JP4662016B2 - 光源装置の製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光源装置の製造装置に関し、特に、光源と光学素子との位置精度を高めた光源装置の製造装置に関する。
光源を備えた光源装置においては、光源装置から射出されるレーザ光の方向性や光束の平行性などが光学特性として要求される。このため、光源装置を製造する際には、発光素子の発光点とレンズとの相対位置を高い精度で位置決めする必要がある。
発光素子とレンズとの相対位置の精度を高めることを目的とした従来技術としては、特許文献1に開示される「光源ユニット」、特許文献2に開示される「光源装置」、特許文献3に開示される「光源装置」をあげられる。
特許文献1に開示される発明は、マルチビーム放射用の光源ユニットの光学系の位置の調整を容易にすることを目的としている。特許文献1に開示される発明は、レーザダイオード及び光学系を固定する取り付け部分及びその間に溝を有するバーボディを設け、溝側又はその反対側から光学系と接し開口を有する光学系用治具をバーボディに設けている。そして、制御手段は、光学系から発せられたビームの焦点位置を検知するビーム焦点位置検知手段の出力に基づき光学系駆動系で光学系用治具を光軸に沿って移動させ、光学系からのビーム方向を検知するビーム方向検知手段の出力に基づきLD駆動手段でレーザダイオードを把持するLD用治具を光軸に対して垂直な面に沿って移動させるものである。
また、特許文献2に開示される発明は、紫外線硬化型接着剤を用いて鏡筒を組み付ける時のエネルギーロスを低減することを目的としている。特許文献2に開示される発明は、半導体レーザを保持するレーザホルダの筒状部分と、コリメータレンズと一体成形された透明な鏡筒の張出部の間に紫外線硬化型接着剤を介在させ、紫外線照射器から照射される紫外線によって紫外線硬化型接着剤を硬化させている。鏡筒の張出部の表面は凸面状に隆起しており、紫外線を集光するレンズとして機能する。
また、特許文献3に開示される発明は、構成部品の数が少なく、組み立て時に位置ズレを生じる恐れがなく、コリメータレンズを光硬化型の接着剤を用いて接着することのできる、安価にして高精度な光源装置を提供することを目的とするものである。特許文献3に開示される発明は、表裏を貫通する嵌合孔を有するベースと、ベース裏面側に位置して嵌合孔に嵌着された半導体レーザと、ベース表側であって嵌合孔の前面に位置して半導体レーザの光軸と同軸に保持されたコリメータレンズと、該コリメータレンズから射出されるレーザ光を整形するアパーチャ形成部材とを備え、コリメータレンズのお外周円よりも僅かに径の大きな断面円弧状のレンズ支持部を半導体レーザの光軸と同心となるように嵌合孔の前面に位置してベースに一体成形し、該レンズ支持部上にコリメータレンズを紫外線硬化接着剤を用いて接着固定している。
特開平5−113545号公報 特開平7−325241号公報 特開平9−246657号公報
しかし、特許文献1に開示される発明は、半導体レーザとレンズとが別々に保持されており、焦点方向すなわち光軸方向の調整はレンズ位置を調整して行い、ビーム位置すなわち光軸と垂直をなす平面内での位置調整は、半導体レーザの位置を調整して行っている。この方法では、半導体レーザとレンズとを別々に保持しているために、保持するための基体の構成が複雑になってコスト高になるという問題もあるが、位置決めした後の接着方法としてYAGレーザによる溶接を用いているため、半導体レーザやレンズが接着後の残留応力によって位置ずれすることが懸念される。また、半導体の発光点とレンズと相対位置を高精度に出す必要があるという問題に対して、位置調整機構の半導体レーザやレンズの保持方法については何ら考慮されていない。
また、特許文献2に開示される発明は、半導体レーザとレンズのとの位置関係について、光軸方向に垂直な方向の2軸に関する調整はされておらず、機械的な嵌合の精度で位置出しを行っている。そして光軸方向についてはピント調整を行ったうえで、紫外線硬化型接着剤を用いて両者の位置関係を固定している。紫外線硬化型接着剤は生産タクト短縮に有利であり、また信頼線にも優れているのでレンズ接着では良く用いられている。
しかし、近年、記録媒体の表面に情報を記録する装置(感光体の表面に画像記録装置など)の高解像度化(高密度記録化)や高精度化が進んでおり、記録装置でよく用いられている光学記録の光源装置についても高精度化が求められており、ミクロン以下の位置精度が要求されている。したがって、機械的な嵌合による位置出しには限界があり、半導体レーザの発光点とレンズの相対位置を3軸(x、y、z)方向に調整する必要がある。換言すると、半導体レーザとレンズとを有する光源装置においては、3軸方向の位置調整及び調整された位置での固定が可能な構造でなければならないが、特許文献2に開示される発明はこのような構造となっていない。
