JP4716787B2 - 粘膜下層剥離処置具及び粘膜下層剥離処置具システム - Google Patents

粘膜下層剥離処置具及び粘膜下層剥離処置具システム Download PDF

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Description

本発明は、消化管の病変部を切除するための粘膜下層剥離処置具及び粘膜下層剥離処置具システムに関するものである。
消化管病変の一般的治療法として、内視鏡を利用して病変部を切除する内視鏡的粘膜切除術(EMR:Endoscopic Mucosal Resection)が従来より知られている。
その中でも「切開・剥離法」として、高周波メス等の高周波切開具を用いて病変部の外側の正常粘膜を全周切開し、その後、粘膜下層を剥離して切除する方法が紹介されている(例えば、非特許文献1参照。)。
なお、このような高周波メスの他の形態として、別の治療に使用するものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
小野裕之、他3名、「早期癌に対するITナイフを用いたEMRのコツ」、消化器内視鏡、消化器内視鏡編集委員会、株式会社東京医学社、2002年11月、第14巻、第11号、p1737−1740 米国特許第2001/0049497A1号明細書
しかしながら、上記従来の処置具では以下の課題が残されていた。
即ち、従来の処置具による「切開・剥離法」により切開・剥離を行う際、粘膜下層には多数の血管が走行しているため、これらの血管近傍では高周波メスに高周波を供給する高周波焼灼電源装置の出力設定を随時変えて行う等の特別な配慮が必要となり、手技時間が長くなってしまうという問題があった。
また、高周波メスによる切開・剥離は、切開対象部分への高周波エネルギーによる熱損傷を防止しながら、適度な切れ味を実現させるため、ナイフの当てる強さ、角度、ナイフを移動するスピード等を適切にコントロールする必要があり、手技が難しいという問題があった。
また、高周波メスにより膨隆された病変部を切開する際、どうしても消化管の表面(病変部周囲の膨隆されていない部分の表面)に対して、ある程度の角度がついた状態で高周波メスが接触してしまうものであった。つまり、限られた消化管内のスペースでは、消化管の表面に平行に高周波ナイフを動かして、膨隆された病変部の周囲を切開することは不可能なことであった。そのため、高周波ナイフを粘膜下層に切り込んだ際に、粘膜下層の下にある固有筋層(局注を行っても膨隆しない層)等に高周波ナイフの先端が挿入しないように、高周波ナイフの先端を所定位置(所定深さ)に位置させる必要があり、高度な手技技術や集中力が求められ、術者に与える負担が大きなものであった。
この発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、消化管の病変を切除する際に、短時間で容易に手技を行うことができると共に、術者の技量に左右されることなく安全な手技を行うことができる粘膜下層剥離処置具及び粘膜下層剥離処置具システムを提供することである。
上記の目的を達成するために、この発明は以下の手段を提供している。
本発明の粘膜下層剥離処置具は、粘膜下層を局所的に剥離して、消化管の病変部を切除する粘膜下層剥離処置具であって、前記粘膜下層内に挿入される可撓性の処置具本体と、該処置具本体の基端側から先端側に亘って形成された第1の管路と、前記処置具本体の先端側に設けられ、前記第1の管路を介して流体の供給を受けたときに膨張する膨張部と、先端側が固定された状態で前記第1の管路内に挿通されるワイヤと、該ワイヤの基端側に固定され、前記処置具本体に対して前記ワイヤを押し引き操作する操作部とを備え、前記操作部を押し引き操作したときに、少なくとも前記処置具本体の先端部が所定方向に湾曲することを特徴としている。
この発明に係る粘膜下層剥離処置具においては、予め粘膜下局注等により膨隆した病変部に対して処置具本体の先端を近接させた状態で、操作部により第1の管路内に挿通されたワイヤを押し引き操作することで、膨張部が設けられた処置具本体の先端部を所定方向に向けて任意の角度に湾曲させることができる。即ち、処置具本体に対して先端側が固定されたワイヤが押し引き操作されることで、可撓性の処置具本体にワイヤを介して圧縮力又は引張力が伝わり、処置具本体が所定方向(例えば、上下方向や左右方向)に撓んで湾曲する。これにより、限られた消化管内のスペースであっても、消化管の表面に平行となるように処置具本体の先端側の湾曲具合を調整することができる。
そして、処置具本体の先端側を消化管の表面に平行な方向に動かして先端を膨隆した病変部の粘膜下層内に挿入する。挿入後、第1の管路を介して、流体供給源等から膨張部に流体を供給して、膨張部を粘膜下層内で膨張させる。これにより、容易に粘膜下層を剥離することができる。また、異なる部位に膨張部を挿入した後、上述したように膨張部を膨張させることで、次々と広い範囲の粘膜下層を容易に剥離することができる。
このように、従来の高周波メスを多用しなくても、粘膜下層を剥離することができ、手技を容易にして手技時間の短縮を図ることができる。また、この際、病変部に仮に出血があったとしても、膨張部を膨張することで出血部分を圧迫することができ、出血部分の迅速な止血が行え、病変部の粘膜下層に伴う偶発病を未然に防ぐことができる。
特に、処置具本体の先端部を湾曲させることで、該先端部を消化管の表面に平行に動かして粘膜下層内に挿入できるので、従来のように粘膜下層の下にある固有筋層等に処置具本体の先端側が挿入してしまう可能性がない。よって、処置具本体の先端の挿入深さに極端な注意を払う必要がない。従って、術者の技量に左右されることなく安全な手技を行うことができ、術者に与える負担を極力低減することができる。
