JP4620577B2 - 光コヒーレンス断層画像測定方法および装置 - Google Patents

光コヒーレンス断層画像測定方法および装置 Download PDF

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Description

本発明は、光パルスを用いて例えば物体の内部構造を可視化する光コヒーレンス断層画像測定方法および装置に関するものである。
眼球、内臓等の生体器官の機能の解明のために、その組織構造を生体内で計測できるようなシステムが必要とされている。それらの目的のために、現在、光コヒーレンス断層画像(Optical Coherence Tomography、OCT)装置が広く使用されている。光コヒーレンス断層画像(OCT)測定装置は、広帯域で時間的に低コヒーレンスである光源を用いたマイケルソン干渉計型の装置である。マイケルソン干渉計を利用した光コヒーレンス断層画像(OCT)測定装置では、被計測試料(物体)からの光を物体光、もう一方の光路の光を参照光とし、これら物体光と参照光の二つの光を干渉させることで物体光の時間的なコヒーレンス情報を読み出し、このコヒーレンス情報から被計測試料(物体)の深さ方向の構造を検出する。従来技術として、このような方式の光コヒーレンス断層画像測定装置が開示されている(例えば特許文献1、特許文献2参照)。
このような光コヒーレンス断層画像測定装置によれば、チタンサファイアレーザ等の低コヒーレンス光源を用いることにより、深さ方向で10μm以下の高空間分解能の性能を得ることが可能となっている。現在、光コヒーレンス断層画像測定装置は、生体眼の網膜の断層構造を非侵襲的に光学組織切片に近い精度で画像化することができる。しかし、上記のように低コヒーレンス光源を利用するため、被計測試料(物体)の水平方向の2次元空間分解能の性能は数10μm程度である。したがって、光細胞診断のような1μm以下の2次元空間分解能を必要とする画像診断に光コヒーレンス断層画像測定装置を利用することはできない。
水平方向の空間分解能を向上させる技術として、ピコ秒レーザを使用した材料の非線形特性から回折限界以上に空間分解能を向上させる顕微鏡技術が報告されている(例えば非特許文献1参照)。この技術では、2波長のレーザ(励起用と消去用のレーザ)を使用することにより、従来の蛍光顕微鏡よりも高分解能な顕微鏡を実現している。空間分解能を向上させる方法は以下のとおりである。まず、励起レーザを試料に照射して上準位に励起する。無放射遷移し、下準位に落ちる際、ビームウエストの位置ではドーナツ状の光電界分布をしているため、ビーム周辺部は誘導放出が起こり、ビーム中心部は蛍光放射が観測される。その結果、回折限界以下の蛍光を観測することが可能となる。
光コヒーレンス断層画像における垂直方向の分解能Lは、L=λ/Δλ(λは中心波長、Δλはレーザスペクトル幅)と表せる。したがって、垂直方向に高分解能な断層画像を取得するには、広帯域なスペクトル幅をもつレーザパルス(例えば、フェムト秒チタンサファイアレーザ)を使用しなければならない。現在では、半値全幅が200nm程度のスペクトル帯域を持つチタンサファイアレーザを使用し、垂直方向に高分解能な光断層画像が得られている(例えば非特許文献2参照)。従来の技術では、λ/2遅延板や光空間変調器等を使用し、レーザパルス包絡線に空間長にしてλ/2の遅延時間を与える。そのレーザパルスは、光搬送波電界位相が擬似的に反転したレーザパルスとなる。それらのレーザパルスを重ねることにより、ビーム中心部の光電界がゼロになり、リング状のビームプロファイルができる。
近年の可視・近赤外波長領域の極短パルスレーザ技術によって、パルスの半値全幅(パルス幅)が光の振動時間に極めて近い極短光パルスを容易に生成することができる。この極短光パルス中における電界振動の位相は、光搬送波絶対位相と呼ばれ、ΔφCEで定義される。図6に光パルスの電界(光搬送波電界)Eと、時間0で尖頭値をとる電界振動のパルス包絡線ENVを示す。図6に示すように光パルスの強度波形の尖頭値に対応する時刻と電界振動の極大値に対応する時刻との時間差がΔφCEである。極短レーザパルスでは、λ/2遅延板や光空間変調器等を使用して光搬送波電界位相を擬似的に反転させたとしても、ビーム中心部の光電界を完全にゼロにすることはできない。図7の例では、遅延時間0のレーザパルスと遅延時間π/2のレーザパルスとが電界0の横軸に対して線対称になっていないため、これらのレーザパルスを重ねたとしても、光電界はゼロにならないことが分かる。
