JP4570842B2 - フィードバックltiゼーションを使用して多入力多出力(mimo)パラメータ依存システムを制御するための方法、装置および設計手順 - Google Patents

フィードバックltiゼーションを使用して多入力多出力(mimo)パラメータ依存システムを制御するための方法、装置および設計手順 Download PDF

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Description

【0001】
(発明の背景)
I.発明の分野
本発明は、制御法則(たとえば、飛行機の飛行制御法則)を、多入力多出力(MIMO)フィードバックLTIゼーションと呼ばれる技術を適用することによって設計する方法に関し、この技術は、非線形および線形パラメータ依存(「LPD」)動的システムのクラスについてのフィードバック制御設計問題を解くために適用可能であり、このシステムは線形パラメータ変動(「LPV」)としても知られており、多数の入力および多数の出力を有する。フィードバックLTIゼーションは、座標変換およびフィードバック制御法則を結合し、その結果、システム・パラメータ依存項がキャンセルされ、変換された空間開ループ・システム線形時不変(LTI)が生じる。本発明はさらに、多入力フィードバックLTIゼーションを使用して、LPD動的デバイスについての制御システムに関連する制御設計問題を解くことに関する。詳細には、本発明は、多数の制御入力を有するパラメータ依存動的デバイス(たとえば、飛行機)を制御するためのフィードバック制御システムに適用される。
【0002】
II.背景
フィードバック制御設計問題を解くために使用される設計技術を、いくつかのクラスに分割することができる。たとえば、2つの幅広いクラスは、(1)線形時不変システム(本明細書では以下で「LTI」と称する)および(2)非線形システムである。過去40年間、LTIシステムは多大な注意を受けており、結果として多数の明確な制御設計技術が生じてきた。たとえば、Maciejowski,J.M.の「Multivariable Feedback Design」,1989年,Addison−Wesley、およびReid,J.G.の「Linear System Fundamentals」,1983年,McGraw−Hillを参照されたい。これらはそれぞれ参照により本明細書に組み込まれる。非線形システムは対照的に、はるかに注意を受けてきていない。したがって、より小さいセットの技術が、非線形システムまたは線形パラメータ依存システムのためのフィードバック制御システム設計において使用するために開発されてきた。結果として、非線形システムのための制御法則の設計は困難な作業になる可能性がある。通常、制御法則は、動的デバイスを望ましくかつ予測可能な方法で制御するために使用される複数の式からなる。以前、LPDシステムのための制御法則を、準静的LTI設計技術を使用して設計するには、莫大な量の労力を要する可能性があり、しばしば数週間、そうでなければ数カ月の時間を、単一の完全なエンベロープの設計を完成するために要した。たとえば、飛行制御法則を設計するとき、設計者は予測し、次いで制御法則を設計して、多数の(しばしば数千もの)動作基点をフライト・エンベロープ(すなわち、飛行機についての動作または性能限界)内に収容しなければならない。
【0003】
フィードバック線形化(Isidori,A.の「Nonlinear Control Systems」,2nd Edition,1989年,Springer−Verlagを参照することができ、これは参照により本明細書に組み込まれる)は、幅広いクラスの非線形システムのための設計を制御するために適用可能であるが、任意の率でのシステム・パラメータ変化には明示的に対応しない。フィードバックLTIゼーションは、単一の入力システムのために制御システム・モデルを線形時不変にするために使用される技術であり、発明者のDr.David W.Vosの博士論文「Non−linear Control Of An Autonomous Unicycle Robot;Practical Issues」,Massachusetts Institute of Technology,1992年で概説されており、これは参照により本明細書に組み込まれる。この論文はフィードバック線形化を拡張して、高速なパラメータ変化に明示的に対応している。しかし、この博士論文は、フィードバックLTIゼーションを単一入力または多入力のパラメータ依存動的システムに適用するための、汎用的に適用可能な解法またはアルゴリズムを与えていない。米国特許第5,615,119号(参照により本明細書に組み込まれ、以下で「‘119」特許と称する)はこの問題に対処しているが、故障検出フィルタ設計に関連するものである。詳細には、‘119特許にはフォルト・トレラントな制御システムが記載されており、このシステムは(i)座標変換微分同相写像および(ii)フィードバック制御法則を含み、線形時不変(制御システム・モデルを線形時不変にするフィードバック制御法則を、以下で「フィードバックLTI制御法則」と称する)である制御システム・モデルを生じるものである。
【0004】
‘119特許は、故障の検出および分離、および制御法則の再構成を包含し、これは様々なアクチュエータおよびセンサ信号を、LTI故障検出フィルタをその中で実行することができる線形時不変座標系に変換することによって行い、よって、パラメータが経時的に変化する動的システムのための故障の検出および分離のための能力を提供する。すなわち、検出フィルタを、いわゆるZ空間で実施することができ、この中でシステムを線形時不変として表現することができ、これは動的システム・パラメータから独立している。
【0005】
しかし、必要とされるものは、‘119特許におけるフィードバックLTIゼーション制御法則の原理をさらに多入力パラメータ依存システムまで拡張するものである。さらに、制御システム設計者は長期にわたって、パラメータ依存非線形システムに関係する制御法則を設計する、高速かつ効率的な方法の必要性を経験してきた。したがって、制御法則設計の効率的な方法が必要とされる。同様に、多数の制御入力を有するこのような動的デバイスを制御することを目的とした制御システムの必要性もある。
【0006】
(発明の概要)
本発明は特に多入力フィードバックLTIゼーション問題を解き、パラメータ依存動的デバイス(たとえば、飛行機)クラスのシステムのためのフィードバック制御法則設計のための方法を示す。加えて、本発明は、多数の入力を有するパラメータ依存動的デバイスを制御するための制御システムを提供する。本発明はまた、上述の‘119特許(すなわち、多入力の場合における故障検出システム設計についてのもの)で論じられた方法およびシステムにも適用可能である。本発明の概念の結果として、制御システム設計者はこのとき数週間または数カ月の設計時間を減らすことができる。
【0007】
本発明の一態様によれば、動的デバイスを制御するための自動制御システムが提供される。このデバイスは、センサ、およびメモリに格納された制御法則を含む。制御システムは、ステータス信号(状態ベクトルを測定するもの)および現行外部状態信号(パラメータ値を測定するもの)をセンサから受信するため、かつ基準信号を受信するための受信手段を含む。また、処理構造も含まれ、これは(i)ゲイン・スケジュールを選択かつ適用して制御法則を更新するためのものであり、ゲイン・スケジュールは現行外部状態信号(パラメータ値)に対応し、多入力線形時不変座標系において生成され、(ii)パラメータ変化率を決定し、パラメータ変化率を適用して制御法則を更新するため、(iii)デバイス・ステータス信号フィードバックを適用して制御法則を更新するため、かつ(iv)デバイスを、更新された制御法則に基づいて制御するためのものである。
【0008】
本発明の別の態様によれば、多入力パラメータ依存フィードバックを使用して飛行制御法則を設計するための方法が提供される。この方法は以下のステップを含む。すなわち、(i)飛行輸送手段運動方程式のための座標系を決定するステップ、(ii)飛行輸送手段運動方程式のための座標系を、多入力線形時不変システムに変換するステップ、(iii)変換された座標運動方程式LTIを生じる制御基準を確立するステップ、(iv)制御基準を調整して、制御されたシステムについての所望の閉ループ挙動を得るステップ、および(v)変換された座標制御法則を物理座標に変換するステップである。
【0009】
本発明のさらに別の態様によれば、動的デバイスを制御する方法が提供される。このデバイスはアクチュエータ、センサ、およびメモリに格納された制御法則を含む。この方法は以下のステップを含む。すなわち、(i)デバイス特性を多入力線形時不変システムに変換するステップ、および(ii)物理ゲイン・スケジュールを選択し、制御法則に適用するステップを含み、ゲイン・スケジュールは現行外部状態信号に対応し、さらに(iii)パラメータ変化率を決定かつ適用して制御法則を更新するステップ、(iv)デバイス・ステータス信号フィードバックを適用して制御法則を更新するステップ、(v)変換された座標制御法則を物理座標に変換するステップ、および(vi)デバイスを、更新された制御法則に基づいて制御するステップである。
