JP4565577B2 - 脱穀装置 - Google Patents

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Description

本発明は、籾等の穀粒を脱穀するための、扱室に穀粒濾過装置が配設された脱穀装置の構造に関するものである。
従来、例えば、特許文献1〜3等に開示されているように、コンバイン等の脱穀装置における扱室に、外周に扱歯を植え付けた扱胴を回転駆動するように設け、扱室の下面側には、前記扱胴の外周(扱歯の外周より半径外側寄り部位にクリンプ網を配置し、フイードチェンにより搬送される穀稈の穂先部を前記クリンプ網と扱胴の外周との間に位置させながら、当該扱胴の始端側から終端部に穀稈を送りつつ脱穀し、この脱穀された穀粒(藁屑が混じっている)を前記クリンプ網により濾過して扱室の下方に備えられた揺動選別機構と、その前方下部に配置された唐箕フアンによる選別風とにより穀粒と藁屑とに選別され、精粒としての穀粒を一番樋に集める一方、枝梗付着粒や穂切れ粒等の二番還元物は二番受樋に集め、その二番還元スロワーから二番還元筒を介して前記扱室に還元して再処理するように構成された脱穀装置が周知である。
そして前記クリンプ網は、通常、針金からなる線体を縦横に隙間を空けて編んだもの、即ち金網を使用していた。
実開昭60−121741号公報 実開昭62−184421号公報 特開平10−201357号公報
しかしながら、金網製のクリンプ網では、周知のごとく、縦方向の線体と横方向の線体とを、紗織り等のように、交互に上下に交点を有するように編んだものであるため、クリンプ網の内面側(扱胴の外周面に近い側)に網目の交点部分で両線体の屈曲部が存在することになり、穀稈を扱胴の軸線方向に搬送するときに大きな抵抗が生じると共に、その抵抗力のため、前記網目の交点部分の縦横の線体が弾性変形して離れた箇所に藁屑が挟まり易く、且つ抜け難くなり、それにより目詰まりが発生して穀粒の濾過性能が低下し易いという問題があった。また、前述のように藁屑がクリンプ網に引っ掛かったままであると、脱穀性能、脱穀能率も低下し、されに藁屑の除去にも手間取るという問題もあった。
本発明は、これらの問題を解決すべくなされたものであり、簡単な構成により、脱穀作用の抵抗力を低下できる穀粒濾過装置を備えた脱穀装置を提供することを目的とするものである。
そのため、請求項1に記載の発明の脱穀装置は、回転駆動する扱胴を備えた扱室の下面側に、前記扱胴の外周の突出する扱歯よりも半径外側寄り部位に略円弧状に沿って穀粒濾過装置が配設されてなる脱穀装置であって、前記穀粒濾過装置は、前記扱胴の始端側には、当該扱胴の軸線方向の長さの半分以下の部分に目抜き板が配置され、扱胴の後半側には、丸棒状の線体を所定の間隔を空けて格子状に配置した多孔体が配置され、前記多孔体の一方の線体は、扱胴の回転方向に沿って伸び、且つ前記扱胴の半径の外寄りに配置され、前記多孔体の他方の線体は、矩形状の目抜き孔が多数穿設されている前記目抜き板の後端に連設されていて、前記一方の線体の内周にて扱胴の軸線方向に伸びるように配置されている一方、前記扱胴の軸線方向の中途部に対応する目抜き板と多孔体との連設部における目抜き板の内周面側に、円弧状の仕切り板が扱胴の回転方向に沿って伸びるように配置され、該仕切り板のうち扱胴の軸線に沿う背面側に固着した取付け片は、前記多孔体の格子部を介して半径外向きに延長され、前記線体の間から前記目抜き板の内周面に固着されているものである。
請求項1の発明のように構成すれば、穀稈を移送するとき、扱胴(扱室)の始端側で平板状の目抜き板の表面に沿って穀稈およびその穂先部が滑るので抵抗が少なく、湿材を脱穀するときの濾過性能を向上させることができる。また後半部には交叉する線体による多孔体を配置することにより、藁量の多い穀稈を脱穀処理するときの扱き残しを少なくすることができるという効果を奏する。
そして、前記目抜き板と多孔体との連設部における扱胴の軸線方向の中途部に対応する内周面に、円弧状の仕切り板を配置し、該仕切り板に固着した取付け片は、前記線体による多孔体の格子部を介して前記目抜き板に固着されているものであるから、取付け片で格子部を塞ぐことがなく、濾過性能を向上させることができる。
