JP4573645B2 - 塗布装置 - Google Patents

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Description

本発明は、塗布装置に関し、より特定的には、ステージ上に載置した基板にノズルから液柱状態の塗布液を吐出して塗布する塗布装置に関する。
従来、基板等の被処理体に塗布液を塗布する塗布装置が各種開発されている。基板に塗布液を塗布する際、基板外に塗布された塗布液や不要な塗布液を回収するために、基板外縁部に液受部が設けられることがある(例えば、特許文献1参照)。上記特許文献1で開示された液受部は、より多くの現像液を回収できるように基板外縁に沿うようにして設けられている。
また、ノズルから塗布液を吐出しつつ、連続して一筆書きのように基板に塗布液を塗布する塗布装置が開発されている。例えば、有機EL表示装置を製造する装置では、ステージ上に載置されたガラス基板等の基板の主面に所定のパターン形状で有機EL材料がノズル塗布される。この場合、ノズルが基板外に移動したときに塗布液を受ける液受部が基板外に配設される。
図11に示すように、有機EL表示装置の製造装置は、赤、緑、および青色の有機EL材料の塗布を受けるガラス基板Pを載置するステージ101、赤色の有機EL材料を吐出する赤色用のノズル102、緑色の有機EL材料を吐出する緑色用のノズル103、青色の有機EL材料を吐出する青色用のノズル104、および基板Pの外に吐出された有機EL材料を回収する液受部105を備えている。赤、緑、および青色の有機EL材料としては、例えば、基板P上にストライプ状に形成された溝内に拡がるように流動する程度の粘性を有する有機性のEL材料が用いられる。そして、所定の圧力および流量でノズル102〜104から有機EL材料を直線棒状(以下、液柱状態と記載する)に吐出して、基板P上に塗布される。なお、液受部105は、基板Pの両サイド外側(図11では、一方のみ示している)に上面を開口して配設されている。
ノズル102〜104は、並設した状態で保持部材(図示せず)によって支持されており、当該保持部材およびステージ101は、有機EL表示装置の製造装置の各駆動機構によって動作する。駆動機構は、基板Pを横断する所定方向(基板Pに形成されたストライプ状の溝の方向であり、図示矢印F方向)にノズル102〜104を支持する保持部材を往復移動させる。このとき、駆動機構は、基板Pの一方サイド外側に配設されている液受部105の上部空間から、基板Pを横断して基板Pの他方サイド外側に配設されている液受部105の上部空間まで、上記保持部材を往復移動させる。また、駆動機構は、上記保持部材が液受部105の上部空間に配置されている際、上記ノズル往復移動方向とは垂直の所定方向(紙面垂直方向)に所定ピッチだけステージ101を移動させる。このような駆動機構の動作と同時にノズル102〜103から有機EL材料を液柱状態で吐出することによって、赤、緑、および青色の有機EL材料がストライプ状の溝毎に赤、緑、青色の順に配列された、いわゆる、ストライプ配列が基板P上に形成される。
特開2003−31460号公報
しかしながら、基板P外に設けられた液受部105へ液柱状態の塗布液を吐出する場合、次のような問題がある。ノズル102〜104と液受部105との距離h1+h2が長くなることによって、液柱状態であった塗布液が表面張力により液滴化する。例えば、ノズル102〜104の先端部から基板P上面までの距離h1は、0.25〜0.50mm程度に液柱状態が保証できる距離に設定することができるが、距離h1+h2が20mm程度である場合、吐出圧力や流量の調整だけでは液滴化を防ぐことが難しくなる。また、ノズル102〜104が図示F方向へ高速移動する場合、その速度に応じて液滴化した塗布液が微細なミスト状にさらに分裂する。そして、高速移動するノズル102〜104の背後の空間が負圧となり、ミスト状になった塗布液がノズル102〜104の近傍まで舞い上がってしまう。その結果、基板P外で発生したミスト状の塗布液が基板P上に落下して上面に付着するため、塗布不良の原因となってしまう。
