JP4732615B2 - 自動車部品用塗料組成物および塗膜形成方法ならびに自動車部品 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、自動車部品用塗料組成物、特に、耐汚染性機能を有する塗膜を得ることができる自動車部品用塗料組成物および塗膜形成方法ならびに自動車部品に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車車体用塗料として、シリケート化合物を含有させることにより、耐汚染性に優れた塗膜が得られる塗料が開発されつつあり、これらは、例えば、WO94/06870号公報やWO96/262458号公報に記載されている。ところで、バンパーやドアミラー等の自動車部品用塗料についても、自動車車体と同様に、耐汚染性に優れた塗膜を得ることができる塗料の開発が進められている。このような自動車部品用塗料としては、被塗装物がABS樹脂やPP樹脂からなるものであり耐熱性に劣るものであることから、通常、常温硬化系のウレタン硬化型塗料が用いられていた。
【0003】
しかしながら、自動車車体用塗料で用いられてきたシリケート化合物を、そのまま自動車部品用塗料に転用しても、塗料中の樹脂成分との相溶性が充分でなく、塗料配合によっては、塗膜にワレが発生したり、白濁が認められるという不具合があった。
一方、特開平10−212454号公報には、アルコキシシリル基を有する(メタ)アクリルモノマーを重合することによって、アルコキシシリル基をグラフトしたアクリル樹脂が得られることが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、得られる塗膜に白濁を生じたり、ワレが発生することなく、耐汚染性に優れた上塗り塗膜を得ることができる自動車部品用塗料組成物および塗膜形成方法ならびに自動車部品を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、アクリルポリオール樹脂とシリケート変性アクリル樹脂とからなる樹脂組成物、および、前記樹脂組成物の固形分に対して0.1〜10質量%のメチルシリケート縮合物を含む主剤と、ポリイソシアネート化合物を含む硬化剤とからなることを特徴とする自動車部品用塗料組成物である。ここで、アクリルポリオール樹脂とシリケート変性アクリル樹脂との固形分質量比は、60:40〜90:10であることが好ましい。また、シリケート変性アクリル樹脂は、例えば、水酸基価が20〜100、数平均分子量が7000〜15000のアクリル樹脂に、下記式(I)
【0006】
【化2】
【0007】
(式中、Rは同一でも異なっていてもよい、炭素数1〜6のアルコキシ基、または、炭素数1〜4のアルコキシ基で置換された炭素数2〜4のアルコキシ基である。また、nは1〜20である。)で示されるシリケートオリゴマーを有機溶媒中で反応させて得られるものである。
また、メチルシリケート縮合物の縮合度は、5〜10である。
さらに、ポリイソシアネート化合物は、脂肪族ポリイソシアネート化合物であることが好ましい。
また、本発明は、自動車部品に対して上記の自動車部品用塗料組成物を塗装して塗膜を形成することを特徴とする塗膜形成方法である。
さらに、本発明は、上記の塗膜形成方法によって得られる塗膜を備えることを特徴とする自動車部品である。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の自動車部品用塗料組成物は、アクリルポリオール樹脂とシリケート変性アクリル樹脂とからなる樹脂組成物、および、上記樹脂組成物の固形分に対して0.1〜10質量%のメチルシリケート縮合物を含む主剤と、ポリイソシアネート化合物からなる硬化剤とからなるものである。
【0009】
上記主剤に含まれるアクリルポリオール樹脂としては特に限定されず、例えば、水酸基価が30〜300、数平均分子量が500〜20000である。上記水酸基価が30未満の場合は、得られる塗膜の硬化性が低下する恐れがあり、300を超える場合、得られる塗膜の耐水性が低下する恐れがある。さらに好ましくは、50〜200である。なお、数平均分子量は、例えば、GPC(ゲルパーミエーション・クロマトグラフィ)によって測定した値である。
【0010】
