JP4657632B2 - カルボン酸の製造方法 - Google Patents

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本発明は、ロジウム触媒の存在下、アルコール及び/又はその反応性誘導体のカルボニル化によるカルボン酸の新規な製造方法に関する。詳しくは、カルボニル化によってカルボン酸を製造する際にカルボン酸の高い生産性を維持しつつ、副生する副生物を低減させるかまたはロジウム触媒を安定化させる新規なカルボン酸の製造方法に関するものである。
ロジウム触媒の存在下におけるアルコール及び/又はその反応性誘導体からのカルボニル化方法は既に知られており、前記カルボン酸の製造方法は工業的に最も優れた方法であるが、近年、触媒系の改良や、反応条件の改善などが検討され、ヨウ化物塩等を添加し、従来の条件よりも低い反応液中の水分濃度条件下で反応させることによって、生産性が高く、かつ精製工程でのエネルギー消費の少ないカルボン酸の製造方法が開示されている(例えば特許文献1、特許文献2参照)。しかしながら、これらカルボニル化反応においてメタン、水素、二酸化炭素のような副生ガスが発生することが知られており(例えば特許文献2参照)、なかでも特許文献3や特許文献4などにおいて、反応液中には装置材質の腐食により鉄、クロム、モリブデン、ニッケルなどの腐食金属が混入しており、それらが副反応(水性ガスシフト反応、メタン、アセトアルデヒド、プロピオン酸などの副生)を促進していることが記載されている。特に、メタンの副生は本来、原料であるアルコール及び/又はその反応性誘導体、一酸化炭素の使用率を悪化させるばかりでなく、反応中の全圧を高める。そのため、反応器に必要以上の耐圧をもたせる必要性が生じたり、あるいは生産性を犠牲にして一酸化炭素分圧を下げるなどの対策が必要になる。更に、反応系内にある程度蓄積したメタンを反応系外へ排出するときには原料である一酸化炭素の一部を伴って排出されるため、一酸化炭素使用率を低下させる原因となり、メタンの副生はできるだけ抑制されることが望ましい。
また、アセトアルデヒドは、酢酸中の極く微少な還元性不純物の存在量を調べる品質試験である過マンガン酸還元性物質試験(過マンガン酸タイム)を悪化させるカルボニル不純物(ブチルアルデヒド、クロトンアルデヒド、2−エチルクロトンアルデヒドなどのカルボニル化合物、これらのアルドール縮合物等)や、例えばエチレンと酢酸から酢酸ビニルを製造する工程において酢酸ビニル製造触媒を失活させるヨウ化アルキルなどの原因物質として知られ(例えば特許文献5参照)、反応液中のアセトアルデヒド濃度が低減されることが望まれている。
また、ZnおよびSn化合物を用いたアルコールのカルボニル化方法として、特許文献2が挙げられる。特許文献2には、種々のヨウ化物塩を用いた場合の酢酸の生成速度が比較され、ヨウ化物塩としてZnI2やSnI2が使用されているが、多量用いているにもかかわらず酢酸の生成速度は非常に低く、十分に工業的に適用できるものではない。
特公平4−69136号公報 特公平7−023337号公報 特公平8−011199号公報 特開平7−002722号公報 特開平8−067650号公報
本発明は、アルコール及び/又はその反応性誘導体の、特に低水分下におけるカルボニル化によってカルボン酸を製造する際に、カルボン酸の高い生産性を維持しつつ、副生する副生物を低減させるかまたはロジウム触媒を安定化させる新規なカルボン酸の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、アルコール及び/又はその反応性誘導体のカルボニル化による効率的なカルボン酸の製造法に関して鋭意研究を行なった結果、本発明を完成したものである。
