JP4764346B2 - 流れ領域形状に基づく可変の触媒量 - Google Patents

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Description

本発明は燃料電池に関し、更に詳細には燃料電池用膜電極アッセンブリに関する。
電気自動車及び他の用途用の電源として燃料電池が益々研究されている。一つのこのような燃料電池は、PEM(即ち陽子交換膜)燃料電池であり、これは、いわゆる「膜電極アッセンブリ」(MEA)を含む。MEAは、両面に一対の電極(即ちアノード及びカソード)を備えた薄い中実のポリマー膜電解質を含む。MEAは、一対の導電性流体分配エレメント(即ちバイポーラプレート)間に挟まれている。これらのバイポーラプレートは、電極用の電流コレクタとして役立ち、MEAと接触したプレートの表面に形成されたランド及び溝のアレイであるいわゆる「流れ領域」を備えている。ランドは電流を電極から伝達するのに対し、ランド間の溝は燃料電池の気体状反応体を電極の表面に亘って均等に分配するのに役立つ。代表的には多孔質グラファイト/カーボンぺーパーであるガス拡散媒体が、MEAを流れ領域の溝と向き合う場所で支持し、電流をそこから隣接したランドまで導くため、導電性流体分配エレメントとMEAの電極面との間に位置決めされている。
MEAの電極は、全体として、電気化学的活性領域即ち電気化学的活性材料で形成された領域を含む。これに関し、各電極の電気化学的活性領域は、ポリマーバインダーに埋め込まれた触媒でコーティングした粒子を含む。しかしながら、この電気化学的活性領域は、活性が高過ぎる粒子又は燃料電池の作動中に所望の活性を失う粒子等の様々な粒子を含んでいてもよい。活性の有無により、ピンホール、触媒層の亀裂、剥離、又は電極の全体としての劣化等により電極が壊れてしまう場合がある。このように、電気化学的活性を制御でき、これにより上述の欠点をなくすのを補助する電極を含むMEAを提供するのが望ましい。
本発明は、イオン伝導性部材が一対の電極間に挟まれた膜電極アッセンブリを含む燃料電池に関する。電極の少なくとも一方が、触媒活性が触媒量と比例して変化することを特徴とする触媒量を含む。更に、本発明は、気体状反応体を電極に供給するための流路及びこの流路に沿って変化する触媒量を含む。
更に、本発明は、流れ領域を持つ導電性流体分配エレメントを提供する工程、及びイオン伝導性部材及び電極を含む膜電極アッセンブリを提供する工程を含む、燃料電池の電流密度を制御する方法に関する。電極の触媒量は、前記流れ領域に含まれるチャンネルの形状に従って変化する。
本発明のこの他の適用分野は、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。詳細な説明及び特定の例は、本発明の好ましい実施例を示すけれども、単なる例示を目的としたものであって、本発明の範囲を限定しようとするものではない。
本発明は、詳細な説明及び添付図面から更によく理解されるであろう。
好ましい実施例の以下の説明は単なる例であって、本発明、その用途又は使用をいかなる意味でも限定しようとするものではない。
図1は、下文においてバイポーラプレート8と呼ぶ導電性流体分配エレメント8によって互いから間隔が隔てられた一対の膜電極アッセンブリ(MEA)4、6を含む2セルバイポーラ燃料電池スタック2を示す。MEA4及び6及びバイポーラプレート8は、ステンレス鋼製のクランププレート即ち端プレート10及び12間又は端部接触エレメント14と16との間に積み重ねられる。端部接触エレメント14及び16並びにバイポーラプレート8の両作用面には、燃料及び酸化体ガス(即ちH2及びO2)をMEA4及び6に分配するため、複数の溝即ちチャンネル18、20、22、及び24が夫々設けられている。不導体ガスケット26、28、30、及び32が燃料電池スタックの幾つかの構成要素間にシール及び電気絶縁を提供する。ガス透過性導電体は、代表的には、カーボン/グラファイト拡散ぺーパー34、36、38、及び40であり、これらはMEA4及び6の電極面に押し付けられる。端部接触エレメント14及び16は、カーボン/グラファイト拡散ぺーパー34及び40に夫々押し付けられ、バイポーラプレート8はMEA4のアノード面のカーボン/グラファイト拡散ぺーパー36及びMEA6のカソード面のカーボン/グラファイト拡散ぺーパー38に押し付けられる。酸素は、燃料電池スタックのカソード側に貯蔵タンク46から適当な供給配管42を介して供給され、水素は、燃料電池のアノード側に貯蔵タンク48から適当な供給配管44を介して供給される。別の態様では、周囲空気をカソード側に酸素源として供給してもよく、水素をアノードにメタノール又はガソリン改質器等から供給してもよい。MEA4及び6の水素側及び酸素側の両方についての排気配管(図示せず)もまた設けられている。液体クーラントをバイポーラプレート8及び端プレート14及び16に供給するため、追加の配管50、52、及び54が設けられている。クーラントをバイポーラプレート8及び端プレート14及び16から排出するための適当な配管もまた設けられているがこれらは図示していない。
