JP4587633B2 - 薄膜形成方法及び成膜装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は真空装置を必要とせず、均一で純度の高い薄膜の形成が可能な薄膜形成方法及び成膜装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年金属酸化物等の薄膜は産業に広く利用されている。例えば酸化インジウム錫(ITO)膜は、液晶ディスプレイ等の透明導電膜として、Cu2O膜、SnO2膜等は薄膜太陽電池として、さらにTiO2膜は光触媒膜として自動車等のミラー、光学レンズ等に使用されている。これら種々の薄膜は、主にPVD、CVD等の気相法により形成されている。気相法による薄膜形成は、真空分子線蒸着、スパッタリング、レーザーアブレーション、イオンプレーティング等真空技術を用いて行われる。
真空中で行う理由としては、薄膜形成を速やかに行うことができること、被膜中に取り込まれる気体分子を少なくできるため純粋な膜を形成できること等が挙げられる。
【0003】
しかしながら、薄膜形成を真空中で行う場合には真空装置が必要となるため製造コストを上昇させる欠点がある。一方、真空状態では保持できない対象についても被膜形成が必要とされる場合がある。
【0004】
このような真空技術の問題を解決するため特開平5-186244号、特開2000-119861号等に、液体原料を超音波振動により霧化させ、霧化した液体材料を加熱した被処理体上に噴霧し、熱分解・酸化反応により膜形成する方法が開示されている。しかし、これらの方法は被処理体上で熱分解・酸化反応を行うため不純物が膜に取り込まれ易く、被処理体上に直接噴霧するため均一な膜が得られ難いという欠点を有する。また、特開2001-335922号に液体原料を超音波を用いて霧化し、搬送ガスを用いて高温炉の内部に搬入し、基板上に結晶薄膜を形成する装置が開示されている。しかし、具体的な成膜条件が開示されておらず、均一で純度の高い膜を形成する上で十分なものとはいえない。
【0005】
このため、金属酸化物等の薄膜をPVD等の真空技術を用いた場合と同等の品質で、かつ大気圧中で簡便に形成する技術が求められている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の目的は、均一で純度の高い薄膜を大気圧中で簡単に形成する方法及びその成膜装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決する手段】
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者らは、超音波振動子により液体原料を霧化させ、これをキャリアガスとともに加熱部と被処理体を裁置する加熱滞留部とに分かれた反応容器に導入し、加熱部内の温度を被処理体の温度よりも高く設定することにより、予め膜原料を熱分解・酸化させ、生成した膜成分微粒子を被処理体に付着させて均一で純度の高い薄膜を大気圧中で容易に得られることを発見し、本発明に想到した。
【0008】
すなわち、被処理体上に薄膜を形成する方法であって、(1) 膜原料を含む液体原料を霧化させ、(2) 生成したエアロゾルをキャリアガスとともに筒状の加熱部に送給し、(3) 前記加熱部内で前記膜原料の熱分解・酸化反応を行った後、(4) 得られた膜成分微粒子を、前記加熱部に連通しており、前記加熱部内の温度より低い温度を有する前記被処理体が裁置されているドーム状の加熱滞留部に送給し、前記加熱滞留部内に拡散させながら前記被処理体上に付着させ、(5) 前記キャリアガスを前記加熱滞留部の外周に均等に設けられた僅かな隙間から均等に排出することを特徴とする。
【0009】
エアロゾルの熱分解・酸化反応を加熱部と加熱滞留部からなる反応容器の加熱部内で行った後、生成した膜成分微粒子を加熱滞留部内に拡散させながら被処理体上に付着させる。その際加熱部内の温度を250〜700℃、被処理体の温度を200〜600℃、及び加熱部内の温度と被処理体の温度の差を20℃以上に設定して行うのが好ましい。
