JP4610860B2 - 水硬性組成物用混和剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は水硬性組成物用混和剤に関する。更に詳しくは、水硬性組成物に添加した場合の流動保持性能の変動を抑制できると共に流動保持性を容易に予測でき、また、水硬性組成物の凝結遅延抑制効果にも優れた水硬性組成物用混和剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
高性能減水剤などの水硬性組成物用混和剤としてポリカルボン酸系のものが知られているが、ポリカルボン酸系分散剤は、分散性能は優れるものの、セメント等の水硬性粉体の品質変動により、その流動保持性能が変化してしまう。近年は資源の再利用の点からこの品質変動が大きくなる傾向にあり、フレッシュコンクリート等の水硬性組成物の品質を安定供給する事が困難な状況となっている。
【0003】
例えば、コンクリート二次製品製造等では、セメントの種類やロットの違いによる品質の変動により初期流動性が30分後にどの程度であるか予測不可能であるため、工程管理が困難となる。例えば、同じメーカーの同じセメントであっても、ロットナンバー(製造番号)によって混和剤の効果が異なることがあり、その場合は、同じ量の混和剤を用いても設計通りの流動性や流動保持性が発現しない。
【0004】
しかし、流動性の低下があっても、ある一定の低下度合いで安定していれば、混和剤の効果が予測可能となるため、流動性の低下を見越した管理が可能となる。このため、流動保持性能と共にその再現性(性能の変動が少ない)が重要になりつつある。更にコンクリート二次製品メーカーでは、凝結遅延性が低いことも望まれる。
【0005】
このような問題に対して、特許文献1にはセメントから溶出される硫酸イオン濃度の変動に対して性能変動の少ないポリカルボン酸系セメント減水剤が開示されているが、減水性能(初期分散性能)についてはある程度の改善が見られるものの、流動保持性の性能の変動については未だ十分に解決されていない。
【0006】
また、特許文献2では長鎖のエチレンオキサイド(以下EOという)系ポリカルボン酸系重合体と短鎖のEO系ポリカルボン酸系重合体の2種を必須とするセメント混和剤が提案されているが、流動保持性能は改善されるものの、水硬性粉体の品質変動による流動保持性能の変動を抑えるには至っていない。
【0007】
また、特許文献3及び特許文献4にはポリアルキレンオキサイドにモノ又はジカルボン酸モノマーをグラフト重合してなるセメント添加剤(分散剤)が記載されている。これらは、気泡搬入特性や耐圧性あるいはセメント分散性に優れるものの、水硬性粉体の品質の変動による流動保持性能の変動を十分に抑えるには至っていない。
【0008】
【特許文献1】
特開2000−327385号公報
【特許文献2】
特許2992532号明細書
【特許文献3】
特開平6−211949号公報
【特許文献4】
特開平11−139855号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、水硬性組成物に添加した場合の流動保持性能の変動を抑制できると共に流動保持性を容易に予測できる水硬性組成物用混和剤を提供することを課題とする。更に、本発明では二次製品用途を考慮して、水硬性組成物の凝結遅延の抑制の観点でも優れた混和剤を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記(A)及び(B)を含有する水硬性組成物用混和剤に関する。
(A)ポリアルキレンオキサイドに、エチレン系不飽和カルボン酸もしくはその無水物を、グラフト重合してなる重合体又はその塩〔以下、重合体(A)という〕
(B)アルキレンオキサイド由来の構成単位を含む側鎖と、エチレン系不飽和カルボン酸由来の構成単位を含む主鎖とを有する、ポリカルボン酸系共重合体〔以下、共重合体(B)という〕。
【0011】
一般的に、カルボキシル基は水硬性粉体に吸着し、ポリアルキレンオキサイドは水硬性粉体には吸着せず、水硬性粉体間の反発に寄与すると考えられている。特許文献2で開示されているような長鎖EO系ポリカルボン酸系重合体と短鎖EO系ポリカルボン酸系重合体を併用した場合、両者の重合体の水硬性粉体への吸着メカニズムは基本的に同じであるため、水硬性粉体の品質が変動した時に両者の重合体の吸着形態は同じように影響を受けて流動保持性が変動する。
【0012】
一方、本発明では、ポリアルキレンオキサイドにエチレン系不飽和カルボン酸がグラフト重合した重合体(A)と、ポリオキシアルキレン鎖を有するポリカルボン酸系の共重合体(B)とは、吸着メカニズムが異なるため、水硬性粉体の品質が変動した場合でも、両者の重合体の吸着形態が相互に補い合うことによって、流動保持性の変動を抑制することができるものと考えられる。更に、共重合体(B)が、平均付加モル数が100超のアルキレンオキサイド由来の構成単位を含む側鎖を有することで、吸着によるセメント被覆面積を小さく保ち、効率よく分散できると考えられるため、本発明の混和剤は水硬性組成物の凝結遅延抑制効果にも優れる。