このようなアクリルポリオール樹脂は、水酸基含有モノマーおよび必要に応じてその他のモノマーを、常法によって重合して得ることができる。上記水酸基含有モノマーとしては特に限定されず、具体的には、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドキシエチル(メタ)アクリレートによってε−カプロラクトンを開環させたもの(ダイセル化学工業社製プラクセルFAおよびFMシリーズ)等を挙げることができる。また、その他のモノマーとしては特に限定されず、具体的には、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等のカルボン酸基含有モノマー、グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有モノマーの他、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、α−メチルスチレン等を挙げることができる。
【0011】
上記主剤に含まれるシリケート変性アクリル樹脂は、例えば、水酸基価20〜100、数平均分子量が7000〜15000の水酸基含有アクリル樹脂に、上記式(I)で示されるシリケートオリゴマーを有機溶媒中で反応させて得ることができる。上記水酸基含有アクリル樹脂の水酸基価が20未満である場合、シリケートオリゴマーとの反応が不充分になる恐れがあり、100を超える場合、反応中にゲル化が起こりやすくなったり、得られるシリケート変性アクリル樹脂の粘度が高くなりすぎる恐れがある。また、数平均分子量が7000未満である場合、上記アクリルポリオール樹脂との相溶性が不充分になる恐れがあり、15000を超える場合、粘度が増加して取扱い性に問題が生じる恐れがある。
【0012】
一方、上記式(I)で示されるシリケートオリゴマーは、Rは同一でも異なっていてもよい、炭素数1〜6のアルコキシ基、または、炭素数1〜4のアルコキシ基で置換された炭素数2〜4のアルコキシ基であり、また、nは1〜20であるものである。
【0013】
上記炭素数1〜6のアルコキシ基としては、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ブトキシ基、ヘキシルオキシ基等を挙げることができる。また、炭素数1〜4のアルコキシ基で置換された炭素数2〜4のアルコキシ基としては、具体的には、ブチルセロソルブやイソプロピルセロソルブ、2−または3−メトキシプロパノールから水酸基の水素原子を除いた構造のものを挙げることができる。
【0014】
上記シリケートオリゴマーとしては、例えば、メチルシリケート、エチルシリケートが挙げられる。メチルシリケートで市販されているものとしては、MKCシリケート51(三菱化学社製、平均値としてのn=5)、MKCシリケート56(三菱化学社製、平均値としてのn=10)が市販されており、エチルシリケートとしては、エチルシリケート40(コルコート社製、平均値としてのn=5)、エチルシリケート40T(コルコート社製、平均値としてのn=5、エチルシリケート40からテトラエトキシシランを除去したもの)、エチルシリケート48(コルコート社製、平均値としてのn=10)を挙げることができる。
【0015】
上記シリケート変性アクリル樹脂は、上記水酸基含有アクリル樹脂に、上記シリケートオリゴマーを有機溶媒中で反応させて得ることができる。この反応における上記シリケートオリゴマーの量は、上記アクリル樹脂が有する水酸基に対して、0.1〜10倍モルであることが好ましい。0.1倍モル未満の場合、シリケートオリゴマーによる変性が充分に進行せず、10倍モルを超える場合、得られるシリケート変性アクリル樹脂は、シリケートオリゴマーそのものとの違いが少なく効率的でない。クラックを防止するためには、上記シリケートオリゴマーの量は、0.15〜10倍モルであることがさらに好ましい。
【0016】
シリケートオリゴマーの量が水酸基含有アクリル樹脂が有する水酸基に対して等倍モル以下の場合、変性されたアクリル樹脂には水酸基が残存していることになる。このようにして得られたシリケート変性アクリル樹脂は、特に有機溶剤に対する溶解性に優れている。一方、シリケートオリゴマーの量が水酸基含有アクリル樹脂が有する水酸基に対して等倍モルを超える場合、本発明のシリケート変性アクリル樹脂組成物は、水酸基と反応しなかったシリケートオリゴマーを含んでいることになる。
