JP4595586B2 - 反射偏光子およびその製造方法、反射偏光子の製造装置ならびに液晶表示装置 - Google Patents

反射偏光子およびその製造方法、反射偏光子の製造装置ならびに液晶表示装置 Download PDF

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Description

この発明は、光の振動方向を制御する反射偏光子およびその製造方法、反射偏光子の製造装置ならびに液晶表示装置に関する。
液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)には、偏光子は欠くことのできない重要な部材である。従来、この偏光子としては、光の一方の偏光成分を吸収し、他方の偏光成分を透過するという、吸収二色性を示すものが一般的に用いられている。このタイプの偏光子では、直線偏光を得るために原理的に50%の光が吸収されてしまい、その結果、投入された光の半分が熱エネルギーとなり損失されてしまっている。この偏光子による光吸収が、液晶表示装置の光利用効率の悪さの主要因となっている。
そこで、光の利用効率を高めることを目的とした反射偏光子が提案されている。この反射偏光子は、液晶パネルとバックライトとの間に設けられ、バックライトからの出射光のうち直交する偏光成分の一方のみを通過させ、他方を反射してバックライトの内部に再入射させて拡散反射により反射偏光子に再度入射させる。この反射の繰り返しにより、本来吸収されてしまう光をリサイクルして、液晶表示装置の輝度を向上することができる。
近年、この反射偏光子としては、延伸樹脂フィルムの複屈折性を利用したものが広く用いられている(例えば、特許文献1参照)。この反射偏光子は、光学異方性フィルムと光学等方性フィルムとを交互に積層してなる。光学異方性フィルムは、ポリエチレンナフタレート(PEN)等の結晶性ナフタレンジカルボン酸エステルを、溶融押し出し法によりフィルム状にした後、延伸することにより得られる。光学等方性フォルムは、ナフタレンジカルボン酸とテレフタル酸またはアイソタル酸のコポリエステル(coPEN)を、溶融押出し法によりフィルム状にした後、延伸することにより得られる。
特許第3448626号公報
しかしながら、上述の反射偏光子では、可視光帯域をカバーするためには800層以上の層数が必要となってしまう。このため、反射偏光子の薄型化、コンパクト化および生産性の向上が困難となっていた。
したがって、この発明の目的は、薄型化、コンパクト化および生産性の向上を実現することができる反射偏光子およびその製造方法、その反射偏光子の製造装置ならびにその反射偏光子を備えた液晶表示装置を提供することにある。
上述の課題を解決するために、第1の発明は、
透明支持体と、該透明支持体上に交互に積層された第1の光学異方性膜および第2の光学異方性膜とを備え、
第1および第2の光学異方性膜とは、互いに直行する面内方向のうち一方の面内方向にはしい屈折率を有するの対して、他方の面内方向には異なる屈折率を有し、
第1の光学異方性膜では、一方の面内方向の屈折率より他方の面内方向の屈折率が小さく、
第2の光学異方性膜では、一方の面内方向の屈折率より他方の面内方向の屈折率が大きく、
第1の光学異方性膜は、透明支持体の一主面に対して他方の面内方向に傾いた柱状構造を有し、
第2の光学異方性膜は、透明支持体の一主面に対して一方の面内方向に傾いた柱状構造を有する
ことを特徴とする反射偏光子である。
第1の発明では、互いに直交する面内方向のうち一方の面内方向に対しては屈折率が揃い、互いに直交する面内方向のうち他方の面内方向に対しては屈折率差が大きくなるように、第1および第2の光学異方性膜を積層しているので、従来の反射偏光子に比べて他方の面内方向の屈折率差をより大きくすることができる。
第1の発明では、第1および第2の光学異方性膜を、誘電体材料から構成することが好ましい。また、透明支持体を更に備え、第1および第2の光学異方性膜とは、透明支持体上に交互に積層することが好ましい。また、第1の光学異方性膜を、透明支持体の一主面に対して他方の面内方向から斜めに無機材料を入射してなる光学異方性膜とし、第2の光学異方性膜を、透明支持体の一主面に対して一方の面内方向から斜めに無機材料を入射してなる光学異方性膜とすることが好ましい。
第1の発明では、第1の光学異方性膜は、透明支持体の一主面に対して他方の面内方向に傾いた柱状構造を有し、第2の光学異方性膜は、透明支持体の一主面に対して一方の面内方向に傾いた柱状構造を有することが好ましい。また、他方の面内方向における第1の光学異方性膜と第2の光学異方性膜との屈折率差を、0.05以上とすることが好ましい。また、光軸方向から入射する光に対する屈折率楕円体切断面の長軸と短軸との位置関係が、第1の光学異方性膜と第2の光学異方性膜とでは反転していることが好ましい。
第2の発明は、
第1の気化源を用いて、透明支持体の一主面に対して、互いに直行する面内方向のうち一方の面内方向から斜めに無機材料を入射させる工程と、
第2の気化源を用いて、透明支持体の一主面に対して、互いに直行する面内方向のうち他方の面内方向から斜めに無機材料を入射させる工程と、
を交互に繰り返すことにより、第1の光学異方性膜と第2の光学異方性膜とが交互に繰り返し積層され、
第1の光学異方性膜は、透明支持体の一主面に対して他方の面内方向に傾いた柱状構造を有し、
第2の光学異方性膜は、透明支持体の一主面に対して一方の面内方向に傾いた柱状構造を有する
ことを特徴とする反射偏光子の製造方法である。
第2の発明では、互いに直行する面内方向のうちの一方の面内方向に斜めに無機材料を成長させてなる第1の光学異方性膜と、互いに直行する面内方向のうちの他方の面内方向に斜めに無機材料を成長させてなる第2の光学異方性膜とを交互に繰り返して積層することができる。