そこで、極短レーザパルスを使用し、ビーム中心部の光電界を完全にゼロにするには、光パルス間の光搬送波絶対位相のずれを一定にする技術が必要となる。通常の光パルスにおいて各パルス間の光搬送波絶対位相のシフト量は一定でない。近年、各パルス間の光搬送波絶対位相のシフト量を一定にする制御技術が確立された(例えば非特許文献3参照)。この制御技術を利用すると、完全に位相が反転したレーザパルスを作ることができる。この制御技術を利用して、図8に示すように光搬送波電界位相が完全に反転したレーザパルスを重ねることにより、極短パルスレーザのビーム中心部の光電界を完全にゼロにすることができる。
特許第3539726号公報 特許第3626110号公報 M.Dyba et al.,「Focal Spots of Size λ/23 Open Up Far-Field Florescence Microscopy at 33 nm Axial Resolution」,PHYSICAL REVIEW LETTERS,2002,Vol.88,No.16 A.D.Aguirre et al.,「High-resolution optical coherence microscopy for high-speed,in vivo cellular imaging」,OPTICS LETTERS,2003,Vol.28,No.21,p.2064-2066 D.J.Jones et al.,「Carrier-Envelope Phase Control of Femtosecond Mode-Locked Lasers and Direct Optical Frequency Synthesis」,SCIENCE,2000,Vol.288,p.635-639
以上のように、チタンサファイアレーザ等の低コヒーレンス光源を用いた従来の光コヒーレンス断層画像測定方法では、水平方向の2次元空間分解能は数10μm程度であり、光細胞診断等に利用するには水平方向の2次元空間分解能を更に向上させる必要があった。しかし、光コヒーレンス断層画像測定方法において水平方向の2次元空間分解能を向上させる方法は現時点では確立されていない。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、その目的は光コヒーレンス断層画像測定方法および装置において水平方向の2次元空間分解能を向上させることである。
本発明の光コヒーレンス断層画像測定方法は、光パルス出力手段から放射された光パルスを2分して、一方を被計測試料への照射光とし、他方を参照光とする分離ステップと、前記照射光から第1、第2の2種類のビームプロファイルの光パルスを順次生成する生成ステップと、前記被計測試料に順次照射された前記2種類のビームプロファイルの光パルスによる前記被計測試料からの反射光と前記参照光との干渉強度をビームプロファイル毎に測定する干渉強度測定ステップと、前記第1のビームプロファイルの光パルスによって得られた前記干渉強度と前記第2のビームプロファイルの光パルスによって得られた前記干渉強度との差分値を算出する干渉強度差分算出ステップと、前記干渉強度の差分値を記憶する記憶ステップと、前記参照光の光路長を所定量変化させる光路長制御ステップとを、前記参照光の光路長を変化させながら繰り返し行い、前記記憶ステップで記憶した一連の干渉強度の差分値を光断層画像として出力する光コヒーレンス断層画像測定方法であって、前記2種類のビームプロファイルの光パルスは、ビームの中心部と周辺部の光搬送波絶対位相差が0の光パルスと前記光搬送波絶対位相差がπの光パルスであることを特徴とするものである。
また、本発明の光コヒーレンス断層画像測定方法の1構成例において、前記光パルス出力手段から放射される光パルスは、光パルス間の光搬送波絶対位相のシフト量が一定値に固定されたものである
