JP4651920B2 - 半導体装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体装置に関し、特に、インダクタを有した半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
シリコン基板上に埋め込み酸化膜およびSOI(Silicon On Insulator)層が配設されたSOI基板に形成されるSOI構造の半導体装置(以後、SOIデバイスと呼称)は、寄生容量を低減でき、高速で安定な動作および低消費電力という特徴を有し、携帯機器などに使用されている。
【0003】
SOIデバイスの一例としては、SOI層の表面内に埋め込み酸化膜に達するトレンチを設け、該トレンチ内に絶縁物を埋め込むことで形成された完全トレンチ分離絶縁膜により、素子間を電気的に分離する完全トレンチ分離(FTI)構造のSOIデバイスがある。しかし、衝突電離現象によって発生するキャリア(NMOSではホール)がチャネル形成領域に溜まり、これによりキンクが発生したり、動作耐圧が劣化したり、また、チャネル形成領域の電位が安定しないために遅延時間の周波数依存性が発生する等の基板浮遊効果により生ずる種々の問題点があった。
【0004】
そこで考案されたのが、トレンチの底部と埋め込み酸化膜との間に所定厚さのSOI層が残るようにSOI層の表面内にトレンチを形成し、該トレンチ内に絶縁物を埋め込むことで形成されたパーシャルトレンチ分離(PTI)構造である。
【0005】
PTI構造の採用により、トレンチ分離絶縁膜の下部のウエル領域を通じてキャリアの移動が可能であり、キャリアがチャネル形成領域に溜まるということを防止でき、またウエル領域を通じてチャネル形成領域の電位を固定することができるので、基板浮遊効果による種々の問題が発生しない。このようなPTI構造については、非特許文献1および2に記載されている。
【0006】
ところがPTI構造を採用するSOIデバイスにおいて、スパイラルインダクタ(インダクタンス素子)を備える場合、インダクタの下部にPTI構造が存在すると、スパイラルインダクタに流れる電流により、トレンチの底部と埋め込み酸化膜との間のSOI層(シリコン層)において渦電流が発生し電磁誘導損失を被ることになる。このため、インダクタの性能を表すQ値(インダクタに蓄えられるエネルギーを、各種損失で割った値)が減少するので、スパイラルインダクタの下部においてはPTI構造を設けず、スパイラルインダクタの下部に対応するSOI層の全領域に完全トレンチ分離絶縁膜を配設するようにしていた。
【0007】
ここで、スパイラルインダクタは、その一辺が数10μm〜数100μmの長さを有する矩形状の外形を有するが、上述したような完全トレンチ分離絶縁膜を配設すると、スパイラルインダクタの下部には、スパイラルインダクタの配設面積に相当する広い領域に渡って、何のパターンも有さない領域が存在することとなる。
【0008】
そして、このような構造を採用する場合、完全トレンチ分離絶縁膜の形成時にCMP(Chemical Mechanical Polishing)処理を行うと、完全トレンチ分離絶縁膜が所望の研磨量よりも過剰に除去され、完全トレンチ分離酸化の厚みが中央部になるほど薄くなる、いわゆるディッシングが発生する。
【0009】
このようなディッシングの発生を防止するには、従来は、例えば特許文献1に開示されるように、スパイラルインダクタの配設領域の下部およびその周辺に、複数のダミー素子領域を分散配置する構成が提案されていた。
【0010】
【非特許文献1】
Y.ヒラノ(Y.Hirano) 他 1999 IEEE International SOI Conference,「バルク-レイアウト-コンパチブル 0.18μm SOI-CMOS テクノロジ ユージング ボディフィクスド パーシャルトレンチアイソレーション(PTI)」(Bulk-Layout-Comopatible 0.18μm SOI-CMOS Technology Using Body-Fixed Partial Trench Isolation(PTI)) p.131-132
【非特許文献2】
