JP4566059B2 - 吸収性物品の表面シート - Google Patents

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Description

本発明は、使い捨ておむつ、失禁パッド、生理用ナプキン、パンティライナー(おりものシート)等の吸収性物品の表面シート及びそれを用いた吸収性物品に関する。
従来、使い捨ておむつや生理用ナプキン等の吸収性物品の表面シートとして、2層以上の層を有する多層構造の不織布を用いることが知られている。
本出願人は、先にそのような多層構造の不織布に、液透過により親水性が異なる2種以上の繊維を用いることを提案した。
即ち、本出願人は、肌当接面を形成する表面層及び吸収体側に配される裏面層の両層に、それぞれ、液透過後親水性が異なる2種類の繊維を用いて、吸収速度と液戻り防止性とを両立させることを提案し(特許文献1参照)、また、肌当接面を形成する第1層及び吸収体側に配される第2層がそれぞれ親水化処理した繊維で構成し、第1層に、第2層の構成繊維に比べて、水との接触で親水化度が低下し易い繊維を用いることを提案した(特許文献2参照)。
特開昭62−261363号公報 特開2004−166832号公報
しかし、特許文献1においては、裏面層に用いる繊維の選択によっては、液が透過する際の抵抗が大きくなり、液の引き込み性が必ずしも充分ではない場合が生じる。
特許文献2の技術は、吸収体に吸収された液体が肌当接面に戻るという、いわゆる液戻りの防止効果がある程度向上するが、吸収性物品やその表面シートに要求される性能は、年々高まっており、近年における要求に充分に応えられない恐れがある。
従って、本発明の目的は、優れた液戻り防止性を有し、肌触りも良好である表面シート及びそれを用いた吸収性物品を提供することにある。
本発明は、肌当接面を形成する第1層と、該第1層に隣接し、吸収体側に配される第2層とを有する吸収性物品の表面シートであって、第1層は、繊度が2.2dtex以下で且つ液透過により親水性が低下し易い繊維からなり、第2層は、第1層の構成繊維より繊度が大きい繊維から構成され、液透過により親水性が低下し難い繊維と液透過により親水性が低下し易い繊維とを含んでいる、吸収性物品用の表面シートを提供することにより前記目的を達成したものである。
本発明は、前記の吸収性物品の表面シート、液不透過性又は撥水性の裏面シート、及び両シート間に位置する吸収体を備えた吸収性物品を提供することにより前記目的を達成したものである。
本発明の吸収性物品の表面シートは、優れた液戻り防止性を有し、肌触りも良好である。
本発明の吸収性物品は、優れた液戻り防止性を有し、肌当接面の肌触りも良好である。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき説明する。
本発明の吸収性物品の表面シートが用いられる吸収性物品は、一般に、液透過性の表面シートと、液不透過性又は撥水性の裏面シートと、両シート間に位置する液保持性の吸収体とを備えている。
本発明の吸収性物品の表面シートは、以下に詳述する不織布からなる。
吸収性物品を構成する表面シート以外の構成要素、例えば上記の裏面シートや吸収体としては、この種の吸収性物品に通常用いられてきたものと同様のものを用いることができる。例えば裏面シートとしては、透湿性を有するか又は有さない熱可塑性樹脂のフィルム、撥水性の不織布、又はこれらの積層体等を用いることができる。吸収体としてはパルプ繊維及び高吸収性ポリマーの粒子の混合体をティッシュペーパー等の紙で包んだ構造ものや、高吸収性ポリマーの粒子からなる層の上下をパルプからなる層でサンドイッチした構造のものを用いることができる。
表面シートを構成する不織布は多層構造であり、典型的には2層構造である。2層構造の不織布は、肌当接面を形成する第1層と、該第1層に隣接し、吸収体側に配される第2層とからなる。即ち、該不織布は、第1層側が着用者の肌に対向し、第2層側が吸収体側を向くように吸収性物品に配される。尚、第2層は、吸収体との間に他のシートが介在していても良い。例えば、第2層と吸収体との間に単層又は多層の不織布からなるサブレイヤーと呼ばれる中間シートが介在しても良い。
肌当接面を形成する第1層は、その構成繊維の繊度が2.2dtex以下であり、好ましくは0.1〜2.2dtexであり、より好ましくは0.8〜2.0dtexである。
これに対して、吸収体側に配される第2層は、その構成繊維の繊度が、第1層の構成繊維のそれよりも大きい。第2層の構成繊維は、繊度が0.2〜16.5dtexであることが好ましく、更に好ましくは1.0〜7.8dtexである。
本発明においては、このように、着用者の肌に対向する第1層に細い繊維を用い、吸収体に対向する第2層に、第1層よりも太い繊維を用いている。
第1層の構成繊維の繊度d1と、第2層の構成繊維の繊度d2との比(d1/d2)は、0.06〜0.99、特に0.1〜 0.95であることが好ましい。
