JP4578064B2 - 口栓部の構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、容器に取り付けられて開閉自在に構成された注出部とキャップとからなる口栓部の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
包装容器に円筒状の注出部を取り付け、この注出部を開閉するために、注出部にキャップを着脱自在に螺合させるように構成された口栓部の構造が、従来から知られている。この口栓部の構造では、キャップが注出部に確実に保持されるようにするため、キャップの本体の周囲にバンドを設け、このバンドで注出部の外面を保持する構造が採用されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この構造にかかるキャップは、キャップ本体の周囲にバンドを連結片で連結して構成されている。そして、バンドは周方向に複数の円弧状のバンドピースに分割され、各バンドピースは、その端部同士が切断片で連結されて構成されている。また、各バンドピースの内面には、その周方向の端部に内側に向けて突出する係合部が形成されている。キャップは、この係合部を注出部の周面に嵌合させることで保持される。
【0004】
一方、注出部の外周部には、半径方向外側に突出する爪部が形成されている。
キャップを開けるときに、この爪部はバンドピース同士を連結している切断片に負荷を与えて切断する役割を果たすものである。すなわち、キャップが回転すると、バンドピースの内面に形成された係止部がこの爪部と係合し、係止部がこの爪部に引っ掛かると、バンドのバンドピース同士を連結している切断片に負荷が作用して切断される。これにより、係止部が注出部を嵌合する力が失われ、キャップは自在に注出部の外周を回転できるようになるという作用効果を有している。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−124669号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
近年、この口栓部の構造を有する包装容器について、キャップに設けられたバンドの切断片を切断させずにキャップを開けて内容物を改ざんするという悪質な悪戯が社会的な問題となっている。
【0007】
そこで、本発明では、不正にキャップが開けられてしまうことを効果的に防止すると共に、一旦キャップが開けられた場合には、開けられたことが顕著に現れるようにして、開封前の状態であるのか、開封後の状態であるのかを容易に区別することが可能な口栓部の構造を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明では、上記の課題を解決するために、筒状の注出口と、この注出口の外周に着脱自在に螺合せしめて前記注出口を閉鎖するキャップとを備えた口栓部の構造において、
前記注出口には、その外周から張り出すフランジが注出口の下端部に形成されている一方で、前記キャップには、前記フランジの外周部が係り合わされるバンドが、キャップの周方向に延びるようにして連結片によって連結され、前記注出口は、前記注出口の外周面からそれぞれ伸びる一対の第1のリブと、該一対の第1のリブのそれぞれにおいて、前記第1のリブの根元と先端の中間位置から第1のリブと直角をなすように伸びる一対の第2のリブとを有し、前記第1のリブの先端は前記フランジの外縁から外側に突出して第1のラチェットとして機能し、前記第2のリブの先端は前記フランジの外縁から外側に突出して第2のラチェットとして機能し、
前記第1のラチェットが、前記注出口を間に挟んだ対称位置に形成され、前記第2のラチェットが、前記注出口を間に挟んだ対称位置に形成され、前記バンドは円周方向に少なくとも2分割されたバンドピースから構成され、各バンドピースの端部同士は切断片によって接続され、各バンドピースの内面には、前記第1のラチェット及び第2のラチェットの形成された位置に対応して、前記第1のラチェット及び第2のラチェットとそれぞれ係合する爪部が内側に突出するように形成され、前記注出口に螺合されて前記注出口を閉鎖している前記キャップの開封方向への回転に伴い、前記爪部と、これらに対応する位置に形成された前記第1のラチェット及び第2のラチェットとが4箇所にて同時に係合して、前記切断片に負荷を与えて切断するように構成されている口栓部の構造を採用した。
