以下に、本発明に係る電源システムの最良の実施形態についてその一例を、図面を参照しながら詳細に説明する。
(本発明の概要)
本発明の実施例の説明に先立って、まず、本発明の特徴についてその概要を説明する。本発明は、電源となる組電池を構成する電池の過放電を防止するとともに、給電動作を停止状態から再開させるための復帰手段を備えた電源システムに関するものである。
本発明においては、電源システムの制御を行う制御部は、組電池の出力電圧が、あらかじめ定めた電圧閾値(放電終止電圧)以下になった場合、組電池から当該制御部への給電線に配置しているスイッチング素子(第1のスイッチ:過放電防止用スイッチ)を開放することにより、当該制御部自身に対する組電池からの給電動作を停止して、当該制御部が動作を停止するとともに、当該制御部の動作の停止により、負荷の動作を停止させる指示を自動的に出力させることにより、負荷を停止させて、あるいは、スイッチング素子を開放する動作に先立って、負荷の動作を停止させる制御を行った後、スイッチング素子を開放して、当該制御部自身に対する組電池からの給電動作を停止させて、組電池の給電対象となるすべてに対して、組電池の放電動作を完全に停止させることを可能としている。
而して、組電池の過放電を確実に防止することができるという効果が得られる。
さらには、あらかじめ定めた電圧閾値(放電終止電圧)以下に低下した組電池を交換して、前記スイッチング素子と並列に接続されている手動スイッチ(第2のスイッチ:給電動作復帰用スイッチ)を操作することにより、組電池から制御部への電力供給が再開され、制御部が制御動作を再開して、負荷の動作を再開させることを可能としている。
また、商用交流電源により負荷へ電力を供給すると同時に、当該電源システムを構成する組電池内の二次電池を充電し、当該電源システムを商用交流電源のバックアップ電源システムとして利用している場合には、商用交流電源の停電時に、バックアップの組電池から給電動作をしている状態で、組電池の出力電圧があらかじめ定めた電圧閾値(放電終止電圧)以下に低下して、組電池からの給電動作も停止してしまった場合、停電していた商用交流電源の復電により、商用交流電源から組電池への充電動作が開始された時点で、自動的に、商用交流電源から整流器を介して組電池の充電動作と制御部への給電動作を再開することにより、制御部が制御動作を再開して、負荷の動作を再開させることも可能としている。
以下に、本発明の実施の形態について、組電池を構成する電池がニッケル水素蓄電池または鉛蓄電池の二次電池である場合を例として説明するが、本発明は、ニッケル水素蓄電池や鉛蓄電池の場合のみに限られるものではない。例えば、複数のリチウムイオン電池など、ニッケル水素蓄電池や鉛蓄電池以外の二次電池の組み合わせからなる電池システムであっても、あるいは、一次電池を含め、複数の電池の組み合わせからなる電池システムであっても、全く同様に適用することができる。
また、以下の説明では、ニッケル水素蓄電池や鉛蓄電池を直列接続して組電池を構成する場合を例にとって説明するが、ニッケル水素蓄電池や鉛蓄電池を直列および/または並列に接続して組電池を構成しても、全く同様に適用することができる。
なお、組電池の放電対象となる負荷は、外部からの制御信号(当該電源システムの制御部からの制御信号)によって、動作させたり、動作を停止させたりすることを可能とするように構成されているものとする。
また、負荷が直流電力により駆動される場合のみならず、交流電力により駆動される交流負荷であった場合についても、組電池からの直流電力をインバータを介して交流電力に変換して負荷へ給電する電源システムを構成することもできる。かかる場合のように、組電池からインバータを介して負荷(交流負荷)に給電する場合、当該インバータについても、外部からの制御信号(当該電源システムの制御部からの制御信号)によって、動作させたり、動作を停止させたりすることを可能とするように構成されているものとする。
ここで、以下の実施例では、負荷やインバータの動作を制御する制御部からの制御信号については、前述したスイッチング素子(第1のスイッチ:過放電防止用スイッチ)の開閉を制御する制御信号も含め、すべて、レベル信号とする場合について説明している。つまり、スイッチング素子は、外部からの電圧レベルの印加によって、開閉を制御する制御用端子を有しており、負荷やインバータも、それぞれの内部に、外部からの電圧レベルの印加によって、それぞれの動作/停止を制御する動作制御回路の制御用端子を有しているものとしている。なお、スイッチング素子の制御用端子、負荷やインバータの動作制御回路の制御用端子へゼロ電圧レベルが印加された場合には、スイッチング素子は開放状態になり、負荷やインバータの動作は停止し、一方、スイッチング素子の制御用端子、負荷やインバータの動作制御回路の制御用端子へあらかじめ定めた電圧レベルが印加された場合には、スイッチング素子は閉成状態になり、負荷やインバータの動作は起動するものとする。
したがって、以下の実施例においては、スイッチング素子の制御用端子に、閉成用電圧レベルとしてあらかじめ定めた電圧レベルを、制御部から印加すると、スイッチング素子は閉成し、一方、ゼロ電圧レベルを、制御部から印加すると、スイッチング素子は開放する。また、負荷やインバータの動作制御回路の制御用端子に、動作用電圧レベルとしてあらかじめ定めた電圧レベルを、制御部から印加すると、負荷やインバータの動作が起動し、一方、ゼロ電圧レベルを、制御部から印加すると、負荷やインバータの動作は停止する。
<第1の実施例>
図1は、本発明の電源システムの第1の実施例の構成を説明する構成図である。図1においては、ニッケル水素蓄電池(例えば、単セル定格電圧1.2V、定格容量95Ah、最低使用電圧1.0V)を10セル直列接続することにより、組電池1(定格電圧12V、定格容量95Ah)を構成し、負荷2へ接続する。なお、負荷2は、内部に動作制御回路の制御用端子を備え、前述のように、外部からの制御信号例えば制御部3からの制御信号として、該制御用端子に印加される電圧レベルによって動作および停止が可能である。また、本実施例では、ニッケル水素蓄電池セルを10セル直列接続した場合について説明するが、組電池1として、任意のセル数からなる複数の電池を直列および/または並列接続して構成しても構わない。