第2の発明では、第1の気化源および第2の気化源上を周期的に通過するように透明支持体を走行させることにより、2つの工程を交互に繰り返すことが好ましい。また、無機材料として、誘電体材料を用いることが好ましい。
第2の発明では、スパッタリング法、化学気相成長法、真空蒸着法およびイオンプレーティング法等の真空薄膜の作製技術を用いて成膜することが好ましい。
第3の発明は、
透明支持体を走行させる走行手段と、
走行手段により走行される透明支持体に対して、互いに直行する面内方向のうちの一方の面内方向から斜めに無機材料を入射させる第1の気化源と、
走行手段により走行される透明支持体に対して、互いに直行する面内方向のうちの他方の面内方向から斜めに無機材料を入射させる第2の気化源と、
を備え、
走行手段が、第1の気化源および第2の気化源上を透明支持体が周期的に通過するように、透明支持体を走行させることにより、第1の光学異方性膜と第2の光学異方性膜とが交互に繰り返し積層され、
第1の光学異方性膜は、透明支持体の一主面に対して他方の面内方向に傾いた柱状構造を有し、
第2の光学異方性膜は、透明支持体の一主面に対して一方の面内方向に傾いた柱状構造を有する
ことを特徴とする反射偏光子の製造装置である。
第3の発明では、互いに直行する面内方向のうちの一方の面内方向に斜めに無機材料を成長させてなる第1の光学異方性膜と、互いに直行する面内方向のうちの他方の面内方向に斜めに無機材料を成長させてなる第2の光学異方性膜とを交互に繰り返して積層することができる。
第3の発明では、無機材料として、誘電体材料を用いることが好ましい。また、第3の発明では、スパッタリング法、化学気相成長法、真空蒸着法およびイオンプレーティング法等の真空薄膜の作製技術を用いて成膜することが好ましい。
以上説明したように、この発明によれば、第1および第2の光学異方性膜の膜間では、互いに直行する面内方向のうち一方の面内方向の屈折率を等しくし、第1の光学異方性膜では、一方の面内方向の屈折率より他方の面内方向の屈折率を小さくし、第2の光学異方性膜では、一方の面内方向の屈折率より他方の面内方向の屈折率を大きくするので、従来の反射偏光子に比べて、他方の面内方向の屈折率差をより大きくすることができる。したがって、積層数を低減することができる。すなわち、反射偏光子の薄型化、コンパクト化および生産性の向上を実現することができる。
まず、この発明の理解を容易とするために、この発明の概要について説明する。従来、反射偏光子としては、有機物からなる延伸フィルムを多層積層してなるものが広く知られている。しかしながら、この反射偏光子には、上述したように、薄型化、コンパクト化および生産性の向上が困難であるという問題がある。
そこで、本発明者は、無機材料からなる光学異方成膜と光学等方性膜とを交互に積層させてなる反射偏光子を検討している。本発明者の知見によれば、この反射偏光子では、可視光帯域をカバーするために従来必要であった800層以上の積層数を、300層程度に減少させることができる。すなわち、反射偏光子の薄型化、コンパクト化および生産性の向上を実現できる。
しかしながら、更なる薄型化、コンパクト化および生産性の向上を図るためには、積層数を更に減少させる必要がある。そこで、本発明者は、光学薄膜の積層数を更に減少させるべく鋭意検討を行った。その結果、異方性薄膜と等方性薄膜とを交互に積層する構成ではなく、第1の光学異方性薄膜と第2の光学異方性薄膜とを交互に積層する構成を採用することにより、可視光帯域をカバーするために必要な層数を更に低減し、例えば100層程度にできるとの知見を得るに至った。この発明は以上の検討に基づいて案出されたものである。
この発明の実施形態について以下の順序で説明する。
(1)液晶表示装置の構成
(2)反射偏光子の構成
(3)反射偏光子の製造装置
(4)反射偏光子の製造方法
(1)液晶表示装置の構成
図1は、この発明の一実施形態による液晶表示装置1の一構成例を示す断面図である。
以下、この液晶表示装置1の構成について図1を参照しながら説明する。
図1に示すように、この液晶表示装置1は、いわゆる透過型の液晶表示装置であって、液晶パネル2と、光源であるバックライト7と、反射偏光子24とを備える。
バックライト7は、例えば冷陰極管(CCFL:Cold Cathode Fluorescent Lamp)またはLED(Light Emitting Diode)であり、液晶パネル2の直下に配置されている。ここでは、液晶パネル2の直下にバックライト7を配置する方式(直下式)の場合を例として示すが、バックライトの方式はこの例に限られるものではなく、液晶パネル2の一端側(エッジ側)に冷陰極管またはLED等のバックライト7を配置し、このバックライト7からの光を導光板を介して液晶パネル2全面に行き渡らせる方式(エッジ式)を用いてもよい。なお、液晶パネル2がテレビ用途等の大型液晶パネルである場合には、バックライトを直下式とすることが好ましい。
液晶パネル2は、スペーサ5により所定間隔を離して対向配置された第1の基板3および第2の基板4と、第1の基板3および第2の基板4の間に液晶を封入してなる液晶層6とを備える。スペーサ5は、第1の基板3と第2の基板4との間を所定距離保持するためのものである。液晶層6は、例えばネマティック液晶等の液晶からなり、その配列は、第1の基板3と第2の基板4との間に印加された電圧に応じて変化する。
第1の基板3は、TFT(Thin Film Transistor)基板等の半導体素子基板である。第1の基板3は、ガラスまたはプラスチック等からなる基板21を有し、この基板21の一主面には、透明電極22、配向膜23が順次積層され、他主面には、反射偏光子24が設けられている。また、便宜上図示を省力しているが、基板21の一主面には、TFT等の半導体素子、信号線および走査線が設けられている。