各膜電極アッセンブリ(MEA)4及び6は、アノード電極52とカソード電極54との間に挟まれたイオン伝導性部材を含む(図2参照)。イオン伝導性部材50は、好ましくは固体ポリマー電解質膜である。このような膜電解質に適したポリマーは当該技術分野で周知であり、米国特許第5,272,017号及び米国特許第3,134,697号等の特許文献又は非特許文献に記載されている。しかしながら、イオン伝導性部材50の組成は、当該技術分野で従来使用された任意の陽子伝導性ポリマーを含んでいてもよいということに着目すべきである。好ましくは、ナフィオン(ナフィオン(NAFION)は登録商標である)等のペルフルオリネーテッドスルホン酸ポリマーを使用する。更に、ポリマーは膜の一つの成分であってもよいし、別の材料の小孔で支持されていてもよい。アノード電極52及びカソード電極54は、好ましくは、ポリマーバインダーに埋め込んだ、触媒でコーティングしたカーボン又はグラファイト粒子を含んでいてもよく、これは、ポリマー膜と同様に、ナフィオン等の陽子伝導性材料である。
図3は、本発明と関連して使用できる例示のバイポーラプレート56の分解図である。バイポーラプレート56は、第1外金属シート58、第2外金属シート60、及び第1金属シート58と第2金属シート60との間にこれらのシートと隣接して配置された金属製内部スペーサシート62を含む。外金属シート58及び60はできるだけ薄く作られており、型押し又はシート金属を成形するための任意の他の従来のプロセスによって形成されていてもよい。外シート58は、膜電極アッセンブリ(図示せず)と向き合う第1作用面59をその外側に有し、この第1作用面は流れ領域57を提供するように形成される。流れ領域57は複数のランド64によって画成されており、これらのランドは、燃料電池の反応体ガス(即ちH2又はO2)がバイポーラプレートの一方の側部68からその他方の側部70まで曲がりくねった即ち蛇行した経路を流れる「流れ領域」を形成する複数の溝66をその間に画成する。燃料電池を完全に組み立てたとき、ランド64は多孔質材料即ちカーボン/グラファイトぺーパー36又は38に押し付けられ、これらのぺーパーはMEA4及び6に押し付けられる。簡略化を図るため、図3にはランド64及び溝66が2列だけ示してある。実際には、ランド64及び溝66は、カーボン/グラファイトぺーパー36及び38と係合する金属シート58及び60の外面全体に亘って設けられている。反応体ガスは、燃料電池の一方の側部68に沿って設けられた入口マニホールド72から溝66に供給され、燃料電池の反対側の側部70と隣接して設けられた別のマニホールド74のアレイを介して溝66を出る。図4に最もよく示すように、シート58の下側には複数の押縁76が設けられており、これらの押縁は、その間に複数のチャンネル78を画成し、燃料電池の作動中、これらのチャンネルをクーラントが通過する。クーラントチャンネル78は各ランド84の下にあり、反応体ガス溝86は各押縁76の下にある。別の態様では、シート58が平らで、波形シート材料で流れ領域を形成してもよい。
金属シート60はシート58と同様である。シート60の内面61を図3に示す。これに関し、複数の押縁80が示してあり、これらの押縁間に複数のチャンネル82が形成され、これらのチャンネルを通ってクーラントがバイポーラプレートの一方の側部69から他方の側部71まで流れる。シート58と同様に、及び図4に最もよく示すように、シート60の外側には作用面63がある。シート60は流れ領域65を提供するように形成されている。流れ領域65は、複数のランド84によって画成されている。これらのランドは、反応体ガスが通過する流れ領域65を形成する複数の溝86を画成する。金属製内部スペーサシート62が外シート58及び60間にこれらのシートと隣接して配置されている。スペーサシートには複数の穴88が設けられており、これらの穴によりシート60のチャンネル82とシート58のチャンネル78との間でクーラントを流すことができ、これによって層状境界層を壊し、外シート58及び60の夫々の内側面90及び92との熱交換を高める。かくして、チャンネル78及び82は、シート58及び60によって画成された内部容積のところにクーラント流れ領域を夫々形成する。
