しかし、上述したいずれの特許文献に記載の技術であっても、探索範囲を可動範囲よりも狭める技術であるに過ぎず、探索が不要になるものではない。むしろ、このように探索範囲を狭める技術であっても、求めようとする最適合焦位置が、狭められた探索範囲に常に存在するとは限らず、探索範囲外に存在した場合には、最早、最適な合焦状態を得ることができずに、撮影動作を完了することができなくなる。
しかも、そのように探索範囲を限定しても、探索時間を大幅に短縮できるものではなく、上述したリスクを冒す可能性を考慮すれば、探索範囲を狭めるのではなく、可動範囲の全体を探索対象候補としつつも、探索に要する時間を短縮するのが好ましい。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであって、フォーカス光学系または撮像デバイス系を、光軸に沿った方向についての可動範囲の全体を探索対象候補としつつも合焦位置の探索に要する時間を短縮することができるオートフォーカス制御装置、オートフォーカス制御方法および画像形成装置を提供することを目的とする。
オートフォーカス制御装置、制御方法および画像形成装置は、シャッターレリーズボタン(撮影開始操作入力手段)が押下されるなどの実際の撮影開始の操作が入力されると、フォーカス光学系または撮像デバイスが、その可動範囲の一方の端部側から他方の端部側に向けて移動を開始し、これら各移動位置ごとのAF評価値が随時算出され、AF評価値が極大値(最大値)となるときのフォーカス光学系または撮像デバイスの移動位置が、最適な合焦位置として探索されるが、本発明に係るオートフォーカス制御装置、制御方法および画像形成装置は、実際の撮影開始の操作が入力される以前から、このAF評価値を随時算出し、実際の撮影開始の操作が入力されたときの直前において算出されていたAF評価値と、予め設定された閾値とを比較して、この比較の結果に基づいて、可動範囲のどちら側の端部から移動(最適合焦状態に対応した変位位置の探索動作)を開始するかを、決定し、その決定した端部に一気に変位させた後、当該一方の端部から他方の端部に向けて、コントラスト評価方式のAF制御を行うものである。
すなわち、本発明に係るオートフォーカス制御装置は、フォーカス光学系と該フォーカス光学系を通して投影された像を撮像する撮像デバイスとのうち少なくとも一方を、その可動範囲で変位させる駆動手段と、前記撮像デバイスに投影された像に対応して得られた画像データに基づいて、前記撮像デバイスにおける前記像の合焦度合いを表すオートフォーカス評価値を算出する評価値算出手段と、撮影開始の操作が入力される撮影開始操作入力手段と、前記撮影開始操作入力手段に前記撮影開始の操作が入力されたときは、前記フォーカス光学系と前記撮像デバイスとのうち少なくとも一方を、その可動範囲のいずれか一方の端部に移動させた後に、該端部から他方の端部に向けて変位させるように前記駆動手段を制御しつつ、前記変位の期間中の所定のタイミングごとに、前記オートフォーカス評価値を算出するように前記評価値算出手段を制御し、得られた各オートフォーカス評価値に基づいて前記像の最適合焦状態に対応した前記変位位置を探索する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記撮影開始操作入力手段への前記撮影開始の操作の入力に先立ち、前記オートフォーカス評価値を取得し、該取得したオートフォーカス評価値と予め設定された所定の閾値との比較を所定時間間隔で実行し、前記撮影開始の操作が行われた際に、前記撮影開始の操作が入力された時点における前記比較の結果に基づいて、前記オートフォーカス評価値が前記所定の閾値よりも大きいときは、前記可動範囲の2つの端部のうち、移動距離が短い方の端部を選択し、前記オートフォーカス評価値が前記所定の閾値よりも大きくないときは、前記可動範囲の2つの端部のうち、移動距離が短くない方の端部を選択することを特徴とする。
ここで、フォーカス光学系は、フォーカスレンズ単体であってもよいし、フォーカスレンズと例えばズーム光学系等他の光学系とが一体的に構成されたレンズ群であってもよい。
撮像デバイスは、CCDやCMOSに代表されるような、略リアルタイムに画像信号を取り出すことができるデバイスをいう。
駆動手段としては、例えばパルスモータ等を適用することができる。
オートフォーカス評価値は、撮像デバイスに投影された画像のうち空間周波数の高周波成分または近接画素間の輝度差の積分値などを用いることができ、これらを用いた評価値の場合は、値が大きくなるにしたがって合焦程度が高いことを意味する。
撮影開始操作入力手段は、例えば、カメラにおけるシャッターレリーズボタン等に相当するものであり、使用者が撮影開始の意志を操作として入力することでできるものであればよい。
所定の閾値は、各変位位置におけるオートフォーカス評価値との関係で、最適合焦状態に対応した変位位置と、そのオートフォーカス評価値に対応した変位位置との間の空間的な距離が遠近を比較するのに適した値として設定され、オートフォーカス評価値が、この所定の閾値よりも大きいか、または大きくないか、に応じて、その時点における変位位置が最適合焦位置に近いか、近くないか、を判定することができる。
また、この閾値は、一つであることには限定されず、例えば大小二つの値を採用することもできる。値が相対的に大きい方を第1閾値、相対的に小さい方を第2閾値として設定し、オートフォーカス評価値は、第1閾値より大きいか否か、第1閾値より大きくない場合においては第2閾値より大きいか否か、の判定を行うようにすればよい。
