JP4660659B2 - 脈拍計およびこれを用いた脈拍計測システム - Google Patents

脈拍計およびこれを用いた脈拍計測システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、脈拍計およびこれを用いた脈拍計測システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、たとえばスイミングスクールやフィットネスクラブ等においては、水泳による体力づくりが行われている。水泳は、全身運動であるので、体力づくりのためのトレーニングとして適した運動である。また、たとえば水の中を歩行するようにすると体に体重がかからず大きな負担とならないので、最近では、たとえば糖尿病や関節病等を患う患者に対する運動療法として行われている。
【0003】
このような運動療法において、上記運動が各患者にとって激しい運動であるのか、あるいは軽い運動であるのかといったことを外部から把握することは困難なことが多い。そこで、脈拍を上記運動療法に利用した場合、脈拍数が多いときは、その患者にとってその運動が激しい運動であると判断でき、逆に脈拍数が少ないときはその患者にとって軽い運動であると判断でき、それ以後の療法の方法をアドバイスすることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記脈拍を計測する装置としては、たとえば指先を所定位置に押し当てて血液の濃度の変化に対する光量を測定することにより、脈拍を計測する光電脈波式の装置が提案されている。しかしながら、このような脈拍計は、上記のような水濡れ状態となるプールサイド等での使用を想定したものでない。また、最近では、防水性を有する腕時計タイプの脈拍計も既に提案されているが、腕時計は、一般に、プールでの使用が禁じられている場合が多い。そのため、プール等の水濡れ状態になるような場所において、使用可能な脈拍計が望まれていた。
【0005】
一方、競泳選手のトレーニングにおいても、その効果を調べるために、脈拍を利用することが考えられる。すなわち、脈拍を計測することにより、筋肉中の乳酸値をある程度推測することができるので、各選手における脈拍と乳酸値との相関関係を予め調べておけば、トレーニング中において上記脈拍を計測することにより推測された乳酸値から、各選手におけるトレーニングの効果を確認することができる。
【0006】
しかしながら、プール等において使用可能な脈拍計は実存していないため、現状では、乳酸値を計測するために、上記トレーニングが行われている合間に採血する方法が行われている。この採血により取得された血液から乳酸値を調べることにより、各選手におけるトレーニングの効果を判断し、それ以後のトレーニングにおける各選手に応じたアドバイスおよび指導等を行っている。
【0007】
しかしながら、上記の乳酸値を計測する方法では、採血の回数があまりにも多くなり手間であるばかりか、採血は痛みを伴うので採血自体を好まない選手も多い。また、採血により、選手がトレーニングに集中できないといった弊害も生ずる。
【0008】
【発明の開示】
本願発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、たとえばプールサイド等の水濡れ状態になる場所でも容易に脈拍を計測することができ、その脈拍データを有効に利用することのできる脈拍計、およびこの脈拍計を用いた脈拍計測システムを提供することを、その課題とする。
【0009】
上記の課題を解決するため、本願発明では、次の技術的手段を講じている。
【0010】
本願発明の第1の側面に係る脈拍計は、防水性を有する本体と、この本体の表面に形成され、被検出体を押し当てるパネルから外部に臨むようにして上記本体の内部に設けられた脈拍センサと、この脈拍センサによって検知した脈拍データを取得して表示部に表示するよう制御する制御部と、外部装置との間で通信を行うための通信部と、外部から非接触状態で送られる識別データを取り込む識別データ取り込み部と、を備え、上記制御部は、上記脈拍センサによって検知された脈拍データを、上記識別データ取り込み部によって取り込まれた識別データとともに上記通信部を介して上記外部装置に送信することを特徴とするものである。具体的には、脈拍センサは、発光素子および受光素子によって構成され、発光素子の発する光を上記パネルを透過して上記被検出体に照射し、被検出体の内部で吸収散乱して上記パネルを透過した光を受光素子によって受光するものである。
