JP4572500B2 - 不揮発性半導体メモリ装置およびその動作方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の誘電体膜に電荷をトラップさせてデータを記憶する不揮発半導体メモリ装置と、その動作方法とに関する。
【0002】
【従来の技術】
不揮発性半導体メモリは不揮発性、高集積性、電気的書き換え機能を同時に兼ね備えた半導体メモリである。いわゆるEEPROM(Erasable and Electrically Programmable Read Only Memory)では、ゲート絶縁膜上に浮遊ゲートと呼ばれる導体を酸化膜などで完全に囲って電気的に絶縁された状態で設け、その浮遊ゲートに電荷を蓄積するFG(Floating gate)型、複数の誘電体膜を積層させた電荷蓄積膜を有し、この電荷蓄積膜内の電荷トラップに蓄積する電荷量を制御することでデータの記憶を行うMONOS(Metal-Oxide-Nitride-Oxide-Semiconductor)型、MNOS(Metal-Nitride-Oxide-Semiconductor)型などが知られている。
【0003】
これらの電荷を電荷蓄積膜に注入するには、誘電体膜内での電荷のトンネル現象を利用するほか、いわゆるCHE(Channel Hot Electron)注入など、最下層の誘電膜の絶縁障壁を乗り越えられる程度にまで電荷をエネルギー的に励起する方法がある(例えば、非特許文献1参照)。
【0004】
非特許文献1に記載された不揮発性メモリでは、データの書き込み動作時に、少数キャリアのN型の反転層によりチャネルが形成されるP型の半導体領域を挟んで一方に接するN型の不純物拡散領域の電位(例えば0V)を基準に、他方のN型の不純物拡散領域に例えば4〜5V程度の書き込みドレイン電圧を印加した状態で、ゲート電極に例えば10V程度の書き込みパルス(書き込みゲート電圧)を印加する。これにより、0Vが印加されソースとして機能する一方の不純物拡散領域から電子がチャネル内に供給され、チャネル内を加速されてドレイン端でホットエレクトロンが発生する。このホットエレクトロンをドレイン端から電荷蓄積膜(ONO膜)に注入する。
【0005】
データの読み出し時には、ソースとドレインの役目を上記書き込み時とは逆として2つの不純物拡散領域に読み出しドレイン電圧(例えば1.5V)を印加し、ゲート電極に読み出しゲート電圧(例えば3.0V)を印加する。書き込み時に、ソース側の電荷蓄積量に応じてメモリセルトランジスタの閾値電圧が変化している。このため、上記読み出し時の電圧の印加条件下で、ソース側の電荷蓄積量に応じてメモリトランジスタがオンまたはオフし、この情報をセンスアンプ等で検出する。この読み出し方法は、ソースとドレインの電界方向が書き込み時と逆であることから、リバースリード法と称される。前記非特許文献1では、電荷蓄積膜の両端にそれぞれ数百個程度の電子を注入することで1セルに2ビットのデータを記憶し、ソースとドレインを入れ替えて行う2度のリバースリードにより2ビットのデータを独立に読み出している。
【0006】
データの消去時には、消去したい電子が蓄積された側の不純物拡散領域に正の電圧を印加し、ゲートに負電圧を印加することで、この不純物拡散領域側でバンド間トンネリングによりホットホールを発生させ、消去したい電子が蓄積された電荷蓄積膜の局部にホットホールを注入してデータを消去している。前記非特許文献1では、この動作を正の電圧を印加する不純物拡散領域を切り替えて2度行うことで2ビットデータを消去している。
【0007】
【非特許文献1】
ボアズ エイタン(Boaz Eitan)等著、米国電気電子技術者協会(IEEE:Institute of Electrical and Electronics Engineers)発行、「エレクトロン・デバイス・レター(EDL:Electron Device Letter)」、第21巻(EDL-21)、2000年、p543。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
非特許文献1に記載された不揮発性メモリ装置において、以下の課題があった。
第1に、従来のMONOS型メモリトランジスタは、FG型より低電圧が可能であるが、データ書き込み時の電子のCHE注入効率が低いことから、まだ十分低電圧化できておらず、10V近くの電圧が必要であった。このため、メモリの周辺回路に耐圧が高いトランジスタが必要となり製造プロセスが複雑となって、製造コストの低減が困難であった。また、パルスの遅延や消費電力が大きく、これにより不揮発性メモリ装置の用途が限定されていた。
【0009】
第2に、ONO膜や不純物領域の最適化によりCHE注入の効率を高め低電圧化を進めることも可能であるが、その場合、書き込みが低電圧動作であるがゆえに、読み出し動作時のリードディスターブが顕著になってくる。つまり、データのリード時にソース側の蓄積電荷量に応じた閾値電圧の変化を読み出そうとする際、書き込み電圧が低電圧化されているとドレイン側の電荷蓄積膜の端部にかかる電界によって弱い書き込みが起こりやすくなる。このため、何度も読み出しを繰り返している間に、ドレイン側に無視できない量の電子が強制的に注入され、最悪の場合、データが破壊されるという課題がある。
【0010】
第3に、消去に関する以下の課題を有している。