S.マエダ(S.Maeda)他 2000 Symposium on VLSI Technology Digest of Technical Papers,「インパクト オブ 0.18μm SOI CMOSテクノロジ ユージング ハイブリッド パーシャルトレンチアイソレーション ウイズ ハイレジスティビティ サブストレイト オン エンベディッド RF/アナログアプリケーションズ」(Impact of 0.18μm SOI CMOS Technology using Hybrid Trench Isolation with High Resisitivity Substrate on Embedded RF/Analog Applications)
【特許文献1】
特開2002−110908号公報(第6欄、図3、4)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
以上説明したように、SOIデバイスにおいて、スパイラルインダクタを備える場合、スパイラルインダクタの下部に対応するSOI層の全領域に完全トレンチ分離絶縁膜を配設する構成を採用すると、製造工程においてディッシングが発生するという問題があった。
【0012】
本発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、スパイラルインダクタを有する半導体装置において、スパイラルインダクタの下部にディッシングが発生することを防止する、より有効な構成を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る請求項1記載の半導体装置は、土台となる基板部、該基板部上に配設された埋め込み酸化膜、および該埋め込み酸化膜上に配設されたSOI層を有するSOI基板と、前記SOI層の上方に配設されたインダクタンス素子と、前記SOI基板上に配設されたMOSトランジスタと、前記インダクタンス素子の下部に相当する第1の領域の前記SOI層の主面内に配設され、互いに独立し外部と電気的に分離された複数の第1の活性層と、前記第1の領域の前記SOI層の前記主面上に配設され、互いに独立し外部と電気的に分離された複数の第1のゲート電極とを備え、前記複数の第1のゲート電極の表面には、シリサイド膜が配設されておらず、前記MOSトランジスタのゲート電極の表面およびソース・ドレイン層の表面には、シリサイド膜が配設されている
【0014】
【発明の実施の形態】
<A.スパイラルインダクタの構成>
まず、図1を用いてスパイラルインダクタの構成の一例について説明する。図1に示すように、スパイラルインダクタSIは配線を渦巻き状に巻き回して形成され、一方の端部である渦の中心部は、図示しない層間絶縁膜を貫通するコンタクト部CPを介して下層の配線WLに接続される構成となっている。なおスパイラルインダクタSIの他方端はスパイラルインダクタSIと同じ層の配線に接続されるが、当該配線の図示は省略している。以下においては、上記スパイラルインダクタSIの構成を前提として説明する。
【0015】
<B.装置構成>
次に、本発明に係る半導体装置の実施の形態として、図2を用いて半導体装置100の構成を説明する。
【0016】
図2において、シリコン基板1と、該シリコン基板1上に配設された埋め込み酸化膜2と、埋め込み酸化膜2上に配設されたSOI層3とで構成されるSOI基板SBは、トランジスタ領域TRとダミー領域DRとに区分されている。
【0017】
トランジスタ領域TRは、MOSトランジスタT10を含む複数のMOSトランジスタが配設される領域であり、ダミー領域DRは、スパイラルインダクタSIの下部に相当する領域であり、ダミー領域DRのSOI基板SBの主面内には複数のダミー活性層D1が配設され、さらに、それぞれのダミー活性層D1上を覆うように複数のダミーゲート電極D2が配設されている。ここで、ダミー活性層D1の配設パターンと、ダミーゲート電極D2の配設パターンとがほぼ一致し、ダミー活性層D1の上部にダミーゲート電極D2が正確に重なるように配設されている。
【0018】
MOSトランジスタT10は、SOI層3上に配設されたゲート絶縁膜GZ、ゲート絶縁膜GZ上に配設されたゲート電極GT、ゲート電極GT上に配設されたシリサイド膜GSおよび、それらの側面を覆うように配設されたサイドウォール絶縁膜GWを備えている。サイドウォール絶縁膜GWの外側のSOI層3の表面内に配設されたソース・ドレイン領域SDおよびソース・ドレイン領域SD上に配設されたシリサイド膜SSを有している。
【0019】