【0011】
上記構成によれば、この脈拍計の本体は、防水性を有しているので、たとえばプールサイド等といった水濡れ状態となる場所でもこの脈拍計を置いておくことができる。そして、上記脈拍計によって、たとえば運動を行った使用者が指先をパネルに押し当てれば、パネルの内側に設けられた脈拍センサによって使用者の脈拍が検知される。この場合、検知された脈拍データは、制御部により表示部に表示されるので、使用者は、運動後の自己の脈拍数を即座に知ることができる。したがって、上記脈拍計は、水中で運動療法を行う場合や水泳のトレーニングを行う場合でも有効に用いることができ、特にトレーニングの際に、乳酸値を取得するために採血を行う必要がなくなり、選手に対する負担を大幅に軽減することができる。
【0012】
また、制御部は、脈拍センサによって検知された脈拍データを、通信部を介して外部装置、たとえばプールサイド以外の水濡れ状態にならない場所に設置されたパーソナルコンピュータに送る。そのため、このパーソナルコンピュータが設置された所定距離離れた場所においても、使用者の脈拍データを確認することが可能となる。
【0014】
なお、上記識別データとは、脈拍を計測される被計測者を識別するためのデータをいい、上記識別データは、たとえば被計測者の手首に巻かれたリストバンドに装着されたタグから送られ、脈拍計に設けられた識別データ取り込み部によって非接触状態で取り込まれる。このように、脈拍データ以外に識別データも検知され、ともに外部装置に送られれば、外部装置では、送られた脈拍データがどの使用者のデータであるかを認識することができる。そのため、外部装置では、複数の使用者の脈拍値を確認することができる。
【0015】
また、本願発明の第2の側面に係る脈拍計測システムは、外部装置としての中央管理装置と、この中央管理装置に接続された複数の、上記第1の側面に係る脈拍計とを備えた脈拍計測システムであって、中央管理装置は、複数の脈拍計から送信される識別データおよび脈拍データを受信し、受信したこれらのデータに基づいてデータ処理を行うデータ処理部を備えることを特徴とするものである。
【0016】
ここで、複数の脈拍計をたとえばプールサイドの各コースごとにおいておき、トレーニング中の各選手が泳いだ後に、脈拍計によって脈拍を計測すれば、各脈拍計で計測された脈拍データがそれぞれ中央管理装置、たとえばパーソナルコンピュータに送信される。そのため、中央管理装置では、各選手の脈拍データを収集してデータ処理することができる。たとえば、収集された脈拍データから各選手の推定乳酸値を算出しそれらをディスプレイやプリンタに出力して、トレーニングの効果を確認することができる。したがって、指導者等は、中央管理装置におけるデータ処理結果に基づいて、各選手に対してリアルタイムでアドバイスや指導等を行うことができる。
【0017】
また、上記通信は、無線によって行われるようにすれば、非接触状態で脈拍計から中央管理装置へデータが送られるので、プールサイド等に上記脈拍計を置いても、たとえば有線を用いたときにおけるケーブル等への浸水等の問題を解消でき、良好に通信を行うことができる。
【0018】
また、上記通信は、脈拍センサの発光素子および受光素子を用いて行われるようにしてもよい。すなわち、たとえば外部装置として、この脈拍計に対してたとえばIrDA方式によって通信が可能なデータ送受信装置を適用し、脈拍センサの発光素子および受光素子を用いてこのデータ送受信装置と通信を行う。このようにすれば、脈拍センサを介してデータ送受信装置に脈拍データや識別データを送ることができる。この場合、データ送受信装置がパーソナルコンピュータに接続可能であれば、パーソナルコンピュータにおいて脈拍データを管理することができる。上記のように、脈拍センサの発光素子および受光素子を用いて通信を行うようにすれば、脈拍センサを有効に利用でき、上記した無線のための通信装置が不要となるので、システムの低コスト化を図ることができる。
【0019】
本願発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の好ましい実施の形態を、添付図面を参照して具体的に説明する。
【0021】
