JP4565712B2 - ニトリルの製造触媒およびこれを用いたニトリルの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プロピレン、イソブテンまたは3級ブタノールと分子状酸素およびアンモニアとを反応させてアクリロニトリルまたはメタクリロニトリルを製造する際に用いるアンモ酸化用酸化物触媒およびこれを用いたアクリロニトリルまたはメタクリロニトリルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
プロピレン、イソブテンまたは3級ブタノールと分子状酸素およびアンモニアとの反応である、いわゆるアンモ酸化反応によりアクリロニトリルまたはメタクリロニトリルを製造する方法はよく知られており、このアンモ酸化反応に用いられる触媒も多数提案されている。例えば、特公昭38−17967号公報にはモリブデン、ビスマスおよび鉄を含む酸化物触媒が、特公昭38−19111号公報にはアンチモンおよび鉄を含む酸化物触媒が提案されており、これらの触媒系に対して種々の観点から改良が続けられている。
【0003】
これらの改良の中で、特開昭49−101331号公報および特開昭57−180431号公報にモリブデン、ビスマス、セリウムさらにアルカリ金属、タリウム等の元素を含む酸化物触媒が、特公昭61−43094号公報にはモリブデン、タングステン、ビスマスおよびセリウムからなる酸化物触媒の開示がなされている。また、特公昭58−38424号公報にはモリブデン、テルルおよびセリウムさらに鉄、クロム、アルミニウムおよびビスマスから選ばれた1種以上の元素を含む酸化物触媒が、特公昭51−33888号公報にはモリブデン、ビスマス、鉄に加えてニッケル、コバルトから選ばれる1種以上の元素を含み、さらに、アルカリ金属、希土類元素、タンタルおよびニオブから選ばれる1種以上の元素からなる酸化物触媒が、特公昭61−26419号公報にはモリブデン、ビスマスおよび鉄を基本成分とし、セリウム、ランタン、ネオジム、プラセオジム、サマリウム、ヨーロピウムおよびガドリニウムから選ばれる1種以上の元素とカリウム、ルビジウムおよびセシウムから選ばれる1種以上の元素を含む酸化物触媒が、特開昭59−204163号公報にはモリブデン、ビスマス、リンおよびケイ素の他に鉄、コバルト、ニッケル、銅、ジルコニウムおよびカリウムから選ばれる2種以上の元素、ならびに、マンガン、セリウム、トリウム、イットリウム、ランタンおよびタリウムから選ばれる1種以上の元素を含有する酸化物触媒が、さらに、特開平7−328441号公報にはモリブデン、ビスマス、セリウム、鉄、ニッケルを必須成分とし、マグネシウムおよび亜鉛から選ばれる1種以上の元素、さらにカリウム、ルビジウムおよびセシウムから選ばれる1種以上の元素を含む酸化物触媒が、特開平8−266899号公報にはモリブデン、ビスマス、鉄を基本成分とし、希土類元素およびイットリウムから選ばれる1種以上の元素とニッケル、コバルト、マンガン、クロム、インジウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、ナトリウムおよびリンから選ばれる1種以上の元素、ならびに、カリウム、ルビジウム、セシウムおよびタリウムから選ばれる1種以上の元素を含む酸化物触媒が開示されている。
【0004】
一方、WO99/54037号公報にはモリブデン、ビスマス、鉄、ニッケル、クロムおよびカリウムを必須成分とし、ジルコニウム、ランタンおよびセリウムから選ばれる1種以上の元素、マグネシウム、コバルト、マンガンおよび亜鉛から選ばれる1種以上の元素、さらに、バナジウム、ニオブ、タンタルおよびタングステンから選ばれる1種以上の元素からなり、任意成分としてアンチモンを含む酸化物触媒が開示されている。
【0005】