図1の構成において、組電池1の最低使用電圧(放電終止電圧)は、10V(=1セル当たり最低使用電圧1.0V×10セル)であり、この最低使用電圧を下回って放電を継続すると、過放電による劣化が起こり得る。
制御部3は、組電池1の出力電圧を監視し、負荷2の動作および停止を制御する制御信号(動作/停止制御用電圧レベル)を出力し、スイッチング素子4を開閉する制御信号(開閉制御用電圧レベル)を出力することができる。すなわち、制御部3は、図1に示すように、組電池1の出力電圧を監視する電圧監視手段である電圧監視部3a、スイッチング素子4の開閉を制御する制御信号(開閉制御用電圧レベル)を出力するスイッチング制御手段であるスイッチング素子制御部3b、および、負荷2の動作を制御する制御信号(動作/停止制御用電圧レベル)を出力する負荷制御手段である負荷制御部3cを少なくとも備えて構成されている。なお、制御部3の動作電源は、図1に示すように、組電池1からスイッチング素子4または手動スイッチ5を介して供給される。
ここで、負荷2の動作を制御するために、制御部3から負荷2内の動作制御回路の制御用端子に出力する制御信号(動作/停止制御用電圧レベル)の動作波形について、スイッチング素子4の制御用端子に出力する制御信号(開閉制御用電圧レベル)の動作波形とともに、図7のタイムチャートを用いてさらに説明する。図7は、図1に示す電源システムの制御部3から負荷2とスイッチング素子4とにレベル信号として出力される制御用電圧レベル(制御信号)の一例を説明するためのタイムチャートである。
前述したように、スイッチング素子制御部3bが、スイッチング素子4(第1のスイッチ:過放電防止用スイッチ)の開閉を制御するために出力する制御信号も、負荷制御部3cが負荷2の動作を制御するために出力する制御信号も、いずれも、レベル信号であり、該制御信号として、スイッチング素子4の制御用端子、負荷2の動作制御回路の制御用端子に対して、それぞれの動作用としてあらかじめ定めた電圧レベルを印加することによって、それぞれ、スイッチング素子4を閉成させ、負荷2を動作させ、一方、スイッチング素子4の制御用端子、負荷2の動作制御回路の制御用端子に対して、ゼロ電圧レベルを印加することによって、それぞれ、スイッチング素子4を開放させ、負荷2の動作を停止させる。
なお、スイッチング素子4の制御用端子、負荷2の動作制御回路の制御用端子に対してそれぞれの動作用として印加した電圧レベルは、そのまま持続する状態になるが、制御部3への電力供給が停止した場合、給電状態にない制御部3から、スイッチング素子4の制御用端子、負荷2の動作制御回路の制御用端子に印加されている電圧レベルは、ゼロ電圧レベルに強制的に設定されることになり、スイッチング素子4は開放され、負荷2の動作は停止する。
図7において、組電池1からの出力電圧Vdが、あらかじめ定めた電圧閾値V1よりも大きい組電池1を接続して、時刻T0において、手動スイッチ5の押下操作をすると、組電池1からON状態の手動スイッチ5を介して制御部3への給電が開始され、これによって、制御部3の制御動作が開始される。
制御部3は、電圧閾値V1を超える出力電圧Vdを出力していることを検知すると、時刻T1において、スイッチング素子4を閉成させる閉成制御信号として、スイッチング素子4の制御用端子に閉成用電圧レベルとしてあらかじめ定めた電圧レベルを印加する。この結果、スイッチング素子4は閉成され、以降、スイッチング素子4の制御用端子は、閉成用電圧レベルが印加された状態が継続し、スイッチング素子4は閉成状態を持続する。
さらに、制御部3は、時刻T2において、負荷2を動作させる動作制御信号として、負荷2の動作制御回路の制御用端子に動作用電圧レベルとしてあらかじめ定めた電圧レベルを印加する。この結果、負荷2は動作を開始し、以降、負荷2の制御用端子は、動作用電圧レベルが印加された状態が継続し、負荷2は動作状態を持続する。
しかる後、負荷2および制御部3への給電動作により、組電池1の出力電圧Vdが徐々に低下し、ついに、時刻T3において、あらかじめ定めた電圧閾値V1にまで低下したことを検知すると、制御部3は、時刻T4において、スイッチング素子4を開放させる開放制御信号として、スイッチング素子4の制御用端子にゼロ電圧レベルを印加する。この結果、時刻T4とほぼ同時の時刻T5で、スイッチング素子4は開放され、制御部3への組電池1からの電力供給が停止し、制御部3の動作電圧がゼロ電位レベルになるので、以降、スイッチング素子4の制御用端子には、ゼロ電位レベルが持続する状態になり、スイッチング素子4は開放されたままになる。
一方、制御部3の動作電圧がゼロ電位レベルになると、時刻T5とほぼ同時の時刻T6で、負荷2の動作制御回路の制御用端子に印加されていた動作電圧レベルもゼロ電位レベルにリセットされることになり、負荷2の動作も停止する。ここで、負荷2が停止する動作は、制御部3が給電されていて動作中の状態において、負荷制御部3cから負荷2の動作を停止させる動作停止制御信号として、負荷2の動作制御回路の制御用端子に対してゼロ電圧レベルが印加される場合と全く同様である。
ここで、制御信号としてレベル信号を用いる場合、スイッチング素子4や負荷2の動作制御回路の制御用端子の構成部について、次のような構成を採用すれば効果的である。スイッチング素子4は、制御部3への電力供給がなくなった際に、開放を指示する開放用制御信号として、スイッチング素子4の制御用端子にゼロ電圧レベルが印加されることによって、自動的に開放状態に切り替わるように、例えば電界効果トランジスタ(FET)を用いて構成し、FETのゲート電位がゼロレベルの状態では、FETが非導通となり、開放されるようにすれば良い。また、負荷2についても、動作制御回路の制御用端子に制御部3からゼロ電圧レベルが印加されることによって、自動的に開放状態に切り替わるように、動作制御回路の構成素子として、スイッチング素子4の場合と同様に、例えば電界効果トランジスタ(FET)を用いて構成し、FETのゲート電位がゼロレベルの状態では、FETが非導通となり、動作が停止するものを選定すれば良い。
