JP4804982B2 - 下肢運動器具 - Google Patents

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Description

本発明は、下肢(膝関節)を伸ばす(エクステンション)動作や曲げる(フレクション)動作のトレーニングを行うための下肢運動器具に関する。
従来より、膝関節のエクステンション動作やフレクション動作のトレーニングを行うための下肢運動器具が提供されている。下肢運動器具は、所定の負荷が与えられた足パッドを運動者が下肢で押して動かすことで、膝関節のエクステンション動作やフレクション動作のトレーニングを行う器具である。この下肢運動器具によって、エクステンション動作のトレーニングを行う場合は、足パッドを運動者の膝の下方位置に配置させるとともに、運動者の膝関節を曲げた状態にして、下肢の前方面(向う脛側の面)を足パッドに当接させる。そして、運動者は、膝関節を伸ばすことで、負荷がかかった足パッドを前方側に押し上げ、エクステンション動作のトレーニングを行う。一方、フレクション動作のトレーニングを行う場合は、足パッドを運動者の膝の前方位置に配置させるとともに、運動者の膝関節を伸ばした状態にして、下肢を足パッド上に載せて下肢の後方面(ふくらはぎ側の面)を足パッドに当接させる。そして、運動者は、膝関節を曲げることで、負荷がかかった足パッドを後方側に押し降ろし、フレクション動作のトレーニングを行う(例えば、特許文献1参照。)。
下肢運動器具には、足パッドに負荷を与える負荷導入手段が備えられている。従来の負荷導入手段の概略構成は、図17に示すように、足パッド101を支持する支持アーム102と、左右方向に延在する回転軸107と、鉛直方向に回転する回転体103と、上下方向に移動自在のウエイト104と、ウエイト104の上方に配置された支点ローラ105によって上下に折り返され、一端が回転体103に取り付けられて他端がウエイト104に取り付けられたベルト106とからなっている。この負荷導入手段によれば、運動者が下肢で足パッド101を押すことで、回転体103が回転され、回転体103に形成された円弧面103aにベルト106の一端部が巻き掛けられる。回転体103の円弧面103aにベルト106一端部が巻き掛けられると、ベルト106は回転体103に巻き取られた状態になり、ベルト106の他端部は引き上げられて、ベルト106の他端に取り付けられたウエイト104が吊り上げられる。吊り上げられるウエイト104の荷重によってベルト106に引張力が生じ、足パッド101に負荷が与えられる。
従来の下肢運動器具100は、支持アーム102が回転体103に対して回転可能に取り付けられており、回転体103に対するアーム102の相対的な角度が調整可能になっている。つまり、回転体103を回転させずに支持アーム102だけを回転させることができる構成になっている。具体的には、回転体103の回転中心位置には、ロッド状の回転軸107が回転可能に挿通されており、この回転軸107には、支持アーム102の端部が固定されているとともに、回転体103の表面に対向する係止アーム108が固定されている。また、回転体103には所定ピッチであけられた複数の孔103b…が形成されているとともに、係止アーム108には何れかの孔103bに嵌入されて係止されるプランジャ109が付設されている。支持アーム102と回転軸107と係止アーム108とは一体的に形成されており、回転体103に対して回転可能である。そして、アーム102と回転軸107と係止アーム108とを一体的に回転させて、支持アーム102を所定の角度に調整させた後、プランジャ(係止部材)109を孔103bに嵌入させることで、支持アーム102等は回転体103に係止されて一体に回転される構成となる。このような構成からなる下肢運動器具100によれば、回転体103を回転させずに支持アーム102の角度を調整することで、足パッド101の初期位置を調節することができ、エクステンションとフレクションの切替えを行うことができるとともに、運動者に応じて足パッド101の初期位置を微調節することができる。
また、膝関節のエクステンション動作やフレクション動作のトレーニングを行う場合、膝関節の屈曲状態に応じた適正な負荷で運動させる必要がある。図6(a)はエクステンション動作における足パッドにかける最適な負荷曲線A0を示す図であり、図6(b)はフレクション動作における足パッドにかける最適な負荷曲線A0を示す図である。図6(a),図6(b)における「θ」は、各々の動作における基準初期位置(膝関節が完全に伸びた状態や略直角に曲った状態)からの膝関節の屈曲角度であり、図6(a),図6(b)における「T」は、足パッドにかける最適な負荷(トルク)である。図6(a),図6(b)に示すように、膝関節が完全に伸びた状態や略直角に曲った状態では、足パッドにかける負荷を低くし、膝関節が若干曲った状態から直角に曲る手前までの間では、足パッドにかける負荷を高くする必要がある。従来の下肢運動器具100では、上記した最適な負荷曲線A0を実現するために、回転体103の円弧面103aは、真円状になってなく、足パッド101にかける負荷が最適な負荷曲線A0になるような楕円状に形成されている。
特表2000−508554号公報