即ち、本発明は、ロジウム触媒、ヨウ化リチウム、ハロゲン化アルキル、有限量の水の存在下(特に低水分下)、 1−10 アルキルアルコール、C 2−6 アルキルカルボン酸C 1−6 アルキルエステル及びジC 1−6 アルキルエーテルからなる群から選択された少なくとも一種を一酸化炭素と反応させてカルボン酸を製造する方法において、金属亜鉛、亜鉛を含む化合物、金属錫、及び錫を含む化合物からなる群から選択された少なくとも一種の存在下に反応させることを特徴とするカルボン酸の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、アルコール及び/又はその反応性誘導体を一酸化炭素と反応させてカルボン酸を製造する際に、Zn元素あるいはZn元素を含む化合物の存在下に反応させることによって、カルボン酸の高い生産性を維持しつつ、副生物、特にメタン、アセトアルデヒドの副生を効率よく抑制することができる。また、反応液中に腐食金属が存在する場合は、特に効率よく副生物の生成を抑制することができる。そのため、原料のアルコール及び/又はその反応性誘導体、一酸化炭素の使用率を向上させることが可能となり、また、副生したメタンを反応系外へ除去するために、メタンに同伴して反応系外へロスしていた一酸化炭素の量を低減させることが可能となった。
また本発明は、Sn、Ge、Pbから選ばれる少なくとも1つの元素あるいは元素を含む化合物の存在下に反応させることによって、カルボン酸の高い生産性を維持しつつ、ロジウム触媒を安定化してカルボン酸を製造することができる。
適当なアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノールなどのC1-10アルキルアルコール、シクロヘキサノール、シクロオクタノールなどのC3-10シクロアルキルアルコール、フェノールなどのフェノール類、ベンジルアルコール、フェネチルアルコールなどのアラルキルアルコールなどが挙げられ、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノールなどのC1-10アルキルアルコールが好ましく、特にメタノールが好ましい。
アルコールの反応性誘導体としては、酢酸メチル、酢酸エチルなどのC2-6アルキルカルボン酸−C1-6アルキルエステルなどのエステル類、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、ヨウ化プロピルなどのヨウ化C1-10アルキル、これらヨウ化アルキルに対応する臭化物(臭化メチル、臭化プロピルなど)や塩化物(塩化メチルなど)などのハロゲン化物、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテルなどのジC1-6アルキルエーテルなどのエーテル類が挙げられる。
ロジウム触媒としては、反応液に可溶である任意のロジウム化合物を使用することができる。また、反応液に対する溶解性が低いものであっても反応条件下で容易に可溶性の化合物を生成するものであれば使用可能である。使用可能なロジウム化合物としては、例えば、[Rh(CO)2Cl]2、Li[Rh(CO)2I2]、[Rh(CO)2I]2、[Rh(COD)Cl]2(CODとは、シクロオクタジエンを意味する。)、RhCl3、RhCl3・3H2O、RhBr3、RhI3、酢酸ロジウム(II)、ジカルボニルアセチルアセトナトロジウム、RhCl(CO)(PPh3)2などが挙げられるが、この限りではない。
反応液中のロジウム化合物の濃度はロジウム濃度で、50〜5000ppm、好ましくは100〜1500ppmの範囲である。
ヨウ化リチウムの量は反応液中に溶解し得る量であれば特に問題はなく、例えば0.1〜30wt%、好ましくは2〜20wt%、さらに好ましくは、5〜20wt%である。
ハロゲン化アルキルとしては、C1-10、好ましくはC1-6、より好ましくはC1-4のアルキルのハロゲン化物であり、好適にはそれらアルキルのヨウ化物、臭化物が用いられる。より好適にはヨウ化物であり、ヨウ化メチルが最も好ましい。反応液中のハロゲン化アルキルの濃度は、1〜20wt%、好ましくは2〜16wt%、より好ましくは5〜16wt%である。