なお、トランジスタ領域TRにおいては、素子間の電気的な分離はパーシャルトレンチ分離(PTI)構造を採用しており、トレンチ分離絶縁膜として、トレンチの底部と埋め込み酸化膜2との間に所定厚さのSOI層3が存在する部分分離絶縁膜PTを使用している。
【0020】
ダミー領域DRにおける複数のダミー活性層D1は、SOI層3を完全トレンチ分離絶縁膜FTによって互いに接触することのないように隔てられて得られる独立した島状の領域であり、電気的にも互いに分離されている。
【0021】
各ダミー活性層D1上にはゲート絶縁膜GZと同じ工程で形成されたダミーゲート絶縁膜DZがそれぞれ配設され、各ダミー絶縁膜DZ上にそれぞれダミーゲート電極D2が配設されている。また、各ダミーゲート電極D2には、その側面を覆うようにダミーサイドウォール絶縁膜DWがそれぞれ配設されている。なお、各ダミーゲート電極D2も互いに独立して配設されている。
【0022】
そして、トランジスタ領域TRおよびダミー領域DRを含むSOI基板SBの全面を覆うように層間絶縁膜4が配設され、層間絶縁膜4上には、スパイラルインダクタSIに電気的に接続される配線WLや、MOSトランジスタT10のソース・ドレイン領域SDに電気的に接続される配線WL1が配設されている。
【0023】
なお、配線WL1は、層間絶縁膜4を貫通してトランジスタ領域TRのシリサイド膜SSに達するように配設されたコンタクト部CP1を介してソース・ドレイン領域SDに電気的に接続される。
【0024】
また、層間絶縁膜4上には、配線WLおよびWL1を覆うように層間絶縁膜5が配設され、配線WLは、層間絶縁膜5を貫通するコンタクト部CPによってスパイラルインダクタSIに電気的に接続される。
【0025】
ここで、ダミー領域DRの平面構成の一例について図3を用いて説明する。図3はスパイラルインダクタSIの上方からSOI基板側を見た場合の平面図であり、複数のダミーゲート電極D2がスパイラルインダクタSIの下部の領域およびその周辺の領域に配設された状態が示されている。個々のダミーゲート電極D2の平面視形状は矩形であり、その大きさはスパイラルインダクタSIの面積に比べて十分に小さいことが望ましく、例えば、1辺が数μm程度の矩形に設定する。なお、ダミー活性層D1もダミーゲート電極D2と同様の平面視形状である。また、ダミーゲート電極D2の平面視形状は矩形に限定されるものではない。
【0026】
以上の構成を採ることにより、CMP処理によるディッシングの発生を防止でき、また、ゲート電極の形成時のエッチングレートが、スパイラルインダクタSIの下部に相当する領域(すなわちダミー領域)の周辺と、その他の部分とで異なるということが防止され、ゲート電極の寸法が場所によって異なることが防止できる。
【0027】
また、図3においては、ダミーゲート電極D2が縦横に規則正しく配列され、スパイラルインダクタSIの下部の領域と、その周辺の領域とでパターン占有率が同じである例を示したが、スパイラルインダクタSIの下部の領域でのダミーゲート電極D2のパターン占有率が、スパイラルインダクタSIの下部の周辺の領域でのパターン占有率よりも低くなるようにダミーゲート電極D2を配設しても良い。
【0028】
なお、パターン占有率とは、単位領域に含まれるパターン要素の面積比率であり、例えば、単位領域が100μm四方の矩形領域の中に、パターン要素が半分を占めていればパターン占有率は50%となる。
【0029】
<C.製造方法>
次に、製造工程を順に示す断面図である図4〜図20を用いて半導体装置100の製造方法について説明する。
【0030】
まず、図4に示すように、シリコン基板1と、該シリコン基板1上に配設された埋め込み酸化膜2と、埋め込み酸化膜2上に配設されたSOI層3とで構成されるSOI基板SBを準備する。
【0031】
次に、図5に示す工程においてSOI基板SB上にレジストマスクRM1をパターニングする。このレジストマスクRM1は、トランジスタ領域TRにおいて後に部分分離絶縁膜となる領域が開口部OP1となったパターンを有している。そして、レジストマスクRM1を用いてSOI層3をエッチングにより選択的に除去してトレンチR1を形成する。このエッチングにおいては、トレンチR1の底部と埋め込み酸化膜2との間に、所定厚さのSOI層3が残るようにする。
【0032】