【0009】
本発明では、周方向おいて第1及び第2のラチェットを4箇所に設けると共に、これらラチェットに対応するように爪部を設けている。このように周方向において4箇所にキャップの回転を阻止する手段を設けることにより、キャップを締め込みすぎ、爪部が本来係合するはずのラチェットを通り過ぎた場合でも、その通り過ぎた位置に設けられたラチェットと爪部が係合する。これにより、キャップの回転方向の遊びを小さくする。このため、キャップが注出口を閉鎖している状態であることを明確に認識することができる。また、周方向の4箇所にラチェットと爪部とをそれぞれ設けたことにより、不正に開栓するにはこれら4箇所の爪部を同時に細工することが必要となる。このように同時に細工しなければならない位置を4箇所設けることで、不正開栓を効果的に防止できる。
【0010】
また、本発明では上記口栓部の構造において、前記バンドピースの内面には、前記フランジに向けて突出する突起部が形成されている一方で、前記注出口には、前記突起部を当接せしめ、前記バンドピースが半径方向に変形することを防止する変形防止部が設けられ、これら突起部と変形防止部とは、周方向において、前記キャップが回転されて、前記切断片が切断される直前の位置に到達した際に前記突起部と前記変形防止部とが当接する位置に形成されていることを特徴としている。
【0011】
キャップを回転させて、バンドピース同士を接続している切断片が切断される直前の位置に到達した際、バンドピースを中心に向けて押し込むと前述した爪部とラチェットとが係合しないことが起こり得る。この状態でキャップを回転させると、切断片を切断させることなくキャップを開封させることができてしまう。
本発明では、かかる行為を効果的に防止するために、突起部と変形防止部とを設けた。
【0012】
また、本発明では上記口栓部の構造において、各バンドピースの内面には前記第1のラチェット及び第2のラチェットと当接して、切断片が切断された後のバンドピースを変位せしめる変位用突起部が、前記キャップを緩ませる開封回転方向の、各バンドピースにおける後部に形成され、前記キャップの回転に伴ってこの変位用突起部が前記第1のラチェット及び第2のラチェットを乗り越える際に、各バンドピースの開封方向の前部側を変位させるようにした。このように、キャップを回転させて密閉状態から開封された状態において、切断片の切断されたバンドピースを変位させることで、開封後であることを容易に認識することができる。
【0013】
なお、前記キャップの回転に伴って、前記変位用突起部が前記第1のラチェット及び第2のラチェットを乗り越える際に、円滑に摺動するように変位用突起部の表面を滑らかな面で形成することで、円滑にキャップを回転させることができる。
【0014】
また、キャップを注出口に対して回転させると、爪部が第1及び第2のラチェットに引っ掛かり、連結片には負荷が作用する。キャップを開封するとこの負荷により、バンドピースがキャップから外れると、これがゴミとなってしまう。そこで、本発明では、上記口栓部の構造において、前記連結片は、前記キャップの周方向に複数配されて各バンドピースをキャップに連結させており、これら連結片の一つは、前記キャップの前記注出口に対する回転に伴い各爪部が各ラチェットに引っ掛かる際に前記バンドに生ずる負荷にかかわらず、前記バンドのキャップに対する連結状態を維持する強度に形成されている記載の口栓部の構造を採用した。これにより、バンドピースがキャップから外れてしまうことを阻止する。
【0015】
この場合において、前記バンドピースの前記キャップに対する連結状態を維持する連結片を、周方向において、前記変位用突起部の形成位置に対応する位置に設ける。これにより、各バンドピースの開封方向における前部のみを変位させる。
【0016】
なお、本発明では、前記フランジの所定の距離を隔てた下方には、前記注出口の外周から外側に張り出す台座が形成され、この台座の外縁を前記キャップのバンドピースの外周部よりも外側に張り出させている。このため、第1及び第2のラチェット並びにこれらに係合する爪部は、バンドピースと台座により隠蔽される。これにより、外部から成されるラチェットの部位に対する細工を、効果的に阻止する。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0018】