【0013】
【発明の実施の形態】
<重合体(A)>
重合体(A)は、ポリアルキレンオキサイドに、エチレン系不飽和カルボン酸もしくはその無水物をグラフト重合してなる重合体又はその塩である。
【0014】
重合体(A)に用いられるポリアルキレンオキサイドとしては、EO、プロピレンオキサイド(以下POという)、ブチレンオキサイド(以下BOという)の重合体もしくは共重合体が挙げられる。具体的には、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリブチレンオキサイド、EO・PO共重合体、EO・BO共重合体、EO・PO・BO共重合体などが挙げられる。好ましくは、ポリエチレンオキサイドであり、EOの平均付加モル数は、5〜3000、更に10〜2000、特に20〜1000が好ましい。ポリアルキレンオキサイドの末端は水素原子又は炭素数1〜22の炭化水素基が好ましい。すなわち、本発明では、ポリアルキレンオキサイドとして、例えば、ポリエチレングリコール等の両末端が水素原子の化合物や、ポリエチレンオキサイドモノアルキルエーテル、ポリエチレンオキサイドジアルキルエーテル等の末端封鎖された化合物を使用することができる。
【0015】
また、重合体(A)に用いられるエチレン系不飽和カルボン酸としては、モノカルボン酸、ジカルボン酸が好ましく、(メタ)アクリル酸、クロトン酸等の不飽和モノカルボン酸及びその塩、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸等の不飽和ジカルボン酸及びその塩もしくは無水物が挙げられる。これらの塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等が挙げられる。好ましくは、(メタ)アクリル酸又はそのアルカリ金属塩、マレイン酸又はそのアルカリ金属塩もしくは無水物である。なお、(メタ)アクリル酸は、メタクリル酸又はアクリル酸の意味である。重合体(A)の塩は、単量体として塩となっているものを用いて得たものでも、重合後に塩を形成して得たものでも、何れでもよい。
【0016】
ポリアルキレンオキサイド中のアルキレンオキサイドの平均付加モル数とエチレン系不飽和カルボン酸とのモル比は、アルキレンオキサイド/エチレン系不飽和カルボン酸=99/1〜50/50、更に98/2〜60/40、特に97/3〜70/30が好ましい。
【0017】
重合体(A)としては、ポリアルキレンオキサイド(好ましくはEO平均付加モル数10〜2000、より好ましくは20〜1000のポリエチレンオキサイド)に、アクリル酸及び/又はマレイン酸をグラフト重合したものが好ましい。更に好ましくはアクリル酸及びマレイン酸をグラフト重合してなる重合体が好ましい。この場合の重合比率(モル比)は、アルキレンオキサイド/アクリル酸/マレイン酸=99/0.9/0.1〜50/40/10、更に97/2.5/0.5〜70/25/5が好ましい。
【0018】
また、重合体(A)の重量平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法/ポリエチレンオキサイド換算)は、200〜150000、更に500〜100000、特に1000〜50000が好ましい。
【0019】
<共重合体(B)>
共重合体(B)は、アルキレンオキサイド由来の構成単位を含む側鎖を有する。アルキレンオキサイドは、EO、PO、BOが挙げられ、EOが好ましい。該側鎖のアルキレンオキサイドの平均付加モル数は2〜300、更に20〜300が好ましく、凝結遅延性の点から100以上が好ましく、更に100〜300が好ましく、特に110〜250が好ましい。アルキレンオキサイド由来の構成単位を含むエチレン系単量体は、側鎖と共に主鎖を構成する。
【0020】
なお、共重合体(B)はアルキレンオキサイド由来の構成単位を複数含んでいてもよいが、その場合、少なくとも1つは上記平均付加モル数の範囲にあることが好ましく、上記平均付加モル数の範囲の構成単位の単量体の重量が、共重合体(B)の総量中50重量%以上であることが好ましい。
【0021】
また、共重合体(B)において、主鎖を構成するエチレン系不飽和カルボン酸としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸等の不飽和モノカルボン酸及びその塩、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸等の不飽和ジカルボン酸及びその塩もしくは無水物等が挙げられる。
【0022】