図1は、本願発明に係る脈拍計を用いた脈拍計測システムの概略構成図である。この脈拍計測システムは、中央管理装置としてのホスト1と、このホスト1に対して通信可能に接続された複数の脈拍計2とによって構成されている。上記ホスト1および各脈拍計2は、たとえば無線によって一対多接続の通信が可能とされている。
【0022】
ホスト1は、たとえばプールサイド脇の監視室等に設置されたパーソナルコンピュータからなる。ホスト1は、複数の脈拍計2によって計測された脈拍データを収集してデータ処理し、指導者等に対してそのデータ処理結果を示すものであり、脈拍計2と通信を行うための通信装置3、およびデータ処理結果を印字するためのプリンタ4がそれぞれ接続されている。
【0023】
なお、ホスト1としてのパーソナルコンピュータは、図1に示すように、ノート型のパーソナルコンピュータとされているが、上記監視室等に設置する以外に、たとえばパーソナルコンピュータにベルトを設け、指導者がそれを首からぶら下げて利用するようにして、トレーニングを行っている選手(以下、「使用者」という。)に対してプールサイドから実際に直接指示を送る等してもよい。また、パーソナルコンピュータは、通信装置3を内臓したタイプのものでもよく、たとえば机上に設置する、いわゆるディスクトップタイプのものでもかまわない。
【0024】
図2は、ホスト1およびその周辺装置の構成を示すブロック構成図であるが、ホスト1は、上述したパーソナルコンピュータからなり、その構成は公知であるためここでは概略的に示す。すなわち、ホスト1は、データ処理部としてのCPU11を有し、CPU11には、ROM12、RAM13、およびインターフェース14がバスラインBを介してそれぞれ接続され、インターフェース14には、フレキシブルディスク等の外部記憶媒体を駆動制御するメモリ駆動装置15、デイスプレィ16、およびキーボード17等が接続されている。また、インターフェース14には、周辺装置として、上記した通信装置3およびプリンタ4が接続されている。
【0025】
CPU11は、このパーソナルコンピュータの制御中枢となるものであり、図示しないハードディスクやROM12等に記憶されているプログラムデータや、キーボード17等の入力デバイスによる入力に基づいてデータ処理を行う。
【0026】
ROM12は、このパーソナルコンピュータを起動させるためのブートプログラム等を記憶している。RAM13は、変数データ等を一時記憶し、CPU11にワークエリアを提供する。メモリ駆動装置15は、図示しないハードディスク装置、外部記憶媒体としてのフレキシブルディスクやCD−ROMを駆動するフレキシブルディスク装置、およびCD−ROM装置等を含む。
【0027】
プリンタ4は、CPU11からそれに対して印刷すべきデータや印刷指示データが送られることにより、所定の用紙に印刷を行う。この実施形態では、複数の脈拍計2から送られる、各使用者の脈拍値、脈拍値から推測できる乳酸値、あるいは、それらをグラフ化した図等を印刷する。
【0028】
通信装置3は、各脈拍計2から放射された無線信号を受信するための受信装置であり、具体的には、受信アンテナ18を通じて送られてきた脈拍データ等を受信しCPU11に伝える。なお、上記通信装置3による脈拍計2との通信は、構内での使用を前提とした、いわゆる小電力無線システムによる方式が用いられるが、これに代わり、たとえば微弱電波局、特定小電力無線局、あるいは構内無線局等を利用してもよく、無線通信の形態は、これらの形態に限るものではない。
【0029】
図3は、脈拍計2の概略斜視図であり、図4は、脈拍計2の内部構成を示すブロック構成図である。この脈拍計2は、たとえばプールサイドの各コースごとに載置され、使用者の脈拍を計測し、計測した脈拍データをホスト1に送信するものである。脈拍計2は、防水性をする略ドーム形状の本体20を備え、本体20の表面には、使用者が指を押し当てる部分となる第1パネル21と、使用者の識別情報であるIDが読み取られる部分となる第2パネル22と、脈拍値を表示するための表示部23と、電源スイッチ24とが配されている。また、本体20の背面側には、周縁部近傍から上方に延びた送信アンテナ25が立設されている。
【0030】
上記第1パネル21は、ガラス板等の透明な板によって構成され、略ドーム状の本体20のほぼ頂上部21aに配されている。第1パネル21は、指の先をおける位の大きさに形成され、その裏面側には、使用者の脈拍を計測するための脈拍センサ26が設けられている。このように、第1パネル21が本体20の頂上部21aに配されれば、脈拍を測る使用者がこの脈拍計2に手のひらをかざしたときに、指先を第1パネル21におきやすくなる。なお、第1パネル21には、手前側の一辺を除く周囲に、指の先を位置決めしやすいように位置決め片が立設されていてもよい。