図1は、本発明の口栓部の構造が適用された口栓ユニット1の一実施形態を示す斜視図である。この口栓ユニット1は、容器Bの上部に設けられており、容器Bの上端に取り付けられる注出部本体20と、この注出部本体20の上部に形成された注出口21に螺合せしめて、注出口21を開閉するキャップ2とから構成されている。口栓ユニット1はこの注出部本体20の下部が容器Bの内部に挿入されて容器Bの上端に取り付けられている。
【0019】
まず、図2〜6を参照して、キャップ2の詳細を説明する。
【0020】
このキャップ2は、筒状に形成された本体3と、本体3の下端にて、本体3の外周から外側に張り出し、キャップ2の周方向に延びるようにして設けられているバンド4とから構成されている。
【0021】
本体3は、その軸方向の一方の端部である上面3aが閉塞され、他方の端部である下部が開放された筒体により構成されている。そして、内壁面には、螺旋状の雌ねじ15が形成されており、注出部本体20を構成する注出口21の外周面に螺合させることができるように構成されている。また、本体3の上面3aの内面側には、内壁面より半径方向内側にて円筒状に形成されたシール体16が下方に向けて突出している。このシール体16は、注出口21にキャップ2を螺合させた際に、その外周面を注出口21の内面に密着させて、内容物が洩れ出すことを防止している。一方、本体3の外周面には、軸方向に延びる複数の溝17…17が全周に形成されている。この溝17…17は、本体3の外周面に凹凸を形成し、キャップ2を手で回す際に、滑り止めとして機能する。
【0022】
一方、バンド4はその周方向において2分割されおり、2つのバンドピース5,5から構成されている。これら各バンドピース5,5は、その周方向の3カ所が連結片7,8,9によって本体3の下端にそれぞれ連結されている。また、2つのバンドピース5,5同士は、対向している各端部同士が切断片6,6で接続されている。本体3とバンドピース5,5とを連結する連結片7,8,9のうち、キャップ2を緩ませる回転方向における先端側に形成された連結片7と、この連結片7より回転方向におけるやや後方に形成された連結片8とは、容易に切断されるように、厚みが薄くしかも幅が極めて狭く形成されている。これに対し、各バンドピース5,5の中間部より回転方向におけるやや後方に設けられた連結片9は、キャップ2が回転された場合でも切断されることのないように肉厚及び幅が大きくそれぞれ形成されている。
【0023】
そして、各バンドピース5,5の内周面には、爪部10,11がそれぞれ2ヶ所に形成されている。さらに、2つの台形状の突起部12,13が周方向において重ね合わされるようにして形成されている。これら爪部10,11は、一方のバンドピース5に形成されたものと他方のバンドピース5に形成されたものとが、キャップ2の中心軸に対して対称となる位置にそれぞれ配置されている。同様に、各バンドピース5,5に形成された突起部12,13も、キャップ2の中心軸に対して対称となる位置に配されている。なお、これら爪部10,11と突起部12,13の配置された位置は、バンドピース5,5を本体3に連結している連結片7,8,9の設けられた位置とそれぞれ一致している。即ち、爪部10と連結片7、爪部11と連結片8とがそれぞれ対応し、また、突起部12,13と連結片9とが対応している。
【0024】
各爪部10,11は、バンドピース5,5の内面からキャップ2の中心軸に向かう半径方向に対して、キャップ2を緩める開封方向Xの方向にやや傾けられるようにしてバンドピース5,5の内面からそれぞれ突出している。一方、突起部12,13は、バンドピース5,5の内面からキャップ2の中心軸に向かう半径方向に向けてそれぞれ突出している。
【0025】
図5は、各バンドピース5,5に形成された2つの突起部12,13の位置関係並びに形状の詳細を示している。この図5に示すように突起部12,13は、低い山の突起部12と高い山の突起部13の組み合わせにより構成されている。
キャップ2を緩ませる反時計方向Xの前部側に位置する低い山の突起部12は、バンドピース5の高さ方向の全域にわたり形成されている。一方、キャップ2を緩ませる反時計方向Xにおける後ろ側に設けられた高い山の突起部13は、バンドピース5の高さ方向において、上側の半分のみを占めるようにして形成されている。