また、米国特許5,093,299号公報、5,175,334号公報および5,212,137号公報には、モリブデン、ビスマス、鉄、ニッケル、マグネシウム、カリウムおよびセシウムを必須成分とし、さらに、任意成分としてコバルト、マンガン、クロム、リン、アンチモン、テルル、ナトリウム、セリウムおよびタングステンを含む酸化物触媒と、これを用いるアクリロニトリルとメタクリロニトリルの製造方法が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記に開示された触媒は、高い初期収率ならびに運転における収率の安定性を大きく改良してきたが、これら2つの性能の両立に対して未だ十分満足できるものではない。本発明は、プロピレン、イソブテンまたは3級ブタノールのアンモ酸化反応におけるアクリロニトリルまたはメタクリロニトリルの製造に際して、アクリロニトリルまたはメタクリロニトリルの高い初期収率と運転中の収率の長期安定性を同時に与える方法を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、酸化物触媒として一般式Mo12BiaAbFecNidXeYfOg(式中、Aは希土類元素、Xはマグネシウム、亜鉛およびマンガンから選ばれる1種以上の元素、Yはナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムおよびタリウムから選ばれる1種以上の元素、a、b、c、d、e、fおよびgはそれぞれモリブデン12原子に対するビスマス、A、鉄、ニッケル、X、Yおよび酸素の原子比率を表し、0.05≦a≦1、0≦b≦1、1≦c≦5、1.5≦d≦10、0.2≦e≦5、0.02≦f≦1であり、gは存在する他の元素の原子価要求を満足させるのに必要な酸素の原子数である。)で表され、α=b/(a+b),β=1.5(a+b)/(1.5c+d+e)
としたときに、0≦α<2/3,0.035≦β≦0.07を同時に満たす。)によって示される酸化物は、プロピレン、イソブテンまたは3級ブタノールと分子状酸素およびアンモニアとを反応させてアクリロ二トリルまたはメタクリロニトリルを製造する際、初期に高いアクリロニトリル収率またはメタクリロニトリル収率を与えると共に、長時間の運転においても反応の安定性が良く、アクリロニトリル収率またはメタクリロニトリル収率の低下が小さいことを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、初期に高いアクリロニトリル収率またはメタクリロニトリル収率を与えると共に、長時間の運転においても反応の安定性が良く、アクリロニトリル収率またはメタクリロニトリル収率の低下が小さいアンモ酸化用酸化物触媒およびこれを用いたアクリロニトリルまたはメタクリロニトリルの製造方法を提供するものである。
【0009】
また上記一般式において、より好ましい組成としては、Aがイットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム,ネオジムおよびサマリウムから選ばれる1種以上の元素であり、かつ0.1≦a≦0.5、0.02≦b≦0.5、1.5≦c≦3.5、1.7≦d≦9、0.5≦e≦4.5、0.05≦f≦0.5であり、
0.1 ≦ α ≦ 0.6 , 0.035 ≦ β ≦ 0.065を同時に満たすものであり、
さらに好ましい組成としては、Aがセリウムであり、かつ0.15≦a≦0.4、0.05≦b≦0.3、1.7≦c≦3、2≦d≦8、1.0≦e≦3.5、0.05≦f≦0.3であり、
0.2 ≦ α ≦ 0.5 , 0.04 ≦ β ≦ 0.06
を同時に満たすものである。
【0010】
αが2/3以上の場合は、βの値にかかわらず、アクリロニトリルまたはメタクリロニトリルの初期収率が低くなる。また、αが0以上2/3未満の場合であっても、βが0.035より小さいとアクリロニトリルまたはメタクリロニトリルの初期収率が低く、βが0.07より大きいと、アクリロニトリルまたはメタクリロニトリルの初期収率は良好であるが、運転の経過とともに触媒の活性およびアクリロニトリルまたはメタクリロニトリルの選択率が経時的に低下し、結果としてアクリロニトリルまたはメタクリロニトリルの収率の低下を招く。
