JPH0978339A - 生分解性セルロースアセテート系繊維及びその製造方法 - Google Patents

生分解性セルロースアセテート系繊維及びその製造方法

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JPH0978339A
JPH0978339A JP7238448A JP23844895A JPH0978339A JP H0978339 A JPH0978339 A JP H0978339A JP 7238448 A JP7238448 A JP 7238448A JP 23844895 A JP23844895 A JP 23844895A JP H0978339 A JPH0978339 A JP H0978339A
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cellulose acetate
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plasticizer
melt
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JP7238448A
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Katsuaki Matsubayashi
克明 松林
Naohiko Tsujimoto
直彦 辻本
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Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた生分解性のセルロースアセテート系繊
維とその製造方法の提供 【解決手段】 セルロースアセテートと可塑剤を主成分
とする生分解性組成物を溶融紡糸してなる生分解性セル
ロースアセテート系繊維であって、該生分解性組成物が
酢化度56%以下、平均重合度150以上のセルロース
アセテート55〜70重量%と、可塑剤として平均分子
量400〜2000の生分解性ポリエステルポリオー
ル、又は前記ポリエステルポリオールと平均分子量40
0〜1000の生分解性ポリエーテルポリオールとの混
合物30〜45重量%とを含む。前記生分解性組成物
を、紡糸ドラフト200以上において紡糸温度190〜
230℃で溶融紡糸する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、生分解性セルロ
ースアセテート系繊維及びその製造方法に関する。さら
に詳しくは、本発明は、セルロースアセテートと可塑剤
を主成分としてなる生分解性セルロースアセテート組成
物を溶融紡糸して得られる生分解性セルロースアセテー
ト系繊維及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】 近年、環境保護に向けた認識が深まる
なかでプラスチック廃棄物の処理問題が重要視され、合
成樹脂を原料として溶融紡糸法で繊維化して製造される
不織布の使い捨て用途向けについてはコンポスト化が可
能な生分解性樹脂を原料として使用することを望む気運
が高まっている。こうした状況下、各種の生分解性ポリ
エステル樹脂が溶融紡糸用途としても開発されている
が、価格が高く普及するには至っていない。一方、天然
物を原料とする多糖類系は、生分解性と安全性に加えて
価格が安く、原料が安定供給可能なことから期待されて
いるが、溶融紡糸法が適用可能な生分解性組成物は知ら
れていない。
【0003】多糖類系の中でセルロースを原料とし汎用
樹脂として広く使用されているセルロースアセテート
は、セルロースを完全にアセチル化した後部分ケン化す
ることで製造されており、近年酢化度56%以下のもの
は本質的生分解性が有することが知られるようになっ
た。しかしながら、セルロースアセテートは融点と熱分
解温度が近接しているため熱成型加工が困難で、通常可
塑剤を添加した組成物として使用されている。またセル
ロースアセテートの繊維化も上記理由により、一般には