しかしながら、上記した従来の下肢運動器具100では、足パッド101の初期位置を設定するときに、回転体103と切り離された状態で、回転軸107を回転中心にしてアーム102を回転させ、足パッド101を円弧状に移動させて行うため、基準初期位置からずれた位置(基準初期位置から所定角度θ1,θ2だけ回動させた位置)に足パッド101を配置させ、その位置から膝関節のエクステンション動作やフレクション動作のトレーニングを行うと、膝関節の屈曲状態に応じた適正な負荷で運動ができなくなるという問題がある。これは、足パッド101にかかる初期負荷が基準初期位置における初期負荷となり、実際の膝関節の屈曲状態に応じた負荷にならず、図6(a),図6(b)に示すように、現実の負荷曲線A1が最適な負荷曲線A0からずれてしまうためである。つまり、基準初期位置からずれた位置から動作を開始させた場合であっても、基準初期位置から動作を開始した場合における負荷のかかり方と同様になり、最適な負荷曲線A0に沿った負荷のかかり方とならないためである。
本発明は、上記した従来の問題が考慮されたものであり、足パッドの初期位置を調節した場合であっても、膝関節の屈曲状態に応じた適正な負荷で膝関節のトレーニングを行うことができる下肢運動器具を提供することを目的としている。
請求項1記載の発明は、運動者を着座させる座部と、座部の前方に配置され、前記運動者の下肢によって押されることで円弧状に移動する足パッドと、前記運動者の下肢によって押される前記足パッドに負荷を与える負荷導入手段とが備えられ、該負荷導入手段は、上下方向に移動自在のウエイトと鉛直方向に回転自在の回転体とが、上下に折り返されて延在するベルトを介してつるべ井戸状に接続されているとともに、前記回転体に、該回転体の回転によって前記ベルトが巻き掛けられる円弧面が形成され、さらに、前記回転体の回転軸に、該回転軸に交差する方向に延在して前記足パッドを支持する支持アームが固定されている構成からなり、前記運動者の下肢によって前記足パッドが押されて、前記回転体が回転され、前記円弧面に前記ベルトが巻き掛けられて該ベルトが牽引され、前記ウエイトが吊り上げられることで、前記足パッドに負荷が与えられるとともに、前記円弧面が、最適な負荷曲線で足パッドに負荷がかかるような形状に形成されている下肢運動器具において、前記ウエイトと回転体の間で、前記ベルトの一部にそれぞれ巻き掛けられて該ベルトの一部をジグザグ状に延在させる複数のローラと、該複数のローラのうちの少なくとも一つのローラの位置を変更させるローラ位置変更手段とが備えられていて、前記ローラ位置変更手段によって前記ローラの位置を変更させることで、前記ベルトが緩みまたは引っ張られ、これに応じて前記回転体が回転されて足パッドの初期位置を調整するようにしたことを特徴としている。
このような特徴により、ローラ位置変更手段によってローラの位置を変更させることで、回転体側のベルトの端部が緩み或いは引っ張られる。ベルトが緩められると、回転体は円弧面でベルトを巻き取るように回転し、回転体の円弧面にベルトが巻き掛けられる。一方、回転体の円弧面にベルトが巻き掛けられた状態にあるときに、ベルトが引っ張られると、回転体は、円弧面に巻き掛けられたベルトを送り出すように回転する。上記のように回転体が何れかの方向に回転することで、回転軸がそれと同じ方向に軸回転するとともに支持アームも回転軸を中心にして鉛直方向に回転し、足パッドは円弧状に移動される。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の下肢運動器具において、前記ローラ位置変更手段は、前記複数のローラをそれぞれ保持する回転保持体を鉛直方向に回転させるものであることを特徴としている。
このような特徴により、回転保持体を鉛直方向に回転させることで、ローラの位置が変更され、回転体側のベルトの端部が緩み或いは緊張される。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の下肢運動器具において、前記ローラ位置変更手段は、前記複数のローラのうちの少なくとも一つを直線的に移動させるものであることを特徴としている。
このような特徴により、ローラを直線的に移動させることで、ローラの位置が変更され、回転体側のベルトの端部が緩み或いは緊張される。
請求項4記載の発明は、請求項2記載の下肢運動器具において、前記ローラ位置変更手段には、前記回転保持体を回転させるセルフロック機能を有するウォームギア機構が備えられており、該ウォームギア機構は、前記回転保持体の回転軸に設けられたウォームホイールと、該ウォームホイールに噛合されたウォームとを備えた構成からなることを特徴としている。
このような特徴により、ウォームギア機構によって、回転保持体の回転角度が無段階で調整可能である。また、ウォームギア機構のセルフロック機能(自己保持機能)により、出力側(ウォームホイール側)から回転できない状態を得ることができ、何らかの要因で回転保持体を回転させようとする力が働いても、ウォームギア機構のセルフロック機能によって回転保持体の回転が規制される。
本発明に係る下肢運動器具によれば、ローラ位置変更手段によってローラの位置を変更させることで、回転体側のベルトの端部が緩み或いは引っ張られ、これによって、回転体が回転されて足パッドは円弧状に移動されるため、足パッドの初期位置を適宜調整することができ、トレーニングを行う際の膝関節の初期角度を調整することができる。さらに、足パッドの初期位置が調整されるとき、足パッドの初期位置が変化するとともにベルトもそれに応じた所定の円弧面の部分に巻き掛けられた状態になるため、膝関節の屈曲状態に応じた適正な負荷で膝関節のトレーニングを行うことができる。例えば、膝関節を若干曲げた状態を初期位置とし、その状態からフレクション動作のトレーニングを行う場合、その初期位置における負荷は、基準となる初期位置(膝関節が真直ぐに伸ばされた状態の位置)における負荷にはならず、膝関節を若干曲げた実際の状態に適した大きさの負荷となり、さらに、負荷のかかり方が最適な負荷曲線のとおりになる。つまり、如何なる膝関節の屈曲状態からトレーニングを開始しても、膝関節の屈曲角度に応じた最適な負荷曲線上の何れかの位置でスタートされてその最適な負荷曲線に沿って負荷が変化することになり、常に膝関節の屈曲状態に適した負荷を足パッドに与えることができる。