第2の基板4は、カラーフィルタ基板(CF基板)である。第2の基板4は、基板11を有し、この基板11の一主面には、カラーフィルタ12、透明電極13、配向膜14が順次積層され、基板11の他主面には、偏光子15が設けられている。
透明電極13,22は、例えば、インジウムと錫との合金酸化物(ITO:Indium Tin Oxide)である。配向膜14,23は、液晶分子を一定方向に並べるための膜であり、例えばポリイミド等の高分子から構成される。
カラーフィルタ12は、カラー表示をするためのものであり、例えば、画素に対応してR(赤)、G(緑)、B(青)の各要素が配列されている。各画素は、R(赤)、G(緑)、B(青)の3つのサブ画素からなり、そのサブ画素のサイズは画面サイズと画素数によるが、例えば、およそ数10μm程度である。
偏光子15aおよび偏光子15bは、入射する光のうち直交する偏光成分の一方のみを通過させ、他方を吸収により遮へいするものである。偏光子15aと偏光子15bとは、例えば、透過軸が互いに直交するように設けられる。また、反射偏光子24は、入射する光のうち直交する偏光成分の一方のみを通過させ、他方を反射するものである。反射偏光子24は、液晶パネル2とバックライト7との間に備えられる。偏光子15bと反射偏光子24とは、例えば、透過軸が互いに平行になるように設けられる。なお、図1中にて、Lはバックライト7から反射偏光子24に入射する光、l1は、入射する光Lのうち反射偏光子24を透過する光、l2は、入射する光Lのうち反射偏光子24により反射される光を示す。
(2)反射偏光子の構成
まず、第1の光学異方性膜と第2の光学異方性膜とを支持体上に交互に積層してなる反射偏光子の理解を容易にするために、光学異方成膜と光学等方性膜とを支持体上に交互に積層させてなる反射偏光子について説明する。
図2は、光学異方成膜32と光学等方性膜33とを支持体31上に交互に積層させてなる反射偏光子の一構成例を示す断面図である。図2において、n1x、n1yはそれぞれ、光学異方性膜32のx軸方向の屈折率、y軸方向の屈折率を示す。また、n2x、n2yはそれぞれ、光学等方性膜33のx軸方向の屈折率、y軸方向の屈折率を示す。
図2に示すように、この反射偏光子は、光学異方性膜32と光学等方性膜33とを支持体31上に交互に積層してなる。この反射偏光子は、反射偏光子に入射する光のうち、x偏光成分を透過するのに対して、y偏光成分を反射する。なお、以下では、支持体31において、光学異方性膜32および光学等方性膜33が積層される側の一主面を、成膜面と称する。
光学異方性膜32は、x軸方向とy軸方向とで異なる屈折率、すなわち複屈折を有する。一方、光学等方性膜33は、x軸方向とy軸方向とで等しい屈折率を有する。光学異方性膜32および光学等方性膜33のx軸方向の屈折率n1x、n2xおよびy軸方向の屈折率n1y、n2yと、y軸方向の膜間の屈折率差Δnとは、例えば、以下の関係を満たす。
1x>n1y、n2x=n2y
1x=n2x、n1y<n2y
Δn=n2y−n1y
第1の光学異方性膜32は、支持体31の成膜面に対して、y軸方向から斜めに無機材料を入射させてなる膜、すなわち、y軸方向に向けて斜めに無機材料を成長してなる斜方成長膜であり、例えば、y軸方向に傾いた柱状構造、または、粒状体を堆積した構造を有する。
第2の光学等方性膜33は、支持体31の成膜面に対して、光軸の方向から垂直に無機材料を入射させてなる膜、すなわち、z軸方向に向けて垂直に無機材料を成長してなる膜であり、例えば、支持体31の成膜面に垂直な柱状構造、または、面内均一な構造を有する。
ここで、例として具体的数値を用いて光学異方性膜32および光学等方性膜33について説明する。光学異方性膜32は、例えば、x軸方向の屈折率として屈折率n1x=2.0、y軸方向の屈折率として屈折率n1y=1.8を有する。光学等方性膜33は、例えば、x軸方向の屈折率として屈折率n2x=2.0、y軸方向の屈折率として屈折率n2y=2.0を有する。この場合、x軸方向においては、膜間の屈折率差はΔn=2.0−2.0=0となるのに対して、y軸方向においては、膜間の屈折率差はΔn=2.0−1.8=0.2となる。これらの光学特性により、多層の積層体が、入射光のy偏光成分のみを反射し、x偏光成分を透過する反射偏光子として機能することになる。
可視光帯域をカバーするために必要な積層数は、膜間の屈折率差Δnの値により規定される。しかしながら、光学異方性膜32と光学等方性膜33とを積層する構成では、この膜間の屈折率差Δnをあまり大きくすることはできず、例えば膜間の屈折率差がΔn=0.2である場合には、200層以上の積層数が必要となってしまう。このための、上述の構成を有する反射偏光子では、更なる反射偏光子の薄型化、コンパクト化および生産性の向上が困難となっていた。
そこで、この発明の一実施形態による反射偏光子では、上述の反射偏光子よりも膜間の屈折率差Δnを更に大きくすることで、光学薄膜の積層数を更に低減して、更なる反射偏光子の薄型化、コンパクト化および生産性の向上を実現するものである。
図3は、この発明の一実施形態による反射偏光子24の一構成例を示す断面図である。図3において、n1x、n1yはそれぞれ、第1の光学異方性膜42のx軸方向の屈折率、y軸方向の屈折率を示す。また、n2x、n2yはそれぞれ、第2の光学異方性膜43のx軸方向の屈折率、y軸方向の屈折率を示す。
図3に示すように、この反射偏光子24は、第1の光学異方性膜42と第2の光学異方性膜43とを支持体41上に交互に積層してなる。この反射偏光子24は、反射偏光子24に入射する光のうち、x偏光成分を透過するのに対して、y偏光成分を反射する。なお、以下では、支持体41において、第1の光学異方性膜42および第2の光学異方性膜43が積層される側の一主面を、成膜面と称する。