主鎖を構成するエチレン系不飽和カルボン酸(Um)と側鎖と共に主鎖を構成するエチレン系単量体(Ub)の比率(モル比)は、Um/Ub=99/1〜1/99が好ましく、97/3〜10/90が更に好ましく、95/5〜20/80が特に好ましい。
【0023】
具体的な共重合体(B)としては、下記(B1)が挙げられる。
(B1)
下記の一般式(B−1)で表される単量体(b1)と下記の一般式(B−2)で表される単量体(b2)とを重合して得られる共重合体又はその塩
【0024】
【化1】
Figure 0004610860
【0025】
〔式中、
1,R2:水素原子、メチル基又はCOOM
M:水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属又は有機アミン
m1:0〜2の数
p:0又は1
AO:炭素数2〜4のオキシアルキレン基、好ましくはオキシエチレン基
n:2〜300の数
X:水素原子、炭素数1〜22のアルキル基又は炭素数2〜22のアルキレン基を表す。〕
【0026】
【化2】
Figure 0004610860
【0027】
〔式中、
3〜R5:同一又は異なって、水素原子、メチル基又は(CH2)m2COOM2
1,M2:同一又は異なって、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属又は有機アミン
m2:0〜2の数
を表す。〕。
【0028】
単量体(b1)としては、例えばアルキルポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコールモノアリルエーテル、ポリアルキレングリコールモノアリルエーテルマレイン酸ハーフエステル等が挙げられ、単量体(b2)としては、例えば(メタ)アクリル酸、クロトン酸等の不飽和モノカルボン酸及びその塩、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸等の不飽和ジカルボン酸及びその塩もしくは無水物が挙げられる。これらの塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、有機アミン塩が挙げられ、有機アミン塩にはアンモニウム塩を含む。有機アミン塩としては、アンモニウム塩、アルキルアンモニウム塩、置換アルキルアンモニウム塩、トリエタノールアミン塩等が挙げられる。好ましくは、(メタ)アクリル酸又はそのアルカリ金属塩、マレイン酸又はそのアルカリ金属塩もしくは無水物である。
【0029】
共重合体(B)としては、メトキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコールモノアリルエーテル、及びポリアルキレングリコールモノアリルエーテルマレイン酸ハーフエステルから選ばれる1種以上の単量体と、エチレン性不飽和カルボン酸から選ばれる1種以上の単量体とを構成単量体として含む共重合体が好ましい。なかでも、アルキレンオキサイドの平均付加モル数が100モル超、更に110〜200のメトキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸とを構成単量体として含む共重合体が好ましい。(メタ)アクリレートは、メタアクリレート又はアクリレートの意味である。
【0030】
共重合体(B)の重量平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法/ポリエチレンオキサイド換算)は、500〜200000、更に1000〜150000、特に2000〜120000が好ましい。
【0031】
<水硬性組成物用混和剤>
本発明の水硬性組成物用混和剤において、重合体(A)と共重合体(B)の重量比は、(A)/(B)=10/90〜90/10、更に20/80〜80/20、特に30/70〜70/30が好ましい。
【0032】
また、本発明の水硬性組成物用混和剤中の重合体(A)と共重合体(B)の合計の比率は10〜100重量%、更に50〜100重量%であることが好ましい。
【0033】
また、本発明の水硬性組成物用混和剤は、重合体(A)と共重合体(B)の合計で、水硬性粉体の重量に対して0.001〜4重量%、更に0.01〜2重量%、特に0.05〜1重量%の比率で用いられることが好ましい。
【0034】
本発明の水硬性組成物用混和剤には、他の分散剤を併用してもよい。該分散剤とは一般にコンクリート用混和剤として使用されているものであればよいが、グルコン酸ナトリウム等のオキシカルボキシル基もしくはその塩、ナフタレンスルホン酸塩ホルムアルデヒド縮合物、メラミンスルホン酸塩ホルムアルデヒド縮合物、ポリカルボン酸もしくはそのエステルもしくはその塩、精製リグニンスルホン酸もしくはその塩、ポリスチレンスルホン酸塩、フェノール骨格を有するセメント分散剤(例えば、フェノールスルホン酸と共重合可能な他の単量体とのホルムアルデヒド共縮合物)、アニリンスルホン酸を主成分とするセメント分散剤(例えば、アニリンスルホン酸と共縮合可能な他の単量体とのホルムアルデヒド共縮合物)など、従来高性能減水剤と称されるものが好ましく使用される。