以上で、本実施例における制御部3からレベル信号として出力される制御信号(制御用電圧レベル)の設定動作の一例の説明を終了して、次に、図1の電源システムが動作停止状態から復旧するための手段について説明する。図1に示すように、スイッチング素子4と並列に、当該電源システムのオペレータが手動で操作することができる手動スイッチ5を接続している。手動スイッチ5は、オペレータが押下操作をしている間のみ、閉成された状態を維持し、オペレータが手を離すと、開放状態に復帰するような構造としている。ここで、手動スイッチ5は、あらかじめ定めた電圧閾値(放電終止電圧)以下に放電してしまった組電池1をオペレータが新しい組電池1と交換した際に押下操作をするためのものであり、手動スイッチ5が押下されて閉成することにより、交換した新しい組電池1から制御部3への給電動作が再開されて、制御部3の制御動作が再開される。
しかる後、制御部3の電圧監視部3aにて、交換後の組電池1の出力電圧があらかじめ定めた電圧閾値を超えていることを検出すると、スイッチング素子制御部3bにより、スイッチング素子4を閉成する閉成用制御信号として、スイッチング素子4の制御用端子に、閉成用電圧レベルの電圧が印加され、スイッチング素子4は開放状態から閉成状態に切り替わる。したがって、その後、手動スイッチ5からオペレータが手を離して、手動スイッチ5が開放状態に移行してしまっても、スイッチング素子4を介して組電池1から制御部3への給電動作が継続することになる。
以上のように、スイッチング素子4は、組電池1の出力電圧があらかじめ定めた電圧閾値(例えば、組電池1として放電可能な最低限の電圧を示す最低使用電圧つまり放電終止電圧)以下に低下した場合に、組電池1の過放電を防止するために、制御部3、負荷2への放電動作を抑止するための過放電保護用スイッチ(第1のスイッチ)として機能し、手動スイッチ5は、電源システムとしての動作を制御する制御部3への給電がなくなり、一切の動作が停止した状態になった場合に、停止状態から脱して動作状態を再開させるための復帰用スイッチ(第2のスイッチ)として機能する。
次に、制御部3の動作について図2のフローチャートを用いてさらに説明する。図2は、図1に示す電池システムにおいて制御部3による負荷2およびスイッチング素子4の制御の流れの一例を説明するフローチャートであり、本発明の電源システムの制御方法の一例を示している。なお、かかる電源システムの制御方法をコンピュータにより実行可能な電源システム制御プログラムとして実施しても良いし、あるいは、該電源システム制御プログラムをコンピュータにより読み取り可能なプログラム記録媒体に記録するようにしても良い。
図2において、電源システムへの新しい組電池1の設定が終了して、例えば、手動スイッチ5を押下操作することによって、制御部3への給電動作が開始される。電源システムとしての制御動作を開始した制御部3は、まず、スイッチング素子制御部3bによりスイッチング素子4を閉成(短絡)させる制御信号として、スイッチング素子4の制御用端子に閉成用電圧レベルを印加して、スイッチング素子4を閉成させる(ステップS21)。
次に、負荷制御部3cにより負荷2を動作させる制御信号として、負荷2の動作制御回路の制御用端子に動作用電圧レベルを印加して、負荷2を動作させる(ステップS22)。ここで、スイッチング素子4の閉成用電圧レベル、負荷2の動作用電圧レベルは、以降、継続して保持され続け、スイッチング素子4は閉成された状態を継続し、負荷2は動作状態を継続する。なお、スイッチング素子4を閉成させる制御信号として閉成用電圧レベルを出力するステップS21と負荷2を動作させる制御信号として動作用電圧レベルを出力するステップ22との順序は逆でも構わない。
しかる後、制御部3は、電圧監視部3aにより組電池1の出力電圧Vbを監視し、出力電圧Vbが当該組電池1についてあらかじめ定めた電圧閾値V1(例えば組電池1の最低使用電圧10V)を越えている間は(ステップS23のNO)、ステップS23における組電池1の出力電圧Vbの監視動作を繰り返す。
一方、組電池1の出力電圧Vbが電圧閾値V1(例えば組電池1の最低使用電圧10V)以下となったとき(ステップS23のYES)、ステップS24へ進み、制御部3は、スイッチング素子制御部3bによりスイッチング素子4を開放する開放用制御信号として、スイッチング素子4の制御用端子にゼロ電圧レベルを印加して、スイッチング素子4を開放する(ステップS24)。スイッチング素子4が開放されて、制御部3への動作電力の供給が停止すると、負荷2の動作制御回路の制御用端子に印加されていた動作用電圧レベルも強制的にゼロ電圧レベルに設定されて、負荷2の動作が停止する。この結果、組電池1の放電動作は完全に停止する。
負荷2、制御部3への給電動作が停止し、組電池1の放電動作が完全に停止すると、以降においては、スイッチング素子4の制御用端子、負荷2の動作制御回路の制御用端子のそれぞれへの印加電圧レベルは、ゼロ電圧レベルを保持し続けるので、スイッチング素子4は開放された状態を継続し、負荷2は動作停止状態が継続する。
なお、ステップS24においては、スイッチング素子4を開放することによって、制御部3の電力供給が停止し、その結果として、負荷2の動作制御回路の制御用端子もゼロ電圧レベルに設定されて、負荷2の動作が停止する場合について説明したが、まず、負荷制御部3cにより負荷2に対する動作停止用の制御信号として負荷2の動作制御回路の制御用端子へゼロ電圧レベルを印加した後、スイッチング素子4を開放する制御信号として、スイッチング素子4の制御用端子にゼロ電圧レベルを印加する動作を行うようにしても良い。
ここで、電圧閾値V1として、前述のように、組電池1の放電可能な最低使用電圧(放電終止電圧)を設定することによって、過放電による電池劣化を防止することができる。
以上のような制御を実行することにより、組電池1の出力電圧Vbが電圧閾値V1(例えば最低使用電圧10V)より大きい間は、組電池1から負荷2へ給電されて、負荷2の動作は継続し、一方、出力電圧Vbが電圧閾値V1(例えば最低使用電圧10V)以下となったときには、スイッチング素子4が開放されて、以降、制御部3への動作電力の供給がない状態が継続し、その結果、負荷2の動作の停止状態が継続して、組電池1の放電が完全に停止される。而して、組電池1の過放電を防止することができる。