【0011】
また本発明の触媒中、クロムまたはテルルを触媒成分として含有させると何れもアクリロニトリルまたはメタクリロニトリルの初期収率は良好であるが、運転の経過とともにクロムの場合には触媒の活性が経時的に低下するために触媒あたりのアクリロニトリルまたはメタクリロニトリルの生産性が低下し、テルルの場合にはアクリロニトリルまたはメタクリロニトリルの選択率が経時的に低下するためにアクリロニトリルまたはメタクリロニトリルの収率が低下する。従って、本発明の触媒はクロムおよびテルルを含有しないことが好ましい。
【0012】
本発明の酸化物触媒の担体としては、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア等の酸化物が用いられるが、好適な担体としてシリカが用いられる。シリカは他の担体に比べそれ自身不活性であり、目的生成物に対する触媒組成物の選択性を減ずることなく、触媒成分に対し良好なバインド作用を有する。さらに、担持された触媒組成物に、耐摩耗性を与えることができるため、本発明の担体として好ましい。担体は、担体と触媒組成物の合計に対して30〜70重量%、好ましくは40〜60重量%の範囲で有効に用いることができる。本発明の酸化物触媒は、公知の方法、例えば原料スラリーを調製する第1の工程、該原料スラリーを噴霧乾燥する第2の工程、および第2の工程で得られた乾燥品を焼成する第3の工程を包含する方法によって得ることができる。
【0013】
次に、本発明の触媒組成物の第1〜第3工程よりなる製造方法の好ましい態様について説明する。第1の工程では、触媒原料を調製して原料スラリーを得るが、モリブデン、ビスマス、希土類元素、鉄、ニッケル、マグネシウム、亜鉛、マンガン、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムおよびタリウムの各元素の元素源としては、水または硝酸に可溶なアンモニウム塩、硝酸塩、塩酸塩、硫酸塩、有機酸塩などを挙げることができる。特にモリブデン源としてはアンモニウム塩が、ビスマス、希土類元素、鉄、ニッケル、マグネシウム、亜鉛、マンガン、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムおよびタリウムの各元素の元素源としては、それぞれの硝酸塩が好ましい。
【0014】
上記したように、触媒の担体としてシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア等の酸化物を用いることができるが、好適な担体としてはシリカが用いられ、シリカ源としてはシリカゾルが好ましい。シリカゾルの不純物に関して、好ましくは、珪素100原子当たり0.04原子以下のアルミニウムを含むシリカソゾルを用い、さらに好ましくは、珪素100原子当たり0.02原子以下のアルミニウムを含むシリカゾルを用いる。原料スラリーの調製は、水に溶解させたモリブデンのアンモニウム塩をシリカゾルに添加し、次に、ビスマス、希土類元素、鉄、ニッケル、マグネシウム、亜鉛、マンガン、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムおよびタリウムの各元素の元素源の硝酸塩を水または硝酸水溶液に溶解させた溶液を加えることによって行なうことができる。このようにして、原料スラリーを調製することができる。その際、上記の添加の順序を変えることもできる。
【0015】
第2の工程では、上記の第1工程で得られた該原料スラリーを噴霧乾燥して略球状の粒子を得る。原料スラリーの噴霧化は、通常工業的に実施される遠心方式、二流体ノズル方式および高圧ノズル方式等の方法によって行うことができるが、特に遠心方式で行うことが望ましい。次に、得られた粒子を乾燥するが、乾燥熱源としては、スチーム、電気ヒーター等によって加熱された空気を用いることが好ましい。乾燥機入口の温度は100〜400℃、好ましくは150〜300℃である。
【0016】