また、特許文献3に開示される発明は、上記各特許文献に開示される発明での問題を鑑みたものである。レンズを接着剤で固定する場合、硬化時に接着剤の収縮が発生するため、収縮による光学特性への影響をなるべく少なくすることが理想的である。特に光源装置ではz方向(光軸方向)の要求精度が高いため、接着剤の収縮方向が光軸方向と一致しないように構成されている。従って、x、y方向(光軸と直交する2方向)については収縮による接着後の位置ずれが発生することになるが、接着後の位置精度を確保するためにある程度の収縮量を見込んで初期位置をオフセットさせるのが一般的である。しかし、収縮量が定まっていないとそのオフセットを与えることが困難になるため、接着剤の収縮方向をx、y方向のいずれか一方のみとなるように収縮方向を一方向に限定している。
ところで、発光素子とレンズとの相対位置の精度を高めるためには、レンズは接着中も動かないようにチャックされていなければならない。特許文献3に開示される発明は、チャック機構に関しては詳細な説明がなされていないものの、一般的なチャック手段でレンズを完全に固定した場合には、接着完了後には接着剤の収縮によってレンズとレンズ支持部との間にストレスが発生する。特許文献3に開示される発明は、このことによって接着剤の剥離が起きやすくなっている。さらに、チャック機構を離したときに、レンズには急激な反動が発生し、レンズの位置精度が損なわれやすくなるなどの問題が発生する。このため、チャック機構を可動に設ける場合、レンズの位置出し精度が損なわれないような条件出しが必要となってしまう。
このように、従来は光源装置を製造する際に、発光素子とレンズとの相対位置を高精度に決めることはできなかった。
本発明はかかる問題に鑑みてなされたものであり、発光素子とレンズとの相対位置を高精度に決めることができる光源装置の製造装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、第1の態様として、発光素子と、該発光素子が少なくとも一つ設置されるベースと、発光素子の光軸と同軸に配置された少なくとも一つのレンズと、レンズが接着固定されるレンズ支持部材とを有する光源装置を製造する装置であって、レンズを接着固定する接着剤は硬化時に収縮する性質であり、レンズを保持するアームユニットおよび、該アームユニットを鉛直方向のみに移動可能に保持するアームユニット保持手段で構成されレンズが当該レンズの鉛直下方に配置されたレンズ支持部材に固定されるまで該レンズを挟持するチャック手段と、発光素子からの水平方向の光軸による光がレンズを通過して入射するよう設置されるモニタと、を有し、アームユニット保持手段は、アームユニットにレンズ支持部から遠ざかる方向への圧力を与える与圧手段と、アームユニットがレンズ支持部から所定距離よりも遠ざからないように位置を規制するストッパと、を有し、与圧手段がアームユニットに与える圧力は、アームユニットとレンズ支持部との間隔が狭いほど弱いことを特徴とする光源装置の製造装置を提供するものである。このような構成とすれば、組み付けの精度が高くなるとともにばらつきは小さくなり、さらに組み付け時のレンズの傾きを防止できる。これにより、組み付け強度の高い光源装置の製造方法を安価な構成で提供することが可能となる。
また、このような構成とすれば、レンズをレンズ支持部に接着する際にレンズの移動方向が鉛直下方のみとなるため、レンズの位置精度が向上する。これに加えて、レンズを安定してチャッキングできるため、アームユニットは、接着剤の収縮によって移動するレンズを安定して追従できる。さらに加えて、レンズを安定してチャッキングできるため、接着時にレンズに作用する応力を低減できる。
また、レンズ接着時に重力によるレンズ位置のばらつきや接着面にかかるストレスを低減させることができる。
また、本発明の第1の態様の上記のいずれの構成においても、チャック手段は、レンズの光軸方向を一つの軸方向とした三次元直交座標系の各軸方向の位置並びにレンズの光軸方向と一致しない二つの座標軸を中心とする回転角を調整可能であることが好ましい。このようにすれば、発光素子に対するレンズの位置を3軸方向及び二つの回転方向に調整できる。
