JP4557599B2 - ポインティングデバイス及び端末装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ポインティングデバイスに関する。本発明はさらに、ポインティングデバイスを搭載した端末装置に関する。
パーソナルコンピュータや携帯情報端末(PDA)等の、ディスプレイ及びキーボードを備えたデジタルデータ処理装置において、オペレータの手操作によるアナログ的な情報(例えば指先の動作方向や動作距離)の入力により、ディスプレイ上のカーソル移動データ等の座標データを指示する補助入力装置としてのポインティングデバイスを、データ処理装置(特にキーボード)の筐体に組み込んで備えたものは周知である。近年、この種の筐体組込型ポインティングデバイスは、携帯電話やAV機器用リモートコントロールスイッチ等の、手持操作式の小型端末装置においても、端末装置の一層の多機能化を実現する目的で搭載される傾向にある。
この種の小型端末装置に搭載されるポインティングデバイスは、それ自体、端末装置の携帯性や手持操作性を損なわないように、筐体からの突出部分を可及的に削減できる薄型(低背型)構造を有することが要求される。そして、そのような薄形化が容易なポインティングデバイスとして、互いに非接触に近接して相対移動可能に配置される第1及び第2の検出要素を有し、それら第1及び第2の検出要素の相対移動に伴いその移動方向及び移動距離に基づく信号を出力する非接触検出構造を有するものが採用されている。
例えば特許文献1は、非接触型の第1及び第2の検出要素として、回路基板に実装されるホール素子(磁電変換素子)と、回路基板に対し揺動変位可能な操作部に支持される磁石とを備えたポインティングデバイスを開示する。操作部は、円板部分と、円板部分の中心に突設される脚柱とを有し、回路基板を支持する下部ハウジングに設けた凹部に脚柱の先端を載せた状態で、上部ハウジングに揺動可能に収容される。操作部の円板部分及び回路基板には、互いに対向する位置に、複数の磁石とホール素子とがそれぞれ配設される。また、操作部を揺動変位の原点位置に復帰させる弾性部材が、操作部の円板部分と回路基板又は上部ハウジングとの間に設置される。このポインティングデバイスでは、オペレータが操作部を回路基板上で任意の方向へ傾けることにより、磁石と磁電変換素子との相対的位置関係を変化させて磁電変換素子の出力電圧を変動させ、以って操作部の揺動方向及び揺動角度に対応したアナログ情報を入力することができる。
また、特許文献2は、上記した揺動構造に代えて、磁石を支持するドーム状のスライダーを操作部として、磁電変換素子を実装した回路基板上に設けられるドーム状の支持部材の湾曲表面に沿って、スライダーを移動可能に配置したポインティングデバイスを開示する。このポインティングデバイスでは、オペレータがスライダーを支持部材上で任意の方向へ円弧状に移動させることにより、磁石と磁電変換素子との相対的位置関係を変化させることができる。特許文献2にはさらに、回路基板とスライダーとの間にスイッチ機構を装備し、オペレータがスライダーを回路基板に向けて押し込むことによりスイッチ機構を作動させる構成も開示されている。この構成によれば、アナログ情報の入力に加えて、スライダーを押下操作することにより、例えば搭載対象機器のディスプレイ上のポインタに関連してクリック操作を実施することができる。
上記した磁電変換素子型のポインティングデバイスは、一般に、座標データ入力に必要な操作部材の移動量が少なく、かつ消費電力が比較的低いことから、携帯情報端末(PDA)、携帯電話、AVリモコン等の、手持操作可能な種々の小型端末装置に、とりわけ有利に搭載できるものである。特許文献3は、磁電変換素子型のポインティングデバイスを移動電話機に搭載した構成を開示する。この移動電話機では、ポインティングデバイスの操作部は、永久磁石を担持するラバーベースを有し、このラバーベースが、電話機の主機能要素としての複数のキーを有するキーマットに一体的に形成されている。ラバーベースは、永久磁石とは反対側の下面に支柱を有し、この支柱が、回路基板上に設置されたドーム(スイッチ)に載せられて、操作部の揺動支点を構成している。
特開平8−339258号公報 特公平7−117875号公報 特開2002−150904号公報
前述した特許文献1に開示されるポインティングデバイスは、下部ハウジングに設けた凹部に操作部の脚柱を載せて、この凹部上に操作部の揺動中心が形成されるように構成しているので、揺動時に操作部の円板部分は、所望箇所を回路基板に接近させたときに脚柱を中心として反対側の箇所が回路基板から離れる(浮揚する)ような挙動を示すことになる。したがって操作部は、円板部分の浮揚側が上部ハウジングによって抑止されるまでの動作範囲で、揺動可能となっている。このような構成では、操作部の揺動角度が、操作部の円板部分と上部ハウジングとの間隔によって左右されるので、操作部の適正操作に必要な揺動角度を確保する目的で、ポインティングデバイスの高さ方向寸法の削減(すなわち低背化)に限界が生じることになる。
また、前述した特許文献2に開示されるポインティングデバイスは、ドーム状の支持部材の湾曲表面に沿ってスライダーを円弧状に移動させる構成を採用しているので、支持部材とスライダーとの相互係合部位に、所要の曲率及び面積を有する曲面を形成する必要がある。そして、このような曲面の存在により、ポインティングデバイスの外形(特に高さ方向)寸法を、小型端末装置への搭載を実現可能とする水準に削減することが困難になる傾向がある。
また、前述した特許文献3に開示されるポインティングデバイスは、特許文献1の構成と同様に、操作部の支柱が回路基板上で揺動支点を構成しているので、低背化の観点で不利である。しかも、移動電話機のキーマットに一体化されたラバーベースに永久磁石が担持されているから、操作部を揺動させる際に永久磁石の動作が不安定になり、結果として検出信号の信頼性を確保することが困難になる危惧がある。