更に、第1の管路を、膨張部に流体を供給する管路とワイヤが挿通される管路との共通の管路として利用できるので、処置具本体の細径化を図ることができる。
また、上記の粘膜下層剥離処置具において、前記処置具本体の先端側には、他の部分よりも柔軟性を有する柔軟部を備えていることがより好ましい。
この発明に係る粘膜下層剥離処置具においては、処置具本体の先端側に柔軟部が設けられているので、操作部を押し引き操作したときに、処置具本体をより積極的に膨張部が設けられている先端側で湾曲させることができる。これにより、内視鏡先端からの突出量が僅かであっても、湾曲を確実に行うことができ、消化管内の手技スペースが狭い場合であっても、確実に手技を行うことができる。
また、上記の粘膜下層剥離処置具において、前記処置具本体の少なくとも先端側に、予め決められた一定方向に湾曲する断面特性を有する湾曲補助部材を備え、該一定方向と前記湾曲方向とが同一の方向とされていることがより好ましい。
この発明に係る粘膜下層剥離処置具においては、処置具本体の少なくとも先端側に湾曲補助部材を備えているので、例えば、内視鏡のチャンネル内を挿通させたときに、内視鏡の湾曲具合(湾曲方向)に湾曲補助部材の向きが自動的にならうように、チャンネル内を挿通される。そして、最終的に内視鏡先端側の湾曲方向に湾曲補助部材がならった状態で外部に突出する。即ち、内視鏡先端側の湾曲方向と湾曲補助部材の予め決められた一定方向とが一致する。つまり、粘膜下層剥離処置具は、内視鏡先端から突出した時点で、内視鏡の湾曲方向と自身の湾曲方向とが自動的に一致する。
これにより、術者は、湾曲方向を調整することなく、速やかに内視鏡の湾曲方向と同一の方向に向けて処置具本体の先端部を湾曲操作することができる。よって、湾曲方向を調整する手間が省け、粘膜下層の剥離にかける手技時間をより短縮することができる。
また、上記の粘膜下層剥離処置具において、前記操作部が、回転操作可能とされ、前記操作部からの回転力を前記ワイヤに伝達する回転伝達部を備え、前記操作部を回転操作したときに、少なくとも前記処置具本体の先端部が該処置具本体の軸芯回りに回転することがより好ましい。
この発明に係る粘膜下層剥離処置具においては、湾曲操作を行う際に、操作部を回転操作することで、回転伝達部を介して回転力(回転トルク)をワイヤに伝達して少なくとも処置具本体の先端部を軸芯回りに回転させることができる。よって、湾曲方向をより高精度に制御でき、正確な手技を行うことができる。
また、上記の粘膜下層剥離処置具において、高周波切開具が内部に挿通される挿通路が、前記第1の管路に沿うように前記処置具本体の基端側から先端側に亘って形成されていることがより好ましい。
この発明に係る粘膜下層剥離処置具においては、挿通路に予め高周波切開具を挿通できるので、処置具の入れ替えを行わなくても、必要時(例えば、処置具本体を粘膜下層内に挿入するために、病変部近傍の粘膜に挿入孔となる孔を開ける等)に速やかに高周波切開具を使用することができる。よって、手技時間の短縮を図ることができると共に、より多角的な手技を行うことができる。
また、上記の粘膜下層剥離処置具において、前記膨張部よりも基端側の前記処置具本体に、前記粘膜下層への挿入量を示す指標部が設けられていることがより好ましい。
この発明に係る粘膜下層剥離処置具においては、指標部を確認することで、粘膜下層内に挿入された膨張部の位置を正確に把握することができ、粘膜下層の所望部分をより正確に剥離することができる。
また、本発明の粘膜下層剥離処置具システムは、第1のチャンネルが設けられた挿入部を有する内視鏡と、前記第1のチャンネルに挿通される上記のいずれかに記載の粘膜下層剥離処置具とを備えていることを特徴としている。
この発明に係る粘膜下層剥離処置具システムにおいては、第1チャンネルに、本発明の粘膜下層剥離処置具を挿通できるので、確実に内視鏡を介して消化管内の病変部に粘膜下層剥離処置具を導いて粘膜下層を剥離することができ、手技を容易にして手技時間の短縮を図ることができる。また、術者の技量に左右されることなく安全な手技を行うことができ、術者に与える負担を極力低減することができる。
また、上記の粘膜下層剥離処置具システムにおいて、前記第1のチャンネルに沿って前記挿入部に設けられた第2のチャンネルと、該第2のチャンネルに挿通され、前記粘膜下層に液体を注入する粘膜下局注針とを備えていることがより好ましい。
この発明に係る粘膜下層剥離処置具システムにおいては、粘膜下層剥離処置具と同時に、第2チャンネルを介して粘膜下局注針を消化管内に挿入できるので、粘膜下層に液体を注入して病変部の膨隆を行った後に、処置具の入れ替えを行うことなく速やかに剥離処置に移行することができる。よって、病変部の膨隆から粘膜下層の剥離にかける時間を短縮することができる。
また、上記の粘膜下層剥離処置具システムにおいて、前記第1のチャンネルに沿って前記挿入部に設けられた第2のチャンネルと、該第2のチャンネルに挿通され、前記病変部を把持する把持鉗子とを備えていることがより好ましい。
この発明に係る粘膜下層剥離処置具システムにおいては、粘膜下層剥離処置具と同時に、第2チャンネルを介して把持鉗子を消化管内に挿入できるので、病変部を把持した状態で粘膜剥離を行える。よって、既に剥離した病変部の影響を受けることなく、正確に膨張部を粘膜下層内に挿入したり、病変部が逃げないようにしっかりと把持した状態で確実に粘膜下層の剥離を行ったりすることができる。よって、より正確な手技を行うことができる。
本発明に係る粘膜下層剥離処置具によれば、従来の高周波メスを多用しなくても、粘膜下層を剥離することができ、手技を容易にして手技時間の短縮を図ることができる。また、術者の技量に左右されることなく安全な手技を行うことができ、術者に与える負担を極力低減することができる。