【0017】
上記反応は有機溶媒中で行われるが、この有機溶媒としては反応に影響を及ぼさないものであれば特に限定されない。また、上記シリケート変性アクリル樹脂が塗料に用いられることを考慮すると、塗料に用いられる有機溶剤を用いることが好ましい。
【0018】
上記反応は、所定量の上記水酸基含有アクリル樹脂および上記シリケートオリゴマーを有機溶媒中に加え、加熱撹拌することにより進行する。反応の諸条件は、用いる原料や有機溶媒の種類により異なり、任意に設定することができるが、例えば、固形分50質量%、反応温度120℃、反応時間3時間とすることができる。反応の終点は、粘度測定、GPCによる分子量測定、ガスクロマトグラフィーによる反応で生成したアルコール量の定量で決定できる。このようにして得られたシリケート変性アクリル樹脂は、必要に応じて、固形分を調整し、塗料に添加することができる。また、このようにして得られるシリケート変性アクリル樹脂は、シリケートオリゴマー単体に比べて有機溶剤に対する溶解性に優れている。
【0019】
上記主剤に含まれる樹脂組成物中のアクリルポリオール樹脂とシリケート変性アクリル樹脂との固形分質量比は、60:40〜90:10であることが好ましい。上記質量比が上記範囲外である場合、得られる塗膜の耐汚染性が不充分になる恐れがある。さらに好ましくは、70:30〜85:15である。
【0020】
上記主剤はメチルシリケート縮合物を含んでいる。上記メチルシリケート縮合物を含むことによって高い親水性を付与することができ、耐汚染性を向上させることができる。得られる塗膜の外観および耐汚染性の観点から、その縮合度は5〜10であることが好ましく、このようなもので市販されているものとしては、例えば、先のMKCメチルシリケート51やMKCメチルシリケート56等を挙げることができる。
【0021】
上記メチルシリケート縮合物の含有量は、上記樹脂組成物に対して0.1〜10質量%である。上記含有量が0.1質量%未満である場合、塗膜の耐汚染性が不充分になる恐れがあり、10質量%を超える場合、得られる塗膜が白濁したり、暴露後に塗膜が割れたりする恐れがある。さらに好ましくは、0.5〜7質量%である。
【0022】
また、上記硬化剤はポリイソシアネート化合物を含んでいる。このようなポリイソシアネート化合物としては、具体的には、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート等の芳香族のもの、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族のもの、イソホロンジイソシアネート等の脂環族のもの、その単量体およびそのビュレットタイプ、ヌレートタイプ、アダクトタイプ等の多量体を挙げることができる。硬化性の観点から、上記ポリイソシアネート化合物は多量体であることが好ましく、また、得られる塗膜の耐擦傷性の観点から、脂肪族ポリイソシアネート化合物が好ましい。
【0023】
さらに、上記主剤および硬化剤には、上記各成分の他、通常、塗料に含まれる顔料や添加剤等の種々の成分を含むことができる。上記主剤および硬化剤は、上記成分をボールミル、ディスパー等当業者によってよく知られている方法を用いて撹拌、混合することによって得ることができる。
【0024】
本発明の自動車部品用塗料組成物は、反応性が高いため、通常は主剤と硬化剤とを別々に保管し、上記主剤と上記硬化剤とを混合した後、使用することが好ましい。上記混合方法としては特に限定されず、ディスパー等当業者によってよく知られた方法を用いることができる。
上記主剤と硬化剤との混合比は特に限定されないが、通常、イソシアネート基/水酸基の当量比が0.5〜2.0となるようにすることが好ましい。上記当量比が上記範囲外である場合、硬化性が不充分になる恐れがある。
【0025】
本発明の塗膜形成方法は、自動車部品に対して、このように主剤と硬化剤とを混合して得られた上記自動車部品用塗料組成物を塗装して塗膜を得ることを特徴とするものである。上記自動車部品としては特に限定されず、例えば、ABS、PP、PC、PET等のプラスティック基材からなるバンパー、ドアミラー、エアロパーツ、モール、エンブレム等を挙げることができる。これらは、脱脂や洗浄等の前処理工程、プライマーやメタリック塗料等の塗布が行われているものであってもよい。