第3の工程では、第2の工程で得られた乾燥粒子を焼成することで所望の触媒組成物を得る。乾燥粒子の焼成は、必要に応じて150〜500℃で前焼成を行い、その後500〜700℃、好ましくは550〜700℃の温度範囲で1〜20時間行う。焼成は回転炉、トンネル炉、マッフル炉等の焼成炉を用いて行うことができる。上記本発明の触媒組成物は、担体(好ましくはシリカ)に担持された場合は、粒子の大きさとして10〜150μmの範囲に分布していることが好ましい。
【0017】
本発明の酸化物触媒を用いるプロピレン、イソブテンまたは3級ブタノールと分子状酸素およびアンモニアとの反応によるアクリロニトリルまたはメタクリロニトリルの製造は、流動層反応器または固定床反応器のいずれでも実施できるが、流動層反応器で行うことが好ましい。原料のプロピレン、イソブテン、3級ブタノールおよびアンモニアは、必ずしも高純度である必要はなく、工業グレードのものを使用することができる。また、分子状酸素源としては、通常空気を用いるのが好ましいが、酸素を空気と混合するなどして酸素濃度を高めたガスを用いることもできる。原料ガスの組成として、プロピレン、イソブテンまたは3級ブタノールに対するアンモニアと空気のモル比は、(プロピレン、イソブテンまたは3級ブタノール)/アンモニア/空気=1/0.8〜1.4/7〜12、好ましくは1/0.9〜1.3/8〜11の範囲である。また、反応温度は350〜550℃、好ましくは400〜500℃の範囲である。反応圧力は微減圧〜0.3MPaの範囲で行うことができる。原料ガスと触媒との接触時間は0.5〜20(sec・g/cc)、好ましくは1〜10(sec・g/cc)である。
【0018】
【発明の実施の形態】
実施例および比較例において、反応成績を表すために用いた転化率,選択率および収率は、次式で定義される。
転化率(%)=(反応したプロピレンのモル数)/(供給したプロピレンのモル数)*100
選択率(%)=(生成したアクリロニトリルのモル数)/(反応したプロピレンのモル数)*100
収率(%)=(生成したアクリロニトリルのモル数)/(供給したプロピレンのモル数)*100
【0019】
また、反応装置は外径23mmのパイレックスガラス製流動層反応管を用い、反応圧力Pは0.15Mpa、充填触媒量Wは40〜60g、全供給ガス量Fは250〜450cc/sec(NTP換算)で、反応温度Tは430℃で行った。接触時間は次式で定義される。
接触時間(sec・g/cc)=(W/F)*273/(273+T)*P/0.10
供給した反応ガスの組成は、次のとおりであった。
プロピレン/アンモニア/空気=1/1.25/8.0〜10.0
なお、原料フィード開始より24時間後の収率を初期収率とし、700時間後の収率との比較により、収率の安定性を比較した。
本発明を実施例に基づいて説明する。
【0020】
【実施例1】
組成がMo12Bi0.18Ce0.08Fe2.3Ni5.5Mg2.3K0.09Rb0.05で表される酸化物(α=0.3、β=0.035)を、50重量%のシリカに担持した触媒を次のようにして調製した。30重量%のSiO2を含むシリカゾル1666.7gをとり、16.6重量%の硝酸413.3gに17.6gの硝酸ビスマス〔Bi(NO3)3・5H2O〕、7.01gの硝酸セリウム〔Ce(NO3)3・6H2O〕、187.5gの硝酸鉄〔Fe(NO3)3・9H2O〕、322.7gの硝酸ニッケル〔Ni(NO3)2・6H2O〕、118.9gの硝酸マグネシウム〔Mg(NO3)2・6H2O〕、1.84gの硝酸カリウム〔KNO3〕および1.49gの硝酸ルビジウム〔RbNO3〕を溶解させた液を加え、最後に水860.9gに427.4gのパラモリブデン酸アンモニウム〔(NH4)6Mo7O24・4H2O〕を溶解させた液を加えた。ここに得られた原料調合液を並流式の噴霧乾燥器に送り、出口温度約200℃で乾燥させた。該調合液の噴霧化は、乾燥器上部中央に設置された皿型回転子を備えた噴霧化装置を用いて行った。得られた粉体は、電気炉で350℃で1時間の前焼成の後、670℃で2時間焼成して触媒を得た。