また、本発明に係る粘膜下層剥離処置具システムによれば、確実に内視鏡を介して消化管内の病変部に粘膜下層剥離処置具を導いて粘膜下層を剥離することができる。
以下、本発明に係る粘膜下層剥離処置具及び粘膜下層剥離処置具システムの第1実施形態について、図1から図23を参照して参照して説明する。
本実施形態の粘膜下層剥離処置具システム1は、図1に示すように、処置具チャンネル(第1のチャンネル)2が設けられた挿入部3を有する内視鏡4と、処置具チャンネル2にそれぞれ別々に挿通される剥離バルーン(粘膜下層剥離処置具)5及び粘膜下局注針6とを備えている。
上記剥離バルーン5は、粘膜下層Wを局所的に剥離して、消化管の病変部Xを切除するものであって、図2から図7に示すように、粘膜下層W内に挿入される可撓性の処置具本体10と、処置具本体10の基端側から先端側に亘って形成された管路(第1の管路)11と、処置具本体10の先端側に設けられ、管路11を介して気体又は液体等の流体の供給を受けたときに膨張するバルーン(膨張部)12と、先端側が固定された状態で管路11内に挿通される操作ワイヤ(ワイヤ)13と、該操作ワイヤ13の基端側に固定され、処置具本体10に対して操作ワイヤ13を押し引き操作する操作部14と、処置具本体10の少なくとも先端側に設けられ、予め決められた一定方向に湾曲する断面特性を有する板部材(湾曲補助部材)15と、上記管路11に沿うように処置具本体10の基端側から先端側に亘って形成され、内部を高周波メス(高周波切開具)16が挿通する挿通路17とを備え、操作部14を押し引き操作したときに少なくとも処置具本体10の先端部を所定方向に湾曲できるものである。
上記処置具本体10は、図2に示すように、処置具チャンネル2内に挿通され、軸芯Lに沿って伸びる長尺な管状体となっており、その基端側に接続部10aが設けられ、該接続部10aに上記操作部14の操作部本体20と、高周波メス16の操作管21とが二股に分かれるように接続されている。
また、処置具本体10の最先端部10bは、図4及び図5に示すように、最先端に向かって漸次外径が縮径するテーパ状に形成されている。この最先端部10bの基端側に、上記バルーン12が処置具本体10の外周を覆うように設けられている。また、バルーン12で覆われた処置具本体10の一部分には、管路11とバルーン12とを連通する連通孔22が軸芯Lに沿って複数形成されている。また、管路11の先端には、該管路11を封止する封止部23が設けられており、管路11内に供給された流体が管路11の先端から外部に漏れることなく複数の連通孔22を介してバルーン12内に供給されるようになっている。
また、封止部23には、管路11内に挿通された操作ワイヤ13の先端側を固定する操作ワイヤ固定部24が取り付けられている。なお、この管路11は、図3に示すように、軸芯Lからずれた位置(若干距離が離れた位置)に形成されている。
上記操作部14は、図2に示すように、操作部本体20と、該操作部本体20に対して進退(スライド)可能なスライド部25とを備えている。そして、上記管路11は、接続部10aを通って操作部本体20の基端側まで形成されている。また、操作ワイヤ13の基端側は、スライド部25に接続されている。そして、操作部14を押し引き操作、即ち、スライド部25を進退操作したときに、バルーン12全体を含む処置具本体10の先端部が湾曲するようになっている。これについては、後に詳細に説明する。
また、操作部本体20の基端側には、親指を挿入できる指掛けリング20aが取り付けられており、スライド部25には、人指し指及び中指を挿入できる2つの指掛け孔25aが形成されている。これにより、術者は片手で操作部14を操作して処置具本体10の湾曲操作を容易に行えるようになっている。
また、操作部本体20の接続部10a近傍には、管路11に接続され、バルーン12を膨張させる流体を供給する流体供給源であるシリンジSが接続される注入口26が設けられている。
また、図4に示すように、処置具本体10の先端側の一部には、上述したように複数の連通孔22が形成されているので、他の部分よりも柔軟性を有している。即ち、操作部14を押し引き操作したときに、複数の連通孔22が形成された領域を中心に、より湾曲し易いようになっている。つまり、これら連通孔22は、処置具本体10を積極的に湾曲し易くする柔軟部として機能する。この複数の連通孔22が形成されているので、上述したように、処置具本体10の先端部がバルーン12の全体に亘って湾曲するようになっている。
つまり、図6(a)に示すように、スライド部25を操作部本体20の基端側に引張り操作したときに、複数の連通孔22側(UP方向)に向かってバルーン12全体を含む処置具本体10の先端部が湾曲し、図6(b)に示すように、スライド部25を操作部本体20の先端側に押し込み操作したときに、複数の連通孔22側の反対側(DOWN方向)に向かってバルーン12全体を含む処置具本体10の先端部が湾曲するようになっている。
上記板部材15は、図3及び図4に示すように、ステンレス材料により、幅が短い細長状に形成されている。この板部材15は、厚み方向(一定方向)に予め湾曲する断面特性を有しており、軸芯Lを挟んで管路11の反対側の位置に、厚み方向が軸芯Lと操作ワイヤ13とを結ぶ方向に一致するように設けられている。これにより、板部材15が湾曲する方向と、操作部14を押し引き操作したときに湾曲する湾曲方向とが一致するようになっている。
本実施形態では、この板部材15は処置具本体10に形成された板部材用管路27内に先端側から押し込まれており、板部材用管路27との摩擦力によって該板部材用管路27内に保持されている。また、板部材用管路27の先端は、封止部28によって封止されている。