【0011】
液体原料は、有機金属化合物、金属又はケイ素のアルコラート化合物、金属キレート化合物及び金属ハロゲン化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物と溶媒とを含有するのが好ましい。ITO膜を形成する場合には、液体原料はインジウムアセチルアセトナート及び錫アセチルアセトナートとアセチルアセトン、又は塩化インジウム及び塩化錫と水とを含有するのが好ましい。
【0012】
本発明の成膜装置は、被処理体上に薄膜を形成するための成膜装置であって、反応容器と、膜原料を含む液体原料を貯留する超音波振動子を備えた容器と、キャリアガスを供給する導入口と、前記液体原料を霧化してなるエアロゾルを前記キャリアガスとともに前記反応容器に導入する導入管とを有し、前記反応容器は、前記導入管に連結し、前記膜原料の熱分解・酸化反応を実質的に完了させる筒状の加熱部と、前記加熱部に連通し、前記加熱部内の温度より低い温度を有する前記被処理体を裁置するドーム状の加熱滞留部とを有し、前記キャリアガスを排出するための排出口として、前記加熱滞留部の外周に均等に僅かな隙間が設けられていることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
[1] 成膜装置
図1は本発明の成膜装置の一例を示す。成膜装置は反応容器1と、液体原料容器2と、導入管3とからなり、反応容器1の周囲にはカバー27が取付けられている。反応容器1は加熱部11と加熱滞留部12とから構成され、加熱部11及び加熱滞留部12の外壁にはそれぞれヒータ15,16が設置されている。
【0014】
加熱部11は内部に筒状のチャンバを有し、上部の入口21で導入管3と接続し、下部の出口22で加熱滞留部12と接続している。加熱滞留部12はドーム状の形状を有し、加熱滞留部12内にはガスを拡散させるチャンバが設けられている。チャンバには被処理体を載置するためのホルダ13が備えられ、ホルダ13直下の反応容器1外壁にはヒータ17が設置されている。ホルダ13は回転軸24により回転自在に支持され、回転軸24は回転装置25に接続している。反応容器1は加熱滞留部12において上下に取り外しが可能であり、接合部14の外周に均等に僅かな隙間を形成してキャリアガスの排出口18を設けている。
【0015】
図2は図1に示す加熱滞留部のA−A断面図である。加熱滞留部12内の中央部には被処理体20を載置したホルダ13が備えられ、端部には円環状の接合部14が設けられている。接合部14の円周上にスペーサー26が均等に設けられ、キャリアガスの排出口18を形成している。スペーサーの数、長さ、厚さ等はキャリアガスの排出量に応じて適宜設定することができる。反応容器外へのキャリアガスの流れを均一にするために、スペーサー26の代わりに円環状のハニカム又は多孔体を接合部14に挟んで排出口18を形成してもよい。
【0016】
図3は図1に示す成膜装置の別の態様を示す。この態様では加熱滞留部12内のホルダ13を排出口18より高く配置している。ホルダ13と排出口18の位置は排出されるキャリアガスの流れによりホルダ13上の気流が乱されない高低差を有するのが好ましい。それ以外の部分については図1に示す成膜装置と同様である。
【0017】
反応容器1の内部は石英、ステンレス等原料ガスにより腐食されず、耐熱性に優れた材料で構成されているのが好ましい。ステンレスとしては、例えばSUS304等を用いるのが好ましい。
【0018】
液体原料容器2には膜原料を含む液体原料35が貯留されている。液体原料容器2の上部にキャリアガスの導入口37が設けられ、さらに天井部に導入管3が接続し反応容器1に連通している。導入管3には流量調節用のバルブ31が取付けられ、液体原料容器2の底部には超音波振動子36が備えられている。
【0019】