【0031】
脈拍センサ26は、図5に示すように、第1パネル21の裏面側に所定の間隔を有して、発光素子としての発光ダイオード27および受光素子としてのフォトトランジスタ28が配された、いわゆる光電脈波式のセンサである。この脈拍センサ26では、第1パネル21の表面に使用者の指が押し当てられると、発光ダイオード27の発する光を指先に照射し、内部で吸収散乱した光をフォトトランジスタ28で受光する。すなわち、脈拍センサ26は、所定時間内における脈動に伴って生ずる血液の濃度の変化を検知する。
【0032】
また、上記第2パネル22も、ガラス板等によって構成され、本体20の周縁部近傍に配されており、図3には示していないが、その裏面側には使用者のIDを読み取るためのIDリーダ31(後述)が設けられている。使用者のIDは、使用者の手首に巻かれたリストバンド32に装着されたIDタグ33によって認識される。すなわち、上記IDタグ33には使用者のIDが予め記憶されており、使用者がリストバンド32を第2パネル22に対向するように脈拍計2に対して手のひらをかざすと、上記IDタグ33とIDリーダ31との間で通信が行われ、IDリーダ31が上記IDタグ33に記憶されたIDを読み取ることができる。
【0033】
このように、本体20は、略ドーム状に、かつ手のひらをおくことのできる位の大きさに形成されており、また、上記第1パネル21を本体20の頂上部21aに、第2パネル22を本体20の周縁部にそれぞれ配することにより、使用者が一度だけ手のひらを本体20にかざす様にするだけでIDデータと脈拍データとが同時に取得することができるようになっている。そのため、使用者にとって使い勝手のよい構成とされている。なお、本体20の形状は、略ドーム状に限らず、半球形状等に形成されていてもよい。
【0034】
また、本体20は、防水性を有しているので、たとえばプールサイド等の水濡れ状態となる場所にこの脈拍計2を載置して使用することができる。したがって、上記脈拍計2は、水中で運動療法を行う場合や水泳のトレーニングを行う場合でも有効に用いることができ、特にトレーニングの際に、乳酸値を取得するために採血を行う必要がなくなり、使用者に対する負担を大幅に軽減することができる。
【0035】
脈拍計2は、図4に示すように、制御部としてのCPU35を備え、CPU35にはメモリ36、表示部23、アナログ回路部37、ホスト1との通信を行うための通信部38、およびIDを読み取るためのIDリーダ31が接続されている。また、脈拍計2には、必要に応じて各部に電源電圧を供給するための電源部41が設けられている。
【0036】
CPU35は、本脈拍計2の制御中枢となるものであり、メモリ36に記憶されている実行用プログラムに応じて各部の動作制御やデータ処理を実行する。
【0037】
メモリ36は、たとえば実行用プログラムを記憶するためのROMや、変数データを記憶しCPU35に対してワークエリアを提供するRAM等により構成されている。
【0038】
表示部23は、たとえば液晶表示器からなり、CPU35によって駆動制御されることにより、上記液晶表示器によってドットマトリクス表示が行われる。なお、表示部23には、上記構成に限らず、7セグメントLEDやプラズマ表示器等が用いられてもよい。
【0039】
脈拍センサ26は、上述したように、使用者の脈拍を検知するものであり、この脈拍センサ26で検知した検知信号は電気信号に変換され、脈拍センサ26に接続されたアナログ回路部37に送られる。
【0040】
アナログ回路部37は、脈拍センサ26で検知したアナログ信号をディジタル信号に変換したり、その信号を増幅したり、サンプルホールド等の処理を行うものであり、処理された処理信号はCPU35に送られる。
【0041】
通信部38は、上記ホスト1との無線通信を行うためのものであり、図示しない送信器が内装され、この通信部38には、送信アンテナ25が接続されている。このように、本実施形態においては、ホスト1との通信に無線を適用することにより、たとえば有線を適用した場合のケーブルやケーブルの接続部における浸水等のおそれを防止することができる。そのため、良好な防水性を具備することができ、スイミングスク−ル等のプールサイド等において適した構成とすることができる。