また、基板近傍に設けられている上記特許文献1の液受部を上記有機EL表示装置の製造装置に採用したとしても、できるだけ多くの回収を行うために液受部の上面が開放されている、あるいは受け口が拡大されているため、液受部内部で同様の液滴化やミスト化が生じ、同様の問題が発生する。
それ故に、本発明の目的は、液柱状態の塗布液を基板に塗布する際、基板外に吐出される塗布液が当該基板へ影響しない塗布装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明は、以下に述べるような特徴を有している。
第1の発明は、鉛直下方向への直線棒状となった液柱状態の塗布液を基板上に吐出してその塗布液を塗布する塗布装置である。塗布装置は、ノズル、ステージ、ノズル移動機構、および液受部を備えている。ノズルは、その先端部から塗布液を液柱状態で吐出する。ステージは、基板をその上面に載置する。ノズル移動機構は、ステージ上の空間において、そのステージ面を横断する方向にノズルを往復移動させる。液受部は、ノズル移動機構が横断する方向に沿ってステージ上から外れた位置にノズルを移動させた際、そのノズルからステージ外に吐出された塗布液を受ける。液受部は、横断する方向に沿ってステージ上から外れた位置に配置されたノズルの先端部から鉛直下方向となる位置にその横断する方向と平行のスリット状の開口が上面に形成された箱部を有し、その開口を通してノズルから吐出された液柱状態の塗布液を箱部内で回収する。液受部に形成された開口は、ノズルから吐出された塗布液が液柱状態から分裂が始まる高さよりノズル側に形成される。
の発明は、上記第1の発明において、液受部は、ステージ側面近傍に設けられる。液受部に形成された開口は、ステージの上面より少なくとも下方に形成される。
の発明は、上記第の発明において、基板は、開口が形成された液受部の上面の一部の上方にかかるようにステージ上に載置される。
の発明は、上記第1の発明において、塗布装置は、複数のノズルを備えている。ノズル移動機構は、複数のノズルを一体的に横断する方向に往復移動させる。液受部の上面に形成される開口は、横断する方向に沿ってステージ上から外れた位置に配置された複数のノズルの先端部から鉛直下方向となる位置にその横断する方向と平行のスリット状であり、複数のノズルから吐出された全ての液柱状態の塗布液を同時に通す形状で形成されている。
の発明は、上記第1の発明において、塗布装置は、ステージで対向する2つの側面近傍に横断する方向に沿ってそれぞれ液受部を2つ備えている。ステージは、横断する方向に対して垂直な水平方向に移動可能である。
上記第1の発明によれば、液受部は、その上面が開放ではなく液柱状態で吐出された塗布液が通過するスリット状の開口が形成されているため、液受部内に吐出された塗布液が外部へ再度舞い上がることを防止することができる。したがって、ステージ外に吐出した塗布液が当該ステージに載置された基板上に落下して付着することなく、塗布不良を防止することができる。また、ステージ外に設けられた液受部で液柱状態のまま塗布液を回収することができるため、塗布液が液滴化やミスト化することがなく、液滴化やミスト化した塗布液が基板上に舞い戻ることを防止することができる。
上記第の発明によれば、ステージ外に吐出された塗布液を確実に回収しながら、ステージ上に載置された基板と液受部との干渉を防止することができる。
上記第の発明によれば、基板が液受部の上面の一部にオーバラップして載置されるため、基板外に吐出された塗布液を確実に回収することができる。
上記第の発明によれば、複数のノズルを用いて同時に塗布液を基板に塗布する装置においても、液受部内に吐出された塗布液が外部へ再度舞い上がることを防止することができる。したがって、ステージ外に吐出した塗布液が当該ステージに載置された基板上に落下して付着することなく、塗布不良を防止することができる。
上記第の発明によれば、ステージを横断する方向に塗布液を吐出するノズルを一方の液受部上まで移動させた後、ステージを所定量移動させ、ステージを横断する方向に塗布液を吐出するノズルを他方の液受部上まで移動させることを繰り返すことによって、基板面に対してストライプ状に塗布液を塗布することができる。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態に係る塗布装置について説明する。説明を具体的にするために、当該塗布装置が有機EL表示装置を製造する装置に適用された例を用いて、以下の説明を行う。有機EL表示装置を製造する装置は、有機EL材料をステージ上に載置されたガラス基板上に所定のパターン形状に塗布して有機EL表示装置を製造するものである。図1は、有機EL表示装置の製造装置の要部概略構成を示す平面図および正面図である。