制御手段による評価値算出手段への制御における所定のタイミングとは、時系列的なタイミング(例えば一定時間間隔のタイミング)であってもよいし、空間的な位置に対応したタイミング(光学系の一定回転角度位置を通過するごとのタイミングや、光学系の一定繰出し量ごとのタイミング)であってもよい。また、それらの時間間隔や角度、繰出し量は、一定でなくてもよい。
撮影開始操作のタイミングは、使用者による操作が入力されるタイミングであるから、撮影開始操作を検出した後に、この検出時から所定時間遡って、制御手段による撮影開始操作に先立つ制御を開始するということは事実上不可能であるため、実際には、例えば、このオートフォーカス制御装置への通電がONになったとき、またはON後の所定時間経過のとき(通電ON後のイニシャライズ期間中などの撮影を開始することができない期間等)等、撮影開始操作よりも必ず先立って行われる処理(電源ON処理等)を以て、制御手段は撮影開始操作に先立って制御を開始することとなる。
このように構成された本発明に係るオートフォーカス制御装置によれば、撮影開始操作に先立って、制御手段は、オートフォーカス評価値を求めているため、撮影開始操作が入力されてから初めてオートフォーカス評価値を算出するものよりも、最適合焦状態に対応した変位位置を早く検出することができる。
そして、算出されたオートフォーカス評価値は、制御手段によって所定の閾値と比較されるが、この所定の閾値は、現在の変位位置と最適合焦状態に対応した変位位置との近さを判定するための値であるから、この比較によって、撮影開始操作の時点においても、最適合焦位置に近いか否かの判定結果を得ている。
ここで、撮影開始操作が検出されたときは、駆動手段は、フォーカス光学系と撮像デバイスとのうち少なくとも一方を、その可動範囲のいずれか一方の端部に移動させるが、このとき移動させる方の端部は、上述したように、現在の変位位置と最適合焦状態に対応した変位位置との近さに応じて決定される。
例えば、撮影開始操作における変位位置と最適合焦状態に対応した変位位置とが近いときは、撮影開始操作における変位位置から近い方の端部が選択され、撮影開始操作における変位位置と最適合焦状態に対応した変位位置とが近くないときは、撮影開始操作における変位位置から近くない方の端部が選択される。
そして、まず、選択された端部に向かって、フォーカス光学系と撮像デバイスとのうち少なくとも一方を一気に変位させる。この選択された端部へ向けての変位の際には、所定のタイミングごとにオートフォーカス評価値を算出することはないため、駆動手段の有する定格略最高速度で、フォーカス光学系と撮像デバイスとのうち少なくとも一方を変位させることができる。
選択された方の端部に達した後は、選択されなかった方の端部に向けて、最適合焦状態に対応した変位位置の探索を開始するが、この探索における変位動作は、選択された端部に向かって変位する最初の変位動作の場合とは異なり、所定タイミングごとに逐次、オートフォーカス評価値の算出、およびこの算出されたオートフォーカス評価値と閾値との大小比較を行うため、最初の端部への変位動作に比して長い時間が掛かることになる。
しかし、本発明に係るオートフォーカス制御装置は、撮影開始操作における変位位置と最適合焦状態に対応した変位位置とが近いか否かに応じて、最初に変位する方の端部が選択されるため、この選択された端部からは、他方の端部からよりも、最適合焦状態に対応した変位位置に近く、したがって、最適合焦状態に対応した変位位置を従来よりも早く探索することができる。
なお、最初の端部への変位動作は、この探索動作時の変位動作に比して、極めて高速であるため、撮影開始操作時におけるオートフォーカス評価値と閾値との比較結果によって、その撮影開始操作時における変位位置から、遠い方の端部に変位させられる場合であっても、近い方の端部に変位させられる場合に比べて、経過時間に大きな差異は生じない。
そして、最適合焦状態に対応した変位位置の探索動作は、その探索範囲を、フォーカス光学系および撮像デバイスのうち少なくとも一方の可動範囲よりも狭めて行う、というものでもなく、したがって、探索範囲を狭めた場合に生じうる、最適な合焦状態を取得することができない、という最悪の事態を回避することができる。
なお、閾値は、一つに限定されるものではなく、例えば、大小二つの閾値(第一閾値と、この第一閾値よりも小さい値の第二閾値など。)を適用することができる。
このように構成された本発明に係るオートフォーカス制御装置によれば、撮影開始操作に先立って求められたオートフォーカス評価値が所定の閾値よりも大きいとき、すなわち、撮影開始操作時点における変位位置が、最適合焦状態に対応した変位位置に近いときは、可動範囲の2つの端部のうち、撮影開始操作の際において移動距離が短い方の端部が選択されるが、最適合焦状態に対応した変位位置も、可動範囲の2つの端部のうち、撮影開始操作の際において移動距離が短い方の端部に近いところに存在することになるため、この端部に変位してからの探索操作に要する時間を短くすることができる。
反対に、撮影開始操作に先立って求められたオートフォーカス評価値が所定の閾値よりも大きくないとき、すなわち、撮影開始操作時点における変位位置が、最適合焦状態に対応した変位位置に近くないときは、可動範囲の2つの端部のうち、撮影開始操作の際において移動距離が短くない方の端部が選択されるが、最適合焦状態に対応した変位位置は、可動範囲の2つの端部のうち、撮影開始操作の際において移動距離が短くない方の端部に近いところに存在することになるため、この短くない方の端部に変位してからの探索操作に要する時間を短くすることができる。