上記高周波メス16は、図2及び図5に示すように、絶縁性材料から形成される操作管21と、該操作管21内を進退可能に配された針状の高周波ナイフ29と、操作管21の基端側に接続されたナイフ操作部30とを備えている。操作管21は、上述したように接続部10aに接続されると共に、一方側が挿通路17内に挿通されて処置具本体10の最先端部10b近傍まで設けられ、他方側が接続部10aの外側に延出している。
ナイフ操作部30は、操作管21の他端側に接続されたナイフ操作部本体31と、高周波ナイフ29の基端側に接続され、ナイフ操作部本体31に対して進退可能なナイフスライド部32とを備えている。また、上述した操作部14と同様に、ナイフ操作部本体31の基端側には、親指を挿入できる指掛けリング31aが取り付けられていると共に、ナイフスライド部32には、人指し指及び中指を挿入できる2つの指掛け孔32aが形成されている。これにより、操作者は片手でナイフ操作部30を容易に操作できるようになっている。
更に、ナイフスライド部32の2つの指掛け孔32aの間には、高周波ナイフ29と電気的に接続された電気接続部33が設けられており、高周波ナイフ29に高周波を印加する図示しない高周波電源と電気的に接続できるようになっている。
また、図7に示すように、バルーン12よりも基端側の処置具本体10には、粘膜下層Wへの挿入量を示す指標部34が設けられている。この指標部34は、最先端部10bから15mm離間した位置から処置具本体10の基端側に向かって5mm間隔で表示するようマーキングされている。
上記粘膜下局注針6は、図8に示すように、外チューブ40と、該外チューブ40内で進退可能な内チューブ41と、該内チューブ41の先端に取り付けられて中空状に形成された針部42と、外チューブ40の基端側に取り付けられた針操作部43とを備えている。
外チューブ40の先端は、径方向内方に突出する顎状に形成されており、内チューブ41の針部42のみが挿通するようになっている。また、針操作部43は、外チューブ40の基端側内周面に取り付けられた針操作部本体44と、内チューブ41の基端側に取り付けられ、局注用の液体(局注液)を注入するための口金45とを備えている。そして、針操作部本体44に対して口金45を進退させることによって針部42を外チューブ40先端から外方に突出させることができるようになっている。
このように構成された内視鏡処置具システム1及び剥離バルーン5を用いて、消化管にできた病変部Xを粘膜下層Wから切除する粘膜下層剥離方法について、以下に説明する。
本実施形態の粘膜下層剥離方法は、病変部X周辺の粘膜下層Wを膨隆させる膨隆ステップと、膨隆した病変部X近傍の粘膜Nに挿入孔Hを開ける孔開けステップと、挿入孔Hに処置具本体10の最先端部10bのみを挿入する挿入ステップと、少なくとも処置具本体10の先端部を湾曲させて、該先端部が消化管の表面と平行になるように湾曲角度を調整する調整ステップと、処置具本体10を消化管の表面に平行な方向に動かして挿入孔Hから粘膜下層W内に押し込むと共に、処置具本体10の先端位置を粘膜下層Wの所定位置に位置合わせする長さ調整ステップと、バルーン12に流体を供給して膨張させ、粘膜下層Wを剥離させる剥離ステップと、挿入孔Hの周囲の粘膜Nを切開する切開ステップとを備えている。
これら各ステップについて、以下に詳細に説明する。
まず、膨隆ステップを行う。即ち、処置具チャンネル2に、図8に示す粘膜下局注針6を挿入した内視鏡4を消化管内に挿入し、挿入部3の先端を病変部Xの近傍に位置させる。この位置で、粘膜下局注針6の外チューブ40を内視鏡4の挿入部3の先端から突出させると共に、針操作部本体44に対して口金45を先端側に移動させて、図8(a)に示すように、針部42を外チューブ40の先端から突出させる。そして、図9に示すように、針部42を病変部X近傍の粘膜Nから粘膜下層W内へ穿刺する。穿刺後、内チューブ41及び針部42を介して粘膜下層W内に局注液を注入して病変部Xを膨隆させる。
病変部Xの膨隆後、口金45を基端側に移動して針部42を内チューブ41内に没入させると共に、粘膜下局注針6を処置具チャンネル2から抜去する。なお、内視鏡4は動かさず、そのままの位置に維持させておく。
上記膨隆ステップ後、孔開けステップを行う。即ち、処置具チャンネル2内に図2に示す剥離バルーン5の処置具本体10を挿入すると共に、挿入部3の先端から処置具本体10の先端を突出させる。
ここで、処置具本体10の先端側には、板部材15が設けられているので、処置具チャンネル2内を移動する際に、処置具本体10は挿入部3の湾曲角度に自動的にならいながら移動する。そして、挿入部3の先端から突出した時点で、図10及び図11に示すように、挿入部3の湾曲方向(上下方向)と板部材15の厚み方向(α方向)とが一致する。ここで、板部材15の厚み方向(α方向)は、剥離バルーン5の湾曲方向と一致するように設けられているので、その結果、剥離バルーン5を処置具チャンネル2内に通すだけで、自然に挿入部3の湾曲方向と同じ方向に処置具本体10の湾曲方向を揃えることができる。つまり、処置具本体10はβ方向に湾曲し難い状態となっている。
なお、本実施形態では、操作ワイヤ13及び複数の連通孔22が形成された側が、挿入部3の上部位置側に位置しているものとして説明する。
剥離バルーン5を突出させた後、ナイフ操作部本体31に対してナイフスライド部32を先端側に移動させて、高周波ナイフ29を操作管21及び最先端部10bから突出させる。この状態で、電気接続部33に接続された高周波電源から高周波を印加しながら、図12に示すように、高周波ナイフ29を前進させて病変部X近傍の粘膜Nに所定の大きさの挿入孔Hを開ける。
挿入孔Hを開けた後、高周波の印加を停止すると共に、スライド部25を基端側に移動させて高周波ナイフ29を操作管21内に没入させる。