他方、基部に対して操作部を水平方向へ移動させる構成を採用することにより、ポインティングデバイスの薄型化を達成しようとする試みは、従来行なわれている。しかし、使用者によっては、操作部を水平移動させる構成よりも、上記した揺動や円弧動作のように、操作部を傾けるように動作させる構成が好まれる場合もある。なお、操作部のこのような動作を表現するものとして、本明細書では「傾倒変位」という語句を用いる。
したがって本発明の目的は、傾倒変位可能な操作部を備えたポインティングデバイスにおいて、小型端末装置に好適に搭載できる水準に低背化することができ、しかも操作部の安定動作を実現できるポインティングデバイスを提供することにある。
本発明の他の目的は、そのようなポインティングデバイスを搭載した薄型で操作性に優れた端末装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、基部と、基部に対して傾倒変位可能及び下降変位可能に基部上に支持される操作部と、基部上での操作部の傾倒変位又は下降変位に伴い、操作部を原点位置に復帰させる弾性力を発揮する弾性部と、基部に設置される非接触型の第1検出要素と、第1検出要素の近傍で操作部に設置される非接触型の第2検出要素とを具備するポインティングデバイスにおいて、基部は、第1検出要素が設置される基板部と、基板部と協働して操作部の一部分を収容する内部空間を画定するケース部とを備え、ケース部は、内部空間に収容した操作部の一部分に係合可能であって、ケース部と操作部との係合箇所が、操作部の傾倒変位の支点となり、操作部の傾倒変位と下降変位とで互いに異なる信号入力を実行でき、弾性部と基部の基板部との間に設けられ、操作部を基板部に接近する方向へ押下操作することにより閉成されるスイッチ機構をさらに具備し、スイッチ機構は、基板部に形成される一対の固定接点と、一対の固定接点に接離可能に弾性部に形成され、一対の固定接点を相互に短絡できる可動接点とを有し、一対の固定接点は、基板部の上で互いに離隔して配置され、可動接点は、一対の固定接点の双方に接触可能な環状輪郭を有することを特徴とするポインティングデバイスを提供する。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のポインティングデバイスにおいて、操作部は、上記一部分として、第2検出要素を同心配置で支持する円板部分を有し、ケース部が円板部分の外周縁に係合して支点を形成するポインティングデバイスを提供する。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のポインティングデバイスにおいて、弾性部は、基部上での操作部の傾倒方向に関わらず一様な弾性力を発揮する中空筒状の主弾性部分と、主弾性部分の軸線方向一端に設けられて基部に連結される第1連結部分と、主弾性部分の軸線方向他端に設けられて操作部に連結される第2連結部分とを有するポインティングデバイスを提供する。
請求項に記載の発明は、請求項1〜のいずれか1項に記載のポインティングデバイスを搭載した端末装置を提供する。
請求項1に記載の発明によれば、基部の基板部とケース部との間に画定される内部空間に、操作部の一部分を収容するとともに、この操作部の一部分とケース部との係合箇所が、操作部の傾倒変位の支点となるように構成したから、傾倒変位中に操作部の一部分は、傾倒操作により基板部に接近させようとする箇所とは反対側の箇所も、支点を最上点としてやはり基板部に接近するような挙動を示す。したがって、操作部の傾倒変位の動作範囲は、主として操作部の一部分とその下方部材との間隔によって決まることになる。このような構成によれば、操作部の一部分とその上方部材との間隔を制限無く排除できるので、回路基板等の下部構成部品に操作部の脚(支柱)を載せて揺動支点とする従来の構成に比べて、基部の外形寸法(特に高さ方向寸法)を著しく削減することができる。また、ドーム状の操作部を曲面状の支持面で支持して円弧状に動作させる従来構成に比べても、操作部と基部との間にそのような曲面の介在を要しないので、全体として外形寸法(特に高さ方向寸法)を著しく削減することができる。
また、操作部の傾倒操作性に影響を及ぼすことなく、ポインティングデバイスにクリック操作機能を付加することができる。
また、スイッチ機構を極めて薄くかつ簡単に構成できるので、クリック操作機能を有するポインティングデバイスの低背化を促進できる。
請求項2に記載の発明によれば、操作部の円板部分の外周縁上に傾倒変位の支点が形成されるので、基部上で操作部を360°全方位に渡って同一形態で傾倒変位させることができる。それに伴い、第2検出要素も基部上で360°全方位に渡って同一形態で変位するので、操作部の傾倒方向に関わらず、オペレータが同一の操作感覚で傾倒角度に一義的に対応したアナログ情報を入力することができる。
請求項3に記載の発明によれば、弾性部は、第1連結部分で基部に連結されるとともに第2連結部分で操作部に連結された状態で、主弾性部分が操作部の傾倒方向に関わらず一様な弾性力を発揮するようにしたから、傾倒方向に関わらず操作部を安定して操作することができる。
請求項に記載の発明によれば、低背型で安定操作可能なポインティングデバイスを搭載したことにより、全体として筐体の薄型化を促進でき、しかも操作性に優れた端末装置が提供される。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。全図面に渡り、対応する構成要素には共通の参照符号を付す。
図面を参照すると、図1は本発明の第1の実施形態によるポインティングデバイス10の分解斜視図、図2はポインティングデバイス10の組立正面図、図3はポインティングデバイス10の操作形態を示す断面図である。ポインティングデバイス10は、パーソナルコンピュータ、パーソナルワードプロセッサ等のデータ処理装置や、電子手帳、携帯情報端末(PDA)、携帯電話等の小型端末装置において、ディスプレイ上の二次元座標データを指示する補助入力装置として機器筐体に一体的に組み込んだ構成で使用できるものである。