図1において、有機EL表示装置の製造装置1は、大略的に、基板載置装置2および有機EL塗布機構5を備えている。有機EL塗布機構5は、ノズル移動機構部51、ノズルユニット52、および液受部53を有している。ノズル移動機構部51は、ガイド部材511が図示X軸方向に延設されており、ノズルユニット52をガイド部材511に沿って図示X軸方向に移動させる。ノズルユニット52は、赤、緑、および青色の有機EL材料をそれぞれ吐出するノズル521〜523を並設した状態で保持する。各ノズル521〜523へは、それぞれ供給部(図2参照)から赤、緑、および青色の有機EL材料が供給される。
基板載置装置2は、ステージ21、旋回部22、平行移動テーブル23、ガイド受け部24、およびガイド部材25を有している。ステージ21は、被塗布体となるガラス基板等の基板Pをそのステージ上面に載置する。ステージ21の下部は、旋回部22によって支持されており、旋回部22の回動動作によって図示θ方向にステージ21が回動可能に構成されている。また、ステージ21の内部には、有機EL材料が塗布された基板Pをステージ面上で予備加熱処理するための加熱機構が設けられている。
有機EL塗布機構5の下方を通るように、ガイド部材25が上記X軸方向と垂直の図示Y軸方向に延設されて固定される。平行移動テーブル23の下面にはガイド部材25と当接してガイド部材25上を滑動するガイド受け部24が固設されている。また、平行移動テーブル23の上面には、旋回部22が固設される。これによって、平行移動テーブル23が、例えばリニアモータ(図示せず)からの駆動力を受けてガイド部材25に沿った図示Y軸方向に移動可能になり、旋回部22に支持されたステージ21の移動も可能になる。
ステージ21上に基板Pを載置して、平行移動テーブル23が有機EL塗布機構5の下方まで移動したとき、当該基板Pが赤、緑、および青色の有機EL材料の塗布をノズル521〜523から受ける位置となる。そして、制御部(図2参照)がノズルユニット52をX軸方向に往復移動させるようにノズル移動機構部51を制御し、ステージ21をY軸方向へ当該直線移動毎に所定ピッチだけ移動させるように平行移動テーブル23を制御し、ノズル521〜523から所定流量の有機EL材料を吐出する。また、ノズル521〜523のX軸方向吐出位置において、ステージ21に載置された基板Pから逸脱する両サイド空間には、基板Pから外れて吐出された有機EL材料を受ける液受部53Lおよび53Rがそれぞれ固設されている。ノズル移動機構部51は、基板Pの一方サイド外側に配設されている液受部53の上部空間から、基板Pを横断して基板Pの他方サイド外側に配設されている液受部53の上部空間まで、ノズルユニット52を往復移動させる。また、平行移動テーブル23は、ノズルユニット52が液受部53の上部空間に配置されている際、ノズル往復移動方向とは垂直の所定方向(図示Y軸方向)に所定ピッチだけステージ21を移動させる。このようなノズル移動機構部51および平行移動テーブル23の動作と同時にノズル521〜523から有機EL材料を液柱状態で吐出することによって、赤、緑、および青色の有機EL材料が基板Pに形成されたストライプ状の溝毎に赤、緑、青色の順に配列された、いわゆる、ストライプ配列が基板P上に形成される。
次に、図2を参照して、有機EL表示装置の製造装置1における制御機能の概略構成について説明する。なお、図2は、有機EL表示装置の製造装置1の制御機能を示すブロック図である。