【0010】
コンピュータ上に格納された特定のコンピュータ実行可能ソフトウェアまたはプロセッサ可読媒体もまた、本発明の別の態様である。動的デバイスのための制御法則を開発するためのこのソフトウェア・コードは、(i)デバイス特性を多入力線形時不変システムに変換するためのコード、(ii)変換された座標運動方程式LTIを生じる制御基準を確立するためのコード、(iii)設計点を多入力線形時不変システムにおいて定義するためのコード、(iv)設計点に対応するように変換を調整するためのコード、および(v)調整された変換に対応する物理座標制御法則を開発するためのコード、および(vi)逆変換を適用して完全な設計エンベロープを包含するためのコードを含む。
【0011】
本発明のさらに別の態様では、航空機を制御するための多入力パラメータ依存制御システムが提供される。このシステムは、航空機ステータス信号を受信するため、かつ現行外部状態信号を受信するための受信手段を含む。コンピュータ実行可能コードを格納するための少なくとも1つの領域を有するメモリも含まれる。プログラム・コードを実行するためのプロセッサが提供され、プログラム・コードが、(i)航空機特性を多入力線形時不変システムに変換するためのコード、および(ii)ゲイン・スケジュールを選択し、飛行制御法則に適用するためのコードを含み、ゲイン・スケジュールは現行外部状態信号に対応し、さらに、(iii)パラメータ変化率を決定し、パラメータ変化率を飛行制御法則に適用するためのコード、(iv)航空機ステータス信号からのフィードバックを飛行制御法則に適用するためのコード、(v)変換された座標制御法則を物理座標に変換するためのコード、および(vi)航空機を、更新された飛行制御法則に基づいて制御するためのコードを含む。
【0012】
本発明は、以下の図面と共に、好ましい実施形態の詳細な説明からより容易に理解されるであろう。
【0013】
(好ましい実施形態の詳細な説明)
本明細書に記載するものは、多入力フィードバック(「FBK」)LTIゼーションと呼ばれる技術であり、これは、アクチュエータ・コマンドなどの多数の入力を有する、非線形および線形パラメータ依存システムのクラスについてのフィードバック制御設計問題を解くことに適用可能である。この技術は、空気密度および動圧など、システム・パラメータの任意の変更および変化率に対応する。当業者には理解されるように、非線形システムのサブセット、すなわち線形パラメータ依存(本明細書では以下で「LPD」と称する)システムは、現実世界の動的システムをモデリングする1つの方法である。このようなシステムのための制御設計は従来、LTI(線形時不変)設計技術をいくつかの固定パラメータ値(動作状態)で使用して達成されており、各動作状態で、システムの運動方程式がLTIになる。次いで、これらの設計点の間に適合する曲線によるゲイン・スケジューリングが使用されて、動作状態が変化するときにゲインが変化される。フィードバックLTIゼーションは、完全エンベロープ制御設計のための単純かつ高速な方法を与え、いかなるパラメータ値をも包含する。加えて、結果として得られるゲイン・スケジュール(以下で論じる)はこの設計プロセスの自動生成物であり、閉ループ・システムを、完全パラメータ・エンベロープについて、かつ動作エンベロープ中のシステム・パラメータの任意の変化率について安定するように、これらのゲイン・スケジュールおよびフィードバックLTI制御法則を使用して、示すことができる。
【0014】
フィードバックLTIゼーションを適用して制御法則の設計を容易にするプロセスは、(i)動的デバイス(たとえば、飛行機)の運動方程式の座標をいわゆるz空間に変換するステップ、(ii)変換された座標運動方程式線形時不変(LTI)を生じる制御法則を定義するステップ、および(iii)LTI設計技術を、変換された座標数学モデルに適用して、制御されたシステムについての所望の閉ループ挙動を生じるステップを含む、いくつかのステップを含み、これらすべてについて以下で論じる。第3のステップは、(a)物理座標におけるフィードバック・ゲインを、選択された動作状態で設計すること、(b)座標変換を使用して、これらのゲインをz空間にマップすること、および(c)座標変換およびフィードバックLTI制御法則を介して逆マップして、設計状態以外の動作状態についての物理座標制御法則を決定することによって達成される。
【0015】
本発明の一態様を、航空機の所望のハンドリング・クォリティおよび動的性能を維持するための航空機自動飛行制御システムに関して記載する。しかし、本発明はまた、自動車、列車およびロボットを含む輸送手段など、他の動的デバイスに、かつ、監視および制御を必要とする他の動的システムにも適用可能である。さらに、本発明は、制御法則を設計するための設計方法およびシステムを包含し、これはたとえば、z空間における点を定義し、次いでシステム変換を更新して、x空間における(すなわち、物理座標における)制御法則を生成することによって行う。
【0016】
図1は航空機1の斜視図であり、これはエルロン101、エレベータ102およびラダー103など、飛行制御表面を有する。たとえば、航空機1は、バージニア州マナッサスのAurora Flight Science,Inc.によって操作されたPerseus 004無人航空機である。各飛行制御表面はアクチュエータ(図1には図示せず)を有し、これは対応する表面を制御して、制御された飛行を達成するためのものである。他の飛行制御アクチュエータを設けることができることは言うまでもなく、これはスロットル、プロペラ・ピッチ、燃料混合、トリム、ブレーキ、カウル・フラップなどである。
【0017】
上に記載したアクチュエータは飛行制御コンピュータ104によって制御され、これはアクチュエータ制御信号を、1つまたは複数の飛行制御アルゴリズム(以下で「飛行制御法則」と称する)に従って、制御された飛行を達成するために出力する。予想されるように、飛行制御コンピュータ104が少なくとも1つのプロセッサを有し、これは、飛行制御法則を実行するため、かつ/または飛行を制御するための制御ソフトウェアまたはアルゴリズムを処理するためのものである。また、飛行コンピュータは記憶装置を有することができ、これは読み取り専用メモリ(「ROM」)、ランダム・アクセス・メモリ(「RAM」)および/または他の電子メモリ回路などである。
【0018】
飛行制御コンピュータ104は入力としてセンサ・ステータス信号を、センサ・ラック105に配置されたセンサから受信する。航空機モニタの辺りに配置された様々な航空機性能センサが信号をセンサ・ラック105に供給し、センサ・ラック105はセンサ信号を飛行制御コンピュータ104に供給する。たとえば、設けられた航空機センサには、光度計、対気速度プローブ、ロールおよびピッチ姿勢を測定するための垂直ジャイロ、ロール、ピッチおよびヨー角速度を測定するためのレート・ジャイロ、方向情報のための磁力計、迎え角および横滑り角を測定するためのアルファ・ベータ・エア・プローブなどが含まれる可能性がある。理解されるように、ロール・レート・センサがセンサ一式またはラック105に含まれていない場合、ロール・レート信号を、搭載されたロール・レート・センサが飛行中に故障した場合に使用されるものと同じ戦略を使用することによって、合成することができる。この意味は、ロール・レート信号が、ロール姿勢(バンク角)信号の離散的な導関数を取ることによって合成されるということである。バンク角信号の操作(すなわち、離散的な導関数を取ること)を、飛行コンピュータ104上で実行するソフトウェアによって実行することができる。したがって、センサ・ステータス入力、制御アルゴリズムおよびRAMルックアップ・テーブルを使用すると、飛行制御コンピュータ104がアクチュエータ出力コマンドを生成して様々な飛行制御表面を制御して、安定した飛行を維持する。
【0019】
図2は、本発明による機能的態様を例示する機能ブロック図である。図2は、本発明によるアルゴリズムを例示し、これは、2つの制御入力(たとえば、ラダーおよびエルロン)ならびに2つのパラメータ(たとえば、空気密度および動圧)のシステムについての飛行制御法則を含む。詳細には、このアルゴリズムは無人航空機(たとえば、Perseus 004航空機)の横力学を制御する。当業者には理解されるように、2つより多い入力または2つより多いパラメータを使用するシステムは、以下に論じる原理および式の単純な拡張である。したがって、本発明は、2つの入力または2つのパラメータのみを使用する場合またはシステムに限定されない。そうではなく、本発明は、いかなる多数の入力および多数のパラメータのシステムにも対応することができる。