また、複数のローラをそれぞれ保持する回転保持体を鉛直方向に回転させるローラ位置変更手段を用いて、回転保持体を鉛直方向に回転させることで、ローラの位置が変更され、回転体側のベルトの端部が緩み或いは引っ張られるため、上記した下肢運動器具を簡易な構成で実現することができる。
また、複数のローラのうちの少なくとも一つを直線的に移動させるローラ位置変更手段を用いて、ローラを直線的に移動させることで、ローラの位置が変更され、回転体側のベルトの端部が緩み或いは引っ張れるため、上記した下肢運動器具を簡易な構成で実現することができる。
また、ローラ位置変更手段に、回転保持体を回転させるセルフロック機能を有するウォームギア機構が備えられ、このウォームギア機構は、回転保持体の回転軸に設けられたウォームホイールと、ウォームホイールに噛合されたウォームとを備えた構成とすることで、足パッドの初期位置の微調整が可能となり、トレーニングを行う際の膝関節の初期角度を微調整することができる。また、セルフロック機能によって、所定のトルク以下ではウォームギア機構が逆転することがないため、器具の破損を防止することができるとともに安全性を向上させることができる。
以下、本発明に係る下肢運動器具の第1、第2の実施の形態について、図面に基いて説明する。
[第1の実施の形態]
まず、本発明に係る下肢運動器具の第1の実施の形態について説明する。
図1は下肢運動器具1の側面図であり、図2は下肢運動器具1の正面図である。なお、説明の便宜上、図1における左側を前方、右側を後方とし、図2における左右側を側方とする。
図1,図2に示すように、下肢運動器具1は、床面上に載置された基盤フレーム2と、基盤フレーム2の一側部に立設された側壁フレーム3と、基盤フレーム2上に設けられて側壁フレーム3の一側方に配置された座部4と、座部4の前方に配置された足パッド5と、座部4の上方に配置された腿パッド6と、運動者の下肢によって押される足パッド5に負荷を与える負荷導入手段7と、足パッド5の初期位置を調整する足パッド位置調整手段8とから構成されている。
基盤フレーム2は、断面視矩形の鋼管からなる長尺部材を枠状に組んだ構成からなっている。
側壁フレーム3は、断面視矩形の鋼管からなる長尺部材を枠状に組み、その外側面を側板で塞いだ構成からなっている。側壁フレーム3の中央部には、上下にそれぞれ延在する2本平行のガイドロッド9,9が付設されている。
座部4は、運動者を着座させるための部位であり、運動者の臀部を載置させる座面部10と運動者の背中を支持する背もたれ部11とから構成されている。また、座部4には、座面部10を鉛直方向に回転させて座面部10の傾斜角度を調整する座面角度調整機構12と、背もたれ部11を前後方向に移動させて背もたれ部11の位置は調整する背もたれ位置調整機構13とが備えられている。また、座面部10の両側には、運動者が手で握るためのグリップ14,14がそれぞれ設けられている。
足パッド5は、運動者の下肢によって押されることで円弧状に移動する部材であり、左右方向に延在する芯材15に、左右方向に連なって配置された2つの円柱部材16,16が回転可能にそれぞれ外装され、さらにこの円柱部材16,16の外周面に緩衝材17,17がそれぞれ被覆された構成からなっている。
腿パッド6は、運動者の太腿の上面に当接されて運動者の太腿が上がることを防止するものであり、基板19の表面(下側面)に緩衝材20が付設された構成からなっている。腿パッド6は、その傾斜角度と高さが調整可能になっており、また、運動者の太腿に当接する箇所から太腿に接触しない箇所まで移動可能になっている。具体的には、基板19の裏面(上側面)に円筒材21が付設され、この円筒材21の中に水平方向に延在する丸形のパイプ22が一端を円筒材21の外に突出させて挿設されている。円筒材21はパイプ22に対して回転自在に挿装されており、腿パッド6はパイプ22を軸にして鉛直方向に回転可能となっている。また、円筒材21には、円筒材21の内側にボルト状に締め込まれる締込部材23,23が付設されており、この締込部材23,23の先端部がパイプ22に当接されて腿パッド6の回転が係止される。また、パイプ22の一端には鉛直方向に延在するロッド24が固定されており、パイプ22とロッド24とによって腿パッド6を支持するL字状の支持部材25が形成されている。ロッド材24は、鉛直方向に延在する筒材26内に回転および出入れ可能に挿装されており、支持部材25は水平方向に回転可能になっているとともに上下に昇降可能になっている。また、筒材26には、ロッド材24に当接されてロッド材24の回転や出入れを係止する係止部材27が付設されている。筒材26は、基盤フレーム2上に立設された支持フレーム27に固定されており、座部4の側方に配置されている。
負荷導入手段7は、上下方向に移動自在のウエイト28…と鉛直方向に回転自在の回転体(カム)29とが、上下に折り返されて延在するベルト30を介してつるべ井戸状に接続されているとともに、回転体29に、回転体29の回転によってベルト30が巻き掛けられる円弧面31a,31b(後述する図3に示す。)が形成され、さらに、回転体29の回転軸32に、回転軸32に交差する方向に延在して足パッド5を支持する支持アーム33が固定されている構成からなっている。
ウエイト28…は、足パッド5に負荷抵抗を与えるための部材であり、適宜質量に分割された板状の金属塊であり、複数枚が上下方向に積み重ねられている。ウエイト28…の両端には図示せぬ鉛直貫通孔がそれぞれ形成されており、この鉛直貫通孔にガイドロッド9,9がそれぞれ貫通されている。これによって、ウエイト28…はガイドロッド9,9に案内されて上下方向に移動可能となっている。