上文中に説明したバイポーラプレートを使用した燃料電池が発生する電流密度を最適にし且つ制御するため、図5に示す例示の電極を本発明の第1実施例に従って使用してもよい。アノード電極又はカソード電極のいずれかとして使用してもよい電極94は、電気化学的に活性の周囲領域96及び電気化学的に活性の中央領域98を含む。これらの電気化学的に活性の領域の組成は、当該技術分野で従来使用された任意の電気化学的に活性の材料であってもよい。これに関し、上文中に説明したように、電気化学的に活性の領域は、好ましくは、ナフィオン等の陽子伝導性材料であってもよいポリマーバインダーに埋め込んだ触媒でコーティングしたカーボン又はグラファイトの粒子を含む。電気化学的に活性の領域は、好ましくは、触媒としてプラチナを含むが、パラジウム、パラジウム−ルテニウム、及び/又はプラチナ/遷移金属合金を使用してもよい。
好ましくは、周囲触媒領域96の触媒量は、中央触媒領域98の触媒量よりも少ない。例えば、周囲触媒領域96の触媒量は0.2mg/cm2 であり、中央触媒領域98の触媒量は0.6mg/cm2 である。更に、周囲領域96及び中央領域98の両領域は同じ表面積であるのが好ましいが、実施例はこれに限定されるべきではない。例えば、周囲領域及び中央領域の両領域は全部で250cm2 の活性領域を含む。このような形体を使用する場合、周囲領域96の電気化学的活性は、中央領域98の電気化学的活性よりも小さいが、全体としての触媒量は0.4mg/cm2 である。このように、周囲領域96の電気化学的活性を制御することにより、電極94のピンホール、触媒層の割れ、剥離、及び全体としての劣化が発生しないようにする。
更に詳細には、反応体ガスをバイポーラプレートの入口マニホールド72から溝66に供給したとき、周囲触媒領域96に加えられる反応体ガスの量が多い。即ち、周囲領域96は入口72と隣接しており、及び従って、高圧領域と隣接しており、これにより更に連続した反応体ガス流が周囲触媒領域96の電極94の触媒に提供される。このようにして、この領域での反応速度が高くなる。更に、燃料電池の全体としての反応により、熱及び水が発生する。この領域での反応速度が高いため、熱及び水の発生がこの領域で更に進み、これにより、溢れや上文中に列挙した望ましからぬ欠点が生じる。バイポーラプレート56の入口マニホールド72と隣接した電極94の周囲領域96の触媒量を減少することによって、この領域の反応速度を所望のレベルで制御できる。
周囲領域96とは対照的に、中央触媒領域98の触媒量は多い。電極94のこの領域に置かれた触媒に加えられる反応体ガスの量が、入口72から離れているために少ないため、このような形体が望ましい。かくして、中央領域98は低圧領域である。このように、低い電流密度が得られる。更に詳細には、入口マニホールド72によって供給された反応体ガスがバイポーラプレート56の溝66を通って移動するとき、ガスは曲がりくねった流路を通り、これによって、電極94の中央電気化学的活性領域に到達するガスの圧力及び連続性が低下する。このように、これらの領域では電気化学的活性が低下する。この領域での触媒量を増大することにより、これらの領域の電気化学的反応速度を、均等な電流密度を発生するように高めることができ且つ制御でき、燃料電池の全体としての寿命まで更に伝導性である。
図5に示す電極94に加え、多数の電極形体を本発明に従って使用してもよい。更に詳細には、各電極形体、即ち電極の表面に沿った電気化学的活性領域の形体は、バイポーラプレートを製造する材料、バイポーラプレートがクーラントによって内部冷却されるかどうか、及びバイポーラプレートの流れ領域の形状を含む多くの様々な要因に従って定められていてもよい。