図2において、有機EL表示装置の製造装置1は、上述した構成部の他に、制御部3、第1供給部54a、第2供給部54b、および第3供給部54cを備えている。第1供給部54aは、赤色の有機EL材料を赤色用のノズル521に供給する。第2供給部54bは、緑色の有機EL材料を緑色用のノズル255に供給する。第3供給部54cは、青色の有機EL材料を青色用のノズル523に供給する。第1供給部54aは、赤色の有機EL材料の供給源541aと、供給源541aから赤色の有機EL材料を取り出すためのポンプ542aと、赤色の有機EL材料の流量を検出する流量計543aと、赤色の有機EL材料中の異物を除去するためのフィルタ544aとを備えている。また、第2供給部54bは、緑色の有機EL材料の供給源541bと、供給源541aから緑色の有機EL材料を取り出すためのポンプ542bと、緑色の有機EL材料の流量を検出する流量計543bと、緑色の有機EL材料中の異物を除去するためのフィルタ544bとを備えている。さらに、第3供給部54cは、青色の有機EL材料の供給源541cと、供給源541aから青色の有機EL材料を取り出すためのポンプ542cと、青色の有機EL材料の流量を検出する流量計543cと、青色の有機EL材料中の異物を除去するためのフィルタ544cとを備えている。そして、制御部3は、第1〜第3供給部54a〜54c、旋回部22、平行移動テーブル23、およびノズル移動機構部51のそれぞれの動作を制御する。
赤、緑、および青色の有機EL材料の塗布を受ける基板Pの表面には、各色の有機EL材料を塗布すべき所定のパターン形状に応じたストライプ状の溝が複数本並設されるように形成されている。赤、緑、および青色の有機EL材料としては、例えば、基板P上の溝内に拡がるように流動する程度の粘性を有する有機性のEL材料が用いられ、具体的には各色毎の高分子タイプの有機EL材料が用いられる。ノズルユニット52は、所定の支持軸周りに回動自在に支持されており、制御部3の制御によって当該支持軸周りに回動させることで、各色の塗布ピッチ間隔を調整することができる。なお、ノズル521〜523における有機EL材料を吐出するための穴径は、基板Pに形成された溝の幅より小さい数十μm程度であり、例えば、10〜70μmである。
制御部3は、ステージ21に載置された基板Pの位置や方向に基づいて、基板Pに形成された溝の方向が上記X軸方向になるように旋回部22の角度を調整し、塗布のスタートポイント、すなわち、基板Pに形成された溝の一方の端部側で塗布を開始する塗布開始位置を算出する。なお、上記塗布開始位置は、一方の液受部53の上部空間となる。そして、制御部3は、上述したように平行移動テーブル23およびノズル移動機構部51を駆動させる。
上記塗布開始位置において、制御部3は、各ノズル521〜523から有機EL材料の吐出開始を各ポンプ542a〜542cに指示する。このとき、制御部3は、ストライプ状の溝の各ポイントにおける有機EL材料の塗布量が均一となり、液柱状態で有機EL材料が吐出されるように、ノズル521〜523の移動速度に応じてその塗布量を制御しており、流量計543a〜543cからの流量情報をフィードバックして制御する。そして、制御部3は、基板P上の溝内への有機EL材料の流し込むために、有機EL材料を基板P上の溝に沿わせながらこの溝内に流し込むようにノズルユニット52をガイド部材511に沿わせて移動させるように制御する。この動作によって、液柱状態で吐出される赤、緑、および青色の有機EL材料が同時にそれぞれの溝に流し込まれていく。
制御部3は、基板P上をノズルユニット52が横断して溝の他方端部の外側に固設されている他方の液受部53上に位置すると、ノズル521〜523からの有機EL材料の吐出を継続したまま、ノズル移動機構部51によるノズルユニット52の移動を停止する。この1回の移動によって、3列分の溝への有機EL材料の塗布が完了する。
次に、制御部3は、平行移動テーブル23をY軸方向に溝3列分だけピッチ送りして、次の3列分の溝への有機EL材料の塗布を行えるようにする。そして、制御部3は、他方の液受部53の上部空間からノズルユニット52を逆の方向へ基板P上を横断させて一方の液受部53上に位置すると、ノズル521〜523からの有機EL材料の吐出を継続したまま、ノズル移動機構部51によるノズルユニット52の移動を停止する。この2回目の移動によって、次の3列分の溝への有機EL材料の塗布が完了する。このような動作を繰り返すことによって、各色の有機EL材料を溝毎に流し込まれる。このようにして、赤、緑、および青色の有機EL材料がストライプ状の溝毎に赤、緑、および青色の順に配列された、いわゆる、ストライプ配列が形成される。