又は、ベースは、チャック手段に対して、レンズの光軸方向を一つの軸方向とした三次元直交座標系の各軸方向の位置並びにレンズの光軸方向と一致しない二つの座標軸を中心とする回転角を調整可能であることが好ましい。このようにすれば、発光素子に対するレンズの位置を3軸方向及び二つの回転方向に調整できる。
また、本発明の第1の態様においては、レンズをレンズ支持部に接着固定する接着剤が紫外線硬化型接着剤であり、アームユニットが透明であることが好ましい。紫外線硬化型接着剤を用いることによって、接着剤の硬化するタイミングを自在にコントロールでき、かつ接着後の残留応力を小さくできる。さらに、接着工程においてレンズの位置決め及び硬化の時間配分を任意に設定できるため、組み付け精度をより高められる。これに加えて、レンズの光軸を含む鉛直面に対して概ね左右対称に紫外線を照射して、紫外線硬化型接着剤を硬化させることがより好ましい。このように紫外線を照射することにより、接着剤の収縮方向が限定して、レンズの初期位置のオフセット量の算出とチャック手段の構成とを容易にできる。
本発明によれば、発光素子とレンズとの相対位置を高精度に決めることができる光源装置の製造装置を提供できる。
本発明を好適に実施した実施の形態について説明する。図1及び図2に本実施形態にかかる光源装置の構成を示す。
発光素子1は、その光軸方向が水平方向となるようにベース2に保持されている。発光素子1としては、LED、白熱灯など種々のものを適用可能であるが、記録装置の光源としては半導体レーザが一般的に用いられる。
ベース2と発光素子1とは正確に位置決めされた上で固定されていることが好ましいため、ベース2に嵌合孔を設け、その嵌合孔に沿って正確に発光素子1が嵌合される構造を適用している。
発光素子1の光路の延長上には、レンズ3が配置されている。レンズ3は、コリメータレンズや集光レンズが適用されることが多く、光束の平行性が求められる場合にはコリメータレンズが、集光させて微小スポットとして用いる場合には集光レンズが用いられる。図1には、単眼の集光レンズを用いた構成を図示している。
なお、一枚で集光レンズの効果とコリメータレンズと効果とを併せ持ったレンズを用いてもよい。このような構成とすれば、簡単なレンズ接着の構成でレーザ光の光束の平行性と微小スポットの形成との両方の効果を得ることができる。もちろんコリメータレンズと集光レンズとを別々に設ける構成とすることも可能であるし、集光レンズを複数枚組み合わせたレンズ群でも良い。その場合、レンズ群を一つの鏡筒にまとめてユニット化してもよい。
レンズ3は、最終的には発光素子1の光軸に対して正確に位置合わせされた上で固定されていなければならない。そこで、レンズ3は紫外線硬化型接着剤に代表される接着剤4によってレンズ支持部2aに接着されている。
紫外線硬化型接着剤とは、紫外線を照射することによって硬化する接着剤のことであり、これを用いる場合には接着工程において紫外線を照射することにより接着剤を硬化させる。なお、本発明には、瞬間接着剤、エポキシ系接着剤、ボンドなどの接着剤が適用可能であり、特別な接着剤に限定されるものではない。また、溶接によってレンズ3をレンズ支持部2aに固定することも可能である。
ただし、紫外線硬化型接着剤が最も取扱性に優れるため、本発明にはこれを用いることが最も好ましい。
レンズ支持部2aは、レンズ3の理論的に正しい位置に対してクリアランスを取って設けられている。このクリアランスは、レンズ3の位置調整を行うための調整しろであり、かつ接着剤4を注入するためのスペースでもある。したがって、クリアランスが小さすぎると十分な調整しろが確保できなくなり、逆にクリアランスが大きすぎると接着剤4の層が厚くなって収縮量が増大してしまうため、適切な値に設定する。接着剤4として紫外線硬化型接着剤を用いるのであれば、クリアランスは0.1〜0.3mm程度に設定することが好ましい。
レンズ3の位置調整は、レンズ3をチャッキングするためのチャック手段5とモニタ6とを用いて行う。図2に、チャック手段5の構成の一例を示す。レンズ3は接着前においてはチャック手段5によって保持されており、チャック手段5とベース2とはx、y、zの3軸方向について相対的な位置を調整可能である。またさらに、レンズ3の光軸を中心とした回転方向を除く残りの二つの回転方向についても調整自在である。すなわち、図3に示すように、チャック手段5は、5自由度の位置調整機構を備えている。