ドレイン端の局部にCHE注入により書き込まれた電荷をホットホールの注入で電気的に相殺させる消去動作において、消去が十分でない場合、メモリトランジスタの閾値電圧は書き込まれている領域の閾値電圧になる。ところが、消去が十分に行われると、その消去された領域の閾値電圧が、書き込みが一切行われていないときの最初のチャネル形成領域の閾値電圧より下がってしまう過剰消去が生じる。過剰消去が起こると、メモリセルトランジスタの閾値電圧は、ほぼチャネル形成領域の閾値電圧で決められるようになる。
【0011】
チャネル形成領域の閾値電圧はプロセスの初期段階でイオン注入により調整されるが、このときのイオン注入では比較的濃度が低く、その後のプロセスの熱履歴等で変化しやすいなどの理由で、メモリセルアレイ内、あるいはウエハ間でばらつきやすい。従来のメモリセルトランジスタで、この過剰消去になるかならないかの閾値電圧レベルをターゲットに消去条件が決められ、できるだけ消去を十分に行おうとすると、どうしても一部のメモリセルトランジスタで過剰消去が起こり、上述した理由によりメモリセルトランジスタの閾値電圧がばらつきやすい。
【0012】
一方、一部でも過剰消去とならないように消去を余り行わないと、この場合のメモリセルの低いレベルの閾値電圧は、データが書き込まれている領域の閾値電圧となる。ところが、この完全に消去が行われていない消去途中での閾値電圧は消去時間の変動に敏感で、パルスの遅延の影響を受けてばらつきが大きくなりなりやすい。さらに、この場合、書き込みと消去で閾値電圧差が大きくとなれないので、低電圧動作が困難となる。
つまり、従来のメモリセル構造では、消去時間を制御するかしないかによらず、結局のところ消去時の閾値電圧のばらつきが大きい。
【0013】
この第3の課題は、低電圧化を進めると致命的な問題として今後、一層重要となってくると予想される。そして、このまま低電圧化を進めると、最終的には、ビットごとに消去レベルを揃えるなどの複雑な制御が要求され、データ書き換え時間が短くできないか、或いは、かえって長くなってしまう事態を招きかねない。
【0014】
本発明の目的は、データの書き込み時に低電圧化が可能で、読み出し時に不要な箇所への電荷の注入がなく、また、消去時の閾値電圧レベルを揃えることができる構造の不揮発性半導体メモリ装置と、その動作方法(データの書き込み、読み出しおよび消去方法)を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の不揮発性半導体メモリ装置の動作方法は、書き込みのステップと、リバースリードのステップと、消去のステップとを含む。この動作方法を行う対象のメモリトランジスタは、第1導電型半導体領域と、前記第1導電型半導体領域の表面部に互いに離間して形成され、第2導電型半導体からなる第1および第2のソース・ドレイン領域と、前記第1および第2のソース・ドレイン領域間の前記第1導電型半導体領域の上に積層され、離散化された電荷蓄積手段として電荷トラップを含む複数の誘電体膜と、前記複数の誘電体膜の上に形成されているゲート電極と、を有し、前記第1および第2のソース・ドレイン領域のそれぞれが、第2導電型のエクステンション領域と、前記ゲート電極の下方側と反対の側で前記エクステンション領域と接し、当該エクステンション領域より第2導電型不純物濃度が高い第2導電型の高濃度領域と、から構成され、前記第1および第2のソース・ドレイン領域間の前記第1導電型半導体領域が、少数キャリアの反転層によりチャネルが形成される第1導電型の第1の領域と、前記第2のソース・ドレイン領域のエクステンション領域と前記第1の領域との間に形成され、前記第1の領域より第1導電型不純物濃度が高い第1導電型の第2の領域と、を含む。
【0016】
上記書き込みのステップでは、上記メモリトランジスタに対し、データの書き込み時に、前記第1のソース・ドレインの電位を基準として、前記第2のソース・ドレイン領域に書き込みドレイン電圧を印加し、前記ゲート電極に書き込みゲート電圧を印加し、前記チャネルで加速され前記第2の領域の端部付近でエネルギー的に励起された前記少数キャリアを、前記第2の領域の上方付近で前記複数の誘電体膜の局部に注入する。
上記リバースリードのステップでは、データの読み出し時に、前記第2のソース・ドレイン領域の電位を基準として、前記第1のソース・ドレイン領域に読み出しドレイン電圧を印加し、前記ゲート電極に読み出しゲート電圧を印加し、前記データの書き込み時に前記複数の誘電体膜の局部に前記少数キャリアが十分注入されているか否かに応じて異なるチャネルの導電率の変化を読み出す。
上記データの消去時に、前記複数の誘電体膜の局部に注入された前記少数キャリアと逆極性の電荷を少なくとも当該局部に注入し、あるいは、前記局部に注入された前記少数キャリアを、前記第1および第2のソース・ドレイン領域間の第1導電型半導体領域の全面から引き抜く。この消去のステップでは、前記リバースリードにおけるメモリトランジスタの閾値電圧を、前記第2の領域の濃度で規定される初期閾値電圧以下でチャネル閾値電圧より大きい値に変化させる。
【0017】
本発明の不揮発性半導体メモリ装置は、メモリトランジスタと、周辺回路と、を備える。
前記メモリとランジスタが、第1導電型半導体領域と、前記第1導電型半導体領域の表面部に互いに離間して形成され、第2導電型半導体からなる第1および第2のソース・ドレイン領域と、前記第1および第2のソース・ドレイン領域間の前記第1導電型半導体領域の上に積層され、離散化された電荷蓄積手段として電荷トラップを含む複数の誘電体膜と、前記複数の誘電体膜の上に形成されているゲート電極と、を有する。また、前記第1および第2のソース・ドレイン領域のそれぞれが、第2導電型のエクステンション領域と、前記ゲート電極の下方側と反対の側で前記エクステンション領域と接し、当該エクステンション領域より第2導電型不純物濃度が高い第2導電型の高濃度領域と、から構成され、前記第1および第2のソース・ドレイン領域間の前記第1導電型半導体領域が、少数キャリアの反転層によりチャネルが形成される第1導電型の第1の領域と、前記第2のソース・ドレイン領域のエクステンション領域と前記第1の領域との間に形成され、前記第1の領域より第1導電型不純物濃度が高い第1導電型の第2の領域と、を含む。
