JPH0232017B2 - - Google Patents
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- JPH0232017B2 JPH0232017B2 JP58135740A JP13574083A JPH0232017B2 JP H0232017 B2 JPH0232017 B2 JP H0232017B2 JP 58135740 A JP58135740 A JP 58135740A JP 13574083 A JP13574083 A JP 13574083A JP H0232017 B2 JPH0232017 B2 JP H0232017B2
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Description
本発明はイソブチレンまたはターシヤリーブタ
ノールを分子状酸素含有ガスにより接触気相酸化
せしめてメタクロレインおよびメタクリル酸をえ
るための触媒の調製方法に関する。 詳しく述べれば本発明はイソブチレンまたはタ
ーシヤリーブタノールを分子状酸素含有ガスたと
えば空気を用いて接触気相酸化しメタクロレイン
およびメタクリル酸、とくに主としてメタクロレ
インを高い選択率かつ高い収率でえるための触媒
の調製方法に関するものであり、長期かつ安定に
工業的に使用しうる触媒の調製方法を提供するも
のである。 従来よりオレフインを接触気相酸化して対応す
る不飽和アルデヒドを製造する触媒としては数多
くの提案がなされている。その例としてモリブデ
ンおよびビスマスを主体とする触媒系がある。具
体例をあげれば等公昭36−3563号公報明細書には
モリブデン酸ビスマスおよびリンモリブデン酸ビ
スマスよりなる触媒、特開昭50−76010号公報明
細書にはモリブデン、コバルト、鉄を構成元素と
する触媒が、特公昭39−3670号公報明細書には
鉄、ビスマス、リンおよびモリブデンを構成元素
とする触媒、米国特許第3522299号明細書にはニ
ツケル、コバルト、鉄、ビスマス、モリブデンお
よびリン、砒素を構成元素とする触媒酸化物がそ
れぞれ開示されている。 また一方にはタングステンおよびビスマス主体
とする触媒系があり、例えば米国特許第3089909
号明細書にはビスマスのタングステン酸塩、特公
昭39−18017号公報明細書にはビスマス、コバル
ト、タングステン系触媒組成物が提案されてい
る。 さらにはモリブデン、ビスマス、タングステン
を主体とする触媒系も提案されている。例えば特
開昭49−9490号、特開昭49−14393号各公報明細
書があり、特公昭47−42241号公報明細書にはモ
リブデン、コバルト、鉄、ビスマス、タングステ
ン、ケイ素、アルカリ金属を構成元素とする触媒
組成物が提案されている。 しかしこれら公報明細書にはプロピレンを接触
気相酸化してアクロレインおよびアクリル酸を製
造する触媒を主目的とするものが多く、メタクロ
レイン製造用触媒についても一応の開示はされて
いるものの実施例がなかつたり、或いは実施例が
あつたとしても収率面で非常に低水準で工業的使
用にはほど遠いものが大部分であつた。近時に至
るにしたがい種々の改良が加えられメタクロレイ
ン製造を主目的とする触媒にも工業的に使用可能
の域に達するものも散見されるようになつた。 しかしながら、これらの提案になる触媒は工業
的規模での使用を考えるときそれらの明細書実施
例に記載されているようにメタクロレインおよび
メタクリル酸を高選択率、高収率でえることがで
きない場合が多い。これは該接触気相酸化反応が
非常に発熱的であるために触媒層の中にホツトス
ポツトという局部的異常高温帯が発生して過度の
酸化反応が起つたり、触媒の充填層高が大きいた
めに触媒層中での圧力が触媒層の入口から出口に
向つて順次変化していくために理想的な反応から
かけはなれること等が考えられる。 又、一方モリブデンを主体とする多成分系触媒
においてはモリブデンが多数の元素と容易に反応
して複雑なモリブデンの錯塩を生じるため、均質
の触媒をえることが困難であり、触媒性能の再現
性に難点があり、かかる触媒組成を工業的規模で
の触媒製造に用いた場合、製造された全ての触媒
性能が明細書実施例の如き高い水準を示しえない
ことは十分納得のいくところである。 本発明者等はモリブデン、ビスマスおよびタン
グステンを含む触媒系でのかかる工業的使用にお
ける欠点を克服し、なおかつ工業的規模での触媒
製造において触媒性能の再現性にすぐれた調製方
法を鋭意研究の結果本発明を完成するに至つた。 すなわち、本発明は一般式 Mo12BiaWbFecAdBeCfDgOh 〔ただしMoはモリブデン、Biはビスマス、Wは
タングステン、Feは鉄、Aはコバルト(Co)お
よびニツケル(Ni)から選ばれた少くとも1種
の元素、Bはアルカリ金属、アルカリ土類金属お
よびタリウム(Tl)から選ばれた少くとも1種
の元素、Cはリン(P)、アンチモン(Sb)、ス
ズ(Sn)、セリウム(Ce)、鉛(Pb)、ニオビウ
ム(Nb)から選ばれた少くとも1種の元素、D
はシリコン(SSi)、アルミニウム(Al)、チタニ
ウム(Ti)、ジルコニウム(Zr)から選らばれた
少くとも1種の元素、Oは酸素を表わし、a、
b、c、d、e、f、g、hはそれぞれの元素の
原子比を表わし、Moを12としたときa=0.1〜
10.0、b=0.5〜10.0でa/bは0.01〜6.0、c=
0.1〜10.0、d=2.0〜20.0、eは0.01〜10.0、f=
0〜10.0、g=0〜30であり、hは各々の元素の
原子価によつて定まる数値をとる〕で表わされる
触媒組成物を調製するに際して、Bi成分はビス
マス化合物とタングステン化合物との混合物をあ
らかじめ600〜900℃の温度で焼成処理してえられ
た酸化物の形で導入することを特徴とするメタク
ロレイン製造用触媒組成物の調製方法を提供する
ものである。 本発明の調製方法によつてえられる触媒(以
下、本発明の触媒という)における特徴は、ビス
マスがタングステンときわめて安定した結合をな
し、しかも長期間にわたる反応においてもその高
い触媒性能を維持することである。このビスマス
とタングステンの安定した結合はビスマスとタン
グステンをあらかじめ600〜900℃の高温で処理し
て形成されるものである。このビスマスとタング
