JP4787633B2 - 粉末状の食品素材とその処理方法 - Google Patents
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そこで、本発明の目的は、簡単な方法で、溶解性、テクスチャー、味、その他の機能が改変されていて、広く利用できる粉末状の食品素材の処理方法と、その処理法によって得られた粉末状の食品素材を提供することである。
請求項2に係る本発明は、粉末状の食品素材に、水、糖質、糖アルコール、アルコール、アルカリ、有機酸及び油脂よりなる群から選ばれた少なくとも1種の液を噴霧しながら、粉末状の食品素材を過熱蒸気で処理することを特徴とする、請求項1に記載の方法を提供するものである。
具体的には、例えば澱粉から着色のほとんど無い可溶性澱粉素材のみならず、難消化性澱粉素材、その他各種食品素材、さらに複合体食品素材を製造することが可能となった。製造方法は極めて簡便・安全であり、製品コスト低減にもつながる。
本発明により得られる製品は、難消化性素材として健康志向食品向けに利用できる。ワキシコーンスターチからは多分岐デキストリンmulti branched dextrinを製造することができた。小麦澱粉、米澱粉、コーンスターチの処理澱粉には、発酵遅延効果があり、深みのある醸造食品製造用に利用できる。コーンスターチ、バレイショ澱粉では、難消化性率の向上、安定化されて粒構造が保持され、パリパリ感のある食品製造にも利用でき、逆に、ワキシコーンスターチでは、ソフト感、低粘性、低付着性となり、高齢者用食材としての利用ができる。この他、有機酸噴霧処理による架橋澱粉、ガム質澱粉の製造も可能である。海水処理澱粉、温泉水処理澱粉などの製造も可能である。
反応の場は還元雰囲気であり、酸化防止をすると同時に、素材の加水分解、条件により複合体形成反応も促進され、食品、化粧品、医薬など各種素材を製造することができる。
以下、本発明の実施の形態を示す。
請求項1に係る本発明は、粉末状の食品素材の処理方法に関し、粉末状の食品素材を過熱蒸気で処理することを特徴とするものである。
請求項1に係る本発明の対象とされる原料は、粉末状の食品素材であればよく、特に制限されない。
ここで粉末の粒径は特に限定されないが、通常、1〜100μm程度のものが用いられる。
穀類粉末としては、例えば小麦粉、米粉などが挙げられる。
次に、蛋白質素材としては酵母、カゼイン、ゼインなどの粉末が挙げられ、これらの粉末が用いられる。
また、糖質素材としては、単糖、オリゴ糖、多糖類等が挙げられ、これらの粉末が用いられる。ここで単糖としては、食品素材として利用されているものなら何れでもよいが、過熱蒸気中でガラス転移をしない素材が望ましい。特に担体として利用する場合には、粉末状の食品素材としては、このように過熱蒸気中でガラス転移をしない特性を持つことが望ましい。
糖質素材として具体的には、例えばグルコース、フルクトース、マンノース、ガラクトース、アミノ糖、アセチルアミノ糖などが挙げられる。さらに、これらの重合体、多糖類もあり、五単糖もこれに準じて用いることができる。これら糖質素材は混合しても用いられる。マルトースなどマルトオリゴ糖、セロビオースなどのセロオリゴ糖、アセチルグルコサミン重合体のキチン、グルコサミン重合体のキトサン、寒天、ペクチン、グルコマンナンなどの増粘多糖などのポリマーも利用することができる。但し、ハイアミロースコーンスターチは除かれる。
ここで糖質素材粉体としては、前記したものが上げられるが、特に請求項4に記載したように、澱粉、澱粉加水分解物、フルクトース、セルロース、セルロース分解物、キチン及びキチン分解物よりなる群から選ばれた1種の粉末が好ましい。
ここで分離状態を保持しながら行う方法としては、例えば粉末状の食品素材を振盪しながら行う方法や超音波で振動しながら行う方法が挙げられる。
振盪しながら行う場合の振盪方法は特に限定されない。振盪装置を用いてもよいし、振盪装置が装備されていない場合には、手動によって振盪することもできる。この場合、例えば粉末状の食品素材をフライパンなどの容器に入れて手で振って振盪処理すればよい。なお、粉末状の食品素材の層を薄くすれば振盪などをしないでも処理することができるが、十分な効果は得られない。
例えば、糖アルコールと酢酸、酪酸などの有機酸を噴霧することにより、界面活性効果を有するものを得ることができる。
なお、噴霧量など、噴霧条件は利用法によって適宜選択すればよく、例えば、難消化性澱粉を製造する場合は、噴霧量は多めに数回に分けて行えばよい。