表面シートの各層(第n層)の構成繊維(後述する中間シートの各層の構成繊維も同様)の繊度は、以下のようにして測定する。
不織布の電子顕微鏡観察において、第n層の10ヶ所の位置での標準的な太さの繊維を対象として繊維太さを測定し、繊維太さ平均値Dn(μm)を算出する。次にDSC(示差走査熱量測定)などにより、第n層を構成する繊維樹脂を特定し、理論繊維密度Pn(g/cm3)を求める。繊維太さ平均値Dn(μm)と理論樹脂密度Pn(g/cm3)より、繊維長さ10000m当たりのグラム数を算出し、この値を第n層を構成する繊維の繊度(dtex)とする。
尚、各層の構成繊維の繊度は、液透過により親水性が低下し易い繊維と、液透過により親水性が低下し難い繊維とを特に区別しないで測定する。
第1層の構成繊維は、繊度が低く剛性が低いので、表面シートの肌対向面が柔軟な風合いを呈するようになる。また、同坪量の太い繊維を用いる場合に比べて繊維の本数が多くなることから、表面シートの肌対向面のざらつき感がなくなり滑らかな風合いを呈し、着用者に対して一層柔らかな印象を与えるとともに、吸収体に吸収された排泄物の色に対する隠蔽性も高くなる。隠蔽性が高くなることは、使用者に対して、吸収性物品が清潔であるという好印象を与える。
単に表面シートの肌対向面に細い繊維を用いた場合には、ウエットバック量が多くなる傾向があるが、細い繊維からなる層に隣接して該繊維よりも太い繊維、具体的には前述の第2層を配することにより、ウエットバック量の増大を抑制しつつ、肌触り等の向上を図ることができる。太い繊維を用いた第2層により、ウエットバック量の増大を抑制ないしウエットバック量を低減可能な理由は次の通りであると考えられる。太い繊維は剛性が高いことから、不織布の製造工程、吸収性物品がパッケージ詰めされている状態、或いは吸収性物品の装着中に圧縮力を受けても圧縮され難い。従って第2層はその嵩高さが維持される。つまり、大きな繊維間距離が維持される。その結果、第2層の毛管力は弱くなり、吸収体に吸収されている液が第2層へ移行しづらくなる。つまりウエットバック量が少なくなる。
第2層の構成繊維としては、第1層の構成繊維よりも大きい繊度を有するものを用いることに加えて、剛性の高い繊維を用いることが好ましい。この観点から、第2層の構成繊維としては、例えばポリエチレンテレフタレート繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンとからなる複合繊維や、ポリプロピレンとポリエチレンとからなる複合繊維を用いることが好ましい。これらの繊維は、単独で、或いは2種以上を組み合わせて用いることができる。複合繊維の形態としては、芯鞘型(同芯及び偏芯)やサイド・バイ・サイド型が挙げられる。これらの繊維がステープルファイバーである場合その繊維長は38〜60mm程度であることが好ましい。第2層は、細い繊維を混ぜると不織布を通過しようとする液体に対して抵抗が高まるため、第2層は、その構成繊維のすべてが上述した繊度を有することが好ましい。
一方、第1層を構成する繊維としては、繊度が小さく且つ密度の高い樹脂から構成された繊維を用いることが好ましい。この理由は、繊維の剛性を維持しつつ、表面シートの嵩高さが増し、且つその嵩高さが維持され、しかも表面シートにおける肌対向面が一層柔軟な風合いを呈するようになるからである。また、同坪量の低密度の樹脂から構成された繊維を用いる場合に比べて、繊維一本の径が若干細くなり、且つ、繊維間の空間が若干多くなるので、表面シートにおける肌対向面のざらつき感がなくなり、一層滑らかな風合いを呈し且つウェットバック量が低減するからである。そのような繊維としては、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンとからなる複合繊維や、ポリプロピレンとポリエチレンとからなる複合繊維を用いることが好ましい。これらの繊維は、単独で、或いは2種以上を組み合わせて用いることができる。特に、ポリエチレンテレフタレートは、ポリエチレンやポリプロピレンに比べて密度が高いことから、これを含む複合繊維であるポリエチレンテレフタレートとポリエチレンとからなる複合繊維を用いることが好ましい。またポリエチレンテレフタレートとポリエチレンとからなる複合繊維を用いることで、表面シートの肌対向面がより一層滑らかになり、風合いが一層良好になるという利点もある。加えて、ポリエチレンテレフタレートはポリエチレンよりも融点が高いので、後述するエアスルー法やヒートロール法で不織布を製造した場合には、ポリエチレンの融点付近温度で熱処理してもポリエチレンテレフタレートの溶融が起こらず、その結果ポリエチレンテレフタレートの剛性が不織布にコシを与え、単なる柔らかさではなく、しっかりとした柔軟性を与える。複合繊維の形態及びその繊維長は第2層の場合と同様とすることができる。