次に、レジストマスクRM1を除去した後、図6に示す工程においてSOI基板SB上にレジストマスクRM2をパターニングする。このレジストマスクRM2は、ダミー領域DRにおいて後に完全分離絶縁膜となる領域が開口部OP2となったパターンを有している。そして、レジストマスクRM2を用いてSOI層3をエッチングにより選択的に除去してトレンチR2を形成する。このエッチングにおいては、トレンチR2に埋め込み酸化膜2表面が露出するように、レジストマスクRM2で覆われない領域のSOI層3を完全に除去するようにする。
【0033】
次に、レジストマスクRM2を除去した後、図7に示す工程において、トレンチR1およびR2に絶縁膜を埋め込み、それぞれ部分分離絶縁膜PTおよび完全分離絶縁膜FTを形成する。より具体的には、SOI基板SBの全面に絶縁膜、例えばCVD法によりシリコン酸化膜を形成することでトレンチR1およびR2を埋め込み、その後、CMP処理によりトレンチR1およびR2の内部以外の絶縁膜を除去することで部分分離絶縁膜PTおよび完全分離絶縁膜FTを得る。
【0034】
従って、ダミー領域DRにおいては完全分離絶縁膜FTによってダミー活性層D1を規定することができ、ダミー活性層D1の形成が容易である。
【0035】
次に、図8に示す工程において、トランジスタ領域TRのSOI層3のうち、ウエル注入やチャネル注入を行う領域が開口部OP3となったレジストマスクRM3をパターニングする。そして、レジストマスクRM3を用いてトランジスタ領域TRのSOI層3に対してイオン注入法(イオンインプランテーション)によりウエル注入およびチャネル注入を行う。なお、レジストマスクRM3は、少なくともダミー領域DRを覆うようにパターニングされ、ウエル注入やチャネル注入に際してダミー活性層D1に不純物イオンが注入されることを防止する役目を果たす。
【0036】
次に、レジストマスクRM3を除去した後、図9に示す工程において、例えば、熱酸化により、トランジスタ領域TRのSOI層3上およびダミー領域DRのダミー活性層D1上にそれぞれ、ゲート絶縁膜GZおよびダミーゲート絶縁膜DZを形成する。その後、SOI基板SBの全面に、例えばCVD法によりポリシリコン層PSを形成する。このポリシリコン層PSは、不純物を含まないノンドープのポリシリコン層である。
【0037】
次に、図10に示す工程において、トランジスタ領域TRのポリシリコン層PSのうち、ゲート注入を行う領域が開口部OP4となったレジストマスクRM4をパターニングする。そして、このレジストマスクRM4を用いて、トランジスタ領域TRのポリシリコン層PSに対してイオン注入法によりゲート注入を行う。ここで、ゲートに注入される不純物は、ウエル注入やチャネル注入に使用された不純物とは反対の導電型の不純物である。なお、レジストマスクRM4は、少なくともダミー領域DRを覆うようにパターニングされ、ゲート注入に際してダミー領域DRのポリシリコン層PSに不純物イオンが注入されることを防止する役目を果たす。
【0038】
次に、レジストマスクRM4を除去した後、図11に示す工程において、トランジスタ領域TRにおいては後にゲート電極GTとなる部分が覆われ、ダミー領域DRにおいては後にダミーゲート電極D2となる部分が覆われるようにパターニングされたレジストマスクRM5を形成する。このとき、ダミー領域DRにおいては、ダミー活性層D1上に、ダミー活性層D1とほぼ同じ平面形状のダミーゲート電極D2が形成されるようにレジストマスクRM5のパターニングを行う。
【0039】
そして、レジストマスクRM5を用いてポリシリコン層PSの異方性エッチングを行い、トランジスタ領域TRおいてはゲート電極GTを、ダミー領域DRにおいてはダミーゲート電極D2をパターニングする。
【0040】
次に、レジストマスクRM5を除去した後、図12に示す工程において、トランジスタ領域TRのSOI層3のうち、ソース・ドレイン注入を行う領域が開口部OP6となったレジストマスクRM6をパターニングする。そして、トランジスタ領域TRのSOI層3に対してゲート電極GTをマスクとして、イオン注入法によりソース・ドレイン注入を行う。なお、レジストマスクRM6は、少なくともダミー領域DRを覆うようにパターニングされ、ソース・ドレイン注入に際してダミー活性層D1に不純物イオンが注入されることを防止する役目を果たす。
【0041】
なお、ソース・ドレイン注入の後、トランジスタ領域TRのSOI層3上のゲート絶縁膜GZのうち、ゲート電極GTで覆われていない部分をエッチングにより除去する。
【0042】