反応液中に存在させるZn(亜鉛)は、任意の亜鉛化合物から選択することができる。具体的には、金属亜鉛(亜鉛末)、酢酸亜鉛、酢酸亜鉛2水和物、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、亜鉛アセチルアセトナートなどが例示される。反応液中に存在させる亜鉛の量は、金属亜鉛に換算して10〜5000ppm、好ましくは50〜3000ppm、さらに好ましくは100〜1500ppmである。
通常、カルボン酸の製造プロセス中においては腐食金属が存在しており、腐食金属はメタン、アセトアルデヒド等の副生物の生成を促進することが分かっており、この場合、特に亜鉛の副生物生成抑制効果がある。
反応液中に腐食金属が存在する場合は、反応液中に存在させる亜鉛の量は、亜鉛/腐食金属全量比(重量比)で、10〜0.01が好ましく、さらには5〜0.1が好ましい。
前記腐食金属とは、触媒として添加しているロジウム触媒、ヨウ化リチウム、Zn、Sn、Ge、Pbを除き、カルボン酸を製造しようとするものが意図せずに反応液中に混入している金属種であって、主としてカルボン酸製造プロセスに使用される機器の材質から溶出してくる金属種を指す。具体的には、周期律表のIVA〜VIIA族及び鉄、コバルト、ニッケルが挙げられ、なかでも特に鉄、ニッケル、クロム、モリブデン、タングステン、マンガンが例示される。これらの反応液中への混入量は通常、数十〜数千ppmの範囲である。
反応液中に存在させるSn、Ge、Pbは、元素、酸化物、水酸化物、ハロゲン化物、炭酸塩、カルボン酸塩などが挙げられるが、反応および反応装置に悪影響をおよぼさないものであればどのような形でも構わない。なかでも、Sn存在下に反応させることが好ましく、例えば錫金属、塩化錫(II)、塩化錫(IV)、酸化錫(II)、酸化錫(IV)、ヨウ化錫(II)、ヨウ化錫(IV)、酢酸錫(II)、酢酸錫(IV)などが挙げられるが特に、ヨウ化錫(II)が好ましい。
反応液中に存在させるSn、Ge、Pbから選ばれる少なくとも1つの元素あるいは元素を含む化合物の量は、金属換算で10〜20000ppm、好ましくは10〜10000ppm、さらに好ましくは10〜5000ppmである。
反応液中にZn、Sn、Ge、Pbから選ばれる少なくとも1つの元素あるいは元素を含む化合物を存在させる方法としては、反応器に直接添加してもよいし、反応器に循環させる触媒循環液中に添加してもよく、また、そのまま添加しても、あらかじめメタノール等の溶剤に溶解させて添加してもよいが、あらかじめ溶剤に溶解させて反応器に直接添加するのが好ましい。
反応液中の水分濃度は、有限量の濃度、すなわち、15重量%以下、好ましくは10重量%以下、更に好ましくは1〜5重量%であるが、本発明の方法は、特に1〜5重量%の低水分下の場合に好ましく適用される。
一酸化炭素は純粋なものを使用してもよく、二酸化炭素、窒素、アルゴン又は低級炭化水素などで希釈されていてもよい。反応中の一酸化炭素分圧は通常5MPa-G以下、好ましくは2.5MPa-G以下、さらに好ましくは1.5MPa-G以下である。反応中に系内に存在する水と一酸化炭素の反応(水性ガスシフト反応)によって、二酸化炭素と水素が発生することが知られており、そのために水素が反応系内に存在する。水素分圧はあまりに高くなりすぎるとメタンなどの低級炭化水素等の副生物を生成するため、0.2MPa-G以下、好ましくは0.1MPa-G以下に制御することが好適である。
カルボニル化反応の全圧は1〜20MPa-G、好ましくは1〜10MPa-G、さらに好ましくは1.5〜5MPa-Gである。
カルボニル化反応の温度は100〜300℃、好ましくは150〜250℃、さらに好ましくは150〜200℃である。
本発明はバッチ法、または連続法で実施でき、連続法が好適である。