第1層は、繊度が2.2dtex以下の繊維のみで構成されていることが好ましいが、その他の繊維を付加的に含んでいてもよい。例えば通液性や肌触りをコントロールすることを目的として、繊度0.1〜5.0dtexの繊維を、第1層の繊維全量に対して0.1〜30重量%程度配合することができる。
第1層の構成繊維は、その初期において(つまり、吸収性物品の使用前において)親水性を示す。第1層の構成繊維が親水性を示すことで、該繊維の表面が濡れ易くなり、表面シートとして液を素早く吸収することができる。また、ウエットバックの観点から第1層の主たる構成繊維は液を繊維内部まで吸収しにくい方が良いため、疎水性繊維に親水化処理が施されたものであることが好ましい。一方、第2層に関しても、その構成繊維は初期において親水性を示す。これによって第1層を透過してきた液が、第2層を円滑に透過して吸収体へと導かれるようになる。第2層の構成繊維としては、疎水性繊維に親水化処理が施されたものや親水性繊維であることが好ましい。第1層、第2層には、液の吸収及び透過を阻害しない範囲で、疎水性を示す繊維を含ませてもよい。
第1層の坪量は5〜30g/m2、特に8〜20g/m2であることが好ましい。第2層の坪量は5〜45g/m2、特に8〜40g/m2であることが好ましい。第1層及び第2層を含む不織布全体の坪量は10〜75g/m2、特に18〜45g/m2であることが好ましい。第1層の坪量に対して、第2層の坪量は、同じか、または高い方が好ましい。
第1層の構成繊維は、液透過により親水性が低下し易い繊維である。つまり、第1層の構成繊維は、水との接触で親水性の程度が低下し易いものであり、表面シートを液が透過し吸収体内に吸収された後には、液を透過した部分の第1層の構成繊維は、実質的に疎水性を示すようになるものである。
これに対し、第2層は、液透過により親水性が低下し難い繊維と液透過により親水性が低下し易い繊維との両者を含んでいる。第2層に含まれる液透過により親水性が低下し難い繊維は、水との接触で親水性の程度が低下し難いものであり、第1層を透過した液が、更に第2層を透過して、吸収体に吸収された後であっても、実質的に親水性を維持するものである。
尚、再度、表面シートに液が接触しても、親水性を維持している第2層と液の勢いによって、液を第1層から第2層へ透過させるので、第1層から第2層への液の移行と、第2層から吸収体への移行がスムーズに行われる。
第1層を構成する、液透過により親水性が低下し易い繊維(以下、第1層中の非耐久性繊維ともいう)は、肌当接面側に供給された液(排泄された尿等)が不織布を通過する際に親水性の程度が低下し、次の液が通過するまでの時間に乾燥して表面が実質的に疎水性となる。そのため、吸収体に吸収された液の肌当接面への逆戻りが阻止され、ウエットバック量が低減される。
他方、第2層を構成する繊維が、液透過により親水性が低下し難い繊維(以下、第2層中の耐久性繊維ともいう)を含むため、肌当接面側に供給された液(排泄された尿等)が不織布を通過した後に、再度、液が通過する際においても、不織布全体としての通液性が維持されると共に、第2層を構成する繊維が、液透過により親水性が低下し易い繊維(以下、第2層中の非耐久性繊維ともいう)を含むため、第2層を構成する繊維の繊度が高いこととも相俟って、吸収体から肌当接面への液の逆戻りが一層効果的に阻止される。
液透過後の不織布全体の通液性と液戻り防止性能の一層の向上の観点から、第2層中の耐久性繊維と第2層中の非耐久性繊維との質量比(耐久性繊維:非耐久性繊維)は、30:70〜70:30であることが好ましく、40:60〜60:40であることがより好ましい。
第1層中の非耐久性繊維及び第2層中の非耐久性繊維として用いる繊維は、例えば、疎水性繊維を親水化する際の親水化剤や条件等をコントロールすることで得られる。例えば、親水化剤としてノニオン性界面活性剤を主体としたものを使用するのが好ましく、具体的にはポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルのような、水との接触で繊維表面から比較的容易に離脱する物質を用い、該親水化剤を疎水性繊維の表面に塗布することが好ましい。
第2層中の耐久性繊維として用いる繊維も、同様に、疎水性繊維を親水化する際の親水化剤や条件等をコントロールすることで得られる。例えば、親水化剤としてポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリエーテル−ポリエステルブロック共重合体、ポリエーテル変性シリコーン、エチレンオキサイド付加多価アルコールの脂肪酸エステルのような、水と接触しても繊維表面から容易には離脱しない物質を用い、該親水化剤を疎水性繊維の表面に塗布するか、または親水化剤を予め繊維中に練り込んでおくことで得られる。