孔開けステップ後、挿入ステップを行う。即ち、図13に示すように、挿入孔H内に処置具本体10の最先端部10bのみを挿入する。なお、この挿入ステップの段階では、処置具本体10の先端側は、従来と同じように消化管の表面に対して角度θがついた状態となっている。
この挿入ステップ後、調整ステップを行う。即ち、操作部本体20に対してスライド部25を基端側に移動させて操作ワイヤ13を引っ張る。この際、操作ワイヤ13の先端は、操作ワイヤ固定部24により固定されているので、引張り操作により操作ワイヤ13に伝達した引張力は、処置具本体10に伝達する。これにより、操作ワイヤ13に近い側の処置具本体10に圧縮力が作用すると共に、軸芯Lを挟んだ操作ワイヤ13の反対側に引張力が作用する。その結果、処置具本体10は、図14に示すように、操作ワイヤ13側、即ち、挿入部3の上方側に向けて撓んで湾曲する。特に、柔軟部となる複数の連通孔22が形成されているので、この連通孔22が形成されている領域を中心に湾曲する。よって、バルーン12の全体に亘って処置具本体10の先端部が湾曲する。
なお、操作部本体20に対してスライド部25を先端側に移動させて操作ワイヤ13を押し込み操作すると、上述した場合と処置具本体10に作用する力が逆に働いて、バルーン12全体を含む処置具本体10の先端部が挿入部3の下方側に向けて撓んで湾曲する。
上記調整ステップにより、限られた消化管内部のスペースであっても、処置具本体10の先端側を消化管の表面に平行となるように湾曲具合を調整することができる。特に、板部材15により、湾曲方向を調整しなくても、内視鏡4の挿入部3の湾曲方向と同一方向に速やかに湾曲操作できるので、操作し易い。
そして、調整ステップ後、長さ調整ステップを行う。即ち、図15に示すように、処置具本体10を消化管の表面に平行な方向に動かして挿入孔Hから粘膜下層W内に押し込むと共に、処置具本体10の先端位置を粘膜下層Wの所定位置に位置合わせする。この際、処置具本体10には、バルーン12の基端側から指標部34が5mm間隔おきにマーキングされているので、位置合わせを高精度に行うことができる。
調整ステップ後、剥離ステップを行う。即ち、シリンジSを利用して注入口26から管路11内に流体を供給する。供給された流体は、管路11内を通り複数の連通孔22からバルーン12内に供給される。これにより、図16に示すように、バルーン12を膨張させて、粘膜下層Wを膨張時の圧力で剥離することができる。
粘膜下層Wの剥離後、一旦注入口26から流体を放出させてバルーン12を元の状態に収縮させる。その結果、図17に示すように、粘膜下層W内に、粘膜下層Wが剥離された空洞部H1が形成される。
剥離ステップ後、切開ステップを行う。即ち、処置具本体10を粘膜下層Wから挿入孔Hの外側まで引き戻し、再度、図18に示すように、孔開けステップと同様に高周波ナイフ29を処置具本体10の最先端部10bから突出させて挿入孔Hに挿入する。この状態で高周波ナイフ29に再度高周波を印加しながら、処置具本体10の先端を病変部Xの周囲に沿って移動させ、図19に示すように、挿入孔Hの周囲の粘膜Nを高周波ナイフ29によって切開する。そして、ある程度の幅を切開後、高周波の印加を停止して、高周波ナイフ29を操作管21内に収納する。
次いで、再度の剥離を行うために、長さ調整ステップを繰り返す。即ち、図20に示すように、挿入孔Hから粘膜下層W内に指標部34を確認しながら処置具本体10を再度挿入し、先端を所定位置に位置させる。続いて、剥離ステップを再度繰り返し、図21に示すように、バルーン12を膨張させて最初の剥離ステップで剥離されていない粘膜下層Wを剥離して次の空洞部H1を形成する。その後、図22に示すように再度の切開ステップを行う。
このように、長さ調整ステップ、剥離ステップ及び切開ステップを、病変部Xの大きさに応じて適時繰り返すことで、図23に示すように粘膜下層Wを含めて病変部Xを消化管から分離して切除することができる。
上述したように、本実施形態の内視鏡処置具システム1及び剥離バルーン5によれば、従来の高周波メス16を多用しなくても、粘膜下層Wの異なる位置にバルーン12を挿入して、次々と粘膜下層Wを剥離でき、広い範囲に亘って粘膜下層Wを確実に剥離することができ、手技を容易にして手技時間の短縮を図ることができる。また、この際、病変部Xに仮に出血があったとしても、バルーン12を膨張することで出血部位を圧迫することができ、出血部分の迅速な止血が行え、病変部Xの粘膜下層Wに伴う偶発病を未然に防ぐことができる。
特に、バルーン12の全体を含む処置具本体10の先端部を湾曲させて、該先端部を消化管の表面に平行にすることができると共に、その状態を維持しながらバルーン12を挿入できるので、従来のように粘膜下層Wの下にある固有筋層等に処置具本体10の先端側が挿入してしまう可能性がない。よって、処置具本体10の先端の挿入深さに極端な注意を払う必要がない。従って、術者の技量に左右されることなく、安全な手技を行うことができ、術者に与える負担を極力低減することができる。
また、処置具本体10の先端側には、柔軟部として機能する複数の連通孔22が形成されているので、処置具本体10をバルーン12の部分でより積極的に湾曲させることができる。これにより、内視鏡4の処置具チャンネル2からの突出量が僅かであったとしても、湾曲操作を確実に行うことができ、消化管内の手技スペースが狭い場所であっても、確実な手技を行うことができる。
また、管路11を、バルーン12に流体を供給する管路と、操作ワイヤ13が挿通される管路との共通の管路として利用できるので、処置具本体10の細径化を図ることができる。更に、連通孔22が複数形成されているので、柔軟部としての機能は当然のこと、それに加えて流体をバルーン12に効率良く供給できるので、膨張時間の短縮を図ることができる。