溶剤に溶かす乾式紡糸法によって繊維が製造され、アセ
テート繊維として広く用いられている。乾式紡糸法を用
いない特殊な例として、ポリエチレングリコールのよう
な水溶性可塑剤を配合して溶融紡糸を行い、中空糸用の
繊維を製造することが知られているが、特公昭53−1
1564号公報に開示されている平均分子量200〜1
000のポリエチレングリコールを単独で使用しても紡
糸時の断糸率の点から判断して、紡糸ドラフトを200
以上で紡糸速度を上げて溶融紡糸をすることは困難であ
る。また、ポリエチレングリコールのような吸湿性の強
い可塑剤を単独で使用することは用途の点から制限が大
きい。
【0004】一方、可塑性が高く、押出し射出成型用に
使われているフタル酸エステル系或いは生分解性が知ら
れているトリアセチン、トリエチルサイトレート等の可
塑剤は、押出し射出成型よりも熱成型温度の高い溶融紡
糸に適用すると、揮発成分が多く、かなり低い紡糸ドラ
フトでないと溶融紡糸性は発現せず、生産性が劣る。他
方、セルロースアセテートのこれらの欠点を解決し、溶
剤回収設備が不必要で高速化が可能な溶融紡糸を可能と
するために、セルロースをアセチル化すると同時にプロ
ピオニル化してセルロースアセテートプロピオネート或
いはブチリル化してセルロースアセテートブチレートと
し、融点を下げることで溶融紡糸性をある程度付与する
試みもあるが、この場合繊維の疎水性が強くなり生分解
性が低下、もしくは消失してしまう。そのため、セルロ
ース系樹脂を利用して溶融紡糸法による生分解性繊維の
製造はいまだ具現化していない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】 本発明者等は、かか
る現状に鑑み、生分解性を有し、セルロース系繊維を溶
融紡糸法で得る目的で、まずセルロースアセテートと、
通常使用される相溶性が良好な可塑剤からなる種々の組
成物を用いて種々の条件で紡糸ドラフト200以上での
溶融紡糸の可能性を紡糸時の断糸率の点から検討した。
その結果、紡糸ドラフト200以上で安定した溶融紡糸
を行うためには、可塑剤の揮発性と溶融紡糸中の組成物
の強度が重要な因子であることが判明した。即ち、可塑
剤を配合すると組成物の溶融粘度が低下し、紡糸温度を
下げることができるのでセルロースアセテートを分解さ
せずに紡糸できるが、通常用いられる可塑剤は可塑効果
の点から分子量が小さく、水酸基のような極性基を分子
内に有していないので紡糸温度領域でも蒸気圧があり、
そのためそのような組成物を溶融紡糸すると、揮発性が
高くなり紡糸の際に繊維に気泡が発生し易くなり、更に
可塑剤を添加することによる溶融紡糸中の繊維の強度低
下が加わって、ポリプロピレンやポリエチレンテレフタ
レートのような可塑剤を配合しない樹脂に比べて紡糸時
の断糸率が高いことが判明した。
【0006】また可塑剤の配合量に関して、可塑剤の配
合量を増すと、紡糸温度が低下して揮発量が減少する
が、溶融紡糸の際の繊維の強度が低下して紡糸時の断糸
率が上昇し、逆に可塑剤の配合量を減らすと、溶融紡糸
の際の繊維の強度はある程度の水準に維持できるが、可
塑効果が少なくなるので紡糸温度を高くせざるを得ず、
それによって可塑剤に含まれる揮発成分の揮発量は増加
し、しかも可塑剤とセルロースアセテートの熱安定性も
低下して紡糸時の断糸率が逆に増大することが判明し
た。本発明者等は、これらの問題を解決するためにさら
に鋭意検討を重ねた結果、可塑剤として平均分子量が特
定の範囲で末端に水酸基を有し、紡糸温度付近でほとん
ど蒸気圧がないか、もしくは蒸気圧が低い生分解性を有
するポリエステルポリオール、又は前記ポリエステルポ
リオールと平均分子量が特定の範囲のポリエーテルポリ
オールとの特定比率の混合物を、特定量配合して紡糸温
度を低下させ、かつ溶融紡糸の際の繊維の強度低下をセ
ルロースアセテートの平均重合度を特定の範囲とするこ
とで補うことによって、紡糸温度190〜230℃と紡
糸ドラフト200以上においてセルロースアセテートが
優れた溶融紡糸性を発現できること、及び得られるセル