また、ウエイト28…の中央部にも図示せぬ鉛直貫通孔が形成されており、この鉛直貫通孔には、図示せぬ水平孔が所定ピッチであけられたロッド材34が挿通されている。このロッド材34の上端は、ベルト固定具35を介してベルト30の一端部に固定されている。また、ウエイト28…の側面中央部にも水平貫通孔28aが形成されており、この水平貫通孔28aは、上記したロッド材34が挿通される図示せぬ鉛直貫通孔と交差して形成されており、ウエイト28…の水平貫通孔28aとロッド材34の図示せぬ水平孔とは孔合わせされて連通されている。そして、所定のウエイト28の水平貫通孔28aに、図示せぬ係止ピンを挿入して貫通させ、さらにその奥のロッド材34の図示せぬ水平孔にも当該係止ピンを挿入させることで、ベルト30で吊り上げられるウエイト28…の枚数が決定されてベルト30に作用する重量が設定される。
また、2本のガイドロッド9,9のうちの一方には、ウエイト28…の上昇を規制するエンドストッパー36が付設されている。このエンドストッパー36はガイドロッド9に掴持させた状態で取り付けられており、運動範囲を無段階で調節させることができる。また、最上段のウエイト28の側面中央部には、図示せぬラバーウエイトを取り付けるための水平孔28bが形成されている。そして、この水平孔28bに図示せぬラバーウエイトの芯材を挿入させて、金属塊のウエイト28…よりも軽量であるラバーウエイトを最上段のウエイト28に付設させることで、ベルト30で吊り上げられるウエイト28…にラバーウエイトの重量が加算され、足パッド5に与える負荷が細かく設定される。
図3は回転体29を外側(図2における左側)からみた図である。図1,図2,図3に示すように、回転体29は、左右方向(図2における横方向)に延在する回転軸32を中心に鉛直方向に回転自在に設けられている扇状の板状部材であり、回転体29の回転中心位置に形成された図示せぬ孔に回転軸32が回転自在に貫設されている。回転軸32は、丸棒状のロッド材からなり、側壁フレーム3と支持フレーム27とにそれぞれ付設され且つ回転体29の両側にそれぞれ配置されたブラケット37,37に回転自在にそれぞれ貫設されている。
また、回転体29には、円弧状の外周面の略真中位置から回転体29の中心側に向かってベルト30が嵌め込まれる溝38が形成されており、この溝38の中心側の端部には溝38の幅寸法よりも大きい寸法の開口39が形成されている。開口39内には、ベルト30の他端部を固定するベルト固定具40が設けられている。
図4はエクステンション動作のトレーニングにおける回転体29の動きを表す側面図であり、図5はフレクション動作のトレーニングにおける回転体29の動きを表す側面図である。図3,図4,図5に示すように、回転体29の外縁部には、回転体29の回転によってベルト30が巻き掛けられる円弧面31a,31bがベルト30(溝38)を挟んで両側にそれぞれ形成されている。この円弧面31a,31bは、膝関節のエクステンション・フレクション動作のトレーニングに最適な負荷のかかり方(負荷曲線)が実現されるように楕円弧状に形成されている。具体的には、前方側(図3における右側)の円弧面31aは、足パッド5にかかる負荷のかかり方が、図6(a)に示すようなエクステンション動作のトレーニングにおける最適な負荷曲線A0になるように、横長の楕円弧状に形成されている。一方、後方側の(図3における左側)の円弧面31bは、足パッド5にかかる負荷のかかり方が、図6(b)に示すようなフレクション動作のトレーニングにおける最適な負荷曲線A0になるように、縦長の楕円弧状に形成されている。また、図1に示すように、回転体29の内側(図2における右側)の面には、回転体29の回転中心を中心にして円弧状に並設された複数の被係止孔29a…が形成されている。
また、図1,図2に示すように、回転軸32の中間部には、回転体29の内側(図2における右側)に対向する係止アーム41が突設されており、この係止アーム41の先端には、回転体29に形成された複数の被係止孔29a…のうちの適宜選択されたいずれか一つに嵌入されるプランジャからなる係止部材42が付設されている。係止部材42が被係止孔29a…に嵌入されることで、回転体29と回転軸32とが一体的に回転されるようになり、回転軸32に固定された支持アーム33に支持された足パッド5が回転軸32を中心にして円弧状に動かされたとき、回転軸32とともに回転体29も鉛直方向に回転される。なお、回転体29に形成される被係止孔29a…は、少なくとも、足パッド5を運動者の膝の下方位置(エクステンション動作時の基準初期位置)に配置させるものと、足パッド5を運動者の膝の前方位置(フレクション動作時の基準初期位置)に配置させるものがあればよく、好ましくは、足パッド5をエクステンション動作時の基準初期位置とフレクション動作時の基準初期位置との中間位置に配置させるものがあることが望ましい。
足パッド5を支持する支持アーム33は、回転軸32の内側(図2における右側)の端部に取り付けられている。支持アーム33は、回転軸32に直交する方向に延在されて且つクランク状に形成されたロッド材である。支持アーム33は、係止部材42を被係止孔29a…から外すことで、回転体29との間で相対的に回転可能になっており、回転体29を回転させずに、支持アーム33を回転させることができる構成になっている。
支持アーム33の基端部は、回転軸32に固定されており、その先端部には、軸線方向に延在する長孔43が形成されている。この長孔43には足パッド5の芯材15の端部が挿通されており、足パッド5は、支持アーム33に対して長孔43に沿って移動可能になっている。また、芯材15端部には支持アーム33を両側から挟み込み足パッド5を固定する固定具44が設けられており、長孔43に沿って移動可能な足パッド5は適宜任意の位置で固定される。