一般的に、カルボニル化反応器において原料であるアルコール及び/又はその反応性誘導体と一酸化炭素が反応することによりカルボン酸が生成する。カルボン酸及びそのエステル、ハロゲン化アルキル、ロジウム触媒、ヨウ化リチウム、亜鉛等からなる反応液体組成物がカルボニル化反応器から引き出され、フラッシャーに導入される。フラッシャーにおいて主にカルボン酸及びそのエステル、ハロゲン化アルキル、水からなる揮発性成分がフラッシャー上部から取り出され、また、主に触媒成分からなる非揮発性成分がフラッシャー下部から取り出され、反応器に循環される。
フラッシャー上部から取り出された揮発性成分は脱低沸、必要に応じて脱水、脱高沸の処理を得て製品カルボン酸(酢酸)を得ることができる。
本発明を以下実施例によって詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。

以下、実施例1〜5及び比較例1〜5にZn存在下における副生物低減効果を示す。尚、GCの分析条件は以下の通りである。
ガス分析条件(H 2 、CO、CO 2 、CH 4
カラム条件 ;カラム SHINCARBON−T(信和工業(株)製)
メッシュ 60/80
長さ 5m
GC 条件 ;カラム温度 50℃(8min)→10℃/min→260℃(1min)
INJ 200℃
DET 200℃
キャリア Ar
流量 20ml/min
検出器 TCD
Current 50mA
Temp. 200℃
サンプル調整方法;注入量 通常50〜100ml
サンプル管容量 0.5ml
定量計算方法 絶対検量線法
サンプル調整 オフガスをそのまま

アルデヒド分析条件
カラム条件 ;カラム DB−1
長さ 30m
GC 条件 ;カラム温度 40℃(10min)→5℃/min→70℃(0min)
→15℃/min→280℃(10min)
INJ 200℃
DET 200℃
キャリア He
流量 1.5ml/min
スプリット比 1/110
検出器 FID
2 50kPa-G
Air 50kPa-G
サンプル調整方法;注入量 1μl
内部標準(IS) メシチレン
Spl/IS 4/0.02(wt/wt)
<実施例1>
酢酸メチル10g、ヨウ化メチル30g、水4g、無水ヨウ化リチウム40g、ヨウ化鉄(II)1.11g、ヨウ化ニッケル(II)1.06g、酢酸クロム(III)0.88g、塩化モリブデン(V)0.57gを混合し、全体量が200gになるように酢酸を加えた。ハステロイB−2(登録商標)製の内容積500mlのオートクレーブに、上記混合物100gを仕込み、ヨウ化亜鉛(II)を0.49g、触媒としてヨウ化ロジウム(III)を0.23g添加し、水素1MPa-Gで3回オートクレーブ内を置換後、水素を絶対圧で1気圧導入した。その後、さらに一酸化炭素を1MPa-G仕込んだ。一酸化炭素を仕込んだ後にあらかじめ187℃に加熱したオイルバスにオートクレーブを浸し、1000rpmで撹拌を行い、オートクレーブ内が187℃に保たれるようにコントロールした。1時間所定温度で加熱した後に、オートクレーブを氷水で1時間冷却した。冷却後の圧力は0.6MPa-Gであった。オートクレーブ内に残っていたガスをガスクロマトグラフィー(以後GCと略す)で分析したところ、メタンが350μmol、アセトアルデヒドが230μmol検出された。なお、この実験において添加された各種金属濃度は鉄、ニッケル、クロム、モリブデン、亜鉛共に各1000ppmであった。
<比較例1>
実施例1で調合した混合物100g、ヨウ化ロジウム(III)0.23gを実施例1で使用したオートクレーブに仕込み、ヨウ化亜鉛(II)のみ添加せずに実施例1と同様にして反応を行った。冷却後の圧力は0.58MPa-Gであった。オートクレーブ内に残っていたガスをGCで分析したところ、メタンが860μmol、アセトアルデヒドが1,020μmol検出された。
<実施例2>