ステンとからなる化合物についての学術的研究も
近年行なわれるようになり、たとえばジヤーナル
オブ キヤタリシス(Journal of Catalysis)
第31巻第200〜208頁(1973年)では種々のビスマ
ス―タングステートの存在を明らかにしている。
当発明者等の実験でもこれらは400℃を越える高
温でイソブチレン又はターシヤリーブタノールの
酸化に活性があることが認められたが、その活性
の水準は工業的使用にあたつてはとても満足のい
くものではなく、このビスマスタングステートを
モリブデン、鉄および他の金属元素とさらに複合
的に結合せしめることにより熱安定性が良好でし
かも低温で触媒性能にすぐれた、空時収率の高い
触媒組成物がえられることが判明したのである。
たしかに特開昭55−47144号公報明細書および特
開昭49−9490号公報明細書の一部にビスマスとタ
ングステンの混合物を別に調製し、これを残りの
触媒成分に加えるという提案がすでにだされてい
るがこの場合は、あらかじめ安定なビスマス―タ
ングステン化合物が形成されるような条件での焼
成は行なわれていない。 これに対して本発明による触媒はビスマスとタ
ングステンをあらかじめ高温で処理しており、こ
れを用いることにより調製法においてきわめて再
現性にすぐれた高水準の触媒がえられ、従来のビ
スマスとモリブデンの化合物を主体とする触媒系
に比し、工業的調製法として、きわめて有利であ
ることが判明した。さらに驚くべきことに本発明
においてビスマスは実質的にタングステンと極め
て強固に結合しており、多成分系触媒とした後も
タングステンとの結合を解かれたビスマスの化合
物、たとえば三酸化ビスマス、ビスマス―モリブ
デートなどは生成しないことがX線回折の分析の
結果明らかとなつたのである。すなわち本発明に
かかる触媒はビスマスとタングステンとが強固な
結合を保ちつつ他の触媒構成元素とさらに複合的
に結合されているものと認められたのである。そ
して長期間にわたるイソブチレン又はターシヤリ
ーブタノールの酸化に供した後もその結合状態に
ほとんど変化のないことが同じX線回折分析の結
果確認されたのである。しかも本発明により製造
された触媒は反応温度を従来のものにくらべ低く
することができ、かつメタクロレイン収率を高め
ることができた。そして本発明者らの知見によれ
ばこのメタクロレインへの高選択性を与える触媒
としてはさらに触媒の形状を以下の如く特定した
ものが推奨されることが明らかとなつた。すなわ
ち、3.0〜10.0mmの外径で長さが外径の0.5〜2.0倍
の外形を有しかつ内径が外径の0.1〜0.7倍となる
ように長さ方向に開孔を有するリング状触媒であ
り、触媒組成物が上記一般式で示されかつ特定さ
れることを特徴とするメタクロレイン製造用触媒
である。 このように本発明触媒の形状を特定すること
は、以下の如き効果を奏するものであることが判
明している。 (i) 触媒の形状を上記特定になるリング状にした
ことにより、触媒の幾何学的表面積が増大し、
それにつれてイソブチレンの転化率が増加し、
かつ触媒細孔内で生成したメタクロレインの細
孔内拡散が脱離、拡散時の通路の短縮とあいま
つて、円柱状のものに比べてすみやかになり、
遂次反応であるメタクロレインからメタクリル
酸、酢酸、二酸化炭素、一酸化炭素への反応が
低下する。 (ii) リング状触媒にすることで当然予想されるの
であるが、触媒層中での圧力損失が減じ、工業
生産におけるブロワーの電力費を低減すること
が可能となる。 (iii) また、本発明の触媒は触媒寿命が伸びるとい
う利点を有している。すなわち、一般に接触気
相酸化が非常に発熱的であるために起こる局所
異常高温帯の温度を、リング状触媒にすること
による除熱効果の増大と、先に述べたメタクリ
ル酸、酢酸、二酸化炭素、一酸化炭素への遂次
反応による発熱の減少があいまつて、ホツトス
ポツトの温度が低下し、反応中に触媒成分の一
つであるモリブデンの飛散が原因で起こる圧力
損失の上昇率が小さくなり触媒の寿命をのばす
結果となる。 本発明の触媒は上記一般式で示される組成範囲
よりなるものであるが、その調製法は上記した如
き特質を具有せしめれば、種々に選ぶことができ
る。 まずビスマスとタングステンの結合体の生成方
法について、好ましい調製法の一例を以下に示
す。 最初にビスマス化合物、たとえば硝酸ビスマ
ス、水酸化ビスマス、酸化ビスマスとタングステ
ンの化合物たとえばパラタングステン酸アンモニ
ウム、酸化タングステンとを少量の水と共によく
混合し乾燥後600〜900℃、好ましくは700〜850℃
の高温で処理を行ない粉砕する。粉砕は小さくす
る方が良いが必要以上の細粉化は無駄であり、
100メツシユ以下程度で充分である。かくしてビ
スマス―タングステン化合物をえることができ
る。ついで触媒を調製する一具体例を以下に示
す。あらかじめモリブデンの化合物たとえばモリ
ブデン酸アンモニウムの水溶液に鉄の化合物たと
えば硝酸鉄の水溶液を加え、一般式中で示される
Aの元素としてコバルトを用いる場合はたとえば
硝酸コバルトの水溶液を、Bとしてアルカリ金属
を用いる場合はアルカリ金属源としてアルカリ金
属水酸化物あるいは硝酸塩を、Cとしてリンを用
いる場合はリン酸水溶液を、Dとしてケイ素を用
いる場合はコロイダルシリカ等を用い各水溶液を
よく混合し、えられた泥状物に対し、先の粉砕さ
れたビスマスタングステンの結合物を添加し、さ
らによく混合して濃縮し、えられた粘土状物質を
成形後350℃〜650℃、好ましくは400℃〜600℃の
温度で空気流通下にて焼成し完成触媒をえる。 なお、必要に応じて粉末状の担体物質を前記泥
状物中に添加して使用することもできる。 担体としては、シリカゲル、アルミナ、シリコ
ンカーバイド、ケイ藻土、酸化チタンおよびセラ
イト(商品名)などから選ばれるがとくにシリカ
ゲル、酸化チタン、セライトが適当である。 本触媒の特徴であるビスマスとタングステンの
酸素含有化合物はビスマスのタングステンに対す
る原子比が0.01〜6.0、好ましくは0.1〜4.0の範囲
に限定される。すなわち、6.0を越える原子比の
ビスマス―タングステン化合物は安定な結合状態
をとりえず、触媒調製中あるいは触媒の長期使用
中にビスマスタングステンの結合がこわれビスマ
スが他の成分と再結合して、触媒の各成分の結合