使用できる他のバイポーラプレートの例を図6、図7、及び図8に全体に示す。図6では、エレメント100は、フォーム流れ領域106を持つ薄い基材シート102で形成されている。このバイポーラプレートは、好ましくは中実のチタニウム金属シートから形成された薄いバリアシート102を含み、このシートの両側には、フォーム106(厚さが約0.5mm乃至3mm)が溶接又は鑞付けによって取り付けられている。シート102はガスバリアを形成し、フォーム106は流れ領域を形成する。わかるように、フォーム106は、両主面110及び111を有する。フォーム106は、金属シート102に面する一つの主面110及びこの主面110とは反対側の主面111を有する。代表的には、主面111はMEAに面する。これらのフォームは、金属フォームとして又はカーボンを基材としたフォームとして形成できる。中実のフォームとして形成できる金属には、銅、アルミニウム、ニッケル、チタニウム、銀、及びステンレス鋼が含まれ、好ましい金属はニッケル及びステンレス鋼である。オハイオ州シンシナチのアストロメット社から様々なフォーム金属を入手できる。これらの金属フォームを形成するための方法は、米国特許第4,973,358号に記載されている。カーボンを基材としたフォームは、ウルトラメット社から入手できる。
ここで説明したフォーム106は連続気泡フォームであるということは理解されるべきである。このことは、フォーム106の厚さに亘って互いに対して開放した隣接した開口部即ち小孔によって形成された連続した流路即ちチャンネル108がフォーム106に亘って存在するということを意味する。フォーム106は連続した通路108を持つ連続気泡フォームであるけれども、フォーム106を通る気体状反応体の流れはランダムであり且つ曲がりくねっており、圧力の変化により電極94の表面に亘って電極94に様々な量の気体状反応体が加えられる。しかしながら、フォーム106に含まれる流路108がランダムであるにも拘わらず、気体状反応体の流れは電極94の縁部に沿って比較的大きい。これは、電極94の縁部に沿って入口マニホールド72が配置されているためである。このように、図5に示す第1実施例の電極94は、電極表面に亘る電流分布を制御できる。
更に別のバイポーラプレートを図7に示す。図7は、ポリマー材料113を含むバイポーラプレート112を示す。ポリマー材料113は、平面を通して配向された、使用できるエレメントを通る伝導性経路を提供する伝導性ファイバ充填物114を含有する。ポリマー材料113は、好ましくは、適当な熱硬化性ポリマーであり、更に好ましくは、シリコーン、ポリイソブチレン、エポキシ、ビニルエステル、及びフェノール樹脂からなる群から選択される。別の態様では、ポリマー材料113は、好ましくは、ポリプロピレン、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ナイロン、及びゴムで改質したポリプロピレンからなる材料群から選択される。現在、伝導性ファイバ充填物114を含有する、以上の熱硬化性ポリマー及び熱可塑性ポリマーが好ましいけれども、一つの用途の特定の設計上の仕様が与えられた場合には、他の同様の材料もまた適しているということは当業者には容易に理解されよう。例えば、伝導性ファイバ充填物を含有しないポリアセチレン等の任意の伝導性ポリマーを使用してもよく、これは本発明の範囲に含まれる。更に、導電性を更に高める金又は任意の他の導電体コーティング等の伝導性コーティング116が図7に示してあるが、本発明によれば、コーティング116は不要である。
図7に示してないが、複合バイポーラプレート112は、複合プレート112の表面に沿って前後に曲がりくねった蛇行パターンの溝118が設けられている点で、図3に示すバイポーラプレート56と同じである。このように、入口マニホールド(図示せず)が、更に、図5に示す電極を使用することを必要とするバイポーラプレート112の縁部に沿って配置されている。しかしながら、バイポーラプレート112が複合材料で形成されているため、熱は燃料電池に亘って様々に放散する。このように、電極94の周囲領域96及び中央領域98の両方の触媒量をこれに従って変化してもよい。即ち、第1実施例の電極形体により、電流密度を電極の表面に亘って制御してもよいが、電池の全体としての反応により熱が副生物として発生する。複合材料の熱膨張率が、例えば鋼やアルミニウム製のバイポーラプレートと異なるため、触媒量を減らしてもよい。これは、複合プレートの熱吸収量が従来の金属プレートよりも少ないためである。このように、電極の寿命を犠牲にすることなく、高い電流密度を得ることができる。