噴霧する液としては、水又は可溶性素材を含む溶液が望ましいが、分散液でも粉末状の食品素材と混合できれば適用可能である。例えば、アミノ酸、炭酸カルシウム+有機酸はカルシウム強化用、アントシアン+各種金属イオン溶液は色素の色調変換、などにできる可能性があり、利用の方法は極めて多い。化粧品、医薬品などの製造をする場合でも本発明の方法を適用可能である。
即ち、請求項1乃至7のいずれかの方法により得られた、特性変換された粉末状の食品素材を提供するのが、請求項8記載の本発明である。
このようにして処理された粉末状の食品素材は、溶解性が向上したり、低分子化したり、難消化性になるなど、その特性が変換されたものとなっている。
香味液は粘性があるものもあり、この場合は噴霧することができないので、澱粉に浸漬してケーキ状にして処理するか、或いは湿潤状態でも処理することが可能である。
このように香味液に澱粉を浸漬してケーキ状になったものを、過熱蒸気で処理することにより香味成分が長続きする粉体が得られる。
以上述べた如き請求項1〜9に係る本発明は、基本的に粉体全体を食品素材化するものである。
これに対して、以下に述べる請求項1〜10に係る本発明は、粉体を担体(反応の場)とするものである。生成したものを取り出して製品化するか、或いは担体込みで製品化することもできる。
これにより、粉体中で各種食品成分が反応したり粉体自体と結合し、目的に応じた食品素材とすることができる。
請求項11に記載したように、粉体として、粉末セルロース、粉末キチン、ガラスビーズ又は粉炭を用いた場合には、各種食品成分が反応し、目的に応じた食品素材とすることができる。
これにより、澱粉中で各種食品成分が反応したり澱粉自体と結合し、目的に応じた食品素材とすることができる。
なお、請求項10〜12に記載された方法を用いる場合は、担体としては、容易に加水分解されない素材が望ましい。この要件を満たした素材としては各種ある。セルロース、キチンなどは一部加水分解を受けるが分解し難い条件下で用いればよい。
このように粘性の高い液の場合は、過熱により団子状にならない素材、例えばセルロース、キチンなどが利用できる。グラスビーズなどの微粉末に混合付着させてから反応し、反応後、抽出して製品化することもできる。例えば、耐熱ガラスまたはステンレス管にこれらの担体を詰めて、混合液を流して付着させ、過熱蒸気で処理した後、熱水または温水で溶出させて製品化することもできる。反応が不十分な場合は固形の触媒、例えばラネイニッケルなどを加えてもよい。
このようにして製造された素材は混合物としても、また必要に応じて分離利用することも可能である。
過熱蒸気発生装置として350スチームDCオーブンNF−5050C−W(直本工業(株)製)を使用した。
表1に示す各種澱粉を粒径1〜100μmの粉末としたものをフライパンに適当量(50〜100g)入れ、表1の条件で、振盪しながら過熱蒸気処理を行った。振盪はフライパンを手で振って行った。なお、表1中、クエン酸は1%クエン酸溶液を指す。
本結果は、加水分解の程度が、澱粉、温度、時間等の条件によって異なるが、澱粉は加水分解を受け低分子化したことを示した。
(1)過熱蒸気発生装置として350スチームDCオーブンNF−5050C−W(直本工業(株)製)を使用した。
バレイショ澱粉を粒径1〜100μmの粉末としたものをフライパンに適当量(50〜100g)入れ、180−200℃にて10分間の条件で、振盪しながら過熱蒸気処理を行った。振盪はフライパンを手で振って行い、過熱蒸気処理サンプルNo.10を得た。
ヨウ素試液は、次の通り調製した。ヨウ素14gを量り、ヨウ化カリウム溶液(2→5)100mlを加えて溶解し、塩酸(1→4)1mlおよび水を加えて1000mlとする。遮光して保存した。
α−アミラーゼの活性は、20℃、pH6.9で、澱粉から3分間に1.0mgのマルトースを遊離する量を1単位と定義した。
過熱蒸気発生装置として350スチームDCオーブンNF−5020C(直本工業(株)製)を使用した。ワキシコーン澱粉(粒径1〜100μm)をフライパンに適当量入れ、180℃で10分間の条件にて、振盪しながら過熱蒸気処理を行った。振盪はフライパンを手で振って行った。
過熱蒸気発生装置として350スチームDCオーブンNF−5050C−W(直本工業(株)製)を使用し、ワキシコーン澱粉(粒径1〜100μm)を振盪しながら200℃で10分間処理して、溶解性がよいシスツ澱粉を得た。しかし僅かに着色した。