ポインティングデバイス10は、基部12と、基部12に対して傾倒変位可能に基部12上に支持される操作部14と、基部12上での操作部14の傾倒変位に伴い、操作部14を原点位置に復帰させる弾性力を発揮する弾性部16と、基部12に設置される第1検出要素18と、第1検出要素18の近傍で操作部14に設置される第2検出要素20とを備える。このようにポインティングデバイス10は、互いに非接触に近接して相対移動可能に配置される第1及び第2検出要素(磁気作用要素)18、20を有し、それら第1及び第2検出要素18、20の相対移動に伴い、その移動方向及び移動距離に対応する磁界変化に基づく信号を出力する非接触検出構造を有するものである。
基部12は、第1検出要素18が設置される基板部22と、基板部22と協働して弾性部16を収容する内部空間を画定するケース部24とを備える。図示実施形態では、基板部22は、図示しないCPU等の電子部品が実装される回路基板26と、回路基板26の表面26aに固定され、弾性部16を弾性変形可能に支持する環状の支持部材28とを備える。回路基板26は、例えばリジッド(剛)又はフレキシブル(柔)なプリント配線板から構成され、その表面26aとは反対側の裏面26bには、第1検出要素18が、支持部材28の環状壁30の内側に相当する領域に実装される。
支持部材28の環状壁30は、円筒状の内周面30a及び角柱状(例えば八角柱)の外周面30bを有するとともに、環状壁30の軸線方向一端に、径方向内方へ張り出す環状の連結部分32が設けられる。連結部分32は、環状壁30の内周面30aに隣接して同一円周上に延びる複数の溝32aを有する。内周面30aの中心を通る環状壁30の中心軸線は、ポインティングデバイス10の中心軸線Pを構成する。また、環状壁30の外周面30bの所望位置には、外方へ突出する複数(図示実施形態では4個)の係止爪34が周方向分散配置で形成される。このような支持部材28は、電気絶縁性の樹脂材料から金型成形工程で一体成形できる。
支持部材28は、連結部分32を回路基板26の表面26aに隣接させて、回路基板26の所定位置に、例えば図示しない相補的嵌合構造や接着剤を用いて固定的に組み付けられる。この状態で、支持部材28の環状壁30は、その内周面30a及び外周面30bが回路基板26の表面26aに実質的に直交して配置される。なお、基板部22は、互いに別体の回路基板26と支持部材28とからなる図示構成の代わりに、回路基板の表面に支持部材を一体に形成した構成とすることもできる。
ケース部24は、支持部材28の環状壁30の外周面30bの多角柱輪郭に対応する多角形輪郭を有する天板部分36と、天板部分36の外縁の所望位置に配置され、天板部分36に略直交する方向へ延設される複数(図示実施形態では4個)の連結板部分38とを備える。天板部分36の中央には、後述する操作部14の主操作部分を傾倒変位可能に挿通させる中心開口40が形成される。また、各連結板部分38には、支持部材28の外周面30bに形成した係止爪34を受容可能な係止孔42が形成される。このようなケース部24は、例えば板金材料から打ち抜き及び曲げ工程を経て形成される一体成形部品として構成できる。
ケース部24は、個々の連結板部分38の係止孔42に支持部材28の対応の係止爪34を、各連結板部分38の弾性変形を利用してスナップ式に嵌着することにより、環状壁30を抱持するようにして支持部材28に固定的に組み付けられる。この状態で、ケース部24は、天板部分36が回路基板26の表面26aに略平行に配置されるとともに、天板部分36の中心開口40がポインティングデバイス10の中心軸線Pに同心に配置される。またこの状態で、ケース部24は、中心開口40を通して操作部14の主操作部分を外方に突出させつつ、操作部14を基板部22から脱落しないように保持する。
操作部14は、円形輪郭を有する平板状の円板部分44と、円板部分44の表面44aの略中央に突設される円柱状の主操作部分46とを備える。円板部分44には、表面44aの反対側の裏面44bに、主操作部分46の円形断面に同心状に配置される環状突起48が設けられ、環状突起48の内側に、第2検出要素20を受容する凹所48aが形成される(図3及び図4)。また、主操作部分46には、オペレータが操作部14を変位操作する際に例えば手の指先を接触させる操作面46aが形成される(図3及び図4)。このような操作部14は、電気絶縁性の樹脂材料から金型成形工程で一体成形できる。
操作部14の円板部分44は、基板部22を構成する支持部材28の環状壁30の内周面30aの内径寸法に実質的に等しい(又は僅かに小さい)外径寸法を有する。したがって操作部14は、円板部分44が、支持部材28の環状壁30の内周面30aに沿って軸線方向へ実質的摺動可能に支持部材28に受容された状態で、基部12の基板部22に組み付けられる。この状態で、操作部14は、支持部材28の環状壁30に対して360°全方位へ傾倒変位可能となっている。また、操作部14の主操作部分46は、円板部分44が支持部材28に対し上記したように軸線方向移動(特に下降変位)又は傾倒変位する間に、基部12のケース部24の中心開口40から少なくとも一部分が常に外方へ突出するような寸法及び形状を有する。
操作部14は、基部12上で傾倒変位又は下降変位する間に全体として実質的に変形しない剛性を有する。操作部14に設置される第2検出要素20は、1個の円板状の磁石(例えば永久磁石)20から構成される。磁石20は、操作部14の円板部分44の裏面44bに形成された凹所48aに受容されて、例えば圧入又は接着剤により固定される(図3)。磁石20は、操作部14が基部12上で原点位置にあるときに、ポインティングデバイス10の中心軸線Pに同心配置され、操作部14が基部12上で傾倒変位又は下降変位するときには、操作部14と共に傾倒変位又は下降変位する。
また、基部12に設置される第1検出要素18は、4個の磁電変換素子(例えばホール素子)18から構成される。これら磁電変換素子18は、基板部22を構成する回路基板26の裏面26bに、ポインティングデバイス10の中心軸線Pを中心とした等間隔分散配置で実装される。このような磁石20及び磁電変換素子18の配置構成により、ポインティングデバイス10は二次元座標系におけるアナログ情報信号を出力できるようになっている。