バランスを崩し、好ましい結果をもたらさないか
らである。もちろんこのような原子比を満足する
と同時に高温処理条件も必須の要件である。ビス
マスとタングステンの酸素含有化合物はこのよう
な温度範囲での処理によつて安定な化合物を形成
し、しかも本発明の触媒組成物中に組み込まれる
ことによつてその触媒性能をきわめて高水準に引
き上げる。600℃に満たない低温部でのビスマス
とタングステンとの化合物の熱処理は、たとえそ
の原子比が上記範囲を満足するものであつても触
媒組成物中で安定化せず、触媒調製中あるいは触
媒の使用中に触媒組成物における結合バランスが
崩れる原因となり好ましくない。また900℃を越
える高温での処理もビスマスとタングステンとの
安定な結合体をえにくく、触媒組成物中において
変化しやすいため好ましくはない。 本発明における触媒原料としては、上記の化合
物に限定するものではなく、ビスマスおよびタン
グステンに関しては塩化ビスマスなどのハロゲン
化ビスマス、炭酸ビスマス、重炭酸ビスマス、水
酸化ビスマス、酢酸ビスマスなどの有機酸ビスマ
ス塩やタングステン酸ナトリウムなどのタングス
テン酸のアルカリ金属塩、塩化タングステン類な
どのハロゲン化タングステン類などが適宜使用さ
れるがハロゲン化物やアルカリ塩を使用した場合
はスラリーを過した後十分な洗滌が必要である
ことはいうまでもない。 モリブデン、鉄およびその他の触媒原料につい
ても、硝酸塩、有機酸塩は勿論のこと触媒調製に
各々の酸化物を形成しうるものであればいかなる
化合物でも使用可能である。もちろん上記触媒を
構成する元素の2種ないし3種を含有する化合物
も同様に使用しうる。 そして、触媒の調製方法としても、上記のほか
に触媒組成物中の各触媒成分が均一に混合されて
存在しうる方法であれば、いかなる方法でも採用
することができ、たとえばビスマスとタングステ
ンの調製された粉末を、粉末化されたコバルト、
ニツケル、鉄、モリブデ、リン、アンチモン、ス
ズ、セリウム、ケイ素、アルミニウム、チタンな
どの酸化物混合物とともに混合し、焼成によつて
消滅するカルボキシメチルセルロースなどの結合
剤を添加して均一に混練し上記と同様にして所望
の触媒組成物をえることができる。 このようにしてえられた触媒を用いて250〜450
℃の反応温度、常圧〜10気圧の圧力下、1〜10容
量%のイソブチレン又はターシヤリーブタノー
ル、3〜20容量%の酸素、0〜60容量%の水蒸気
および20〜80容量%の窒素ガス、炭酸ガスなどの
不活性ガスよりなる原料ガスを接触時間1.0〜
10.0秒で反応せしめる。 また、本発明による触媒は固定床式反応におい
ても流動床式反応においても使用できるもので、
その選択も、当業者が適宜行ないうるところであ
る。 以下、実施例、比較例を示し本発明をさらに詳
細に説明するが、本発明はその主旨に反しないか
ぎり以下の実施例に限定されるものではない。 なお、本発明における反応率、選択率および単
流収率を以下のように定義するものとする。 反応率(モル%)=反応したイソブチレン又はターシ
ヤリーブタノールのモル数/供給したイソブチレン又は
ターシヤリーブタノールのモル数×100 選択率(モル%)=生成したメタクロレインのモル数
/反応したイソブチレンまたはターシヤリーブタノール
のモル数×100 単流収率(モル%)=生成したメタクロレインのモル
数/供給したイソブチレン又はターシヤリーブタノール
のモル数×100 実施例 1 硝酸ビスマス291gを、濃硝酸62mlを加えて酸
性とした蒸留水1000mlに溶解した。この水溶液
に、アンモニア水(28%)660mlを加え白色沈殿
物をえた。これを別水洗し、えられた白色ケー
キ状物質に、278gの三酸化タングステンを加え
充分混合したのち、230℃で16時間乾燥させ、さ
らに空気流通下750℃で2時間熱処理を行なつた。
えられた黄色塊状物を100メツシユ以下に粉砕し
黄色粉体をえた。この粉体をX線回折分析したと
ころ先の文献に示されているd=2.973、3.207、
2.706、1.648、1.915にピークのあるBi2(WO4)3と
d=3.632、3.817、3.739、2.610にピークのある
WO3の混合物であり、酸化ビスマスのピークは
全く認められないことが分つた。 別にモリブデン酸アンモニウム1060gを蒸留水
8000mlに溶解した水溶液に、硝酸コバルト873g
を600mlの蒸留水に溶解した水溶液、硝酸第2鉄
71gを400mlの蒸留水に溶解した水溶液、20重量
%のシリカを含むシリカゾル150gおよび硝酸カ
リウム25gを300mlの蒸留水に溶解した水溶液を
それぞれ加え、室温下撹拌した。 えられた懸濁液を加熱濃縮せしめ乾燥したのち
粉砕した。この粉体に先の黄色粉体を加え十分混
合したのち蒸留水を加えてよく混練し、直径5.5
mm、長さ7mmのペレツト状に成型し乾燥後空気流
通下500℃で6時間焼成して完成触媒とした。 この触媒の酸素をのぞく組成は原子比で Bi1.2W2.4Fe0.35Mo12Co6.0K0.5Si1.0 であつた(以下同様に触媒組成を表現する。)。で
きあがつた触媒をX線回折分析したところ先のビ
スマスタングステートのピークはそのまま認めら
れビスマスが酸素以外の他の元素と結合した、た
とえばビスマスモリブデートなどに関するピーク
は全く認められなかつた。 かくしてえられた触媒を内径25.4mmφの鋼鉄製
反応管に層長3000mmで充填し、外部の熱媒(溶融
塩)温度を340℃に加熱し、イソブチレン6容量
%、酸素13.2容量%、水蒸気10.0容量%、窒素
70.8容量%からなる組成の原料ガスを導入し接触
時間2.5秒(NTP換算)で反応せしめ第1表に示
す結果をえた。 なお、分析はガスクロマトグラフイー法で行な
つた。 この触媒で5000時間反応を行なつた後、抜き出
してX線分析を行なつたところ、使用前の触媒と
変化は認められなかつた。 比較例 1 実施例1においてビスマスとタングステンとの
高温処理物を用いないほかは同様にして行い、下
記の組成の触媒を調製した。 Fe0.35Mo12Co6.0K0.5Si1.0 えられた触媒を実施例1と同じ条件下で反応し
表1に示す結果をえた。 比較例 2 実施例1において三酸化タングステンを用いな
いほかは同様に行ない下記の組成の触媒を調製し