前記周辺回路は、データの書き込み時に、前記第1のソース・ドレインの電位を基準として、前記第2のソース・ドレイン領域に書き込みドレイン電圧を印加し、前記ゲート電極に書き込みゲート電圧を印加し、前記チャネルで加速され前記第2の領域の端部付近でエネルギー的に励起された前記少数キャリアを、前記第2の領域の上方付近で前記複数の誘電体膜の局部に注入し、リバースリード時に、前記第2のソース・ドレイン領域の電位を基準として、前記第1のソース・ドレイン領域に読み出しドレイン電圧を印加し、前記ゲート電極に読み出しゲート電圧を印加し、前記データの書き込み時に前記複数の誘電体膜の局部に前記少数キャリアが十分注入されているか否かに応じて異なるチャネルの導電率の変化を読み出し、データの消去時に、前記複数の誘電体膜の局部に注入された前記少数キャリアと逆極性の電荷を少なくとも当該局部に注入し、あるいは、前記局部に注入された前記少数キャリアを、前記第1および第2のソース・ドレイン領域間の第1導電型半導体領域の全面から引き抜く際に、前記リバースリードにおけるメモリトランジスタの閾値電圧を、前記第2の領域の濃度で規定される初期閾値電圧以下でチャネル閾値電圧より大きい値に変化させる。
【0018】
本発明の不揮発性半導体メモリ装置では、複数の誘電体膜内に、いわゆる離散化された電荷蓄積手段として電荷トラップを有する。この複数の誘電体膜は第1導電型半導体領域上に形成されている。第1導電型半導体領域が、少数キャリアの反転層からチャネルが形成される第1の領域のほかに、その第1の領域とソース・ドレイン領域との間に第1導電型の第2の領域が設けられている。この第2の領域は、2つのソース・ドレイン領域の一方側にのみ形成され、第1の領域より第1導電型の不純物濃度が高い。
【0019】
この第2の領域が2つのソース・ドレイン領域の一方側にのみ形成されていることよって、データの書き込み、読み出しおよび消去時に以下の様々な作用が生じる。
【0020】
データの書き込み時に、第2の領域側のソース・ドレイン領域に、他のソース・ドレイン領域の電位を基準として書き込みドレイン電圧を印加し、ゲート電極に書き込みゲート電圧を印加する。これにより、電位の基準としたソース・ドレイン領域から、第1半導体領域にとっての少数キャリアが供給され、第1の領域内をチャネル方向の電界によって加速される。少数キャリアは第1の領域のドレイン端付近で高エネルギーを得て、複数の誘電体膜の電位障壁を乗り越えて当該複数の誘電体膜内に注入される。このとき、第2の領域の存在によりチャネル方向の電界の集中性が第1の領域のドレイン端付近で高くなり、より多くの電荷が複数の誘電体内に効率よく注入される。
【0021】
データの読み出し時に、第2の領域側のソース・ドレイン領域をソースとし、他のソース・ドレイン領域をドレインとして読み出しドレイン電圧を印加する。
ゲート電極には、所定の読み出しゲート電圧を印加する。書き込み時と同様に、このときも第2の領域の存在によりチャネル方向の電界の集中性が一部で高まる。ただし、この電界の集中性が高まる箇所は、書き込み時にドレイン側であったが、読み出し時にはソース側となる。このため、読み出そうとしている電荷が蓄積された反対の側で電界が緩和される。その結果、読み出し時にチャネルを流れる電荷(少数キャリア)は、ドレイン側で加速が進まず高いエネルギーが付与されないことから、複数の誘電体膜の電位障壁を越えることがない。このリバースリードでは、ソース側の蓄積電荷量に応じてチャネルの導電率が大きく変化するので、その変化がソース・ドレイン領域の電位変化等に変換される。この電位変化等を検出すると、メモリセルトランジスタに記憶されているデータが非破壊で読み出される。
【0022】
データの消去時には、第1の領域の電位を基準に、データが書き込まれている側のソース・ドレイン領域に正電圧、ゲートに負電圧を印加する。上記電圧の印加によってデータが書き込まれている側のソース・ドレイン領域の表面が空乏化してバンドの曲がりが急峻となり、バンド間トンネル電流が生じる。これにより、書き込まれた電荷と逆極性を有しエネルギーが高い電荷が生じ、これが垂直の電界に加速されてデータが書き込まれている複数の誘電体膜の局部に注入される。これにより、閾値電圧が変化し消去が進む。
【0023】
ところで、Nチャネル型の場合、複数の誘電体膜の全領域のうちデータが書き込まれている局部下方のチャネル形成領域の消去状態での閾値電圧(初期閾値電圧)は、他のチャネル形成領域(主に第1の領域)の閾値電圧(チャネル閾値電圧)より高い。しかも、第1の領域より濃度が高い第2の領域の影響を受けているため、初期閾値電圧はチャネル閾値電圧よりばらつきが小さい。
この状態で書き込みを行うと、書き込み状態の閾値電圧も、チャネル閾値電圧から書き込みを行った場合より、そのばらつきが小さい。そのため、つぎに消去を行った後の閾値電圧のばらつきも小さいままである。このように、第2の領域が設けられていることによって、初期の閾値電圧のみならず、データ書き換え後の閾値電圧の収束性もよい。
また、閾値電圧が初期閾値電圧より低い過剰消去となっても、メモリセルトランジスタの閾値電圧がチャネル閾値電圧以下となるまでは余裕がある。このため、第2の領域がない場合の過剰消去と比べると、閾値電圧の変動が小さい。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、NチャネルMONOS型のメモリトランジスタを有する不揮発性半導体メモリ装置を例として、図面を参照しながら説明する。