弾性部16は、操作部14を基部12上で傾倒変位又は下降変位させる間に比較的容易に弾性変形する椀状の部材からなり、操作部の変位動作に応じて主たる弾性復元力を発揮する中空筒状の主弾性部分50と、主弾性部分50の軸線方向一端に設けられて基部12に連結される第1連結部分52と、主弾性部分50の軸線方向他端に設けられて操作部14に連結される第2連結部分54とを有する(図3及び図5)。このような弾性部16は、合成ゴム、天然ゴム等の種々の弾性材料から例えば金型成形工程により一体成形できる。特に、ポインティングデバイス10を搭載対象機器の主回路基板に実装する際にリフロー工程を実施することを考慮すれば、シリコンゴム等の、高温下でも性質が劣化し難い材料から形成することが有利である。
弾性部16の主弾性部分50は、弾性部16を基部12及び操作部14に対して適正に取り付けたときに、平衡状態で、ポインティングデバイス10の中心軸線Pに対し同心配置されるとともに、回路基板26の表面26aから離れるに従い徐々に縮径する円錐台状又はドーム状の輪郭形状を有する(図3)。したがって弾性部16は、その主弾性部分50が、基部12上での操作部14の変位動作に伴い弾性変形するとともに、特に操作部14の傾倒変位に際しては、変形量に対応する弾性復元力を、傾倒変位の方向(本明細書で傾倒方向と称する)に関わらず一様に発揮する。
弾性部16の第1連結部分52は、円錐台状輪郭の主弾性部分50の大径端から径方向及び軸線方向へ突設される環状要素である。第1連結部分52には、周方向等間隔配置で4個の溝52aと、それら溝52aの間に形成される4個の突条52bとが設けられる。第1連結部分52は、個々の突条52bが、基板部22を構成する支持部材28の連結部分32に形成した対応の溝32aに、それぞれ固定的に嵌着されることにより、基部12に連結される。第1連結部分52は、基部12上で操作部14が変位動作する間に実質的に変形することなく、弾性部16を基部12に固定的に連結する。
弾性部16の第2連結部分54は、円錐台状輪郭の主弾性部分50の小径端から軸線方向へ突設される環状要素である。第2連結部分54には、主弾性部分50から離背する側で、内側に窪み54aが形成される。第2連結部分54は、操作部14の円板部分44の裏面44bに形成した環状突起48を、窪み54aに固定的に嵌着することにより、操作部14に連結される。第2連結部分54は、基部12上で操作部14が変位動作する間に実質的に変形することなく、弾性部16を操作部14に固定的に連結する。
上記した各種構成部品を適正に組み合わせた状態で、弾性部16はその全体が、基部12の基板部22とケース部24とによって画定される内部空間12aに収容される(図3)。この状態で、弾性部16の第2連結部分54に連結された操作部14は、円板部分44が基部12の内部空間12aに収容されるとともに、主操作部分46がケース部24の中心開口40を通って外方へ突出する。この状態でオペレータは、操作部14の主操作部分46を例えば手指により操作して、操作部14を基部12上で変位操作することができる。なお、操作部14に操作力を加えていない状態では、円板部分44の表面44aがケース部24の天板部分36に当接されて、弾性部16の主弾性部分50に一様に、僅かな弾性変形が生じていることが有利である。このような構成によれば、弾性部16が発揮する適当な初期弾性力の下で、操作部14の非操作時のがたつきが防止される。
次に図3を参照して、ポインティングデバイス10の操作態様を説明する。図3(a)に示すように、弾性部16が初期の平衡状態にあるときには、操作部14及びその円板部分44の凹所48aに保持される磁石20の中心軸線Qは、ポインティングデバイス10の中心軸線Pに合致する。この状態で操作部14は、基部12上で傾倒変位及び下降変位の原点位置に位置決めされ、円板部分44がケース部24の天板部分36に当接されて回路基板26の表面26aに平行に配置されるとともに、磁石20が回路基板26上の4個の磁電変換素子18から等距離の位置に配置される。
この原点位置から、図3(b)に示すように、オペレータが例えば指先により操作部14の主操作部分46を斜めに押圧して、操作部14を任意の方向αへ傾倒変位させ、操作部14及び磁石20の中心軸線Qを、ポインティングデバイス10の中心軸線Pに対し所望角度に配置する。この傾倒変位の間、操作部14の円板部分44は、オペレータの操作力と弾性部16の弾性復元力との相互作用下で、傾倒方向αに見て前方の外周縁領域44cが、その近傍で弾性部16の主弾性部分50を大きく弾性変形させつつ回路基板26に接近する一方、傾倒方向αに見て後方の外周縁領域44dが、その近傍で弾性部16の主弾性部分50を僅かに弾性変形させつつ、ケース部24の天板部分36に係合した状態に維持される。したがってこの間、ケース部24の天板部分36と操作部14の円板部分44との相互係合箇所が、操作部14の傾倒変位の支点Fを構成することになる。
なお、上記した傾倒操作の間、弾性部16の主弾性部分50は、操作部14の傾倒方向及び傾倒角度(すなわち原点位置に対する傾倒変位の角度)に対応して、全周に渡り異なる形態の弾性変形を生じる。それにより弾性部16は、主弾性部分50の全体で合力としての弾性力を発揮し、操作部14をその傾倒方向と反対の方向に付勢する。したがってオペレータは、弾性部16の主弾性部分50が生ずる弾性的付勢力に抗して、操作部14を傾倒操作することになる。
このようにして操作部14を、図3(a)の原点位置から図3(b)に示す位置に傾倒操作すると、磁石20と各磁電変換素子18との相対的位置関係が変化し、各磁電変換素子18の出力電圧が変動する。各磁電変換素子18の出力電圧の変動は、回路基板26に接続された図示しないCPUでアナログ情報として処理されてデジタル座標データに変換され、回路基板26に設けられるコネクタ部(図示せず)を介して、搭載対象機器(図示せず)のデータ処理回路に出力される。このようにして、操作部14の傾倒方向及び傾倒角度に対応して、例えば搭載対象機器のディスプレイ上のカーソルやポインタを所望方向に所望距離だけ二次元的に移動することができる。