そして、発光素子1を発光させ、その光がレンズ3を通過してモニタ6に到達するようにモニタ6を設置する。モニタ6は、ビームの位置検出やビームスポットの形状などをモニタリング可能なものが適用されている。したがって、ビーム位置やビームスポットの形状(すなわち焦点位置の調整)が最適となるように、モニタ6で観察しながらレンズ3の位置を調整することによって、正確なレンズ位置出しを行えるようになっている。なお、モニタ6をに写るビームスポットの形状を画像処理することによって自動的にレンズ3の位置を調整する制御系を備えているとより好ましい。
正確にレンズ3の位置出しを行った後に、接着剤4を注入してレンズ3を接着する。上述したように、紫外線硬化型接着剤は取扱性に優れるため、本発明に適用する接着剤として最も好ましい。
例えば、瞬間接着剤の場合には、注入した接着剤がすぐに硬化してしまうため、レンズ3の周囲に満遍なく注入することが困難であることに加えて、接着後の残留応力も懸念される。また、エポキシ系接着剤は、硬化するのに少なくとも1時間は必要であり(一般的なものは24時間)、接着剤4が硬化するまでチャック手段5を動かせないので、作業速度が遅くなってしまう。ボンド系の接着剤も硬化までに時間を要するとともに、接着強度及び接着後の弾性も懸念される。さらに、溶接に関しては、金属やプラスチックが局部的に溶解させるために高温にしなければならない。このため、溶接の場合は、熱応力の発生や熱膨張・収縮が懸念される。
これに対し、紫外線硬化性接着剤は、紫外線を当てなければ硬化しないため、レンズ位置調整前に注入した接着剤が硬化せずにレンズの周囲に満遍なく行き渡る。よって、レンズ3の位置調整を時間をかけて行うことができる。さらに、レンズ3の位置を決めた後に紫外線を照射すれば、速やかに硬化するため、接着工程に要する時間を効率的に短縮できる。なお、この時はレンズ3の周囲に接着剤が満遍なく行き渡っているため、接着剤が硬化する際に応力が偏って発生することはない。
レンズ3とレンズ支持部2aとのクリアランスに接着剤4を注入する手法としては、クリアランスにノズル7を近づけて注入する方法が一般的である。この手法を適用する場合は、ノズル7の先端から放出される接着剤4の量を常に一定量に保つ機構を設けておけば、各ロット間における接着ばらつきが低減される。
なお、紫外線が照射されなければ硬化しない紫外線硬化型接着剤であれば、この他の手法でレンズ3とレンズ支持部2aとのクリアランスに接着剤4を注入することも可能である。例えば、針状の部材の先端に接着剤4を保持し、それをレンズ3とレンズ支持部2aとのクリアランスに接触させて毛管現象で注入する手法や、予めレンズ3やレンズ支持部2aに接着剤4を塗布しておく手法も適用可能である。
レンズ3とレンズ支持部2aとの間に接着剤4を注入したら、これを硬化させる。
紫外線硬化性接着剤の場合には、紫外線を照射して接着剤を硬化させるが、レンズ3の位置を正確に位置決めした後で硬化させることができるため、時間効率が良い接着が可能となる。
紫外線硬化型接着剤の場合には、接着剤に満遍なく照射できるのであれば、紫外線はどの方向から照射しても良いが、光ファイバなどを用いて局所的に紫外線を照射した方がエネルギー効率は良い上に硬化時間を短縮できる。さらに、光ファイバを用いた場合、入り組んだ所へも紫外線を容易に導くことが可能となる。
接着の対象が一個のレンズの場合には、レンズ自体が透明であるので、図4に示すように、レンズ支持部2aが無い側からであれば、どの方向から紫外線を照射しても良いが、できるだけ接着剤4の近くから紫外線を照射することが好ましい。
また、鏡筒によってユニット化されたレンズアレイを接着する場合、鏡筒に穴を空けるか鏡筒を透明化することによって紫外線の光路を確保する。
なお、アームユニット51が透明であれば、接着剤4に紫外線を当てることができる方向やアームユニット51のレイアウトが制限されなくなる。
以上の工程によって、レンズ3は正確な位置に接着固定されるわけであるが、接着剤4はその種類に関わらず硬化時に収縮するという特徴がある。このため、接着剤4の収縮によってレンズ3の位置が少しずつ変化するという問題が接着の過程において生じる。例えば、チャック手段5でレンズ3を完全に固定した場合、所定の位置にレンズ3を導いた後に接着工程に入るわけであるが、接着完了後には接着剤4の収縮によってレンズ3とレンズ支持部2aとの間にストレスが発生する。このようにしてストレスが発生すると、接着剤4が剥離しやすくなる。さらに、図5に示すように、チャック手段5を離した時に、レンズ3に急激な反動が発生し、レンズ3の位置精度が損なわれるといった問題が発生する。
本実施形態においては、上記の問題が発生しないようにするために、チャック手段5の構成を以下に示すように構成している。