【0025】
図1は、本発明の実施の形態に係る不揮発性メモリセルの断面図である。図2は、電荷蓄積膜を拡大して示す図1と等価な断面図である。このメモリセルは、ONO膜の電荷トラップにデータの記憶が可能な1つのMONOS型のメモリトランジスタから構成されている。
メモリトランジスタ1は、図1に示すように、P型半導体からなる基板2に形成されている。基板2は、例えば単結晶シリコンなどの半導体材料からなり、メモリトランジスタを含む半導体素子を形成する基体として設けられている。基板2の形態は種々あり、P型半導体基板そのもののほか、半導体基板に形成されたP型ウェル、P型のSOI層などであってもよい。
【0026】
基板2の表面部に、N型不純物が高濃度に導入されて出来た2つの不純物領域(ソース・ドレイン領域)3A,3Bが互いに離間して形成されている。ソース・ドレイン領域3Aと3Bとの間の基板2の表面部分2chが、本発明の“第1の領域”の実施の形態を構成する。この第1の領域2chは、主にチャネルが形成される領域であることから、以下、チャネル形成領域という。
【0027】
チャネル形成領域2chの上に、複数の誘電体膜を積層させた電荷保持能力を有する電荷蓄積膜4が形成されている。電荷蓄積膜4は、図2に示すように、下層から順に、ボトム誘電体膜4−1、主に電荷蓄積を担う中間の誘電体膜4−2、トップ誘電体膜4−3から構成されている。ボトム誘電体膜4−1は、例えば、熱酸化法により形成した二酸化珪素膜、二酸化珪素膜を窒化処理した膜などからなる。中間の誘電体膜4−2は、例えば、窒化珪素膜からなり、トップ誘電体膜4−3は例えば、誘電体膜4−2を熱酸化して形成した膜としてもよいし、CVD(Chemical Vapor Deposition)によって形成した膜でもよい。
電荷蓄積膜4上にゲート電極5が形成されている。ゲート電極5は、例えば不純物が添加された多結晶珪素または非晶質珪素からなる。
ゲート電極5と電荷蓄積膜4の積層体の両側面に、断面が略1/4半円状の絶縁体からなるサイドウォール・スペーサ層6が形成されている。
【0028】
ソース・ドレイン領域3Aは、不図示のビット線やソース線などの上層配線層(または、ソース電極あるいはドレイン電極)と電気的に接続されるN型不純物領域3A−1と、N型不純物領域3A−1からチャネル中央側に張り出したエクステンション領域3A−2とから構成されている。同様に、ソース・ドレイン領域3Bは、不図示の上層配線層(または、ソース電極あるいはドレイン電極)と電気的に接続されるN型不純物領域3B−1と、N型不純物領域3B−1からチャネル中央側に張り出したエクステンション領域3B−2とから構成されている。LDD(Lightly Doped Drain)と称される不純物構造では、エクステンション領域3A−2,3B−2は、N型不純物領域3A−1,3B−1より低濃度で、浅く形成されることが多い。
【0029】
本実施の形態では、2つのエクステンション領域3A−2,3B−2の一方(本例では、3A−2)と、チャネル形成領域2chとの間に、P型不純物濃度がチャネル形成領域2chより高いP型の不純物領域7が形成されている。このP型不純物領域7は、データの書き込みまたは読み出し時に、この近傍で電界の集中性を高めるために、並びに、消去状態の初期の閾値電圧を揃えるために形成されている。
【0030】
メモリトランジスタの製造では、まず、基板2に、必要に応じて素子分離絶縁層、ウェルなどを形成し、チャネル形成領域2chの閾値電圧(以下、チャネル閾値電圧という)を設定する。本実施の形態では、後述するように、チャネル閾値電圧がメモリトランジスタの閾値電圧を決定しない。
つぎに、電荷蓄積膜4を構成するボトム誘電体膜4−1、中間の誘電体膜4−2およびトップ誘電体膜4−3を順次、所定の成膜方法によって形成する。また、例えばドープドポリシリコンからなる導電膜を形成する。これらの導電膜および複数の誘電体膜を同じパターンのレジスト等をマスクとしたエッチングによりパターンニングし、ゲート電極5と、その下の電荷蓄積膜4を形成する。なお、電荷蓄積膜4はゲートの周囲で少なくとも一部残しておいてもよい。
【0031】
レジストを除去後、ゲートの積層体を自己整合マスクとし、また、必要に応じて残した電荷蓄積膜4をスルー膜として、シリコンの表面にN型不純物を低濃度でイオン注入し、N−型のエクステンション領域3A−2,3B−2を形成する。このイオン注入では、たとえば砒素イオン(As+)を1〜5×1013cm−2ほどの密度でドーピングする。エクステンション領域の濃度は任意であるが、後述する読み出し動作の条件下で、チャネルホットエレクトロンが発生しない程度に十分、低濃度で形成されていることが望ましい。
P型不純物領域7がない場合、高効率のチャネルホットエレクトロン(CHE)注入を行うためには高濃度のエクステンション領域が必要となる。本実施の形態では、P型不純物領域7の存在により、ホットエレクトロンの高い注入効率を維持したまま、エクステンション領域の濃度を下げることができる。その結果、後述する読み出し動作時のディスターブと、書き込み動作時の非選択セルに対するディスターブが抑制されるという利益が得られる。
【0032】