過熱蒸気発生装置として350スチームDCオーブンNF−5050C−W(直本工業(株)製)を使用し、ワキシコーン澱粉(粒径1〜100μm)を振盪しながら350℃で5分間処理して、溶解性がよいシスツ澱粉を得た。着色はかなり進んだが溶解性は極めて優れていた。
過熱蒸気発生装置として350スチームDCオーブンNF−5050C−W(直本工業(株)製)を使用し、市販アビセルセルロース(粒径1〜500μm)を振盪しながら200℃で10分間処理したところ、一部が溶解した。同条件で1モル濃度のクエン酸溶液を噴霧して処理したところさらに溶解成分が増加した。
過熱蒸気発生装置として350スチームDCオーブンNF−5050C−W(直本工業(株)製)を使用し、アビセルセルロース(粒径1〜500μm)を振盪しながら、これにクエン酸とエリスリトールの等量混合物を噴霧して200℃10分間処理し、熱水抽出した結果、複合体と予想されるものが生成した。なお、分析はODSカラム、リン酸含有メタノールで溶出するHPLCで行った。何れかの成分が担体のアビセルセルロースにも結合している可能性もある。
過熱蒸気発生装置として350スチームDCオーブンNF−5050C−W(直本工業(株)製)を使用し、コーンスターチ(粒径1〜100μm)を振盪しながら、これに有機酸として酢酸を3モル、グリセリン1モルを水に溶解したものを噴霧して170℃で15分間処理した。この全体は溶解性になり、脂溶性成分、アスタキサンチンを一部溶解性にすることができた。本製品は食品素材として広く利用することができる。
過熱蒸気発生装置として350スチームDCオーブンNF−5050C−W(直本工業(株)製)を使用し、有機酸として酪酸を3モル、グリセリン1モルを水に溶解した以外は実施例8と同様にして類似の製品を得た。
過熱蒸気発生装置として350スチームDCオーブンNF−5050C−W(直本工業(株)製)を使用し、有機酸として乳酸を3モル、グリセリン1モルを水に溶解した以外は実施例8と同様にして類似の製品を得た。
過熱蒸気発生装置として350スチームDCオーブンNF−5050C−W(直本工業(株)製)を使用し、有機酸としてクエン酸を1モル、グリセリン1モルを水に溶解した以外は実施例8と同様にして類似の製品を得た。
過熱蒸気発生装置として350スチームDCオーブンNF−5050C−W(直本工業(株)製)を使用し、アビセルセルロース(粒径1〜500μm)を振盪しながら、これに有機酸として酪酸を4モル、糖質としてエリスリトール1モルを水に溶解したものを噴霧して170℃で15分間処理した。この全体を熱水で抽出して液状製品を得た。本製品は水溶性で脂溶性成分、DHAを一部溶解性にすることができた。本製品は食品素材として広く利用できる。
過熱蒸気発生装置として350スチームDCオーブンNF−5050C−W(直本工業(株)製)を使用し、アビセルセルロース(粒径1〜500μm)を振盪しながら、これに有機酸として酪酸を6モル、糖質としてソルビトール1モルを水に溶解したものを噴霧して170℃で15分間処理した。この全体を熱水で抽出して液状製品を得た。本製品は、水溶性で脂溶性成分、DHAを一部溶解性にすることができた。本製品は食品素材として広く利用することができる。
過熱蒸気発生装置として350スチームDCオーブンNF−5050C−W(直本工業(株)製)を使用し、茶抽出物を含む香味液を澱粉に浸漬し、170℃で15分間処理した。茶の色と香りが保持された粉末を得た。本製品は食品素材として広く利用することができる。
さらに、このように本発明の方法では、高温・還元性雰囲気中での反応であるので、大気中では燃焼するような条件でも、有機化合物間の反応を行うことができることが特徴であり、有機酸とアルコールを混合して反応すればエステルも産生させることができ、香りを付与することも可能である。
Claims (2)
- 粉末状の小麦粉;米粉;又は澱粉、澱粉加水分解物、フルクトース、セルロース、セルロース分解物、キチン及びキチン分解物よりなる群から選ばれた1種の糖質素材粉体;からなる粉末状の食品素材を、分離状態を保持しながら150〜600℃の過熱蒸気で、5分間〜15分間処理することを特徴とする、特性変換された粉末状の食品素材の製造方法。
- 粉末状の食品素材に、水、糖質、糖アルコール、アルコール、アルカリ、有機酸及び油脂よりなる群から選ばれた少なくとも1種の液を噴霧しながら、粉末状の食品素材を過熱蒸気で処理することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
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