また、本発明の光コヒーレンス断層画像測定装置は、光パルス出力手段と、この光パルス出力手段から放射された光パルスを2分して、一方を被計測試料への照射光とし、他方を参照光とするビームスプリッタと、前記照射光から第1、第2の2種類のビームプロファイルの光パルスを順次生成する生成手段と、前記被計測試料に順次照射された前記2種類のビームプロファイルの光パルスによる前記被計測試料からの反射光と前記参照光との干渉強度をビームプロファイル毎に測定する光検出手段と、前記第1のビームプロファイルの光パルスによって得られた前記干渉強度と前記第2のビームプロファイルの光パルスによって得られた前記干渉強度との差分値を算出する干渉強度差分算出手段と、前記干渉強度の差分値を記憶する記憶手段と、前記参照光の光路長を所定量変化させる光路長制御手段とを有し、前記参照光の光路長を変化させながら前記干渉強度の差分値算出を繰り返し行い、前記記憶手段に記憶された一連の干渉強度の差分値を光断層画像として出力する光コヒーレンス断層画像測定装置であって、前記2種類のビームプロファイルの光パルスは、ビームの中心部と周辺部の光搬送波絶対位相差が0の光パルスと前記光搬送波絶対位相差がπの光パルスであることを特徴とするものである。
本発明によれば、2種類のビームプロファイルの光パルスを生成して、第1のビームプロファイルの光パルスによって得られた干渉強度と第2のビームプロファイルの光パルスによって得られた干渉強度との差分値を算出することにより、光パルスの回折限界以下の水平方向分解能を有する光断層画像を得ることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明の実施の形態に係る光コヒーレンス断層画像測定装置の構成を示すブロック図である。この光コヒーレンス断層画像測定装置は、光パルス出力手段である極短パルスレーザ装置1と、ビームスプリッタ3,4と、偏光ビームスプリッタ5と、2種類のビームプロファイルの光パルスを生成する生成手段である照射光ビームプロファイル生成装置6と、集光用光学素子12と、参照光の光路長を所定量変化させる光路長制御手段である第1の光遅延機構14と、光検出器15と、コンピュータ16と、偏光回転素子19とから構成される。ビームスプリッタ4と集光用光学素子12と偏光ビームスプリッタ5と光検出器15と偏光回転素子19とは、被計測試料13からの反射光と参照光との干渉強度を測定する光検出手段を構成し、コンピュータ16は、干渉強度の差分値を算出する干渉強度差分算出手段と干渉強度の差分値を記憶する記憶手段とを構成している。
極短パルスレーザ装置1は、光パルス間の光搬送波絶対位相のシフト量がπに固定された直線偏光の極短パルスレーザ光2を放射する。光搬送波絶対位相のシフト量をπに固定する技術としては、例えば非特許文献3に開示された技術を利用することができる。
ビームスプリッタ3は、極短パルスレーザ装置1から放射された極短パルスレーザ光2を被計測試料13への照射光と光遅延機構14に向かう参照光とに分離する。
照射光ビームプロファイル生成装置6は、2種類のビームプロファイルを生成するために、真空容器内にマイケルソン干渉計型の光学系が構成されている。照射光ビームプロファイル生成装置6の真空容器内に入射した極短パルスレーザ光2は、まずビームスプリッタ7で反射光と透過光に分けられる。ビームスプリッタ7は、図2に示すように同じ材質と厚さの基板70と71に分岐面72が挟まれた構造をしている。この構造は、反射光と透過光の分散値を等しくすることを考慮したものである。
ビームスプリッタ7の反射光はミラー8,9からなる第2の光遅延機構に入射し、ビームスプリッタ7の透過光はミラー10,11からなる第3の光遅延機構に入射する。第2の光遅延機構に入射した反射光は、ミラー8と9との間で反射を繰り返した後にビームスプリッタ7に戻る。同様に、第3の光遅延機構に入射した透過光は、ミラー10と11との間で反射を繰り返した後にビームスプリッタ7に戻る。反射光と透過光でレーザパルスの分散値を等しくするため、ミラー8と9との間の反射回数とミラー10と11との間の反射回数が等しくなるように設定されている。
また、ミラー8と9との間の光路上には、ビーム中心部を遮断するドット17が設置され、一方、ミラー10と11との間の光路上には、ビーム周辺部を遮断するアパチャ18が設置されている。第2の光遅延機構から戻ったパルスレーザ光と第3の光遅延機構から戻ったパルスレーザ光とは、ビームスプリッタ7で合成され、照射光ビームプロファイル生成装置6から放出される。