また、閾値は、前記フォーカス光学系の焦点距離に応じて変動されるものとするのが好ましい。
このように構成された本発明に係るオートフォーカス制御装置によれば、焦点距離に応じて、焦点深度が変化するが、焦点深度が浅いほど、最適合焦状態に対応した変位位置からのずれ(光軸に沿ったずれ量)に対するオートフォーカス評価値の変動割合が大きく(変位位置とオートフォーカス値との相関度が高く)なり、最適合焦状態に対応した変位位置の検出精度を向上させることができる。
さらにまた、前記制御手段は、撮影開始操作に先立って前記オートフォーカス評価値を求めるに際して、前記フォーカス光学系を通過する光束を制限する絞り径が、開放側に最大となるように制御することが好ましい。
このように構成された本発明に係るオートフォーカス制御装置によれば、絞りを最大に開くことによって、焦点深度を浅くすることができ、最適合焦状態に対応した変位位置からのずれ(光軸に沿ったずれ量)に対するオートフォーカス評価値の変動割合が大きく(変位位置とオートフォーカス値との相関度が高く)なり、最適合焦状態に対応した変位位置の検出精度を向上させることができる。
本発明に係る画像形成装置は、本発明に係るオートフォーカス制御装置を備えたことを特徴とする。
ここで、画像形成装置には、スチルカメラやビデオカメラ、イメージスキャナ、複写機、携帯型情報端末機等が含まれる。
このように構成された本発明に係る画像形成装置によれば、上述した本発明に係る各オートフォーカス制御装置によって奏されるそれぞれの対応する効果を発揮することができる。
また、本発明に係るオートフォーカス制御方法は、フォーカス光学系と前記フォーカス光学系を通して投影された像に対応した画像データを出力する撮像デバイスとのうち少なくとも一方を、その可動範囲のいずれか一方の端部に移動させた後に、該端部から他方の端部に向けて変位させるように制御しつつ、前記変位の期間中の所定のタイミングごとに、前記画像データに基づいて前記撮像デバイスにおける前記像の合焦度合いを表すオートフォーカス評価値を算出するように制御し、得られた各オートフォーカス評価値に基づいて前記像の最適合焦状態に対応した前記変位位置を探索するオートフォーカス制御方法において、撮影開始操作に先立ち、前記オートフォーカス評価値を取得し、該取得したオートフォーカス評価値と予め設定された所定の閾値との比較を所定時間間隔で実行し、前記撮影開始の操作が行われた際に、前記撮影開始操作が行われた時点における前記比較の結果に基づいて、前記オートフォーカス評価値が前記所定の閾値よりも大きいときは、前記可動範囲の2つの端部のうち、移動距離が短い方の端部を選択し、前記オートフォーカス評価値が前記所定の閾値よりも大きくないときは、前記可動範囲の2つの端部のうち、移動距離が短くない方の端部を選択することを特徴とする。
このように構成された本発明に係るオートフォーカス制御方法によれば、撮影開始操作における変位位置と最適合焦状態に対応した変位位置とが近いか否かに応じて、最初に変位する方の端部が選択されるため、この選択された端部からは、他方の端部からよりも、最適合焦状態に対応した変位位置に近く、したがって、最適合焦状態に対応した変位位置を従来よりも早く探索することができる。
なお、最初の端部への変位動作は、この探索動作時の変位動作に比して、極めて高速であるため、撮影開始操作時におけるオートフォーカス評価値と閾値との比較結果によって、その撮影開始操作時における変位位置から、遠い方の端部に変位させられる場合であっても、近い方の端部に変位させられる場合に比べて、経過時間に大きな差異は生じない。
そして、最適合焦状態に対応した変位位置の探索動作は、その探索範囲を、フォーカス光学系および撮像デバイスのうち少なくとも一方の可動範囲よりも狭めて行う、というものでもなく、したがって、探索範囲を狭めた場合に生じうる、最適な合焦状態を取得することができない、という最悪の事態を回避することができる。
このように構成された本発明に係るオートフォーカス制御方法によれば、撮影開始操作に先立って求められたオートフォーカス評価値が所定の閾値よりも大きいとき、すなわち、撮影開始操作時点における変位位置が、最適合焦状態に対応した変位位置に近いときは、可動範囲の2つの端部のうち、撮影開始操作の際において移動距離が短い方の端部が選択されるが、最適合焦状態に対応した変位位置も、可動範囲の2つの端部のうち、撮影開始操作の際において移動距離が短い方の端部に近いところに存在することになるため、この端部に変位してからの探索操作に要する時間を短くすることができる。
反対に、撮影開始操作に先立って求められたオートフォーカス評価値が所定の閾値よりも大きくないとき、すなわち、撮影開始操作時点における変位位置が、最適合焦状態に対応した変位位置に近くないときは、可動範囲の2つの端部のうち、撮影開始操作の際において移動距離が短くない方の端部が選択されるが、最適合焦状態に対応した変位位置は、可動範囲の2つの端部のうち、撮影開始操作の際において移動距離が短くない方の端部に近いところに存在することになるため、この短くない方の端部に変位してからの探索操作に要する時間を短くすることができる。
また、フォーカス光学系の焦点距離に応じて、前記閾値を変動させるのが好ましい。