なお、放電停止後に、電池システムの制御部3の動作を再開させて、負荷2の動作を再開するためには、前述のように、組電池1を電圧閾値V1(例えば最低使用電圧10V)よりも高いものに交換した後、スイッチング素子4に対して並列に接続されている手動スイッチ5を押下操作すれば良い。
また、後述する図5に示すような構成の交流負荷に対する電源システムヘ適用する場合については、図1において、負荷2をインバータ7と読み替えることにより、全く等価の制御構造とすることができる。つまり、負荷が交流電力により駆動される交流負荷9であり、組電池1の出力側に、直流電力を交流電力に変換するインバータ7を接続し、インバータ7の出力により交流負荷9を駆動する構成としている場合、組電池1の出力電圧があらかじめ定められた電圧閾値V1(例えば最低使用電圧10V)以下となったときには、交流負荷9の動作を停止させる指示を行う代わりに、インバータ7の動作を停止させる指示を行うようにすれば良い。
一般に、インバータ7は、外部からの制御用電圧レベルに応じて、動作/停止する動作制御回路の制御用端子を備えている。したがって、制御部3から、動作用電圧レベルとしてあらかじめ定められている電圧レベルを該制御用端子に印加することによって、インバータ7の動作を開始させ、運転停止信号として、ゼロ電圧レベルを該制御用端子に印加することによって、インバータ7の出力を停止させることができ、スイッチング素子4の開放により制御部3への給電動作が停止した際に、インバータ7への放電動作も停止させることができる。
放電停止後に、組電池1を電圧閾値V1(例えば最低使用電圧10V)よりも高いものに交換した後、手動スイッチ5を押下操作すれば、手動スイッチ5が閉成されて、交換後の組電池1から制御部3へ給電されるため、制御部3が始動し、制御部3のスイッチング素子制御部3bにて、スイッチング素子4を閉成させた後、負荷制御部3cに代わるインバータ制御部の動作によりインバータ7の動作制御回路の制御用端子に対して動作用電圧レベルが印加されて、インバータ7の動作が再開され、負荷2への給電動作が再開されるように制御することができる。
以上に詳細に説明したように、本実施例における電源システムは、以下のような特徴を有している。
本実施例の電源システムにおいては、二次電池を含め複数の電池からなる組電池1の出力電圧を監視し、負荷2の動作を制御し、かつ、スイッチング素子4の開閉を制御する制御部3を備え、制御部3の動作電源を、組電池1からスイッチング素子4を挿入した給電線を介して供給し、組電池1の出力電圧があらかじめ定めた電圧閾値以下のとき、スイッチング素子4を開放し、制御部3には電力が供給されない状態とする。また、制御部3に電力が供給されない状態においては、負荷2の動作を停止させる。
さらに、スイッチング素子4に対して、並列に、操作している間のみ閉成(短絡)される手動スイッチ5が接続され、組電池1から制御部3への電力供給を開始したい場合、手動スイッチ5を操作することにより、制御部3の動作電源を組電池1から供給し、制御部3の動作を再開させることを可能とし、制御部3の制御動作により、制御部3への給電線に挿入されているスイッチング素子4を閉成させるとともに、負荷2の動作を再開させる。
以上のような特徴を備えることによって、組電池1の放電動作は過放電となる前に停止され、組電池1を構成する電池の劣化を防止し、該電池の寿命を延伸することが可能となる。さらに、電源システムの停止後に、組電池1を新しい組電池に交換して、手動スイッチ5を操作することにより、電源システムを停止状態から動作状態へ復帰させることが可能となる。
<第2の実施例>
図3は、本発明の電源システムの第2の実施例の構成を説明する構成図であり、商用交流電源による整流器からの電力供給をバックアップするための電源システムの構成例を示している。図3においては、鉛蓄電池(例えば、単セル定格電圧2.0V、定格容量100Ah、最低使用電圧1.7V)を6セル直列接続することにより、組電池1(定格電圧12V、定格容量100Ah)を構成し、負荷2へ接続する。なお、負荷2は、第1の実施例と同様、内部の動作制御回路の制御用端子に制御部3からの制御信号として制御用電圧レベルを印加することによって動作および停止が可能である。また、本実施例では、鉛蓄電池セルを6セル直列接続した場合について説明するが、組電池1として、任意のセル数からなる複数の電池を直列および/または並列接続して構成しても構わない。
本実施例においては、組電池1の最低使用電圧(放電終止電圧)は、10.2V(=1セル当たり最低使用電圧1.7V×6セル)であり、この最低使用電圧を下回って放電を継続すると、過放電による劣化が起こり得る。
図3の構成において、整流器6は、入力される商用交流電源(交流電力)を直流電力へ変換するものであり、商用交流電源が有効である限り、負荷2および制御部3へ給電するとともに、組電池1を充電する。また、整流器6から負荷2への給電線には、負荷2への給電方向にのみ電力を通すダイオード7aが挿入され、負荷2に対してはダイオード7aを介して整流器6から給電されるとともに、組電池1についてもダイオード7aを介して整流器6から充電される。また、整流器6から制御部3への給電線には、制御部3への給電方向にのみ電力を通すダイオード7bが挿入され、制御部3に対してはダイオード7bを介して整流器6から給電される。
ここで、商用交流電源が有効であるときは、整流器6が出力する直流電力により、負荷2と制御部3とに対する給電と組電池1への充電とが行われるが、商用交流電源が停電となり無効になったときは、整流器6の出力が停止するため、組電池1から出力される電力が、負荷2と制御部3とに供給される。なお、ダイオード7a,7bにより、商用交流電源の停電時において、組電池1から出力される電力は、負荷2、制御部3に対して供給されるのみにして、出力が停止した整流器6側に逆流することを抑止している。
制御部3は、第1の実施例と同様に、組電池1の出力電圧を監視し、負荷2の動作および停止を制御し、スイッチング素子4を開閉することができる。すなわち、制御部3は、図3に示すように、第1の実施例における図1の場合と同様、電圧監視部3a、スイッチング素子制御部3b、および、負荷制御部3cを少なくとも備えて構成されている。
なお、制御部3の動作電源については、前述のように、商用交流電源が有効な場合は、整流器6からダイオード7bを介して供給され、商用交流電源が停電した場合は、組電池1からスイッチング素子4または手動スイッチ5を介して供給される。