図3(b)のデータ入力位置から、オペレータが操作部14への傾倒操作力を解除すると、弾性部16の主弾性部分50が生じている弾性復元力により、直ちに操作部14が磁石20と一体的に原点位置に向けて変位する。そして、弾性部16の主弾性部分50が平衡状態に到達し、操作部14の円板部分44がケース部24の天板部分36に一様に当接された時点で、操作部14及び磁石20が原点位置に復帰する。なお、操作部14が原点位置に復帰する間に、磁石20の迅速な移動に伴って生じる各磁電変換素子18の出力電圧の急激な変動は、例えばCPUにおける処理フローでキャンセルしてデジタル座標データに変換しないように構成することができる。
上記構成を有するポインティングデバイス10では、基部12の基板部22とケース部24との間に画定される内部空間12aに、操作部14の円板部分44を収容するとともに、ケース部24と操作部14の円板部分44との係合箇所が、操作部14の傾倒変位の支点Fとなるように構成したから、傾倒変位中に操作部14の円板部分44は、傾倒操作により回路基板26に接近させようとする箇所とは反対側の箇所も、支点Fを最上点としてやはり回路基板26に接近するような挙動を示す。したがって、操作部14の傾倒変位の動作範囲は、主として円板部分44とその下方部材(図示実施形態では弾性部16の第1連結部分52)との間隔によって決まることになる。
このような構成によれば、操作部14の円板部分44とその上方部材(図示実施形態ではケース部24の天板部分36)との間隔を制限無く排除できるので、回路基板等の下部構成部品に操作部の脚(支柱)を載せて揺動支点とする従来の構成に比べて、基部12の外形寸法(特に高さ方向寸法)を著しく削減することができる。また、ドーム状の操作部を曲面状の支持面で支持して円弧状に動作させる従来構成に比べても、操作部14と基部12との間にそのような曲面の介在を要しないので、全体として外形寸法(特に高さ方向寸法)を著しく削減することができる。
ここで、操作部14の円板部分44の外周縁上に傾倒変位の支点Fが形成されるようになっているから、基部12上で操作部14を、360°全方位に渡って同一形態で傾倒変位させることができる。それに伴い、磁石20も基部12上で360°全方位に渡って同一形態で変位するので、操作部14の傾倒方向に関わらず、オペレータが同一の操作感覚で傾倒角度に一義的に対応したアナログ情報を入力することができる。
また、基部12に収容される弾性部16は、円錐台状又はドーム状の主弾性部分50で、操作部14の傾倒方向に関わらず一様な弾性力を発揮する構成であるから、操作性を損なうことなく、基部12の特に高さ方向の外形寸法を削減できる。しかも弾性部16は、環状の第1連結部分52で基部12に連結されるとともに、環状の第2連結部分54で操作部14に連結されるので、操作部14の傾倒方向に関わらず安定して弾性力を発揮することができる。さらに、剛性を有する操作部14に磁石20が担持されるとともに、操作部14の円板部分44が弾性部16の付勢力下でケース部24の天板部分36に押し付けられる構成となっているから、操作部14の傾倒操作及びそれに伴う磁石20の変位動作が極めて安定したものとなり、検出信号の高水準の信頼性を確保することができる。このように、ポインティングデバイス10は、操作部14の操作性を損なうことなく、電子手帳、携帯情報端末(PDA)、携帯電話等の、手持操作可能な種々の小型端末装置への搭載が実現可能な水準まで、外形寸法を削減できる。
上記構成を有するポインティングデバイス10では、基部12の回路基板26と操作部14との間に支柱が介在しないので、前述したように、操作部14を基部12に対し意図的に下降変位させることができる。この下降変位動作を、図6を参照して説明する。
操作部14が原点位置にある状態(図6(a))から、オペレータが例えば指先により操作部14の主操作部分46を押下して、操作部14を回路基板26に対し鉛直に接近する方向βへ移動させる(図6(b))。この押下操作の間、操作部14の円板部分44は、オペレータの操作力と弾性部16の弾性復元力との相互作用下で、回路基板26の表面26aに対し実質的平行な状態を維持しつつ下降変位する。つまり、押下操作の間、弾性部16の主弾性部分50は、操作部14の押下操作に対応して全周に渡り一様な形態の弾性変形を生じて、平衡した弾性復元力により操作部14を回路基板26に対する鉛直上方へ付勢するので、オペレータは、操作部14及び磁石20の中心軸線Qをポインティングデバイス10の中心軸線Pに合致させた状態で、操作部14を下降変位させることができる。
このようにして操作部14を、図6(a)の原点位置から図6(b)に示す位置に押下操作すると、磁石20と各磁電変換素子18との相対的位置関係が変化し、各磁電変換素子18の出力電圧が変動する。各磁電変換素子18の出力電圧の変動は、回路基板26に接続された図示しないCPUでアナログ情報として処理されてデジタル座標データに変換され、回路基板26に設けられるコネクタ部(図示せず)を介して、搭載対象機器(図示せず)のデータ処理回路に出力される。このとき、操作部14の下降変位によって得られる信号を、例えば搭載対象機器のディスプレイ上のポインタに関連したクリック操作のオン信号として処理すれば、ポインティングデバイス10において、機械的なスイッチ機構を搭載することなく、所要のクリック操作を実現することができる。或いは、操作部14の下降変位によって得られる信号を、前述した傾倒変位によるX軸−Y軸座標データに対し、Z軸座標データとして処理すれば、ポインティングデバイス10において、三次元座標データをアナログ指示することができる。なお、このような押下操作に際し、弾性部16の主弾性部分50の形状を工夫して、操作部14の押下距離に比例しない非線形的な弾性復元力を弾性部16が発揮するようにすれば、オペレータがクリック操作を感覚的に認識することもできる。