【0026】
低い山の突起部12は、後に説明する口栓ユニットに形成されたリブ32の先端部である変形防止部42に当接し、バンドピースが半径方向内側に変形することを防止する。一方、高い山である突起部13は、後に詳細を説明するように、キャップの回転過程で、ラチェット40,41を乗り越える際に、切断片6,6の切断された後の各バンドピース5,5を変位させる機能を有している。なお、突起部12,13は台形状に形成されており、これら突起部12については、その先端面が変形防止部42との先端面と適切に当接し、突起部13はラチェット40,41の位置を通過する際に、ラチェットに引っ掛かることのない形状に形成されている。また、両者12,13が隣接する側部同士はその一部分が相互に重なり合うようにして配されている。
【0027】
次に図6〜図8を参照して、注出部本体20の詳細を説明する。
【0028】
注出部本体20は、その上部に形成された筒状の注出口21と、長細い筒状のストロー部22とを有している。これら注出口21とストロー部22との間には、注出部本体20の外周部から外側に向けて水平に張り出す層状の台座23a,23b,23cと、台座23a,23b,23cの下側に設けられた、容器Bの上端に貼り付けられる取付部24とを備えている。
【0029】
注出部本体20の下部に形成されたストロー部22は、細長い円筒状に形成されており、容器Bの内部に挿入される。このストロー部22は、その下端に開口部22aを有するほか、側面部にもストロー部22の内外を連通している長孔22b,22bが形成されている。また、ストロー部22には、長孔22b,22bに対応する部位に、外周面から両側方に張り出す板状の部材22c,22cが設けられている。ストロー部22はこのように形成されているので、容器Bを押しつぶしたような状態でも開口部22aに加え、長孔22b,22bからも内容物をストロー部22の内部に進入させることができる。この際、板状の部材22c,22cは容器Bの内面同士が貼り付いてしまうことを防止して、内容物が長孔22b,22bへ到達するまでの進路を確保する。
【0030】
取付部24は、前後方向(図6の紙面を貫く方向)に平坦に形成されていると共に、左右に向け張り出すように形成されている。この取付部24には、その外面に容器Bの上縁が貼り合わされ、両者の間に隙間が形成されないよう密閉される。また、台座23a,23b,23cは、上下に3層となるように形成されている。各台座23a,23b,23cは、左右に横長となる八角形状にそれぞれ形成されており、注出口21を中心にして注出口21の外周面から水平に張り出している。なお、最下部の台座23cは、その下面が容器Bの上縁と当接し、製造工程において、当該注出部本体20が容器Bの内部に落ち込んでしまうことを防止している。
【0031】
注出部本体20の上部に位置する注出口21は円筒状に形成されており、その外周面に螺旋状の雄ねじ21aが形成されている。この雄ねじ21aは、キャップ2の内壁面に形成された雌ねじ15と噛み合い、当該注出口21にキャップ2を螺合させる。これにより、キャップ2は、この注出口21に着脱自在に取り付けられる。
【0032】
そして、注出口21の下端部には、注出口21の外周面から外方に向けて張り出す本発明のフランジとしての一対のストッパ25,25が形成されている。各ストッパ25,25は扇状に形成され、その外縁は、所定の曲率を有する円弧状に形成されている。なお、各ストッパ25,25の外縁は、台座23aの外縁より内側に位置するように形成されている。これらストッパ25,25は、容器Bの前面部と背面部に対応する位置で両者は分離しており、両者の端面同士が平行をなしてそれぞれ対向している。これらストッパ25,25は、上段の台座23aから所定の距離だけ上方の位置に配されており、ストッパ25,25と上段の台座23aとの間には、隙間が形成されている。この台座23aとストッパ25,25との間に形成された隙間には、台座23aとストッパ25,25とを連絡するようにして形成された複数のリブが、ストッパ25,25の外縁に向けて延びるように設けられている。
【0033】