次に、図8を参照すると、使用してもよい更に別のバイポーラプレートは、複数の導電性ファイバ122がポリマー本体部分124内に配置されたポリマーバイポーラプレート120である。各ファイバ122は、ポリマー本体部分124の第1表面126からポリマー本体部分124の第2表面128まで平面を通過する形体で連続的に延びる。好ましくは、主本体部分124は、カーボンを充填したエポキシ等の導電性ポリマーでトラフ状に形成されている。しかしながら、主本体部分124は、このような所望の性質を持つ他の適当な材料で形成されていてもよい。例えば、主本体部分124は、シリコーン、ポリイソブチレン、ポリビニルエステル、ポリエステル、フェノール樹脂、ポリプロピレン、ETFE、ナイロン、ゴムで改質したポリプロピレンで形成されていてもよい。熱伝導率は、ポリマー材料にカーボン、グラファイト、又は他の導電性粒子を入れることによって高めることができる。
バイポーラプレート120の主本体部分124内に配置されたチューブ状部材130は、セパレータープレートの熱エネルギを制御するためにセパレータープレートを通る冷却流体を通す二次流れ領域をこのチューブ状部材を通して画成するように作用できる。チューブ状部材130は、燃料電池スタックから熱エネルギを除去するか或いは燃料電池スタックに熱エネルギを加えるため、配管70に冷却流体を通すようになっている。チューブ状部材130を配管70に流動学的に連結するクーラントヘッダ(図示せず)は、ファイバ122とチューブ状部材130との間のシャント電流をなくすため、チューブ状部材130と配管70との間に電気的絶縁を提供しなければならない。
チューブ状部材130は、カーボンを充填したポリマーで形成されているが、これに限定されるべきではない。更に詳細には、チューブ状部材130は、導電性であり且つ燃料電池スタックで一般的に使用されている気体状反応体又はクーラントに露呈しても腐蝕しない様々な材料のうちの任意の材料で形成されていてもよい。幾つかの他の適当な材料には、チタニウム、カーボン、又はステンレス鋼が含まれる。
上述のバイポーラプレートと同様に、図8のバイポーラプレート120の溝132は、好ましくは、前後に曲がりくねった蛇行パターンをなしており、入口マニホールド(図示せず)がバイポーラプレート120の縁部に沿って配置されている。しかしながら、図8のバイポーラプレート120では、冷却するため、又は熱エネルギを提供するためのいずれかでクーラントをチューブ状部材130を通してプレート120に提供する。このように、クーラントの流れに従って様々な温度領域が電極の領域に加わる。更に詳細には、クーラントがチューブ状部材130を通過するとき、対応する溝の温度がエネルギ失うこと又は獲得することによって変化する。従って、この溝と隣接した電極の領域にも温度変化が加わり、これにより燃料電池の性能が悪影響を受ける。従って、これらの温度が異なる領域に従って触媒量を変化し、これらの変化を調節してもよい。最後に、図8に示してあるが、導電性を更に高める金でできた導電性コーティング134又は任意の他の導電性コーティングは、本発明によれば不要である。
上文中に説明したバイポーラプレートは、単なる例であって、本発明を限定しようとするものではないということに着目すべきである。更に詳細には、本発明は、燃料電池の製造前に各バイポーラプレートを試験することによって、活性を高める領域と活性を下げる領域を決定することによって、当該技術分野で周知の又は考えられている任意のバイポーラプレートで使用できる。更に詳細には、電極の電気化学的活性領域の形体は、バイポーラプレートの選択と関連して決定してもよい。これは、上文中に説明した例示のバイポーラプレートの各々において、多くの変数が、電極の表面に沿った電気化学的に活性の領域の理想的形体に悪影響を及ぼすためである。例えば、図3のバイポーラプレート56は、好ましくは、ステンレス鋼、アルミニウム、チタニウム、等の金属で形成されている。これとは対照的に、図7及び図8のバイポーラプレートは、好ましくはポリマー材料で形成されている。上文中に説明したように、これらのバイポーラプレートの各々は、燃料電池の反応中に発生する熱の放散及び電流の伝導を異なる方法で行う。従って、電極の表面に亘り、及び本発明に従って、触媒量を調節し、燃料電池の反応速度及び電流の発生を制御する。更に、流れ領域の形体に応じて触媒量を更に調節する。