上記説明では、ゲート電極GTをマスクとしてソース・ドレイン注入を行う例を示したが、ソース・ドレイン注入の代わりにLDD(低ドープドレイン)注入を行う場合もある。また、LDD層ではなくエクステンション層を形成するためのイオン注入(エクステンション注入)を行う場合や、エクステンション層とは反対の導電型の不純物をエクステンション層の先端にイオン注入してポケット層を形成する(ポケット注入)場合もあるが、何れの不純物注入に際しても、ダミー活性層D1に不純物イオンが注入されないようにダミー領域DRはレジストマスクで覆うようにする。
【0043】
この場合、トランジスタ領域TRのSOI層3上のゲート絶縁膜GZのうち、ゲート電極GTで覆われていない部分については、後に行うソース・ドレイン注入が終わるまで残すようにしても良い。
【0044】
次に、レジストマスクRM6を除去した後、図13に示す工程において、SOI基板SBの全面に、例えばCVD法によりシリコン酸化膜OX1を堆積し、ゲート電極GTおよびダミーゲート電極D2をシリコン酸化膜OX1で覆う。
【0045】
次に、図14に示す工程において、異方性エッチングによりシリコン酸化膜OX1をエッチングして、ゲート電極GTの側面にはサイドウォール絶縁膜GWを、ダミーゲート電極D2の側面にはダミーサイドウォール絶縁膜DWを形成する。
【0046】
なお、サイドウォール絶縁膜GWを形成した後に、ゲート電極GTおよびサイドウォール絶縁膜GWをマスクとしてソース・ドレイン注入を行う場合もあるが、この場合は、なお、少なくともダミー領域DRを覆うようにパターニングされたレジストマスクを使用し、ソース・ドレイン注入に際してダミーゲート電極D2に不純物イオンが注入されることを防止する。
【0047】
次に、図15に示す工程において、SOI基板SBの全面に、例えばCVD法によりシリコン酸化膜OX2を堆積し、ゲート電極GT、サイドウォール絶縁膜GW、ダミーゲート電極D2およびダミーサイドウォール絶縁膜DWをシリコン酸化膜OX2で覆う。なお、シリコン酸化膜OX2の代わりにシリコン窒化膜を形成しても良く、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜との2層膜を形成しても良い。
【0048】
次に、図16に示す工程において、トランジスタ領域TRのうち、シリサイド膜を形成する領域が開口部OP7となったレジストマスクRM7をパターニングする。なお、レジストマスクRM7は、少なくともダミー領域DRを覆うようにパターニングされている。
【0049】
次に、図17に示す工程において、レジストマスクRM7をマスクとして、レジストマスクRM7で覆われていないシリコン酸化膜OX2をドライエッチングにより除去する。この場合、少なくともダミー領域DRにおいてはシリコン酸化膜OX2は除去されずに残る。
【0050】
次に、レジストマスクRM7を除去した後、図18に示す工程において、シリコン酸化膜OX2で覆われていないシリコン層およびポリシリコン層の表面にシリサイド膜を形成する。シリサイド膜は、シリコン層やポリシリコン層の表面に形成されたコバルトやチタン等の金属膜を、シリサイド反応によりシリサイド化することで形成され、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜などの絶縁膜上に形成された金属膜はシリサイド化されないので、これらの金属膜を除去することで、シリコン層やポリシリコン層の表面のみにシリサイド膜を配設することができる。
【0051】
図18においては、ダミー領域DRにはシリコン酸化膜OX2が残っているので、シリコン酸化膜OX2がシリサイドプロテクション膜として機能し、ダミー領域DRのダミーゲート電極D2の上面にはシリサイド膜は形成されず、トランジスタ領域TRのうち、SOI層3の露出面、すなわちソース・ドレイン領域SD上およびゲート電極GTの上面に、それぞれシリサイド膜SSおよびGSが形成される。
【0052】
次に、図19に示す工程において、シリコン酸化膜OX2が配設された領域が開口部OP8となったレジストマスクRM8をパターニングし、レジストマスクRM8を用いてシリコン酸化膜OX2をドライエッチングにより除去する。なお、レジストマスクRM8は、少なくともダミー領域DR上が開口部OP8となるようにパターニングされている。
【0053】