次に、図3〜図7を参照して、液受部53について説明する。なお、図3は、液受部53の構造を示す斜視図である。図4は、液受部53の一部について図3の断面A−AをB方向から見た断面図である。図5は、図3のD方向から見た液受部53の側面概要図である。図6は、ノズル521〜523から吐出される有機EL材料と液受部53との位置関係を示す斜視図である。図7は、ノズル521〜523が移動した際の液受部53との位置関係を示す斜視図である。なお、ステージ21に対して両サイドにある液受部53Lおよび53R(図1参照)は、共にステージ21を対称とした同一の構造を有しており、図3および図5〜図7は、その一方を液受部53として示している。
図3において、液受部53は、下段受け部531、上段ボックス部532、スリット部533、上段支持部材534、および局所排気部535を備えている。
下段受け部531は、例えばノズル移動機構部51に連結され、ノズル移動機構部51との位置関係が常時固定されるように固設されている。下段受け部531は、その上面が開放されたボックス形状を有しており、その一部がステージ21の下部にかかるように配置される。下段受け部531内部に吐出された有機EL材料は、その最下位置から流出する流路(図示せず)を介して排液タンク(図示せず)で回収される。また、下段受け部531内部には、ステージ21側面近傍空間の気体を吸引する局所排気部535が設けられている。さらに、下段受け部531の上端面には、上段ボックス部532を支持する上段支持部材534が固設される。
上段ボックス部532は、上段支持部材534によって支持され、下段受け部531の上部空間に固設される。上段ボックス部532は、上面が開放されたボックス形状を有しており、当該上面を覆うようにスリット部533が設けられて閉じられている。スリット部533は、図示X軸方向を長手開口方向とする細幅(例えば、1〜3mm)のスリット開口部533aが形成されている。図4に示すように、スリット部533は、上段ボックス部532の蓋のように取り付けられており、上段ボックス部532から取り外し可能にはめ込まれている。そして、スリット部533が上段ボックス部532に取り付けられると、スリット開口部533aが上段ボックス部532の内部空間と外部空間との開孔として機能する。また、上段ボックス部532内部に吐出された有機EL材料は、その最下位置から流出する流路(図示せず)を介して下段受け部531内部へ流動する。
スリット部533の上面は、ステージ21の上面と略同一の高さ(図5の高さd参照)となるように固設されている。上段ボックス部532およびスリット部533のステージ21側先端部は、当該ステージ21近傍に所定の隙間(図5の隙間a参照)を形成して固設される。そして、スリット部533の上面には、ステージ21の側面から図示X軸方向へ一部がはみ出す(図5の長さb参照)ように載置された基板P(図3においては、破線で示している)に対して、その一部がオーバラップ(図5のオーバラップ長さc参照)して配置される。
図5において、上段ボックス部532およびスリット部533のステージ21側先端部は、ステージ21側面と隙間aが形成されるように設けられる。この隙間aは、ステージ21の図示Y軸方向への平行移動動作や旋回部22の回動動作によって、ステージ21と上段ボックス部532およびスリット部533とが干渉しないために設けられ、例えば4mmである。また、基板Pは、ステージ21の端面に対して液受部53側に長さbだけはみ出して載置される。長さbは、スリット部533の上面と基板Pとが長さcだけオーバラップするように設定されるため、b=a+cであり、例えば長さb=5mm、オーバラップ長さc=1mmである。スリット部533の上面は、基板Pの端部から下方向の洩れを防ぐためにステージ21の上面と同一の高さで設けられるのが望ましいが、上述したようにステージ21に載置された基板Pが平行移動や回動するため、基板Pの下面とスリット部533の上面との干渉を防止する必要がある。このため、スリット部533の上面は、ステージ21の上面より高さdだけ低く設けられ、例えば高さd=0.5〜2.0mmである。ノズル521〜523から吐出された有機EL材料が液柱状態から分裂が始まる高さより上方にスリット部533の上面が配置されるように高さdを設定すれば、本発明の効果を得ることができる。