【0042】
IDリーダ31は、上述したように、使用者の腕に巻かれたリストバンド32のIDタグ33からIDデータを受信するものである。IDリーダ31は、IDタグ33からIDデータを読み取ると、そのデータをCPU35に伝える。
【0043】
IDタグ33は、図示しないメモリおよびCPUを有するICチップとコイルアンテナとを有している。ICチップは、IDリーダ31から送られる電磁波によるエネルギによって駆動し、メモリ36に予め記憶されているIDデータを、コイルアンテナを介してIDリーダ31に送信する。なお、上記メモリ36は、たとえば64ビットのデータを記憶することができるものであり、このビット数を利用して識別番号が設定される。
【0044】
電源部41は、たとえばリチウムイオン電池等の充電式電池を含む構成とされ、上記充電式電池は、図4に示すように、必要に応じて外部の充電ヘッド42を通じて非接触状態で充電される。すなわち、充電ヘッド42は、コネクタ43を通じて商用電源から電源電圧が供給されることにより駆動し、充電ヘッド42に内装されたコイル(図示せず)と電源部41に内装されたコイル(図示せず)との間で生ずる電磁誘導作用により、電源部41に対して電磁波によるエネルギが供給される。このように、上記充電ヘッド42から脈拍計2に非接触状態で電力の供給がされ、防水性を維持する構成とされている。
【0045】
なお、上記脈拍計2においては、図6に示すように、上記IDリーダ31に代わり、キーボード45を有する構成にしてもよい。キーボード45は、複数の操作スイッチからなり、使用者によってこの操作スイッチが押下されると、その操作信号がCPU35に送られる。その他の構成は、上記した実施形態の構成と略同様である。
【0046】
すなわち、この脈拍計2では、使用者がキーボード45を操作することによって自らIDを入力する。このように、使用者のキーボード45の操作によってIDが入力されることにより、IDタグ33付きのリストバンド32が不要となるとともに、IDを確実に入力できるといった利点がある。
【0047】
次に、脈拍計2のCPU35における制御動作を、図7に示すフローチャートを参照して説明する。まず、この脈拍計2の電源スイッチ24が投入されると、CPU35は、IDデータが入力されたか否かの判別処理を行う(ステップS1)。すなわち、IDリーダ31によってIDデータが読み取られ、IDリーダ31からCPU35に対して上記IDデータが送られたか否かの判別処理が行われる。ここで、使用者がトレーンニングを行い、IDタグ33が第2パネル22に対向するように、リストバンド32が巻かれた手首を脈拍計2にかざすようにすると、IDタグ33に予め記憶されているIDデータがIDリーダ31によって取り込まれる。IDリーダ31によって取り込まれたIDデータは、そのままCPU35に送られる。
【0048】
IDデータがCPU35に送られれば、CPU35は、IDデータが入力されたと判別し(ステップS1:YES)、そのIDデータを、一旦、メモリ36に記憶させる(ステップS2)。IDデータは、予め所定のデータフォーマットがされており、CPU35は、そのデータフォーマットに応じて示されたIDを認識する。なお、ステップS1において、CPU35が、IDデータが入力されたと判別した場合、図示しないスピーカからその旨を示す、たとえば「ピッ」といった発信音を出力させてもよい。これにより、使用者は、この脈拍計2によってIDデータが読み込まれたことを知ることができる。
【0049】
次に、CPU35は、脈拍データが入力されたか否かの判別処理を行う(ステップS3)。すなわち、脈拍センサ26によって脈拍データが検知され、脈拍センサ26からアナログ回路部37を介してCPU35に対して上記脈拍データが送られたか否かの判別処理が行われる。ここで、使用者が指先を第1パネル21に対して所定時間押し当てると、脈拍センサ26によって脈拍が検知される。この検知信号は、アナログ回路部37に送られ、アナログ回路部37においてCPU35で処理できる処理信号に変換され、その後CPU35に送られる。脈拍データがCPU35に送られると、CPU35は、脈拍データが入力されたと判別し(ステップS3:YES)、その脈拍データから所定時間における脈拍計を求め、一旦、メモリ36に記憶させる(ステップS4)。
【0050】