チャック手段5は、レンズ3を保持するアームユニット51とアームユニット51を保持するアームユニット保持手段52との二つのユニットから構成されている。
アームユニット51は、アーム51aとアーム51bとで構成されている。アーム51bはアーム51aに対して回転可能に取り付けられており、付勢ばね51dによって付勢されているため、レンズ3を確実に挟み込める。
アーム51aのレンズ3を支える部分は平らな面となっており、アーム51bのレンズ3を支える部分には図6(a)に示すような切り欠きが設けられているため、レンズ3は二本の稜線で支えられる。このため、アームユニット51によってレンズ3を確実に固定して支えることが可能である。
なお、アーム51bのレンズ3と接する部分の形状は、二本の稜線によってレンズ3と接触する形状に限定されることはなく、例えば、図6(b)に示すように、レンズ3の光軸方向に形成された一本の稜線とこの稜線上に無い一点とでレンズ3を支持する形状であっても良いし、図6(c)に示すように、同一直線状にない三点でレンズ3を支持する形状であっても良い。いずれの場合でも、レンズ3を姿勢良く所定の位置にチャッキングすることが可能となるが、二本の稜線でレンズ3を支持する形状が最も姿勢良くレンズ3を支持できる。なお、このときレンズ3をキャッチングしている部分は、レンズ3が接着される部分に重なっていてはならないことは言うまでもない。
また、この図2に示す構成では、アーム51aのレンズ3を支える面は鉛直方向に対して若干の勾配が設けられている。従って、レンズ接着後にチャック手段5からレンズ3を解放する時には、アーム51bを待避させた後で鉛直方向に持ち上げるだけで、レンズ3にストレスを与えることなく容易にチャック手段5を退避させることができる。
アームユニット保持手段52は、アームユニット51を鉛直方向に可動に保持している。アームユニット51には、長穴51cが設けられており、アームユニット保持手段52にはスライド用ベアリング52dが二本設けられているため、アームユニット51はアームユニット保持手段52に対して傾くことなく一方向のみに移動する。
長穴51cとスライド用ベアリング52dとの位置関係は逆(すなわち、アームユニット51にスライド用ベアリングを設け、アームユニット保持手段52に長穴を設ける)であっても良い。このとき、長穴51cとスライド用ベアリング52dとにはガタが無いようにセットすることが好ましい。ただし、単純に嵌め合わせただけではガタの発生は避けられないため、板バネ52eなどを用いてガタが除去されるように構成するのが一般的である。
アームユニット51の上方への移動、すなわちレンズ3がレンズ支持部2aから遠ざかる方向への移動に関しては、ストッパ52cによって規制されている。一方、アームユニット51の下方向への移動に関しては、マグネット52bによって上方に与圧されていることによって制限されている。アームユニット51に与圧力以上の下方への力が作用すれば、アームユニット51が下方へ動くということは言うまでもない。
次に、チャック手段5の動作について図7を用いて説明する。(a)は、接着剤4が硬化する前の状態を示し、(b)は接着剤4が硬化した後の状態を示す。接着剤4は硬化中に収縮していくので、図中においてレンズ3は下方へ移動していく。レンズ接着の初期状態においては、アームユニット51はマグネット52bの力によってストッパ52cに押し当てられた状態である。そして、接着剤4の硬化が進むにつれてアームユニット51はマグネット52bの力に反して、スライド用ベアリング52dに従ってストッパ52cから離れる方向へ移動する。この時マグネット52のギャップが大きくなるため、アームユニット51に作用する与圧力はアームユニット51の移動とともに弱くなる。
この時重要なのは、初期のマグネット52bの力は、接着剤4が収縮していくときの接着力よりも小さく、かつアームユニット51に作用する重力に対して十分大きく設定されなければならないということと、アームユニット51のレンズ保持力がマグネット52bの力に対して十分大きくなければならないということである。
仮に、マグネット52bの力が接着力よりも大きいとすると、図5に示した現象と同様の不具合が発生する。また、マグネット52bの力がアームユニット51に作用する重力よりも小さい場合、アームユニット51が落下してレンズ3の保持は不可能である。また、アームユニット51のレンズ保持力がマグネット52bの力に対して弱い場合、接着剤4が硬化してレンズ3が移動した際に、アームユニット51自体が下方に移動せずにレンズ3だけが移動してレンズ3の相対位置がずれてしまう。
