、さらにアセトン50mlを加えた。撹拌しながら0.5N−水酸化ナトリウム水溶液30mlを加え、2時間ケン化した。熱水50mlを加え、フラスコ側面を洗浄した後、フェノールフタレインを指示薬として0.5N−硫酸で滴定した。別に試料と同じ方法で空試験を行った。滴定が終了した溶液の上澄み液を100倍に希釈し、イオンクロマトグラフを用いて、有機酸の組成を測定した。測定結果とイオンクロマトグラフによる酸組成分析結果から、下記式により置換度を計算した。
DSac=(162.14×TA)/
[[1−(Mwac−(16.00+1.01))×TA]+[1−(Mwpr−(16.00+1.01))×TA]×(Pr/Ac)]]
DSpr=DSac×(Pr/Ac)
TA:全有機酸量(ml)
A:試料滴定量(ml)
B:空試験滴定量(ml)
F:硫酸の力価
W:試料重量(g)
DSac:アセチル基の置換度
DSpr:プロピオニル基の置換度
Mwac:酢酸の分子量
Mwpr:プロピオン酸の分子量
Pr/Ac:酢酸(Ac)とプロピオン酸(Pr)とのモル比
162.14:セルロースの繰り返し単位の分子量
16.00:酸素の原子量
1.01:水素の原子量。
平沼産業株式会社製微量水分測定装置AQ−2000、同社製水分気化装置EV−200を用いて水分気化温度180℃にて乾燥窒素ガスを流して測定した。
Waters(株)製Waters2690を用い、ポリスチレンを内部標準とし、カラム温度40℃、移動層クロロホルム、流速1ml/分で測定した。サンプルは絶乾状態としたポリマーを溶媒濃度は0.5%(w/v)に調製した。
長径3mm±0.5mm、短径2mm±0.5mm、長さ3mm±0.5mmの楕円柱状にカッティングした組成物のペレット20gを石英製の容器に入れ、スガ試験機株式会社製SMカラーコンピューターでL、a、b値を測定し、黄色みを表すb値を色調として用いた。
セルロース(日本製紙(株)製溶解パルプ)30gに酢酸20gとプロピオン酸90gを加え、50℃で30分混合した。混合物を室温まで冷却した後、氷浴中で冷却した無水酢酸10g、無水プロピオン酸140g、硫酸1.2gを加えてアシル化を行った。アシル化において、40℃を超える時は水浴で冷却した。撹拌を150分間行った後、反応停止剤として酢酸30gと水10gの混合溶液を40分間かけて添加して、過剰の無水物を加水分解した。その後、酢酸100gと水30gを加え60℃で80分間加熱撹拌した。反応終了後、炭酸ナトリウム2gを含む水溶液を加えて析出したセルロースエステルを濾別、続いて水で洗浄した後、70℃で5時間乾燥した。得られたセルロースエステルの置換度は2.6(アセチル基0.2、プロピオニル基2.4)、重量平均分子量は126000であった。
合成例1で得られたセルロースエステルを水分率が1.25重量%となるように調整し、ベント孔を1つ有する2軸エクストルーダーの原料フィダーより9.0kg/hrとなるように投入し、可塑剤としてポリエチレングリコール{分子量600(三洋化成工業(株)製 PEG600)}を1.0kg/hrとなるようにプランジャー式ポンプで添加した。エクストルーダーのジャケットの温度は210℃とし、連続的に口金を取り付けた先端より押し出し、水冷後、カッターに導入してペレットとした。ベント孔には真空ポンプを取り付け−90kPaで水および有機化合物を連続的に除去した。このペレットの色調はb値が4.3であり着色が生じず良好な色調を示していた。また、重量平均分子量は119000であり分子量低下は軽微であった。
合成例1で得られたセルロースエステルを調製し水分率を2.53重量%にしたものを9.3kg/hrと可塑剤としてグリセリンジアセテートカプレート0.7kg/hrを用いる以外は実施例1と同様にして、ペレットを作成し、色調、重量平均分子量を測定した。色調はb値が4.8と良好であり、重量平均分子量は118000と分子量低下は軽微であった。
合成例1で得られたセルロースエステルを乾燥して水分率を0.25重量%としたものを8.5kg/hrと可塑剤としてジグリセリンテトララウレート1.5kg/hrを用いる以外は実施例1と同様にして、ペレットを作成し、色調、重量平均分子量を測定した。色調はb値が5.1と良好であり、重量平均分子量は110000と分子量低下は軽微であった。