【0020】
知られているように、図1に示す航空機の数学モデル(たとえば、パラメータ依存動的システム)を、物理座標系(以下で、x空間における座標系と呼ぶ)において書くことができる。航空機の場合、デカルト軸系は、胴体に沿って機首に向けて配置された1本の軸、翼に沿って右翼端に向かって配置された1本の軸、および主要部の中心からまっすぐ下に、最初の2本の軸を組み込む面に垂直に配置された1本の軸を有することができる。これらの軸に沿って、あるいはこれらの軸の辺りに配置されたセンサを介した測定は、たとえば、ロール・レート、バンク角、横滑り、ヨー・レート、迎え角、ピッチ・レート、ピッチ姿勢、対気速度などに関する情報を提供する。
【0021】
‘119特許は、単一入力線形パラメータ依存システムについての状態空間変換およびフィードバック制御法則を発見する問題を解くための方法の記載を提供する。これらの問題に対する解法は、線形パラメータ依存(「LPD」、また線形パラメータ変動−「LPV」とも称する)座標変換を生じ、これは、システム・モデル運動方程式にフィードバックLTI制御法則と共に適用されたとき、変換された状態空間(z空間)において線形時不変(LTI)である記述を生じる。‘119特許において論じられたように、検出フィルタをz空間において実施することができ、ここで動的システム(たとえば、航空機)は線形時不変として表現することができ、それとして動的システム・パラメータから独立している。基本的に、「非定常」の航空機飛行力学方程式が、「定常」の一次方程式に、汎用かつ組織的な方法において変換される。これに関連して、「定常」とは、動的特性が変化していないことを含意する。結果として、定係数微分方程式のセットが、システムをモデリングするためにz空間において生成される。状態空間変換およびフィードバック制御法則(この制御法則を「フィードバックLTI制御法則」と呼ぶ)の組合せは、すべてのパラメータ依存項をキャンセルし、「フィードバックLTIゼーション」と称される。例として、米国特許第‘119号において記載された解法は、単一入力(たとえば、エレベータ)を使用した縦方向航空機力学問題の制御に適用可能となる。
【0022】
本発明は、たとえばラダーおよびエルロンをアクチュエータとして使用した、従来の航空機の横軸に特に関連する多入力の場合に対応するためのフィードバックLTIゼーションのさらなる拡張を詳述する。それとして本発明は、動的デバイスおよび故障検出システムを制御するための制御システムを包含する。この公式化はまた、多数のアクチュエータを横および縦軸において有することができる高性能の航空機にも関連する。
【0023】
物理的な点から、この問題は単一入力の場合に直面される問題に類似しており、すなわち、輸送手段力学の数学的記述が発見されなければならず、これは輸送手段のパラメータが変化するときに変化しないものである。すなわち、システム運動方程式を書き換えて、システムの動的挙動が常に同じであり、かつしたがって、動作状態または動作パラメータ(たとえば、いずれかのパラメータ値またはパラメータ値のいずれかの変化率について線形時不変(LTI)として表現する必要のあるシステム力学)が何であるかに関わらず、非常に予測可能であるようにすることが望ましい。
【0024】
上の要件に従って運動方程式を記述するこのプロセスは、座標変化およびフィードバック制御法則の組合せを通じて達成することができる。座標変換または微分同相写像が決定され、これは航空機の動的数学モデルの物理座標(すなわち、x空間)記述を新しいセットの座標(すなわち、z空間)に変換するものである。フィードバックLTI制御法則が、すべてのz空間パラメータ依存項をキャンセルするように定義され、この制御法則により、次いでz空間システムがパラメータから独立するようになる。実際には、変換された座標におけるモデルの挙動は、次いで積分子のセットのものであり、輸送手段の動作状態から独立したものである。次いで、x空間において適用され、かつz空間に変換された、所望の閉ループ挙動を、LTI制御設計技術を用いて規定することが可能であり、次いでこれはまた動作エンベロープにおけるいかなる点についても有効であり(たとえば、海水面から海抜22km、および20m/sから46.95m/sの指示対気速度(IAS))、動作エンベロープを定義するパラメータの任意の値および変化率についても有効である。この方法では、動作エンベロープにおける単一のみ、あるいは最悪の場合でも少数の点を設計点として識別することができる。微分同相写像(変換)はパラメータ値への非常に特定の依存性を有する。パラメータ値を評価し、次いでこれらのパラメータ値での微分同相写像を評価することによって、現行動作状態について適した適用可能ゲインが自動的に定義され、したがって飛行制御法則を、物理座標(x空間)において使用するために得ることができる。
【0025】
当業者には理解されるように、制御システムを設計するプロセスは基本的に、所望の閉ループ特性または挙動を達成するための要件を満たすことに基づく。LTI制御設計の当業者は周知の技術を使用し、標準の手順に従ってこれを達成する。LTIシステムのための多変量制御領域では、輸送手段のすべての特性運動の所望の閉ループ力学を規定することが実際に可能であり、「極配置」など既知のアルゴリズムを使用して、これをもたらすゲインを決定することができる。LQR(線形2次レギュレータ理論)など、他の既知の技術を使用して同じ目的を達成することができる。
【0026】
上述のように、座標変化は数学的であり、完全エンベロープ制御設計問題の単純かつ容易な数学的処理を可能にする。フィードバックLTI制御法則もまた数学的に記述することができるが、これは物理的に実施され、特定のセットの制御アルゴリズムを含む。これらの制御アルゴリズムを座標変化と組合せた結果、閉ループ制御された物理的な動的挙動となり、これはフライト・エンベロープのすべての領域で反復可能かつ予測可能である。
【0027】
このような変化(微分同相写像)および制御法則を発見する問題は、フィードバック線形化およびフィードバックLTIゼーション(線形時変パラメータについての)問題の中心である。本質的に、この問題は主として座標変換行列の解を必要とする。解が発見された後、残りの設計問題が当然続く。明らかに、この座標変化の結果、輸送手段動的挙動についての情報のいかなる損失も生じるべきではない。すなわち、異なるセットの座標からのシステム挙動を観察するとき、すべての動的情報が保持されることを保証する特定の出力組合せが発見されなければならない。この特定の出力組合せの発見は変換関数との直接関係を有し、これはどのように入力が力学的な意味で出力に到達するかを記載するものである。すなわち、解は、新しい座標の結果、入力が力学的な意味で出力に到達し、かつ内部システム挙動によってマスクされない特徴が生じるとき、達成される。理解されるように、座標変換は円滑に(たとえば、データの損失なしに、あるいは特異性なしに)、両方向で、すなわち、1セットの座標におけるモデル(z空間)記述から物理座標(x空間)記述へ起こるべきである。
【0028】
これらの出力関数、または測定方向がわかった後、これは、座標変換およびフィードバック制御法則をそれぞれ決定するためのかなり機械的なプロセスとなる。実際に、本発明は、LPDシステムについて、測定方向、ならびに微分同相写像および制御法則を発見するプロセス全体を確立し、すべてが簡単な手順となり、自動化することもできる。
【0029】
LPD多入力動的システムのためのフィードバックLTIゼーション問題の解法
【0030】
微分同相写像(Φ)およびフィードバックLTI制御法則(ν)を定義するために、以下の式によって与えられたアフィン多入力パラメータ依存システムを考察する。
【数1】
Figure 0004570842
ただし、x∈Rn、u,y∈Rm、p∈Rqであり、xは、ロール・レート、ヨー・レート、横滑り、バンク角など、状態変数から構成される状態ベクトルであり、uiはi番目の制御入力(たとえば、ラダーおよびエルロンなど)であり、出力測定方向hi(x)は、状態変数変換を定義するために適切に決定されるものである。関数f(.)およびg(.)は、状態ベクトルxならびにパラメータ・ベクトルpの関数である。
【0031】
最初に、相対度の多変量定義、すなわちベクトル相対度が必要とされ、これは入力ベクトルuから出力ベクトルyへの変換関数におけるゼロの数に関係する。この定義は、上述のIsidoriから直接取られる。
【0032】
定義
m個の入力およびm個の出力を有する形式(1)の多変量システムは、以下が当てはまる場合、ベクトル相対度{r1,r2,...,rm}を点x0で有する。
1)いずれかの1≦i,j≦mについて、かつすべてのk≦ri−1について
【数2】
Figure 0004570842
ただし、演算子「L」はLie導関数である。