支持体41は、透明性を有する基板またはフィルムである。支持体41の材料としては、透明性を有するガラスまたはプラスチック等を用いることができる。ガラスとしては、例えば、ソーダライムガラス、鉛ガラス、硬質ガラス、石英ガラスまたは液晶化ガラス等を用いることができる。プラスチックとしては、例えば、ポリカーボネート、ポリオレフィンまたはアクリル樹脂等を用いることができる。
第1の光学異方性膜42および第2の光学異方性膜43は、x軸方向とy軸方向とで異なる屈折率、すなわち複屈折を有する。第1の光学異方性膜42および第2の光学異方性膜43のx軸方向の屈折率n1x、n2xおよびy軸方向の屈折率n1y、n2yと、y軸方向の膜間の屈折率差Δnとは、例えば、以下の関係を満たす。
1x>n1y、n2x<n2y
1x=n2x、n1y<n2y
Δn=n2y−n1y
この関係を満たすことにより、反射偏光子24に入射する光のうち、x軸方向に振動するx偏光成分を透過するの対して、y軸方向に振動するy偏光成分を反射することができる。また、y軸方向の膜間の屈折率差Δnを大きくすることができ、積層数を低減することができる。
第1の光学異方性膜42の光学軸は、例えばy軸方向に傾いている。第2の光学異方成膜43の光学軸は、例えばx軸方向に傾いている。具体的には例えば、第2の光学異方性膜43の光学軸は、第1の光学異方性膜42の光学軸を、光軸を軸としてほぼ90度回転した位置にある。したがって、光軸方向から入射する光に対する屈折率楕円体切断面の長軸と短軸との位置関係が、第1の光学異方性膜42と第2の光学異方性膜43とでは反転している。
図4Aおよび図4Bは、第1の光学異方性膜42および第2の光学異方性膜43の成膜方法を説明するための斜視図である。図4Aおよび図4Bにおいて、矢印の方向は、誘電体材料等の無機材料の入射方向を示す。
第1の光学異方性膜42は、支持体41の成膜面に対して、y軸方向から斜めに無機材料を入射させてなる膜、すなわち、y軸方向に向けて斜めに無機材料を成長してなる斜方成長膜であり、例えば、y軸方向に傾いた柱状構造、または、粒状体を堆積した構造を有する。第2の光学異方性膜43は、支持体41の成膜面に対して、x軸方向から斜めに無機材料を入射させてなる膜、すなわち、x軸方向に向けて斜めに無機材料を成長してなる斜方成長膜であり、例えば、x軸方向に傾いた柱状構造、または、粒状体を堆積した構造を有する。
このように、支持体41の成膜面に対して斜め方向に誘電体材料等からなる無機薄膜を成長させると、その特有の内部構造のために、支持体41の面内方位に対して光学異方性を発現させることができる(特開昭59−49508号公報参照)。
第1の光学異方性膜42および第2の光学異方性膜43の有する構造は、材料等を適宜選択することにより作り分けることができる。例えば、斜め方向に成長した柱状構造は、Ta25を、支持体41の成膜面に対して斜めの方向から入射させることにより得ることができる。また、粒状体を堆積した構造は、例えば、Ta25とCeO2との混合物を、支持体41の成膜面に対して斜めの方向から入射させることにより得ることができる。
ここで、例として具体的数値を用いて第1の光学異方性膜42および第2の光学異方性膜43について説明する。第1の光学異方性膜42は、例えば、x軸方向の屈折率として屈折率n1x=1.8、y軸方向の屈折率として屈折率n1y=1.6を有する。第2の光学異方性膜43は、例えば、x軸方向の屈折率として屈折率n2x=1.8、y軸方向の屈折率としてn2y=2.0を有する。この場合、x軸方向における膜間の屈折率差はΔn=1.8−1.8=0となるのに対して、y軸方向における膜間の屈折率差はΔn=2.0−1.6=0.4となる。このように、y軸方向について大きな屈折率差Δnを得ることができるので、一方の偏光成分を透過するのに対して、もう一方の偏光成分を反射する反射偏光子としての機能を100層程度の積層数により得ることができる。すなわち、必要層数を大幅に低減することができる。
第1の光学異方性膜42および第2の光学異方性膜43は、例えば、異なる無機材料からなる。この無機材料としては、透明性を有する無機材料、例えば、透明性を有する誘電体材料を用いることができ、より具体的には例えば透明性を有する酸化物、硫化物またはフッ化物等を用いることができる。
酸化物としては、例えば、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、セリウム(Ce)、アルミニウム(Al)、珪素(Si)または亜鉛(Zn)の酸化物またはそれらの混合物を用いることができ、より具体的には例えば、五酸化タンタル(Ta25)、五酸化三チタン(Ti35)、三酸化二チタン(Ti23)、一酸化チタン(TiO)、二酸化チタン(TiO2)、二酸化ジルコニウム(ZrO2)、五酸化ニオブ(Nb25)、二酸化セリウム(CeO2)、酸化アルミニウム(Al23)、二酸化珪素(SiO2)、一酸化珪素(SiO)、ZnO(酸化亜鉛)またはそれらの混合物を用いることができる。
硫化物としては、例えば、亜鉛(Zn)またはカドミウム(Cd)の硫化物またはそれらの混合物を用いることができ、より具体的には例えば、硫化亜鉛(ZnS)、硫化カドミウム(CdS)またはそれらの混合物を用いることができる。フッ化物としては、マグネシウム(Mg)、セリウム(Ce)、バリウム(Ba)、カルシウム(Ca)またはネオジウム(Nd)のフッ化物またはそれらの混合物を用いることができ、より具体的には例えば、フッ化マグネシウム(MgF2)、フッ化セリウム(CeF3)、フッ化バリウム(BaF2)、フッ化カルシウム(CaF2)、フッ化ネオジム(NdF3)またはそれらの混合物を用いることができる。