第2層の耐久性繊維としては、疎水性繊維に親水化処理が施されたものが好ましいが、コットンやレーヨン等の親水性繊維を第2層の全量に対して0.1〜40重量%程度配合してもよい。また、コットン等の天然繊維は、繊度に分布があり、2.2dtex以下の部分も含まれるため、繊維径のコントロールの容易等の観点から、第2層の耐久性繊維としては、親水化処理が施された合成繊維、及び/又はレーヨン等の半合成繊維(再生繊維)を用いることが好ましい。
第1層及び第2層の構成繊維が、液透過により親水性が低下し難い繊維(耐久性繊維)及び液透過により親水性が低下し易い繊維(非耐久性繊維)の何れであるかは、例えば、以下の方法により測定した沈降時間を基準にして判断することができる。
<沈降時間の測定方法>
表面シートを製造する前の原料段階の繊維を、繊維の種類ごとに均一にほぐして、それを測定に用いる。繊維5.0±0.1gを、ASTM D1117−80 5.2.1.1に記載されている円筒ワイヤー容器にはみ出さないように詰め、この容器を温度23℃のイオン交換水1000ccを満たした口径115mm円筒カップ容器中に浮かべてから、円筒ワイヤ−容器全体が水面下に完全に沈むまでの時間T1(s)を測定する。
次いで、円筒ワイヤー容器内から繊維を取り出して、常温下で風乾させる。風乾させ完全に水分が除去されたのを確認後、風乾した繊維を用いて、上記と同じ操作を行い、風乾した繊維を詰めた円筒ワイヤー容器をイオン交換水を満たした容器内の水面下に強制的に完全に沈ませる。
次に、円筒ワイヤー容器内から繊維を取り出して、常温下で風乾させる。風乾させ完全に水分が除去されたのを確認後、風乾した繊維を用いて、上記と同じ操作を行い、風乾した繊維を詰めた円筒ワイヤー容器をイオン交換水を満たした容器に完全に沈むまでの時間T2(s)を測定する。同じ繊維で同様な測定をn=3行い、平均値を算出し、沈降時間(s)とした。
上記の方法で時間T1(s),T2(s)を測定し、T1(s)が200秒以下の繊維であれば親水性の繊維であると判断する。即ち、耐久性繊維又は非耐久性繊維であると判断する。そして、2回水に沈降された後の3回目の液接触となるT2(s)が、200秒以下であれば、耐久性繊維であると判断し、200秒超であれば非耐久性繊維であると判断する。
耐久性繊維及び非耐久性繊維のT1(s)は、100秒以内が好ましく、50秒以内がより好ましく、10秒以内が一層好ましい。また、耐久性繊維のT2(s)は、液透過性との観点から、150秒以下がより好ましく、100秒以下が一層好ましい。
第1層中の非耐久繊維と第2層中の非耐久繊維とは、第1層中の非耐久繊維よりも後者の方が、液透過により親水性が低下する程度が低いことが好ましい。
後述する実施例においては、沈降時間T1(s),T2(s)を測定する方法で、耐久性繊維であるか否か及び非耐久性繊維であるか否かを決定した。
非耐久性繊維と耐久性繊維を判断する基準として、イオン交換水との接触角を用いてもよい。
接触角は、繊維上の水滴と繊維表面との角度であり、その接触角が小さい方の親水性が高いと判断することができる。液透過前と、液透過後の接触角を測定する。
測定は繊維の状態でも、不織布の状態でもよい。不織布の状態では、直径10mmの円内に合計50gのイオン交換水を透過させ、30℃で約2時間乾燥した後で、イオン交換水の接触角を測定したものを液透過後の接触角とする。
非耐久性繊維は、液透過前の接触角は30°〜80°が好ましく、液透過後の接触角は50°〜100°であることが好ましい。耐久性繊維は、液透過前の接触角は30°〜80°が好ましく、液透過後の接触角は35°〜80°であることが好ましい。液透過後の接触角が、液透過前の接触角に比べて、20°以上大きくなった場合には、耐久性がないと判断する。
不織布での液透過前の接触角の測定方法は、以下の通りである。
〔接触角の測定方法〕
キーエンス製マイクロスコープVH-8000に中倍率ズームレンズ(照明リング付)を90°に倒した状態で使用し、500倍の条件に設定して計測を行った。測定用サンプルは、上下層が一体となった状態のまま、MD150mm×CD70mmの大きさにカットしたものを用いた。測定環境は、20℃/50%RHであり、測定用サンプルは、測定面を上向きにした状態として、ウエブ(不織布)のCD方向から観察できるように測定ステージにセットした。
CD方向からウエブを観察する理由は、一般的にウエブの繊維はMD方向に配向されていることが多く、繊維が測定画面の幅方向に配列する可能性が高くなるためである。このようにセットすることによって、繊維の長さ方向に対して垂直な方向からレンズで観察する。
第1層の構成繊維の接触角を求める場合は、第1層表面の繊維を測定ターゲットとし、第2層の成繊維の接触角を求める場合は、第2層表面(表面シートとして用いる場合には、吸収構体側に向けられる面)の繊維を測定ターゲットとする。通常、多層構造の繊維シートでは、その界面でシートを分けることは可能であるが、界面の状況によっては、別層の繊維が紛れ込む場合がある。このため、何らかの理由で第1層と第2層とを別々に測定しなければならない場合は、重りあっていない面で接触角を測定する。