なお、ステップS3において、CPU35が、脈拍データが入力されたと判別した場合、図示しないスピーカからその旨を示す、たとえば「ピッピッ」といった発信音を出力させてもよい。これにより、使用者は、この脈拍計2によって脈拍データが読み込まれたことを知ることができる。また、この場合、上記発信音は、IDデータが読み込まれたときに発する発信音と異なる形態の音にすることが望ましい。
【0051】
また、この実施形態では、IDデータの読み込みを認識した後に脈拍データを認識するようにされているが、これに代わり、脈拍データを認識した後にICデータを認識するようにされてもよい。また、このデータを認識する順序は、特に定めないようにし、いずれのデータが先に入力されてもよいように構成してもよい。
【0052】
次いで、CPU35は、上記脈拍計2によって読み込まれた脈拍データを表示部23に表示させる(ステップS5)。これにより、使用者は、表示部23に表示された値を視認すれば、自己の脈拍数を即座に知ることができる。
【0053】
また、CPU35は、IDデータおよび脈拍データをホスト1に送信する処理を行う(ステップS6)。具体的には、CPU35は、IDデータおよび脈拍データをメモリ36から読み出し通信部38に送る。通信部38は、これらのデータを変調し、搬送波とともに送信アンテナ25を介して外部に放出する。
【0054】
このとき、ホスト1の通信装置3では、これらのデータを受信アンテナ18を介して受信する。この場合、搬送波の周波数、データフォーマット、および伝送プロトコル等は、ホスト1の通信装置3と脈拍計2の通信部38との間で予め決められており、通信装置3は、適切にIDデータおよび脈拍データを受信することができる。なお、上記脈拍データやIDデータには、伝送エラーを検出するチェックコードが付加されていてもよい。
【0055】
また、脈拍計2では、上記のように、取得した脈拍データをその都度、ホスト1に送るようにしてもよく、所定数の脈拍データをある程度メモリ36に記憶させておき、その後、一度に所定数の脈拍データをホスト1に送るようにしてもよい。これにより、通信の効率化を図ることができる。
【0056】
上記データを受信したホスト1では、上記IDデータを認識することにより、送られた脈拍データがどの使用者の脈拍データであることが判別できる。また、ホスト1では、この脈拍データから推定乳酸値を算出する等の処理を行う。そして、たとえば図8に示すように、使用者ごとの脈拍値、推定乳酸値等をディスプレイ16に表示させる。あるいは上記値をグラフ化した図等を表示させるようにしてもよい。また、これらの脈拍値等のデータを、必要に応じてプリンタ4によって印字するようにしてもよい。なお、計測した脈拍値が異常な値を示しているときには、それを点滅表示させたり、たとえば音声を出力させたりして指導者に注意を促すようにしてもよい。
【0057】
このように、各脈拍計2によって計測された脈拍データは、無線通信によってホスト1に送られ、ホスト1では、上記脈拍データに基づいて所定のデータ処理を行い、その結果を表示あるいは印刷する。したがって、この表示あるいは印刷により、指導者等は、たとえばトレーニング中の使用者に対してアドバイスや指導をリアルタイムで行うことができる。
【0058】
図9は、脈拍計2の変形例を示すブロック構成図である。この脈拍計2では、上記IDリーダ31によってIDタグ33のIDデータを取り込む構成とは異なり、脈拍センサ26を用いて赤外線発信器46から送られるIDデータを取り込む構成とされている。
【0059】
赤外線発信器46は、上記したIDタグ33と同様に腕時計型のリストバンド32に装着された構成とされ、CPU、メモリ、発信装置、発光ダイオード、および出力スイッチ(いずれも図示せず)を備えている。メモリには、IDデータが予め記憶されており、CPUは、使用者によって出力スイッチが押下されれば、メモリからIDデータを読み出し、IDデータを発信する指令を発信装置に対して出す。発信装置は、上記指令により発光ダイオードを介して外部にIDデータを赤外光として発信する。脈拍センサ26では、フォトトランジスタ28によって、上記赤外線発信器46から発信された赤外線を受光することにより、信号に含まれているIDデータを取り込みCPU35に送る。
【0060】
このように、この実施形態によれば、脈拍センサ26により赤外線発信器46のIDデータを取り込むことができ、すなわち、脈拍センサ26を、使用者の脈拍を検知するといった機能に用いるとともに、IDデータの読み取りにも用いることができ、脈拍センサ26を共用することができる。そのため、上記した構成のIDリーダ31を省略することができるので、部品コストの低減化を図ることができる。