第1の光学異方性膜42と第2の光学異方性膜43とを構成する無機材料は、y軸方向について膜間の屈折率差Δnが大きくなるように選ぶことが好ましい。屈折率差Δnは、例えば0.05以上、好ましくは0.2以上、より好ましくは0.44以上に選ばれる。屈折率差Δnを0.2以上にすることにより、可視光帯域全域で一方の偏光の反射率を97%以上とするために必要な積層数を200層以下とすることができる。屈折率差Δnを0.44以上にすることにより、可視光帯域全域で一方の偏光の反射率を97%以上とするために必要な積層数を100層以下とすることができる。
このように膜間の屈折率差Δnを大きくするためには、第1の光学異方性膜42を構成する酸化物として、例えば、二酸化セリウム(CeO2)、五酸化タンタル(Ta25)、五酸化ニオブ(Nb25)または酸化亜鉛(ZnO)を用い、第2の光学異方性膜43を構成する酸化物としては、例えば、二酸化チタン(TiO2)を用いるようにする。
反射偏光子24の光学性能は、各々の光学膜の光学的厚み(屈折率×厚み)により決定される。光学膜が光の波長よりも小さな光学的厚みを有する場合には、選択波長における反射偏光子24の光学性能を高めるために、構造的干渉を利用することができる。なお、光の波長よりも薄い光学的厚さを有する均一な膜を成膜するための成膜方法としては、例えば真空薄膜形成技術を用いることができる。真空薄膜形成技術としては、例えば、スパッタリング法、化学気相成長法、真空蒸着法またはイオンプレーティング法等を用いることができる。
具体的には、構造的干渉は、対になった光学膜の光学的厚さ(第1の光学異方性膜42の光学的厚さ+第2の光学異方性膜43の光学的厚さ)が、入射光の波長の半分となる場合に生じる。この半波長の条件により、設計波長λを中心とした狭帯域の構造的干渉が生じる。広帯域の光学性能は、複数の狭い帯域の組み合わせを積層することによって得ることができる。例えば、同じ厚さ(第1の光学異方性膜42の光学的厚さ+第2の光学異方性膜43の光学的厚さ=λ/2)を有する第1グループを、異なる厚さ(第1の光学異方性膜42の光学的厚さ+第2の光学異方性膜43の光学的厚さ=λ’/2)を有する第2のグループに積層することにより、λとλ’を中心にした2種類の帯域が組み合わさり、広帯域化する。
例えば、広帯域の光学特性を得るために、膜厚d1を有する第1の光学異方性膜42および第2の光学異方性膜43を交互に積層してなる第1の積層体、膜厚d2を有する第1の光学異方性膜42および第2の光学異方性膜43を交互に積層してなる第2の積層体、・・・、膜厚dnを有する第1の光学異方性膜42および第2の光学異方性膜43を交互に積層してなる第nの積層体を支持体41上に順次積層するようにする。ここで、膜厚d1、d2、・・・、dnは、所望とする帯域に応じて適宜選択される。
より具体的には例えば、バックライト7から出射された白色光をカバーする広帯域の光学特性を得るためには、膜厚d1を有する第1の光学異方性膜42および第2の光学異方性膜43を交互に積層してなる第1の積層体、膜厚d2を有する第1の光学異方性膜42および第2の光学異方性膜43を交互に積層してなる第2の積層体、膜厚d3を有する第1の光学異方性膜42および第2の光学異方性膜43を交互に積層してなる第3の積層体、膜厚d4を有する第1の光学異方性膜42および第2の光学異方性膜43を交互に積層してなる第4の積層体を支持体41上に順次積層するようにすることが好ましい。ここで、膜厚d1、d2、d3、d4は、白色光に対応する帯域に応じて適宜選択される。
図5は、柱状構造を有する反射偏光子24のxz平面における断面図である。図6は、柱状構造を有する反射偏光子24のyz平面における断面図である。なお、図5および図6では、便宜上、第1の光学異方性膜42および第2の光学異方性膜43の積層数が4層である場合を例として示している。
第1の光学異方性膜42は、x軸に対して垂直で、y軸に対して傾いて成長した柱状構造からなる。このように柱状構造を斜方成長させることにより光学異方性を得ることができ、具体的には、x軸方向の屈折率n1xよりもy軸方向の屈折率n1yを小さくすることができる。第1の光学異方性膜42の柱状構造は、例えば、支持体41の成膜面の法線(すなわちz軸)を基準としてy軸方向に向けて5度以上85度以下の範囲で傾いている。
第2の光学等方性膜43は、x軸に対して傾き、y軸に対して垂直に成長した柱状構造からなる。このように柱状構造を斜方成長させることにより光学異方性を得ることができ、具体劇には、x軸方向の屈折率n2xよりもy軸方向の屈折率n2yを大きくすることができる。第2の光学異方性膜43の柱状構造は、例えば、支持体41の成膜面の法線(すなわちz軸)を基準としてx軸方向に向けて5度以上85度以下の範囲で傾いている。
(3)反射偏光子の製造装置
図7は、この発明の一実施形態による反射偏光子の製造装置101の一構成例を示す模式図である。図8は、図7の紙面に平行な概略断面図である。なお、図9は、図7のIX−IX線における概略断面図である。この反射偏光子の製造装置101は、第1の光学異方性膜42と第2の光学異方性膜43とを交互に支持体41上に積層することができるスパッタリング装置である。
以下、図7〜図9を参照しながら、この発明の一実施形態による反射偏光子の製造装置101の構成について説明する。図7に示すように、この反射偏光子の製造装置101は、真空室103を有し、この真空室103の側面部には真空排気系102が設けられている。この真空排気系102により、真空室103の内部が高真空状態とされる。
また、真空室103の内部には、ガイドロール104,105と、張力調整ロール106,107と、冷却キャン108とが設けられている。これらのガイドロール104、105、張力調整ロール106、107および冷却キャン108により、支持体41は、例えば反時計回りの方向に走行される。なお、帯状の支持体41は、その長手方向の両端部を、例えば粘着テープによりつなぎ合わされてリング状の状態とされ、冷却キャン108に装着される。