図3を再度参照すると、溝66及びチャンネル80がプレート56の表面に亘って前後に曲がりくねっていることがわかる。このような蛇行した経路では、気体状反応体は、溝66の各々に亘って曲がりくねって流れ、及び従って、電極の電気化学的活性領域には電極領域によって異なる量の反応体が加わる。十分な量の反応体が加わらない電極の領域での電流密度を増大するため、又は過剰の反応体が加わり、熱や水を発生し過ぎる領域での電流密度を小さくするため、電極の各領域での電流密度に応じて触媒量を多くするか或いは減少することのいずれかによって触媒量を調節してもよい。このように、図3に示すバイポーラプレートを一例として使用することによって、縞模様形状のパターンをなした電気化学的活性領域を使用する電極を使用してもよい。この場合、交互の電気化学的活性領域は、触媒量が可変である。このような電極135を図9に示す。図9に示すように、触媒量を増大した又は減少した電気化学的活性領域136は、バイポーラプレート139の溝140と整合しており、即ち対応している。このように、燃料電池の全体としての反応の実質的量に寄与しないバイポーラプレート139のランドと接触した縞模様形状領域138で高価な触媒を無駄にしない。更に、図2のバイポーラプレート56を一例として使用する場合、溝66は蛇行経路をなして方向を変える。これらの方向を変える場所で気体状の流れが制限され、及び従って、触媒量をこれらの領域で増大してもよい。更に、マニホールド72からの距離に応じて、溝60に加わる気体状反応体の量が変化する。これは、マニホールド72からの距離が大きくなると圧力が低下するためである。このように、これらの領域は、電流密度を所望レベルまで増大するために触媒の量を増大する必要がある。この現象を図10にグラフで示す。このグラフから、入口マニホールドからの距離(溝の数)の増大に従って電流密度が減少するということがわかる。
上述の実施例を縞模様形状電気化学的活性領域136に関して説明したが、本発明は、これに限定されないということに着目されたい。更に詳細には、電気化学的活性領域136は、電極135の表面に亘って電流密度の局所的制御を提供するドット形状又は任意の他の形状であってもよい。
更に、上述の実施例の各々は、各流路がバイポーラプレートの表面に亘って前後に曲がりくねった蛇行した流れ領域に関して説明した。しかしながら、本発明は、蛇行した流れ領域に限定されない。更に詳細には、本発明は、当該技術分野で周知の任意の流れ領域に従って触媒量を変化してもよいと考えられる。例えば、本発明は、流路が、バイポーラプレートの一方の縁部に配置された入口からバイポーラプレートの他方の縁部に配置された出口まで横切るだけの一つの通路を含む、流れ領域と関連して使用してもよい。このようにして、流れ領域を簡単にしてもよい。流れ領域設計のこの他の例は、米国特許第6,503,653号、米国特許第6,358,642号、米国特許第6,309,773号、及び米国特許第6,099,984号に記載されている。
触媒量をバイポーラプレート材料及び流れ領域形状に基づいて変化できる必要がある電極の局所的領域を決定するため、バイポーラプレートのアノード流れ領域プレート及びカソード流れ領域プレートは、これらのアノード流れ領域プレートとカソード流れ領域プレートとの間の抵抗器アレイで互いに電気的に離間されている。この方法は、アレイの任意の抵抗器を通って移動する電流と、前記抵抗器の直ぐ隣にある膜電極アッセンブリ(MEA)の電流が離れる領域との間の関係で決まる。この場合、燃料電池全体を離れる電流の分布は、燃料電池の全断面領域に亘る抵抗器のアレイで決定できる。各抵抗器の抵抗値が周知である場合には、特定の抵抗器を通過する電流は、このような抵抗器の前後の電圧降下を計測することによって決定される。このようにして、MEAが発生した電流を、アレイの各抵抗器の前後の圧力降下を計測することによって位置の関数として決定する。換言すると、MEAに亘る位置の関数として電流を監視する。
燃料電池の温度分布を監視するのに同様のアプローチを使用する。一つの変形例では、アレイは、MEAの様々な領域と関連した温度検出抵抗器即ちサーミスタを含む。別の変形例では、アッセンブリはサーミスタのアレイ及び電流検出抵抗器のアレイの夫々を有する。この方法は、サーミスタと直接的に隣接したMEAの領域の温度を表す、サーミスタによって検出された温度の間の関係で決まる。次いで、燃料電池全体に亘る温度分布は、電池の全断面積を横切るサーミスタのアレイによって決定できる。各サーミスタの温度係数が周知の値である場合には、各サーミスタの温度は、各サーミスタに亘る電圧降下を計測することによって決定される。このようにして、MEAの温度は、アレイの各サーミスタの前後の電圧降下を計測することによって、位置の関数として決定される。換言すると、MEAに亘る位置の関数として温度を監視する。