た。 Bi1.2Fe0.35Mo12Co6.0K0.5Si1.0 えられた触媒を実施例1と同じ条件で反応し表
1に示す結果をえた。 比較例 3 実施例1においてビスマスとタングステンを
500℃で2時間熱処理して行なつた以外は同様に
行ない、実施例1における触媒と同じ組成の触媒
をえた。えられた触媒を実施例1と同じ条件下で
反応し表1に示す結果をえた。 実施例 2 硝酸ビスマス873gを、濃硝酸160mlを加えて酸
性とした蒸留水1840mlに溶解し80℃に加熱した。
タングステン酸ナトリウム297gを3500mlの水に
溶解し、硝酸でPHを2.2に調整したのち80℃に加
熱し、上記硝酸ビスマス溶液に撹拌下に添加し
た。えられた白色沈殿物を別し、ナトリウムイ
オンが検出されなくなるまで水洗した。えられた
白色ケーキを実施例1におけると同様に処理し黄
色粉体をえた。 別にモリブデン酸アンモニウム1060gを8000ml
の蒸留水に溶解した水溶液に、硝酸コバルト873
gを800mlの蒸留水に溶解した水溶液、硝酸第2
鉄242gを700mlの蒸留水に溶解した水溶液、20重
量%のシリカを含むシリカゾル150gおよび水酸
化ルビジウム25.6gを100mlの蒸留水に溶解した
水溶液をそれぞれ加え室温下撹拌した。 えられた懸濁液に濃硝酸90mlおよび硝酸アンモ
ニウム500gを加えた後、上記黄色粉体を加え、
加熱撹拌下に濃縮せしめ、実施例1におけると同
様に成型乾燥後空気流通下500℃で6時間焼成し
下記組成の触媒をえた。 Bi3.6W1.8Fe1.2Mo12Co6Rb0.5Si1.0 えられた触媒を実施例1と同じ条件下で反応
し、表1に示す結果をえた。 実施例 3 硝酸ビスマス485gを濃硝酸104mlを加えて酸性
とした蒸留水1000mlに溶解した。この水溶液にア
ンモニア水(28%)1100mlを加え白色沈殿物をえ
た。これを別水洗し、えられた白色ケーキ状物
質に278gの三酸化タングステンを加え十分混合
したのち230℃で16時間乾燥させ、さらに空気流
通下750℃で2時間処理を行なつた。えられた黄
色塊状物を100メツシユ以下に粉砕し黄色粉体を
えた。 別にモリブデン酸アンモニウム1060gを蒸留水
8000mlに溶解した水溶液に硝酸コバルト873gを
800mlに溶解した水溶液、硝酸第2鉄323gを1000
mlの蒸留水に溶解した水溶液、20重量%のシリカ
を含むシリカゾル150g及び硝酸セシウム48.7g
を300mlの蒸留水に溶解した水溶液をそれぞれ加
え、室温下撹拌した。 えられた懸濁液に濃硝酸90mlおよび硝酸アンモ
ニウム500gを加えた後上記黄色粉体を加え、加
熱撹拌下濃縮せしめ、実施例1におけると同様に
成型後空気流通下500℃で6時間焼成し下記組成
の触媒をえた。 Bi2.0W2.4Fe1.6Mo12Co6Si1.0Cs0.5 えられた触媒を実施例1と同じ条件下で反応
し、表1に示す結果をえた。 実施例 4〜8 実施例1におけると同様の方法で表1中に示す
組成の触媒を調製した。イソブチレンの酸化反応
条件および結果は表1の通りである。 用いた原料はニツケル、タリウム、バリウム、
ストロンチウム、カルシウム、マグネシウム、セ
リウム、ジルコニウム、鉛源としてはそれぞれの
硝酸塩をリン源としてはリン酸、ニオビウム源と
しては五酸化ニオブ、アンチモン源としては三酸
化アンチモン、チタン源としては二酸化チタンを
それぞれ用いた。 実施例 9 実施例1と同じ組成及び調製法による触媒を外
径6.0mm、長さ6.6mm、穴径2.0mmのリング状に成型
し、実施例1と同様の反応を行ない、表1に示す
結果をえた。 実施例 10 実施例2の触媒を用いてイソブチレンに代えて
ターシヤリーブタノールを使用し、ターシヤリー
ブタノール6容量%、酸素13.2容量%、水蒸気4
容量%、窒素76.8容量%からなる組成の原料ガス
を導入し接触時間2.5秒、溶融塩温度330℃で反応
せしめ下のような結果をえた。 ターシヤリーブタノール反応率 100% イソブチレン選択率 1.5% メタクロレイン 〃 85.2% メタクリル酸 〃 2.6% イソブチレン単流収率 1.5% メタクロレイン 〃 85.2% メタクリル酸 〃 2.6%
ノールを分子状酸素含有ガスにより接触気相酸化
せしめてメタクロレインおよびメタクリル酸をえ
るための触媒の調製方法に関する。 詳しく述べれば本発明はイソブチレンまたはタ
ーシヤリーブタノールを分子状酸素含有ガスたと
えば空気を用いて接触気相酸化しメタクロレイン
およびメタクリル酸、とくに主としてメタクロレ
インを高い選択率かつ高い収率でえるための触媒
の調製方法に関するものであり、長期かつ安定に
工業的に使用しうる触媒の調製方法を提供するも
のである。 従来よりオレフインを接触気相酸化して対応す
る不飽和アルデヒドを製造する触媒としては数多
くの提案がなされている。その例としてモリブデ
ンおよびビスマスを主体とする触媒系がある。具
体例をあげれば等公昭36−3563号公報明細書には
モリブデン酸ビスマスおよびリンモリブデン酸ビ
スマスよりなる触媒、特開昭50−76010号公報明
細書にはモリブデン、コバルト、鉄を構成元素と
する触媒が、特公昭39−3670号公報明細書には
鉄、ビスマス、リンおよびモリブデンを構成元素
とする触媒、米国特許第3522299号明細書にはニ
ツケル、コバルト、鉄、ビスマス、モリブデンお
よびリン、砒素を構成元素とする触媒酸化物がそ
れぞれ開示されている。 また一方にはタングステンおよびビスマス主体
とする触媒系があり、例えば米国特許第3089909
号明細書にはビスマスのタングステン酸塩、特公
昭39−18017号公報明細書にはビスマス、コバル
ト、タングステン系触媒組成物が提案されてい
る。 さらにはモリブデン、ビスマス、タングステン
を主体とする触媒系も提案されている。例えば特
開昭49−9490号、特開昭49−14393号各公報明細
書があり、特公昭47−42241号公報明細書にはモ
リブデン、コバルト、鉄、ビスマス、タングステ
ン、ケイ素、アルカリ金属を構成元素とする触媒
組成物が提案されている。 しかしこれら公報明細書にはプロピレンを接触
気相酸化してアクロレインおよびアクリル酸を製
造する触媒を主目的とするものが多く、メタクロ
レイン製造用触媒についても一応の開示はされて
いるものの実施例がなかつたり、或いは実施例が