冷却キャン108は回転可能に構成され、この冷却キャン108の回転に伴って支持体41は、冷却キャン108の周面を定速度で走行される。この冷却キャン108の内部には図示しない冷却機構が設けられ、この冷却機構が、外部の図示しない冷却装置により冷却される。これにより、支持体41の温度上昇による変形等を抑制することができる。
張力調整ロール106,107は、支持体41が変形することなく円滑に走行するように、支持体41の張力を制御する。この張力調整ロール106、107は、図示しない張力調整機構によって適宜制御されるようになっている。なお、ガイドロール104、105、張力調整ロール106、107、冷却キャン108は、例えば、支持体41の幅よりも大きい円筒状を有する。
また、真空室103の内部には、第1の気化源である第1のターゲット109と、第2の気化源である第2のターゲット110とが設けられている。第1のターゲット109および第2のターゲット110としては、酸化物ターゲットまたは金属ターゲットを用いることができる。金属ターゲットを用いる場合には、DCスパッタリング法、ACスパッタリング法等を用いることも可能である。また、成膜速度の点からすると、金属ターゲットを用いることが好ましい。
第1のターゲット109は、冷却キャン108の周面を定速度で走行する支持体41に対して第1の光学異方性膜42を形成するためのものであり、この第1のターゲット109は、第1の光学異方性膜42に応じた材料から構成される。
第2のターゲット110は、冷却キャン108の周面を定速度で走行する支持体41に対して第2の光学異方性膜43を形成するためのものであり、この第2のターゲット110は、第2の光学異方性膜43に応じた材料から構成される。
図8に示すように、第1のターゲット109は、この第1のターゲット109から弾き出されたスパッタ原子が、冷却キャン108の走行面に対して走行方向またはその逆方向から斜めに入射するように設けられている。スパッタ原子は、例えば、冷却キャン108の走行面の法線nから走行方向またはその逆方向に角度θ傾いた方向から入射する。ここで、角度θは、例えば5度以上85度以下の範囲から選ばれる。このようにスパッタ原子を入射させることにより、支持体41の成膜面上に斜めに無機材料110を成長させることができる。
図9に示すように、第2のターゲット110は、この第2のターゲット110から弾き出されたスパッタ原子が、冷却キャン108の走行面に対して側方から斜めに入射するように設けられている。スパッタ原子は、例えば、冷却キャン108の走行面の法線nから側方に角度θ傾いた方向から入射する。ここで、角度θは、例えば5度以上85度以下の範囲から選ばれる。このようにスパッタ原子を入射させることにより、支持体41の成膜面上に斜めに無機材料110を成長させることができる。
また、冷却キャン108と第1のターゲット109との間には、冷却キャン108の近傍にシャッタ111aおよびシャッタ111bが設けられている。このシャッタ111aおよびシャッタ111bは、冷却キャン108の周面を定速度で走行する支持体41の所定領域を覆うように設けられている。このシャッタ111aおよびシャッタ111bにより、第1のターゲット109から飛び出したスパッタリング原子を支持体41上に対して所定の角度範囲で斜めに入射させることができる。
また、冷却キャン108と第2のターゲット110との間には、冷却キャン108の近傍にシャッタ111aおよびシャッタ111cが設けられている。このシャッタ111aおよびシャッタ111cは、冷却キャン108の周面を定速度で走行する支持体41の所定領域を覆うように設けられている。このシャッタ111aおよびシャッタ111cにより、第2のターゲット110から飛び出したスパッタリング原子を支持体41上に対して所定の角度範囲で斜めに入射させることができる。
(4)反射偏光子の製造方法
次に、この発明の一実施形態による反射偏光子の製造方法について説明する。
まず、帯状を有する支持体41の長手方向の両端部を、例えば粘着テープによりつなぎ合わせてリング状として、冷却キャン108に装着する。次に、真空排気系102により真空室103内を所定の真空度まで真空引きした後、冷却キャン108により支持体41を定速度で走行させる。
次に、支持体41を一定の速度で走行させながら、放電ガスを真空室103内に導入し、スパッタリングを行うことにより、第1の光学異方性膜42と第2の光学異方性膜43とを支持体41上に交互に積層する。ここで、各膜の膜厚、屈折率および屈折率差Δnは成膜条件により制御可能である。以上により、目的とする反射偏光子24を得ることができる。
この発明の一実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
第1の光学異方性膜42および第2の光学異方性膜43を交互に積層して反射偏光子24を作製するので、光学異方性膜と光学等方性膜とを交互に積層した反射偏光子に比べて、膜間の屈折率差Δnをより大きくすることができるので、可視光帯域を反射するために必要な層数を低減することができる。したがって、生産性の向上およびコストの削減を実現できる。
また、第1の光学異方性膜42および第2の光学異方成膜43は、誘電体材料等の無機材料から構成されるので、有機物特有の紫外線劣化や熱による変形等がなく、優れた耐候性を実現できる。また、有機材料からなる光学薄膜を積層した反射偏光子のように、紫外線帯域の光を吸収することがないので、青色光の透過率が低下することもない。したがって、可視光対全域にわたり高い透過性を有する。また、他の光学薄膜への複合化、例えば、偏光板との複合化等が容易である。