また、回転軸32の外側(図2における左側)の端部には、回転軸32を介して足パッド5および支持アーム33との間でバランスをとるカウンターウエイト45が設けられている。このカウンターウエイト45は、回転軸32に直交する方向に延在されているアーム46の先端に円柱形状の質量体47が設けられた構成からなっている。質量体47を支持するアーム46は、足パッド5を支持する支持アーム33の反対方向に向けて延在されており、これによって足パッド5および支持アーム33との間でバランスが保たれている。
ベルト30は、一端がウエイト28…に、他端が回転体29にそれぞれ取り付けられた可撓性を有する帯状の部材である。ベルト30は、ウエイト28…及び回転体29の上方に配置されて側壁フレーム3の上部に取り付けられた支点ローラ48,48によって上下に折り返えされて延在されている。
図3,図4,図5に示すように、回転体29の上方には、ベルト30を案内する一対のガイドローラ49,49が設けられている。一対のガイドローラ49,49は、互いに近接させて配置されており、ベルト30を挟むようにベルト30の前後(図1における左右側)にそれぞれ配置されている。
また、一対のガイドローラ49,49は、側壁フレーム3に固定された筐体50内にそれぞれ回転可能に軸支されている。
図1,図2に示すように、足パッド5の初期位置を調整する足パッド位置調整手段8は、一対のガイドローラ49,49の上方に設けられている。足パッド位置調整手段8は、ベルト30の一部にそれぞれ巻き掛けられてベルト30の一部をジグザグ状に延在させる一対のローラ51a,51bと、一対のローラ51a,51bの位置を変更させるローラ位置変更手段52とから構成されている。
一対のローラ51a,51bは、支点ローラ48,48から下方に延在するベルト30を上方に向けて折り返す一方のローラ51aと、その一方のローラ51aから上方に延在するベルト30を下方に折り返す他方のローラ51bとからなっており、ベルト30は一対のローラ51a,51bにS字状に巻回されている。
図7は足パッド位置調整手段8を内側(図2における右側)からみた拡大側面図であり、図8は足パッド位置調整手段8の断面図である。図1,図7,図8に示すように、ローラ位置変更手段52は、一対のローラ51a,51bをそれぞれ保持する回転保持体53を鉛直方向に回転させて一対のローラ51a,51bの位置を変更させるものであり、具体的には、側壁フレーム3に固定された基盤54と、この基盤54に回転可能に取り付けられた回転保持体53と、回転自在の回転保持体53を所定の位置で係止させる係止部材56と、回転自在の回転保持体53を一定の範囲内で回転させるストッパー57とから構成されている。
基盤54は、鉛直に配置された半円形状の板部58に、円柱形の内周孔を有する筒部59が突設された構成からなる部材であり、筒部59を、側壁フレーム3に形成された孔3aに嵌合させることで取り付けられている。筒部59は、半円形状の板部58の円中心の位置に設けられている。また、板部58は、外側(図2における左側)の面がフラットであり、内側(図2における右側)の面の中央が半円状に窪んだ形状になっており、外周部が中央部よりも厚く形成されている。また、板部58の外周部には、係止部材56を嵌入させるための複数の孔54a…が形成されている。これらの複数の孔54a…は、板部58の円周に沿って円弧状に並設されている。
回転保持体53は、一対のローラ51a,51bを両側から挟み込む略半円形状の一対のプレート60,61と、対向する一対のプレート60,61間に架設されて一対のローラ51a,51bをそれぞれ軸支する枢軸部材62,62と、基盤54側のプレート60に突設されて基盤54の筒部59に枢着される円柱形状の回転軸55とから構成されている。基盤54側のプレート60は、板部58の窪み部分に対向して配置されている。もう一方のプレート61は、基盤54側のプレート60のよりも大径のものであり、その外周部が板部58の外周部に対向されている。枢軸部材62,62は、一対のローラ51a,51bにベアリング63,63を介して回転可能にそれぞれ貫設されている。回転軸55は、基盤54側のプレート60に接合されているとともに、基盤54の筒部59内に回転可能に嵌合されている。
図9は係止部材56を表す拡大断面図である。図7,図9に示すように、係止部材56は、表側(基盤54側と反対側)のプレート61のうち、基盤54の孔54a…に対向する位置(外周部)に付設されており、回転保持体53に付設されて基盤54に形成された複数の孔54a…のうちの適宜選択されたいずれか一つに嵌入される部材である。具体的には、ノブ56aを回転或いは押し引きすることでピン56bが基盤54の孔54a内から出し入れされる部材であり、例えばプランジャ等である。この係止部材56のピン56bが基盤54の孔54a…に嵌入されることで、回転自在の回転保持体53が係止され、一対のローラ51a,51bが一定の位置に保持される。
図10はストッパー57を表す拡大断面図である。図7,図10に示すように、ストッパー57は、基盤54側のプレート60の外周部に突設されたピン部材であり、基盤54の板部58の縁に当接される。また、ストッパー57が当接される箇所の板部58には、ストッパー57が入り込む凹部58aが形成されている。ストッパー57が板部58に当接することで、回転保持体53の回転が規制され、回転保持体53が一定以上回転できないようになっており、これによって、一対のローラ51a,51bの移動範囲が規制されている。
次に、上記した構成からなる下肢運動器具1の使用方法について説明する。