【0061】
もちろん、この発明の範囲は上述した実施の形態に限定されるものではない。
たとえば、上記実施形態においては、脈拍計2とホスト1との通信は、無線により行われたが、携帯可能なデータ収集装置を用いて、脈拍データを集めるようにしてもよい。すなわち、上記データ収集装置は、上記脈拍計2に対して着脱可能なカプラ型とされ、脈拍センサ26に対して、たとえばIrDA方式によって通信が可能とされ、取得した脈拍データを記憶するメモリを有する構成とされている。この場合の通信には、脈拍センサ26の発光ダイオード27およびフォトトランジスタ28が用いられる。そして、このデータ収集装置により、各脈拍計2における脈拍データを収集し、ホスト1等に接続してホスト1に対して収集したデータを送ることにより、ホスト1において脈拍データを管理することができる。このようにすれば、上記した無線のための通信装置が不要となり、システムの低コスト化を図ることができる。また、脈拍センサ26は、データ収集装置との通信にも利用されるので、脈拍センサ26を有効に活用することができる。
【0062】
また、上記実施形態においては、プールサイド#等の水濡れ状態になる場所における脈拍計のシステムについて説明したが、このシステムを陸上競技等で用いるときには、たとえばRS232Cケーブルおよびモデムを用いて有線によりホストと接続するようにしてもよい。
【0063】
また、上記実施形態で示した脈拍計測システムは、水泳選手や患者の脈拍を計測するのに利用することに限らず、一般の人はもちろん、たとえば自転車競技、スピードスケート等の選手、あるいは他の病状の患者に対しても適用することができる。また、脈拍計は上記した形状に限るものではなく、また、計測する対象は脈拍に限らず、酸素飽和度等でもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係る脈拍計が適用される脈拍計測システムである。
【図2】ホストの内部構成を示すブロック構成図である。
【図3】脈拍計の斜視図である。
【図4】脈拍計の内部構成を示すブロック構成図である。
【図5】脈拍センサの構成図である。
【図6】脈拍計の他の構成を示すブロック構成図である。
【図7】CPUの制御動作を示すフローチャートである。
【図8】プリンタに印字される表を示す図である。
【図9】脈拍計の他の構成を示すブロック構成図である。
【符号の説明】
1 ホスト
2 脈拍計
20 本体
23 表示部
26 脈拍センサ
35 CPU
38 通信部

Claims (5)

  1. 防水性を有する本体と、この本体の表面に形成され、被検出体を押し当てるパネルから外部に臨むようにして上記本体の内部に設けられた脈拍センサと、この脈拍センサによって検知した脈拍データを取得して表示部に表示するよう制御する制御部と、
    外部装置との間で通信を行うための通信部と
    外部から非接触状態で送られる識別データを取り込む識別データ取り込み部と、
    を備え、
    上記制御部は、上記脈拍センサによって検知された脈拍データを、上記識別データ取り込み部によって取り込まれた識別データとともに上記通信部を介して上記外部装置に送信することを特徴とする、脈拍計。
  2. 上記脈拍センサは、発光素子および受光素子によって構成され、上記発光素子の発する光を上記パネルを透過して上記被検出体に照射し、上記被検出体の内部で吸収散乱して上記パネルを透過した光を上記受光素子によって受光する、請求項1に記載の脈拍計。
  3. 上記通信は、無線によって行われる、請求項1または2に記載の脈拍計。
  4. 上記通信は、上記脈拍センサの発光素子および受光素子を用いて行われる、請求項1または2に記載の脈拍計。
  5. 外部装置としての中央管理装置と、この中央管理装置に接続された複数の、請求項1ないしのいずれかに記載の脈拍計とを備えた脈拍計測システムであって、
    上記中央管理装置は、上記複数の脈拍計から送信される脈拍データおよび識別データを受信し、受信したこれらのデータに基づいてデータ処理を行うデータ処理部を備えることを特徴とする、脈拍計測システム。
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