図6(b)の下降位置から、オペレータが操作部14への押下操作力を解除すると、弾性部16の主弾性部分50が生じている弾性復元力により、直ちに操作部14が磁石20と一体的に原点位置に向けて変位する。そして、操作部14の円板部分44がケース部24の天板部分36に一様に当接された時点で、操作部14及び磁石20が原点位置に復帰する。なお、操作部14が原点位置に復帰する間に、磁石20の迅速な移動に伴って生じる各磁電変換素子18の出力電圧の急激な変動は、例えばCPUにおける処理フローでキャンセルしてデジタル座標データに変換しないように構成することができる。
図7は、本発明の第2の実施形態によるポインティングデバイス60を示す。ポインティングデバイス60は、クリック機能を付加するためのスイッチ機構を内蔵した構成以外は、前述した第1実施形態によるポインティングデバイス10と実質的同一の構成を有する。したがって、対応する構成要素には共通の参照符号を付してその説明を省略する。
ポインティングデバイス60は、基板部22及びケース部24を含む基部12と、基部12に対して傾倒変位及び下降変位可能に基部12上に支持される操作部14と、基部12上での操作部14の変位動作に伴い、操作部14を原点位置に復帰させる弾性力を発揮する弾性部16と、基部12に設置される第1検出要素である複数の磁電変換素子18と、それら磁電変換素子18の近傍で操作部14に設置される第2検出要素である磁石20と、基部12と操作部14との間に配置されるスイッチ機構62とを備える。弾性部16には、操作部14の円板部分44の環状突起48が嵌着される第2連結部分54の窪み54aの反対側に、軸線方向へ突出する押圧突子64が形成される。押圧突子64は、弾性部16が平衡状態にあるときに、ポインティングデバイス60の中心軸線Pに同心状に配置される。
スイッチ機構62は、弾性部16と基板部22を構成する回路基板26との間の空間内で、回路基板26の表面26aに実装される(図7(a))。スイッチ機構62は、固定接点(例えば印刷電極)と可動接点(例えばドーム状要素)とを有する周知の開閉構造を備え、ポインティングデバイス60の中心軸線Pに同心状に配置される。すなわち、スイッチ機構62の可動接点は、平衡状態にある弾性部16の押圧突子64の直下に位置決めされる。なお、スイッチ機構62の構成は任意であり、可動接点がばねに担持されるメカニカルスイッチや、一対のフレキシブル回路基板を有するメンブレンスイッチ等、様々なものを採用できる。
ポインティングデバイス60は、前述したポインティングデバイス10と同様に、操作部14を所望方向へ傾倒操作することにより、例えば搭載対象機器のディスプレイ上のカーソル移動指示を入力できる。さらにポインティングデバイス60では、操作部14を下降操作することにより、スイッチ機構62を閉成して、例えば搭載対象機器のディスプレイ上のポインタに関連したクリック操作を、以下のようにして実施できる。
操作部14が原点位置にある状態(図7(a))から、オペレータが例えば指先により操作部14の主操作部分46を押下して、操作部14を回路基板26に対し鉛直に接近する方向βへ移動させる(図7(b))。この押下操作の間、図6を参照して説明したように、操作部14の円板部分44は、オペレータの操作力と弾性部16の弾性復元力との相互作用下で、回路基板26の表面26aに対し実質的平行な状態を維持しつつ下降変位する。そして、所定の押下位置で、弾性部16の押圧突子64が、その下方に位置するスイッチ機構62の可動接点に当接される(図7(b))。そこで、操作部14にさらに押下力を加えれば、弾性部16の押圧突子64によりスイッチ機構62の接点が閉成される(図7(c))。
スイッチ機構62の接点閉成信号は、回路基板26に設けられるコネクタ部(図示せず)を介して、搭載対象機器(図示せず)のデータ処理回路に出力される。それにより、例えば搭載対象機器のディスプレイ上のポインタに関連してクリック操作を実施することができる。なおこのとき、操作部14及び磁石20の下降変位によって生じる磁電変換素子18の出力電圧の変動は、CPUでデジタル信号に変換処理しないようにする。その後、図7(c)の接点閉成位置から、オペレータが操作部14への押下操作力を解除すると、図6を参照して説明したように、弾性部16の主弾性部分50が生じている弾性復元力により、直ちに操作部14が磁石20と一体的に原点位置に復帰する。
上記構成を有するポインティングデバイス60によっても、前述したポインティングデバイス10と同等の作用効果が奏される。つまり、スイッチ機構62は、弾性部16が操作部14の傾倒変位に従って弾性変形するために必然的に設けられる空間に配置されるので、スイッチ機構62として前述したように薄型の構成を採用すれば、ポインティングデバイス60の傾倒操作性を悪化させたり低背化を妨げたりすることなく、クリック機能を付加することができる。なお、スイッチ機構62の可動接点にドーム状要素を使用したときには、スイッチ機構62自体がオンオフ動作を感覚的(場合によっては聴覚を含む)にオペレータに伝えるように作用するので、弾性部16の特に主弾性部分50の形状を簡略化できる。
図8は、スイッチ機構を内蔵したポインティングデバイス60の変形例を示す。この変形例では、スイッチ機構62は、基板部22を構成する回路基板26の表面26aに設けられる一対の固定接点(例えば印刷電極)66と、それら固定接点66に接離可能に弾性部16に設けられ、両固定接点66を相互に短絡できる可動接点(例えば印刷導電皮膜)68とから構成される。したがって、操作部14が原点位置にある状態(図8(a))から、オペレータが操作部14の主操作部分46を押下して操作部14を鉛直方向βへ平行移動させると、所定の押下位置で、弾性部16に設けた可動接点68が回路基板26に設けた一対の固定接点66に接触して、スイッチ機構62の接点が閉成される(図8(b))。
ここで、一対の固定接点66は、互いに僅かな隙間を介して近接する櫛歯状輪郭を有し、また可動接点68は、それら固定接点66の全櫛歯に接触可能な円形輪郭を有することが好ましい(図8(c))。このような接点形状によれば、操作部14が押下操作時に僅かに傾いた姿勢を呈していて、可動接点68がその一部分で一対の固定接点66に接触した場合にも、それら固定接点66を確実に短絡させることができる。したがって、クリック操作に際し、オペレータに操作部14の正確な操作を強要しない利点がある。また、可動接点68は、弾性部16の第2連結部分54に窪み54aの反対側で軸線方向へ突設した隆起部分70(図8(a))の端面に形成することが有利である。このような構成によれば、接点閉成時に、弾性部16の隆起部分70によって、衝撃を緩和すると同時に、可動接点68と両固定接点66との間に所要の接触圧力を確保できる。