2)m×m行列A(x)はx0で非線形であり、ただし以下の通りである。
【数3】
Figure 0004570842
【0033】
ベクトル相対度は、変換関数ゼロを有していないシステムの多変量概念を含意して、すなわち、出力方向col{hi(x);h2(x);...;hm(x)}に沿ってシステムを観察することによってシステム特性力学情報が失われないことを保証する。
多入力システムのための状態空間完全線形化
【0034】
多入力システムのための状態空間完全線形化問題は、x0の近傍U、およびUにおいて定義されたm個の実数値関数h1(x),h2(x),...,hm(x)が存在し、システム(1)がベクトル相対度{r1,r2,...,rm}をx0で有し、かつ
【数4】
Figure 0004570842
となり、階数mのg(x0)=[g1(x0)g2(x0)...gm(x0)]である場合かつその場合に限り、解くことができる。
【0035】
m個の出力関数hi(x)を発見することが残り、ベクトルによって与えられた、状態変数変換を決定するために、これらの条件を満たす。
【数5】
Figure 0004570842
次いで、微分同相写像が以下のように構築される。
【数6】
Figure 0004570842
【0036】
LPDシステムのためのm個の出力関数の解法。2つの入力例
このセクションで直接説明することは、ラダーおよびエルロン入力、および測定されたすべての状態変数(横滑り、ロール・レート、ヨー・レートおよびバンク角)を有する、航空機モデルのLPD横力学についての出力関数を発見するための方法である。他の入力および状態変数も解くことができることは言うまでもない。この場合、m=2であり、このモデルを以下のように書くことができる。
【数7】
Figure 0004570842
ただし、x∈R4かつu∈R2である。当業者には理解されるように、変数Aは航空輸送手段力学行列を表すことができ、変数Bは制御分散行列を表すことができる。変数uは制御のベクトルを表し、これは対応するラダーおよびエルロンに対応する変数を有し、またxはシステム状態ベクトル(たとえば、x=[横滑り、バンク角、ロール・レートおよびヨー・レート])を表す。システムのベクトル相対度は{r1,r2}={2,2}であり、総和 =nがri=2、m=2かつn=4について満たされる。式(2)に従った項目の評価は、出力y1=C1xかつy2=C2xについて以下を生じる。
【数8】
Figure 0004570842
ただし、Ciはi番目の測定方向である。式(7)のうち下の4つの式は、式(3)が正則であるという要件を満たすことに留意されたい。これらを以下の行列形式で再構成することができる。
【数9】
Figure 0004570842
次いで、これによりC1およびC2の解が可能となり、この後に続いて、変換行列または微分同相写像を式(4)および(5)に従って以下のように書くことができる。
【数10】
Figure 0004570842
【0037】
2入力横方向航空機力学モデルのためのフィードバックLTI制御法則
次いで、変換されたz空間モデルが以下から決定され、ただしzはz空間状態ベクトルであり、Φは微分同相写像であり、xはx空間状態ベクトルである。
【数11】
Figure 0004570842
これは以下の行列形式を有する。
【数12】
Figure 0004570842
ただし、新しい力学および制御分散行列をそれぞれAzおよびBzと示す。新しい入力が以下のように定義されて、パラメータ依存項α1(z)およびα2(z)、およびパラメータ変化率項(すなわち、座標変換の、パラメータが変化する率への依存性を表す)を含む総和項がキャンセルされ、したがってフィードバックLTI制御法則が生じ、これは式(9)の微分同相写像と共にLPDシステム(6)を、(10)の最終行によって与えられたLTIシステムに変換している。
【数13】
Figure 0004570842
【0038】
このシステム(10)はこのときLTIフィードバック制御設計を適用する準備ができており、一方で(11)のLTI制御法則は、システム・パラメータ依存性が物理制御法則実施において対応されることを保証する。
ゲイン・ルックアップ・テーブルの解法
2つの制御入力の場合についてのフィードバックLTI制御法則(式11)は、以下のように書かれる。
【数14】
Figure 0004570842
【0039】
形式ν=−Kzzの完全状態フィードバックz空間制御法則、およびルックアップ・テーブル・ゲイン(ローカルの線形ゲイン)を評価するためにパラメータ変化率項を無視するため、z空間ローカル線形ゲインとx空間ローカル線形ゲインの間の関係は以下のようになる(ただし、等価的にu=−Kxxである)。
【数15】
Figure 0004570842
【0040】
この式から当業者には明らかとなるように、ルックアップ・ゲインをx空間ルックアップ・テーブル(Kx)として、あるいはz空間ルックアップ・テーブル(Kz)として格納することができる。z空間ゲインを格納する場合、z空間行列AzおよびBz、ならびに微分同相写像を格納することも必要である。この後者の場合は実質上、z空間ゲインのリアルタイム評価および次いでこれらを真の物理空間ゲインに変換することに等しく、これはこの変換をオフラインで実行して単純にx空間ゲインをルックアップ・テーブルに格納することとは対照的である。
【0041】
完全制御法則がローカル線形ゲイン項ならびに式(12)のパラメータ変化率を含むことに留意されたい。
故障検出フィルタの設計を可能にするための拡張
【0042】
米国特許‘119は、単一入力の場合のための故障検出フィルタ(FDF)を設計するための応用例を示す。先のセクションでは、フィードバック(「FBK」)LTIゼーション問題の汎用の多入力解法を示し、結果としてz空間におけるLTI運動方程式のセットが生じ、元の座標モデルと同数の入力を有した。このセクションでは、‘119特許に記載された考えを多入力の場合に応用する例を示し、具体的には、2入力の場合についての一実施例が与えられる。当業者には理解されるように、2より多い入力の場合は、同じ形式の式の単純な拡張である。
【0043】
微分同相写像係数の知識により、このとき、変換された座標においてFDFを定義することが可能であり、これはシステム(たとえば、航空機)の動作エンベロープ全体について有効な単一の固定小数点設計となる。故障検出フィルタは最初にフライト・エンベロープにおける名目動作基点で設計され、これは物理座標において記載されたモデルを使用し、かつこれらの座標において作業することによって得られた洞察を利用して行われる。次いで、この設計がz空間座標に変換されて、変換された空間故障検出フィルタが決定され、これは次いでフライト・エンベロープにおけるすべての動作基点について不変にされる。
このとき、z空間モデルが式(10)から以下によって与えられる。
【数16】
Figure 0004570842
また、関連した故障モードのために適切に設計されたFDFは、以下の形式の実施システムによるゲイン行列Hzを生じる。
【数17】
Figure 0004570842
あるいは、物理輸送手段座標において、次のようになる。
【数18】
Figure 0004570842
ただし、添字zは、変換された状態空間を指し、添字xは物理座標状態空間を指す。また、xmeasuredは、測定された状態変数を指す。たとえば、ロール・レート(p)、ヨー・レート(r)、バンク角(φ)および横滑り(β)の測定された値である。完全状態ベクトルが測定されるので、各状態変数は物理座標において入手可能である。
【0044】
図2に戻ると、多入力フィードバックLTIゼーション制御法則設計の実施例が、図1に示すような航空機の横力学を制御する、2つの入力(エルロンおよびラダー・アクチュエータ)および2つのパラメータ(空気密度および動圧)の場合について与えられる。具体的には、図2は、基準バンク角(φref)および横滑り(βref)信号を使用して航空機1を制御する一実施例を示す。当業者には理解されるように、パイロットが航空機に右翼を10度下げて飛行させることを望んだ場合、パイロットは単に10度のバンク角を命令し、制御法則が航空機に右翼を10度下げて飛行させる。同様に、パイロットが航空機の機首を入気流の左5度に向けることを望んだ場合、これは5度の横滑りを命令することによって達成され、制御法則がエルロンおよびラダーをこのように移動させて、機首を入気流に対して5度にした飛行をもたらすようにする。
【0045】
上述のように、飛行制御法則は通常、飛行を予測可能な方法において制御するために使用される複数の式である。飛行制御法則は、飛行および輸送手段制御の当業者には周知であり、本明細書でさらに詳細に記載しない。しかし、McRuer他のテキスト「AIRCRAFT DYNAMICS AND AUTOMATIC CONTROL」,Princeton University Press,1973年を参照することができ、これは参照により本明細書に組み込まれる。