また、剥離バルーン5は、板部材15により、内視鏡4の挿入部3先端から突出した時点で、内視鏡4の湾曲方向と自身の湾曲方向とが自動的に一致する。これにより、術者は、湾曲方向を調整することなく、速やかに内視鏡4の湾曲方向と同一方向に向けて湾曲操作を行うことができる。よって、湾曲方向を調整する手間が省け、粘膜下層Wの剥離にかける手技時間をより短縮することができる。
また、高周波メス16を挿通する挿通路17を備えているので、処置具の入れ替えを行わなくても、必要時に速やかに高周波メス16を使用することができる。よって、このことからも手技時間の短縮化を図ることができると共に、より多角的な手技を行うことができる。
更に、指標部34がマーキングされているので、粘膜下層W内に挿入されたバルーン12の位置を正確に把握することができ、粘膜下層Wの所望部分をより正確に剥離することができる。
次に、本発明に係る粘膜下層剥離処置具の第2実施形態を、図24から図27を参照して説明する。なお、この第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
第2実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態の剥離バルーン5は、操作部14を押し引き操作することでバルーン12を含む処置具本体10の先端部を湾曲させていたが、第2実施形態の剥離バルーン(粘膜下層剥離処置具)50は、湾曲操作に加え、操作部14を回転操作することで、少なくとも処置具本体10の先端部を該処置具本体10の軸芯L回りに回転操作できる点である。
更に、第1実施形態の剥離バルーン5は、内視鏡4の挿入部3の角度に応じて自動的に湾曲方向がならうように板部材15を備えていたが、第2実施形態の剥離バルーン50は、板部材15を備えていない点である。
即ち、本実施形態の剥離バルーン50は、図24から図26に示すように、処置具本体10に管路11及び挿通路17が軸芯Lを間に挟んで設けられている。また、操作部本体20は、接続部10aに回転可能に接続されている。これにより、操作部本体20に進退可能に取り付けられているスライド部25も同様に回転できるようになっている。また、接続部10a内には、操作部14からの回転トルク(回転力)を操作ワイヤ13に伝達する図示しない回転伝達部を備えており、回転操作による回転トルクを確実に操作ワイヤ13に伝達するようになっている。
なお、本実施形態の操作ワイヤ13は、トルク伝達性の良いワイヤを用いることが好ましい。
このように構成された剥離バルーン50を用いて、消化管の内部にできた病変部Xを粘膜下層Wから切除する粘膜下層剥離方法について、以下に説明する。
本実施形態の粘膜下層剥離方法は、第1実施形態と同様に孔開けステップまで行った後に、挿入孔Hの近傍に処置具本体10の先端を位置させ、少なくとも処置具本体10の先端部を湾曲させて該先端部が消化管の表面と平行になるように湾曲角度を調整する調整ステップと、該調整ステップ後、処置具本体10を消化管の表面に平行な方向に動かして挿入孔Hから粘膜下層W内に押し込むと共に、処置具本体10の先端位置を粘膜下層Wの所定位置に位置合わせする長さ調整ステップとを行う方法である。その後、第1実施形態と同様に剥離ステップ及び切開ステップを行う。
更に、上記調整ステップの際に、少なくとも処置具本体10の先端部を、該処置具本体10の軸芯L回りに回転させる回転ステップを行う。これら各工程について以下に詳細に説明する。
まず、第1実施形態と同様に孔開けステップまで実施する。
孔開けステップ後、調整ステップを行う。即ち、図27に示すように、挿入孔Hの近傍に処置具本体10の先端を位置させた状態で、操作部本体20に対してスライド部25を基端側に移動させて操作ワイヤ13を引っ張り、バルーン12を含む処置具本体10の先端部を湾曲させる。また、この湾曲操作と同時に操作部本体20及びスライド部25を回転させて、バルーン12を含む処置具本体10の先端部を、軸芯L回りに回転させる。この湾曲操作と回転操作とを組み合わせて操作し、処置具本体10の先端部が上向きに湾曲して消化管の表面に平行になるように微調整する。
このように、第1実施形態の板部材15を備えていなくても、回転操作を行えるので湾曲方向の微調整を容易且つ確実に行うことができる。
この調整ステップが終了した後、長さ調整ステップを行う。即ち、処置具本体10を消化管の表面に平行な方向に動かして挿入孔Hから粘膜下層W内に押し込むと共に、処置具本体10の先端位置を粘膜下層Wの所定位置に位置合わせする。その後、第1実施形態と同様に、病変部Xの大きさに応じて剥離ステップと切開ステップとを繰り返すことで、病変部Xの切除を行うことができる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記第1実施形態では、処置具本体10の最先端部10bだけ挿入孔Hに挿入した後に湾曲角度を調整したが、第2実施形態のように、先に湾曲角度を調整した後、処置具本体10の先端部を粘膜下層W内に挿入しても構わない。
また、上記各実施形態では、管路11を、バルーン12に流体を供給する管路と操作ワイヤ13を挿通する管路との共通の管路として利用したが、この場合に限らず、それぞれ別々の専用管路を設けても構わない。
また、上記各実施形態は、複数の連通孔22を柔軟部として機能させたが、連通孔22を1箇所に形成し、この連通孔22とは別に柔軟部を設けても構わない。例えば、処置具本体10の全周に亘って蛇腹状の柔軟部を設けても構わない。
また、操作ワイヤ13を2本設け、直交する2方向(上下方向、左右方向)に湾曲するように構成しても構わない。
また、上記第1実施形態では、粘膜下層剥離処置具システム1は、処置具チャンネル2を1つ有する内視鏡4により構成したが、この場合に限らず、例えば、図28に示すように、処置具チャンネル2に加え、該処置具チャンネル2に沿って挿入部3に設けられた処置具チャンネル61(第2のチャンネル)を有する内視鏡62と、第1実施形態の剥離バルーン5と、処置具チャンネル61に挿通され、粘膜下層Wに液体を注入する粘膜下局注針6とで粘膜下層剥離処置具システム60を構成しても構わない。