このように構成された本発明に係るオートフォーカス制御方法によれば、焦点距離に応じて、焦点深度が変化するが、焦点深度が浅いほど、最適合焦状態に対応した変位位置からのずれ(光軸に沿ったずれ量)に対するオートフォーカス評価値の変動割合が大きく(変位位置とオートフォーカス値との相関度が高く)なり、最適合焦状態に対応した変位位置の検出精度を向上させることができる。
さらにまた、前記撮影開始操作に先立って前記オートフォーカス評価値を求めるに際し、前記レンズを通過する光束を制限する絞り径を、開放に設定するのが好ましい。
このように構成された本発明に係るオートフォーカス制御方法によれば、絞りを最大に開くことによって、焦点深度を浅くすることができ、最適合焦状態に対応した変位位置からのずれ(光軸に沿ったずれ量)に対するオートフォーカス評価値の変動割合が大きく(変位位置とオートフォーカス値との相関度が高く)なり、最適合焦状態に対応した変位位置の検出精度を向上させることができる。
また、本発明に係るマクロオートフォーカス制御方法は、至近距離の被写体を撮影するためのマクロ撮影モードが適用されるマクロオートフォーカス制御方法において、本発明に係るオートフォーカス制御方法を適用したことを特徴とする。
このように構成された本発明に係るマクロオートフォーカス制御方法によれば、フォーカス光学系の繰出し量が、マクロ系ではないフォーカス光学系に比べて大きいため、本発明のオートフォーカス制御方法を適用することによって生じる、タイムラグの低減効果を、一層効果的に発揮させることができる。
本発明に係るオートフォーカス制御装置、画像形成装置、およびオートフォーカス制御方法によれば、最適合焦状態に対応した変位位置を従来よりも早く探索することができる。
しかも、最適合焦状態に対応した変位位置の探索動作は、その探索範囲を、フォーカス光学系および撮像デバイスのうち少なくとも一方の可動範囲よりも狭めて行う、というものでもなく、したがって、探索範囲を狭めた場合に生じうる、最適な合焦状態を取得することができない、という最悪の事態を回避することができる。
以下、本発明に係るオートフォーカス制御装置、オートフォーカス制御方法および画像形成装置としてのデジタルスチルカメラについての、具体的な実施の形態について説明する。
図1,2,3および図4は、本発明の一実施形態に係るデジタルスチルカメラの構成を示す図であり、図1はデジタルスチルカメラの全体のシステム構成の概要を示すブロック図、図2〜4は、図1に示したカメラの外観構成を模式的に示す図であり、図2は平面図、図3は正面図、図4は背面図、をそれぞれ示す。
図1に示したカメラは、フォーカスレンズ(フォーカス光学系)を含む撮影レンズ系1、この撮影レンズ系1を通して投影された像を撮像するCCD3(撮像デバイス)と、撮影レンズ系1とCCD3との間に設けられたメカニカルシャッタ2と、撮影レンズ系1のうち少なくともフォーカスレンズを、その光軸方向に沿った可動範囲で変位させるモータドライバ19と、撮影開始の操作が入力されるシャッターレリーズボタン(撮影開始操作入力手段)を含む操作部20と、主としてCCD3からの信号読取りの処理を行うフロントエンド(F/E)の信号処理部31と、CCD3から信号を読み取るための制御や、読み取られた信号の処理、モータドライバ19の駆動制御、操作部20からの操作信号の入力処理、CCD3から読み取って得られた画像データに基づいて、この画像データが表す画像の合焦程度を表す指標値であるオートフォーカス評価値等の各種演算処理を行うデジタル信号処理IC32(制御部)等とを備えた構成である。
ここで、F/E信号処理部31は、CDS(相関2重サンプリング)回路4、AGC(自動利得制御)回路5、A/D(アナログ・デジタル)変換器6、およびタイミング発生器(TG)7を備えている。
一方、デジタル信号処理IC32は、CCDインタフェース(CCD I/F)8、メモリコントローラ9、表示出力制御部10、圧縮処理部11、YUV変換部12、リサイズ処理部13、メディアインタフェース(メディアI/F)14、およびCPU(中央制御部)15を備え、接続されているROM(リードオンリメモリ)16、フレームメモリ(SDRAM)17、液晶(LCD)ディスプレイ18、音声出力装置21、およびメモリカード22を制御するとともに、測距センサ23、操作部20およびROM16からの信号等の入力を受けている。
また、CPU15は、前述の指標値であるオートフォーカス評価値Lを算出する評価値算出手段として作用するが、このオートフォーカス評価値Lの算出は、カメラの電源がONに切り替えられた時点から開始され、所定のタイミングごとに行われる。
そして、CPU15は、算出されたオートフォーカス評価値Lと、予め設定された所定の閾値とを大小比較し、撮影開始操作の際のタイミングにおけるこの比較の結果に基づいて、撮影レンズ系1のフォーカスレンズを、その可動範囲の2つの端部のうち、いずれの端部に移動させるかを決定する。
すなわち、操作部20のシャッターレリーズボタンの押下は撮影開始操作であり、CPU15は、このレリーズボタンが押下されたこと、すなわち撮影開始の操作が入力されたことを検出して、フォーカスレンズを、その可動範囲のうち、いずれか一方の端部に移動させ、この一方の端部から他方の端部に向けてフォーカスレンズを少しずつ変位させるようにモータドライバ19を制御しつつ、この変位の都度(所定のタイミングごとに)、オートフォーカス評価値の算出と、算出されたオートフォーカス評価値と閾値との大小比較を行って、像の最適合焦状態を得るときのフォーカスレンズの変位位置(フォーカスポジション)を探索し、この探索によって得られた位置に、フォーカスレンズを移動させる、いわゆるコントラスト評価方式AF制御を行う。