図3の構成においても、スイッチング素子制御部3bがレベル信号としてスイッチング素子4の制御用端子に出力する開閉制御用の電圧レベルおよび負荷制御部3cが負荷2の動作制御回路の制御用端子に出力する動作/停止制御用の電圧レベルは、第1の実施例の場合と全く同様であり、ここでの説明は省略する。制御信号としてレベル信号を用いる場合、スイッチング素子4や負荷2の動作制御回路の制御用端子の回路部として、本実施例においても、第1の実施例にて説明したような構成で電界効果トランジスタ(FET)を用いることが効果的である。
なお、図3に示すように、電源システムの停止状態から復旧するための手段として、第1の実施例の場合と同様に、スイッチング素子4と並列に、当該電源システムのオペレータが手動で操作することができる手動スイッチ5を接続しており、手動スイッチ5を用いて、第1の実施例で説明した復旧手順と同様の手順で、電源システムの動作を再開させることができる。
図4は、図3に示す電池システムにおいて制御部3による負荷2およびスイッチング素子4の制御の流れの一例を説明するフローチャートであり、本発明の電源システムの制御方法の異なる例を示している。なお、かかる電源システムの制御方法をコンピュータにより実行可能な電源システム制御プログラムとして実施しても良いし、あるいは、該電源システム制御プログラムをコンピュータにより読み取り可能なプログラム記録媒体に記録するようにしても良い。
図4のフローチャートは、電源システムへの新しい組電池1の設定が終了して、例えば、手動スイッチ5を押下操作することによって、あるいは、商用交流電源が復電することによって、制御部3への給電動作が開始されて、当該電源システムが起動されることにより開始される。以降のステップS41からS44までの各ステップの動作は、6セルの鉛蓄電池からなる組電池1を使う本実施例の場合、その最低使用電圧となる電圧閾値V1を例えば10.2V(=1セル当たり最低使用電圧1.7V×6セル)と設定すること以外については、第1の実施例の図2の場合のステップS21からS24までの各ステップと全く同様であり、ここでの詳細な説明は省略する。
図4のような手順を実行して、制御部3が動作状態を保持している状態において、商用交流電源が何らかの原因により停電した場合には、商用交流電源が停電した場合のバックアップ電源として、組電池1から負荷2への給電を自動的に行うことによって、負荷2は動作を継続することができる。ただし、商用交流電源の停電時においてバックアップ給電をしている状態で、組電池1の出力電圧Vbが電圧閾値V1(例えば最低使用電圧10.2V)以下となったときには、第1の実施例の場合と同様、組電池1の過放電を防止するために、スイッチング素子4が開放されて、制御部3の電力供給が停止され、負荷2の動作も強制的に停止される。その結果、組電池1の放電動作は完全に停止し、組電池1の過放電を防止することができる。
なお、組電池1からの放電停止後に、商用交流電源が復電すると、整流器6が直流電力の出力を開始し、ダイオード7aを介して負荷2への給電および組電池1への充電動作が再開されるとともに、ダイオード7bを介して制御部3へも給電され、制御部3の制御動作も再開されるので、制御部3のスイッチング素子制御部3bの動作により、スイッチング素子4が閉成(短絡)され、さらに、負荷制御部3cの動作により負荷2の動作が再開される。以降は、整流器6の出力により、負荷2と制御部3とに対する給電動作と組電池1への充電とが継続するようになる。
また、放電停止後の復帰を商用交流電源の復電によらず、組電池1の交換により、電源システムを始動させる必要がある場合には、第1の実施例と同様、組電池1を電圧閾値V1(例えば最低使用電圧10.2V)よりも高いものに交換した後、スイッチング素子4に対して並列に接続されている手動スイッチ5を押下操作すれば良い。
なお、後述する図5に示すような構成の交流負荷に対する電源システムヘ適用する場合については、図3において、負荷2をインバータ7と読み替えることにより、全く等価の制御構造とすることができ、本実施例の場合、商用交流電源の復電時により、自動的に、インバータ7の動作を開始させることができること以外については第1の実施例において説明した場合とほぼ同様である。
以上に説明したように、本実施例における電源システムは、以下のような特徴を有している。
本実施例の電源システムにおいては、商用交流電源の交流電力を整流する整流器6が、組電池1を充電し、かつ、負荷2、制御部3へ電力を供給するために備えられ、商用交流電源が停電して、整流器6の出力が停止したときに、組電池1から負荷2へ給電するとともに、制御部3の動作電源を、組電池1からスイッチング素子4を挿入した給電線を介して供給する。また、第1の実施例と同様、組電池1の出力電圧があらかじめ定めた電圧閾値以下のとき、スイッチング素子4を開放し、スイッチング素子4が開放している状態では、制御部3には電力が供給されない状態とし、かつ、制御部3に電力が供給されない状態においては、負荷2を停止させる。
ここで、整流器6は、負荷2および組電池1への給電方向にのみ電力を通し、組電池1からの電力が整流器6側に逆流することを防止するダイオード7aを介して接続され、かつ、制御部3の動作電源についても、制御部3への給電方向にのみ電力を通すダイオード7bを介して整流器6から供給される。
また、電源システムの停止時において、商用交流電源が復電した際に、整流器6から負荷2、制御部3への電力供給と組電池1への充電動作が再開されるので、制御部3の制御動作を自動的に再開させることを可能とし、制御部3の制御動作により、制御部3への給電線に挿入されているスイッチング素子4を閉成させるとともに、負荷2の動作を再開させる。
また、第1の実施例と同様、スイッチング素子4に対して、並列に、操作している間のみ閉成(短絡)される手動スイッチ5が接続されており、電源システムの停止時、組電池1から制御部3への電力供給を開始したい場合、手動スイッチ5を操作することにより、制御部3の動作電源を組電池1から供給し、制御部3の制御動作を再開させることを可能とし、制御部3の制御動作により、制御部3への給電線に挿入されているスイッチング素子4を閉成させるとともに、負荷2の動作を再開させる。