次に本発明をコンバインに適用した実施形態について説明すると、図1は左右一対の走行クローラ2を有するコンバインの走行機体1の側面図であり、図2は走行機体1の平面図、図3は走行機体1上の脱穀装置3の側断面図、図4は扱室の下面側に配置すべき穀粒濾過装置の分解斜視図、図5は穀粒濾過装置の第1の参考例の平面図、図6(a)は一部切欠き要部拡大側面図、図6(b)は仕切り板取付け部の断面図、図6(c)は取付け部の平面図、図10〜図11(a)、図11(b)及び図11(c)は穀粒濾過装置の第1実施形態の図である。
コンバインにおける走行機体1の進行方向に向かって左側には脱穀装置3を搭載し、走行機体1の前部には図示しない油圧シリンダにより昇降動可能な刈取前処理装置4を配置する。刈取前処理装置4の下部フレームの下部側にはバリカン式の刈取装置5を、前方には6条分の穀稈引起装置6が配置され、穀稈引起装置6と脱穀装置3におけるフイードチェン7の前端との間には穀稈搬送装置8が配置され、穀稈引起装置6の下部前方には分草体9が突出している。
脱穀装置3における扱室10内の扱胴11の回転軸線が走行機体1の進行方向に沿うように配置し、扱室10の左端に配置されたフイードチェン7にて根元部を挟持されて搬送される穀稈の穂先部が扱胴11の下面側で脱穀されるいわゆる下扱きタイプである。扱室10の下部の処理室12の下面側には、排塵口13を除いて後述するような構造の穀粒濾過装置14が張設され、この穀粒濾過装置14を漏下した被処理物は、その下方で走行機体1の進行方向に沿って前後揺動する揺動選別機構15における前後対のフイードパン16,17に受けられ、チャフシーブ18にて揺動選別を受ける。そのとき、その下方の唐箕フアン19及び前記前後対のフイードパン16,17に送風する送塵フアン20にて被処理物は風選別を受けつつグレンパン21及び選別網22から一番受け樋23方向に落下する。なお、扱室10の側方には、後述するような処理室内に処理胴29が配置され、扱胴11後部側方にて被処理物の一部が処理胴29方向に送られてさらに脱穀処理される。
揺動選別機構15の後部チャフシーブから落下した二番処理物は、二番受け樋24にて受けられ、そのスクリューコンベヤ24a及び二番還元コンベヤ25を介して篩線26上に放出されて、再度の選別を受ける。前記揺動選別及び風選別を受けて清粒となった穀粒は一番受け樋23の水平スクリューコンベヤ23a及び前記一番受け樋23の先端に連接し、垂直に立設した放出筒28内の垂直スクリューコンベヤを介して脱穀室10に隣接した穀粒タンク27(走行機体1の進行右側)に集められる。
なお、穀粒タンク27に一定程度集積された穀粒(被処理物)は、畝際等に停車させた運搬用トラック(図示せず)の荷台に積み替えるため、排出オーガ30を介して搬出される。この場合、排出オーガ30の横筒30aは縦筒30bに対して左右に旋回可能、且つ俯仰回動可能に構成されている。他方、処理室12内の塵は吸引フアン31にて機外に排出され、フイードチェン7の後端で受け継がれた排藁は、排藁チェン32を介して長い状態で走行機体1の後方に排出されるか、又は排藁カッタ33にて適宜短く切断した後排出される。なお、符号34は、走行機体1の前部右側(穀粒タンク27の前側)に配置した運転室である。
次に、図4〜図7を参照しながら、扱室10の下面側に配設した穀粒濾過装置14の参考例の構成を説明する。図4において、扱室10の前板10aと後板10bとの間に、ここでは図示しない扱胴11の支軸を回転可能に軸支する。そして、前記前板10aと後板10bとの間を連結する複数の連結部材40a、40b等には、後述する多孔体41を支持する支持枠部42のうちの周囲枠部から突出する取付けピン43、44を差し込んで位置決めし、ボルト・ナット45a,45bにより固定する。本参考例における多孔体41は、前記扱胴11の外周の突出する扱歯11a(図11参照)よりも半径外側寄り部位に略円弧状に沿って配設され、縦横の丸棒状の線体46a,46bを所定の間隔を空けて格子状に配置した構成であり、一方の線体46aは、扱胴11の軸線方向(図5の矢印S方向)に伸び、且つ前記半径の外寄りに配置され、他方の線体46bは、前記一方の線体46aの内周にて扱胴11の回転方向(図5の矢印D方向)に沿って伸びるように配置されるように組み合わせて構成されたものである。また、前記多孔体41における格子部41aは、扱胴11の軸線方向(図5の矢印S方向)に沿って長く、扱胴11の円周方向に沿って短い矩形状に形成することが好ましい。多孔体41の端部は支持枠部42のうち、周囲枠部42a等に溶接固定する。なお、図4及び図5において支持枠部42の一つの角部が切欠かれている部分は、下方の処理室12へ藁屑が落下する排塵口13となる。