続いて、本実施の形態では、一方のエクステンション領域(本例では、3B−2)をマスキングする層、例えばレジスト層を形成し、このマスク層に覆われていない他方のエクステンション領域3A−2に逆極性の不純物(P型不純物)をカウンタードープする。ボトム誘電体膜4−1として二酸化珪素を2.0nm、主に電荷蓄積を担う中間の誘電体膜4−2として窒化珪素を12.0nm、トップ誘電体膜4−3として二酸化珪素を4.0nmを用いた電荷蓄積膜構造を有し、チャネル閾値電圧Vth(channel)を決める基板2の注入イオンをホウ素とした場合、このカウンタードープの条件は、二弗化ホウ素イオンBF2 +を加速エネルギー30〜90keV、ドーズ量1×1013cm−2〜1×1014cm−2、打ち込み角度20〜50度で形成することが望ましい。ここで、打ち込み角度とは基板2の垂線を基準にゲート積層体の下側にイオンが斜めに打ち込まれる角度を言う。なお、打ち込み角度がある程度大きい場合、イオン注入マスク層なしでも片側のみP型不純物を導入することができる。
【0033】
イオン注入のマスク層を除去後、全面にCVDによりSiO2膜を100nm〜200nm程度堆積し、これをRIE等の異方性エッチングによりエッチバックする。これにより、ゲートの積層体の側面にサイドウォール・スペーサ層6が形成される。
この状態で、サイドウォール・スペーサ層6外側の基板2の表面部にN型不純物を高濃度でイオン注入し、ソース・ドレイン領域のN+不純物領域3A−1,3B−1を形成する。このイオン注入では、たとえば、ゲートの積層体およびサイドウォール・スペーサ層6をマスクとして自己整合的にAs+を1〜5×1015cm−2ほどの密度でドーピングする。
その後、必要に応じて、層間誘電体膜、コンタクトおよび配線層の形成を行って、当該メモリトランジスタを完成させる。
【0034】
つぎに、本実施の形態で採用可能なメモリセルアレイ構造を説明する。
図3は、ソース分離NOR型のメモリセルアレイの等価回路図である。
メモリセルを構成するメモリトランジスタM11〜M33が行列状に配置され、これらトランジスタ間がワード線、ビット線および分離型ソース線によって配線されている。
列(COLUMN)方向に隣接するメモリトランジスタM11、M12およびM13の各ドレインがビット線BL1に接続され、各ソースがソース線SL1に接続されている。列方向に隣接するメモリトランジスタM21、M22およびM23の各ドレインがビット線BL2に接続され、各ソースがソース線SL2に接続されている。列方向に隣接するメモリトランジスタM31、M32およびM33の各ドレインがビット線BL3に接続され、各ソースがソース線SL3に接続されている。
行(ROW)方向に隣接するメモリトランジスタM11、M21およびM31の各ゲートがワード線WL1に接続されている。行方向に隣接するメモリトランジスタM12、M22およびM32の各ゲートがワード線WL2に接続されている。行方向に隣接するメモリトランジスタM13、M23およびM33の各ゲートがワード線WL3に接続されている。
メモリセルアレイ全体では、図3に示すセル配置およびセル間接続が繰り返されている。
【0035】
図3に示すメモリセルアレイにおいて、データの書き込みまたは消去時に、ビット線に所定のドレイン電圧を設定するか否かに応じて同一行のメモリセルを並列書き込みでき、したがってページ単位の一括書き込みが可能である。なお、動作方法の詳細は後述する。
【0036】
図4は、ソース線を省略してビット線を隣接したメモリトランジスタ列間で共有させたVG型メモリセルアレイの等価回路図である。
ビット線BL2が、第1行のメモリトランジスタM11,M12,M13,…と、第2行のメモリトランジスタM21,M22,M23,…とにより共有されている。ビット線BL3が、第2行のメモリトランジスタM21,M22,M23,…と、第3行のメモリトランジスタM31,M32,M33,…とにより共有されている。ビット線BL1,BL2,BL3,BL4,…は、不純物領域により形成されている。
【0037】
図4に示すメモリセルアレイにおいては、ページ単位の一括書き込みが出来ず、ビット毎、或いは、1ページに対し複数回の書き込み動作が必要となる。
【0038】
次に、メモリセルの電荷注入動作を説明する。
図5(A)に電荷注入動作の模式図を示す。また、図5(B)と(C)に書き込み時のチャネル方向のポテンシャルと電界分布を示す。
図5(A)において、基板2がP型半導体、ソース・ドレイン領域を構成する不純物領域3A−1,3B−1およびエクステンション領域3A−2,3B−2をN型半導体とし、記憶部MAに電子を注入するものとする。
まず、ソースとなるソース・ドレイン領域3Bと基板2を基準電圧0Vで保持した状態で、ドレインとなるソース・ドレイン領域3Aに書き込みドレイン電圧Vd、例えば3.0Vを印加し、ゲート電極5に所定の正電圧(書き込みゲート電圧Vg)、例えば5.0Vを印加する。
【0039】
この条件下、図5(C)に示すように、書き込みドレイン電圧Vdと書き込みゲート電圧Vgによる電界が発生するが、基板2よりも不純物密度の高い領域7によって、ポテンシャル差が大きくなり(図5(B))、ドレイン端での電界が強くなる。
その結果、ソース・ドレイン領域3Bから少数キャリアの反転層(チャネル)CHに供給された電子が、ドレイン端でホットエレクトロンとなって、ボトム誘電体膜4−1の電位障壁を超え、電荷蓄積膜4内に注入される。
【0040】
このとき、ソースとなるソース・ドレイン領域3B側にはP型不純物領域7が形成されていないため、ソース端でのポテンシャル差が低く、電荷の注入が行われるほどの電界強度がないために、記憶部MBに電荷が注入されることはない。
【0041】