以上のような特徴を備えることによって、商用交流電源をバックアップする電源システムにおいても、第1の実施例の場合と同様に、組電池1の放電動作は過放電となる前に停止され、組電池1を構成する電池の劣化を防止し、該電池の寿命を延伸することが可能となる。
また、電源システムの停止後に、商用交流電源の復電により、負荷2、制御部3への給電と組電池1への充電動作を自動的に再開し、電源システムの制御部3による制御動作と負荷2の動作とを再開させることができる状態に復帰して、商用交流電源のバックアップが可能な状態に復帰させることが可能となる。さらに、電源システムの停止後に、組電池1を新しい組電池に交換して、手動スイッチ5を操作することにより、電源システムを停止状態から動作状態へ復帰させることも可能である。
<第3の実施例>
図5は、本発明の電源システムの第3の実施例の構成を説明する構成図であり、負荷が交流電力で駆動する交流負荷となる場合の構成例を示している。図5においても、図3と同様、鉛蓄電池(例えば、単セル定格電圧2.0V、定格容量100Ah、最低使用電圧1.7V)を6セル直列接続することにより、組電池1(定格電圧12V、定格容量100Ah)を構成し、直流電力を交流電力に変換するインバータ7、高速スイッチ10を介して交流負荷9へ接続する。なお、インバータ7は、第1の実施例の負荷2の場合と同様、内部の動作制御回路の制御用端子に制御部3Aからの制御信号として制御用電圧レベルを印加することによって動作および停止が可能である。また、本実施例では、鉛蓄電池セルを6セル直列接続した場合について説明するが、組電池1として、任意のセル数からなる複数の電池を直列および/または並列接続して構成しても構わない。
本実施例においても、第2の実施例と同様、組電池1の最低使用電圧(放電終止電圧)は、10.2V(=1セル当たり最低使用電圧1.7V×6セル)であり、この最低使用電圧を下回って放電を継続すると、過放電による劣化が起こり得る。
図5の構成において、整流器6は、交流入力12の商用交流電源から入力される交流電力を直流電力へ変換し、商用交流電源が有効である限り、インバータ7、制御部3Aおよび高速スイッチ10に給電するとともに、組電池1を充電する。インバータ7は、整流器6からの直流電力あるいは組電池1からの出力電力を交流電力に変換し、商用交流電源の停電時に、高速スイッチ10を介して交流負荷9へ交流電力を出力する。
高速スイッチ10は、交流入力12からの商用交流電源が有効であるときは、商用交流電源をバイパス回路11を介して交流負荷9へ接続し、商用交流電源の停電発生時には、例えば10ms以内の短時間の間に、商用交流電源をバイパス回路11を介して交流負荷9に接続していた状態からインバータ7の出力を交流負荷9へ接続する状態に高速で切り替える機能を有するが、この切り替え機能が動作するためには、動作電源が必要である。
また、制御部3Aは、組電池1の出力電圧を監視し、スイッチング素子4を開閉し、インバータ7の動作および停止を制御することができる。すなわち、制御部3Aは、図5に示すように、第1の実施例における図1の場合と同様の電圧監視部3a、スイッチング素子制御部3bを少なくとも備え、さらに、図1の負荷制御部3cの代わりに、インバータ7の動作を制御する制御信号(動作/停止制御用電圧レベル)を出力するインバータ制御手段であるインバータ制御部3dを備えている。このような制御部3Aの制御動作を行うためにも、制御部3Aには動作電源が必要である。
高速スイッチ10と制御部3Aとの動作電源は、図5に示すように、商用交流電源が有効な場合は、整流器6からダイオード7aとスイッチング素子4とを介して、あるいは、整流器6からダイオード7bを介して供給されるように接続される。また、商用交流電源が停電した場合は、ダイオード7aとスイッチング素子4の間に組電池1が接続されているため、組電池1からスイッチング素子4または手動スイッチ5を介して供給される。
交流入力12の商用交流電源が有効であるときには、整流器6から出力される直流電力は、インバータ7、制御部3A、高速スイッチ10および組電池1へ供給される。なお、商用交流電源が有効な場合、インバータ7は動作中の状態になるものの、高速スイッチ10はバイパス回路11と交流負荷9とを接続した状態にあって、交流入力12の商用交流電源が交流負荷9へ接続されているため、インバータ7は無負荷運転の状態にある。
一方、交流入力12の商用交流電源が停電した場合には、整流器6の動作が停止し、整流器6からの直流電力の供給が停止するため、組電池1に蓄積された電力が、インバータ7、制御部3Aおよび高速スイッチ10へ供給され、この結果、交流負荷9へもインバータ7からの交流電力が給電される。なお、ダイオード7a,7bが挿入されているため、図3の場合と同様、組電池1からの電力が整流器6側に逆流して供給されることはない。
図5において、スイッチング素子制御部3bがレベル信号としてスイッチング素子4の制御用端子に出力する開閉制御用の電圧レベルおよびインバータ制御部3dがインバータ7の動作制御回路の制御用端子に出力する動作/停止制御用の電圧レベルは、第1の実施例の場合の負荷2の動作制御回路の制御用端子をインバータ7の動作制御回路の制御用端子と読み替えるだけで、その他は全く同様であり、ここでの説明は省略する。制御信号としてレベル信号を用いる場合、スイッチング素子4やインバータ7の動作制御回路の制御用端子の回路部として、本実施例においても、第1の実施例にて説明したような構成で電界効果トランジスタ(FET)を用いることが効果的である。
なお、図5に示すように、電源システムの停止状態から復旧するための手段として、第1の実施例の場合と同様に、スイッチング素子4と並列に、当該電源システムのオペレータが手動で操作することができる手動スイッチ5を接続しており、手動スイッチ5を用いて、第1の実施例で説明した復旧手順と同様の手順で、電源システムの動作を再開させることができる。
図6は、図5に示す電池システムにおいて制御部3Aによるインバータ7およびスイッチング素子4の制御の流れの一例を説明するフローチャートであり、本発明の電源システムの制御方法のさらに異なる例を示している。なお、かかる電源システムの制御方法をコンピュータにより実行可能な電源システム制御プログラムとして実施しても良いし、あるいは、該電源システム制御プログラムをコンピュータにより読み取り可能なプログラム記録媒体に記録するようにしても良い。