メタノール8g、ヨウ化メチル28g、水4g、無水ヨウ化リチウム40g、ヨウ化鉄(II)1.11g、ヨウ化ニッケル(II)1.06g、酢酸クロム(III)0.88g、塩化モリブデン(V)0.57gを混合し、全体量が200gになるように酢酸を仕込んだ。上記混合物100gを実施例1で使用したオートクレーブに仕込み、ヨウ化亜鉛(II)を0.49g、触媒としてヨウ化ロジウム(III)を0.23g添加した。以後の操作は実施例1と同様にして反応を行った。冷却後、内圧は0.35MPa-Gであり、オートクレーブ内に残っていたガスをGCで分析したところ、メタンが3,500μmol検出された。
<比較例2>
実施例2で調合した混合物100g、ヨウ化ロジウム(III)0.23gを実施例1で使用したオートクレーブに仕込み、ヨウ化亜鉛(II)のみ添加せずに実施例1と同様にして反応を行った。冷却後の圧力は0.35MPa-Gであった。オートクレーブ内に残っていたガスをGCで分析したところ、メタンが8,200μmol検出された。
<実施例3>
メタノール4g、ヨウ化メチル14g、水2g、無水ヨウ化リチウム20g、酢酸60g、ヨウ化亜鉛(II)を0.49g、触媒としてヨウ化ロジウム(III)を0.23g添加した。以後の操作は実施例1と同様にして反応を行った。冷却後、内圧は0.35MPa-Gであり、オートクレーブ内に残っていたガスをGCで分析したところ、メタンが800μmol検出された。
<比較例3>
ヨウ化亜鉛(II)を添加しない以外、実施例3と同じ条件で反応を行った。冷却後、内圧は0.35MPa-Gであり、オートクレーブ内に残っていたガスをGCで分析したところ、メタンが1,400μmol検出された。
<実施例4>
メタノール8g、ヨウ化メチル28g、水16g、無水ヨウ化リチウム9g、ヨウ化鉄(II)1.11g、ヨウ化ニッケル(II)1.06g、酢酸クロム(III)0.88g、塩化モリブデン(V)0.57gを混合し、全体量が200gになるように酢酸を加えた。上記混合物100gを実施例1で使用したオートクレーブに仕込み、ヨウ化亜鉛(II)を0.49g、触媒としてヨウ化ロジウム(III)を0.23g添加した。以後の操作は実施例1と同様にして反応を行った。冷却後、内圧は0.35MPa-Gであり、オートクレーブ内に残っていたガスをGCで分析したところ、メタンが1,700μmol検出された。
<比較例4>
ヨウ化亜鉛(II)は加えずに、実施例4で調合した混合物100gと、触媒としてヨウ化ロジウム(III)0.23gを実施例1で使用したオートクレーブに仕込み、実施例1と同様に反応を行った。冷却後、内圧は0.36MPa-Gであり、オートクレーブ内に残っていたガスをGCで分析したところ、メタンが4,200μmol検出された。
<実施例5>
メタノール4g、ヨウ化メチル14g、水8g、無水ヨウ化リチウム4.5g、酢酸59.5g、ヨウ化亜鉛(II)を0.49g、触媒としてヨウ化ロジウム(III)を0.23g添加した。以後の操作は実施例1と同様にして反応を行った。冷却後、内圧は0.35MPa-Gであり、オートクレーブ内に残っていたガスをGCで分析したところ、メタンが600μmol検出された。
<比較例5>
ヨウ化亜鉛(II)を加えずに実施例5と同じ条件で反応を行った。冷却後、内圧は0.34MPa-Gであり、オートクレーブ内に残っていたガスをGCで分析したところ、メタンが1,100μmolであった。

以下、実施例6〜8、比較例6にSnの存在下におけるロジウム触媒への沈降抑制効果を示す。
<実施例6>
水5.0wt%、ヨウ化メチル1.7wt%、酢酸メチル0.9wt%、酢酸88.1wt%、LiI7.1wt%、ロジウム940ppm(RhI3をCO/H2で溶解処理して使用した)、SnI20.68wt%(SnI2をロジウムの2倍モル添加/金属Sn換算で約2000ppm)の液組成となるよう調整した液300mlを500mlオートクレーブに仕込み、窒素3.1MPa-Gを張り込み、液温140℃における液中ロジウム濃度の経時変化を観察したところ、1時間後、3時間後、さらに5時間後のロジウム濃度に変化は見られなかった。即ち、ロジウム触媒の沈降は観察されなかった。
<実施例7>