ここで、2種類のビームプロファイルは、第2の光遅延機構を通る光と第3の光遅延機構を通る光の光路長差によって生成される。第1のビームプロファイルのパルスレーザ光は、レーザ繰り返し周波数の2(N−1)(Nは自然数)倍の光路長差で生成され、第2のビームプロファイルのパルスレーザ光は、レーザ繰り返し周波数の2N−1倍の光路長差で生成される。レーザ繰り返し周波数の2(N−1)倍の光路長差をつけた場合、ビームの中心部と周辺部の光搬送波絶対位相の差はゼロとなる。一方、レーザ繰り返し周波数の2N−1倍の光路長差をつけた場合、ビームの中心部と周辺部の光搬送波絶対位相の差はπとなる。
真空容器内のミラー8,9の位置またはミラー10,11の位置は、後述するコンピュータ16からの指示に応じて調整可能である。これにより、照射光ビームプロファイル生成装置6は、第2の光遅延機構を通る光と第3の光遅延機構を通る光の光路長差をレーザ繰り返し周波数の2(N−1)倍又は2N−1倍のいずれか一方に設定(すなわち、ビームプロファイルを第1のビームプロファイル又は第2のビームプロファイルのいずれか一方に設定)することができる。
照射光ビームプロファイル生成装置6で生成されたパルスレーザ光は、ビームスプリッタ4を透過する。
集光用光学素子12は、ビームスプリッタ4を透過した第1のビームプロファイルのパルスレーザ光又は第2のビームプロファイルのパルスレーザ光を集光して被計測試料13へ照射する。
ビーム中心部と周辺部の位相差がゼロである第1のビームプロファイルのパルスレーザ光を被計測試料13ヘ照射した場合、被計測試料13上の集光スポット形状は図3(a)に示すように円形となる。一方、ビーム中心部と周辺部の位相差がπである第2のビームプロファイルのパルスレーザ光を被計測試料13ヘ照射した場合、集光時に中心部で光搬送波絶対位相が反転したレーザパルスが重なるため、被計測試料13上の集光スポット形状は図3(b)に示すように円環形となる。
なお、光学系のばらつきによっては集光スポット形状が円形や円環形にならない場合もあるが、このような場合には、パルスレーザ光の光路長を調整する手段を集光用光学素子12に設けるようにしてもよい。これにより、ビームウエストが被計測試料13の表面に位置するように調整することができ、集光スポット形状を円形又は円環形にすることができる。
次に、被計測試料13からの反射光は、集光用光学素子12を再び通過して、ビームスプリッタ4で反射され、偏光ビームスプリッタ5に入射する。
一方、第1の光遅延機構14は、ビームスプリッタ3で反射した参照光の光路長を後述するコンピュータ16からの指示に応じて調整可能な機能を有する。
偏光回転素子19は、第1の光遅延機構14を通過した参照光の偏光面を回転させる。このとき、偏光回転素子19は、被計測試料13からの反射光と第1の光遅延機構14を通過した参照光との干渉強度が最大になるように回転角があらかじめ調整されている。
偏光ビームスプリッタ5は、被計測試料13からの反射光と偏光回転素子19を通過した参照光とを合成する。
光検出器15は、偏光ビームスプリッタ5で合成された反射光と参照光の干渉強度を測定する。この光検出器15は例えば光電子増倍管あるいは半導体光検出器で構成される。
図4にコンピュータ16の1構成例を示す。コンピュータ16は、ビームプロファイル選択部21と、光遅延制御部22と、干渉強度記憶部23と、干渉強度差分算出部24と、光断層画像出力部25とを有する。
ビームプロファイル選択部21は、第1、第2のビームプロファイルのうちいずれか一方のビームプロファイルを選択して、選択したビームプロファイルのパルスレーザ光を出力するよう照射光ビームプロファイル生成装置6に指示する。
光遅延制御部22は、参照光の光路長を所定量だけ変更するよう第1の光遅延機構14に指示する。
干渉強度記憶部23は、光検出器15で測定された干渉強度の値を記憶すると共に、干渉強度差分算出部24で算出された干渉強度の差分値を記憶する。
干渉強度差分算出部24は、第1のビームプロファイルのパルスレーザ光を被計測試料13に照射したときの干渉強度と第2のビームプロファイルのパルスレーザ光を被計測試料13に照射したときの干渉強度との差分値を算出する。
光断層画像出力部25は、参照光の光路長を変更しつつ算出した一連の干渉強度の差分値を光断層画像として出力する。
以上のようなコンピュータ16は、CPU、記憶装置およびインタフェースを備えたハードウェアとこれらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。CPUは、記憶装置に格納されたプログラムに従って処理を実行する。