あつたとしても収率面で非常に低水準で工業的使
用にはほど遠いものが大部分であつた。近時に至
るにしたがい種々の改良が加えられメタクロレイ
ン製造を主目的とする触媒にも工業的に使用可能
の域に達するものも散見されるようになつた。 しかしながら、これらの提案になる触媒は工業
的規模での使用を考えるときそれらの明細書実施
例に記載されているようにメタクロレインおよび
メタクリル酸を高選択率、高収率でえることがで
きない場合が多い。これは該接触気相酸化反応が
非常に発熱的であるために触媒層の中にホツトス
ポツトという局部的異常高温帯が発生して過度の
酸化反応が起つたり、触媒の充填層高が大きいた
めに触媒層中での圧力が触媒層の入口から出口に
向つて順次変化していくために理想的な反応から
かけはなれること等が考えられる。 又、一方モリブデンを主体とする多成分系触媒
においてはモリブデンが多数の元素と容易に反応
して複雑なモリブデンの錯塩を生じるため、均質
の触媒をえることが困難であり、触媒性能の再現
性に難点があり、かかる触媒組成を工業的規模で
の触媒製造に用いた場合、製造された全ての触媒
性能が明細書実施例の如き高い水準を示しえない
ことは十分納得のいくところである。 本発明者等はモリブデン、ビスマスおよびタン
グステンを含む触媒系でのかかる工業的使用にお
ける欠点を克服し、なおかつ工業的規模での触媒
製造において触媒性能の再現性にすぐれた調製方
法を鋭意研究の結果本発明を完成するに至つた。 すなわち、本発明は一般式 Mo12BiaWbFecAdBeCfDgOh 〔ただしMoはモリブデン、Biはビスマス、Wは
タングステン、Feは鉄、Aはコバルト(Co)お
よびニツケル(Ni)から選ばれた少くとも1種
の元素、Bはアルカリ金属、アルカリ土類金属お
よびタリウム(Tl)から選ばれた少くとも1種
の元素、Cはリン(P)、アンチモン(Sb)、ス
ズ(Sn)、セリウム(Ce)、鉛(Pb)、ニオビウ
ム(Nb)から選ばれた少くとも1種の元素、D
はシリコン(SSi)、アルミニウム(Al)、チタニ
ウム(Ti)、ジルコニウム(Zr)から選らばれた
少くとも1種の元素、Oは酸素を表わし、a、
b、c、d、e、f、g、hはそれぞれの元素の
原子比を表わし、Moを12としたときa=0.1〜
10.0、b=0.5〜10.0でa/bは0.01〜6.0、c=
0.1〜10.0、d=2.0〜20.0、eは0.01〜10.0、f=
0〜10.0、g=0〜30であり、hは各々の元素の
原子価によつて定まる数値をとる〕で表わされる
触媒組成物を調製するに際して、Bi成分はビス
マス化合物とタングステン化合物との混合物をあ
らかじめ600〜900℃の温度で焼成処理してえられ
た酸化物の形で導入することを特徴とするメタク
ロレイン製造用触媒組成物の調製方法を提供する
ものである。 本発明の調製方法によつてえられる触媒(以
下、本発明の触媒という)における特徴は、ビス
マスがタングステンときわめて安定した結合をな
し、しかも長期間にわたる反応においてもその高
い触媒性能を維持することである。このビスマス
とタングステンの安定した結合はビスマスとタン
グステンをあらかじめ600〜900℃の高温で処理し
て形成されるものである。このビスマスとタング
ステンとからなる化合物についての学術的研究も
近年行なわれるようになり、たとえばジヤーナル
オブ キヤタリシス(Journal of Catalysis)
第31巻第200〜208頁(1973年)では種々のビスマ
ス―タングステートの存在を明らかにしている。
当発明者等の実験でもこれらは400℃を越える高
温でイソブチレン又はターシヤリーブタノールの
酸化に活性があることが認められたが、その活性
の水準は工業的使用にあたつてはとても満足のい
くものではなく、このビスマスタングステートを
モリブデン、鉄および他の金属元素とさらに複合
的に結合せしめることにより熱安定性が良好でし
かも低温で触媒性能にすぐれた、空時収率の高い
触媒組成物がえられることが判明したのである。
たしかに特開昭55−47144号公報明細書および特
開昭49−9490号公報明細書の一部にビスマスとタ
ングステンの混合物を別に調製し、これを残りの
触媒成分に加えるという提案がすでにだされてい
るがこの場合は、あらかじめ安定なビスマス―タ
ングステン化合物が形成されるような条件での焼
成は行なわれていない。 これに対して本発明による触媒はビスマスとタ
ングステンをあらかじめ高温で処理しており、こ
れを用いることにより調製法においてきわめて再
現性にすぐれた高水準の触媒がえられ、従来のビ
スマスとモリブデンの化合物を主体とする触媒系
に比し、工業的調製法として、きわめて有利であ
ることが判明した。さらに驚くべきことに本発明
においてビスマスは実質的にタングステンと極め
て強固に結合しており、多成分系触媒とした後も
タングステンとの結合を解かれたビスマスの化合
物、たとえば三酸化ビスマス、ビスマス―モリブ
デートなどは生成しないことがX線回折の分析の
結果明らかとなつたのである。すなわち本発明に
かかる触媒はビスマスとタングステンとが強固な
結合を保ちつつ他の触媒構成元素とさらに複合的
に結合されているものと認められたのである。そ
して長期間にわたるイソブチレン又はターシヤリ
ーブタノールの酸化に供した後もその結合状態に
ほとんど変化のないことが同じX線回折分析の結
果確認されたのである。しかも本発明により製造
された触媒は反応温度を従来のものにくらべ低く
することができ、かつメタクロレイン収率を高め
ることができた。そして本発明者らの知見によれ
ばこのメタクロレインへの高選択性を与える触媒
としてはさらに触媒の形状を以下の如く特定した
ものが推奨されることが明らかとなつた。すなわ
ち、3.0〜10.0mmの外径で長さが外径の0.5〜2.0倍
の外形を有しかつ内径が外径の0.1〜0.7倍となる
ように長さ方向に開孔を有するリング状触媒であ
り、触媒組成物が上記一般式で示されかつ特定さ
れることを特徴とするメタクロレイン製造用触媒
である。 このように本発明触媒の形状を特定すること
は、以下の如き効果を奏するものであることが判
明している。 (i) 触媒の形状を上記特定になるリング状にした
ことにより、触媒の幾何学的表面積が増大し、
それにつれてイソブチレンの転化率が増加し、