まず、エクステンション動作のトレーニングを行う場合について説明する。
初めに、図1,図2に示すように、運動者を座部4に着座させる。このとき、予め、座面角度調整機構12によって座面部10の傾斜角度を運動者に合わせて調整するとともに、背もたれ位置調整機構13によって背もたれ部11の位置を運動者に合わせて調整する。また、運動者を座部4に着座させる際は、腿パッド6を運動者から離した位置に移動させておき、運転者が座部4に着座した後、腿パッド6を運転者の太腿の上に配置する。
また、運動者を座部4に着座させる際は、足パッド5を、運転者の邪魔にならない位置、例えばフレクション動作のトレーニングにおける初期位置に配置させておき、運転者が座部4に着座した後、足パッド5を運転者の下肢(向うすね)に当接させる。具体的には、運動者を座部4に着座させる際は、係止アーム41の先端に付設された係止部材42を、後方側(図1における右側)の被係止孔29a内に嵌入させて、足パッド5を運動者の膝の前方位置に配置させておく。そして、運転者が座部4に着座した後、後方側の被係止孔29a内から係止部材42を引き抜いて、回転軸32を軸にして支持アーム33及び足パッド5(およびカウンターウエイト45)を一体的に回転させ、係止部材42を前方側(図1における左側)の被係止孔29a内に嵌入させて、足パッド5を運動者の膝の下方位置に配置させ、足パッド5を運転者の向うすねに当接させる。
このとき、図4(a)に示すように、回転体29は、回転体29に形成された溝38が一対のガイドローラ49,49間に向けられた状態になっており、ベルト30は、両側の円弧面31a,31bのどちらにも巻き掛けられてなく、溝38の出口部分から一対のガイドローラ49,49間に向けて略真直ぐ延在されている。また、ローラ位置変更手段52の係止部材56は、基盤54の上側の端にある孔54aに嵌入されており、足パッド位置調整手段8の一対のローラ51a,51bは、一方のローラ51aが他方のローラ51bよりも下に配置された上下並びの状態になっている。
次いで、図11に示すように、ローラ位置変更手段52によって一対のローラ51a,51bを回転させることで、足パッド5の位置を微調整し、足パッド5の初期位置を設定する。
具体的には、当初の足パッド5の位置よりも前方側に足パッド5の初期位置を調整する場合、ローラ位置変更手段52の係止部材56を引き抜き、一対のローラ51a,51bを、例えば横並びになる状態、或いは一対のローラ51a,51bが上下逆転する状態まで回転させ、基盤54の孔54a…のうち所定の位置の孔54a…に係止部材56を嵌入させる。これにより、ローラ51bより先(回転体29側)の部分のベルト30が緩み、回転体29が前方側の円弧面31aにベルト30を巻き掛けながら図1における時計回りに回転する。これによって、係止部材56によって回転体29と一体になっている回転軸32が回転体29と同じ方向に回転し、回転軸32に支持アーム33を介して接合された足パッド5は前方側に向かって円弧状に移動する。
また、上記のように前方側に向かって移動された足パッド5を後方側に戻して足パッド5の初期位置を調整する場合、ローラ位置変更手段52の係止部材56を基盤54の孔54aから引き抜き、一対のローラ51a,51bを上記した方向と反対方向に回転させる。これにより、回転体29側のベルト30端部が引っ張られ、前方側の円弧面31aに巻き掛けられたベルト30を送り出しつつ回転体29が図1における反時計回りに回転し、係止部材56によって回転体29と一体になっている回転軸32が回転体29と同じ方向に回転し、回転軸32に支持アーム33を介して接合された足パッド5は後方側に向かって円弧状に移動する。
次いで、所定の初期位置に配置された足パッド5を運動者が下肢で押し上げることで、膝関節のエクステンション動作のトレーニングを行う。具体的には、図4(a)に示すように、足パッド5を運動者が下肢で押し上げると、回転軸32が図4における反時計回りに回転し、係止部材56により回転軸32に係止された回転体29は同じく図4における反時計回りに軸回転する。回転体29が回転することで、図4(b)に示すように、ベルト30を巻き取るように前方側の円弧面31aにベルト30が巻き掛けられ、ベルト30が牽引される。ベルト30が牽引されることで、ベルト30に取り付けられたウエイト28…が吊り上げられ、このウエイト28…の重量によって円弧状に動かされる足パッド5に負荷が与えられる。
次に、フレクション動作のトレーニングを行う場合について説明する。
初めに、上述したエクステンション動作の場合と同様にして、運動者を座部4に着座させる。このとき、運動者を座部4に着座させる際は、足パッド5を、運転者の邪魔にならない位置に配置させておく必要があるが、足パッド5は、運動者を座部4に着座させる前に、予め、係止部材42を後方側(図1における左側)の被係止孔29a内に嵌入させて足パッド5を運動者の膝の前方位置(フレクション動作における基準初期位置)に配置させておいてもよく、或いは、運転者が座部4に着座した後、回転軸32を軸にして支持アーム33及び足パッド5を一体的に回転させ、足パッド5をフレクション動作における基準初期位置まで移動させてもよい。
また、このとき、上述したエクステンション動作の場合と同様に、図5(a)に示すように、回転体29は、回転体29に形成された溝38が一対のガイドローラ49,49間に向けられた状態になっており、ベルト30は、両側の円弧面31a,31bのどちらにも巻き掛けられてなく、溝38の出口部分から一対のガイドローラ49,49間に向けて略真直ぐ延在されている。また、ローラ位置変更手段52の係止部材56は、基盤54の上側の端にある孔54aに嵌入されており、足パッド位置調整手段8の一対のローラ51a,51bは、一方のローラ51aが他方のローラ51bよりも下に配置された上下並びの状態になっている。