また、上記塗装方法としては特に限定されず、具体的には、スプレー塗装等を挙げることができる。
このように、本発明の塗膜形成方法によって、白濁のない、親水性の高い上塗り塗膜を形成することができ、ひいては、耐汚染性に優れた自動車部品を得ることができる。
【0026】
【実施例】
製造例1シリケートオリゴマーの製造
MKCシリケート56(三菱化学社製、平均値としてのn=10)672質量部にブチルセロソルブ226.8質量部を加え、90℃で1時間、さらに120℃で3時間、生成したメタノールを留去しながら加熱撹拌した。これを放冷して、シリケートオリゴマー822.6質量部を得た。このシリケートオリゴマーにおける、ブトキシエトキシ基によるメトキシ基の置換率は15.8%であった。
【0027】
製造例2 シリケート変性アクリル樹脂の製造
スチレン、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレートおよびメタクリル酸から得られた、数平均分子量10000、不揮発分60%、水酸基価69の水酸基含有アクリル樹脂1251.1質量部に、製造例1で得られたシリケートオリゴマー2016.5質量部と酢酸ブチル1459.9質量部とを加えて、120℃で3時間撹拌した。これを冷却し、4556.8質量部のシリケート変性アクリル樹脂を得た。
この樹脂の不揮発分は60%であった。
【0028】
実施例1
スチレン、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレートおよびメタクリル酸から得られた数平均分子量7000、不揮発分50%、固形分酸価7、水酸基価150のアクリルポリオール樹脂67.0質量部、製造例2で得られたシリケート変性アクリル樹脂16.8質量部、MKCシリケート51(三菱化学社製、平均値としてのn=5)1.7質量部、DBTL1%酢酸ブチル溶液0.8質量部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤0.8質量部、ヒンダードアミン系光安定剤0.4質量部、イソプロパノール2.8質量部、オルソ酢酸メチル2.8質量部、および、R271(日本ビーケミカル社製ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、固形分75質量%、NCO15.9%)25質量部を混合して、NCO/OH当量比が1.05/1である自動車部品用塗料組成物1を得た。これをさらにエチルエトキシプロピオナート/酢酸エチル=4/6(質量比)によって#4フォードカップ/20℃で14秒となるように希釈した。
【0029】
水洗したPP樹脂プレートに対してRB170(日本ビーケミカル社製プライマー)を、乾燥膜厚が10μmとなるようにスプレー塗装し、5分間放置した。この上にR−302−104メタリック(日本ビーケミカル社製メタリックベース塗料)を乾燥膜厚18μmとなるようにスプレー塗装した後、10分間放置した。さらにこの上に、希釈した塗料組成物1を、乾燥膜厚が35μmとなるようにスプレー塗装し、室温で1日放置して、試験板を作製した。
【0030】
実施例2
MKCシリケート51を4.0質量部としたこと以外は実施例1と同様にして自動車部品用塗料組成物2を得た。さらに、得られた塗料組成物2を用いたこと以外は実施例1と同様にして、試験板を得た。
【0031】
比較例1
塗料組成物1の代わりにR−249−103(シリケート変性アクリル樹脂およびメチルシリケート縮合物を含まない日本ビーケミカル社製ウレタン硬化型アクリル樹脂系クリアー塗料)としたこと以外は実施例1と同様にして、試験板を作製した。
【0032】
比較例2
実施例1のアクリルポリオール樹脂67.0質量部、MKCシリケート51を4.3質量部、DBTL1%酢酸ブチル溶液0.7質量部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤0.7質量部、ヒンダードアミン系光安定剤0.3質量部、イソプロパノール2.2質量部、オルソ酢酸メチル2.2質量部、および、R271を25質量部を混合して、NCO/OH当量比が1.05/1である自動車部品用塗料組成物3を得た。さらに、得られた塗料組成物3を用いたこと以外は実施例1と同様にして、試験板を得た。