次いで、セットされた測定用サンプルに、イオン交換水を充填した霧吹き(なるべく霧の状態が細かくなるような道具を使用する)にて水滴を繊維表面に付着させ、付着5秒以内(なるべく2〜3秒)に画像を取り込む。付着後短時間で画像取り込みが必要な理由は、付着した水滴がマイクロスコープの測定部から出る光によって蒸発してしまうことと、油剤による接触角変化をおこさないようにするためである。水滴の両端もしくは片端の焦点が鮮明な観察結果10点の接触角を計測し、それらの平均値を「接触角」とした。接触角は、画像または印刷した写真に対して、図1のように、水滴の繊維との接線を引き、画像解析または分度器等によって、計測を行う。尚、接触角の測定は、表面シートのままではなく、上下層から、それぞれの構成繊維を取り出して計測することも可能である。
なお、この接触角の測定は、以下の項目に注意しておこなう必要がある。
(イ)繊維上面での接触角を測定する。繊維の上に載った水滴を対象とし、繊維の下まで垂れ下がった水滴や、2本以上の繊維にまたがった水滴では測定しない。
(ロ)繊維が螺旋状等の細かい捲縮を発生している場合は、捲縮が少ないところか、繊維を伸張させて捲縮状態を無くして測定する。
(ハ)接触角の計測結果は、場所を変えた10個の計測値の算術平均とするが、親水度が高いと、計測時繊維上に水滴が留まりにくく、流れてしまう場合がある。その場合、その流れる割合に応じて「接触角」を判断する。
・計測値が10個になるまでに、総測定数(繊維と水との接触が観察された測定箇所の総数,接触後に水滴が流れた場合と流れなかった場合との合計,以下同じ)の40%未満が流れてしまった場合、10個の計測値の平均結果を「接触角」とする。
・計測値が10個になるまでに、総測定数の40%以上が流れてしまった場合、又は、10ヶ所の測定を行った時点で40%以上が流れてしまった場合、「接触角」は20°以下とする。
本発明に係る表面シートを構成する不織布としては、各種不織布製造方法で得られたものを用いることができる。特にエアスルー法又はヒートロール法で得られたものであることが、良好な風合い、嵩高さ等の点から好ましい。エアスルー法は、カードウエブなどの繊維ウエブを、通気性のネットやドラムの上に載置し、熱風を吹き付けることで構成繊維の交点を熱融着させて不織布化する方法である。ヒートロール法は、カードウエブなどの繊維ウエブを、所定温度に加熱した彫刻ロールと平滑ロールとの間、又は一対の平滑ロール間に通して挟圧することで構成繊維の交点を熱融着させて不織布化する方法である。これら2つの方法のうち、風合いが一層良好で、また一層嵩高い不織布が得られる点から、エアスルー法を用いることが好ましい。
前述した製造方法から明らかなように、エアスルー法で得られた不織布(以下、エアスルー不織布ともいう)は、ネット又はドラム対向面(以下、ネット対向面ともいう)と、熱風の吹き付け面(以下、吹き付け面ともいう)との2つの面を有している。エアスルー不織布におけるこれら2つの面のうち、ネット対向面が、着用者の肌に対向するように該不織布をおむつに配することが好ましい。つまり、エアスルー不織布の製造方法において、第1層側がネット対向面側となるように不織布を製造する。逆に言えば、第2層側が吹き付け面となるように不織布を製造し、第2層側が吸収体に対向する側となるように該不織布をおむつに配する。エアスルー不織布をこのように配する理由は、ネット対向面は毛羽立ちが少ないこと、及びネット対向面は平滑であり引っかかり感が少ないこと等によるものである。
次に、本発明に係る表面シートを構成する不織布の好ましい製造方法を、2層構造のエアスルー不織布の製造を例にとり説明する。先ず、第1の繊維ウエブ及び第2の繊維ウエブを製造する。第1の繊維ウエブは繊度2.2dtex以下の細い繊維から構成されている。一方、第2の繊維ウエブは繊度2.2dtex超の太い繊維から構成されている。各繊維ウエブの製造方法としては、例えば繊維としてステープルファイバーを用いる場合にはカード法を用いることができる。各ウエブを構成する繊維が疎水性である場合には、親水化剤を用いて親水化処理を施す。このとき、各ウエブを構成する繊維の親水化度は前述したようにコントロールすることが好ましい。
第2の繊維ウエブ上に第1の繊維ウエブを重ね合わせ、エアスルー法によってウエブを不織布化する。先ず、重ね合わせ状態にあるウエブを通気性材料からなるネット又はドラム上に載置する。このとき、第1の繊維ウエブがネット又はドラムに対向するようにウエブを載置する。通気性材料としては一般に樹脂製や金属製のネットなどが用いられる。
そして、ウエブがネット又はドラム上に載置された状態下に、第2の繊維ウエブ側、即ち太い繊維からなるウエブ側から熱風を吹き付けて、ウエブにおける繊維どうしの交点を熱融着させる。