なお、基板Pの下面とスリット部533の上面との干渉を防止するために、スリット部533の上面がステージ21の上面より高さdだけ低く設けられる一例を説明したが、このような効果を期待しない場合、スリット部533の上面がステージ21の上面以上の高さに設けられてもかまわない。スリット部533の上面が少なくともノズル521〜523の先端部より低く設けられていれば、本発明の効果を得ることができる。
次に、図6を参照して、ノズル521〜523と液受部53との位置関係について説明する。なお、図6では、主にノズル521〜523、液受部53、および基板Pを示しており、他の部位を省略して示している。上述したように、基板Pに対して有機EL材料を塗布する際、塗布開始および終了時点、あるいはX軸方向折返し時点等において、ノズル521〜523が液受部53の上部空間に配置される。このとき、ノズル521〜523は、液受部53の上面に向けて液柱状態の有機EL材料を吐出している。
液受部53の上部空間にノズル521〜523が移動したとき、当該ノズル521〜523から吐出される有機EL材料がスリット開口部533aを通って上段ボックス部532の内部で受けられるように、液受部53が設けられている。つまり、ノズル521〜523がX軸方向へ基板P外に出る際、当該ノズル521〜523の先端部(吐出口)の直下位置を全て含むようにスリット開口部533aが形成されている。したがって、ノズル521〜523の移動方向(X軸方向)とスリット開口部533aの長手形成方向(X軸方向)とは平行であり、ノズル521〜523の先端部に対する図示Z軸下方向にスリット開口部533aが形成されている。ここで、ノズル521〜523は、X軸方向に並設された3列分の溝へ同時に有機EL材料を塗布するために図示Y軸方向へ若干ずれて(例えば、0.36mm)配置される。スリット開口部533aは、これらのノズル521〜523から液柱状態で吐出される有機EL材料を全て通す幅を有しており、例えば1〜3mmの幅で形成される。
ここで、基板Pへの有機EL材料の塗布は、液柱状態を保ったまま基板Pに吐出されるように、ノズル521〜523の先端部から基板P上面までの距離を液柱状態が保証できる距離に設定している。一方、上述したようにスリット部533の上面はステージ21の上面と若干低く設定されるだけであり、基板Pの上面とスリット部533の上面との高さの差が非常に小さく設定されている。具体的には、基板Pの厚さ+高さd(図5参照)が双方の高低差である。したがって、基板Pとスリット部533の上面との高低差が極めて小さいため、ノズル521〜523からの吐出圧力や流量を調整すれば有機EL材料が液柱状態を保った状態でスリット開口部533aを通すことが可能となる。つまり、基板Pの外で吐出される有機EL材料が液滴化しない状態で、スリット部533および上段ボックス部532で回収することができる。また、上段ボックス部532は、その上面が液柱状態で吐出された有機EL材料が通過する部分だけスリット状に開口されたスリット部533で塞がれているため、上段ボックス部532内に吐出された有機EL材料が外部へ再度舞い上がることなく、下段受け部531へ流動する。
また、図6に示したようにノズル521〜523が液受部53の上部空間に配置されると、やがてノズル521〜523がX軸方向である図示C方向へ高速に移動する(図7)。図7に示すように、ノズル521〜523が液受部53の上部空間から図示C方向へ移動する際、当該ノズル521〜523から吐出される有機EL材料は、基板P上に吐出されるまで全てスリット開口部533aを液柱状態で通過して上段ボックス部532に回収される。ここで、ノズル521〜523が図示C方向へ高速移動する場合、液滴化した有機EL材料があればさらに微細なミスト状に分裂し、ノズル521〜523の背後に生じる負圧の影響でミスト状になった有機EL材料がノズル521〜523の近傍まで舞い上がってしまう。しかしながら、基板Pの外に吐出された有機EL材料は、全て液柱状態で上段ボックス部532に回収されているため、このような舞い上がりは発生しない。