これらのうち、一対のリブ30,30は、注出口21の外周面から左右にそれぞれ延びるように形成されている。そして、このリブ30,30の先端は、ストッパ25,25の外縁から半径方向外側に向けて突出している。この突出しているリブ30,30の先端は、キャップ2のバンドピース5,5に形成された爪部10,10と係合するラチェット40,40である。このラチェット40,40は、ストッパ25,25の外縁において、注出口21を軸にして対称となる位置にて、キャップ2を緩ませる開封方向Xと逆側に向けて若干傾けられるようにして設けられている。
【0034】
また、一対のリブ31,31は、前述のリブ30,30の根元と先端との中間位置からリブ30,30と直角を成すようにしてストッパ25,25の外縁まで延びている。これらリブ31,31の先端もストッパ25,25の外縁から外側に向けて突出している。この突出する部分もラチェット41,41として機能する。これらラチェット41,41も注出口21を軸として対称となる位置に設けられている。なお、これらラチェット41,41は、リブ31,31が、リブ30,30の根元と先端との中間位置からリブ30,30と直角を成すようにして延びているため、必然的にキャップ2を緩ませる開封方向Xと逆側に向けて延びている。これらラチェット40,41の周方向の位置は、螺合されているキャップ2を緩める際に、ラチェット40,40が爪部10,10と、ラチェット41,41が爪部11,11とがそれぞれ同時に係合するように配置されている。
【0035】
さらに、これらのリブ30,31の他、台座23aとストッパ25,25との間には、4本のリブが注出口21の外周面からストッパ25,25の外縁に向けて延びている。これらリブは、ラチェット40,40を備えたリブ30,30と、このリブ30,30に対してキャップ2を緩ませる開封方向Xに位置する端面25a,25aとの間、及びキャップ2を締め込む方向Yに位置する端面25b、25bとの間にそれぞれ1つずつ形成されている。これらについては、一対のリブ32,32の先端同士、並びに一対のリブ33,33の先端同士が注出口21を挟んで対称となるようにそれぞれ形成されている。
【0036】
これらのうち、キャップ2を緩ませる開封方向Xに位置する端面25a,25a側に位置するリブ32,32については、その先端面がストッパ25,25の外縁から若干外側に突出するように形成されている一方で、キャップ2を締め込む方向Yに位置する端面25b,25bとの間に位置するリブ33,33については、その先端面がストッパ25,25の外縁より所定の距離だけ内側に位置するように形成されている。なお、リブ32,32の先端は、ストッパ25,25の外縁と面一に設けてもよい。このリブ32,32の先端面はバンドピース5,5を半径方向内側に押し込んだ際に、突起部12,12が当接し、バンドピース5,5が変形することを阻止する変形防止部42,42である。このリブ32,32の先端が設けられている周方向の位置関係は、キャップ2を緩ませる際に、ラチェット40,41と爪部10,11とが係合して切断片6,6が切断される直前の位置に対応している。切断片6,6が切断される直前の位置までキャップが回転されると、突起部12,12は変形防止部42,42と対向する部位に位置する。
【0037】
以上の構成を有する口栓ユニットによれば、キャップ2を注出口21に対して回転させて緩ませる際、次のように作用する。
【0038】
図9は、注出口21にキャップ2が螺合されて、注出口21が密閉された状態を示している。この図9に示すように、キャップ2が注出口21を密閉している状態では、バンドピース5,5同士を接続している切断片6,6は、ストッパ25,25の外縁の周方向における中央付近に位置している。また、一対のラチェット40,40と爪部10,10とは、ごく僅かな隙間を隔てて相互に対向している。同様に一対のラチェット41,41と爪部11,11についても、僅かな隙間を隔てて相互に対向している。一方、リブ32,32の先端に形成された変形防止部42,42とバンドピース5,5に形成された突起部12,12についても、両者の間の周方向には、僅かな隙間が形成されるようにして、突起部12,12がキャップ2の開封方向Xにおける後方側に位置している。このように、複数のラチェット40,41を注出口21に形成すると共に、これらと係合する爪部10,11を設けることで、キャップ2の回転方向に対する遊びが生じることを抑えることができる。なお、図9に示す状態以上にキャップ2を締め込んでしまった場合に、爪部10をラチェット41に係合させることが可能である。このように、キャップを締め込み過ぎて、本来係合させなければならい爪部とラチェットとを係合させることができないような場合に、締め込みすぎた位置に対応しているラチェットに爪部を係合でき、遊びを効果的に抑えることができる。