また、メカニカルシャッタ2は、撮影レンズ系1とCCD3との間の光路上に介挿されて、光路を開閉し、CCD3の露光を制限する。CCD3は、露光状態で受光面に入射される光学像を電気信号に変換して一時保持し、画像データとして転送出力する。
CDS回路4は、CCD3の出力画像信号を相関2重サンプリングする。AGC回路5は、CDS回路4の相関2重サンプリング出力を、自動利得制御して所用の信号レベルに調整する。A/D変換器6は、AGC回路5のアナログ出力をデジタルデータに変換する。
タイミング発生器(TG)7は、デジタル信号処理IC32のCCDインタフェース8から与えられる同期駆動信号であるVD信号(垂直同期駆動信号)およびHD信号(水平同期駆動信号)に応動し、かつ、CPU15と連携して、CCD3、CDS回路4、AGC回路5およびA/D変換器6に、それぞれタイミング信号を与え、これらを適正に同期させる。
信号処理IC32は、CPU15の制御に基づいて、信号処理部31のA/D変換器6を介して与えられるデジタル画像データを、フレームメモリ17に格納するとともに、圧縮処理およびYUV変換処理等の所要の信号処理を行い、当該信号処理IC32内で処理されたデータのフレームメモリ17への格納、A/D変換器6から与えられ、またはフレームメモリ17から取り出された画像データ等の、LCDディスプレイ18への表示、A/D変換器6から与えられ、またはフレームメモリ17から取り出されたデジタル画像データの圧縮処理、YUV変換処理およびリサイズ処理、並びにフレームメモリ17から取り出されたデジタル画像データのメディアインタフェース14を介してのメモリカード22への格納等の処理を行う。
CCDインタフェース8は、信号処理部31のA/D変換器6から与えられるデジタル画像データを受けて、メモリコントローラ9を介してフレームメモリ17に格納する。
メモリコントローラ9は、CPU15の制御に基づき、CCDインタフェース8を介して与えられるRGB原データ(RAW−RGB)、YUV変換部12によりYUV変換されたYUVデータ、圧縮処理部11により例えばJPEG(Joint Photographic Experts Group)方式で圧縮処理されたJPEGデータ、およびOSD(オンスクリーンディスプレイ)画像データ等のフレームメモリ17への書込みとフレームメモリ17からの読出しを制御する。
表示出力制御部10は、フレームメモリ17から読み出された画像データを、LCDディスプレイ18に表示させるとともに、外部のテレビジョン(TV)等に表示させるためのTV出力を出力する。
圧縮処理部11は、A/D変換器6から与えられ、またはフレームメモリ17から取り出された画像データ等を、例えばJPEG方式のような所定の圧縮方式にて圧縮処理する。
YUV変換部12は、A/D変換器6から与えられ、またはフレームメモリ17から取り出された画像データを、CPU15から与えられるオートホワイトバランス(AWB)制御値にしたがって、YUV変換する。
リサイズ処理部13は、A/D変換器6から与えられ、またはフレームメモリ17から取り出された画像データを、リサイズする。
メディアインタフェース14は、A/D変換器6から与えられ、またはフレームメモリ17から取り出された画像データを、メモリコントローラ9およびCPU15の制御にしたがって、メモリカード22に書き込む。
すなわち、メモリコントローラ9は、A/D変換器6から与えられた画像データを、フレームメモリ17へ格納し、かつ、フレームメモリ17から画像データを取り出して、表示出力制御部10を介してLCDディスプレイ18への表示に供するとともに、フレームメモリ17から画像データを取り出して、圧縮処理部11によるJPEG方式等の圧縮処理、YUV変換部12によるYUV変換、リサイズ処理部13によるリサイズ処理並びにこれら圧縮、YUV変換およびリサイズの処理後のデータのフレームメモリ17への書込みに供し、さらには、フレームメモリ17からデータを取り出してメモリカード22への書込みに供する。
ROM16には、CPU15の動作プログラムおよびデータ等が格納されており、CPU15は、ROM16から読み出したプログラム、およびデータにしたがって、撮影動作に係る各種の処理や上述したオートフォーカス制御の処理を実行する。
フレームメモリ17は、例えばSDRAM(シンクロナス・ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ)等の半導体メモリであり、RGB原データ、YUV変換されたYUVデータ、JPEG圧縮されたJPEGデータ、およびOSD画像データ等を、それぞれ格納する。
LCDディスプレイ18は、液晶表示装置等の画像表示可能な表示装置であり、A/D変換器6から供給され、またはフレームメモリ17から取り出され、表示出力制御部10を介して与えられる画像データ等を表示し、さらには、所要の情報を表示する。
モータドライバ19は、CPU15の制御に基づいて、フォーカシングおよびズーミング等のために撮影レンズ系1のレンズ駆動モータ(モータドライバ19として表示しているものとする)を駆動し、かつシャッタ開閉動作のためにタイミング発生器7と連動して、メカニカルシャッタ2のシャッタ駆動モータ(図示せず)を駆動する。