図4は本発明の参考例である成膜装置を示す。この例では反応容器1の外周部に排出口18を設けず、ホルダ13の回転軸24に沿って排気用の配管41を設けている。配管41は回収装置42に接続し、反応容器1に導入されたキャリアガスを未反応原料等とともに回収装置42に回収する。それ以外の部分は図1に示す成膜装置と同じであるので説明を省略する。
【0020】
[2] 液体原料
(1) 膜原料
本発明の薄膜形成方法に適用できる薄膜は、例えばCo、Cu、Zn、Fe、In、Cr、Ba、Sn、Si、Ti、V、Zr等の酸化物膜、これらの複合酸化物膜等が挙げられる。具体的にはFe2O3、Cr2O3、Al2O3、In2O3、Y2O3、V2O3、VO2、SnO2、TiO2、ZrO2、ITO、Cu2O、BaO等の薄膜が好ましい。これら薄膜を形成するための原料としては、有機金属化合物、金属又はケイ素のアルコラート化合物、金属キレート化合物、金属ハロゲン化合物(フッ化物、塩化物等)等が挙げられ、これら化合物の1種又は2種以上を用いるのが好ましい。
【0021】
(2) 溶媒
膜原料を溶解する溶媒としては、膜原料に対する溶解能が高いことと共に超音波振動によりエアロゾルを発生しやすいことが重要である。具体的にはアルコール(メチルアルコール、エチルアルコール、ブチルアルコール等)、ケトン(アセトン、アセチルアセトン等)、エステル(酢酸エチルエステル等)、芳香族炭化水素(トルエン、キシレン等)等の有機溶媒又は水が好ましい。
【0022】
(3) 調製
液体原料は上記(1)に示す膜原料を溶質とし、上記(2)に示す溶媒に溶解して使用する。エアロゾルを発生させるためには、溶媒と溶質の適切な組合わせを選択することが必要であり、溶質の濃度は0.01〜0.5 M程度の濃厚な方が好ましい。なお、膜原料は完全に溶解している必要はなく、液体原料はゾル液のように膜原料が均一に分散した分散液であってもよい。
【0023】
液体原料の具体例として、ITO、TiO2、Cu2O及びBaO膜の液体原料を以下に示す。ITO膜を形成する場合は、溶媒としてアセチルアセトンを用い、溶質として0.01〜0.5 Mのインジウムアセチルアセトナート及びIn原子に対するSn原子の割合が5〜10重量%となる量の錫アセチルアセトナートを加えて調製するか、あるいは溶媒として水を用い、溶質として0.01〜0.5 Mの塩化インジウム、及びIn原子に対するSn原子の割合が5〜10重量%となる量の塩化錫を加えて調製するのが好ましい。同様にTiO2膜を形成する場合には溶媒としてブチルアルコール、溶質としてチタニウムテトラブトキシドを用い、Cu2O膜を形成する場合には溶媒として水、溶質として銅アセテートを用い、BaO膜を形成する場合には溶媒として水、溶質として硝酸バリウムを用いてそれぞれ調製するのが好ましい。これら膜成分、並びに液体原料に用いる溶媒、溶質及び濃度をまとめて表1に示す。
【0024】
【表1】
注:(1) In原子に対するSn原子の割合(重量%)を表す。
【0025】
[3] 成膜方法
本発明の薄膜形成方法を図1〜4を参照して説明する。まず膜原料を溶媒に溶解して液体原料を調製する。次に調製した液体原料35を液体原料容器2に貯留した後、超音波振動子36を用いて0.5〜10 MHzの超音波振動を付与することによりエアロゾルを発生させる。発生させるエアロゾルの量及びエアロゾルの直径は付与する超音波の振動数により調節することができる。エアロゾルの発生量は所望する熱分解・酸化速度、成膜速度等により適宜調節する。エアロゾルの直径は特に制限はないが、通常1〜10 μmが好ましい。次に液体原料容器2内に導入したキャリアガスにより発生したエアロゾルを導入管3を通して反応容器1に送給する。キャリアガスは少なくとも1種以上のガスを用い、例えば空気、空気と窒素との混合ガス、空気と各種ガスとの混合ガス等を適宜用いることができる。
【0026】
本発明の好ましい態様では、エアロゾルの流量を1〜3ml/分、キャリアガスの流量を1〜30 L/分に設定して送給する。このように設定することにより熱分解・酸化反応及び生成する膜成分微粒子の被処理体への付着を安定して行うことができる。
【0027】