次に、レジストマスクRM8を除去した後、図20に示す工程において、SOI基板SBの全面に、例えばCVD法により層間絶縁膜4を堆積した後、トランジスタ領域TRにおいて、層間絶縁膜4を貫通して、シリサイド膜SSに達するコンタクトホールCHを形成する。
【0054】
以後、従来からの方法により、コンタクトホールCHに導体層を埋め込んでコンタクト部CP1を形成し、また、層間絶縁膜4上にコンタクト部CP1に接続される配線WL1、およびスパイラルインダクタSI(図2)に電気的に接続される配線WLを形成した後、層間絶縁膜4上に例えばCVD法により層間絶縁膜5を堆積する。そして、層間絶縁膜5を貫通して配線WLに達するコンタクト部CPを形成した後、層間絶縁膜5上にスパイラルインダクタSIを形成することで図2に示した半導体装置100を得ることができる。
【0055】
<D.作用効果>
以上説明した本発明に係る実施の形態の半導体装置100によれば、トレンチ分離絶縁膜形成時のCMP処理においては、スパイラルインダクタSIの下部のSOI基板SB上には複数のダミー活性層D1が存在することになり、CMP処理によるディッシングの発生を防止できる。
【0056】
また、ゲート長が0.1μm以下の半導体装置においては、スパイラルインダクタの下部に相当する領域の周辺において、ゲート電極の寸法が場所によって異なるという現象が顕著に見られる。これは、スパイラルインダクタの下部の広い領域にゲート電極のパターンが皆無である場合には、その周辺でのゲート電極層のエッチングレートが、他の部分でのエッチングレートと異なるためと考えられるが、半導体装置100においては、スパイラルインダクタSIの下部のSOI基板SB上には複数のダミーゲート電極D2を配設するので、ゲート電極の形成時のエッチングレートが、スパイラルインダクタSIの下部に相当する領域(すなわちダミー領域)の周辺と、その他の部分とで異なるということが防止され、ゲート電極の寸法が場所によって異なることが防止できる。
【0057】
また、図8、12を用いて説明したように、ダミー活性層D1には、ウエル注入、チャネル注入、LDD注入およびソース・ドレイン注入に際して不純物イオンが注入されることが防止されているので、ダミー活性層D1の電気抵抗は当初のSOI層3のまま高抵抗に保たれ、電磁誘導損失の原因となる渦電流の経路を効果的に遮断することができるので、Q値の減少を抑制することができる。
【0058】
また、ダミー活性層D1の配設パターンと、ダミーゲート電極D2の配設パターンとがほぼ一致し、ダミー活性層D1の上部にダミーゲート電極D2が正確に重なるように配設されているので、ダミー活性層D1上にシリサイド膜が形成されることが防止される。
【0059】
このため、ダミー活性層D1の電気抵抗が低下せず、電磁誘導損失の原因となる渦電流の経路を効果的に遮断できるので、Q値の減少を抑制することができる。
【0060】
さらに、図10を用いて説明したように、ダミーゲート電極D2には、ゲート注入に際して不純物イオンが注入されることが防止されるので、ダミーゲート電極D2の電気抵抗は当初のノンドープのポリシリコン層PSのまま高抵抗に保たれ、電磁誘導損失の原因となる渦電流の経路を効果的に遮断できるので、Q値の減少を抑制することができる。
【0061】
また、図15〜図18を用いて説明したように、ダミーゲート電極D2の上面にはシリサイド膜が形成されることが防止されるので、ダミーゲート電極D2の電気抵抗が低下せず、電磁誘導損失の原因となる渦電流の経路を効果的に遮断できるので、Q値の減少を抑制することができる。
【0062】
<E.変形例>
以上説明した本発明に係る実施の形態の半導体装置100においては、図2に示したように、ダミー活性層D1の配設パターンと、ダミーゲート電極D2の配設パターンとがほぼ一致し、ダミー活性層D1の上部にダミーゲート電極D2が正確に重なるように配設された構成を示したが、必ずしもこのような構成を採る必要はない。
【0063】
すなわち、図21に示す半導体装置100Aのように、ダミー活性層D1の配設パターンと、ダミーゲート電極D2の配設パターンとが完全には一致せず、ダミー活性層D1の上部にダミーゲート電極D2が正確に重ならず、ダミー活性層D1の一部分だけをダミーゲート電極D2が覆っている部分や、ダミー活性層D1の上部にダミーゲート電極D2が配設されていない部分を有していても良い。また、ダミーゲート電極D2の平面形状がダミー活性層D1の平面形状と同じでなくても良い。