このように、本実施形態に係る塗布装置は、基板外に設けられた液受部で液柱状態のまま塗布液を回収することができるため、塗布液が液滴化やミスト化することがない。したがって、基板外に吐出した塗布液が基板上に落下して付着することなく、塗布不良を防止することができる。
なお、図5に示すように基板Pの下面とスリット部533の上面との間には高さdの隙間が形成されているため、スリット開口部533aや基板Pの端面付近に吐出された有機EL材料が当該隙間を通ってステージ21の側面方向へ流出する可能性がある。しかしながら、下段受け部531内部には、ステージ21側面近傍空間の気体を吸引する局所排気部535(図3参照)が設けられており、このような上段ボックス部532に回収できなかった有機EL材料を吸引して回収することができる。
また、上段ボックス部532の内部は、スリット部533が取り外し可能にはめ込まれているため、ユーザがスリット部533を取り外すことによって上段ボックス部532の内部を容易に清掃することができる。しかしながら、このようなメンテナンス作業を自動的に行うために、図示しない流入通路から上段ボックス部532の内部へ洗浄用のリンス液を適宜流動させてもかまわない。このようなリンス液を上段ボックス部532内に流動させることによって、上述した自動洗浄効果に加えて、上段ボックス部532内に吐出された有機EL材料がリンス液と混合されて再度外部へ出にくくなる効果が得られる。
また、図8は、スリット部533の他の例を説明するための図3の断面A−AをB方向から見た断面図である。図8に示すように、スリット部533に形成されたスリット開口部533aに、下向きの折返し部533bを形成してもかまわない。これによって、さらに上段ボックス部532内に吐出された有機EL材料が再度外部へ出にくくなる効果が得られる。
また、上述した実施形態では、有機EL表示装置の製造装置を一例にして説明したが、液柱状態の塗布液を基板に塗布する装置であれば、本発明は他の装置にも適用できる。例えば、レジスト液やSOG(Spin On Glass)液、さらに正孔輸送層を基板に塗布する装置にも適用することができる。
また、上述した実施形態では、ノズル521〜523への有機EL材料の流量を検出して吐出する有機EL材料の流量をフィードバック制御しているが、有機EL材料の圧力を圧力センサ等の圧力検出手段で検出して、ノズル521〜523から吐出させる有機EL材料の流量をフィードバック制御してもかまわない。
また、上述した実施例では、基板Pの下面とスリット部533の上面との間の高さd(図5参照)に対応して、局所排気部535(図3参照)が設けられているが、図9に示すように局所排気部535aを構成してもかまわない。すなわち、高さdの隙間に局所排気部535aの吸引開口を極力近づけて配置する。例えば、上段ボックス部532のステージ部21側側面に沿って、ステージ部21との間で局所排気部535aの配管が上方に向けて延設される。これによって、上段ボックス部532で回収できなかった有機EL材料を確実に回収することができる。ここで、上述したように隙間aは、ステージ21の図示Y軸方向への平行移動動作や旋回部22の回動動作による干渉を防ぐために設けられているため、局所排気部535aをステージ部21と上段ボックス部532の側面との間に設ける場合、局所排気部535aとステージ部21との間隔が隙間aとなるように設けられる。つまり、同じオーバラップ長さcを確保する場合、上記長さbも局所排気部535aを設置するための空間を考慮して設定することは言うまでもない。
また、基板Pの下面とスリット部533の上面との間の高さdに対応して、図10に示すように局所排気部535bを構成してもかまわない。図10に示すように、上段ボックス部532のステージ部21側底部および側部を薄肉状に形成し、その薄肉状にした底部に沿うように局所排気部535bの配管を配設し、高さdの隙間に局所排気部535bの吸引開口を極力近づけて配置する。これによって、上段ボックス部532で回収できなかった有機EL材料を確実に回収することができる。
また、上述した実施形態では、赤、緑、および青色用の3個1組のノズル521〜523で基板Pの各溝内に有機EL材料を流し込んでいるが、この3個1組のノズル521〜523を複数組設けて基板Pの各溝内に有機EL材料を流し込んでもかまわない。この場合、各ノズルの組がX軸方向へ動作する位置に対応する液受部53をそれぞれ設ければ、塗布処理にかかる時間を短縮しながら、本発明の効果を得ることができる。