熱分解・酸化反応を行う加熱部11内の温度は形成する薄膜の種類等により適宜設定することができる。加熱部11内に温度勾配を設けてもよく、加熱部11の入口21を低温にし加熱部11の出口22に向けて昇温させる構成にすることもできる。反応容器1に送られたエアロゾルを筒状の加熱部11内に通すことにより、まずエアロゾルの溶媒を蒸発させ、次いで膜原料の熱分解・酸化反応を行う。例えば膜原料が金属塩化物の場合には、熱分解反応により塩素原子が外れるとともに酸化反応により金属酸化物分子又は薄膜成分からなる膜成分微粒子を生成する。
【0028】
本発明の薄膜形成方法は、被処理体20に到達するまでに膜原料を熱分解・酸化し、生成した膜成分微粒子を被処理体20上に堆積させる。このように予め熱分解・酸化反応を行うため、加熱部11内の温度T1と加熱滞留部12内の温度T2とから構成される反応容器1内の温度を被処理体20の温度T3より高く設定することが必要である(T3<T1,T2)。加熱部11内で熱分解・酸化反応を実質的に終了させ、生成した膜成分微粒子を加熱滞留部12内に拡散させ徐々に被処理体20上に薄膜を形成することで、不純物が膜に取り込まれ難く均一な膜を形成することができる。反応容器の加熱部11内の温度T1を加熱滞留部12内の温度T2より高く設定するのが好ましい(T3<T2<T1)。これら各部の温度を加熱部11内壁、加熱滞留部12内壁及びホルダ13上に温度センサー(図示せず)を設けることにより検知し、所定の温度に自動的に制御することが可能である。
【0029】
熱分解・酸化反応を加熱部11内で実質的に終了させるには、加熱部11のチャンバの直径を5〜10 cm、入口21から出口22までの長さを6〜30 cmに設定し、濃度0.01〜0.5 g/Lのエアロゾルを含むキャリアガスを流量1〜30 L/分で加熱部11内に通して熱分解・酸化させるのが好ましい。
【0030】
ITO膜を形成する場合には加熱部11内の温度T1を250〜700 ℃、加熱滞留部12内の温度T2を250〜650℃、被処理体20の温度T3を200〜600 ℃に設定するのが好ましい。加熱部11内の温度T1と被処理体20の温度T3との差は20 ℃以上であるのが好ましい。
【0031】
このように本発明の薄膜形成方法は被処理体20上で熱分解・酸化反応を行うのではなく、反応容器1内で予め熱分解・酸化反応を行い、生成した膜成分微粒子を被処理体20に堆積させて膜形成を行うため不純物が膜内に取り込まれ難く、純度の高い結晶を成長させることが可能となる。
【0032】
生成した膜成分微粒子をホルダ13上の被処理体20に均一に付着させる。その際キャリアガスの流量が多過ぎるとガスの流れにより膜成分微粒子の付着が不均一になる。従って、均一な薄膜を得るためには膜成分微粒子を十分に加熱滞留部12内に拡散させ、膜成分微粒子の濃度を均一にして徐々に被処理体20上に膜形成するのが好ましい。また図2に示すように反応容器に送給されたキャリアガスを未反応膜原料、未付着膜成分微粒子等とともに加熱滞留部12の外周に設けた排出口18から均等に排出する。このようにキャリアガスを均等に排出することにより、加熱滞留部12内のガスの流れが均一になり被処理体20への膜成分微粒子の付着がより均一になる。図3に示すようにホルダ13の高さを排出口18の高さより高く配置することにより、キャリアガスの流れにより被処理体20上で膜成分微粒子の流れが乱されるのを防ぐことができる。さらに被処理体20を回転させながら付着させることにより、被処理体20上の各部位における膜形成を均一にすることができる。その際被処理体20の回転速度が速すぎると却って均一性を損なうため、ホルダ13の回転速度を60〜1400 rpmに設定して行うのが有効である。
【0033】
上記具体例では熱分解・酸化反応に必要な活性化エネルギーをヒータにより加熱して付与するが、これ以外にUV光照射等の光エネルギーにより付与してもよいし、ヒータによる加熱と併用してもよい。また、膜形成を複数の膜原料を用いて逐次的に行い複数の薄膜の多層構造とすることもできる。
【0034】