得られたエアスルー不織布には、付加的に超音波エンボス加工や熱ロールエンボス加工を施してもよい。これによって、不織布の風合いが一層向上し、また肌との接触面積が一層低下する。このようにして得られたエアスルー不織布は、そのままインラインで、或いは一旦巻き取られた後の別工程で、吸収性物品の製造工程に供され、表面シートの構成部材として用いられる。
本発明において用いられる不織布は、概ねあらゆる吸収体上に配置しても柔らかさを示すものである。吸収体としては例えば、着用者対向側にパルプのみからなる層を有し、その下側に高吸収性ポリマーを主体とする吸収保持層を有するタイプの吸収体も挙げられるが、とりわけ高吸収性ポリマーとパルプとを混合したタイプの吸収体の上に前記不織布を配置すると、ウェットバックを抑える効果が高くなるので好ましい。
吸収体を薄くして吸収性物品としての着用性(フィット性)や携帯性を高めようとする場合に表面シートとして前記不織布を用いると、それらの特性が妨げられずに吸収性物品の風合いが高まるので好ましい。吸収体の厚みが5mm以下、とりわけ3mm以下である場合に前記不織布は特に有用である。加えて、吸収体を薄くすることに起因して吸収体を硬せざるを得ない場合があるが、そのような場合であっても前記不織布を用いると着用者に吸収体の硬さを直接感じさせないという利点もある。
本発明の吸収性物品は、液透過性の表面シート、液不透過性又は撥水性の裏面シート、及び両シート間に位置する吸収体を備えた吸収性物品であって、液透過性の表面シートとして、上述した本発明の表面シートを、第1層が肌当接面を形成するように用いたものである。
本発明の吸収性物品は、本発明に係る表面シートを、該表面シートと前記吸収体との間に中間シートを配した状態で使用したものであることが好ましい。中間シートは、いわゆるサブレイヤーと呼ばれるものである。中間シートを介在させることで、クッション感を向上させることができる。
中間シートは、表面シート側に位置する第3層と、第3層に隣接し、吸収体側に位置する第4層とを有する不織布(典型的には2層構造の不織布)からなり、第3層の構成繊維の繊度が、第4層の構成繊維の繊度より大きいものであることが好ましい。
第4層の構成繊維の繊度が小さいことにより、吸収体と接触する繊維の本数や接触する長さが増加して、吸収体への液の移行性が向上すると共に、第3層の構成繊維の繊度が大きいことにより、吸収体から表面シートへの液戻りを効果的に防止することができる。
第3層の構成繊維の繊度は、1.0〜20dtexであることが好ましく、より好ましくは2.0〜10dtexである。
第4層の構成繊維の繊度は、0.5〜15dtexであることが好ましく、より好ましくは1.0〜6.0dtexである。
第3層の構成繊維の繊度d3と、第4層の構成繊維の繊度d4との比(d3/d4)は、1.1〜40、特に1.3〜10であることが好ましい。
第3層の構成繊維の繊度は、表面シートの第2層の構成繊維の繊度と同じか又はそれより大きいことが好ましい。肌当接面に供給された液は、表面シートを通過することによって、その流れの速度が低下する。第3層に太い繊維を用いることにより、第1層と第2層の繊維が抵抗となり勢いが弱くなった液も効率的に第4層に移行し、液戻り防止性能を更に向上させることができる。
第3層の構成繊維の繊度d3と、第2層の構成繊維の繊度d2との比(d3/d2)は、1.0〜 11.0、特に1.3〜5.0であることが好ましい。
また、第4層の構成繊維の繊度は、第2層の構成繊維の繊度より小さいことが好ましい。これにより、緻密な第1層によって液の勢いが弱くなり吸収体へ移動できなくなったため不織布中へ残った液に対して、第2層と第4層との繊維太さ勾配により生じた毛管力により、この残ってしまった液体が吸収体側へ移動することとなり、排尿後同じ着用者が長時間同じおむつを装着していても、肌当接面に液体が残らなくなり、さらっと感が向上することになる。
第4層の構成繊維の繊度d4と、第2層の構成繊維の繊度d2との比(d4/d2)は、0.006 〜 0.999、特に0.5〜 0.95であることが好ましい。
また、中間シートの第3層及び第4層の構成する繊維は、何れも、液透過後親水性が低下し難い繊維であることが好ましい。第3層を、第2層中の耐久性繊維と同様の耐久性繊維で構成することで、液の引き込み性が更に向上し、ウエットバック量を一層低下させることができる。尚、第3層と第4層とを比較したときには、第4層の方が親水性が低下しにくいことが好ましい。
前記第3、4層を構成する繊維としては、上述した第2層中の耐久性繊維と同様のものを用いることができる。耐久性繊維としては、疎水性繊維に親水化処理が施されたものが好ましいが、コットンやレーヨン等の親水性繊維を第3,4層の全量に対して0.1〜40重量%程度配合してもよい。また、コットン等の天然繊維は、繊度に分布があり、2.2dtex以下の部分も含まれるため、繊維径のコントロールの容易等の観点から、第3,4層の耐久性繊維としては、親水化処理が施された合成繊維、及び/又はレーヨン等の半合成繊維(再生繊維)を用いることが好ましい。