【0039】
また、この口栓ユニット1では、キャップ2が注出口21を密閉した状態において、ラチェット40,41と爪部10,11との間にほとんど隙間を形成させていないことも、キャップ2の回転方向に関する遊びを抑える役割を果たしている。このため、キャップ2が注出口21を密閉している状態では、キャップ2がほとんど回転されず、キャップ2が開放されてしまった状態であるのか、密閉状態を維持しているのかを容易に区別できる。
【0040】
さらに、当該口栓ユニット1では、ストッパ25,25の下方に設けられている台座23aの外縁が、左右に大きく張り出している。そして、各バンドピース5,5に配置された位置において、キャップ2の緩める方向における最前部に位置する変形防止部42,42と最後部に位置する爪部11,11との間の範囲では、台座23aの外縁が各バンドピース5,5の外周面より外側に張り出している。このため、ラチェット40,41と爪部10,11、並びに変形防止部42と突起部12,13とが位置する部分では、バンドピース5,5と台座23aとの間に、キャップ2の内部に物を侵入させる空間の無い状態となり、ラチェット40,41及び爪部10,11が台座23aとバンドピース5,5により隠蔽される。これにより、ラチェット40,41の部分に対して外部から細工を行ってキャップ2を開放させることを効果的に防止する。
【0041】
また、当該口栓ユニット1では、複数のラチェット40,41と、これらに係合する爪部10,11を複数設けている。このため、バンドピース5,5及びこれらを接続している切断片6,6に外傷を与えずにキャップ2を回転させるためには、すべてのラチェット40,41とこれらに係合する爪部10,11ついて同時に細工しなければならない。しかし、バンドピース5,5と台座23aに隠蔽されたこれらすべてについて同時に細工を施すことは極めて困難である。このようにラチェット40,41と、これらに係合する爪部10,11を複数設けることも、悪戯防止の役割を果たしている。
【0042】
図10は、爪部10,11とラチェット40,41とが当接し始め、バンドピース5,5同士を接続している切断片6,6が切断される直前の状態における突起部12と、変形防止部42の機能を示すものである。
【0043】
この図10の矢印に示すように、突起部12,12の位置を中心側へ押し込んだ場合であっても、これら突起部12,12の先端が変形防止部42,42の端面にそれぞれ当接し、バンドピース5,5が変形することを防止する。バンドピース5,5の変形が防止されることにより、爪部10,11とラチェット40,41との間に、半径方向の隙間が形成されてしまうことを防止する。このため、キャップ2を回転させれば、必ず、爪部10,11とラチェット40,41とは係合する。これにより、切断片6,6を切断することなくキャップ2を開封することを確実に防止する。
【0044】
図10に示す状態から、さらに、キャップ2を反時計回りの方向Xに回転させて、キャップ2を開放させる。キャップ2を反時計回りの方向Xに回転させると、一対のラチェット40,40と爪部10,10とが係合する。また、一対のラチェット41,41と爪部11,11についても、両者が互いに係合する。この状態から、キャップ2を反時計回りの方向Xにさらに回転させると、爪部10,11がラチェット40,41にそれぞれ引っ掛かる。このとき、バンド4には、周方向の引張力が作用して、切断片6,6は切断する。すなわち、バンドピース5の爪部10,11が、対応するラチェット40,41にそれぞれ係合すると、切断片6,6を基準として、開封方向Xの後方側に位置するバンドピース5,5の所定範囲の部位が回転することを妨げられる一方で、開封方向Xの前方側に位置する所定範囲の部位は回転される。このため、切断片6,6に引張力が作用して、周方向に分離されるようにして切断される。
【0045】
図11は、爪部10,11がラチェット40,41に引っ掛かる状態をキャップ2の上側から見た状態を示している。但し、この図11は、理解を容易にするために、キャップ2について、本体3、連結片9,9及びバンドピース5,5のみを模式的に示している。この図11に示すように、爪部10,11がラチェット40,41に引っ掛かると、バンドピース5,5は周方向の中間部分が外方に向けて膨らむように変形する。