かつ触媒細孔内で生成したメタクロレインの細
孔内拡散が脱離、拡散時の通路の短縮とあいま
つて、円柱状のものに比べてすみやかになり、
遂次反応であるメタクロレインからメタクリル
酸、酢酸、二酸化炭素、一酸化炭素への反応が
低下する。 (ii) リング状触媒にすることで当然予想されるの
であるが、触媒層中での圧力損失が減じ、工業
生産におけるブロワーの電力費を低減すること
が可能となる。 (iii) また、本発明の触媒は触媒寿命が伸びるとい
う利点を有している。すなわち、一般に接触気
相酸化が非常に発熱的であるために起こる局所
異常高温帯の温度を、リング状触媒にすること
による除熱効果の増大と、先に述べたメタクリ
ル酸、酢酸、二酸化炭素、一酸化炭素への遂次
反応による発熱の減少があいまつて、ホツトス
ポツトの温度が低下し、反応中に触媒成分の一
つであるモリブデンの飛散が原因で起こる圧力
損失の上昇率が小さくなり触媒の寿命をのばす
結果となる。 本発明の触媒は上記一般式で示される組成範囲
よりなるものであるが、その調製法は上記した如
き特質を具有せしめれば、種々に選ぶことができ
る。 まずビスマスとタングステンの結合体の生成方
法について、好ましい調製法の一例を以下に示
す。 最初にビスマス化合物、たとえば硝酸ビスマ
ス、水酸化ビスマス、酸化ビスマスとタングステ
ンの化合物たとえばパラタングステン酸アンモニ
ウム、酸化タングステンとを少量の水と共によく
混合し乾燥後600〜900℃、好ましくは700〜850℃
の高温で処理を行ない粉砕する。粉砕は小さくす
る方が良いが必要以上の細粉化は無駄であり、
100メツシユ以下程度で充分である。かくしてビ
スマス―タングステン化合物をえることができ
る。ついで触媒を調製する一具体例を以下に示
す。あらかじめモリブデンの化合物たとえばモリ
ブデン酸アンモニウムの水溶液に鉄の化合物たと
えば硝酸鉄の水溶液を加え、一般式中で示される
Aの元素としてコバルトを用いる場合はたとえば
硝酸コバルトの水溶液を、Bとしてアルカリ金属
を用いる場合はアルカリ金属源としてアルカリ金
属水酸化物あるいは硝酸塩を、Cとしてリンを用
いる場合はリン酸水溶液を、Dとしてケイ素を用
いる場合はコロイダルシリカ等を用い各水溶液を
よく混合し、えられた泥状物に対し、先の粉砕さ
れたビスマスタングステンの結合物を添加し、さ
らによく混合して濃縮し、えられた粘土状物質を
成形後350℃〜650℃、好ましくは400℃〜600℃の
温度で空気流通下にて焼成し完成触媒をえる。 なお、必要に応じて粉末状の担体物質を前記泥
状物中に添加して使用することもできる。 担体としては、シリカゲル、アルミナ、シリコ
ンカーバイド、ケイ藻土、酸化チタンおよびセラ
イト(商品名)などから選ばれるがとくにシリカ
ゲル、酸化チタン、セライトが適当である。 本触媒の特徴であるビスマスとタングステンの
酸素含有化合物はビスマスのタングステンに対す
る原子比が0.01〜6.0、好ましくは0.1〜4.0の範囲
に限定される。すなわち、6.0を越える原子比の
ビスマス―タングステン化合物は安定な結合状態
をとりえず、触媒調製中あるいは触媒の長期使用
中にビスマスタングステンの結合がこわれビスマ
スが他の成分と再結合して、触媒の各成分の結合
バランスを崩し、好ましい結果をもたらさないか
らである。もちろんこのような原子比を満足する
と同時に高温処理条件も必須の要件である。ビス
マスとタングステンの酸素含有化合物はこのよう
な温度範囲での処理によつて安定な化合物を形成
し、しかも本発明の触媒組成物中に組み込まれる
ことによつてその触媒性能をきわめて高水準に引
き上げる。600℃に満たない低温部でのビスマス
とタングステンとの化合物の熱処理は、たとえそ
の原子比が上記範囲を満足するものであつても触
媒組成物中で安定化せず、触媒調製中あるいは触
媒の使用中に触媒組成物における結合バランスが
崩れる原因となり好ましくない。また900℃を越
える高温での処理もビスマスとタングステンとの
安定な結合体をえにくく、触媒組成物中において
変化しやすいため好ましくはない。 本発明における触媒原料としては、上記の化合
物に限定するものではなく、ビスマスおよびタン
グステンに関しては塩化ビスマスなどのハロゲン
化ビスマス、炭酸ビスマス、重炭酸ビスマス、水
酸化ビスマス、酢酸ビスマスなどの有機酸ビスマ
ス塩やタングステン酸ナトリウムなどのタングス
テン酸のアルカリ金属塩、塩化タングステン類な
どのハロゲン化タングステン類などが適宜使用さ
れるがハロゲン化物やアルカリ塩を使用した場合
はスラリーを過した後十分な洗滌が必要である
ことはいうまでもない。 モリブデン、鉄およびその他の触媒原料につい
ても、硝酸塩、有機酸塩は勿論のこと触媒調製に
各々の酸化物を形成しうるものであればいかなる
化合物でも使用可能である。もちろん上記触媒を
構成する元素の2種ないし3種を含有する化合物
も同様に使用しうる。 そして、触媒の調製方法としても、上記のほか
に触媒組成物中の各触媒成分が均一に混合されて
存在しうる方法であれば、いかなる方法でも採用
することができ、たとえばビスマスとタングステ
ンの調製された粉末を、粉末化されたコバルト、
ニツケル、鉄、モリブデ、リン、アンチモン、ス
ズ、セリウム、ケイ素、アルミニウム、チタンな
どの酸化物混合物とともに混合し、焼成によつて
消滅するカルボキシメチルセルロースなどの結合
剤を添加して均一に混練し上記と同様にして所望
の触媒組成物をえることができる。 このようにしてえられた触媒を用いて250〜450
℃の反応温度、常圧〜10気圧の圧力下、1〜10容
量%のイソブチレン又はターシヤリーブタノー
ル、3〜20容量%の酸素、0〜60容量%の水蒸気
および20〜80容量%の窒素ガス、炭酸ガスなどの
不活性ガスよりなる原料ガスを接触時間1.0〜
10.0秒で反応せしめる。 また、本発明による触媒は固定床式反応におい
ても流動床式反応においても使用できるもので、
その選択も、当業者が適宜行ないうるところであ
る。 以下、実施例、比較例を示し本発明をさらに詳
細に説明するが、本発明はその主旨に反しないか
ぎり以下の実施例に限定されるものではない。 なお、本発明における反応率、選択率および単
流収率を以下のように定義するものとする。 反応率(モル%)=反応したイソブチレン又はターシ