ロースアセテート繊維は優れた生分解性と強度を有する
ことを見出し本発明を完成するに至った。
【0007】本発明の目的は、セルロースアセテート
と、可塑剤としてのポリエステルポリオール又は前記ポ
リエステルポリオールとポリエーテルポリオールとの混
合物とを含有する生分解性セルロースアセテート組成物
を使用して溶融紡糸を行い、従来のセルロース系樹脂と
可塑剤を含む組成物を用いて溶融紡糸して繊維を製造す
る際の上記問題点を解消した生分解性セルロースアセテ
ート系繊維及びその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】 本発明の第一は、セル
ロースアセテートと可塑剤を主成分とする生分解性組成
物を溶融紡糸してなる生分解性セルロースアセテート系
繊維において、該生分解性組成物が酢化度56%以下、
平均重合度150以上のセルロースアセテート55〜7
0重量%と、可塑剤として平均分子量400〜2000
の生分解性ポリエステルポリオール、又は前記ポリエス
テルポリオールと平均分子量400〜1000の生分解
性ポリエーテルポリオールとの混合物30〜45重量%
を含むことを特徴とする生分解性セルロースアセテート
系繊維である。本発明の第二は、本発明第一に記載の生
分解性組成物を紡糸ドラフト200以上において紡糸温
度190〜230℃で溶融紡糸することを特徴とする生
分解性セルロースアセテート系繊維の製造方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】 本発明において用いられる生分
解性樹脂組成物は、紡糸速度と紡糸口金孔吐出速度との
比(紡糸速度/紡糸口金孔吐出速度)で示される紡糸ド
ラフトが200以上で溶融紡糸して生分解性セルロース
アセテート繊維を製造するもので、この組成物は、セル
ロースアセテートと可塑剤を主成分として構成される。
本発明で用いられるセルロースアセテートは、針葉樹晒
クラフトパルプや溶解パルプのようなセルロースパルプ
或いはリンターを酢酸や硫酸によって予備処理した後、
無水酢酸を用いて酢化し、次いで中和と熟成を行うとい
う公知の方法で得られ、酢化度56%以下、平均重合度
150以上の本質的に生分解性を十分に有するものであ
る。セルロースアセテートの酢化度は51%を下まわる
と易分解性となり、生分解がさらに容易となるが、可塑
剤に平均分子量400〜2000の生分解性のポリエス
テルポリオールのような化合物を使用する限りにおいて
は酢化度51〜56%のセルロースアセテートを用いて
も生分解は容易に発現する。しかしながら、酢化度が3
0%未満のセルロースアセテートは、耐水性が低下し、
実用に適さないので、本発明では酢化度は30〜56%
の範囲で用いられる。また、生分解性を調整する目的で
前記の範囲内で酢化度の異なる2種類以上のセルロース
アセテートを混合して使用してもよい。平均酢化度の測
定は、公知の中和滴定法に従いNaOH量から求められ
る。
【0010】セルロースアセテートに可塑剤を添加する
と、この組成物を溶融紡糸する際に強度低下を伴うが、
この可塑剤の配合による強度低下を補うために可塑剤と
の混練や溶融紡糸が可能な範囲でセルロースアセテート
の平均重合度は高い程好ましいが、150以上であれば
所望の溶融紡糸性は得られる。但し、平均重合度が25
0を越えると、混練性が低下するので好ましくない。本
発明の平均重合度(DP)は公知の測定方法に従い、セ
ルロースアセテートをアセトン溶媒に溶かし、オストワ
ルド粘度計より求めた相対粘度から得られる極限粘度
[η]を用いて、[η]=0.009×DPの式により
求められる。
【0011】セルロースアセテートの配合量は、セルロ
ースアセテートと可塑剤の合計重量当り55〜70重量
%の範囲である。この配合量が55重量%未満では、溶
融紡糸する生分解性樹脂組成物の強度が低下し、また7
0重量%を越えて多くなると紡糸温度を高くせざるを得
なくなり、そうすると可塑剤の揮発量が増加し、かつ可
塑剤とセルロースアセテートの熱安定性も低下して紡糸
時の断糸率が増え好ましくない。また、生分解性組成物