【0046】
航空機のラダーおよびエルロンを操作するための既知の飛行制御法則を、以下のように簡素化することができる。
ラダー制御法則(式17a):
【数19】
Figure 0004570842
ただし、δrは、命令されたラダー偏角を表し、「G」項はラダー制御法則ゲインを表し、ベータは、測定された横滑りを表し、RollRateは、測定されたロール・レートを表し、Rollは、測定されたバンク角を表し、RollRefは基準バンク角を表し、YawRateは、測定されたヨー・レートを表す。
エルロン制御法則(式17b):
【数20】
Figure 0004570842
ただし、δaは、命令されたエルロン偏角を表し、「G」項はエルロン制御法則ゲインを表し、ベータは、測定された横滑り(たとえば、センサにより測定)を表し、RollRateは、測定されたロール・レートを表し、Rollは、測定されたバンク角を表し、RollRefは基準バンク角を表し、YawRateは、測定されたヨー・レートを表す。
【0047】
積分子項は、閉ループ輸送手段力学を、通常これらの余分の項なしで結果として生じる定常状態誤差を補償することによって形成する。
パラメータ変化率項を含むことにより、最終的な制御法則が生じる。
【数21】
Figure 0004570842
【0048】
上述のように、「G」(ゲイン)項をi)オフラインで評価し、RAMルックアップ・テーブルに格納すること、および/またはii)式13に関して上述したようにリアルタイムで評価することができる。
【0049】
図2を見るとわかるように、基準バンク角(φref)および基準横滑り(βref)信号211が、航空機の現行バンク角(φ)および横滑り(β)を反映するセンサ信号とそれぞれ比較される(205)。これらの値が式17に、航空機の実際のロール・レート(p)およびヨー・レート(r)を表すセンサ信号と共に入力(あるいは利用)される。現行の動気圧(Q)および空気密度(ρ)がセンサ信号201から評価され、対応するゲイン値(たとえば、「Gi」)は、一実施形態ではRAMルックアップ・テーブルとして航空機の動圧および空気密度202に応じて実施されたものであり、これが制御法則206に適用される。適切なゲイン値が、ルックアップ・テーブルにおける近傍点の間の補間によって決定される。必要とされた数のゲイン・ルックアップ・テーブルが、状態変数にいずれかの必要とされた積分を加えた数を制御入力(たとえば、アクチュエータ)の数で乗算したものに対応する。たとえば、航空機の横軸が4つの状態変数(すなわち、横滑り、バンク角、ロール・レートおよびヨー・レート)および2つの積分(横滑り誤差およびバンク角誤差)を各アクチュエータ(すなわち、ラダーおよびエルロン)について、合計で12個のゲイン・テーブルについて有する。よって、横軸の場合、12個の対応するルックアップ・テーブルがある。たとえば、縦軸も考慮され、積分対気速度保持制御モードを使用し、エレベータを介して始動した場合、さらに5個のルックアップ・テーブルが必要となる。縦軸の場合、4個の状態変数(すなわち、迎え角、ピッチ・レート、ピッチ姿勢および真対気速度)および1個の積分子(すなわち、対気速度から対気速度基準を引いた積分)がある。別の実施形態では、式13に関して上に述べたように、ゲイン値をリアルタイムで計算することができる。
【0050】
制御ゲイン(Gi)を、z空間における制御法則設計プロセスにおいて数値的に評価することができ、これは明確で幅広く知られているLTI制御設計技術の線形2次レギュレータ(LQR)理論を使用して行われる。極配置または他のいずれかの既知のLTI技術を使用することもできる。当業者には理解されるように、LQR理論は、LTIシステムのための最適な制御解法を設計する手段を提供する。二次費用関数は、状態変数変位およびアクチュエータ偏差を重み付けの方法において不利にするものであり、これが解かれる。定常状態の解は、ゲインのセットおよび特定の完全状態フィードバック制御法則を生じ、これは航空機の運動がどのように制御表面の偏向にフィードバックされるかを定義するものであり、これは所望の制御を一定の動作状態すなわち一定のパラメータ値で維持するためである。
【0051】
ρおよびQによって定義された、いかなる特定の動作状態でも、次いで制御ゲインがx空間に式(13)を介して、ゲインの決定のためにdp/dt項を無視して変換され、RAMルックアップ・テーブルに格納される。dp/dt項は式(18)により、数値的に評価された関連項と共に含まれ、これについては以下で論じる。別法として、制御ゲインのための値をリアルタイムのあらゆる計算サイクル(たとえば、特定の航空機の応用例のために必要とされた処理速度に応じて、60ミリ秒毎以上の速さ)で、式13に関して上述したような、航空機がいずれかの時点で経験中である現行の空気密度および動圧についての2次元補間によって、決定することができる。第2の代替物は、制御コマンドをz空間において完全に決定し、次いでこれらの制御コマンドを物理制御コマンドへ、式(12)を使用してuについて解くことにより変換する。
【0052】
パラメータ変化率項が数値的に評価203され、これは式18(204)において使用するためである。パラメータ変化率項は、航空機が経験した、動作状態の可変の変化率を補償し、あるいは取り込む。たとえば、航空機が急降下するとき、航空機が姿勢を変える間に空気密度が変化する。変化する密度の、航空機の動的挙動への影響に対応するため、制御システムが可変空気密度を説明することが好ましい。
【0053】
高高度および高い真対気速度で飛行中の航空機は通常、低高度および低対気速度の場合よりも、その固有の力学のはるかに不十分なダンピングを示す。この効果は、速度および高度が変化するにつれて変化し、高度および対気速度の変化率も動的挙動に影響を及ぼす。類似の閉ループ挙動を、たとえば減速中でさえもたらすために、動圧の変化率を、制御法則のdp/dt項において説明しなければならない。
【0054】
通常、パラメータはセンサを用いて測定することができ、たとえば、動圧は直接測定することができるが、パラメータの変化率は通常直接測定されない。この場合、変化率の値が、離散的な導関数を取る多数の既知の方法のうち1つを通じて数値的に決定され、これは当業者には理解されよう。このような数値的導関数式の一実施例は、パラメータの現行の測定値および以前の測定値の間の差を評価すること、および測定の間の時間間隔によって除算することによる。この商が、パラメータの変化率の数値的に評価された推定値を与える。これらの変化率パラメータ値がリアルタイムで評価される。パラメータ変化率の他のコンポーネント、すなわちdφ/dpiも数値的に評価されるが、これをオフラインでルックアップ・テーブルに格納あるいはリアルタイムで評価することができる。
【0055】
ブロック204および206が結合されて(加算接合212)、ラダー103およびエルロン101についての完全な飛行制御コマンドが生じる(ブロック207)。208で、信号がラダーおよびエルロンに送信され、航空輸送手段力学の制御を行う(ブロック209に示す)。上述のように、センサ(210)が現行のロール・レート、ヨー・レート、バンク角および横滑り信号をフィードバックし、上のプロセスが、現行の測定されたバンク角および横滑り信号がそれぞれの基準信号に合致するまで繰り返される。
【0056】
図3は、飛行制御コンピュータ104によって実行されるソフトウェア制御を示す流れ図である。例示として、「デクラビング(decrabbing)」運動を図3に関連して記載する。デクラビング運動は、航空機が着陸中に横風を経験するときに実行される。デクラビング運動を実行するため、着陸への最終的な進入時の航空機が横風を受け、次いで着陸前の一瞬に、航空機の機首が滑走路の下方を指す(すなわち、滑走路に並行に沿う)ように調整する。このデクラビング運動の実施例では、10度の横風が仮定される。この横風を補償するため、制御システムが、10度の横滑り状態中に安定したコース(ゼロのターン・レート)を維持するために3度のバンク角調整も必要とされることを決定する。よって、この実施例では、基準横滑り(βref)およびバンク角(φref)がそれぞれ10度および3度である。
【0057】
図3を参照すると、ステップS1で、基準横滑り(βref)およびバンク角(φref)が基準信号として入力される。ステップS2で、現行の空気密度(ρ)および動圧(Q)がセンサから入力される。ステップS3で、ラダー(δr)およびエルロン(δa)制御法則がメモリから読み取られる。ステップS4で、ロール・レート(p)、ヨー・レート(r)、バンク角(φ)および横滑り(β)信号がセンサから入力される。
【0058】