ヤリーブタノールのモル数/供給したイソブチレン又は
ターシヤリーブタノールのモル数×100 選択率(モル%)=生成したメタクロレインのモル数
/反応したイソブチレンまたはターシヤリーブタノール
のモル数×100 単流収率(モル%)=生成したメタクロレインのモル
数/供給したイソブチレン又はターシヤリーブタノール
のモル数×100 実施例 1 硝酸ビスマス291gを、濃硝酸62mlを加えて酸
性とした蒸留水1000mlに溶解した。この水溶液
に、アンモニア水(28%)660mlを加え白色沈殿
物をえた。これを別水洗し、えられた白色ケー
キ状物質に、278gの三酸化タングステンを加え
充分混合したのち、230℃で16時間乾燥させ、さ
らに空気流通下750℃で2時間熱処理を行なつた。
えられた黄色塊状物を100メツシユ以下に粉砕し
黄色粉体をえた。この粉体をX線回折分析したと
ころ先の文献に示されているd=2.973、3.207、
2.706、1.648、1.915にピークのあるBi2(WO4)3と
d=3.632、3.817、3.739、2.610にピークのある
WO3の混合物であり、酸化ビスマスのピークは
全く認められないことが分つた。 別にモリブデン酸アンモニウム1060gを蒸留水
8000mlに溶解した水溶液に、硝酸コバルト873g
を600mlの蒸留水に溶解した水溶液、硝酸第2鉄
71gを400mlの蒸留水に溶解した水溶液、20重量
%のシリカを含むシリカゾル150gおよび硝酸カ
リウム25gを300mlの蒸留水に溶解した水溶液を
それぞれ加え、室温下撹拌した。 えられた懸濁液を加熱濃縮せしめ乾燥したのち
粉砕した。この粉体に先の黄色粉体を加え十分混
合したのち蒸留水を加えてよく混練し、直径5.5
mm、長さ7mmのペレツト状に成型し乾燥後空気流
通下500℃で6時間焼成して完成触媒とした。 この触媒の酸素をのぞく組成は原子比で Bi1.2W2.4Fe0.35Mo12Co6.0K0.5Si1.0 であつた(以下同様に触媒組成を表現する。)。で
きあがつた触媒をX線回折分析したところ先のビ
スマスタングステートのピークはそのまま認めら
れビスマスが酸素以外の他の元素と結合した、た
とえばビスマスモリブデートなどに関するピーク
は全く認められなかつた。 かくしてえられた触媒を内径25.4mmφの鋼鉄製
反応管に層長3000mmで充填し、外部の熱媒(溶融
塩)温度を340℃に加熱し、イソブチレン6容量
%、酸素13.2容量%、水蒸気10.0容量%、窒素
70.8容量%からなる組成の原料ガスを導入し接触
時間2.5秒(NTP換算)で反応せしめ第1表に示
す結果をえた。 なお、分析はガスクロマトグラフイー法で行な
つた。 この触媒で5000時間反応を行なつた後、抜き出
してX線分析を行なつたところ、使用前の触媒と
変化は認められなかつた。 比較例 1 実施例1においてビスマスとタングステンとの
高温処理物を用いないほかは同様にして行い、下
記の組成の触媒を調製した。 Fe0.35Mo12Co6.0K0.5Si1.0 えられた触媒を実施例1と同じ条件下で反応し
表1に示す結果をえた。 比較例 2 実施例1において三酸化タングステンを用いな
いほかは同様に行ない下記の組成の触媒を調製し
た。 Bi1.2Fe0.35Mo12Co6.0K0.5Si1.0 えられた触媒を実施例1と同じ条件で反応し表
1に示す結果をえた。 比較例 3 実施例1においてビスマスとタングステンを
500℃で2時間熱処理して行なつた以外は同様に
行ない、実施例1における触媒と同じ組成の触媒
をえた。えられた触媒を実施例1と同じ条件下で
反応し表1に示す結果をえた。 実施例 2 硝酸ビスマス873gを、濃硝酸160mlを加えて酸
性とした蒸留水1840mlに溶解し80℃に加熱した。
タングステン酸ナトリウム297gを3500mlの水に
溶解し、硝酸でPHを2.2に調整したのち80℃に加
熱し、上記硝酸ビスマス溶液に撹拌下に添加し
た。えられた白色沈殿物を別し、ナトリウムイ
オンが検出されなくなるまで水洗した。えられた
白色ケーキを実施例1におけると同様に処理し黄
色粉体をえた。 別にモリブデン酸アンモニウム1060gを8000ml
の蒸留水に溶解した水溶液に、硝酸コバルト873
gを800mlの蒸留水に溶解した水溶液、硝酸第2
鉄242gを700mlの蒸留水に溶解した水溶液、20重
量%のシリカを含むシリカゾル150gおよび水酸
化ルビジウム25.6gを100mlの蒸留水に溶解した
水溶液をそれぞれ加え室温下撹拌した。 えられた懸濁液に濃硝酸90mlおよび硝酸アンモ
ニウム500gを加えた後、上記黄色粉体を加え、
加熱撹拌下に濃縮せしめ、実施例1におけると同
様に成型乾燥後空気流通下500℃で6時間焼成し
下記組成の触媒をえた。 Bi3.6W1.8Fe1.2Mo12Co6Rb0.5Si1.0 えられた触媒を実施例1と同じ条件下で反応
し、表1に示す結果をえた。 実施例 3 硝酸ビスマス485gを濃硝酸104mlを加えて酸性
とした蒸留水1000mlに溶解した。この水溶液にア
ンモニア水(28%)1100mlを加え白色沈殿物をえ
た。これを別水洗し、えられた白色ケーキ状物
質に278gの三酸化タングステンを加え十分混合
したのち230℃で16時間乾燥させ、さらに空気流
通下750℃で2時間処理を行なつた。えられた黄
色塊状物を100メツシユ以下に粉砕し黄色粉体を
えた。 別にモリブデン酸アンモニウム1060gを蒸留水
8000mlに溶解した水溶液に硝酸コバルト873gを
800mlに溶解した水溶液、硝酸第2鉄323gを1000
mlの蒸留水に溶解した水溶液、20重量%のシリカ
を含むシリカゾル150g及び硝酸セシウム48.7g
を300mlの蒸留水に溶解した水溶液をそれぞれ加
え、室温下撹拌した。 えられた懸濁液に濃硝酸90mlおよび硝酸アンモ
ニウム500gを加えた後上記黄色粉体を加え、加
熱撹拌下濃縮せしめ、実施例1におけると同様に
成型後空気流通下500℃で6時間焼成し下記組成
の触媒をえた。 Bi2.0W2.4Fe1.6Mo12Co6Si1.0Cs0.5 えられた触媒を実施例1と同じ条件下で反応
し、表1に示す結果をえた。 実施例 4〜8 実施例1におけると同様の方法で表1中に示す
組成の触媒を調製した。イソブチレンの酸化反応