【0021】
得られた触媒50gを用いて、接触時間5.0(sec・g/cc)でプロピレンのアンモ酸化反応を行ったところ、反応開始から24時間後の転化率は99.7%、アクリロニトリル選択率は85.0%、アクリロニトリル収率は84.7%、700時間後の転化率は99.6%、アクリロニトリル選択率は84.8%、アクリロニトリル収率は84.5%であった。
【0022】
【実施例2】
組成がMo12Bi0.34Ce0.15Fe2.5Ni5.0Mg2.5K0.2で表される酸化物(α=0.3、β=0.065)を、50重量%のシリカに担持した触媒を実施例1と同様にして調製し、プロピレンのアンモ酸化反応を行った結果を表1および表2に示す。
【0023】
【実施例3】
組成がMo12Bi0.23Ce0.15Fe2.1Ni5.9Mg2.4Rb0.14で表される酸化物(α=0.4、β=0.050)を、50重量%のシリカに担持した触媒を実施例1と同様にして調製し、プロピレンのアンモ酸化反応を行った結果を表1および表2に示す。
【0024】
【実施例4】
組成がMo12Bi0.32Fe2.4Ni7.4Mn0.8K0.09Cs0.05で表される酸化物(α=0、β=0.041)を、50重量%のシリカに担持した触媒を硝酸マンガン〔Mn(NO3)2・6H2O〕および硝酸セシウム〔CsNO3〕を使ったこと以外は実施例1と同様にして調製し、プロピレンのアンモ酸化反応を行った結果を表1および表2に示す。
【0025】
【実施例5】
組成がMo12Bi0.12Ce0.18Fe2.2Ni5.5Zn2.5K0.09Cs0.05で表される酸化物(α=0.6、β=0.040)を、50重量%のシリカに担持した触媒を硝酸亜鉛〔Zn(NO3)2・6H2O〕および硝酸セシウム〔CsNO3〕を使ったこと以外は実施例1と同様にして調製し、プロピレンのアンモ酸化反応を行った結果を表1および表2に示す。
【0026】
【比較例1】
組成がMo12Bi0.09Ce0.22Fe2.1Ni5.4Mg3.0K0.09Rb0.05で表される酸化物(α=0.7、β=0.040)を、50重量%のシリカに担持した触媒を実施例1と同様にして調製し、プロピレンのアンモ酸化反応を行った結果を表1および表2に示す。
【0027】
【比較例2】
組成がMo12Bi0.11Ce0.05Fe2.3Ni7.7Mn0.9Rb0.14で表される酸化物(α=0.3、β=0.020)を、50重量%のシリカに担持した触媒を硝酸マンガン〔Mn(NO3)2・6H2O〕を使ったこと以外は実施例1と同様にして調製し、プロピレンのアンモ酸化反応を行った結果を表1および表2に示す。
【0028】
【比較例3】
組成がMo12Bi0.43Ce0.18Fe2.5Ni5.0Zn2.6K0.2で表される酸化物(α=0.3、β=0.081)を、50重量%のシリカに担持した触媒を硝酸亜鉛〔Zn(NO3)2・6H2O〕を使ったこと以外は実施例1と同様にして調製し、プロピレンのアンモ酸化反応を行った結果を表1および表2に示す。
【0029】
【比較例4】
組成がMo12Bi0.15Ce0.15Fe2.1Ni8.4K0.1Rb0.04で表される酸化物(α=0.5、β=0.039)を、50重量%のシリカに担持した触媒を実施例1と同様にして調製し、プロピレンのアンモ酸化反応を行った結果を表1および表2に示す。
【0030】
【比較例5】
組成がMo12Bi0.45Fe1.8Cr0.45Ni5.0Mg2Mn0.45K0.09Cs0.07で表される酸化物(α=0、β=0.067)を、50重量%のシリカに担持した触媒を硝酸クロム〔Cr(NO3)3・9H2O〕、硝酸マンガン〔Mn(NO3)2・6H2O〕および硝酸セシウム〔CsNO3〕を使ったこと以外は実施例1と同様にして調製し、プロピレンのアンモ酸化反応を行った結果を表1および表2に示す。本比較例については、350時間後の転化率は98.9%、700時間後の転化率は97.5%であり、活性は経時的に低下していた。
【0031】
【比較例6】