【0035】
また、本発明の水硬性組成物用混和剤は公知の添加剤(材)と併用することができる。一例を挙げれば、AE剤、AE減水剤、流動化剤、高性能減水剤、遅延剤、早強剤、促進剤、起泡剤、保水剤、増粘剤、防水剤、消泡剤、水溶性高分子、界面活性剤各種等や珪砂、高炉スラグ、フライアッシュ、シリカフューム等が挙げられる。
【0036】
<水硬性組成物>
本発明の水硬性組成物用混和剤は、水硬性粉体を含有するセメントペーストやモルタル、コンクリートを構成する各種水硬性組成物に添加するものであり、その内容については限定されるものではない。
【0037】
本発明の水硬性組成物用混和剤は土木、建築、二次製品等のセメント類の水硬性組成物に使用するもので、特に限定するものではない。本発明の混和剤が良好に機能する水硬性組成物は、水、セメント、骨材を含有するモルタル又はコンクリートである。セメントとして、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメントが挙げられる。本発明の水硬性組成物には、セメント以外の水硬性粉体として、高炉スラグ、フライアッシュ、シリカヒューム等が含まれてよく、また、非水硬性の石灰石微粉末等が含まれていてよい。セメントと混合されたシリカヒュームセメントや高炉セメントを用いてもよい。セメント以外の水硬性粉体としては、水硬性組成物の混練後の流動性の観点から、シリカヒュームが含まれることがより好ましい。
【0038】
また、骨材のうち、細骨材は山砂、陸砂、川砂、砕砂が好ましく、粗骨材は山砂利、陸砂利、川砂利、砕石が好ましい。用途によっては、軽量骨材を使用してもよい。
【0039】
本発明の水硬性組成物用混和剤は、コンクリート建造物やコンクリート製品に使用できる。
【0040】
【発明の効果】
本発明の水硬性組成物用混和剤は、水硬性粉体の品質が変動しても流動保持性の変動を抑制できると共に流動保持性を容易に予測でき、工程管理などの面で有用である。また、本発明の水硬性組成物用混和剤は、水硬性組成物の凝結遅延の抑制効果に優れる。
【0041】
【実施例】
<製造例1>
特開平11−139855号公報の実施例2に基づき、重量平均分子量20000のポリエチレンオキサイド100重量部、無水コハク酸2重量部、無水マレイン酸115重量部、アクリル酸6重量部を用いて、重量平均分子量32500の親水性グラフト重合体を製造した。
【0042】
<製造例2>
欧州特許第0271435号明細書のEXAMPLE1に従って、以下の条件でアクリル酸とオキシエチレン/オキシプロピレンコポリマーのグラフト重合体を製造した。すなわち、反応容器に80gの水酸基末端封止オキシエチレン/オキシプロピレンコポリマー(Pluracol-W5100N, BASF Wyandotte Corporation, 重量平均分子量4600)を仕込み、窒素雰囲気下、145℃で1時間かけて、20gのアクリル酸、1gのt−ブチルパーベンゾエートを添加した。添加終了後、145℃、1時間で加温しつづけた。反応物を9gの水酸化ナトリウムと130gの水と混合し、均一な水溶液を得た。該水溶液は固形分が42重量%、pHが9.0であった。
【0043】
<モルタル配合及び調製>
モルタル配合は、水320g、セメント800g、砂1500gとした。砂は珪砂2号15.1重量%、珪砂4号31.1重量%、珪砂5号29.0重量%、珪砂7号20.0重量%、珪砂8号3.1重量%及び珪砂粉末S1.7重量%の混合砂を、表面乾燥状態で用いた。セメントは、メーカー、LOTの異なる10種の普通ポルトランドセメントを用いた(太平洋セメント社から5LOT、住友大阪セメント社から3LOT、宇部三菱セメント社から2LOT)。
【0044】
モルタルは、モルタルミキサーを使用して、上記の配合成分を混練(63rpm、90秒)して調製した。その際、初期のモルタルフローが230mm±10mmとなるように、後述の混和剤の添加量を調整した。
【0045】
<混和剤>
重合体(A)として表1のものを、共重合体(B)として表2のものを、表3の組み合わせで用いた。なお、表3には、便宜的に本発明の範囲外の参考例も示した。
【0046】
【表1】
Figure 0004610860
【0047】
(注)表1中、Mwは重量平均分子量である(以下同様)。
【0048】
【表2】
Figure 0004610860
【0049】
(注)表2中、EOの次の数字は平均付加モル数である。なお、b−7は、以下の製造例3により得られたものである。
【0050】
製造例3
(1)単量体
単量体として下記のものを用い、下記製造方法により、共重合体を製造した。