このように構成された粘膜下層剥離処置具システム60によれば、剥離バルーン5と粘膜下局注針6とを一緒に消化管内に挿入することができるので、膨隆ステップにて病変部Xの膨隆を行った後、処置具の入れ替えをしなくても、速やかに剥離処置に移行することができる。よって、病変部Xの膨隆から粘膜下層Wの剥離にかける時間を短縮することができる。
また、上述した粘膜下局注針6ではなく、処置具チャンネル61内に挿通され、病変部Xを把持する把持鉗子を備えた粘膜下層剥離処置具システムを構成しても構わない。
この場合には、処置具チャンネル61を介して剥離バルーン5と一緒に消化管内に把持鉗子を挿入できるので、病変部Xを把持した状態で粘膜剥離を行える。よって、既に剥離した病変部Xの影響を受けることなく、正確にバルーン12を粘膜下層W内に挿入したり、病変部Xが逃げないようにしっかりと把持した状態で確実に粘膜下層Wの剥離を行ったりすることができる。従って、より正確な手技を行うことができる。
また、本発明は、以下を含むものである。
〔付記項1〕
請求項1から7のいずれか1項に記載の粘膜下層剥離処置具を用いて、粘膜下層を局所的に剥離して消化管の病変部を切除する粘膜下層剥離方法であって、
前記病変部周辺の粘膜下層を膨隆させる膨隆ステップと、
膨隆した前記病変部近傍の粘膜に挿入孔を開ける孔開けステップと、
前記挿入孔に前記処置具本体の先端のみを挿入する挿入ステップと、
少なくとも前記処置具本体の先端部を湾曲させて、該先端部が前記消化管の表面と平行になるように湾曲角度を調整する調整ステップと、
前記処置具本体を前記消化管の表面に平行な方向に動かして前記挿入孔から前記粘膜下層内に押し込むと共に、処置具本体の先端位置を粘膜下層の所定位置に位置合わせする長さ調整ステップと、
前記膨張部に流体を供給して膨張させ、前記粘膜下層を剥離させる剥離ステップと、
前記挿入孔の周囲の粘膜を切開する切開ステップとを備えていることを特徴とする粘膜下層剥離方法。
〔付記項2〕
請求項1から7のいずれか1項に記載の粘膜下層剥離処置具を用いて、粘膜下層を局所的に剥離して消化管の病変部を切除する粘膜下層剥離方法であって、
前記病変部周辺の粘膜下層を膨隆させる膨隆ステップと、
膨隆した前記病変部近傍の粘膜に挿入孔を開ける孔開けステップと、
前記挿入孔の近傍に前記処置具本体の先端を位置させた後、少なくとも前記処置具本体の先端部を湾曲させて、該先端部が前記消化管の表面と平行になるように湾曲角度を調整する調整ステップと、
前記処置具本体を前記消化管の表面に平行な方向に動かして前記挿入孔から前記粘膜下層内に押し込むと共に、処置具本体の先端位置を粘膜下層の所定位置に位置合わせする長さ調整ステップと、
前記膨張部に流体を供給して膨張させ、前記粘膜下層を剥離させる剥離ステップと、
前記挿入孔の周囲の粘膜を切開する切開ステップとを備えていることを特徴とする粘膜下層剥離方法。
〔付記項3〕
付記項1又は2に記載の粘膜下層剥離方法において、
前記調整ステップは、少なくとも前記処置具本体の先端部を、該処置具本体の軸芯回りに回転させる回転ステップを備えていることを特徴とする粘膜下層剥離方法。
本発明に係る粘膜下層剥離処置具システムの第1実施形態の構成図である。 図1に示す粘膜下層剥離処置具システムの構成品であり、本発明に係る粘膜下層剥離処置具の構成図である。 図2に示す断面矢視A−A図である。 図3に示す断面矢視B−B図である。 図3に示す断面矢視C−C図である。 図2に示す粘膜下層剥離処置具を湾曲させた状態を示す図であり、(a)は操作ワイヤを引張り操作して上方向に湾曲させた状態を示し、(b)は操作ワイヤを押し込みして下方向に湾曲させた状態を示す図である。 図2に示す粘膜下層剥離処置具の処置具本体にマーキングされた指標部を示す図である。 図1に示す粘膜下層剥離処置具システムの構成品である粘膜下局注針の断面図であり、(a)は針部が外チューブから突出した状態を示す図であり、(b)は針部が内チューブ内に没入した状態を示す図である。 図1に示す粘膜下層剥離処置具システムにより病変部を切除する粘膜下層剥離方法の各工程を示す図であって、粘膜下局注針から局注液を注入して病変部を膨隆させた状態を示す図である。 図1に示す粘膜下層剥離処置具システムにより病変部を切除する粘膜下層剥離方法の各工程を示す図であって、処置具チャンネル内に処置具本体を挿入させた後、挿入部の先端から処置具本体を突出させた状態を示す図である。 図10に示す断面矢視D−D図である。 図1に示す粘膜下層剥離処置具システムにより病変部を切除する粘膜下層剥離方法の各工程を示す図であって、図10に示す状態の後、病変部近傍の粘膜に高周波メスにより挿入孔を開けた状態を示す図である。 図1に示す粘膜下層剥離処置具システムにより病変部を切除する粘膜下層剥離方法の各工程を示す図であって、図12に示す状態の後、挿入孔内に処置具本体の先端部のみを挿入した状態を示す図である。 図1に示す粘膜下層剥離処置具システムにより病変部を切除する粘膜下層剥離方法の各工程を示す図であって、図13に示す状態の後、バルーン全体を含む処置具本体の先端側を上方向に湾曲させ、処置具本体を消化管の表面に平行な方向に調整した状態を示す図である。 図1に示す粘膜下層剥離処置具システムにより病変部を切除する粘膜下層剥離方法の各工程を示す図であって、図14に示す状態の後、処置具本体を粘膜下層内に挿入させた状態を示す図である。 図1に示す粘膜下層剥離処置具システムにより病変部を切除する粘膜下層剥離方法の各工程を示す図であって、図15に示す状態の後、バルーンを粘膜下層内で膨張させた状態を示す図である。 