の物性を調節するために他の高分子量化合物をセルロー
スアセテートに一部置き換えて配合することもできる。
この目的で使用される高分子量化合物としては、本質的
に生分解性が知られている変性ポバール、変性澱粉、セ
ルロースプロピオネート、ヒドロキシエチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。
【0012】本発明に用いられる可塑剤は、分子量が4
00〜2000の範囲で末端に水酸基を有し、紡糸温度
190〜230℃の範囲で殆ど蒸気圧がないか、もしく
は蒸気圧があっても極めて低い生分解性を有するポリエ
ステルポリオール、又は前記ポリエステルポリオールと
分子量が400〜1000の範囲のポリエーテルポリオ
ールとの混合物であり、この可塑剤の配合量は、セルロ
ースアセテートと可塑剤の合計重量当り30〜45重量
%の範囲である。この配合量が45重量%以上では溶融
紡糸する生分解性組成物の強度が低下し、30重量%未
満では紡糸温度を高くせざるを得ず、そうすると可塑剤
の揮発量が増加し、かつ可塑剤とセルロースアセテート
の熱安定性が低下して紡糸時の断糸率が増え、溶融紡糸
性は悪化する。
【0013】前記ポリエステルポリオールは、生分解性
を有しセルロースアセテートと相溶性が良好であれば化
学構造に関する制限は特にないが、平均分子量400〜
2000のポリエチレンサクシネート、ポリカプロラク
トン、ポリエチレンアジペート等を挙げることができ、
これらの中から単独で或いは2種類以上を選択して混合
して用いることができる。平均分子量が400未満で
は、可塑化の効果は良好であるが、紡糸温度190〜2
30℃において、ポリエステルポリオール中の低分子量
成分の揮発性が高くなり、また熱安定性が低くなって紡
糸の際に繊維に気泡が発生し易いのに加えて、溶融紡糸
する生分解性樹脂組成物の強度の低下が大きくなる。逆
に、平均分子量が2000を越えると、可塑化効果が小
さく混練性の低下に加え、溶融紡糸が可能な温度範囲が
230℃を越えて高くなり、可塑剤とセルロースアセテ
ートの熱安定性が低下する。
【0014】前記のポリエステルポリオールと組み合わ
せて溶融粘度、物性等の調製目的で、生分解性があり、
かつセルロースアセテートと良好な相溶性を示す平均分
子量400〜1000の範囲のポリエチレングリコール
のようなポリエーテルポリオールを所望の溶融紡糸性を
損なわない範囲内で使用することができる。この場合の
許容されるポリエステルポリオールとポリエーテルポリ
オールの重量比は、1:1未満である。この比が1:1
を越えてポリエーテルポリオールの量が多くなると、ポ
リエーテルポリオール中に含有される揮発性が高い低分
子量の成分が紡糸の際に揮発して気泡となるので断糸回
数が増加し適さない。
【0015】本発明の生分解性樹脂組成物の主成分は、
セルロースアセテートと可塑剤であるが、その他に必要
に応じて要求される性能を損なわない範囲内で熱劣化防
止と熱着色防止のための安定剤として弱有機酸、エポキ
シ化合物、金属石鹸、フォスフェイト、チオフォスフェ
イト等を単独または2種類以上混合して添加してもよ
い。また、その他有機酸系の生分解促進剤、滑剤、帯電
防止剤、染料、顔料、潤滑剤等の添加剤を配合すること
は何らさしつかえない。本発明で用いられる生分解性
は、土壌中に一定期間埋設した後の重量減少又はJIS
K 6950に準拠した重量減少等から評価すること
ができる。また、本質的な生分解性はASTM−D−5
338又はセルロースアセテートや可塑剤に馴化した微
生物を含む土壌や活性汚泥で制御された環境を用いて生
分解性を評価することができる。
【0016】本発明で用いられるセルロースアセテー
ト、可塑剤及び助剤の混合に際しては、公知のニーダ
ー、ロールミル、バンバリーミキサー等が用いられる。
なお、混合を容易にするために粉砕機により予めセルロ
ースアセテートの粒子を50メッシュ以上に細かく粉砕
しておくことが好ましい。また、混合物は気泡の混入を
できるだけ少なくするために、溶融紡糸機に供給する前
にエクストルーダーを用いてペレット化しておくことが