・A−1:メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(エチレンオキサイド平均付加モル数=9、重量平均分子量496)
・A−2:メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(エチレンオキサイド平均付加モル数=120、重量平均分子量5380)
・B−1:メタクリル酸
(2)共重合体(b−7)の製造
ガラス製反応容器に水1107重量部を仕込み、窒素雰囲気下で70℃まで昇温した。次に、単量体A−1を179重量部、単量体A−2を343重量部、単量体B−1を101重量部、水を281重量部混合した単量体混合液(1)と10%−2−メルカプトエタノール水溶液41.0重量部と10%−過硫酸アンモニウム水溶液36.5重量部の3液を同時に55分間滴下し共重合反応を行い、ついで、この反応系に単量体A−1を76重量部、単量体A−2を124重量部、単量体B−1を25.7重量部、水を103重量部混合した単量体混合液(2)と10%−2-メルカプトエタノール水溶液12.0重量部と10%−過硫酸アンモニウム水溶液10.8重量部の3液を同時に20分間滴下し共重合反応を行い、更に、単量体A−1を62重量部、単量体A−2を94重量部、単量体B−1を15重量部、水を78重量部混合した単量体混合液(3)と10%−2−メルカプトエタノール水溶液18重量部と10%−過硫酸アンモニウム水溶液7.2重量部の3液を同時に15分間滴下し共重合反応を行い、合計90分間の反応を行った。滴下終了後、同温で1時間熟成し、10%−過硫酸アンモニウム水溶液27.3重量部を10分間かけて滴下した後、70℃で2時間熟成させ重合反応を完結させた。更に48%−水酸化ナトリウム水溶液59重量部を加えて中和し、共重合体(b−7)を得た。
【0051】
<評価>
(1)流動保持性
10LOTのセメントについて、それぞれ上記条件でのモルタル練り始めから30分後のモルタルフロー値(F30)を測定し、初期フロー値(F0)に対する百分率〔(F30/F0)×100〕を算出し、その平均値を算出した。その際の標準偏差を計算した。結果を表3に示す。この評価では、流動保持率が70%程度以上で実用上問題ないレベルである。また、標準偏差が10以下であるとLOTの相違による流動保持率の変動のバラツキが少なく、実用上有利である。
【0052】
(2)水和発熱ピーク時間
10LOTのセメントについて、それぞれカロリーメーターTCC2−6で接水後のモルタルの発熱ピーク時間を測定し、その平均値を表3に示した。この時間が800分以下であれば、凝結遅延がなく適正であり、700分以下がより好ましい。なお、混和剤を用いない場合は600分程度である。
【0053】
【表3】
Figure 0004610860

Claims (5)

  1. 下記(A)及び(B)を含有し、(A)と(B)の重量比が(A)/(B)=20/80〜80/20である、水硬性組成物用混和剤(分子内に少なくとも1つの窒素原子を有すると共に、オキシエチレン基と炭素数3以上のオキシアルキレン基とを有し、炭素原子が5個以上連続して結合している脂肪族炭化水素構造を有するポリオキシアルキレン系化合物からなる消泡剤を含有するものを除く)。
    (A)ポリエチレンオキサイドに、エチレン系不飽和カルボン酸もしくはその無水物を、グラフト重合してなる重合体又はその塩。
    (B)アルキレンオキサイド由来の構成単位を含む側鎖と、エチレン系不飽和カルボン酸由来の構成単位を含む主鎖とを有する、ポリカルボン酸系共重合体又はその塩
  2. (A)が、ポリエチレンオキサイドにアクリル酸及びマレイン酸をグラフト重合してなる重合体である請求項1記載の水硬性組成物用混和剤。
  3. (B)が、メトキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコールモノアリルエーテル、及びポリアルキレングリコールモノアリルエーテルマレイン酸ハーフエステルから選ばれる1種以上の単量体と、エチレン性不飽和カルボン酸から選ばれる1種以上の単量体とを共重合して得られる共重合体又はその塩である請求項1又は2記載の水硬性組成物用混和剤。
  4. (B)が、平均付加モル数が100モル以上のアルキレンオキサイド由来の構成単位を含む側鎖を有する請求項3記載の水硬性組成物用混和剤。
  5. (B)が、主鎖を構成するエチレン系不飽和カルボン酸(U m )と側鎖と共に主鎖を構成するエチレン系単量体(U b )の比率(モル比)が、U m /U b =95/5〜57.9/42.1のポリカルボン酸系共重合体又はその塩である請求項1〜4の何れか1項記載の水硬性組成物用混和剤。
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