【0033】
比較例3
MKCシリケート51を8.5質量部としたこと以外は実施例1と同様にして自動車部品用塗料組成物4を作製した。さらに、得られた塗料組成物4を用いたこと以外は実施例1と同様にして、試験板を得た。
【0034】
比較例4
MKCシリケート51を8.5質量部としたこと、および、R271に代えてH291(日本ビーケミカル社製イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート体、固形分75質量%、NCO10.6%)37.5質量部としたこと以外は実施例1と同様にして自動車部品用塗料組成物5を得た。さらに、得られた塗料組成物5を用いたこと以外は実施例1と同様にして、試験板を得た。
【0035】
評価試験
実施例1、2および比較例1〜4で得られた各試験板に対して、塗膜外観、耐擦傷性、ワレ、親水性および耐汚染性についての評価試験を行った。結果は表1に示した。
<塗膜外観>
得られた試験板の塗膜外観を目視にて評価した。評価基準は以下の通りとした。
○:白濁が見られない
×:白濁が見られる
【0036】
<耐擦傷性>
蒸留水とスミカゲルNP−1010(住友化学工業社製)とを質量比2000:3となるように混ぜ合わせて充分に撹拌した後、円錐平板型回転式粘度計による20℃での粘度が0.1Pa・s(50rpm)となるように調整した粘性液と、JIS Z 8901に規定する1種をJIS Z 8801に規定する標準ふるいにより#100ふるい下、かつ、#200ふるい上のダストとを、質量比で1:1となるように混合し、充分に撹拌し試験液を調製した。
次に、得られた試験板の20度鏡面光沢度(A)を測定した後、よくかき混ぜた試験液を0.2ml塗布した約20mm四方のネルによって、塗膜面を20回往復摩擦した。
さらに、水洗した後、水分をふき取り、摩擦された部分の20度鏡面光沢度(B)を測定し、(B)/(A)×100によって光沢保持率(%)を求めた。光沢保持率90%%以上を合格とした。
【0037】
<ワレ>
得られた試験板の1ヶ月後の塗膜表面のワレを顕微鏡にて観察した。
<親水性>
得られた試験板の1ヶ月後の塗膜表面の水接触角を測定した。40度以下を合格とした。
<耐汚染性>
得られた試験板を1ヶ月間暴露した後、塗膜表面の雨スジの状態を目視にて評価した。評価基準は以下の通りとした。
○:雨スジが見られない
×:雨スジが見られる
【0038】
【表1】
【0039】
表1から明らかなように、メチルシリケート縮合物を0.1〜10質量%含んでいる塗料を用いた本発明の自動車部品用塗料組成物(実施例1、2)によって得られる塗膜は白濁もなく、かつ、ワレの発生することもなく、また、低い水接触角を示しており、実際の耐汚染性試験においても優れた結果が得られた。
しかしながら、シリケート変性アクリル樹脂およびメチルシリケート縮合物を含まないものを用いたり(比較例1)、シリケート変性アクリル樹脂を含まず、メチルシリケート縮合物のみを含むもの(比較例2)およびシリケート変性アクリル樹脂およびメチルシリケート縮合物を含むが、メチルシリケート縮合物の添加量が上限以上のもの(比較例3、4)を用いた場合は、塗膜の耐汚染性や塗膜外観が不充分であったり、ワレが発生した。
【0040】
【発明の効果】
本発明の自動車部品用塗料組成物は、シリケート変性アクリル樹脂および特定範囲量のメチルシリケート縮合物を含んでいるので、耐汚染性に優れた塗膜を得ることができ、さらに塗膜に白濁やワレを生じない。このことについては以下のように考えられる。
すなわち、本発明の自動車部品用塗料組成物に含まれるシリケート変性アクリル樹脂は、シリケートがグラフトされた構造を有するアクリル樹脂であることから、塗料中において、シリケート部分の加水分解後の縮合が通常のシリケート化合物よりも進行しにくく、縮合によって引き起こされると考えられるクラックの発生を防止することができる。一方、アクリル樹脂部分が、アクリルポリオール樹脂等のその他の成分に対して相溶化剤として働くことによって、塗膜中に存在するシリケートのドメインサイズを小さくし、結果として、得られる塗膜の透明性を高めている。