図1に示す粘膜下層剥離処置具システムにより病変部を切除する粘膜下層剥離方法の各工程を示す図であって、図16に示す状態の後、バルーンを収縮させると共に粘膜下層内から処置具本体を抜いた状態を示す図である。 図1に示す粘膜下層剥離処置具システムにより病変部を切除する粘膜下層剥離方法の各工程を示す図であって、図17に示す状態の後、再度挿入孔に高周波メスを挿入させた状態を示す図である。 図1に示す粘膜下層剥離処置具システムにより病変部を切除する粘膜下層剥離方法の各工程を示す図であって、図18に示す状態の後、高周波メスにより挿入孔の周囲の粘膜を切開した状態を示す図である。 図1に示す粘膜下層剥離処置具システムにより病変部を切除する粘膜下層剥離方法の各工程を示す図であって、図19に示す状態の後、再度挿入孔内から粘膜下層内に処置具本体を挿入した状態を示す図である。 図1に示す粘膜下層剥離処置具システムにより病変部を切除する粘膜下層剥離方法の各工程を示す図であって、図20に示す状態の後、再度バルーンを粘膜下層内で膨張させた状態を示す図である。 図1に示す粘膜下層剥離処置具システムにより病変部を切除する粘膜下層剥離方法の各工程を示す図であって、図21に示す状態の後、再度高周波メスにより挿入孔の周囲の粘膜を切開した状態を示す図である。 図1に示す粘膜下層剥離処置具システムにより病変部を切除する粘膜下層剥離方法の各工程を示す図であって、図22に示す状態の後、病変部を粘膜下層を含んだ状態で消化管から切除した状態を示す図である。 本発明に係る粘膜下層剥離処置具の第2実施形態の構成図である。 図24に示す粘膜下層剥離処置具のバルーン周辺を拡大した断面図である。 図25に示す断面矢視E−E図である。 図24に示す粘膜下層剥離処置具を用いて病変部を切除する粘膜下層剥離方法の一工程を示す図であって、挿入孔の近傍で処置具本体を湾曲させると共に軸芯回りに回転させた状態示す図である。 本発明に係る粘膜下層剥離処置具システムの他の例を示した構成図である。
符号の説明
W 粘膜下層
X 病変部
1 粘膜下層剥離処置具システム
2 処置具チャンネル(第1のチャンネル)
3 挿入部
4 内視鏡
5、50 剥離バルーン(粘膜下層剥離処置具)
6 粘膜下局注針
10 処置具本体
11 管路(第1の管路)
12 バルーン(膨張部)
13 操作ワイヤ(ワイヤ)
14 操作部
15 板部材(湾曲補助部材)
22 複数の連通孔(柔軟部)
34 指標部
61 処置具チャンネル(第2のチャンネル)



Claims (9)

  1. 粘膜下層を局所的に剥離して、消化管の病変部を切除する粘膜下層剥離処置具であって、
    前記粘膜下層内に挿入される可撓性の処置具本体と、
    該処置具本体の基端側から先端側に亘って形成された第1の管路と、
    前記処置具本体の先端側に設けられ、前記第1の管路を介して流体の供給を受けたときに膨張する膨張部と、
    先端側が固定された状態で前記第1の管路内に挿通されるワイヤと、
    該ワイヤの基端側に固定され、前記処置具本体に対して前記ワイヤを押し引き操作する操作部とを備え、
    前記操作部を押し引き操作したときに、少なくとも前記処置具本体の先端部が所定方向に湾曲することを特徴とする粘膜下層剥離処置具。
  2. 請求項1に記載の粘膜下層剥離処置具において、
    前記処置具本体の先端側には、他の部分よりも柔軟性を有する柔軟部が設けられていることを特徴とする粘膜下層剥離処置具。
  3. 請求項1又は2に記載の粘膜下層剥離処置具において、
    前記処置具本体の少なくとも先端側に、予め決められた一定方向に湾曲する断面特性を有する湾曲補助部材を備え、該一定方向と前記湾曲方向とが同一の方向とされていることを特徴とする粘膜下層剥離処置具。
  4. 請求項1又は2に記載の粘膜下層剥離処置具において、
    前記操作部が、回転操作可能とされ、
    前記操作部からの回転力を前記ワイヤに伝達する回転伝達部を備え、
    前記操作部を回転操作したときに、少なくとも前記処置具本体の先端部が該処置具本体の軸芯回りに回転することを特徴とする粘膜下層剥離処置具。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の粘膜下層剥離処置具において、
    高周波切開具が内部に挿通される挿通路が、前記第1の管路に沿うように前記処置具本体の基端側から先端側に亘って形成されていることを特徴とする粘膜下層剥離処置具。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の粘膜下層剥離処置具において、
    前記膨張部よりも基端側の前記処置具本体に、前記粘膜下層への挿入量を示す指標部が設けられていることを特徴とする粘膜下層剥離処置具。
  7. 第1のチャンネルが設けられた挿入部を有する内視鏡と、
    前記第1のチャンネルに挿通される請求項1から6のいずれか1項に記載の粘膜下層剥離処置具とを備えていることを特徴とする粘膜下層剥離処置具システム。
  8. 請求項7に記載の粘膜下層剥離処置具システムにおいて、
    前記第1のチャンネルに沿って前記挿入部に設けられた第2のチャンネルと、
    該第2のチャンネルに挿通され、前記粘膜下層に液体を注入する粘膜下局注針とを備えていることを特徴とする粘膜下層剥離処置具システム。
  9. 請求項7に記載の粘膜下層剥離処置具システムにおいて、
    前記第1のチャンネルに沿って前記挿入部に設けられた第2のチャンネルと、
    該第2のチャンネルに挿通され、前記病変部を把持する把持鉗子とを備えていることを特徴とする粘膜下層剥離処置具システム。
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