本発明に係る塗布装置は、被塗布体となる基板の外に吐出された塗布液を確実に回収することができ、基板に対して液柱状態の塗布液を塗布する装置等として有用である。
本発明の一実施形態に係る有機EL表示装置の製造装置1の要部概略構成を示す平面図および正面図 図1の有機EL表示装置の製造装置1の制御機能を示すブロック図 図1の液受部53の構造を示す斜視図 液受部53の一部について図3の断面A−AをB方向から見た断面図 図3のD方向から見た液受部53の側面概要図 図1のノズル521〜523から吐出される有機EL材料と液受部53との位置関係を示す斜視図 図1のノズル521〜523が移動した際の液受部53との位置関係を示す斜視図 スリット部533の他の例を説明するための図3の断面A−AをB方向から見た断面図 図3の局所排気部535の他の例を示すためのD方向から見た側面概要図 図3の局所排気部535の他の例を示すためのD方向から見た側面概要図 従来の有機EL表示装置の製造装置のノズル102〜104と液受部105との位置関係を示す側面概要図
符号の説明
1…有機EL表示装置の製造装置
2…基板載置装置
21…ステージ
22…旋回部
23…平行移動テーブル
24…ガイド受け部
25、511…ガイド部材
3…制御部
5…有機EL塗布機構
51…ノズル移動機構部
52…ノズルユニット
521、522、523…ノズル
53…液受部
531…下段受け部
532…上段ボックス部
533…スリット部
534…上段支持部材
535…局所排気部
54…供給部
541…供給源
542…ポンプ
543…流量計
544…フィルタ

Claims (5)

  1. 鉛直下方向への直線棒状となった液柱状態の塗布液を基板上に吐出して当該塗布液を塗布する塗布装置であって、
    その先端部から前記塗布液を前記液柱状態で吐出するノズルと、
    前記基板をその上面に載置するステージと、
    前記ステージ上の空間において、当該ステージ面を横断する方向に前記ノズルを往復移動させるノズル移動機構と、
    前記ノズル移動機構が前記横断する方向に沿って前記ステージ上から外れた位置に前記ノズルを移動させた際、当該ノズルから前記ステージ外に吐出された前記塗布液を受ける液受部とを備え、
    前記液受部は、前記横断する方向に沿ってステージ上から外れた位置に配置された前記ノズルの先端部から鉛直下方向となる位置に当該横断する方向と平行のスリット状の開口が上面に形成された箱部を有し、当該開口を通して前記ノズルから吐出された液柱状態の塗布液を当該箱部内で回収し、
    前記液受部に形成された開口は、前記ノズルから吐出された塗布液が前記液柱状態から分裂が始まる高さより当該ノズル側に形成される、塗布装置。
  2. 前記液受部は、前記ステージ側面近傍に設けられ、
    前記液受部に形成された開口は、前記ステージの上面より少なくとも下方に形成されることを特徴とする、請求項1に記載の塗布装置。
  3. 前記基板は、前記開口が形成された前記液受部の上面の一部の上方にかかるように前記ステージ上に載置されることを特徴とする、請求項に記載の塗布装置。
  4. 前記塗布装置は、複数の前記ノズルを備えており、
    前記ノズル移動機構は、前記複数のノズルを一体的に前記横断する方向に往復移動させ、
    前記液受部の上面に形成される前記開口は、前記横断する方向に沿ってステージ上から外れた位置に配置された前記複数のノズルの先端部から鉛直下方向となる位置に当該横断する方向と平行のスリット状であり、前記複数のノズルから吐出された全ての液柱状態の塗布液を同時に通す形状で形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の塗布装置。
  5. 前記塗布装置は、前記ステージで対向する2つの側面近傍に前記横断する方向に沿ってそれぞれ前記液受部を2つ備えており、
    前記ステージは、前記横断する方向に対して垂直な水平方向に移動可能であることを特徴とする、請求項1に記載の塗布装置。
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