また、無機材料を支持体41に対して入射させて、第1の光学異方性膜42および第2の光学異方成膜43を積層するので、延伸フィルム特有の軸方向の場所ムラや、膜厚のムラによる位相差設定の精度の低下がない。したがって、反射偏光子の膜厚をナノオーダで制御することができる。また、軸方向の場所ムラのない異方性薄膜を得ることができるので、成膜時間による精度の高い位相差設定が可能となる。また、入射角度依存性の小さい高性能反射偏光子を作成することができる。また、可視光全域にわたり高性能偏光分離特性を得ることができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、以下の実施例および比較例では、透明支持体41の面内方向を、図3に示した座標系を用いて説明する。
実施例1
スパッタリングによりy軸方向から斜めにスパッタ原子を成膜面に対して入射させて、CeO2からなる第1の光学異方性膜42を成膜する工程と、スパッタリングによりx軸方向から斜めにスパッタ原子を成膜面に対して入射させて、TiO2からなる第2の光学異方性膜42を成膜する工程とを交互に繰り返して、透明支持体41上に積層体を形成して、可視光帯域全域でy軸方向の偏光の反射率が97%以上となるために必要な層数を評価した。
実施例2
スパッタリングによりy軸方向から斜めにスパッタ原子を成膜面に対して入射させて、Ta25からなる第1の光学異方性膜42を成膜する工程と、スパッタリングによりx軸方向から斜めにスパッタ原子を成膜面に対して入射させて、TiO2からなる第2の光学異方性膜42を成膜する工程とを交互に繰り返して、透明支持体41上に積層体を形成して、可視光帯域全域でy軸方向の偏光の反射率が97%以上となるために必要な層数を評価した。
実施例3
スパッタリングによりy軸方向から斜めにスパッタ原子を成膜面に対して入射させて、Nb25からなる第1の光学異方性膜42を成膜する工程とスパッタリングによりx軸方向から斜めにスパッタ原子を成膜面に対して入射させて、TiO2からなる第2の光学異方性膜42を成膜する工程とを交互に繰り返して、透明支持体41上に積層体を形成して、可視光帯域全域でy軸方向の偏光の反射率が97%以上となるために必要な層数を評価した。
実施例4
スパッタリングによりy軸方向から斜めにスパッタ原子を成膜面に対して入射させて、ZnOからなる第1の光学異方性膜42を成膜する工程と、スパッタリングによりx軸方向から斜めにスパッタ原子を成膜面に対して入射させて、TiO2からなる第2の光学異方性膜42を成膜する工程とを交互に繰り返して、透明支持体41上に積層体を形成して、可視光帯域全域でy軸方向の偏光の反射率が97%以上となるために必要な層数を評価した。
実施例5
スパッタリングによりy軸方向から斜めにスパッタ原子を成膜面に対して入射させて、Nb25からなる第1の光学異方性膜42を成膜する工程と、スパッタリングによりx軸方向から斜めにスパッタ原子を成膜面に対して入射させて、CeO2からなる第2の光学異方性膜42を成膜する工程とを交互に繰り返して、透明支持体41上に積層体を形成して、可視光帯域全域でy軸方向の偏光の反射率が97%以上となるために必要な層数を評価した。
比較例1
スパッタリングによりy軸方向から斜めにスパッタ原子を成膜面に対して入射させて、Ta25からなる第1の光学異方性膜42を成膜する工程と、スパッタリングによりx軸方向から斜めにスパッタ原子を成膜面に対して入射させて、CeO2からなる第2の光学異方性膜42を成膜する工程とを交互に繰り返して、透明支持体41上に積層体を形成して、可視光帯域全域でy軸方向の偏光の反射率が97%以上となるために必要な層数を評価した。
比較例2
スパッタリングによりy軸方向から斜めにスパッタ原子を成膜面に対して入射させて、Ta25からなる光学異方性膜42を成膜する工程と、スパッタリングによりz軸方向から垂直にスパッタ原子を成膜面に対して入射させて、Ta25からなる光学等方性膜を成膜する工程とを交互に繰り返して、透明支持体41上に積層体を形成して、可視光帯域全域でy軸方向の偏光の反射率が97%以上となるために必要な層数を評価した。
また、上述の実施例および比較例の第1の光学異方性膜42の屈折率(n1x,n1y)、第2の光学異方性膜43の屈折率(n2x,n2y)、y軸方向の膜間の屈折率差Δn(=n2y−n1y)についても評価した。なお、屈折率の測定には、分光エリプソメーター(J・A WOOLLAM JAPAN社製、商品名:M−2000)を用いた。表1に、実施例および比較例による反射偏光子の膜構成、屈折率および必要層数を示す。
Figure 0004595586
表1から以下のことが分かる。
(1)第1の光学異方性膜および第2の光学異方性膜を透明支持体上に積層した実施例1〜5では、光学異方性膜および光学等方性膜を透明支持体上に積層した比較例1、2に比べて、屈折率差Δnをより大きくすることができ、必要層数を低減できることが分かる。
(2)実施例1〜5では、膜間におけるy軸方向の屈折率差Δnを0.2以上にすることができ、可視光帯域全域でy軸方向の偏光の反射率を97%以上とするために必要な積層数を200層以下に低減できることが分かる。すなわち、必要層数を従来に比して低減できることが分かる。
(3)実施例1、実施例2および実施例4では、膜間におけるy軸方向の屈折率差Δnを0.44以上にすることができ、可視光帯域全域でy軸方向の偏光の反射率を97%以上とするために必要な積層数を100層以下に低減できることが分かる。すなわち、必要層数を従来に比して大幅に低減できることが分かる。
以上、この発明の一実施形態について具体的に説明したが、この発明は、上述の一実施形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、上述の一実施形態において挙げた数値はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる数値を用いてもよい。