【0064】
なお、半導体装置100Aにおいても、半導体装置100と同様に、LDD注入、エクステンション注入、ソース・ドレイン注入およびポケット注入などの何れの不純物注入に際しても、ダミー活性層D1に不純物イオンが注入されることが防止され、また、ゲート注入においてダミーゲート電極D2に不純物イオンが注入されることが防止されている。
【0065】
ただし、半導体装置100Aにおいては、ダミー活性層D1がダミーゲート電極D2によって覆われていない部分があるので、シリサイド膜の形成に際しては、露出したダミー活性層D1の表面にシリサイド膜が形成されないように留意する。
【0066】
具体的には、図22に示すように、SOI基板SBの全面に、例えばCVD法によりシリコン酸化膜OXを堆積し、ゲート電極GT、サイドウォール絶縁膜GW、ダミーゲート電極D2、ダミーサイドウォール絶縁膜DWおよび露出したダミー活性層D1の表面をシリコン酸化膜OX3で覆う。なお、シリコン酸化膜OX3の代わりにシリコン窒化膜を形成しても良く、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜との2層膜を形成しても良い。
【0067】
次に、図23に示す工程において、トランジスタ領域TRのうち、シリサイド膜を形成する領域が開口部OP9となったレジストマスクRM9をパターニングする。なお、レジストマスクRM9は、少なくともダミー領域DRを覆うようにパターニングされている。
【0068】
そして、レジストマスクRM9をマスクとして、レジストマスクRM9で覆われていないシリコン酸化膜OX3をドライエッチングにより除去する。この場合、少なくともダミー領域DRにおいてはシリコン酸化膜OX3は除去されずに残る。
【0069】
次に、レジストマスクRM9を除去した後、シリコン酸化膜OX3で覆われていないシリコン層およびポリシリコン層の表面にシリサイド膜を形成する。その後、シリコン酸化膜OX3を除去することで図24に示す構成を得る。
【0070】
図24には、トランジスタ領域TRのうち、SOI層3の露出面、すなわちソース・ドレイン領域SD上およびゲート電極GTの上面に、それぞれシリサイド膜SSおよびGSが形成され、ダミー領域DRのダミーゲート電極D2の上面および露出したダミー活性層D1の表面にはシリサイド膜が形成されていない構成が示されている。
【0071】
半導体装置100Aのように、ダミー活性層D1の上部にダミーゲート電極D2が正確に重ならず、ダミー活性層D1が露出した構成であっても、ダミー活性層D1の露出表面にシリサイド膜が形成されることを防止できるのであれば、問題はない。
【0072】
すなわち、ダミー活性層D1の配設も、ダミーゲート電極D2の配設も、コンピュータを用いた自動配置配線により行うが、両者の配置ルールが異なるので、ダミー活性層D1の上部にダミーゲート電極D2が正確に重ならないという事態も起こりうる。しかし、ダミー活性層D1の露出表面にシリサイド膜が形成されることを防止できるのであれば、ダミー活性層D1の電気抵抗が低下することを防止して、ダミー活性層D1によって電磁誘導損失の原因となる渦電流の経路を効果的に遮断することができるので、Q値の減少を抑制するという性能を維持することができる。
【0073】
【発明の効果】
本発明に係る請求項1記載の半導体装置によれば、インダクタンス素子の下部のSOI層の主面内に、互いに独立し外部と電気的に分離された複数の第1の活性層を備えるので、例えば分離絶縁膜形成時のCMP処理においては、複数の第1の活性層の存在によりCMP処理によるディッシングの発生を防止できる。また、インダクタンス素子の下部のSOI層の主面上に、互いに独立し外部と電気的に分離された複数の第1のゲート電極を備えるので、MOSトランジスタのゲート電極の形成時のエッチングレートが、第1の領域の周辺と、その他の部分とで異なるということが防止され、ゲート電極の寸法が場所によって異なることが防止できる。複数の第1のゲート電極の表面にはシリサイド膜が配設されていないので、第1のゲート電極の電気抵抗が低下せず、電磁誘導損失の原因となる渦電流の経路を効果的に遮断できるので、Q値の減少を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 スパイラルインダクタの構成を示す斜視図である。
【図2】 本発明に係る実施の形態の半導体装置の構成を説明する断面図である。