次に、上述したエクステンション動作の場合と同様に、図11に示すように、ローラ位置変更手段52によって一対のローラ51a,51bを回転させることで、足パッド5の位置を微調整し、足パッド5の初期位置を設定する。このとき、一対のローラ51a,51bを、例えば横並びになる状態、或いは一対のローラ51a,51bが上下逆転する状態まで回転させることで、ローラ51bよりも回転体29側のベルト30が緩み、回転体29が後方側の円弧面31bにベルト30を巻き掛けながら図1における反時計回りに回転する。これによって、係止部材56によって回転体29と一体になっている回転軸32が回転体29と同じ方向に回転し、回転軸32に支持アーム33を介して接合された足パッド5は後方に向かって円弧状に移動する。
次に、所定の初期位置に配置された足パッド5を運動者が下肢で押し下げることで、膝関節のフレクション動作のトレーニングを行う。具体的には、図5(a)に示すように、足パッド5を運動者が下肢で押し下げると、回転軸32が図5における時計回りに回転し、係止部材56により回転軸32に係止された回転体29は同じく図5における時計回りに回転する。回転体29が回転することで、,図5(b)に示すように、ベルト30を巻き取るように後方側の円弧面31aにベルト30が巻き掛けられ、ベルト30が牽引される。ベルト30が牽引されることで、ベルト30に取り付けられたウエイト28…が吊り上げられ、このウエイト28…の重量によって円弧状に動かされる足パッド5に負荷が与えられる。
上記した構成からなる下肢運動器具1によれば、ベルト30の一部にそれぞれ巻き掛けられてベルト30の一部をジグザグ状に延在させる一対のローラ51a,51bと、一対のローラ51a,51bの位置を変更させるローラ位置変更手段52とが備えられた構成になっており、このローラ位置変更手段52によって一対のローラ51a,51bの位置を変更させることで、回転体29側のベルト30の端部が緩み或いは引っ張られる。これによって、回転体29が回転されて足パッド5は円弧状に移動され、足パッド5の初期位置を適宜調整することができ、トレーニングを行う際の膝関節の初期角度を調整することができる。
さらに、足パッド5の初期位置が調整されるとき、足パッド5の初期位置が変化するとともにベルト30もそれに応じた所定の円弧面31a,31bの部分に巻き掛けられた状態になるため、膝関節の屈曲状態に応じた適正な負荷で膝関節のトレーニングを行うことができる。例えば、下肢を若干上げた状態を初期位置とし、その状態からエクステンション動作のトレーニングを行う場合、その初期位置における負荷は、基準となる初期位置(膝関節が略直角に曲げられた状態の位置)における負荷にはならず、下肢を若干上げた実際の状態に適した大きさの負荷となり、さらに、負荷のかかり方が図6(a)に示す最適な負荷曲線A0のとおりになる。一方、膝関節を若干曲げた状態を初期位置とし、その状態からフレクション動作のトレーニングを行う場合、その初期位置における負荷は、基準となる初期位置(膝関節が真直ぐに伸ばされた状態の位置)における負荷にはならず、膝関節を若干曲げた実際の状態に適した大きさの負荷となり、さらに、負荷のかかり方が図6(b)に示す最適な負荷曲線A0のとおりになる。つまり、如何なる膝関節の屈曲状態からトレーニングを開始しても、膝関節の屈曲角度に応じた最適な負荷曲線A0上の何れかの位置でスタートされてその最適な負荷曲線A0に沿って負荷が変化することになり、常に膝関節の屈曲状態に適した負荷を足パッド5に与えることができる。
また、一対のローラ51a,51bをそれぞれ保持する回転保持体53を鉛直方向に回転させるローラ位置変更手段52が備えられた構成になっているため、回転保持体53を鉛直方向に回転させることで、一対のローラ51a,51bの位置が変更され、回転体29側のベルト30の端部が緩み或いは引っ張られる。これによって、上記した下肢運動器具1を簡易な構成で実現することができる。
また、支持アーム33が回転体29との間で相対的に回転可能に取り付けられて、また、回転体29には、ベルト30を挟んで両側に円弧面31a,31bがそれぞれ形成された構成になっているため、回転体29を回転させずに支持アーム33を回転させることで、足パッド5の初期位置が切替可能となるとともに、このとき、回転体29が何れの方向に回転した場合であってもベルト30が円弧面31a,31bに巻き掛けられ、足パッド5に適正な負荷が与えられる。これによって、支持アーム33の角度を切り替えるだけで、エクステンション動作とフレクション動作との切替えを行うことができ、一台で両方のトレーニングを適正な負荷で行うことができる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明に係る下肢運動器具の第2の実施の形態について説明する。なお、上記した第1の実施の形態と同様の構成についてはその説明を省略し、また、第1の実施の形態と同様の構成要素については同一の符号を付す。
図12はローラ位置変更手段52’を内側からみた側面図であり、図13はローラ位置変更手段52’を外側からみた側面図であり、図14は図12に示すX−X間の断面図であり、図15は図12に示すY−Y間の断面図である。
図12、図13、図14、図15に示すように、ローラ位置変更手段52’は、一対のローラ51a,51bをそれぞれ保持する回転保持体53’と、回転保持体53’を回転させるウォームギア機構64と、ウォームギア機構64を駆動させるノブ65と、側壁フレーム3に取り付けられたウォーム受け金具66とから構成されている。