ステップS5で、βrefおよびφrefが、センサからのβおよびφ信号と比較される。ステップS6で、信号pおよびr、ステップS5からの比較、横滑りおよびバンク角積分子、および制御ゲイン(Gi)がラダー(δr)およびエルロン(δa)制御法則に適用される。これらの制御ゲイン(Gi)がオフラインで解かれて、z空間変換が取り込まれることが好ましい。ステップS7で、パラメータ変化率項が生成される。輸送手段パラメータ変化率が非常に小さい場合、これらの項の大きさは非常に小さくなり、それとして制御法則から除くことができることに留意されたい。
【0059】
ステップS8で、ステップS7で生成されたパラメータ変化率がラダー(δr)およびエルロン(δa)制御法則に適用される。ステップS9で、制御信号がエルロン101およびラダー103アクチュエータに適用され、航空機の制御が実施される。ステップS10で、制御法則積分子が増分される。デクラビング運動の実施例では、論理の流れがラダーおよびエルロンの調整を、βおよびφが10度および3度にそれぞれ近似するまで継続する。この方法で、制御システムが10度の横風を補償し、これは着陸の直前に航空機の機首を滑走路に並行に向けることによって行う。高レベルの制御機能を上述の制御システムにより実施して、着陸を実施することができる。たとえば、高レベルの制御を、自動着陸など、パイロットまたは自動制御アルゴリズムにすることができる。
【0060】
図4は、様々なセンサ、アクチュエータおよび飛行制御コンピュータ104の間の関係を示すブロック図である。図を見るとわかるように、飛行制御コンピュータ104が入力を様々なセンサから受信し、これには対気速度105a、高度計105b、ヨー・レート105c、バンク角105d、横滑り105e、迎え角105f、ピッチ・レート105g、ピッチ姿勢105h、ロール・レート105iおよびN番目のセンサ105nが含まれる。様々なセンサ信号が、割り当てられた飛行制御法則に挿入され、出力がアクチュエータ・コマンド信号であり、これはスロットル106a、エレベータ106b、エルロン106c、ラダー106dおよびM番目のアクチュエータ106mなどへのものである。
【0061】
制御法則設計へのフィードバックLTIゼーションの適用
本発明による制御法則設計技術の一実施例をこのとき図5a〜30に関して記載する。本質的に、設計プロセスは、輸送手段運動方程式のための座標をz空間に変換することを含む。このステップを上の式1〜18において詳述した。既知のLTI制御設計技術が、制御ゲイン設計プロセスのための枠組として使用される。動作エンベロープにおける少数の所望の設計点でのパラメータ値が選択される。LTI設計技術が、この(少数の)選択されたパラメータ値で物理LTIモデルに適用されて、所望の閉ループ力学が生じる。これらの設計が、変換された座標(z空間における)に変換されてz空間ゲインが生じ、これが、制御されたシステムのための所望の閉ループ挙動を与える。複数設計点が選択された場合、これらのz空間ゲインが動作エンベロープ上で線形補間され、そうでない場合はゲインが完全なエンベロープについてz空間において一定である。最後に、ルックアップ・テーブル軸に対応する離散数のパラメータ値が選択され、逆変換が適用されて、物理座標ルックアップ・ゲイン・テーブルが、たとえば図2および3に関して上述したように使用するために定義される。
【0062】
例として、図7〜18は、横自動操縦ゲインを3−Dプロットの形式において、海水面から高度22km、および20m/sから46.95m/sのIASのフライト・エンベロープ上のPerseus 004航空機の横軸について示す。各図は、自動操縦ゲインを、空気密度(kg/m3)および動圧(Pa)に関して例示する。具体的には、図7はエルロン・フィードバック・ゲインに対する横滑りを例示し、図8はエルロン・フィードバック・ゲインに対するロール・レートを例示し、図9はエルロン・フィードバック・ゲインに対するヨー・レートを例示し、図10はエルロン・フィードバック・ゲインに対するロール姿勢を例示し、図11はエルロン・フィードバック・ゲインに対する横滑り積分子を例示し、図12はエルロン・フィードバック・ゲインに対するロール積分子を例示し、図13はラダー・フィードバック・ゲインに対する横滑りを例示し、図14はラダー・フィードバック・ゲインに対するロール・レートを例示し、図15はラダー・フィードバック・ゲインに対するヨー・レートを例示し、図16はラダー・フィードバック・ゲインに対するロール姿勢を例示し、図17はラダー・フィードバック・ゲインに対する横滑り積分子を例示し、図18はラダー・フィードバック・ゲインに対するロール姿勢積分子を例示する。表現された各ゲインは物理座標において例示される。
【0063】
図19〜30は、海水面から高度22km、および20m/sから46.95m/sのIASのフライト・エンベロープ上のPerseus 004航空機の横軸についての、対応する行列数値ゲイン・ルックアップ・テーブルである。図19〜30は、図7〜18についての数値データをそれぞれ提供する。各図19〜30のフォーマットは以下の通りである。すなわち、第1の行が、Paにおける動圧ルックアップ・パラメータであり、第2の行が、kg/m^3における密度ルックアップ・パラメータであり、残りの行がゲイン値である。
【0064】
合わせて、図7〜30は、ゲインを決定するための設計プロセスの部分を例示する。この実施例では、最適なLQR設計が、制御設計フライト・エンベロープ(すなわち、海水面から高度22km、および20m/sから46.95m/sのIAS)の4つのコーナーに対応する4つの離散設計点で生成される。したがって、4つの設計点は、低速で高密度、高速で低密度、低速で低密度、および高速で高密度である。フィードバックLTIゼーションが使用されて、これらの4つの設計が、密度−動圧空間における110の点で、円滑なゲイン・スケジューリング・ルックアップ・テーブルにマップされる。4つの各設計が、選択された定常状態飛行条件(密度、速度の組合せ)で物理座標において行われ、これは設計者が容易にこれらを理解するからである。各設計点で結果として得られるゲイン(物理)が次いでz空間に変換され、この変換をいずれかのパラメータ値で逆転させることによって(すなわち、zから物理座標へ)、物理座標ルックアップ・テーブル値がポピュレートされる。通常、パラメータ値の選択された行列が定義され、ルックアップ・テーブルがこれらのパラメータ値についてポピュレートされる。ゲイン・テーブルをポピュレートするプロセスは単に式11を実行し、設計者が各テーブル・ルックアップ・パラメータ値で介在することを必要としない。これは、設計の労力および時間の節約のための主な理由であり、すなわち、少数の設計点のみが必要とされ、次いで完全なエンベロープが、式11を使用した適切な変換によって包含される。この結果として、リアルタイムで制御法則において使用することができる物理ゲインが生じることに留意されたい。リアルタイムの逆座標変換をz空間ゲインからあらゆる時間ステップで実行して、z空間ゲインをリアルタイムで決定することも可能である。この場合、ルックアップ・テーブルはz空間ゲインを格納し、物理的x空間ゲインは格納しない。
【0065】
根軌跡およびステップ応答データが使用されて、設計プロセス中の性能およびロバスト性が評価される。具体的には、図5a〜5dは、Perseus 004航空機のための横自動操縦制御システム設計のための完全エンベロープ設計結果を示す。具体的には、オーバーレイされた離散的ボード線図(すなわち、図5cおよび5d)およびステップ応答(すなわち、図5aおよび5b)が、海水面から海抜22km、および20m/sから46.95m/sのIASの設計エンベロープを包含するゲイン・テーブルにおける空気密度および動圧のすべての組合せについて示される。この例示は、設計を使用して、類似かつよい挙動を示す閉ループ性能を、動作の完全エンベロープに渡って達成することができ、非常に少数の設計点のみ、すなわちこの実施例では4つの設計点を必要とする方法を例示する。
【0066】
図6は、ルックアップ・テーブルにおける離散密度および動圧値での、Perseus 004航空機のためのフライト・エンベロープ全体上の閉ループおよび開ループ横力学についてのS面根軌跡を例示する。開ループ極は円であり、閉ループ極は十字記号である。閉ループ極がすべて負の実軸の周囲の原点から45度の扇形の内部に存在し、これはよいダンピング特性のための設計基準である。設計により、閉ループ・モード周波数の大きさは、開ループ値を超えて著しく増大されない。これにより、正常のエンベロープ動作におけるアクチュエータの飽和の危険性、ならびに、60msのサンプル周期についての高すぎる閉ループ・モード周波数による遅延の危険性が減る。すべてのモードの70パーセントのダンピングよりよい設計目標が、モード周波数を著しく変更することなく達成される。
【0067】