組成がMo12Bi0.13Ce0.19Fe2.1Ni5.5Mg3.2K0.09Cs0.05Te0.1で表される酸化物(α=0.6、β=0.041)を、50重量%のシリカに担持した触媒を硝酸セシウム〔CsNO3〕およびテルル酸〔H6TeO6〕を使ったこと以外は実施例1と同様にして調製し、プロピレンのアンモ酸化反応を行った結果を表1および表2に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【発明の効果】
本発明は、プロピレン、イソブテンまたは3級ブタノールのアンモ酸化反応におけるアクリロニトリルまたはメタクリロニトリルの製造に際して、アクリロニトリルまたはメタクリロニトリルの高い初期収率と運転中の収率の長期安定性を同時に与える方法を提供する。
Claims (4)
- 酸化物触媒として一般式Mo12BiaAbFecNidXeYfOg(式中、Aは希土類元素、Xはマグネシウム、亜鉛およびマンガンから選ばれる1種以上の元素、Yはナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムおよびタリウムから選ばれる1種以上の元素、a、b、c、d、e、fおよびgはそれぞれモリブデン12原子に対するビスマス、A、鉄、ニッケル、X、Yおよび酸素の原子比率を表し、0.05≦a≦1、0≦b≦1、1≦c≦5、1.5≦d≦10、0.2≦e≦5、0.02≦f≦1であり、gは存在する他の元素の原子価要求を満足させるのに必要な酸素の原子数である。)で表され、α=b/(a+b),β=1.5(a+b)/(1.5c+d+e)
としたときに、0≦α<2/3,0.035≦β≦0.07を同時に満たすことを特徴とするプロピレン、イソブテンまたは3級ブタノールと、アンモニアおよび分子状酸素とを反応させてアクリロ二トリルまたはメタクリロニトリルを製造するアンモ酸化用酸化物触媒。 - 該Aがイットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム,ネオジムおよびサマリウムから選ばれる1種以上の元素であり、かつ0.1≦a≦0.5、0.02≦b≦0.5、1.5≦c≦3.5、1.7≦d≦9、0.5≦e≦4.5、0.05≦f≦0.5であることを特徴とする請求項1記載のアンモ酸化用酸化物触媒。
- プロピレン、イソブテンまたは3級ブタノールと、アンモニアおよび分子状酸素とを反応させてアクリロニトリルまたはメタクリロニトリルを製造するに際し、酸化物触媒として一般式Mo12BiaAbFecNidXeYfOg(式中、Aは希土類元素、Xはマグネシウム、亜鉛およびマンガンから選ばれる1種以上の元素、Yはナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムおよびタリウムから選ばれる1種以上の元素、a、b、c、d、e、fおよびgはそれぞれモリブデン12原子に対するビスマス、A、鉄、ニッケル、X、Yおよび酸素の原子比率を表し、0.05≦a≦1、0≦b≦1、1≦c≦5、1.5≦d≦10、0.2≦e≦5、0.02≦f≦1であり、gは存在する他の元素の原子価要求を満足させるのに必要な酸素の原子数である。)で表され、α=b/(a+b),β=1.5(a+b)/(1.5c+d+e)
としたときに、0≦α<2/3,0.035≦β≦0.07を同時に満たすことを特徴とするアンモ酸化用酸化物触媒を用いることを特徴とするアクリロニトリルまたはメタクリロニトリルの製造方法。 - 該Aがイットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム,ネオジムおよびサマリウムから選ばれる1種以上の元素であり、かつ0.1≦a≦0.5、0.02≦b≦0.5、1.5≦c≦3.5、1.7≦d≦9、0.5≦e≦4.5、0.05≦f≦0.5であることを特徴とする請求項3記載のアクリロニトリルまたはメタクリロニトリルの製造方法。
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