【実施例】
本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
【0035】
実施例1
(1) 液体原料の調製
50 mlのアセチルアセトンにインジウムアセチルアセトナートを0.2 Mになるように加え、次に添加したIn原子に対するSn原子の割合が5重量%になるように錫アセチルアセトナートを加えて液体原料を調製した。
【0036】
(2) ITO膜の作製
図1に示すように調製した液体原料を液体原料容器2に入れ、導入管3の一端を液体原料容器2に接続し、他端を反応容器1に接続した。反応容器1は加熱部11と加熱滞留部12とからなり、ヒータによりそれぞれの内部を620℃に設定した。加熱滞留部12に設置したホルダ13に50mm×50mmのガラス基板(コーニング1737、コーニング社製)を載置しホルダ13を100 rpmで回転させた。次いでホルダ13直下のヒータ17により基板の温度を600℃に設定した。
【0037】
次に液体原料容器2の底部に設けた超音波振動子36により2.4MHzの超音波振動を付与し、エアロゾルを0.1 g/分で発生させた。次いでキャリアガスとして圧縮空気を7L/分の流量で液体原料容器2に導入し、発生したエアロゾルをキャリアガスとともに反応容器1に送給した。反応容器1中で10分間熱分解・酸化及び付着を行い、ITOの薄膜を基板上に形成した。
【0038】
形成した薄膜について以下の評価を行った。X線回折装置SLX-I((株)リガク製)によりX線回折パターンを測定した結果を図5に示す。ピーク全体にITOの特徴を認めるとともに、シャープなピークを観察した。このことから純度の高いITO膜が形成されたことが分かる。分光光度計U-3500((株)日立製作所製)により垂直入射による可視光・近赤外領域の反射・透過スペクトルを測定した結果を図6に示す。反射率(%R)と透過率(%T)から吸収率[100−(%R+%T)]を求めたところ、1000〜2000 nmにおいてITOの特徴的なピークを認めた。四端子法の抵抗率計MCP-T600(三菱化学(株)製)による電気抵抗測定及び接触式段差計(アルバックテクノ(株)製)による膜厚測定を行った。膜厚を500、1000及び6000(Å)にして成膜した場合にそれぞれ抵抗率4×10-4 Ωcm、6×10-4 Ωcm、5×10-4 Ωcmの薄膜が得られた。
【0039】
実施例2
50 mlの水に塩化インジウムを0.2 Mになるように加え、次に添加したIn原子に対するSn原子の割合が5重量%になるように塩化錫を加えて液体原料を調製した以外は実施例1と同様にしてガラス基板上にITO膜を形成した。
【0040】
実施例3
50 mlのブチルアルコールにチタニウムテトラブトキシドを0.2 Mになるように加えて液体原料を調製した以外は実施例1と同様にしてガラス基板上に薄膜を形成し、均一なTiO2膜を得た。
【0041】
実施例4
50 mlの水に銅アセテートを0.04 Mになるように加えて液体原料を調製した以外は実施例1と同様にしてガラス基板上に薄膜を形成し、均一なCu2O膜を得た。
【0042】
実施例5
50 mlの水に硝酸バリウムを0.02 Mになるように加えて液体原料を調製した以外は実施例1と同様にしてガラス基板上に薄膜を形成し、均一なBaO膜を得た。
【0043】
【発明の効果】
上記の通り、本発明の薄膜形成方法は反応容器における筒状の加熱部内の温度を被処理体の温度より高く設定し、加熱部内で予め膜原料を熱分解・酸化した後、生成した膜成分微粒子を被処理体上に付着させて膜形成するとともに、反応容器にドーム状の加熱滞留部を設け加熱滞留部内に膜成分微粒子を拡散させ、反応容器の外周部に均等に設けられた僅かな隙間から均等に排出するからキャリアガスを均等に排出することにより、均一で純度の高い薄膜を形成することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の成膜装置の一例を示す概略部分断面図である。
【図2】 図1に示す加熱滞留部のA−A断面図である。