望ましい。また、ペレット化した生分解性樹脂組成物
は、溶融紡糸に先立ち溶融時の加水分解や熱劣化を防止
するために加熱乾燥して含水率を0.1%以下としてお
くことが好ましい。
【0017】本発明で用いる溶融紡糸法は、前記した生
分解性樹脂組成物を公知の押出し紡糸機において加熱溶
融した後口金から押出し紡糸し、紡出された連続長繊維
フィラメント群をエジェクターにより高速高圧エアーで
延伸しながら引いて巻取るか、或いは引き取って開繊
し、捕集用の支持体面上に捕集してウェブを形成する方
法であるが、溶融紡糸の際の紡糸温度190〜230℃
は、紡糸口金の内部温度をいう。紡糸温度が230℃を
越えると、可塑剤の揮発量が増加し、かつ可塑剤とセル
ロースアセテートの熱安定性が低下して熱分解や加水分
解が顕著に生じるので好ましくない。逆に、紡糸温度が
190℃未満では、生分解性樹脂組成物の溶融粘度が高
くなって、紡糸ドラフトを上げるのが難しくなる。本発
明でいう紡糸ドラフトとは、紡糸速度と紡糸口金孔吐出
速度の比(紡糸速度/紡糸口金孔吐出速度)のことをい
う。
【0018】溶融紡糸法では現在ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂組成物
を用いて200を越える紡糸ドラフトで実用化されてお
り、溶媒を必要とする乾式又は湿式紡糸法に比べ生産性
が極めて高い方法である。本発明において紡糸ドラフト
は、200以上で溶融紡糸され、紡糸ドラフトは高けれ
ば高い程生産効率は向上するが、強度の点から制限さ
れ、その上限は400程度である。又、紡糸速度は、紡
糸ドラフトの場合と同様、高ければ高い程生産効率は向
上するが、強度の点からの制限を含めて1000〜40
00m/分が実用的な範囲である。本発明では生分解性
のセルロースアセテート系長繊維を紡糸時の断糸率を極
めて少ない状態で得ることができ、得られた長繊維を紡
糸して織布としたり、スパンボンド法で不織布を得る等
の用途に適応できる。
【0019】
【実施例】 以下に実施例を挙げて本発明をより具体的
に説明するが、本発明は勿論これらに限定されるもので
はない。なお、以下の実施例において、%はすべて重量
%である。
【0020】実施例1 絶乾重量当り針葉樹材からの溶解パルプ13%、硫酸2
%、無水酢酸35%及び氷酢酸50%からなる混合物
を、36℃で3時間アセチル化を行い、反応後反応物を
酢酸カリウムで中和し、その後60℃で3時間加水分解
し、精製、乾燥して酢化度54%、平均重合度180の
セルロースアセテートフレークを得た。次に、このセル
ロースアセテートフレークを粉砕機で微粉末にし、セル
ロースアセテートのセルロースアセテートと可塑剤の全
重量当り(以下単に全重量当りという))60%と、可
塑剤として平均分子量550のカプロラクトントリオー
ル(ダイセル化学製、商標:プラクセル305)の全重
量当り30%及び平均分子量1000のポリエチレンア
ジペート(日本ポリウレタン製、商標:ニッポラン40
02)の全重量当り10%とをヘンシェルミキサーで混
合した後、ニーダーで160℃、30回転で30分間混
練した。混練物はその後、エクストルーダーに供給し1
80℃〜210℃で溶融し、押出し、ストランドとして
冷却した後、3mmに切断しペレットとした。このペレ
ットは80℃に加熱した熱風乾燥機中で17時間乾燥さ
せ、その後エクストルーダー型溶融紡糸機に供給し、紡
糸温度210℃で溶融紡糸し、孔径0.3mmの口金を
通して吐出させ、紡糸速度1850m/分、紡糸ドラフ
ト350で溶融紡糸を行ない、紡出された長繊維フィラ
メント群をエジェクターにより引いて巻取った。長繊維
の繊度は2.2デニールであった。
【0021】紡糸時の断糸率、得られた長繊維の糸強度
と生分解性を以下に示す方法で評価した。 評価方法(1)紡糸断糸率 生分解性樹脂組成物を紡糸機で溶融紡糸する際に、1時
間当りに発生した断糸回数を計測し、断糸回数が10回
以下を紡糸性が良好と評価した。(2)糸強度 JIS L 1013に記載されている方法に準じて実