マグネット52bの力を適切に設定することにより、レンズ3の移動する方向を下方のみに規制することが可能となる。
接着の過程においては、接着剤4が収縮することによってレンズ3が下方に移動していくわけであるが、このときにマグネット52bの間隔が開くこととなり、この結果マグネット52bの与圧力は低下する。
これは、マグネット52bの磁力は、二極間の距離に依存し、図8に示すように両極間の距離の二乗に反比例するからである。従って、マグネット52bの与圧力は、接着剤4が完全に収縮して接着が完了した時に最も小さくなる。最も好ましいのは、この時の与圧力がアームユニット51に作用する重力と釣り合うか、それよりもやや大きくなることである。与圧力が強くなるとレンズ3に強いストレスがかかる可能性があり、その場合にはチャック手段5を離したときに、レンズ3に急激な反動が発生して位置精度が損なわれる。逆に、与圧力が小さすぎると、アームユニット51に作用する重力によって同様の問題が発生する恐れがある。
仮に、アームユニット51に与える与圧力を弾性部材(例えば、ばね)で与えた場合を考える。弾性部材に変位を与える(変形させる)と生じる弾性力は、変位が大きくなるほど強い力となる。よって、弾性部材を用いてアームユニット51に与圧力を与えると、レンズ3が下方に移動した接着完了状態の時に与圧力が最も大きくなってしまう。
これに対しマグネット52bは、弾性部材とは逆に、レンズ3の移動量が大きいほど与圧力が弱くなるため、本発明のチャック手段5に適用する与圧力付勢手段として好適である。与圧力付勢手段としてマグネット52bを用いることにより、レンズ3を高精度に接着することが可能となる。
接着剤4の収縮によるレンズ3の移動は、不可避の問題であるため、レンズ3の移動方向をいかに限定し、接着強度を損なわないようにするかが最大の課題となる。接着後のレンズ3の位置精度を確保するために、レンズ3の初期位置は収縮量を見込んでオフセットされなければならないが、そのオフセット量を求めるためのパラメータを複雑にすることは好ましくない。このため、接着剤4が硬化する際にレンズ3が移動する方向を極力制限する必要がある。
図示する例においては、接着剤4が収縮するとレンズ3は下方に移動するが、必ずしも完全に鉛直下方に移動する訳ではなく、接着剤4の密度分布や外乱などの影響で多少左右にぶれる可能性がある。しかし、本発明では、このような構成をとることによって、レンズ3の移動方向から水平方向の成分を排除して移動方向を鉛直方向のみに限定している。このときの移動量はある程度の再現性があるため、移動量を予め見積もっておき、これをオフセット量として位置調整を行うことで、レンズ3を高精度に接着できる。
このとき、接着剤4が収縮するおおよその方向とチャック手段5におけるレンズの移動可能方向とを一致させなければならないことは言うまでもなく、さもなければ接着後に発生するストレスが大きくなってしまう。従って、接着剤4の収縮するおおよその方向とチャック手段5におけるレンズ3の移動可能方向とが一致していれば、レンズ3の移動方向は鉛直方向で無くともよい。しかし、レンズ3の移動方向を鉛直方向にすれば、重力の影響を無くし、ストレスが生じることなくレンズ3を接着できる。また、発光素子1は、その光軸方向が水平方向となるようにベース2に保持されており、その結果レンズ3の光軸も水平方向にセットされることとなるため、レンズ接着中に重力によってレンズ3の傾きが変化することを防止できる。
チャック手段5の代表的な形態は以上に説明した通りであるが、これ以外の構造とすることも可能である。
図9に、チャック手段5の構造の一例を示す。図9に示すチャック手段5は、長穴51cとスライド用ベアリング52dとの組合せの代わりに、ばね52hによって付圧されたローラ52gとガイド面51fとの組合せを用いる構成である。ガイド面51fには滑り軸受に用いられているものと同様の材料を用いることによってフリクションを低減してアームユニット51を滑らかに動かすことが可能となる。また、図10に示すように、ガイド面51fにローラを取り付けても良い。
さらに、図11に示すように、チャック手段5は、ガイドシャフト52jと軸受52kとを用いた構成とすることも可能である。ここでは、回転方向の位置の規制とガタの除去とを目的としてばね52hを備えたローラ52gを設けている。
レンズ支持部2aの形状について説明する。
レンズ支持部2aの接着面は、レンズ3の中心を通る鉛直線とレンズ3の光軸線とがなす平面に対して略左右対称になっている。これの最も一般的な形状としては、図1に示したようなレンズ3の外周円よりも僅かに径の大きい円弧状の形状をあげることができる。