【図3】 スパイラルインダクタおよびその下部のダミーゲート電極の配置状態を説明する平面図である。
【図4】 本発明に係る実施の形態の半導体装置の製造工程を説明する断面図である。
【図5】 本発明に係る実施の形態の半導体装置の製造工程を説明する断面図である。
【図6】 本発明に係る実施の形態の半導体装置の製造工程を説明する断面図である。
【図7】 本発明に係る実施の形態の半導体装置の製造工程を説明する断面図である。
【図8】 本発明に係る実施の形態の半導体装置の製造工程を説明する断面図である。
【図9】 本発明に係る実施の形態の半導体装置の製造工程を説明する断面図である。
【図10】 本発明に係る実施の形態の半導体装置の製造工程を説明する断面図である。
【図11】 本発明に係る実施の形態の半導体装置の製造工程を説明する断面図である。
【図12】 本発明に係る実施の形態の半導体装置の製造工程を説明する断面図である。
【図13】 本発明に係る実施の形態の半導体装置の製造工程を説明する断面図である。
【図14】 本発明に係る実施の形態の半導体装置の製造工程を説明する断面図である。
【図15】 本発明に係る実施の形態の半導体装置の製造工程を説明する断面図である。
【図16】 本発明に係る実施の形態の半導体装置の製造工程を説明する断面図である。
【図17】 本発明に係る実施の形態の半導体装置の製造工程を説明する断面図である。
【図18】 本発明に係る実施の形態の半導体装置の製造工程を説明する断面図である。
【図19】 本発明に係る実施の形態の半導体装置の製造工程を説明する断面図である。
【図20】 本発明に係る実施の形態の半導体装置の製造工程を説明する断面図である。
【図21】 本発明に係る実施の形態の変形例の半導体装置の構成を説明する断面図である。
【図22】 本発明に係る実施の形態の変形例の半導体装置の製造工程を説明する断面図である。
【図23】 本発明に係る実施の形態の変形例の半導体装置の製造工程を説明する断面図である。
【図24】 本発明に係る実施の形態の変形例の半導体装置の製造工程を説明する断面図である。
【符号の説明】
1 半導体基板、2 埋め込み酸化膜、3 SOI層、SI スパイラルインダクタ、SB SOI基板、D1 ダミー活性層、D2 ダミーゲート電極、GS,SS シリサイド膜。

Claims (6)

  1. 土台となる基板部、該基板部上に配設された埋め込み酸化膜、および該埋め込み酸化膜上に配設されたSOI層を有するSOI基板と、
    前記SOI層の上方に配設されたインダクタンス素子と、
    前記SOI基板上に配設されたMOSトランジスタと、
    前記インダクタンス素子の下部に相当する第1の領域の前記SOI層の主面内に配設され、互いに独立し外部と電気的に分離された複数の第1の活性層と、
    前記第1の領域の前記SOI層の前記主面上に配設され、互いに独立し外部と電気的に分離された複数の第1のゲート電極と、を備え、
    前記複数の第1のゲート電極の表面には、シリサイド膜が配設されておらず、前記MOSトランジスタのゲート電極の表面およびソース・ドレイン層の表面には、シリサイド膜が配設されている、半導体装置。
  2. 前記複数の第1のゲート電極は、前記複数の第1の活性層の配設パターンと同じ平面形状を有し、前記複数の第1の活性層の上部に前記複数の第1のゲート電極が重なるように配設される、請求項1記載の半導体装置。
  3. 前記複数の第1の活性層のそれぞれは、前記SOI層の表面から前記SOI層を貫通して前記埋め込み酸化膜に達するように配設された分離絶縁膜によって互いに隔てられ、電気的に分離された前記SOI層によって構成される、請求項1記載の半導体装置。
  4. 前記複数の第1のゲート電極は、前記MOSトランジスタに導入される不純物の導入を防止して形成される、請求項1記載の半導体装置。
  5. 前記複数の第1の活性層は、前記MOSトランジスタに導入される不純物の導入を防止して形成される、請求項記載の半導体装置。
  6. 前記複数の第1の活性層の表面には、シリサイド膜が配設されておらず、前記MOSトランジスタのゲート電極の表面およびソース・ドレイン層の表面には、シリサイド膜が配設されている、請求項5記載の半導体装置。
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