この設計の実施例は特に、4つの設計点のみ、すなわち、密度/動圧空間の各コーナーでの設計点の間で調整され、これが飛行制御設計エンベロープを定義する。4つの各設計点で、周知のLQR制御設計アルゴリズムが、コントローラ・ゲインを決定するために、上述のように使用される。次いで4点設計が新しい座標のセット、すなわち、いわゆるz空間に、フィードバックLTIゼーション・ルーチンを介して変換され、次いでこれらがさらに呼び出されて、フライト・エンベロープ全体上の物理ゲインが4点設計のz空間における線形混合に基づいて決定される。4点設計はz空間における4つのゲインのセットを生じ、これらが単に4つの設計点の間で線形補間されて、z空間において線形混合されたゲインが提供される。この技術は、設計エンベロープ上の閉ループ帯域幅のほぼ線形の変化を達成する。
【0068】
単一点設計ゲインをz空間に変換し、z空間の定義が強制的にシステムをLTIにすることによって、他のいかなる動作状態での制御ゲインも、単に座標変換プロセスを逆転させることによって容易に決定することができる。これにより、単一設計点をz空間に変換することができ、設計点とは異なる無限数の動作状態に逆変換することができる。次いで、パラメータ変化率項を含むことにより、設計点の間の移行も、閉ループ特性が一定のまま残るという意味で、閉ループ挙動を妨げることなく可能になる。非常に少数の設計点が輸送手段の完全な動作エンベロープを包含することを可能にするものが、この座標変換ステップである。当業者にはわかるように、この「少数」の設計点の場合は、単一設計点の場合に非常に類似した属性を有する。
【0069】
したがって、記載したものは、多数の制御入力および多数のパラメータ依存性を有する動的デバイスまたはシステムを制御するための制御システム(および方法)である。このような多入力、パラメータ依存動的システムのための制御法則設計の効率的な方法も記載した。
【0070】
概略的に示し、あるいは図面のブロックによって示した個々の構成要素はすべて当技術分野において周知であり、これらの特定の構成および動作は、本発明を実施するための最良の動作または形態には重要ではない。
【0071】
本発明を、現在好ましい実施形態であると見なされるものに関して記載したが、本発明が、開示された実施形態に限定されないことを理解されたい。反対に本発明は、付属の特許請求の範囲の精神および範囲内に含まれる様々な修正および等価的構成を包含することが意図される。以下の特許請求の範囲の範囲には、このような修正および等価的な構造および機能がすべて包含されるようにもっとも幅広い解釈が与えられるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の自動制御システムを組み込む航空機の斜視図である。
【図2】 本発明によるアルゴリズムを記述する機能ブロック図である。
【図3】 図1の飛行制御コンピュータにおいて実行されたソフトウェアの流れを示す流れ図である。
【図4】 図1の実施形態による、飛行制御コンピュータ、センサおよびアクチュエータのブロック図である。
【図5a】 本発明による、オーバーレイされた離散時間ステップ応答プロットの図である。
【図5b】 本発明による、オーバーレイされた離散時間ステップ応答プロットの図である。
【図5c】 本発明による、オーバーレイされた大きさのボード線図である。
【図5d】 本発明による、オーバーレイされた大きさのボード線図である。
【図6】 本発明による、クローズドおよび開ループ横力学についてのS面根軌跡プロットの図である。
【図7】 本発明による自動操縦ゲイン対空気密度および動圧の3−Dプロットの図である。
【図8】 本発明による自動操縦ゲイン対空気密度および動圧の3−Dプロットの図である。
【図9】 本発明による自動操縦ゲイン対空気密度および動圧の3−Dプロットの図である。
【図10】 本発明による自動操縦ゲイン対空気密度および動圧の3−Dプロットの図である。
【図11】 本発明による自動操縦ゲイン対空気密度および動圧の3−Dプロットの図である。
【図12】 本発明による自動操縦ゲイン対空気密度および動圧の3−Dプロットの図である。
【図13】 本発明による自動操縦ゲイン対空気密度および動圧の3−Dプロットの図である。
【図14】 本発明による自動操縦ゲイン対空気密度および動圧の3−Dプロットの図である。
【図15】 本発明による自動操縦ゲイン対空気密度および動圧の3−Dプロットの図である。
【図16】 本発明による自動操縦ゲイン対空気密度および動圧の3−Dプロットの図である。
【図17】 本発明による自動操縦ゲイン対空気密度および動圧の3−Dプロットの図である。
【図18】 本発明による自動操縦ゲイン対空気密度および動圧の3−Dプロットの図である。
【図19】 本発明による数値ゲイン・ルックアップ・テーブルの図である。
【図20】 本発明による数値ゲイン・ルックアップ・テーブルの図である。
【図21】 本発明による数値ゲイン・ルックアップ・テーブルの図である。
【図22】 本発明による数値ゲイン・ルックアップ・テーブルの図である。
【図23】 本発明による数値ゲイン・ルックアップ・テーブルの図である。
【図24】 本発明による数値ゲイン・ルックアップ・テーブルの図である。
【図25】 本発明による数値ゲイン・ルックアップ・テーブルの図である。
【図26】 本発明による数値ゲイン・ルックアップ・テーブルの図である。
【図27】 本発明による数値ゲイン・ルックアップ・テーブルの図である。
【図28】 本発明による数値ゲイン・ルックアップ・テーブルの図である。
【図29】 本発明による数値ゲイン・ルックアップ・テーブルの図である。
【図30】 本発明による数値ゲイン・ルックアップ・テーブルの図である。

Claims (17)

  1. デバイス特性を有する動的デバイスを制御するための自動制御システムであって、制御システムは(i)複数のセンサおよび(ii)メモリに格納された複数の制御法則を含み、
    複数のステータス信号および複数の現行外部状態信号をセンサから受信するため、かつ複数の基準信号を受信するための受信手段と、
    処理構造であって、(i)ゲイン・スケジュールを選択かつ適用して前記制御法則を更新するためのものであり、前記ゲイン・スケジュールは、受信された前記現行外部状態信号に対応し、前記ゲイン・スケジュールは、前記デバイス特性を多入力線形時不変座標系に変換することによって生成され、さらに、(ii)制御法則パラメータ変化率を決定し、前記パラメータ変化率を適用して前記制御法則を更新するため、(iii)前記動的デバイスから受信された前記ステータス信号を適用して前記制御法則を更新するため、かつ(iv)前記動的デバイスを、更新された前記制御法則に基づいて制御するためのものである処理構造とを含むシステム。
  2. 多入力多出力フィードバックLTIゼーションを使用して飛行制御法則を設計する方法であって、
    飛行輸送手段運動方程式のための座標を決定するステップと、
    前記飛行輸送手段運動方程式のための座標を、多入力線形時不変システムに変換するステップと、
    変換された前記運動方程式LTIを生じる制御法則を確立するステップと、
    前記制御法則を調整して、制御されたシステムについての所望の閉ループ挙動を得るステップと、
    変換された前記座標制御法則を物理座標に変換するステップとを含む方法。
  3. デバイス特性を有する動的デバイスを制御する方法であって、前記動的デバイスは、デバイス・ステータス信号およびパラメータ信号を受信するための複数のセンサ、およびメモリに格納された複数の制御法則を含み、前記動的デバイスは、複数の外部動作状態を有する環境において動作し、
    前記デバイス特性を多入力線形時不変システムに変換するステップと、
    物理ゲイン・スケジュールを選択し、前記制御法則に適用するステップとを含み、前記ゲイン・スケジュールは現行外部動作状態信号に対応し、さらに、
    パラメータ変化率を決定かつ適用して前記制御法則を更新するステップと、
    前記ステータス信号を適用して前記制御法則を更新するステップと、
    変換された前記座標制御法則を物理座標に変換するステップと、
    前記動的デバイスを、更新された前記制御法則に基づいて制御するステップとを含む方法。
  4. コンピュータ上に格納されたコンピュータ実行可能ソフトウェアまたはプロセッサ可読媒体であって、コードは、デバイス特性を有する動的デバイスのための制御法則を開発するためのものであり、コードは、
    前記デバイス特性を多入力線形時不変システムに変換するためのコードと、
    変換された前記座標LTIにおいてデバイス特性を生じる制御基準を確立するためのコードと、
    少なくとも1つの設計点を前記多入力線形時不変システムにおいて定義するためのコードと、
    前記設計点に対応するように前記変換を調整するためのコードと、
    調整された前記変換に対応する物理座標制御法則を開発するためのコードと、
    逆変換を適用して完全な設計エンベロープを包含するためのコードとを含む、コンピュータ上に格納されたコンピュータ実行可能ソフトウェアまたはプロセッサ可読媒体。