電極の電流分布を計測する一つの例を図11のA及びBに示す。図11のAでは、比較電極を使用した。即ち、電極の表面に亘って触媒が均等に使用された比較電極を使用する。電極をほぼ150個乃至200個の領域に分割し、気体状反応体を電極の表面に亘って分配するのに使用されるバイポーラプレートの入口を各図の頂部及び底部の夫々に配置する。触媒が0.4mg/cm2 で均等に設けられた比較電極を試験すると、電気化学的活性及び電流密度が高い領域であるホットスポットがバイポーラプレートの入口及び上縁部及び下縁部の周囲に形成される。このように、これらのホットスポットは、ピンホールの発生、触媒層の亀裂、及び剥離といった劣化を燃料電池の寿命に亘って増大し易い。
次に図11のBを参照すると、図5に示したのと同様の電極を使用した。即ち、電極の周囲領域の触媒量を減少し且つ中央領域の触媒量を増大した電極を使用した。図11のBに示すように、ガス入口及び上下の縁部がある領域のホットスポットは、電極形体によって電流密度を制御できるため、劇的に減少した。このように、周囲領域の触媒量を減少した電極は、燃料電池の寿命に亘る劣化が起こり難く、電流密度を電極の表面に亘ってより均等にする。
次に、本発明の電極を形成する方法を説明する。しかしながら、以下の形成方法は単なる例示であって、当業者に周知の任意の方法を使用してもよいということは理解されるべきである。好ましくは、使用される方法には、転写法、ドローバー法、ロボット式インク分配法、リソグラフ法、又は直接書き込み法即ちマイクロペン社の技術が含まれる。
転写法は、触媒を備えたカーボン粒子を使用する。カーボン粒子は、その形成後、流延用溶媒で溶液にしたイオノマーバインダーと組み合わせる。しかし、ジメチルアセチル酸(DMAc)又はトリフルオロアセチル酸(TFA)等の溶媒を使用してもよい。
テフロンコーティングしたグラファイトシートに流延用溶液を適用する。次いで、テフロンコーティングしたシートをオーブン内で焼付けした後、高温圧縮し、PEM等のイオン伝導性部材50を形成する。次いで、テフロンコーティングしたシートをイオン伝導性部材50から引き剥がす。触媒でコーティングされたカーボン又はグラファイトは連続した電極52又は54として埋め込まれたままであり、MEA4又は6(図2参照)を完全に形成する。
中央領域98及び周囲領域96を持つ電極94を形成するため、二つの流延溶液を使用してもよい。更に詳細には、第1流延溶液をテフロンコーティングしたグラファイトシートに適用し、電極94の中央領域98を形成する。第1流延溶液は、触媒を備えた粒子を所定の含有量で含有する。次いで、第2流延溶液をテフロンコーティングしたグラファイトシートに適用し、電極94の周囲領域96を形成する。第2流延溶液もまた、触媒を備えた粒子を所定の含有量で含有する。本発明によれば、第2流延溶液の触媒を備えた粒子の含有量は、第1流延溶液よりも少ない。次いで、テフロンコーティングしたシートをオーブン内で焼付けした後、高温圧縮し、PEM等のイオン伝導性部材50を形成する。次いで、テフロンコーティングしたブランクをイオン伝導性部材50及び埋め込まれたままの中央領域98及び周囲領域96から引き剥がし、MEA4又は6(図2参照)を完全に形成する。
第2流延溶液は、好ましくは、第1流延溶液が完全に乾燥し又は固化しないように第1流延溶液の適用後直ちに適用される。流延溶液をこのように適用することにより、イオン伝導性部材50上に滑らかで連続した電極が形成され、その結果、電極94には不連続なところがない。更に、流延溶液をこのように適用することにより、電極6又は8の中央領域98と周囲領域96との間に勾配を形成できる。上述の方法の変形例において、第1及び第2の流延溶液を本質的に同時に適用するのが好ましい。
ドローバー法に関し、上文中に説明したのと同様の方法で流延溶液を適用するが、触媒量を変化するため、ドローバーを使用し、幾つかの領域の触媒含有量が他の領域よりも多くなるように異なる領域での電極の厚さを変化させる。更に詳細には、図5に示す電極によれば、中央領域98の厚さが周囲領域96よりも厚く、及び従って、中央領域98の触媒量が多い。
縞模様形状電気化学的活性領域136を持つ図9に示す電極を形成するためには、好ましくは、直接書き込み法が使用されるが、上文中に説明した転写法及びドローバー法を使用してもよい。直接書き込み法は、ドラムヘラーに付与された米国特許第4,485,387号に記載されており、一例が図12に示してある。直接書き込み技術が可能な装置の製造者は、ニューヨーク州ホネオイエフォールのオームクラフト社の子会社であるマイクロペン社である。