図6に、本実施の形態の一例として、書き込みドレイン電圧Vdの印加対象を切り替えて、記憶部MBにデータを書き込んだ場合と、記憶部MAにデータを書き込んだ場合それぞれで、ドレイン電圧Vd=3.0V、ゲート電圧Vg=5.0Vの条件下での書き込み特性を示す。図6において、横軸に電圧印加時間(書き込みパルスの発生時間(write pulse duration))、縦軸にメモリトランジスタの閾値電圧のシフト量(Vth shift)を示す。
この図から、P型不純物領域7が存在する側の記憶部MAへの書き込みでは、閾値電圧Vthが約1msと高速でシフトすることが分かる。
これに対し、P型不純物領域7が存在しない側の記憶部MBへの書き込みでは、閾値電圧Vthがシフトしない。これは、ドレイン側に書き込まれたデータをリバースリード法により読み出す場合、リード時のドレイン側(書き込み時のソース側)は上記のように効果的な書き込み動作が行われないような構造になっているために、いくら時間を長くしても記憶部MBへの書き込みが行われないことを示している。記憶部MBへの書き込みでは、ソース側でポテンシャルが変化し、これにより横方向の電界エネルギーが消費され、肝心のドレイン側では電界強度がホットエレクトロンを発生させるほど強くならないからである。
【0042】
図7に、記憶部MAへの書き込みを繰り返し連続して行った場合の、記憶部MBのリードディスターブ特性を示す。この図では、合計の書き込み時間を1秒から105秒まで変化させ、その書き込み時間と、その都度読み出した記憶部MBの閾値電圧(readVth)との関係を示す。このとき、ソース電圧は0.5V、ゲート電圧は3.3Vである。
この図から、記憶部MAの書き込みが記憶部MBへの閾値に影響しないため、非常に高いディスターブ耐性が得られていることが分かる。
【0043】
次に、メモリセルの消去動作を説明する。
第1の消去方法では、ドレイン側から、バンド間トンネル電流に起因したホットホールの注入を行う。
【0044】
図8に、第1の方法による消去時の模式図を示す。
基板2(チャネル形成領域2ch)の電位(0V)を基準に、データが書き込まれている記憶部MA側のソース・ドレイン領域3Aに正電圧、例えば5Vを印加し、ゲート電極5に負電圧、例えば−4Vを印加する。
【0045】
この条件下、データが書き込まれている記憶部MA側のソース・ドレイン領域3Aの表面が空乏化してバンドの曲がりが急峻となり、バンド間トンネル電流が生じる。これにより、図8に示すように、書き込まれた電荷(電子)と逆極性を有しエネルギーが高い電荷(ホットホール)が生じ、これが垂直の電界に加速されてデータが書き込まれている複数の誘電体膜の局部(記憶部MA)に注入される。これにより、注入されたホールにより蓄積電子が電気的に相殺され、閾値電圧が低下し、記憶データが消去される。
【0046】
本実施の形態では、P型不純物領域7が形成されていることから、製造直後の最初の閾値電圧Vth(init.)は、チャネル形成領域2chの閾値電圧Vth(channel)より高く設定され、“1”書き込み後に、閾値電圧Vth(write)に変化している。この状態からデータの消去を行い、閾値電圧を初期閾値電圧Vth(init.)以下に変化させることが望ましい。
【0047】
本実施の形態では、メモリトランジスタの初期閾値電圧Vth(init.)はP型不純物領域7の濃度プロファイルに依存する。書き込み領域(記憶部MA)にホットホールを注入して消去を行った場合、十分な消去動作を行っても、チャネル形成領域2chの閾値電圧Vth(channel)との差があるために、消去後の閾値電圧Vth(erase)を初期閾値電圧Vth(init.)よりも下げることができる。
この閾値電圧の関係を、図8および次式(1)に示す。
【数1】
Vth(init.)≧Vth(erase)>Vth(channel)…(1)
【0048】
図9に、メモリトランジスタの消去特性の一例を示す。図9の横軸に電圧印加時間(消去パルスの発生時間(erase pulse duration))、縦軸にメモリトランジスタの閾値電圧を示す。なお、この図9を求めた測定では、ゲート電極の印加電圧を−5Vとしている。
図9に示す例でチャネル閾値電圧Vth(channel)は0.8Vに設定されている。チャネル閾値電圧Vth(channel)は、チャネル濃度自体も低く、また、トランジスタの製造過程の初期段階で設定され、その後のプロセスの熱履歴の影響等を受けてばらつきやすい。
これに対し、図9に示す例で約2Vに設定されている製造直後の初期閾値電圧Vth(init.)は、P型不純物領域7の濃度プロファイルで決まり、このP型不純物領域7の形成工程は、トランジスタの製造過程の、特に高温処理が多い電荷蓄積膜4の形成後であるため、熱履歴により変動しにくい。また、P型不純物領域7自体がチャネル形成領域2chより高濃度であるため、最初から初期閾値電圧Vth(init.)の収束性がよく、急峻な分布が得られる。したがって、“1”書き込み後に約5.8Vの値をとる閾値電圧Vth(write)も、チャネル閾値電圧Vth(channel)を初期閾値電圧として書き込みを行った場合より収束性がよい。消去により閾値電圧が図9に示すように消去時間に依存して低下するが、消去閾値電圧Vth(erase)は初期閾値電圧Vth(init.)以下にすればよいので、制御が容易である。
【0049】
図10に、比較例としてP型不純物領域7がない場合の消去時の模式図を示す。
比較例においても、基板2の電位(0V)を基準として、ソース・ドレイン領域3Aに正電圧、ゲート電極5に負電圧を印加すると、バンド間トンネリングに起因したホットホールが記憶部MAに注入され、記憶データが消去される。