次に、本実施の形態の光コヒーレンス断層画像測定装置の動作を図5を用いて説明する。まず、コンピュータ16のビームプロファイル選択部21は、第1、第2のビームプロファイルのうちいずれか一方のビームプロファイルを選択して、選択したビームプロファイルのパルスレーザ光を出力するよう照射光ビームプロファイル生成装置6に指示する(図5ステップS1)。
極短パルスレーザ装置1は、極短パルスレーザ光2を放射する。照射光ビームプロファイル生成装置6は、ビームスプリッタ3を経由して入射した極短パルスレーザ光2から、ステップS1で選択されたビームプロファイルのパルスレーザ光を生成する。照射光ビームプロファイル生成装置6で生成されたパルスレーザ光は、ビームスプリッタ4と集光用光学素子12を経由して被計測試料13に照射される(ステップS2)。
被計測試料13へ照射されたレーザパルスの反射光は、偏光ビームスプリッタ5で参照光と干渉する。干渉強度記憶部23は、光検出器15で測定された干渉強度の値を記憶する(ステップS3)。
次に、ビームプロファイル選択部21は、全てのビームプロファイルで干渉強度を測定したかどうかを判定する(ステップS4)。例えば第2のビームプロファイルを選択していない場合、ビームプロファイル選択部21は、ステップS1に戻って第2のビームプロファイルを選択し、第2のビームプロファイルのパルスレーザ光を出力するよう照射光ビームプロファイル生成装置6に指示する。
前述と同様にステップS2,S3の処理により干渉強度の値が干渉強度記憶部23に記憶される。こうして、第1、第2のビームプロファイルを順次選択して、2種類のビームプロファイルについてそれぞれ干渉強度を測定し終えるまで、ステップS1〜S4の処理が繰り返される。
2種類のビームプロファイルの干渉強度のデータを取得した後(ステップS4においてYES)、干渉強度差分算出部24は、第1のビームプロファイルのパルスレーザ光を被計測試料13に照射したときの干渉強度と第2のビームプロファイルのパルスレーザ光を被計測試料13に照射したときの干渉強度との差分値を算出する(ステップS5)。この干渉強度の差分値は、レーザパルスの回折限界以下の空間からの干渉信号に相当するものである。干渉強度記憶部23は、干渉強度の差分値を記憶する(ステップS6)。
続いて、光遅延制御部22は、第1の光遅延機構14に指示して、参照光の光路長を所定量だけ変化させる(ステップS7)。
次に、ビームプロファイル選択部21は、所定回数測定し終えたかどうかを判定する(ステップS8)。この所定回数は、所定の測定範囲を光遅延機構14の1回あたりの光路長変化量で割った値である。こうして、所定回数測定し終えるまで、ステップS1〜S8の処理が繰り返され、参照光の光路長を増加または減少させながら、参照光の光路長が変化する度に干渉強度の差分値を算出して記憶する。
所定回数測定し終えた場合(ステップS8においてYES)、光断層画像出力部25は、干渉強度記憶部23に記憶された一連の干渉強度の差分値を光断層画像として出力する(ステップS9)。以上で測定が終了する。
本実施の形態では、参照光の光路長を被計測試料13の深部位置に対応して変化させ、参照光の光路長と被計測試料13の深層の反射点までの光路長とが一致したときのみ、最大の干渉信号が得られることを利用して、光断層画像として得ることができる。また、本実施の形態では、光パルス間の光搬送波絶対位相のシフト量が一定値に固定された極短パルスレーザ光を使用し、この極短パルスレーザ光から2種類のビームプロファイルのパルスレーザ光を生成して、第1のビームプロファイルの光パルスによって得られた干渉強度と第2のビームプロファイルの光パルスによって得られた干渉強度との差分値を算出することにより、光パルスの回折限界以下の水平方向分解能を有する光断層画像を得ることが可能である。
本発明は、光コヒーレンス断層画像測定装置に適用することができる。