図9は、スイッチ機構を内蔵したポインティングデバイス60の他の変形例を示す。この変形例では、スイッチ機構62は、基板部22を構成する回路基板26の表面26aに設けられる一対の固定接点(例えば印刷電極)72と、それら固定接点72に接離可能に弾性部16に設けられ、両固定接点72を相互に短絡できる可動接点(例えば印刷導電皮膜)74とから構成される。したがって、操作部14が原点位置にある状態(図9(a))から、オペレータが操作部14の主操作部分46を押下して操作部14を鉛直方向βへ平行移動させると、所定の押下位置で、弾性部16に設けた可動接点74が回路基板26に設けた一対の固定接点72に接触して、スイッチ機構62の接点が閉成される(図9(b))。
ここで、一対の固定接点72は、回路基板26上で互いに離隔して配置され、また可動接点74は、それら固定接点72の双方に接触可能な形状(例えば図示の環状(円形)輪郭)を有する(図9(c))。このような接点形状によれば、操作部14が押下操作時に僅かに傾いた姿勢を呈していて、可動接点74がその一部分で一方の固定接点72に接触した場合には、両固定接点72が短絡しないので、スイッチ機構62の接点を閉成できないことになる。したがって、操作部14を傾倒操作したときに、可動接点74の一部分が意図せず一方の固定接点72に接触してしまった場合に、クリック操作の信号が出力されてしまう不都合は回避される。また、クリック操作に際しては、操作部14を正確に平行移動させることが要求されるので、誤操作の防止効果も奏する。なおこの構成でも、可動接点74は、弾性部16の第2連結部分54に窪み54aの反対側で軸線方向へ突設した隆起部分76(図9(d))の端面に形成することが有利である。
図8及び図9に示す変形例の構成によれば、スイッチ機構62を極めて薄くかつ簡単に構成できるので、クリック操作機能を有するポインティングデバイス60の低背化を一層促進できる。
図10は、前述したポインティングデバイス10を搭載した本発明の一実施形態による端末装置80の主要部を示す。端末装置80は、その主機能要素である複数のスイッチ82を担持する回路基板84と、それらスイッチ82を個別に動作させる複数の押下要素86を有するキーパネル88と、対応するスイッチ82と押下要素86とをそれぞれに対向させて回路基板84とキーパネル88とを互いに重ね合わせた状態で収容する薄型の筐体(上部筐体90のみ図示)と、補助入力装置として搭載されるポインティングデバイス10とを備える。端末装置80は、例として携帯電話の構成を有するものであり、図示の主要部は、携帯電話に必須のダイヤルキー等の機能キーを備えた手持操作部である。
回路基板84は、例えば周知の剛性印刷回路板からなり、その表面84aに予め定めた配列で、複数のスイッチ82が実装されるとともに、通常はその裏面84bにIC等の多数の電子部品が実装される。或いは単体の回路基板84の代わりに、複数のスイッチ82が実装される可撓性印刷回路板と、IC等の電子部品が実装される剛性印刷回路板とを組み合わせて、回路基板84を構成することもできる。個々のスイッチ82は例えば、回路基板84の表面に形成される一対の固定接点(図示せず)と、それら固定接点に対向配置されるドーム状の可動接点(図示せず)とを備え、可動接点をスナップ式に弾性変形させて両固定接点に接触/離脱させることによりスイッチ開閉動作する構成を有する。
キーパネル88は、合成ゴム等の弾性材料からなる薄板状部材であり、回路基板84のスイッチ82の配列に対応する所定位置に、個々に弾性変位可能な中実柱状の複数の押下要素86が、表面88aから突出形成される。個々の押下要素86は、回路基板84の個々のスイッチ82に実質的に重なるように配置される。各押下要素86は、その突出端面に押圧力が加わることにより、キーパネル88上で回路基板84側へ沈下するように弾性的に変位して、対応のスイッチ82に押圧力を伝達し、それにより上記可動接点を弾性変形させてスイッチ82を閉成させる。キーパネル88は、例えば射出成形により、複数の押下要素86を含む一体成形品として作製することができる。
上部筐体90は、樹脂成形品からなる薄肉の箱状部材であり、キーパネル88の複数の押下要素86を挿通させる複数の貫通孔92をそれぞれの対応位置に備えるとともに、ポインティングデバイス10の操作部14の主操作部分46を挿通させる貫通孔94を対応位置に備える。上部筐体90は、図示しない下部筐体に固定的に組み合わされて、回路基板84及びキーパネル88を収容する手持操作可能な薄型の筐体を構成する。
ポインティングデバイス10の基部12(図1)の基板部22(図1)を構成する回路基板26は、端末装置80の回路基板84の所定領域に一体的に形成され、支持部材28は、その環状壁30(図1)に相当する部分が、端末装置80の上部筐体90の所定領域に一体的に形成される。また、基部12のケース部24は、中心開口40(図1)を有する天板部分36(図1)に相当する部分が、端末装置80の上部筐体90の所定領域に一体的に形成される。さらに、弾性部16は、端末装置80のキーパネル88の所定領域に一体的に形成される。したがって、ポインティングデバイス10の4個の磁電変換素子18は、端末装置80の回路基板84の裏面84bにおいて、回路基板26に相当する位置に実装される。なお、前述したように回路基板84が、複数のスイッチ82を実装した可撓性印刷回路板とIC等の電子部品を実装した剛性印刷回路板との組合せからなる場合は、磁電変換素子18を剛性印刷回路板に実装することもできる。