無水酢酸5g、無水プロピオン酸120g用いた以外は合成例1と同様に反応してセルロースエステルを得た。得られたセルロースエステルの置換度2.5(アセチル基0.1、プロピオニル基2.4)、重量平均分子量は110000であった。
水分率を0.93重量%に調整したセルロースエステル(合成例2)9.5kg/hrと可塑剤としてポリオキシエチレンジメチルエーテル0.5kg/hrを用いた以外は実施例1と同様にして、ペレットを作成し、色調、重量平均分子量を測定した。色調はb値が4.5と良好であり、重量平均分子量は108000と分子量低下は軽微であった。
セルロース(日本製紙(株)製溶解パルプ)50gを500mlの脱イオン水に浸して10分間おく。これをガラスフィルターで濾別して水を切り、700mlの酢酸に分散させ、時々振り混ぜて10分間おく。続いて、新しい酢酸を用いて同じ操作を再び繰り返す。
合成例3で合成したセルロースアセテートを水分率0.75重量%に調整したもの7kg/hr、可塑剤としてカプロラクトンオリゴマー(分子量600)を3kg/hr用いた以外は実施例1と同様にして、ペレットを作成し、色調を測定した。色調b値は8.2と着色が著しかった。重量平均分子量は87000と分子量は大幅に低下した。
セルロースエステル(合成例1)を水分率1.25重量%となるように調整したもの80重量%、可塑剤としてポリエチレングリコール(分子量700)を10重量%、水を10重量%を仕込みベント孔を有しないニーダー中220℃で混合し、混合ポリマーを得た以外は実施例1と同様にして、ペレットを作成し、色調を測定した。色調b値は7.8と着色が著しかった。重量平均分子量は95000と分子量は大幅に低下した。
合成例1で合成したセルロースエステルを乾燥して水分率を0.12重%にしたもの65重量%、可塑剤としてポリエチレングリコール分子量400を35重量%を用いた以外は比較例2と同様にして、ペレットを作成し、色調を測定した。色調b値は8.0と着色が著しかった。重量平均分子量は98000と低下した。
Claims (6)
- セルロースエステルと、ポリエーテル化合物、分子量250以上のグリセリンエステル、および分子量250以上のジグリセリンエステルから選ばれる少なくとも1種である可塑剤とを主成分とする熱可塑性セルロースエステル組成物の製造方法であって、上記セルロースエステルとしてアシル部の炭素数が3以上であるエステルをグルコース単位あたり平均0.5個以上有し、カールフィッシャー電量滴定法水分計を用いて180℃にて測定した水分率が0.2〜5.0重量%であるセルロースエステルを用い、かつ少なくとも1個のベント孔を有する成形機を用いて溶融成形を行うことを特徴とする熱可塑性セルロースエステル組成物の製造方法。
- 前記熱可塑性セルロースエステル組成物が、80〜95重量%のセルロースエステルと、5〜20重量%の可塑剤とを少なくとも含んでなるものであることを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性セルロースエステル組成物の製造方法。
- 前記セルロースエステルがセルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートより選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1または2に記載の熱可塑性セルロースエステル組成物の製造方法。
- 前記可塑剤が下記一般式(1)で表されるポリエーテル化合物であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の熱可塑性セルロースエステル組成物の製造方法。
R1−O−{(CH2)nO}m−R2 ・・・(1)
(ただし、R1、R2はH、アルキル基、アシル基よりなる群から選ばれた同一または異なる基を表す。nは2〜5の整数、mは3〜30の整数) - 前記一般式(1)で表されるポリエーテル化合物の分子量が200〜1000であることを特徴とする請求項4に記載の熱可塑性セルロースエステル組成物の製造方法。
- 前記ベント孔を有する成形機の少なくとも1つのベント孔が減圧に保持され、該ベント孔の減圧度が−80kPa以下であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の熱可塑性セルロースエステル組成物の製造方法。
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