施した。(3)生分解性 溶融紡糸して得られた長繊維は、形状が保持できるよう
にエンボスロールで部分的に熱圧着させた後、20cm
×20cmの大きさに裁断し、東京都江東区の野外の土
中(東京都江東区東雲1丁目10番6号、新王子製紙株
式会社、中央研究所敷地内)25cmの深さに埋設し、
6ヶ月経過後に取り出し、形態変化と重量変化から次の
3段階で評価した。 ○:形態変化と重量減少とも著しい。 △:形態変化と重量変化が認められる。 ×:形態変化と重量変化が認められない。
【0022】実施例2 加水分解の時間を変えたこと以外は、実施例1と同様に
して酢化度45%で平均重合度160のセルロースアセ
テートを作製し、このセルロースアセテートの全重量当
り60%と、可塑剤として平均分子量1000のポリエ
チレンアジペート(日本ポリウレタン製、商標:ニッポ
ラン4002)の全重量当り25%及び平均分子量60
0のポリエチレングリコール(三洋化成製、商標:PE
G600)全重量当り15%とを混合して用いて、21
5℃で溶融紡糸したこと以外は、実施例1と同様にして
長繊維を製造し、巻取り、得られた長繊維を試験した。
長繊維の繊度は2.0デニールであった。
【0023】比較例1 実施例1で得られた酢化度54%、平均重合度180の
セルロースアセテートの全重量当り65%と、可塑剤と
してトリアセチン(分子量218、沸点260℃、和光
純薬工業製、試薬特級)の全重量当り35%とを混合し
て用いて、215℃で溶融紡糸したこと以外は、実施例
1と同様にして長繊維を製造し、生分解性試験を行っ
た。
【0024】比較例2 実施例2で得られた酢化度45%、平均重合度160の
セルロースアセテートの全重量当り70%と、可塑剤と
して平均分子量400のポリエチレングリコール(三洋
化成製、商標:PEG400)の全重量当り30%とを
混合して用いて、210℃で溶融紡糸したこと以外は、
実施例1と同様にして長繊維を製造し、生分解性試験を
行った。
【0025】比較例3 溶解パルプの種類を変えたこと以外は実施例1と同様に
して酢化度54%、平均重合度80のセルロースアセテ
ートを作製し、このセルロースアセテートの全重量当り
60%と、可塑剤として平均分子量550のカプロラク
トントリオール(ダイセル化学製、商標:プラクセル3
05)の全重量当り30%及び平均分子量1000のポ
リエチレンアジペート(日本ポリウレタン製、商標:ニ
ッポラン4002)の全重量当り10%とを混合してを
用いて、205℃で溶融紡糸したこと以外は、実施例1
と同様にして長繊維を製造し、試験した。長繊維の繊度
は2.4デニールであった。
【0026】比較例4 実施例1で得られた酢化度54%、平均重合度180の
セルロースアセテートの全重量当り60%と、可塑剤と
して平均分子量300のカプロラクトントリオール(ダ
イセル化学製、商標:プラクセル303)の全重量当り
30%及び平均分子量1000のポリエチレンアジペー
ト(日本ポリウレタン製、商標:ニッポラン4002)
の10%とを混合して用いて、205℃で溶融紡糸した
こと以外は、実施例1と同様にして長繊維を製造し、試
験した。長繊維の繊度は2.1デニールであった。
【0027】比較例5 実施例1で得られた酢化度54%、平均重合度180の
セルロースアセテートの全重量当り50%と、可塑剤と
して平均分子量550のカプロラクトントリオール(ダ
イセル化学製、商標:プラクセル305)の全重量当り
40%及び平均分子量1000のポリエチレンアジペー
ト(日本ポリウレタン製、商標:ニッポラン4002)
の全重量当り10%とを混合して用いて、200℃で溶
融紡糸したこと以外は、実施例1と同様にして長繊維を
製造し、生分解性試験を行った。
【0028】比較例6 実施例1で得られた酢化度54%、平均重合度180の
セルロースアセテートの全重量当り75%と、可塑剤と
して平均分子量550のカプロラクトントリオール(ダ
イセル化学製、商標:プラクセル305)の全重量当り
20%及び平均分子量1000のポリエチレンアジペー
ト(日本ポリウレタン製、商標:ニッポラン4002)
の全重量当り5%とを混合して用いて、230℃で溶融