【0046】
なお、これらの作用において、バンドピース5,5と本体3とを連結している連結片7,8,9のうち、突起部12,13に対応する部位に形成された連結片9,9は、切断されることなくバンドピース5,5と本体3とをそれぞれ連結している一方で、爪部10,11に対応する位置に設けられた厚み及び幅の小さな2対の連結片7,8は剪断力により切断される。
【0047】
さらに、キャップ2を反時計方向Xに回転させ、変位用突起部13,13がラチェット41,41の位置に到達すると、これら変位用突起部13,13がラチェット41,41を乗り越える。この際、ラチェット41,41がバンドピース5,5を半径方向外側に押し広げる一方で、連結片9,9はバンドピース5,5が広げられることを阻止する。このため、バンドピース5,5には捻りの力が作用する。さらにキャップ2を回転させ、変位用突起部13,13がラチェット40,40の位置まで到達したときも同様に、バンドピース5,5に捻りの力が作用する。これにより、各バンドピース5,5は、キャップ2を緩ませる開封方向Xにおける前部側が大きく下方に向けて変位する(図13参照)。このように、キャップ2のバンドピース5,5が変位することにより、キャップ2が開放された後の状態であることを極めて容易に認識することができる。
【0048】
以上、バンドピースの爪部と、注出口に形成され、爪部と係合するラチェットとを2対ずつ設けた態様を例に説明したが、爪部並びにラチェットの数は、複数であればこれに限定されるものではない。この際、各ラチェット並びに爪部の、周方向における位置関係は、キャップの回転に伴い、これらがほぼ同時に係合するような位置関係とする。
【0049】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、キャップの注出口に対する回転方向の遊びを小さくできる。このため、キャップを注出口に対して若干回転させるだけで、キャップが開封された後なのか、開封されることなく密閉状態を維持しているのかを容易に区別できる。なお、複数のラチェット及びこれらに対応する爪部を設けたことで、遊びができる確率を小さくすることも可能である。また、複数設けることにより、細工を行いにくくしている。
【0050】
また、バンドピースの内面に突起部を設ける一方で、注出口に突起部と当接する変形防止部を設けることで、バンドピースの半径方向の変形を防止し、細工を行うことを効果的に阻止する。その一方で、バンドピースの内面にバンドピースを変位させるための変位用突起部を設けることで、切断片が切断された後のバンドピースを大きく変位させ、開封後の状態であることを容易に認識させることができる。
【0051】
そして、台座をバンドピースの外周面より外側に張り出させたため、ラチェット及び爪部は、バンドピースと台座により隠蔽され、外部からの細工を効果的に防止する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる口栓部の構造を適用した口栓ユニットの斜視図。
【図2】図1に示す口栓ユニットに使用されるキャップの縦断面図。
【図3】図2に示すキャップの平面図。
【図4】図2に示すキャップのバンドピースに形成された爪部及び突起部の位置関係を示す図。
【図5】高い突起部と低い突起部の位置関係を示す斜視図。
【図6】図1に示す口栓ユニットに使用されている注出部本体の正面図。
【図7】図6に示す注出部本体の側面図。
【図8】注出部本体のストッパ、台座、及びこれらの間に形成されたリブ並びにリブの先端に形成されたラチェットの形状とこれらの位置関係を示す図。
【図9】キャップを注出部に対して密閉させた状態を示す説明図。
【図10】突起部と変形防止部の機能を示す説明図。
【図11】突起部がラチェットを乗り越えて、バンドピースが捻られている状態を示す図。
【図12】バンドピース同士を接続する切断片が切断された状態を示す図。
【図13】変位用突起部がラチェットを乗り越え、バンドピースが変位した状態を示すキャップの斜視図。
【符号の説明】
1 口栓ユニット
2 キャップ
3 本体
4 バンド
5 バンドピース
6 切断片