そして、穀粒濾過装置14には、前記多孔体41における扱胴11の軸線方向の中途部に対応する内周面に、円弧状の仕切り板47を配置する。この仕切り板47は、扱室の始端側から終端方向に穀稈を移送しながら、その移送方向と直交する方向に回転する扱胴とその外周の多孔体41との間で扱き作用を受ける穂先部を、一時的に移送を滞留させて扱き作用を促進させるものである。なお、仕切り板47は扱胴11の下面側で背が低く、上方に行くにしたがって背が高くなるように形成されている。
この仕切り板47の長手方向の適宜間隔で隔てられた複数箇所に溶接等にて固着した取付け片49は、前記線体46a,46bによる格子部41aを介して半径外向きに延長し、多孔体41の支持枠部42のうち、円弧状の周囲枠部間を扱胴11の軸線方向に繋ぐ板状等の複数の補強枠部42bに溶接固定するものである(図6(a)、図6(b)、図6(c)及び図7参照)。
図6(b)、図6(c)及び図7に示すように、仕切り板47と補強枠部42bとは直交するよう配置される結果、この両者に溶接する前記金属製の取付け片49は、断面L字状に屈曲形成されており、また、図5において、扱室10内で穀稈が左側(扱胴11の始端側)から右側(扱胴11の終端側)に移送されるときに、穀稈が絡み付き難いように、仕切り板47の背面側に固定することが好ましい(図6(b)及び図6(c)参照)。
この参考例に示すように、多孔体41を直交配列する線体46a,46bにて構成すれば、通常の金網構造のものに比べて、線体46a,46bはその交点(格子部41aの四隅部)で扱胴11の半径方向に凹凸するように屈曲されないから、藁屑の引っ掛かりや目詰まりが発生し難いのである。また、扱胴11の扱歯11aの回転方向と、内周側(前記扱歯11aの先端に近い側)の線体42bの伸びる方向とが平行状となるので、穀稈穂先部の籾を効率よく扱くことができ、いわゆる扱き残しが少なくなるのである。
さらに、仕切り板47を扱胴11の幅方向に薄い板状に形成し、この片面(裏面)に前記取付け片49を固定したから、当該仕切り板47の配置箇所の近傍における格子部41aの開口面積を大きく塞ぐことが防止でき、穀粒濾過装置14の濾過効率を向上させることができる。
図8及び図9に示す第2の参考例では、扱室10の側方または後寄りに隣接して配置された二番処理室の下方に配置される穀粒濾過装置14に適用したものであり、該二番処理室内の処理胴29(図3参照)の外周にも、前記扱歯11aと同様な処理歯29aが多数突設されている。本発明では、扱室とは前記二番処理室を含む概念であり、扱胴とは前記処理胴29を含む概念である。前記穀粒濾過装置14における多孔体41を構成する直交配置する線体46a、46bのうち、一方の線体46bは、処理胴29の回転方向(図8の矢印S方向)に沿って伸び、且つ前記半径の外寄りに配置され、他方の線体46aは、前記一方の線体46bの内周にて処理胴29の軸線方向(図8の矢印D方向)に伸びるように配置されるように組み合わせて構成されたものである。
このように、直交配置された線体46a、46bで格子部を形成すると、前記第1実施形態と同様に、通常の金網構造のものに比べて、線体46a,46bはその交点(格子部の四隅部)で処理胴29の半径方向に凹凸するように屈曲されないから、藁屑の引っ掛かりや目詰まりが発生し難い。そして、処理胴29の外周面に半径方向で近い側に、当該処理胴29の軸線方向に伸びるように線体を配置することで、被処理物を処理胴29の始端側から終端側に移送するときの滑りが良好となり、雨上がり後に刈取り脱穀したときのように、被処理物が湿材のときの濾過性能を向上させることができるという効果を奏する。
前記第2の参考例の線体46a、46bの配置構造を第1の参考例の扱室11に対して適用できることはいうまでもない。