  5. 航空機を制御するための多入力パラメータ依存制御システムであって、
    複数の航空機ステータス信号を受信するため、かつ複数の現行パラメータ信号を受信するための受信手段と、
    コンピュータ実行可能コードを格納するための少なくとも1つの領域を有するメモリと、
    プログラム・コードを実行するためのプロセッサとを含み、前記プログラム・コードが、(i)航空機特性を多入力線形時不変システムに変換することに応答するコード、および(ii)ゲイン・スケジュールを選択し、変換された座標における飛行制御法則に適用することに応答するコードとを含み、前記ゲイン・スケジュールは、受信された前記現行パラメータ信号に対応し、さらに、(iii)パラメータ変化率を決定し、前記パラメータ変化率を前記飛行制御法則に適用することに応答するコード、(iv)受信された前記航空機ステータス信号を前記飛行制御法則に適用することに応答するコード、(v)変換された前記座標制御法則を物理座標に変換することに応答するコード、および(vi)前記航空機を、更新された前記飛行制御法則に基づいて制御することに応答するコードとを含むシステム。
  6. 動的デバイスを制御するための多入力、多パラメータ依存制御システムの動作ステータスを決定する方法であって、
    前記動的デバイスの現行ステータスを表す複数の現行ステータス信号、および前記動的デバイスの制御を実施するための複数の制御信号を受信するステップと、
    前記現行ステータス信号および前記制御信号を多入力線形時不変システムに変換するステップと、
    前記動的デバイスの予測された挙動を、変換された前記現行ステータス信号および変換された前記制御信号を使用して推定するステップと、
    前記制御システムの前記動作ステータスを、前記動的デバイスの予測された挙動を実際の動的デバイスの挙動と比較することによって決定するステップとを含む方法。
  7. 多数の入力を有する動的デバイスを制御するための多パラメータ依存制御システムであって、
    前記動的デバイスの現行状態を表す複数の現行状態信号、および前記動的デバイスの制御を実施するための複数の制御信号を受信するための受信手段と、
    前記現行状態信号および前記制御信号を線形時不変システムに変換するための変換手段と、
    前記動的デバイスの予測された挙動を、変換された前記現行状態信号および変換された前記制御信号を使用して推定するため、かつ前記予測された挙動に対応する推定信号を生成するための推定手段と、
    前記制御システムの動作ステータスを、前記動的デバイスの予測された挙動を実際の動的デバイスの挙動と比較することによって決定するための決定手段とを含むシステム。
  8. 多数の入力を有し、多数のパラメータを有する環境において動作する飛行制御デバイスにおける故障を検出するための装置であって、
    (i)時変ステータス信号を前記飛行制御デバイスから受信するため、(ii)前記飛行制御デバイスに対応する基準信号を供給するため、(iii)前記ステータス信号および前記基準信号を線形時不変座標系に変換するため、(iv)飛行制御デバイス推定信号を、変換された前記ステータス信号および変換された前記基準信号に基づいて計算するため、(v)計算された前記推定信号を物理座標系に変換するため、かつ(vi)前記飛行制御デバイスにおける誤差を、変換された前記推定信号および前記ステータス信号の間の差分が所定のしきい値を超えるときに、検出するための処理構造を含む装置。
  9. 動的デバイスのための制御法則を設計する方法であって、前記デバイスは多数の入力を受け入れ、多数の出力を生成し、かつ可変パラメータを有する環境において動作し、前記動的デバイスの特性は運動方程式によって定義可能であり、
    前記運動方程式のための座標を線形時不変システムに変換するステップと、
    前記線形時不変システムにおける閉ループ挙動を確立するステップとを含み、
    前記確立するステップは、前記動的デバイスの動作エンベロープ中の前記運動方程式を制御するためのゲイン・スケジュールを生成する方法。
  10. 動的デバイスのための制御法則を設計する方法であって、前記動的デバイスは多数の入力を受け入れ、かつ多数の出力を生成し、デバイス特性は運動方程式によって定義可能であり、
    エンベロープ中の可変パラメータを含む動作エンベロープを定義するステップと、
    前記エンベロープにおける複数の離散点のための制御設計を決定するステップと、
    前記複数の離散点設計を線形時不変システム(z空間)に変換して、z空間において対応するゲインを提供し、z空間における前記ゲインの間で補間して、線形混合されたゲインを提供するステップと、
    前記z空間線形混合ゲインを物理空間に逆変換するステップとを含む方法。
  11. 前記物理空間ゲインが、必ずしも前記設計状態ではなく、前記動作エンベロープ中のいずれかの動作状態にそれぞれ対応する、請求項10に記載の方法。
  12. 動的デバイスのための制御法則を設計する方法であって、前記動的デバイスは多数の入力を受け入れ、かつ多数の出力を生成し、デバイス特性は少なくとも1つの制御法則によって定義され、
    離散動作状態に対応する物理空間ゲインにおいて、前記制御法則において使用するための前記ゲインを決定するステップと、
    離散動作状態で得られた前記ゲインを線形時不変システム(z空間)に変換し、z空間において対応するゲインを得るステップと、
    前記z空間ゲインを物理空間に逆変換して、前記デバイスがその中で動作するエンベロープ中の複数の動作状態に対応するステップとを含む方法。
  13. 動的デバイスのための制御法則を設計する方法であって、前記動的デバイスは多数の入力を受け入れ、かつ多数の出力を生成し、前記動的デバイスは、多数のパラメータを有する環境において動作し、
    導関数、比例および積分ゲイン、およびデバイス入力を含む制御法則を定義するステップと、
    可変パラメータに対応するように前記制御法則に適用されるゲイン・スケジュールを開発するステップとを含み、
    デバイス特性を線形時不変システムに変換することが前記ゲイン・スケジュールを生成し、変換された前記特性についての安定した閉ループ挙動を提供する方法。
  14. 多数の入力を有し、多数の動作パラメータを有する環境において動作するデバイスを制御する方法であって、
    制御法則を定義してデバイス特性を記述するステップを含み、前記制御法則は、導関数、比例および積分ゲインを含み、さらに、
    リアルタイムで前記制御法則についてのz空間ゲインを、現行動作パラメータに従って評価するステップと、
    前記z空間ゲインを物理空間に、前記制御法則において使用するために変換するステップとを含む方法。
  15. 多数の入力を有し、多数の動作パラメータを有する環境において動作する動的デバイスを制御する方法であって、
    フィードバックLTIゼーション制御アルゴリズムを下記式の形式において提供するステップを含み、前記パラメータの任意の変化率が対応され、さらに、
    線形時不変座標系において、離散動作状態についての前記制御アルゴリズムに対応するゲインを決定するステップと、
    前記ゲインを物理空間に変換するステップと、
    前記ゲインを適用して前記動的デバイスを制御するステップとを含む方法。
    Figure 0004570842
  16. 動的デバイスの制御を提供する方法であって、
    前記動的デバイスの挙動を制御するための制御法則を定義するステップを含み、前記制御法則は少なくとも1つのゲイン変数を含み、さらに、
    前記ゲイン変数を線形時不変システム(z空間)に変換し、対応するz空間ゲインを決定するステップと、
    前記z空間ゲインを、それぞれが複数の動作状態にそれぞれ対応する複数の物理空間ゲインにマップするステップと、
    メモリに前記物理空間ゲインを格納するステップと、
    格納された前記ゲインにリアルタイムで、特定の動作状態下で前記制御法則を使用するためにアクセスするステップとを含む方法。
  17. LTI設計技術を、動的デバイスの変換された座標数学モデルに適用して、前記モデルについての所望の閉ループ挙動を生じる方法であって、制御法則はフィードバック・ゲインを含み、
    物理座標における前記フィードバック・ゲインを、前記動的デバイスの選択された動作状態で設計するステップと、
    変換された前記座標を使用して、前記フィードバック・ゲインをz空間にマップするステップと、
    前記ゲインを、座標変換およびフィードバックLTI制御法則を介して逆マップして、設計状態以外の動作状態についての物理座標制御法則を決定するステップとを含む方法。
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