しかし、レンズ3の中心を通る鉛直線とレンズ3の光軸線とが為す平面に対して略左右対称という条件を満たすのであれば、図12や図13に示すような形状でも良い。
一般的に、接着剤4の収縮によるレンズ3の移動量は接着剤層の厚さに比例するため、接着面の形状をレンズ3の中心を通る鉛直線とレンズ3の光軸とが為す平面に対して略左右対称としていれば、光軸と直交する2方向のうち水平方向については接着剤4の収縮が打ち消しあうため、図14に示すように、全体としてはレンズ3の移動量はゼロに近くなる。したがって、接着剤4の収縮によるレンズ3の移動方向は、光軸と直交する2方向のうち鉛直方向のみとなる。
実際問題としては、接着剤の密度の分布や外乱などにより、上記構成でもレンズ3の水平方向へのズレは多少発生するが、上記のチャック手段5を併用することによって、レンズ3の水平方向へのズレ量を限りなく小さくしている。
なお、同様にして接着面の形状をレンズ3の中心を通る水平面に対して略上下対称とすれば、鉛直方向については接着剤4の収縮が打ち消しあって、全体としてレンズ3の移動量はゼロに近くなるが、このような構成と下場合にはレンズ3に作用する重力の影響を考慮する必要があるため、オフセット量の算出が煩雑となる。したがって、接着面の形状をレンズ3の中心を通る鉛直線とレンズ3の光軸線とがなす平面に対して略左右対称とするほうが好ましい。
図1には、レンズ支持部2aの接着面がレンズの外周円よりも僅かに径の大きな円弧状の形状であって、発光素子1の光軸と同心となるようにベース2に形成されている場合について示してある。この形状の利点は、接着面において接着層の厚さを均一化できることにある。接着剤層の厚さを均一にすれば、接着剤4の塗布ムラや硬化のムラを防止でき、さらに接着剤層の厚さを必要以上に厚くする必要がなくなるため接着時間を短縮し接着剤の使用量を低減できる。
さらに、レンズ支持部2aの接着面の形状を中心角が半円よりも小さい円弧とすれば、接着剤4の収縮の方向がレンズ3の下側だけとなるため、接着剤4の収縮によるレンズ3の移動方向のばらつきを低減させることが可能となる。
接着剤4に紫外線硬化型接着剤を適用する場合には、接着面に紫外線を照射して硬化させなければならないが、そのためには紫外線を接着面まで到達させる必要がある。通常、レンズ3は透明であるため、レンズ3のある側から紫外線を照射すればよい。この場合でも、紫外線の照射方向は、レンズ3の中心を通る鉛直線と光軸線とが為す平面に対して略左右対称とすることが好ましい。仮に、左右対称でないとすると、接着剤4の硬化時間が左右でばらつくこととなるため、レンズ3の水平方向のズレや接着面でのストレスの発生が懸念される。このため、図15に示すように、レンズ3の真上から紫外線を照射することが好ましい。レンズ3の真上から紫外線を照射すれば、接着面に対してほぼ直角に照射できるため、エネルギー効率に最も優れ、かつ短時間での接着が可能となる。図示した例では、光ファイバを用いて紫外線を導いているが、図16に示すように、レンズ3の真上がフリーとなるようにチャック手段5を構成すれば、光ファイバを用いなくても紫外線の照射が可能となる。
さらに、紫外線硬化による接着時間を短縮するためには、レンズ3側のみならず、レンズ支持部2a側からも紫外線を照射することが好ましい。そのためには、レンズ支持部2a側も紫外線を通す構造とする必要がある。レンズ支持部2aが紫外線を通すようにする構造としては、レンズ支持部2aに穴を開ける手法や、透明な部材でレンズ支持部2aを形成する手法が適用できる。いずれの場合も紫外線照射効率が向上するため、接着時間を短縮できる。
図17に示すように、レンズ支持部2aに穴を開ける場合、その穴の形状は、レンズ3の中心を通る鉛直線とレン3ズの光軸線とが為す平面に対して略左右対称とする。このようにすることによって、光軸と直交する2方向のうち水平方向については、接着剤4の収縮条件のバランスが保たれるため、接着剤4の収縮に伴うレンズの移動量は全体としてはゼロに近くなる。
このようにして製造した光源装置は、発光素子1とレンズ3との相対位置の精度が高く、レンズの接着強度も確保される。
なお、一個のベース2上に発光素子1とレンズ3との組合せを複数個設ける、いわゆるマルチビーム光源装置も上記同様にして製造可能であり、各ビームの相対位置精度が精密に確保されることとなるため、さらに有用な光源装置となる。