図10、図11(a)、図11(b)及び図11(c)に示す第1実施形態の穀粒濾過装置14は、前記第1の参考例と同じく扱室10の下面側に、前記扱胴の外周の突出する扱歯11aよりも半径外側寄り部位に略円弧状に沿って配設されるものであって、支持枠部42のうち、扱胴11の始端には、当該扱胴11の軸線方向(図10の矢印S方向)の長さの半分以下の部分(実施形態では略三分の一程度)に目抜き板50を配置し、該目抜き板50の後端に連設して扱胴11の後半側には、前記第1の参考例又は第2の参考例と同様の丸棒状の線体46a、46bを所定の間隔を空けて格子状に配置した多孔体41を配置したものである。目抜き板50には、前記直交する線体46a、46bにより形成される矩形状の格子部と同じような矩形状の目抜き孔51が多数穿設されているものである(図10参照)。第1実施形態における2方向の線体46a、46bの配列の形態は、一方の線体46bは、扱胴11の回転方向(図10の矢印S方向)に沿って伸び、且つ前記半径の外寄りに配置され、他方の線体46aは、前記一方の線体46bの内周にて扱胴11の軸線方向(図10の矢印D方向)に伸びるように配置されるように組み合わせて構成されたものである。
そして、前記目抜き板50と多孔体41との連設部における扱胴11の軸線方向の中途部に対応する内周面に、前記第1の参考例と同様の円弧状の仕切り板47を配置し、該仕切り板47に溶接等にて固着した取付け片52は、前記線体46a、46bによる格子部41aを介して前記目抜き板50に溶接固定したものである。この場合、金属板製の取付け片52は、図11(b)及び図11(c)に示すようにL字状に屈曲させたもので、仕切り板47の背面側(扱胴の終端側)に溶接してなる。
扱室10の始端側に目抜き板50を配置することにより、穀稈を移送するとき、平板状の目抜き板50表面に沿って穀稈およびその穂先部が滑るので抵抗が少なく、前記湿材を脱穀するときの濾過性能を向上させることができる。また後半部に直交する線体46a、46bによる多孔体41を配置することにより、藁量の多い穀稈を脱穀処理するときの扱き残しを少なくすることができる。
コンバインの側面図である。 コンバインの平面図である。 脱穀装置の側断面図である。 扱室の部品分解斜視図である。 第1の参考例の濾過装置の平面図である。 (a)は要部拡大側面図、(b)は図6(a)のVIb −VIb 矢視断面図、(c)は図6(a)のVIc −VIc 矢視平面図である。 仕切り板の取付け部の斜視図である。 第2の参考例の濾過装置の平面図である。 一部切欠き要部拡大側面図である。 第1実施形態の濾過装置の平面図である。 (a)は要部拡大側面図、(b)は図11(a)のXIb −XIb 矢視断面図、(c)は図6(a)のXIc −XIc 矢視平面図である。
3 脱穀装置
10 扱室
11 扱胴
11a 扱歯
14 穀粒濾過装置
41 多孔体
42 支持枠部
46a,46b 線体
47 仕切り板
49,52 取付け片
50 目抜き板

Claims (1)

  1. 回転駆動する扱胴を備えた扱室の下面側に、前記扱胴の外周の突出する扱歯よりも半径外側寄り部位に略円弧状に沿って穀粒濾過装置が配設されてなる脱穀装置であって、
    前記穀粒濾過装置は、前記扱胴の始端側には、当該扱胴の軸線方向の長さの半分以下の部分に目抜き板が配置され、扱胴の後半側には、丸棒状の線体を所定の間隔を空けて格子状に配置した多孔体が配置され、
    前記多孔体の一方の線体は、扱胴の回転方向に沿って伸び、且つ前記扱胴の半径の外寄りに配置され、前記多孔体の他方の線体は、矩形状の目抜き孔が多数穿設されている前記目抜き板の後端に連設されていて、前記一方の線体の内周にて扱胴の軸線方向に伸びるように配置されている一方、
    前記扱胴の軸線方向の中途部に対応する目抜き板と多孔体との連設部における目抜き板の内周面側に、円弧状の仕切り板が扱胴の回転方向に沿って伸びるように配置され、該仕切り板のうち扱胴の軸線に沿う背面側に固着した取付け片は、前記多孔体の格子部を介して半径外向きに延長され、前記線体の間から前記目抜き板の内周面に固着されていることを特徴とする脱穀装置。
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