操作部20は、シャッターレリーズボタンの他、各モードを切り換えるためのモードスイッチ、並びにその他のスイッチ、キー、レバーおよびダイヤル等の、少なくとも一部の操作手段を含み、当該デジタルスチルカメラに対する動作指示、設定指示および選択指示等の情報をCPU15に与えるための操作を行う。
音声出力装置21は、警報および音声アナウンス等の音声を発する。メモリカード22は、いわゆるフラッシュメモリのような半導体不揮発性メモリを内蔵するスモールカードなどと称される小型のICメモリ式記録媒体であり、当該デジタルスチルカメラに対して、着脱可能な外部記録媒体として用いられ、通常は、例えばデジタルスチルカメラに設けられたスロットに装着されて用いられる。
このメモリカード22は、例えば、CPU15の制御により、フレームメモリ17内のJPEG等の方式で圧縮処理された画像データをメモリコントローラ9を介してフレームメモリ17から取り出し、撮影結果として保存する。
測距センサ23は、図3に示した測距ユニット105を用いた、いわゆる三角測量方式による、定期的に被写体距離を計測する測距手段を構成する。
CPU15は、この測距センサ23による被写体距離の計測値の変化を監視し、合焦状態が保持されているか否かを判定する。また、図2〜図4において、デジタルスチルカメラは、ボディの背面にLCDモニタ18Aが、そしてボディの上面にサブLCD18Bが配設されており、これらLCDモニタ18AおよびサブLCD18Bが、図1に示したLCDディスプレイ18を構成する。
LCDモニタ18Aは、主として画像を表示し、サブLCD18Bは、主としてフィルムカウンタ、日付/時間および動作状態を示す各種シンボルマーク等を表示する。
また、ボディの上面には、シャッターレリーズボタン201およびモードダイアル202が配設され、ボディの背面には、広角側(WIDE)ズームスイッチ203、望遠側(TELE)ズームスイッチ204、セルフタイマ/削除スイッチ205、メニュースイッチ206、上/ストロボスイッチ207、右スイッチ208、ディスプレイスイッチ209、下/マクロスイッチ210、左/画像確認スイッチ211およびオーケー(OK)スイッチ212がそれぞれ配設されており、これら各スイッチが、図1における操作部20を構成する。
ボディ背面下部には、電源スイッチ101が配設されており、ボディの被写体に向かって右側面には、SDカード等のメモリカード22および電源としての電池の収納部をカバーするメモリカード/電池蓋102が配設されている。
ボディ前面にはストロボ発光部103、光学ファインダ104の対物面、測距ユニット105、リモコン(リモートコントロール)受光部106および撮影レンズの鏡胴ユニット107等が配設されている。
ボディの背面側には、さらに、光学ファインダ104の接眼部、AF表示LED(発光ダイオード)108およびストロボ表示LED109が配設されている。
なお、映像信号から被写体像のエッジ部分(空間周波数成分のうちの高周波成分に対応)の鮮鋭度に対応して求められるAF評価値を、フォーカスレンズを移動させながら逐次取得し、AF評価値の極大点を合焦点としてフォーカスレンズを停止させて自動合焦動作を行う合焦制御手段、マクロモードで撮影されている場合に、所定の条件を満たすときは、直前の合焦点を基準として全合焦範囲よりも狭い範囲に、フォーカスレンズの移動範囲を制限して合焦制御手段による自動合焦動作を行わせる範囲制御手段、マクロモード設定後に少なくとも1回の自動合焦動作が行われたことを所定の条件として含み、所定の条件を満たす場合に、狭い範囲で合焦動作を行わせる手段、合焦制御手段における合焦状態を監視する手段、前回の自動合焦動作以後の最適合焦状態の維持を所定の条件として含み、所定の条件を満たす場合に、狭い範囲で合焦動作を行わせる手段、測距手段による計測距離の変化を監視する手段、前回の前記自動合焦動作以後の前記計測距離の変化が所定値以下であることを所定の条件として含み、所定の条件を満たす場合に、狭い範囲で合焦動作を行わせる手段、撮像画面内の輝度分布を測定する輝度分布測定手段、輝度分布測定手段による輝度分布の変化を監視する手段、前回の前記自動合焦動作以後の輝度分布の変化が所定量以下であることを前記所定の条件として含み、該所定の条件を満たす場合に、狭い範囲で合焦動作を行わせる手段、合焦制御手段におけるAF評価値を監視する手段、前回の前記自動合焦動作以後のAF評価値の変化が所定値以下であることを前記所定の条件として含み、所定の条件を満たす場合に、狭い範囲で合焦動作を行わせる手段、撮像光学系におけるズーム倍率の変化を監視する手段およびズーム倍率が変化した場合には、全合焦範囲で合焦動作を行わせる手段は、上記各部がCPU15等により制御されることにより、実現される。
上述した構成において、まず、従来のこの種のデジタルスチルカメラの動作概要を説明する。
図1の操作部20のうち、モードダイアル202(図2参照)を操作して、動作モードを「記録モード」に設定することにより、このデジタルスチルカメラは記録モードで起動する。
モードダイアル202の設定は、操作部20に含まれるモードスイッチの状態が記録モードONになったことを、CPU15が検知し、モータドライバ19を制御して、鏡胴ユニット107の撮影レンズ系1を撮影可能位置に移動させる。
さらに、CCD3、信号処理部31およびLCDディスプレイ18等の各部に電源を投入して動作を開始させる。
各部の電源が投入されると、ファインダモードの動作が開始される。このファインダモードにおいては、撮影レンズ系1を通してCCD3に入射した光は、電気信号に変換され、R(赤)、G(緑)およびB(青)のアナログ信号からなるアナログRGB信号として、CDS回路4およびAGC回路5を順次介して、A/D変換器6に送られる。