紡糸したこと以外は、実施例1と同様にして長繊維を製
造し、生分解性試験を行った。
【0029】比較例7 185℃で溶融紡糸したこと以外は、実施例1と同様に
して長繊維を製造し、生分解性試験を行った。
【0030】比較例8 235℃で溶融紡糸したこと以外は、実施例1と同様に
して長繊維を製造し、生分解性試験を行った。
【0031】実施例と比較例において用いられたセルロ
ースアセテートの酢化度、平均重合度(DP)、配合
量、可塑剤の種類、平均分子量及び配合量を表1に示し
た。
【0032】
【表1】
【0033】また、同じく実施例と比較例において用い
た紡糸条件と得られた結果を表2に示した。
【0034】
【表2】
【0035】表1と表2から分かるように、本発明は、
紡糸ドラフトが350以上の高い時でも紡糸時に断糸が
殆どなく、効率よくセルロースアセテート系繊維を製造
することができ、得られた繊維は糸強度が高く、生分解
性に優れている(実施例1〜2)。これに対し、通常用
いられているトリアセチンのように平均分子量が低く
(218)、紡糸温度付近に沸点を有する低分子量化合
物の可塑剤(比較例1)や、同様に、ポリエチレングリ
コールのように平均分子量が低く(400)、揮発性が
高い低分子量成分を含むポリエーテルポリオールのよう
な可塑剤(比較例2)を単独で使用すると、紡糸の間に
繊維に気泡が発生し易くなり、紡糸ドラフトの低い領域
(230〜250)でも断糸が多発し、生産性と繊維品
質が極めて劣悪なものとなる。
【0036】セルロースアセテートの平均重合度が低い
場合(比較例3)や、用いた可塑剤のポリエステルポリ
オールの平均分子量が低いものを用いると(比較例
4)、溶融紡糸の際に繊維の強度が低下して断糸回数が
増加し、安定した溶融紡糸が行えない。可塑剤の配合量
を多く(50重量%)すると(比較例5)、溶融紡糸の
際の繊維強度が低下して断糸回数が増加し、逆に、可塑
剤の配合量を少なく(30重量%)すると(比較例
6)、溶融粘度が低くなるので紡糸温度を高くせざるを
得ず、そうすると可塑剤の揮発量が増加し、可塑剤とセ
ルロースアセテートの熱安定性も低下するので断糸回数
が増加し、共に溶融紡糸が悪化する。溶融紡糸の際の紡
糸温度が低いと(比較例7)、溶融粘度が高くなり、紡
糸温度が高いと(比較例8)、セルロースアセテートと
可塑剤の熱安定性が低下して、共に断糸回数が増加する
ので不適である。
【0037】
【発明の効果】 本発明は、優れた生分解性と繊維強度
を有するセルロースアセテート系繊維及び紡糸温度19
0〜230℃と紡糸ドラフト200以上において溶融紡
糸性が極めて優れるセルロースアセテート系繊維の製造
方法を提供するという効果を奏する。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セルロースアセテートと可塑剤を主成分
    とする生分解性組成物を溶融紡糸してなる生分解性セル
    ロースアセテート系繊維において、該生分解性組成物が
    酢化度56%以下、平均重合度150以上のセルロース
    アセテート55〜70重量%と、可塑剤として平均分子
    量400〜2000の生分解性ポリエステルポリオー
    ル、又は前記ポリエステルポリオールと平均分子量40
    0〜1000の生分解性ポリエーテルポリオールとの混
    合物30〜45重量%を含むことを特徴とする生分解性
    セルロースアセテート系繊維。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の生分解性組成物を紡糸ド
    ラフト200以上において紡糸温度190〜230℃で
    溶融紡糸することを特徴とする生分解性セルロースアセ
    テート系繊維の製造方法。
JP7238448A 1995-09-18 1995-09-18 生分解性セルロースアセテート系繊維及びその製造方法 Pending JPH0978339A (ja)

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