本発明の実施の形態に係る光コヒーレンス断層画像測定装置の構成を示すブロック図である。 図1の光コヒーレンス断層画像測定装置における照射光ビームプロファイル生成装置で使用するビームスプリッタの構造を示す断面図である。 本発明の実施の形態において被計測試料へ照射されるレーザパルスの集光スポット形状を示す図である。 図1の光コヒーレンス断層画像測定装置におけるコンピュータの1構成例を示すブロック図である。 図1の光コヒーレンス断層画像測定装置の動作を示すフローチャートである。 時間領域における極短光パルスの光搬送波絶対位相を説明するための図である。 遅延時間を与えて光搬送波電界位相を反転させた場合の極短光パルスの光電界を示す図である。 光パルス間の光搬送波絶対位相のシフト量を一定にする制御技術を使用して光搬送波絶対位相を反転させた場合の極短光パルスの光電界を示す図である。
符号の説明
1…極短パルスレーザ装置、2…極短パルスレーザ光、3,4,7…ビームスプリッタ、5…偏光ビームスプリッタ、6…照射光ビームプロファイル生成装置、8,9,10,11…ミラー、12…集光用光学素子、13…被計測試料、14…光遅延機構、15…光検出器、16…コンピュータ、17…ドット、18…アパチャ、19…偏光回転素子、21…ビームプロファイル選択部、22…光遅延制御部、23…干渉強度記憶部、24…干渉強度差分算出部、25…光断層画像出力部。

Claims (4)

  1. 光パルス出力手段から放射された光パルスを2分して、一方を被計測試料への照射光とし、他方を参照光とする分離ステップと、
    前記照射光から第1、第2の2種類のビームプロファイルの光パルスを順次生成する生成ステップと、
    前記被計測試料に順次照射された前記2種類のビームプロファイルの光パルスによる前記被計測試料からの反射光と前記参照光との干渉強度をビームプロファイル毎に測定する干渉強度測定ステップと、
    前記第1のビームプロファイルの光パルスによって得られた前記干渉強度と前記第2のビームプロファイルの光パルスによって得られた前記干渉強度との差分値を算出する干渉強度差分算出ステップと、
    前記干渉強度の差分値を記憶する記憶ステップと、
    前記参照光の光路長を所定量変化させる光路長制御ステップとを、
    前記参照光の光路長を変化させながら繰り返し行い、前記記憶ステップで記憶した一連の干渉強度の差分値を光断層画像として出力する光コヒーレンス断層画像測定方法であって、
    前記2種類のビームプロファイルの光パルスは、ビームの中心部と周辺部の光搬送波絶対位相差が0の光パルスと前記光搬送波絶対位相差がπの光パルスであることを特徴とする光コヒーレンス断層画像測定方法。
  2. 請求項1に記載の光コヒーレンス断層画像測定方法において、
    前記光パルス出力手段から放射される光パルスは、光パルス間の光搬送波絶対位相のシフト量が一定値に固定されていることを特徴とする光コヒーレンス断層画像測定方法。
  3. 光パルス出力手段と、
    この光パルス出力手段から放射された光パルスを2分して、一方を被計測試料への照射光とし、他方を参照光とするビームスプリッタと、
    前記照射光から第1、第2の2種類のビームプロファイルの光パルスを順次生成する生成手段と、
    前記被計測試料に順次照射された前記2種類のビームプロファイルの光パルスによる前記被計測試料からの反射光と前記参照光との干渉強度をビームプロファイル毎に測定する光検出手段と、
    前記第1のビームプロファイルの光パルスによって得られた前記干渉強度と前記第2のビームプロファイルの光パルスによって得られた前記干渉強度との差分値を算出する干渉強度差分算出手段と、
    前記干渉強度の差分値を記憶する記憶手段と、
    前記参照光の光路長を所定量変化させる光路長制御手段とを有し、
    前記参照光の光路長を変化させながら前記干渉強度の差分値算出を繰り返し行い、前記記憶手段に記憶された一連の干渉強度の差分値を光断層画像として出力する光コヒーレンス断層画像測定装置であって、
    前記2種類のビームプロファイルの光パルスは、ビームの中心部と周辺部の光搬送波絶対位相差が0の光パルスと前記光搬送波絶対位相差がπの光パルスであることを特徴とする光コヒーレンス断層画像測定装置。
  4. 請求項3に記載の光コヒーレンス断層画像測定装置において、
    前記光パルス出力手段は、光パルス間の光搬送波絶対位相のシフト量が一定値に固定された光パルスを放射することを特徴とする光コヒーレンス断層画像測定装置
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