ポインティングデバイス10の操作部14は、磁石20を担持して、端末装置80のキーパネル88に設けた弾性部16の領域と、上部筐体90に設けたケース部24の領域との間に配置される。上記した端末装置80の各種構成要素を適正に組み合わせた状態で、ポインティングデバイス10の操作部14は、その主操作部分46が、端末装置80の上部筐体90の貫通孔94(ケース部24の中心開口40に相当)から外部に突出して配置される(図11)。したがってオペレータは、端末装置80の筐体を握持しながら、前述したように、ポインティングデバイス10の操作部14を任意の方向へ傾倒操作でき、また所望により下降操作できる。
ここで図示のように、キーパネル88には、その裏面88bに、弾性部16の第1連結部分52に相当する突起が設けられる。他方、回路基板84には、この第1連結部分52を嵌着可能な切欠き96が形成される。そして、端末装置80の各種構成要素を適正に組み合わせた状態で、弾性部16の第1連結部分52が回路基板84の切欠き96に嵌着されることにより、操作部14の変位動作に伴い弾性部16が安定して弾性変形できるように構成されている。
上記構成を有する端末装置80は、低背型で安定操作可能なポインティングデバイス10を搭載したから、全体として筐体の薄型化を促進でき、しかも操作性に優れたものとなる。
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明は図示構成に限定されず、特許請求の範囲に記載される範囲で、様々な修正を施すことができる。例えば、ポインティングデバイス10、60における磁電変換素子18及び磁石20の配置を逆にして、基部12に磁石20を設置するとともに、操作部14に磁電変換素子18を設置するように構成することもできる。また、非接触型の検出要素である磁電変換素子18及び磁石20に代えて、光センサ(発光素子及び受光素子)を採用することもできる。
本発明の第1実施形態によるポインティングデバイスの分解斜視図である。 図1のポインティングデバイスの組立正面図である。 図1のポインティングデバイスの組立断面図で、(a)操作部が原点位置にある状態、及び(b)操作部が傾倒変位した状態をそれぞれ示す。 図1のポインティングデバイスに装備される操作部の、(a)斜視図、及び(b)断面図である。 図1のポインティングデバイスに装備される弾性部の、(a)上方斜視図、(b)下方斜視図、及び(c)断面図である。 図1のポインティングデバイスの組立断面図で、(a)操作部が原点位置にある状態、及び(b)操作部が下降変位した状態をそれぞれ示す。 本発明の第2実施形態によるポインティングデバイスの組立断面図で、(a)操作部が原点位置にある状態、(b)操作部が下降変位した状態、及び(c)スイッチ機構が閉成した状態をそれぞれ示す。 図7のポインティングデバイスの変形例を示す図で、(a)操作部が原点位置にある状態、(b)操作部が下降変位した状態、及び(c)スイッチ機構の接点構造をそれぞれ示す。 図7のポインティングデバイスの他の変形例を示す図で、(a)操作部が原点位置にある状態、(b)操作部が下降変位した状態、(c)スイッチ機構の接点構造、及び(d)弾性部に設けた可動接点をそれぞれ示す。 図1のポインティングデバイスを搭載した本発明の一実施形態による端末装置の主要部を示す図で、(a)上方から見た分解斜視図、及び(b)下方から見た分解斜視図である。 図10の端末装置のポインティングデバイス搭載領域を示す断面図である。
符号の説明
10、60…ポインティングデバイス
12…基部
14…操作部
16…弾性部
18…第1検出要素(磁電変換素子)
20…磁石
22…基板部
24…ケース部
26…回路基板
28…支持部材
36…天板部分
40…中心開口
44…円板部分
46…主操作部分
50…主弾性部分
52…第1連結部分
54…第2連結部分
62…スイッチ機構
66、72…固定接点
68、74…可動接点
80…端末装置
84…回路基板
88…キーパネル
90…上部筐体

Claims (4)

  1. 基部と、該基部に対して傾倒変位可能及び下降変位可能に該基部上に支持される操作部と、該基部上での該操作部の傾倒変位又は下降変位に伴い、該操作部を原点位置に復帰させる弾性力を発揮する弾性部と、該基部に設置される非接触型の第1検出要素と、該第1検出要素の近傍で該操作部に設置される非接触型の第2検出要素とを具備するポインティングデバイスにおいて、
    前記基部は、前記第1検出要素が設置される基板部と、該基板部と協働して前記操作部の一部分を収容する内部空間を画定するケース部とを備え、
    前記ケース部は、前記内部空間に収容した前記操作部の前記一部分に係合可能であって、該ケース部と該操作部との係合箇所が、該操作部の前記傾倒変位の支点となり、
    前記操作部の前記傾倒変位と前記下降変位とで互いに異なる信号入力を実行でき
    前記弾性部と前記基部の前記基板部との間に設けられ、前記操作部を該基板部に接近する方向へ押下操作することにより閉成されるスイッチ機構をさらに具備し、
    前記スイッチ機構は、
    前記基板部に形成される一対の固定接点と、
    前記一対の固定接点に接離可能に前記弾性部に形成され、前記一対の固定接点を相互に短絡できる可動接点とを有し、
    前記一対の固定接点は、前記基板部の上で互いに離隔して配置され、前記可動接点は、前記一対の固定接点の双方に接触可能な環状輪郭を有すること、
    を特徴とするポインティングデバイス。
  2. 前記操作部は、前記一部分として、前記第2検出要素を同心配置で支持する円板部分を有し、前記ケース部が該円板部分の外周縁に係合して前記支点を形成する、請求項1に記載のポインティングデバイス。
  3. 前記弾性部は、前記基部上での前記操作部の傾倒方向に関わらず一様な前記弾性力を発揮する中空筒状の主弾性部分と、該主弾性部分の軸線方向一端に設けられて該基部に連結される第1連結部分と、該主弾性部分の軸線方向他端に設けられて該操作部に連結される第2連結部分とを有する、請求項1に記載のポインティングデバイス。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載のポインティングデバイスを搭載した端末装置。
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