第3層は、構成繊維の全体又は一部が立体的に捲縮した立体捲縮繊維であることが好ましい。立体捲縮繊維は、立体的な螺旋状の捲縮を発現した繊維であり、例えば、収縮率の異なる2種類の熱可塑性ポリマー材料を成分とする偏心芯鞘型複合繊維又はサイド・バイ・サイド型複合繊維からなる。立体捲縮繊維としては、各種公知のものを用いることができる。
立体捲縮繊維は、繊維の太さの割に、繊維間に空間を形成する能力に優れている。そのため、立体捲縮繊維を用いることにより、比較的、速度の速い液を、繊維間の比較的広い空間を通じて第4層に良好に移行させることができると共に、比較的速度の遅い液も、繊維を伝って第4層に良好に移動する。これにより、一層液の引き込み性及び液戻り防止性に優れた吸収性物品を得ることができる。
第3層中の立体捲縮繊維の含有量は1〜100質量%、特に30〜100質量%であることが好ましい。
本発明は前記実施形態に制限されない。例えば表面シートを構成する不織布においては、第2層の下側に1層以上の付加的な層を更に配してもよい。
本発明は、例えば使い捨ておむつ、生理用ナプキン、失禁パッド、パンティライナ(おりものシート)などを始めとする各種吸収性物品に適用することができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら、本発明の範囲はかかる実施例に制限されるものではない。
〔実施例1〕
ポリエチレンテレフタレート(PET,芯)/ポリエチレン(PE,鞘)からなる繊度2.0dtex)の芯鞘型複合繊維(オクチルアルコール(EO)1フォスフェート塩で親水化処理したもの、第1層中の非耐久性繊維に相当)を原料として用い、カード法によって第1の繊維ウエブを製造した。坪量は10g/m2であった。
これとは別に、ポリプロピレン(PP,芯)/ポリエチレン(PE,鞘)からなる繊度(5.6dtex)の芯鞘型複合繊維(ポリグリセリン脂肪酸エステルで親水化処理したもの、第2層中の耐久性繊維に相当)、及びポリエチレンテレフタレート(PET,芯)/ポリエチレン(PE,鞘)からなる繊度(5.6dtex)の芯鞘型複合繊維(ソルビタン脂肪酸エステルで親水化処理したもの、第2層中の非耐久性繊維に相当)をカード機により混綿して、これを原料としてカード法によって第2の繊維ウエブを製造した。坪量は15g/m2であった。
第2の繊維ウエブ上に第1の繊維ウエブを重ね合わせ、両者をワイヤーメッシュからなる金属製の無端縁ネット上に載置した。このとき、第1の繊維ウエブがネットに対向するようにウエブを載置した。ネットを20m/分の速度で走行させながら、第2の繊維ウエブの側から温度140℃の熱風を60m/分の速度で18秒間吹き付けた。これによりウエブの構成繊維の交点を熱融着させ、坪量25g/m2のエアスルー不織布を得た。得られた不織布は、繊度2.0dtexの繊維からなる第1層と、何れも繊度5,6dtexである2種類の繊維からなる第2層との2層構造であった。
得られたエアスルー不織布を使い捨ておむつの表面シートとして用いた。また裏面シートとしてポリエチレン製の透湿フィルムを用い、吸収体としてフラッフパルプと高吸収性ポリマーの粒子との積繊体(パルプ/ポリマー重量比=50/50)を台紙で包んだものを用いた。吸収体上に直接表面シートを配し、常法に従い使い捨ておむつを製造した。このとき、表面シートとして用いられるエアスルー不織布を、その第1層側がおむつにおける肌対向面となるように、おむつに配した。つまり、エアスルー不織布における吹き付け面が、おむつにおける吸収体対向面となるようにした。
〔実施例2,3並びに比較例1〜4〕
第1層及び第2層の構成繊維として表1に示すものを用い、実施例1と同様にしてエアスルー不織布及び使い捨ておむつを得た。
〔実施例4〕
第1層及び第2層の構成繊維として表1に示すものを用い、実施例1と同様にして表面シート用のエアスルー不織布を製造すると共に、以下のようにして中間シート用の不織布を製造し、そのエアスルー不織布を表面シートとして用いると共に、その表面シートとその下の吸収体との間に中間シートを介在させた以外は、実施例と同様にして使い捨ておむつを得た。
中間シートの製造方法:ポリプロピレン(PP,芯)/ポリエチレン(PE,鞘)からなる繊度(7.8dtex)の芯鞘型複合繊維( ポリグリセリン脂肪酸エステルで親水化処理したもの、第3層中の耐久性繊維に相当)を原料として用い、カード法によって第3の繊維ウエブを製造した。坪量は13g/m2であった。これとは別に、ポリエチレンテレフタレート(PET,芯)/ポリエチレン(PE,鞘)からなる繊度(3.3dtex)の芯鞘型複合繊維(ポリオキシエチレンアルキルエーテルで親水化処理したもの、第4層中の耐久性繊維に相当)を原料として用い、カード法によって第4の繊維ウエブを製造した。坪量は13g/m2であった。