図6のフローチャートは、電源システムへの新しい組電池1の設定が終了して、例えば、手動スイッチ5を押下操作することによって、あるいは、商用交流電源が復電することによって、制御部3への給電動作が開始されて、当該電源システムが起動されることによって開始される。以降のステップS61からS64までの各ステップの動作は、6セルの鉛蓄電池からなる組電池1を使う本実施例の場合、その最低使用電圧となる電圧閾値V1を例えば10.2V(=1セル当たり最低使用電圧1.7V×6セル)と設定すること、および、負荷2をインバータ7と読み替えること以外については、第1の実施例の図2の場合のステップS21からS24までの各ステップと全く同様であり、ここでの詳細な説明は省略する。
図6のような手順を実行して、制御部3が動作状態を保持している状態において、商用交流電源が何らかの原因で停電した場合には、商用交流電源が停電した場合のバックアップ電源として、組電池1からインバータ7への給電を行うことによって、交流負荷9は動作を継続することができる。ただし、商用交流電源の停電時においてバックアップ給電をしている状態で、組電池1の出力電圧Vbが電圧閾値V1(例えば最低使用電圧10.2V)以下となったときには、第1の実施例の場合と同様、組電池1の過放電を防止するために、スイッチング素子4が開放されて、制御部3の電力供給が停止され、インバータ7の動作も強制的に停止される。その結果、組電池1の放電動作は完全に停止し、組電池1の過放電を防止することができる。
なお、組電池1からの放電停止後に、商用交流電源が復電すると、実施例2の場合と同様、整流器6が直流電力の出力を開始し、ダイオード7aを介してインバータ7への給電および組電池1への充電動作が再開されるとともに、ダイオード7bを介して制御部3Aおよび高速スイッチ10へも給電され、制御部3Aの制御動作も再開されるので、制御部3Aのスイッチング素子制御部3bの動作により、スイッチング素子4が閉成(短絡)され、さらに、インバータ制御部3dの動作によりインバータ7の動作が再開される。以降は、整流器6の出力により、インバータ7と制御部3Aと高速スイッチ10とに対する給電動作と組電池1への充電とが継続するようになる。
また、高速スイッチ10は、商用交流電源の復電により、バイパス回路11を経由して交流入力12からの商用交流電源を交流負荷9へ供給するように接続状態を復旧しており、インバータ7は、待機状態の無負荷運転の状態になる。
また、放電停止後の復帰を商用交流電源の復電によらず、組電池1の交換により、電源システムを始動させる必要がある場合には、第1の実施例と同様、組電池1を電圧閾値V1(例えば最低使用電圧10.2V)よりも高いものに交換した後、スイッチング素子4に対して並列に接続されている手動スイッチ5を押下操作すれば良い。
以上に説明したように、本実施例における電源システムは、以下のような特徴を有している。
本実施例の電源システムにおいては、負荷として交流電力により駆動される交流負荷9を接続した場合においても、商用交流電源の交流電力を整流する整流器6が、組電池1を充電し、かつ、制御部3Aへ電力供給するとともにインバータ7を介して交流負荷9へ電力を供給するために備えられ、商用交流電源が停電して、整流器6の出力が停止したとき、組電池1からインバータ7へ給電するとともに、制御部3Aの動作電源を、組電池1からスイッチング素子4を挿入した給電線を介して供給する。また、第1の実施例と同様、組電池1の出力電圧があらかじめ定めた電圧閾値以下のとき、スイッチング素子4を開放し、スイッチング素子4が開放している状態では、制御部3Aには電力が供給されない状態とし、かつ、制御部3Aに電力が供給されない状態においては、インバータ7の動作を停止させる。
ここで、整流器6は、インバータ7および組電池1への給電方向にのみ電力を通し、組電池1からの電力が整流器6側に逆流することを防止するダイオード7aを介して接続され、かつ、制御部3Aの動作電源についても、第2の実施例と同様、制御部3Aへの給電方向にのみ電力を通すダイオード7bを介して整流器6から供給される。
また、交流負荷9への給電経路として、商用交流電源からのバイパス回路11を介した給電と、インバータ7からの給電とを高速に切り替える高速スイッチ10を介して接続され、高速スイッチ10の動作電源が、商用交流電源が有効であれば、整流器6から供給され、商用交流電源が停電した場合には、組電池1から供給される。
また、電源システムの停止時において、商用交流電源が復電した際に、第2の実施例の場合とほぼ同様に、整流器6から負荷2、制御部3A,インバータ7への電力供給と組電池1への充電動作が再開されるので、制御部3Aの制御動作を自動的に再開させることを可能とし、制御部3Aの制御動作により、制御部3Aへの給電線に挿入されているスイッチング素子4を閉成させるとともに、インバータ7の動作を再開させる。
また、第1の実施例と同様、スイッチング素子4に対して、並列に、操作している間のみ閉成(短絡)される手動スイッチ5が接続されており、電源システムの停止時、組電池1から制御部3Aへの電力供給を開始したい場合、手動スイッチ5を操作することにより、制御部3Aの動作電源を組電池1から供給し、制御部3Aの動作を再開させることを可能とし、制御部3Aの制御動作により、制御部3Aへの給電線に挿入されているスイッチング素子4を閉成させるとともに、インバータ7の動作を再開させる。
以上のような特徴を備えることによって、交流負荷9にインバータ7を介して給電する場合であっても、第1の実施例と同様に、組電池1の放電動作は過放電となる前に停止され、組電池1を構成する電池の劣化を防止し、該電池の寿命を延伸することが可能となる。
また、第2の実施例と同様、電源システムの停止後に、商用交流電源の復電により、交流負荷9への給電動作を再開するとともに、整流器6を介してインバータ7、制御部3Aへの給電と組電池1への充電動作を自動的に再開し、電源システムの制御部3Aによる制御動作とインバータ7の動作とを再開させることができる状態に復帰し、商用交流電源のバックアップが可能な状態に復帰させることが可能となる。さらに、電源システムの停止後に、組電池1を新しい組電池に交換して、手動スイッチ5を操作することにより、電源システムを停止状態から動作状態へ復帰させることも可能である。