直接書き込み技術は、広範囲の粘度の流体を様々な幅及び厚さで適用するのに細いノズルチップ146を備えた装置144を使用する。例えば、このような技術により、幅が約0.025mm乃至2.0mm(約0.001インチ乃至0.080インチ即ち1ミル乃至80ミル)の範囲であり且つ厚さが最大約0.25mm(約0.010インチ即ち10ミル)の線が得られる。好ましくは、電気化学的活性領域の幅は、バイポーラプレートの対応するチャンネルの幅の少なくとも半分乃至最大約1.25倍である。一般的には、チャンネルの幅は、好ましくは、約0.25mm乃至3.0mm(約0.10インチ乃至0.120インチ即ち10ミル乃至120ミル)の範囲内にあり、更に好ましくは約0.50mm乃至1.5mm(約0.20インチ乃至0.06インチ即ち20ミル乃至60ミル)の範囲内にある。このように、電気化学的活性材料60の幅は、好ましくは、約0.10mm乃至4.0mm(約0.005インチ乃至0.150インチ即ち5ミル乃至150ミル)の範囲内にあり、更に好ましくは約0.25mm乃至2.0mm(約0.01インチ乃至0.075インチ即ち10ミル乃至75ミル)の範囲内にある。
直接書き込み技術は、電気化学的活性材料の流延溶液をテフロンコーティングしたシートに所望の幅及び厚さで、電気化学的活性領域136に所望のパターンで適用するのに使用される。溶液をテフロンコーティングしたシートに所望のパターンで置いた後、ブランクをオーブンで乾燥する。次いで、テフロンコーティングしたシートをイオン伝導性部材50の両面で高温圧縮した後に取り除き、イオン伝導性部材50に置いた電気化学的活性材料をアノード及びカソードの電気化学的活性領域136として好ましい縞模様形状領域又はドット形状領域のパターンで残し、MEA4又は6を形成する。
本発明の説明は単なる例示であり、及びかくして本発明の要旨から外れない変更を本発明の範囲内に含もうとするものである。このような変更は、本発明の精神及び範囲を逸脱するものであるとはみなされない。
PEM燃料電池スタック(二つのセルだけが示してある)の概略分解図である。 膜電極アッセンブリの断面図である。 PEM燃料電池スタックで有用な例示の導電性流体分配エレメント、即ちクーラントを使用するバイポーラプレートの分解図である。 図3の4−4線の方向で見た斜視図である。 本発明による触媒量が可変の電極を使用するMEAの分解図である。 フォーム金属流れ領域が両側に取り付けられた薄い基材を特徴とするバイポーラプレートの部分断面図である。 導電性粒子をバインダー母材に分散し、導電性材料でコーティングした複合材料から形成されたバイポーラプレートの部分断面図である。 貫通クーラントチャンネルが設けられたバイポーラプレートの部分断面図である。 本発明の第2実施例による燃料電池の拡大分解図である。 入口マニホールドからの距離に関する電流密度の関係を示すグラフである。 A及びBは、比較電極及び本発明による電極を示す電流分配強さチャートである。 本発明による電極の形成に使用される直接書き込み技術の一例を示す図である。
符号の説明
2 燃料電池スタック
4、6 膜電極アッセンブリ(MEA)
8 バイポーラプレート
10、12 クランププレート
14、16 端部接触エレメント
18、20、22、24 チャンネル
26、28、30、32 不導体ガスケット
34、36、38、40 カーボン/グラファイト拡散ぺーパー
42、44 供給配管
46 酸素貯蔵タンク
48 水素貯蔵タンク
50 イオン伝導性部材
52 アノード電極
54 カソード電極
56 バイポーラプレート
57 流れ領域
58 第1外金属シート
59 第1作用面
60 第2外金属シート
62 スペーサシート
64 ランド
66 溝
68 一方の側部
70 他方の側部
72、74 マニホールド

Claims (1)

  1. イオン伝導性部材と、触媒を含む活性領域を有する電極とを含む膜電極アッセンブリ;及び
    前記電極の前記活性領域に面する複数の流路を有する流れ領域を含む流体分配エレメント;
    を含む燃料電池であって、該流路は曲がった領域を含み、該曲がった領域に面する該活性領域における触媒量は、隣接する流路領域に面する該活性領域における触媒量に対して増加している、前記燃料電池。
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