A/D変換器6によりデジタルRGB信号に変換されたそれぞれの信号は、デジタル信号処理IC32のYUV変換部12により、YUV信号に変換され、メモリコントローラ9によってフレームメモリ17に書き込まれる。
このYUV信号は、メモリコントローラ9により読み出され、表示出力制御部10を介してTV出力として出力され、あるいはLCDディスプレイ18に送られてLCDモニタ18Aによる表示が行われる。この処理が、通常、1/30秒間隔で行われ、1/30秒ごとに更新される、いわゆる電子ファインダとしてのファインダモードの表示となる。
また、デジタル信号処理IC32のCCDインタフェース8内に取り込まれたデジタルRGB信号に基づいて、画面の合焦度合いを示すAF評価値と、被写体輝度を検出したAE(自動露出)評価値と、被写体色を検出したAWB(自動ホワイトバランス)評価値とが算出される。
これらの算出値は、それぞれ特徴データとしてCPU15に読み出され、自動合焦(AF)、自動露出(AE)および自動ホワイトバランス(AWB)の各処理に利用される。
AF評価値は、例えば、高周波成分抽出フィルタの出力積分値や、近接画素の輝度差の積分値によって算出される。
合焦状態にあるときは、被写体像のエッジ部分がはっきりと投影されているため、高周波成分が最も高くなる。この特性を利用し、自動合焦による合焦検出動作時には、種々のフォーカスレンズの変位位置におけるAF評価値を取得して、このAF評価値が極大になる位置を、最適合焦状態に対応した変位位置として、自動合焦制御を実行する。
AE評価値とAWB評価値は、R信号、G信号およびB信号のそれぞれの積分値から作成される。
例えば、画面を192ブロックに等分割し、それぞれのRGB積算値を算出する。CPU15は、RGB積分値を読み出し、自動露出では、それぞれのエリアの輝度を算出して、輝度分布から自動露出の制御値を決定する。
自動ホワイトバランスでは、RGBの分布から光源の色に合わせた自動ホワイトバランスの制御値を決定する。この自動露出と自動ホワイトバランスの処理は、ファインダモード中は連続的に行われている。
図2のシャッターレリーズボタン201が操作されると、合焦位置検出のための自動合焦動作と静止画記録処理が行われる。
シャッターレリーズボタン201が押下されると、操作部20から静止画の撮影開始操作を表す信号がCPU15に取り込まれ、CPU15が、フレームレートに同期してモータドライバ19を介して撮影レンズ系1の少なくとも一部であるフォーカスレンズを駆動し、コントラスト評価方式(山登り)AF制御を実行する。
最適合焦状態に対応した変位位置を探索する対象範囲が、無限から至近までの全領域であった場合には、フォーカスレンズは至近から無限、または無限から至近までの間の各フォーカス位置に移動し、デジタル信号処理IC32で作成された各フレーム(=各フォーカス位置)におけるAF評価値をCPU15が読み出す。
各フォーカス位置のAF評価値が極大になる点を合焦位置として、フォーカスレンズを合焦位置に移動する。自動合焦完了後にCCD3から取り出されたアナログRGB信号はデジタルRGB信号に変換され、デジタル信号処理IC32を介してフレームメモリ17に格納される。デジタルRGB信号は、再度ディジタル信号処理IC32に読み込まれ、YUVデータに変換されて、フレームメモリ17に書き戻される。
スチル画像の撮像時は、YUV変換された画像データがデジタル信号処理IC32内の画像圧縮伸張回路等からなる圧縮処理部11に送られる。
圧縮処理部11に送られたYUVデータは、圧縮処理されてフレームメモリ17に書き戻される。フレームメモリ17の圧縮データは、デジタル信号処理IC32を介して読み出され、メモリカード22等のデータ記憶メモリに格納される。
次に、本実施形態に係るデジタルスチルカメラの特徴となる動作を具体的に説明する。図5は、フォーカスポジション(フォーカスレンズの変位位置)ごとのAF評価値と被写体距離によるAF評価値をグラフにしたものである。
ここでは、相対的に大きな値である第1閾値Aと、この第1閾値Aよりも小さい第2閾値B(<A)とが予め設定されている。
撮影状態において、シャッターレリーズボタンが押される以前、例えば電源がONにされた直後から、フレームレートに同期してAF評価値を取得し続ける。
なお、探索動作は、フォーカスレンズの可動範囲(L1〜L2(ただし、L2>L1))の全範囲(両端部L1,L2の間)を対象とするが、最適合焦状態に対応したフォーカスレンズの変位位置(Lm)では、オートフォーカス評価値が極大となり、極大値は可動範囲の全範囲中において1箇所であり、極大値に対応した変位位置Lmに近づく方向については単純増加、極大値に対応した変位位置Lmから離れる方向については単純減少となるため、探索動作中に極大値を検出することができた時点で、以後は、残りの範囲(Lm+α〜L2またはLm−α〜L1;α>0)に対する探索は行わずに探索動作を終了する。
したがって、極大値に対応した変位位置(最適合焦状態に対応した変位位置)Lmが、探索動作を開始する端部(L1またはL2)に近い位置にあるとき(少なくとも可動範囲(L1〜L2)の全体のうち、1/2以下の距離の位置にあるとき)は、その近さにしたがって探索動作を早く終了させることができる。