これらの光源装置は、記録装置に好適に適用可能である。近年、記録装置には高解像度かつ高速な情報記録が要求されているが、上記本発明にかかる光源装置はビームの照射位置の精度が高いため、記録装置に好適に適用できる。さらに、本発明にかかるマルチビーム光源装置を記録装置に適用した場合は、広幅の画像を高速で得られる。
なお、記録装置の具体例としては、印刷版の製版機、印刷版の版下作成機、感光体ドラムを利用したプリンタ、複写機、FAXなどをあげることができる。
本発明を好適に実施した光源装置の製造装置の構成を示す図である。 チャック手段の構成を示す図である。 5自由度の位置調整機構を示す図である。 光ファイバを用いて紫外線硬化型接着剤に紫外線を照射する場合の光ファイバの配置例を示す図である。 接着剤の収縮によって発生する不具合を示す図である。 アームユニットの形状例を示す図である。 接着剤の硬化に伴ってチャック手段が移動する様子を示す図である。 マグネット間と距離と引力との関係を示す図である。 ガイド面と加圧ローラとを備えたチャック手段の構成例を示す図である。 ガイドローラと加圧ローラとを備えたチャック手段の構成例を示す図である。 ガイドシャフトを備えたチャック手段の構成例を示す図である。 レンズが接着される部分をV字型としたレンズ支持部を示す図である。 レンズが接着される部分を平面としたレンズ支持部を示す図である。 接着剤の収縮にともなうレンズの移動を示す図である。 紫外線の最も望ましい照射方向のレイアウトを示す図である。 紫外線を好適に照射可能なチャック手段のレイアウトを示す図である。 紫外線透過のための穴が形成されたレンズ支持部を示す図である。
符号の説明
1 発光素子
2 ベース
2a レンズ支持部
3 レンズ
4 接着剤
5 チャック手段
6 モニタ
7 ノズル
8 光ファイバ
51 アームユニット
51a、51b アーム
51c 長穴
51d 付勢ばね
51f ガイド面
52 アームユニット保持手段
52b マグネット
52c ストッパ
52d スライド用ベアリング
52e 板バネ
52g ローラ
52h ばね
52j ガイドシャフト
52k 軸受

Claims (5)

  1. 発光素子と、該発光素子が少なくとも一つ設置されるベースと、前記発光素子の光軸と同軸に配置された少なくとも一つのレンズと、前記レンズが接着固定されるレンズ支持部とを有する光源装置を製造する装置であって、
    前記レンズを接着固定する接着剤は硬化時に収縮する性質であり、
    前記レンズを保持するアームユニットおよび、該アームユニットを鉛直方向のみに移動可能に保持するアームユニット保持手段で構成され前記レンズが当該レンズの鉛直下方に配置された前記レンズ支持部に固定されるまで該レンズを挟持するチャック手段と、
    前記発光素子からの水平方向の光軸による光が前記レンズを通過して入射するよう設置されるモニタと、を有し、
    前記アームユニット保持手段は、
    前記アームユニットに前記レンズ支持部から遠ざかる方向への圧力を与える与圧手段と、
    前記アームユニットが前記レンズ支持部から所定距離よりも遠ざからないように位置を規制するストッパと、を有し、
    前記与圧手段が前記アームユニットに与える圧力は、前記アームユニットと前記レンズ支持部との間隔が狭いほど弱いことを特徴とする光源装置の製造装置。
  2. 前記レンズを前記レンズ支持部に接着固定する接着剤は紫外線硬化型接着剤であり、
    前記アームユニットが透明であることを特徴とする請求項1記載の光源装置の製造装置。
  3. 前記レンズの光軸を含む鉛直面に対して概ね左右対称に紫外線を照射して、前記紫外線硬化型接着剤を硬化させることを特徴とする請求項2記載の光源装置の製造装置。
  4. 前記チャック手段は、前記レンズの光軸方向を一つの軸方向とした三次元直交座標系の各軸方向の位置並びに前記レンズの光軸方向と一致しない二つの座標軸を中心とする回転角を調整可能であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の光源装置の製造装置。
  5. 前記ベースは、前記チャック手段に対して、前記レンズの光軸方向を一つの軸方向とした三次元直交座標系の各軸方向の位置並びに前記レンズの光軸方向と一致しない二つの座標軸を中心とする回転角を調整可能であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の光源装置の製造装置。
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