【図3】 本発明の成膜装置における排出口とホルダの配置の一例を示す概略部分断面図である。
【図4】 本発明の参考例である成膜装置を示す概略部分断面図である。
【図5】 本発明の実施例で作製したITO膜のX線回折パターンである。
【図6】 本発明の実施例で作製したITO膜の透過率、反射率及び吸収率を示すスペクトルである。
【符号の説明】
1・・・反応容器
2・・・液体原料容器
3・・・導入管
11・・・加熱部
12・・・加熱滞留部
13・・・ホルダ
14・・・接合部
15,16,17・・・ヒータ
18・・・排出口
20・・・被処理体
24・・・回転軸
25・・・回転装置
26・・・スペーサー
27・・・カバー
31,32・・・バルブ
35・・・液体原料
36・・・超音波振動子
41・・・配管
42・・・回収装置
A・・・吸収率
R・・・反射率
T・・・透過率
Claims (8)
- 被処理体上に薄膜を形成する方法であって、(1) 膜原料を含む液体原料を霧化させ、(2) 生成したエアロゾルをキャリアガスとともに筒状の加熱部に送給し、(3) 前記加熱部内で前記膜原料の熱分解・酸化反応を行った後、(4) 得られた膜成分微粒子を、前記加熱部に連通しており、前記加熱部内の温度より低い温度を有する前記被処理体が裁置されているドーム状の加熱滞留部に送給し、前記加熱滞留部内に拡散させながら前記被処理体上に付着させ、(5) 前記キャリアガスを前記加熱滞留部の外周に均等に設けられた僅かな隙間から均等に排出することを特徴とする薄膜形成方法。
- 請求項1に記載の薄膜形成方法において、前記加熱部内の温度を250〜700℃、前記被処理体の温度を200〜600℃、及び前記加熱部内の温度と前記被処理体の温度の差を20℃以上に設定することを特徴とする薄膜形成方法。
- 請求項1又は2に記載の薄膜形成方法において、前記被処理体を回転させながら前記膜成分微粒子を付着させることを特徴とする薄膜形成方法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の薄膜形成方法において、前記液体原料は、有機金属化合物、金属又はケイ素のアルコラート化合物、金属キレート化合物及び金属ハロゲン化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物と溶媒とを含有することを特徴とする薄膜形成方法。
- 請求項4に記載の薄膜形成方法において、前記液体原料は、インジウムアセチルアセトナート及び錫アセチルアセトナートとアセチルアセトン、又は塩化インジウム及び塩化錫と水とを含有することを特徴とする薄膜形成方法。
- 被処理体上に薄膜を形成するための成膜装置であって、反応容器と、膜原料を含む液体原料を貯留する超音波振動子を備えた容器と、キャリアガスを供給する導入口と、前記液体原料を霧化してなるエアロゾルを前記キャリアガスとともに前記反応容器に導入する導入管とを有し、前記反応容器は、前記導入管に連結し、前記膜原料の熱分解・酸化反応を実質的に完了させる筒状の加熱部と、前記加熱部に連通し、前記加熱部内の温度より低い温度を有する前記被処理体を裁置するドーム状の加熱滞留部とを有し、前記キャリアガスを排出するための排出口として、前記加熱滞留部の外周に均等に僅かな隙間が設けられていることを特徴とする成膜装置。
- 請求項6に記載の成膜装置において、前記加熱部内の温度が250〜700℃であり、前記被処理体の温度が200〜600℃であり、前記加熱部内の温度と前記被処理体の温度の差が20℃以上であることを特徴とする成膜装置。
- 請求項6又は7に記載の成膜装置において、前記被処理体が回転自在のホルダ上に裁置されていることを特徴とする成膜装置。
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| JP2003253450A (ja) | 2003-09-10 |
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