<その他の実施例>
また、以上の各実施例においては、制御部3,3Aから、スイッチング素子4や負荷2、インバータ7に対する制御用の信号として、レベル信号を用いる場合について説明したが、場合によっては、あらかじめ定めた特定のコード(符号)からなるコード信号を用い、制御対象の制御用端子の位置には該コード信号のデコード回路を配置するようにしても良い。かかる場合においては、制御部3,3Aへの給電があり、制御部3,3Aの動作が可能な状態においてのみ、スイッチング素子4や負荷2、インバータ7に対して制御信号を送信することが可能である。したがって、例えば、組電池1の出力電圧Vdがあらかじめ定めた電圧閾値V1以下に低下した場合には、スイッチング素子4を開放して、制御部3,3Aへの電力供給を停止してしまう前に、負荷2、インバータ7に対して動作の停止を指示するコード信号を制御信号として送信することが必要であり、しかる後に、スイッチング素子4を開放するように制御される。
ただし、電圧閾値V1以下に低下して組電池1の過放電状態に陥った場合には、制御部3,3Aが動作できない電圧にまで低下してしまって、スイッチング素子4や負荷2、インバータ7に対して開放や動作の停止を指示するコード信号を送信することができない状態になる場合も生じかねない。このため、かかる事態に備えて、制御部3,3A専用のバックアップ電源を備えるようにしても良い。
また、以上の各実施例におけるスイッチング素子4や、負荷2やインバータ7の動作制御回路の制御用端子に配置する制御用素子は、FETを用いる以外に、バイポーラ半導体素子やフォトカップラやリレーなど、あらかじめ定めた電圧範囲でスイッチング動作が可能な素子であれば、如何なる素子を用いて構成しても良い。
また、以上の各実施例においては、組電池1の交換によって、停止状態から脱して給電動作を再開させるための復帰用スイッチ(第2のスイッチ)として、オペレータが押下操作をしている間だけ、スイッチが閉成(短絡)されて、オペレータが手を離して押下をやめた時点でスイッチが開放状態に復旧する手動スイッチ5を用いる場合について説明したが、場合によっては、閉成用ボタンと開放用ボタンとを別々のボタンとしてあるいは同一のボタンとして備えている手動スイッチであっても良いし、あるいは、押下操作後あらかじめ設定している時間の間だけ閉成されるスローリリース型の手動スイッチであっても構わない。
また、手動スイッチ5の代わりに、センサとスイッチ回路とを備え、組電池の電極を接続する端子部の位置に組電池の交換動作を検知することが可能なセンサを装備するようにして、該センサの検知結果に応じて、あらかじめ定めた一定時間だけ作動するスイッチ回路を、スイッチング素子4と並列接続するように構成しても良い。かかる構成にすることによって、オペレータは、組電池1の交換操作を行うだけで、電源システムを停止状態から復帰させることが可能となる。
なお、本発明に係る電源システムが設置される環境如何によって、例えば、非常災害対策用の設備のように、電源システムを停止状態から復帰させる復帰用手段が他の設備に備えられていた場合には、前述のような復帰用スイッチを、本電源システム内に備えない形式で構成しても良い。
また、第2、第3の実施例において、整流器6から負荷2またはインバータ7への給電線に、負荷2またはインバータ7への給電方向にのみ電力を通すダイオード7aが挿入され、整流器6から制御部3,3Aへの給電線に、制御部3,3Aへの給電方向にのみ電力を通すダイオード7bが挿入されている例を説明したが、整流器の構成如何によっては、ダイオード7a,7bを挿入していない構成を採用することも可能である。
また、第2、第3の実施例においては、電源システムが停止した状態にある場合に、商用交流電源が復電して、整流器6からの出力により、制御部3,3Aへの給電と組電池1への充電動作が再開された際に、当該電源システムを自動的に停止状態から復帰させて、負荷2やインバータ7を動作させる場合について説明したが、本発明はかかる場合のみに限るものではない。例えば、組電池1への充電動作が再開されたとしても、組電池1の出力電圧があらかじめ定めた電圧閾値以下あるいは当該電圧閾値の近傍にあった場合には、ただちに、負荷2やインバータ7の動作を再開させずに、例えば、あらかじめ定めた一定時間が経過するまで、組電池1への充電動作を継続させた後で、負荷2やインバータ7の動作を再開させるようにしても良いし、あるいは、組電池1が満充電状態に達するまで、負荷2やインバータ7の動作を停止させたままにしても良い。
また、第3の実施例においては、組電池1の出力電圧があらかじめ定めた電圧閾値以下であった場合に、制御部3Aへの給電が停止して、インバータ7の動作が停止するか、あるいは、制御部3Aのインバータ制御部3dによりインバータ7の動作を停止する指示を行って、インバータ7の動作が停止する場合について説明したが、場合によっては、インバータ7の動作の停止のみならず、さらに、交流駆動される交流負荷9についても動作を停止させるようにしても良い。かかる場合、制御部3Aに、さらに、交流負荷9つまり負荷の動作・停止を制御する負荷制御手段となる負荷制御部3cを備え、また、負荷の動作・停止を指示する制御信号を印加する制御用端子の電圧レベルがゼロ電位レベルになった場合に、動作の停止を指示するように構成される。
また、第3の実施例においては、交流入力12からの商用交流電源を交流負荷9へ直接給電する給電経路と、インバータ7からの出力を交流負荷9へ給電する給電経路とを切り替える切り替え手段として、例えば10ms以内の時間で高速に切り替える高速スイッチ10を用いている例を説明したが、本発明は、かかる場合のみに限るものではなく、例えば、メカニカルリレーを用いても構わない。
1…組電池、2…負荷、3,3A…制御部、3a…電圧監視部、3b…スイッチング素子制御部、3c…負荷制御部、3d…インバータ制御部、4…スイッチング素子、5…手動スイッチ、6…整流器、7…インバータ、7a,7b…ダイオード、8…切替器、9…交流負荷、10…高速スイッチ、11…バイパス回路、12…交流入力。