条件および結果は表1の通りである。 用いた原料はニツケル、タリウム、バリウム、
ストロンチウム、カルシウム、マグネシウム、セ
リウム、ジルコニウム、鉛源としてはそれぞれの
硝酸塩をリン源としてはリン酸、ニオビウム源と
しては五酸化ニオブ、アンチモン源としては三酸
化アンチモン、チタン源としては二酸化チタンを
それぞれ用いた。 実施例 9 実施例1と同じ組成及び調製法による触媒を外
径6.0mm、長さ6.6mm、穴径2.0mmのリング状に成型
し、実施例1と同様の反応を行ない、表1に示す
結果をえた。 実施例 10 実施例2の触媒を用いてイソブチレンに代えて
ターシヤリーブタノールを使用し、ターシヤリー
ブタノール6容量%、酸素13.2容量%、水蒸気4
容量%、窒素76.8容量%からなる組成の原料ガス
を導入し接触時間2.5秒、溶融塩温度330℃で反応
せしめ下のような結果をえた。 ターシヤリーブタノール反応率 100% イソブチレン選択率 1.5% メタクロレイン 〃 85.2% メタクリル酸 〃 2.6% イソブチレン単流収率 1.5% メタクロレイン 〃 85.2% メタクリル酸 〃 2.6%
【表】
【表】
比較例 4
実施例1においてビスマスとタングステンを
950℃で2時間熱処理して行つた以外は同様に行
い、実施例1における触媒と同じ組成の触媒を得
た。得られた触媒を実施例1と同じ条件下で反応
したところ、イソブチレン転化率93.6%、メタク
ロレイン選択率85.0%、メタクリル酸選択率は
3.1%であつた。また、この触媒を使用して2000
時間反応を行つた後、抜き出してX線分析を行つ
たところ、モリブデン酸ビスマス化合物が少量で
あるが生成していた。 実施例 11 実施例1においてビスマスとタングステンを
650℃で2時間熱処理を行つた以外は同様に行い、
実施例1における触媒と同じ組成の触媒をえた。
えられた触媒を実施例1と同じ条件下で反応した
ところ、イソブチレン転化率98.9%、メタクロレ
イン選択率85.1%、メタクリル酸選択率2.5%で
あつた。また、この触媒を使用して5000時間反応
を行つた後、抜き出してX線分析を行つたとこ
ろ、使用前の触媒と変化は認められなかつた。 実施例 12 実施例1においてビスマスとタングステンを
850℃で2時間熱処理を行つた以外は同様に行い、
実施例1における触媒と同じ組成の触媒をえた。
えられた触媒を実施例1と同じ条件下で反応とた
ところ、イソブチレン転化率97.8%、メタクロレ
イン選択率84.9%、メタクリル酸選択率2.8%で
あつた。また、この触媒を使用して5000時間反応
を行つた後、抜き出しX線分析を行つたところ、
使用前の触媒と変化は認められなかつた。
950℃で2時間熱処理して行つた以外は同様に行
い、実施例1における触媒と同じ組成の触媒を得
た。得られた触媒を実施例1と同じ条件下で反応
したところ、イソブチレン転化率93.6%、メタク
ロレイン選択率85.0%、メタクリル酸選択率は
3.1%であつた。また、この触媒を使用して2000
時間反応を行つた後、抜き出してX線分析を行つ
たところ、モリブデン酸ビスマス化合物が少量で
あるが生成していた。 実施例 11 実施例1においてビスマスとタングステンを
650℃で2時間熱処理を行つた以外は同様に行い、
実施例1における触媒と同じ組成の触媒をえた。
えられた触媒を実施例1と同じ条件下で反応した
ところ、イソブチレン転化率98.9%、メタクロレ
イン選択率85.1%、メタクリル酸選択率2.5%で
あつた。また、この触媒を使用して5000時間反応
を行つた後、抜き出してX線分析を行つたとこ
ろ、使用前の触媒と変化は認められなかつた。 実施例 12 実施例1においてビスマスとタングステンを
850℃で2時間熱処理を行つた以外は同様に行い、
実施例1における触媒と同じ組成の触媒をえた。
えられた触媒を実施例1と同じ条件下で反応とた
ところ、イソブチレン転化率97.8%、メタクロレ
イン選択率84.9%、メタクリル酸選択率2.8%で
あつた。また、この触媒を使用して5000時間反応
を行つた後、抜き出しX線分析を行つたところ、
使用前の触媒と変化は認められなかつた。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 イソブチレン又はターシヤリーブタノールを
接触気相酸化してメタクロレインを製造するに際
して使用される、一般式組成が、 Mo12BiaWbFecAdBeCfDgOh (但し、Aはコバルトおよびニツケルから選ばれ
た少くとも1種の元素、Bはアルカリ金属、アル
カリ土類金属およびタリウムから選ばれた少くと
も1種の元素、Cはリン、アンチモン、スズ、セ
リウム、鉛、ニオビウムから選ばれた少くとも1
種の元素、Dはシリコン、アルミニウム、チタニ
ウム、ジルコニウムから選ばれた少くとも1種の
元素を表わし、a、b、c、d、e、f、g、h
はそれぞれの元素の原子比を表わし、モリブデン
を12としたときa=0.1〜10.0、b=0.5〜10.0で
a/bは0.01〜6.0、c=0.1〜10.0、d=2.0〜
20.0、eは0.01〜10.0、f=0〜10.0、g=0〜
30であり、hは各々の元素の原子価によつて定ま
る数値をとる)で表わされる触媒組成物を調製す
るに際して、Bi成分とW成分はビスマス化合物
とタングステン化合物との混合物をあらかじめ
600〜900℃の温度で焼成処理してえられた酸化物
の形で導入することを特徴とするメタクロレイン
製造用触媒組成物の調製方法。
Priority Applications (4)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP58135740A JPS6028824A (ja) | 1983-07-27 | 1983-07-27 | メタクロレイン製造用触媒の調製方法 |
| US06/543,150 US4537874A (en) | 1982-10-22 | 1983-10-18 | Catalyst for production of unsaturated aldehydes |
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1983
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