ただし、P型不純物領域7がない場合、初期閾値電圧Vth(init.)は、チャネル形成領域2chの閾値電圧Vth(channel)とほぼ等しい。消去動作が十分でない場合、メモリトランジスタの消去後の閾値電圧Vth(erase)は、書き込まれている領域(記憶部MA)において“1”書き込みの閾値電圧Vth(write)が低下した閾値電圧(>Vth(init.)=Vth(channel))となる。これに対し消去が十分に行われると、消去後の閾値電圧Vth(erase)は、ウエハ面内あるいはメモリセルアレイ内で少なくとも一部が初期閾値電圧Vth(init.)、つまりチャネル閾値電圧Vth(channel)より低くなってしまう。チャネル閾値電圧Vth(channel)のばらつきが大きいからである。
この閾値電圧の関係を、図10および次式(2)に示す。
【数2】
Vth(init.)=Vth(channel)>Vth(erase)…(2)
【0050】
この比較例のようにP型不純物領域7がない場合、初期の閾値電圧のばらつきが大きい上に、消去後の閾値電圧がチャネル閾値電圧Vth(channel)より低下してしまうため、消去の閾値制御が難しい。
【0051】
第2の消去方法では、FNトンネリングにより蓄積電子をチャネル全面で引き抜く。
【0052】
図11に、この第2の方法による消去時の模式図を示す。
2つのソース・ドレイン領域3Aおよび3B、並びに基板2に正電圧、例えば4.5Vを印加し、ゲートに負電圧、例えば−4.5Vを印加する。これにより、記憶部MAの蓄積電子が基板側にFNトンネリングする。続いて記憶部以外の領域からも電子が引き抜かれることがあるが、それとほぼ同時に、ゲート電極5から電子が注入されるため電気的な均衡が保たれる。その結果、記憶データが消去される。
【0053】
本発明の実施の形態によれば、以下の効果が得られる。
例えばN型チャネルの場合、チャネル形成領域2chと同じ導電型で、かつ、より濃度が高いP型不純物領域7を、ソース・ドレイン領域3A,3Bのどちらか片方の側、例えば3Aの側に設けている。
このため、書き込み時のホットエレクトロンの注入効率が上がり、書き込み電圧を低くできる。その結果、周辺回路に高い耐圧のトランジスタを作る必要がなくなり、製造プロセスが簡素化できる。
また、P型不純物領域7の存在により、ホットエレクトロンの高い注入効率を維持したまま、エクステンション領域の濃度を下げることができる。その結果、読み出し時に、読み出し動作電圧の印加条件で弱い書き込みが起こるという読み出し動作時のディスターブと、書き込み動作時の非選択セルに対するディスターブが抑制されるという利益が得られる。
さらに、メモリトランジスタの初期の閾値電圧のばらつきが小さくなり、書き込み後の閾値電圧、さらには消去後の閾値電圧の収束性が良くなる。消去後の閾値電圧がチャネル閾値電圧より下がることを防止でき、消去閾値電圧の設定範囲が拡大されて制御が行いやすい。
【0054】
このような種々の利点があるP型不純物領域7の形成は、エクステンション領域の形成時のN型不純物のイオン注入に続けて、P型不純物をイオン注入するカウンタードープによって形成できる。P型不純物をイオン注入する際の角度をある程度大きくすると、なんらマスク層を形成しなくても片側のP型不純物形成が可能である。その場合、フォトマスクの追加が不要で、工程の増加もわずかであることから、大幅なコスト増の要因とならない。
【0055】
これに対し、ドレイン端部で高電界を発生させるために、ドレイン側とソース側の双方でカウンタードープ等によりP型不純物領域を設けた場合、書き込み動作の際、書き込み電流を得るためにゲート電圧を上げて、ソース側の閾値電圧の高い領域のポテンシャルを下げる必要がある。その結果、ドレイン側のポテンシャル差も低くなり、書き込み効率の向上が達成できにくくなる。
本実施の形態では、書き込み時にドレインとなる側のみP型不純物を設けることにより、このような書き込み効率の向上を妨げる要因を排除し、結果として、書き込み特性の大幅な向上を図ることができる。
以上より、書き込み、読み出しおよび消去の全てで5V以下の電圧で動作させることが可能となった。
【0056】
【発明の効果】
本発明によれば、データの書き込み時に低電圧化が可能で、読み出し時に不要な箇所への電荷の注入がなく、また、消去時の閾値電圧レベルを揃えることができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る不揮発性メモリセルの断面図である。
【図2】電荷蓄積膜を拡大して示す図1と等価な断面図である。
【図3】ソース分離NOR型のメモリセルアレイの等価回路図である。
【図4】ソース線を省略してビット線を隣接したメモリトランジスタ列間で共有させたVG型メモリセルアレイの等価回路図である。
【図5】(A)は電荷注入動作の模式図、(B)と(C)は書き込み時のチャネル方向のポテンシャルと電界分布を示す図である。
【図6】書き込みドレイン電圧の印加方向を切り替えて、2つの記憶部にそれぞれデータを書き込んだときの書き込み特性を示すグラフである。
【図7】記憶部MAへの書き込みを繰り返し連続して行った場合の、記憶部MBのリードディスターブ特性を示すグラフである。
【図8】第1の方法による消去時の模式図である。
【図9】第1の方法による、メモリトランジスタの消去特性を示すグラフである。
【図10】比較例としてP型不純物領域がない場合の消去時の模式図である。
【図11】第2の方法による消去時の模式図である。
【符号の説明】
1…メモリトランジスタ、2…基板(第1導電型半導体)、2ch…チャネル形成領域(第1の領域)、3A,3B…ソース・ドレイン領域、4…電荷蓄積膜(複数の誘電体膜)、4−1…ボトム誘電体膜、4−2…中間の誘電体膜、4−3…トップ誘電体膜、5…ゲート電極、6…サイドウォール・スペーサ層、7…P型不純物領域(第2の領域)、MA…記憶部。