反対に、極大値に対応した変位位置(最適合焦状態に対応した変位位置)Lmが、探索動作を開始する端部(L1またはL2)から遠い位置にあるとき(少なくとも可動範囲(L1〜L2)の全体のうち、1/2を超える距離の位置にあるとき)は、その遠さにしたがって探索動作の終了が遅れることになる。
ここで、本実施形態のカメラは、CPU15が、オートフォーカス評価値と、予め設定された所定の閾値A,Bとを、撮影開始操作前から比較しているため、撮影開始操作の時点においても、この比較の結果によって、撮影開始操作時点におけるフォーカスレンズの変位位置Lが、極大値に対応した変位位置(最適合焦状態に対応した変位位置)Lmに近いか否かを判定することができる。
そして、CPU15が近いと判定したとき、すなわち、フォーカスポジションLとオートフォーカス評価値との対応曲線が例えば図5(a)に示すように規定される場合(極大値Lm)では、オートフォーカス評価値が閾値Aよりも大きい(もちろん、閾値Bよりも大きい)値に対応した変位位置L3にある場合には、CPU15は、撮影開始動作時におけるフォーカスレンズを、その可動範囲の2つの端部のうち、フォーカスレンズの変位位置L3からの距離が短い方の端部L1に移動させるように決定し、実際に移動するようにモータドライバ19を制御する。
一方、CPU15が近くないと判定したとき、すなわち、オートフォーカス評価値が閾値Bよりも小さい(もちろん、閾値Aよりも小さい)値に対応した変位位置L4にある場合には、CPU15は、撮影開始動作時におけるフォーカスレンズを、その可動範囲の2つの端部のうち、フォーカスレンズの変位位置L4からの距離が遠い方の端部L1に移動させるように決定し、実際に移動するようにモータドライバ19を制御する。
なお、フォーカスポジションとオートフォーカス評価値との対応曲線が例えば図5(b)に示すように規定される場合(極大値Lm)では、CPU15が近いと判定したとき、すなわち、オートフォーカス評価値が閾値Aよりも大きい(もちろん、閾値Bよりも大きい)値に対応した変位位置L5にある場合には、CPU15は、撮影開始動作時におけるフォーカスレンズを、その可動範囲の2つの端部のうち、フォーカスレンズの変位位置L3からの距離が短い方の端部L2に移動させるように決定し、実際に移動するようにモータドライバ19を制御する。
一方、CPU15が近くないと判定したとき、すなわち、オートフォーカス評価値が閾値Bよりも小さい(もちろん、閾値Aよりも小さい)値に対応した変位位置L6にある場合には、CPU15は、撮影開始動作時におけるフォーカスレンズを、その可動範囲の2つの端部のうち、フォーカスレンズの変位位置L6からの距離が遠い方の端部L2に移動させるように決定し、実際に移動するようにモータドライバ19を制御する。
このように、本実施形態に係るカメラによれば、最適合焦状態に対応した変位位置Lmを従来よりも早く探索することができる。
しかも、最適合焦状態に対応した変位位置Lmの探索動作は、その探索範囲を、最初から、フォーカスレンズの可動範囲(L1〜L2)よりも狭めた範囲に設定するものではなく、探索の結果、実質的に、可動範囲の略半分に到達するまでの間に、探索を終了することができる。
なお、撮影レンズ系1が有する焦点距離に応じて、焦点深度の差異があり、また、この焦点深度の差異に応じて、オートフォーカス評価値の特性(変位位置に対する特性)は異なるため、閾値A,Bは、撮影レンズ系1の焦点距離に対応して最適な値を設定することができる。
また、シャッターレリーズボタンが押される以前(撮影開始操作前)は、絞りを開放に設定しておくのが好ましい。開放とすることで、焦点深度を浅くし、AF評価値が出る範囲を限定し、より高い精度で被写体距離の予測を行うことができるからである。
さらに、至近距離の被写体を撮影するためのマクロ撮影モードにおいては、撮影レンズ系1がズーム光学系であるとき、その望遠端側を用いたマクロ撮影と広角端側を用いたマクロ撮影とで、フォーカスポジションに大きな差異が生じるため、図6に示すように、フォーカスパルス(パルスモータのパルス数)と撮影範囲との対応関係に基づいて、変位特性を設定しておくことが好ましい。
なお、上述した実施形態においては、駆動手段としてのモータドライバ19(モータ)と、評価値算出手段としてのCPU15を含むデジタル信号処理IC32と、撮影開始操作入力手段としての操作部20と、制御手段としてのデジタル信号処理IC32とが、本発明のオートフォーカス制御装置についての実施形態に相当する。
ここで、図6は、代表的な焦点距離での被写体距離(1/L)に対するフォーカス繰出し量のグラフである。このグラフからもわかるように、焦点距離が長くなるにしたがって、フォーカスの繰出し量が増える。その分、オートフォーカスを行う動作時間も長くなる。
特に近距離でのマクロ撮影ではその差はさらに大きくなる。長焦点距離時にマクロ撮影を行う場合は、被写体距離に近い側の端点からオートフォーカス動作を開始することができることにより、オートフォーカス動作に要する時間を短縮する効果を一層大きくすることができる。
なお、上述した実施形態においては、オートフォーカス評価値と大小比較の対象とされる閾値は、A,Bという大小2つの閾値として設定されているが、本発明に係るオートフォーカス制御装置、オートフォーカス制御方法および画像形成装置においては、そのように2つの閾値に限定されるものではなく、閾値は1つであってもよく、そのように閾値が1つであっても、上述した実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。