液温を180℃にした以外は実施例6と同様の実験を行った結果、1時間後、3時間後、さらに5時間後のロジウム濃度に変化は見られなかった。即ち、ロジウム触媒の沈降は観察されなかった。
<実施例8>
液温を200℃にした以外は実施例6と同様の実験を行った結果、1時間後、3時間後、さらに5時間後のロジウム濃度に変化は見られなかった。即ち、ロジウム触媒の沈降は観察されなかった。
<比較例6>
水5.0wt%、ヨウ化メチル1.7wt%、酢酸メチル0.9wt%、酢酸88.1wt%、LiI7.1wt%、ロジウム940ppm(RhI3をCO/H2で溶解処理して使用した)の液組成となるよう調整した液300mlを500mlオートクレーブに仕込み、窒素3.1MPa-Gを張り込み、液温140℃における液中ロジウム濃度の経時変化を観察したところ、1時間後820ppm、3時間後590ppm、5時間後400ppmのロジウム濃度であった。即ち、SnI2がロジウムの2モル倍存在する実施例6に比べて、ロジウム触媒がかなり沈降している。


以下、比較例7、実施例9にSn存在有無における酢酸生成速度について示す。尚、GCの分析条件は以下の通りである。
反応液分析条件(酢酸メチル、メタノール、ヨウ化メチル、酢酸)
カラム条件 ;カラム RESTEK STABILWAX-DA(RESTEK社製)
内径 0.32mm
長さ 30m
GC 条件 ;カラム温度 50℃(7min)→15℃/min→220℃(20min)
INJ 200℃
DET 220℃
SPLIT 50:1
キャリア He
流量 1.8ml/min
検出器 FID
サンプル調整方法;注入量 1μL
定量計算方法 内標法
内部標準液 シクロヘキサノン
内標液調整 シクロヘキサノン600mgをプロピオニトリル 100g中に注入し、その液を内部標準液とする
サンプル液 反応液200mgをプロピオニトリル8.8g中 に注入して希釈した後、内部標準液1gを加えてサン プル液とする

<比較例7>
水2g、酢酸60g、ヨウ化リチウム20g、ヨウ化メチル14g、メタノール4g、ヨウ化ロジウム0.235g(CO1MPa-G、H2100kPa-G(30℃)を張り込み、187℃で60分の活性化処理をした後に使用した;Rh濃度は500ppm/batch)を仕込み、反応温度187℃、全圧2.5MPa-G、CO分圧1.5MPa-G、H2分圧0.1MPa-Gで反応を行った。10分後の反応液組成をGC分析で測定した結果、原料メタノールの残量(酢酸メチル分はメタノールに換算しなおした)は47mmolであり、反応開始時よりも78mmolのメタノール消費量であった。
<実施例9>
さらにロジウム濃度の2倍モル量のSnI2(金属Sn換算で約1500ppm)を仕込んだ以外は比較例7と同様に反応を行った。
10分後の反応液組成をGC分析で測定した結果、原料メタノールの残量(酢酸メチル分はメタノールに換算しなおした)は40mmolであり、反応開始時よりも85mmolのメタノール消費量であり、比較例7と比較し、反応速度はアップしていた。

Claims (3)

  1. ロジウム触媒、ヨウ化リチウム、ハロゲン化アルキル、有限量の水の存在下、 1−10 アルキルアルコール、C 2−6 アルキルカルボン酸C 1−6 アルキルエステル及びジC 1−6 アルキルエーテルからなる群から選択された少なくとも一種を一酸化炭素と反応させてカルボン酸を製造する方法において、金属亜鉛、亜鉛を含む化合物、金属錫、及び錫を含む化合物からなる群から選択された少なくとも一種の存在下に反応させることを特徴とするカルボン酸の製造方法。
  2. 反応液中の金属亜鉛又は亜鉛を含む化合物の濃度が10〜5000ppm(金属Zn換算)である請求項1記載のカルボン酸の製造方法。
  3. 反応液中の金属錫又は錫を含む化合物の濃度が10〜20000ppm(金属換算)である請求項1記載のカルボン酸の製造方法。
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