Claims (3)
- 第1導電型半導体領域と、前記第1導電型半導体領域の表面部に互いに離間して形成され、第2導電型半導体からなる第1および第2のソース・ドレイン領域と、前記第1および第2のソース・ドレイン領域間の前記第1導電型半導体領域の上に積層され、離散化された電荷蓄積手段として電荷トラップを含む複数の誘電体膜と、前記複数の誘電体膜の上に形成されているゲート電極と、を有し、前記第1および第2のソース・ドレイン領域のそれぞれが、第2導電型のエクステンション領域と、前記ゲート電極の下方側と反対の側で前記エクステンション領域と接し、当該エクステンション領域より第2導電型不純物濃度が高い第2導電型の高濃度領域と、から構成され、前記第1および第2のソース・ドレイン領域間の前記第1導電型半導体領域が、少数キャリアの反転層によりチャネルが形成される第1導電型の第1の領域と、前記第2のソース・ドレイン領域のエクステンション領域と前記第1の領域との間に形成され、前記第1の領域より第1導電型不純物濃度が高い第1導電型の第2の領域と、を含むメモリトランジスタに対し、データの書き込み時に、前記第1のソース・ドレインの電位を基準として、前記第2のソース・ドレイン領域に書き込みドレイン電圧を印加し、前記ゲート電極に書き込みゲート電圧を印加し、前記チャネルで加速され前記第2の領域の端部付近でエネルギー的に励起された前記少数キャリアを、前記第2の領域の上方付近で前記複数の誘電体膜の局部に注入する書き込みのステップと、
データの読み出し時に、前記第2のソース・ドレイン領域の電位を基準として、前記第1のソース・ドレイン領域に読み出しドレイン電圧を印加し、前記ゲート電極に読み出しゲート電圧を印加し、前記データの書き込み時に前記複数の誘電体膜の局部に前記少数キャリアが十分注入されているか否かに応じて異なるチャネルの導電率の変化を読み出すリバースリードのステップと、
データの消去時に、前記複数の誘電体膜の局部に注入された前記少数キャリアと逆極性の電荷を少なくとも当該局部に注入し、あるいは、前記局部に注入された前記少数キャリアを、前記第1および第2のソース・ドレイン領域間の第1導電型半導体領域の全面から引き抜く消去のステップと、
を含み、
前記消去のステップでは、前記リバースリードにおけるメモリトランジスタの閾値電圧を、前記第2の領域の濃度で規定される初期閾値電圧以下でチャネル閾値電圧より大きい値に変化させる
不揮発性半導体メモリ装置の動作方法。 - 前記消去のステップでは、前記第1のソース・ドレイン領域の電位を基準として、前記第2のソース・ドレイン領域に正電圧、前記ゲート電極に負電圧をそれぞれ印加し、前記第2のソース・ドレイン領域側でバンド間トンネル電流に起因して発生しエネルギー的に励起され、前記少数チャリアと反対の極性を有する電荷を、少なくとも前記データの書き込み時に前記少数キャリアが注入される前記複数の誘電体膜の局部に注入する
請求項1に記載の不揮発性半導体メモリ装置の動作方法。 - メモリトランジスタと、
周辺回路と、
を備え、
前記メモリとランジスタが、
第1導電型半導体領域と、
前記第1導電型半導体領域の表面部に互いに離間して形成され、第2導電型半導体からなる第1および第2のソース・ドレイン領域と、
前記第1および第2のソース・ドレイン領域間の前記第1導電型半導体領域の上に積層され、離散化された電荷蓄積手段として電荷トラップを含む複数の誘電体膜と、
前記複数の誘電体膜の上に形成されているゲート電極と、
を有し、
前記第1および第2のソース・ドレイン領域のそれぞれが、
第2導電型のエクステンション領域と、前記ゲート電極の下方側と反対の側で前記エクステンション領域と接し、当該エクステンション領域より第2導電型不純物濃度が高い第2導電型の高濃度領域と、
から構成され、
前記第1および第2のソース・ドレイン領域間の前記第1導電型半導体領域が、
少数キャリアの反転層によりチャネルが形成される第1導電型の第1の領域と、
前記第2のソース・ドレイン領域のエクステンション領域と前記第1の領域との間に形成され、前記第1の領域より第1導電型不純物濃度が高い第1導電型の第2の領域と、
を含み、
前記周辺回路は、データの書き込み時に、前記第1のソース・ドレインの電位を基準として、前記第2のソース・ドレイン領域に書き込みドレイン電圧を印加し、前記ゲート電極に書き込みゲート電圧を印加し、前記チャネルで加速され前記第2の領域の端部付近でエネルギー的に励起された前記少数キャリアを、前記第2の領域の上方付近で前記複数の誘電体膜の局部に注入し、リバースリード時に、前記第2のソース・ドレイン領域の電位を基準として、前記第1のソース・ドレイン領域に読み出しドレイン電圧を印加し、前記ゲート電極に読み出しゲート電圧を印加し、前記データの書き込み時に前記複数の誘電体膜の局部に前記少数キャリアが十分注入されているか否かに応じて異なるチャネルの導電率の変化を読み出し、データの消去時に、前記複数の誘電体膜の局部に注入された前記少数キャリアと逆極性の電荷を少なくとも当該局部に注入し、あるいは、前記局部に注入された前記少数キャリアを、前記第1および第2のソース・ドレイン領域間の第1導電型半導体領域の全面から引き抜く際に、前記リバースリードにおけるメモリトランジスタの閾値電圧を、前記第2の領域の濃度で規定される初期閾値電圧以下でチャネル閾値電圧より大きい値に変化させる
不揮発性半導体メモリ装置。
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