第4の繊維ウエブ上に第3の繊維ウエブを重ね合わせ、両者をワイヤーメッシュからなる金属製の無端縁ネット上に載置した。このとき、第3の繊維ウエブがネットに対向するようにウエブを載置した。ネットを20m/分の速度で走行させながら、第4の繊維ウエブの側から温度140℃の熱風を60m/分の速度で18秒間吹き付けた。これによりウエブの構成繊維の交点を熱融着させ、坪量26g/m2のエアスルー不織布を得た。得られた不織布は、繊度7.8dtexの繊維からなる第3層と、3.3dtexである2種類の繊維からなる第4層との2層構造であった。
Figure 0004566059
得られたおむつについて、以下の方法で表面シートの風合いを評価すると共にウエットバック量及び液の引き込み性を測定した。結果を以下の表2に示す。
〔表面シートの風合い〕
20人の女性をモニターにして官能試験を行い、以下の評価基準でおむつにおける表面シートの風合いを点付けし、その平均点を算出した。官能試験の項目は柔らかさ、滑らかさ、肌触りとし、比較例1のおむつにおける表面シートを基準とした。
評価基準
+5点…良い
+4点…やや良い
+3点…どちらでもない(比較例1)
+2点…やや悪い
+1点…悪い
〔ウエットバック量〕
使い捨ておむつの中央部の表面シート上から生理用食塩水200gを吸収させ10分間放置した。次いで、生理用食塩水の吸収部位上にアドバンテック製のNo.4Aろ紙20枚重ね、更にその上に荷重を2分間加えて生理食塩水をろ紙に吸収させた。荷重は10cm×10cmの面積に34.3Nが加わるようにした。2分経過後荷重を取り除き、生理食塩水を吸収したろ紙の重量を測定した。この重量から吸収前のろ紙の重量を差し引き、その値をウエットバック量とした。
〔液の引き込み性〕
使い捨ておむつを、その表面材が上方を向くように、45度に傾斜した板の上に固定した。おむつの上側の端部から200mm内側の位置に、生理食塩水を50g流し、生理食塩水が表面材上を伝って流れ落ちる距離を測定した。同様の測定を3回繰り返し、各回の距離を測定した。この距離が短い程、液の引き込み性に優れていることを意味する。評価は以下の基準で行った。
◎・・初回の液流れ距離が60mm以下で、且つ繰り返し測定しても液流れ距離が長くならない。
○・・初回の液流れ距離が60mm超〜100mmで、且つ繰り返し測定しても液流れ距離が長くならない。
△・・初回の液流れ距離は100mm以下であるが、繰り返しの測定により徐々に液流れ距離が長くなる。但し、液流れ距離は200mmを超えず、おむつ端部から液が漏れることはない。
×・・初回又は繰り返しの測定で、液流れ距離が200mmを超え、おむつ端部から液が漏れ出る。
Figure 0004566059
表2に示す結果から明らかなように、実施例1〜4の使い捨ておむつ(本発明に係る表面シートを用いた吸収性物品又は本発明の吸収性物品)は、表面シートが良好な風合いを呈し、またウエットバック量が少なく、また液の引き込み性に優れていることが判る。これに対して、比較例1〜3の表面シートは、液の引き込み性に劣り、また、比較例4の表面シートは、ウエットバック量が多いことが判る。
図1は、接触角の測定方法を説明するための図であり、(a)及び(b)は、接触角が好ましく計測された図である。なお、(a’)及び(b’)は、繊維上の液滴が蒸発したあとの繊維を示す図であり、水滴との境界部における繊維表面の接線を計測するために用いる。

Claims (1)

  1. 液透過性の表面シート、液不透過性又は撥水性の裏面シート、及び両シート間に位置する吸収体を備え、且つ前記表面シートと前記吸収体との間に中間シートが配されている吸収性物品において、
    前記液透過性の表面シートは、肌当接面を形成する第1層と、該第1層に隣接し、吸収体側に配される第2層とを有し、
    第1層は、繊度が2.2dtex以下で且つ液透過により親水性が低下し易い繊維からなり、
    第2層は、第1層の構成繊維より繊度が大きい繊維から構成され、液透過により親水性が低下し難い繊維と液透過により親水性が低下し易い繊維とを含んでおり、
    前記第2層を構成する、前記液透過により親水性が低下し難い繊維と前記液透過により親水性が低下し易い繊維との質量比が30:70〜70:30であり、
    前記中間シートは、前記表面シート側に位置する第3層と、該第3層に隣接し、前記吸収体側に位置する第4層とを有しており、第3層の構成繊維の繊度が、第4層の構成繊維の繊度より大きく、
    前記第3層の構成繊維の繊度は、前記第2層の構成繊維の繊度と同じか又はそれより大きく、
    前記第4層の構成繊維の繊度は、前記第2層の構成繊維の繊度より小さく、
    前記第3層及び第4層の構成繊維は、液透過により親水性が低下し難い繊維であり、
    前記第3層の前記構成繊維の全体又は一部が立体捲縮繊維である、吸収性物品。
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