【0041】
しかしながら、このようなシリケート変性アクリル樹脂だけでは、塗膜形成後の天候、特に塗膜と水との接触の有無、あるいは、接触時間の長短によって得られる耐汚染性の程度にバラツキが生じることがある。そのため、本発明の自動車部品用塗料組成物は比較的加水分解速度の速いメチルシリケート縮合物を特定範囲量だけ含んでいる。このようなメチルシリケート縮合物を含む場合、相溶性の低下が懸念されるが、上記シリケート変性アクリル樹脂のシリケート部分の存在により、メチルシリケート縮合物の系全体に対する相溶性が向上し、得られる塗膜に白濁が生じないと考えられる。
このようにすることで、白濁やワレを生じず、塗膜形成後の天候等に左右されずに、高い耐汚染性を有する塗膜を形成することができる。
さらに、ポリイソシアネート化合物を脂肪族ポリイソシアネート化合物とすることで、耐擦傷性が向上し、自動車部品に対して高い付加価値を与えることができる。
Claims (7)
- アクリルポリオール樹脂とシリケート変性アクリル樹脂とからなる樹脂組成物、および、前記樹脂組成物の固形分に対して0.1〜10質量%のメチルシリケート縮合物を含む主剤と、ポリイソシアネート化合物を含む硬化剤とからなることを特徴とする自動車部品用塗料組成物であって、
前記アクリルポリオール樹脂は、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、および2−ヒドキシエチル(メタ)アクリレートによってε−カプロラクトンを開環させた化合物からなる群から選択される1種または2種以上の水酸基含有モノマーと;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸から選択されるカルボン酸基含有モノマー、グリシジル(メタ)アクリレートから選択されるエポキシ基含有モノマー、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニルおよびα−メチルスチレンからなる群から選択される1種または2種以上のその他のモノマーと;を重合させて得られる樹脂であり、
前記シリケート変性アクリル樹脂は、水酸基価が20〜100、数平均分子量が7000〜15000のアクリル樹脂に、下記式(I)
(式中、Rは同一でも異なっていてもよい、炭素数1〜6のアルコキシ基、または、炭素数1〜4のアルコキシ基で置換された炭素数2〜4のアルコキシ基であって、但し、Rの少なくとも1つが、炭素数1〜4のアルコキシ基で置換された炭素数2〜4のアルコキシ基であることを条件とする。また、nは1〜20である。)で示されるシリケートオリゴマーを有機溶媒中で反応させて得られるものであり、および
前記アクリルポリオール樹脂と前記シリケート変性アクリル樹脂との固形分質量比は、60:40〜90:10である、
自動車部品用塗料組成物。 - 前記メチルシリケート縮合物の縮合度は、5〜10である請求項1に記載の自動車部品用塗料組成物。
- 前記シリケート変性アクリル樹脂における、炭素数1〜4のアルコキシ基で置換された炭素数2〜4のアルコキシ基は、ブチルセロソルブ、イソプロピルセロソルブ、あるいは2−または3−メトキシプロパノールから水酸基の水素原子を除いた構造を有する基である、請求項1または2に記載の自動車部品用塗料組成物。
- 前記アクリルポリオール樹脂は、水酸基価が30〜300であり、数平均分子量が500〜20000である、請求項1〜3のうちのいずれか1つに記載の自動車部品用塗料組成物。
- 前記ポリイソシアネート化合物は、脂肪族ポリイソシアネート化合物である請求項1〜4のうちのいずれか1つに記載の自動車部品用塗料組成物。
- 自動車部品に対して請求項1〜5のうちのいずれか1つに記載の自動車部品用塗料組成物を塗装して塗膜を形成することを特徴とする塗膜形成方法。
- 請求項6に記載の塗膜形成方法によって得られる塗膜を備えることを特徴とする自動車部品。
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Cited By (1)
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