また、上述の一実施形態においては、第1の光学異方性膜42および第2の光学異方性膜43を無機材料から構成する場合を例として示したが、第1の光学異方性膜42および第2の光学異方性膜43を有機材料から構成するようにしてもよい。この場合、第1の光学異方性膜42および第2の光学異方性膜43としては、例えば、ポリエチレンナフタレート(PEN)等の結晶質のナフタリンジカルボン酸ポリエステルからなる一軸延伸シートを用いることができる。
この発明の一実施形態による液晶表示装置の一構成例を示す断面図である。 光学異方成膜と光学等方性膜とを支持体上に交互に積層させてなる反射偏光子の一構成例を示す断面図である。 この発明の一実施形態による反射偏光子の一構成例を示す断面図である。 第1の光学異方性膜および第2の光学異方性膜の成膜方法を説明するための斜視図である。 柱状構造を有する反射偏光子のxz平面における断面図である。 柱状構造を有する反射偏光子のyz平面における断面図である。 この発明の一実施形態による反射偏光子の製造装置の一構成例を示す模式図である。 第1の気化源である第1のターゲントと冷却キャンとの位置関係を示す概略断面図である。 第2の気化源である第2のターゲットと冷却キャンとの位置関係を示す概略断面図である。
符号の説明
1 液晶表示装置
2 液晶パネル
3 第1の基板
4 第2の基板
5 スペーサ
6 液晶層
7 バックライト
24 反射偏光子
41 支持体
42 光学異方性膜
43 光学等方性膜
101 反射偏光子の製造装置
108 冷却キャン
109,110 ターゲット

Claims (12)

  1. 透明支持体と、該透明支持体上に交互に積層された第1の光学異方性膜および第2の光学異方性膜とを備え、
    上記第1および第2の光学異方性膜とは、互いに直行する面内方向のうち一方の面内方向にはしい屈折率を有するの対して、他方の面内方向には異なる屈折率を有し、
    上記第1の光学異方性膜では、上記一方の面内方向の屈折率より上記他方の面内方向の屈折率が小さく、
    上記第2の光学異方性膜では、上記一方の面内方向の屈折率より上記他方の面内方向の屈折率が大きく、
    上記第1の光学異方性膜は、上記透明支持体の一主面に対して上記他方の面内方向に傾いた柱状構造を有し、
    上記第2の光学異方性膜は、上記透明支持体の一主面に対して上記一方の面内方向に傾いた柱状構造を有する
    ことを特徴とする反射偏光子。
  2. 上記第1および第2の光学異方性膜は、誘電体材料からなることを特徴とする請求項1記載の反射偏光子。
  3. 上記第1の光学異方性膜と上記第2の光学異方性膜を構成する誘電体材料のバルク材屈折率差が、0.05以上であることを特徴とする請求項2記載の反射偏光子。
  4. 上記第1の光学異方性膜は、上記透明支持体の一主面に対して上記他方の面内方向から斜めに無機材料を入射してなる光学異方性膜であり、
    上記第2の光学異方性膜は、上記透明支持体の一主面に対して上記一方の面内方向から斜めに無機材料を入射してなる光学異方性膜である
    ことを特徴とする請求項記載の反射偏光子。
  5. 上記他方の面内方向における上記第1の光学異方性膜と上記第2の光学異方性膜との屈折率差が、0.2以上であることを特徴とする請求項1記載の反射偏光子。
  6. 光軸方向から入射する光に対する屈折率楕円体切断面の長軸と短軸との位置関係が、第1の光学異方性膜と第2の光学異方性膜とでは反転していることを特徴とする請求項1記載の反射偏光子。
  7. 請求項1〜のいずれか1に記載された反射偏光子を、液晶パネルと光源との間に備えることを特徴とする液晶表示装置。
  8. 第1の気化源を用いて、透明支持体の一主面に対して、互いに直行する面内方向のうち一方の面内方向から斜めに無機材料を入射させる工程と、
    第2の気化源を用いて、上記透明支持体の一主面に対して、上記互いに直行する面内方向のうち他方の面内方向から斜めに無機材料を入射させる工程と、
    を交互に繰り返すことにより、第1の光学異方性膜と第2の光学異方性膜とが交互に繰り返し積層され、
    上記第1の光学異方性膜は、上記透明支持体の一主面に対して上記他方の面内方向に傾いた柱状構造を有し、
    上記第2の光学異方性膜は、上記透明支持体の一主面に対して上記一方の面内方向に傾いた柱状構造を有する
    ことを特徴とする反射偏光子の製造方法。
  9. 上記第1の気化源および第2の気化源上を周期的に通過するように上記透明支持体を走行させることにより、上記2つの工程を交互に繰り返すことを特徴とする請求項記載の反射偏光子の製造方法。
  10. 上記無機材料は、誘電体材料であることを特徴とする請求項記載の反射偏光子の製造方法。
  11. 透明支持体を走行させる走行手段と、
    上記走行手段により走行される透明支持体に対して、互いに直行する面内方向のうちの一方の面内方向から斜めに無機材料を入射させる第1の気化源と、
    上記走行手段により走行される透明支持体に対して、互いに直行する面内方向のうちの他方の面内方向から斜めに無機材料を入射させる第2の気化源と、
    を備え、
    上記走行手段が、上記第1の気化源および第2の気化源上を上記透明支持体が周期的に通過するように、上記透明支持体を走行させることにより、第1の光学異方性膜と第2の光学異方性膜とが交互に繰り返し積層され、
    上記第1の光学異方性膜は、上記透明支持体の一主面に対して上記他方の面内方向に傾いた柱状構造を有し、
    上記第2の光学異方性膜は、上記透明支持体の一主面に対して上記一方の面内方向に傾いた柱状構造を有する
    ことを特徴とする反射偏光子の製造装置。
  12. 上記無機材料は、誘電体材料であることを特徴とする請求項11記載の反射偏光子の製造装置。
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