7,8,9 連結片
10,11 爪部
12 突起部
13 変位用突起部
20 注出部本体
21 注出口(注出部)
22 ストロー部
23a,23b,23c 台座
25 ストッパ
30,31,32,33 リブ
40,41 ラチェット
42 変形防止部
Claims (7)
- 筒状の注出口と、この注出口の外周に着脱自在に螺合せしめて前記注出口を閉鎖するキャップとを備えた口栓部の構造において、
前記注出口には、その外周から張り出すフランジが注出口の下端部に形成されている一方で、前記キャップには、前記フランジの外周部が係り合わされるバンドが、キャップの周方向に延びるようにして連結片によって連結され、
前記注出口は、前記注出口の外周面からそれぞれ伸びる一対の第1のリブと、該一対の第1のリブのそれぞれにおいて、前記第1のリブの根元と先端の中間位置から第1のリブと直角をなすように伸びる第2のリブとを有し、
前記第1のリブの先端は前記フランジの外縁から外側に突出して第1のラチェットとして機能し、
前記第2のリブの先端は前記フランジの外縁から外側に突出して第2のラチェットとして機能し、
前記第1のラチェットが、前記注出口を間に挟んだ対称位置に形成され、前記第2のラチェットが、前記注出口を間に挟んだ対称位置に形成され、
前記バンドは円周方向に少なくとも2分割されたバンドピースから構成され、各バンドピースの端部同士は切断片によって接続され、
各バンドピースの内面には、前記第1のラチェット及び第2のラチェットの形成された位置に対応して、前記第1のラチェット及び第2のラチェットとそれぞれ係合する爪部が内側に突出するように形成され、
前記注出口に螺合されて前記注出口を閉鎖している前記キャップの開封方向への回転に伴い、前記爪部と、これらに対応する位置に形成された前記第1のラチェット及び第2のラチェットとが4箇所にて同時に係合して、前記切断片に負荷を与えて切断するように構成されていることを特徴とする口栓部の構造。 - 前記バンドピースの内面には、前記フランジに向けて突出する突起部が形成されている一方で、前記注出口には、前記突起部を当接せしめ、前記バンドピースが半径方向に変形することを防止する変形防止部が設けられ、これら突起部と変形防止部とは、周方向において、前記キャップが回転されて、前記切断片が切断される直前の位置に到達した際に、前記突起部と前記変形防止部とが当接する位置に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の口栓部の構造。
- 各バンドピースの内面には前記第1のラチェット及び第2のラチェットと当接して、切断片が切断された後のバンドピースを変位せしめる変位用突起部が、前記キャップを緩ませる開封回転方向の、各バンドピースにおける後部に形成され、
前記キャップの回転に伴ってこの変位用突起部が前記第1のラチェット及び第2のラチェットを乗り越える際に、各バンドピースの開封方向の前部側を変位させることを特徴とする請求項1に記載の口栓部の構造。 - 前記変位用突起部の表面は、前記キャップの回転に伴ってこの変位用突起部が前記第1のラチェット及び第2のラチェットを乗り越える際に円滑に摺動するように滑らかな面で形成されていることを特徴とする請求項3に記載の口栓部の構造。
- 前記連結片は、前記キャップの周方向に複数配されて各バンドピースをキャップに連結させており、
これら連結片の一つは、前記キャップの前記注出口に対する回転に伴い各爪部が各ラチェットと係合する際に前記バンドに生ずる負荷にかかわらず、前記バンドピースのキャップに対する連結状態を維持する強度に形成されていることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の口栓部の構造。 - 前記バンドピースの前記キャップに対する連結状態を維持する連結片は、周方向において、前記変位用突起部の形成位置に対応する位置に設けられていることを特徴とする請求項5に記載の口栓部の構造。
- 前記フランジの所定の距離を隔てた下方には、前記注出口の外周から外側に張り出す台座が形成され、
この台座の外縁が前記キャップのバンドピースの外周部よりも外側に張り出していることを特徴とする請求項1〜6いずれか1項に記載の口栓部の構造。
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