回転保持体53’は、一対のローラ51a,51bを両側から挟み込む円形状の一対のプレート60’,61’と、対向する一対のプレート60’,61’間に架設されて一対のローラ51a,51bをそれぞれ軸支する枢軸部材62,62と、側壁フレーム3側(外側)のプレート60’に突設された円柱形状の回転軸55’とから構成されている。回転軸55’は、側壁フレーム3側のプレート60の中心位置に接合されているとともに、側壁フレーム3に取り付けられた筒部59に挿通されて筒部59内に回転可能に嵌合されている。なお、筒部59は、側壁フレーム3に形成された孔3aの中に嵌合されている。
ウォームギア機構64は、回転保持体53’の回転軸55’に設けられたウォームホイール67と、ウォームホイール67に噛合されたウォーム68とから構成されている。ウォームホイール67は、外周面に凸凹の歯67aが形成された円盤状の歯車であり、側壁フレーム3から外側に配置されている。ウォームホイール67は、側壁フレーム3から外側に突出された回転軸55’の外側端(回転保持体53’の反対側の端部)に取り付けられており、ウォームホイール67が回転すると回転軸55’が軸回転して回転保持体53’が回転する仕組みになっている。ウォーム68は、ウォーム受け金具66に軸回転可能に保持された雄ネジ状の部材であり、その外周面には螺旋状に延在するネジ山状のウォーム歯68aが形成されている。ウォームギア機構64は、ウォームホイール67の歯67aとウォーム68のウォーム歯68aとがすべり接触することで、ウォーム68からウォームホイール67へ動力が伝達されるものであり、ウォーム68が軸回転すると、当該ウォーム68に噛合されたウォームホイール67が回転する。
また、ウォームギア機構64は、セルフロック機能(自己保持機能)を有している。このセルフロック機能は、ウォーム68からウォームホイール67への動力伝達のみを可能にする、つまり、ウォーム68からしか駆動できない状態にして、所定のトルク以下であれば出力側(ウォームホイール67側)から回転させることができない状態にする機能である。このセルフロック機能によれば、ウォームホイール67が所定トルク以下で回転しようとしてもウォームギア機構64がロックされた状態になって、ウォームホイール67の回転が規制される。なお、上記したセルフロック機能は、ウォーム68の進み角を小さくするとその効率が低下し、また、荷重の変化や振動によって出力側から逆転することがある。したがって、ウォームギア機構64の減速比は1/40〜1/60の範囲に設定することが好ましい。
ノブ65は、ウォーム68を軸回転させるためのものであり、ウォーム68のシャフト69の上端に取り付けられている。このノブ65を回転させると、シャフト69が軸回転し、ウォーム68が軸回転される。
なお、符号70はウォームギア機構64を覆うカバーであり、図13では当該カバー70が省略されている。
上記した構成からなるローラ位置変更手段52’を備える下肢運動器具によれば、ウォームギア機構64によって、回転保持体53’の回転角度が無段階で調整可能である。つまり、例えば、上記した第1の実施の形態におけるローラ位置変更手段52では、基盤54に形成された孔54a…のうちの何れか1つにピン56bを差し込んで係止させる構成であるため、孔54a…のピッチ間隔でしか回転保持体53’の回転角度を調整することができないが、上記した構成からなるローラ位置変更手段52’によれば、連続的な無段階調整が可能であるため、回転角度の微調整が可能となる。これによって、足パッド5の初期位置の微調整が可能となり、トレーニングを行う際の膝関節の初期角度を微調整することができる。
また、ウォームギア機構64のセルフロック機能により、出力側(ウォームホイール67側)から回転できない状態を得ることができ、何らかの要因で回転保持体53’を回転させようとする力が働いても、上記セルフロック機能によって回転保持体53’の回転が規制される。
例えば、上記した第1の実施の形態におけるローラ位置変更手段52では、基盤54に形成された孔54a…のうちの何れか1つにピン56bを差し込んで係止させる構成であるため、不注意や不慮の事態によって、ベルト30にテンションがかかった状態のときにピン56bが引き抜かれると、ベルト30が引張られて回転保持体53が急回転する。この場合、器具が破損するおそれがあるとともに、ピン56bを引き抜いた者や当該下肢運動器具に座っていた者に危害が及ぶ危険性があるため、当該下肢運動器具を使用する際、ベルト30にテンションがかかった状態のときにピン56bが引き抜かれる事が無いように相当の注意を払う必要がある。
これに対し、上記したセルフロック機能付きのウォームギア機構64を備えるローラ位置変更手段52’では、所定のトルク以下ではウォームギア機構64が逆転することがないため、器具の破損を防止することができるとともに安全性を向上させることができる。
以上、本発明に係る下肢運動器具の実施の形態について説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、上記した実施の形態では、一対のローラ51a,51bをそれぞれ保持する回転保持体53を鉛直方向に回転させるローラ位置変更手段52、が備えられた構成になっているが、本発明は、図16に示すように、一対のローラ51a,51bのうち一方を直線的に移動させるローラ位置変更手段52”が備えられた構成であってもよい。一方のローラ51aを直線的に移動させる機構としては、例えば、直線的に形成された図示せぬガイドレールに図示せぬランナーを嵌合させ、このランナーにローラ51aを取り付ける機構があり、或いは、図示せぬシリンダーのピストンの先端にローラ51aを取り付けた機構であってもよく、ローラ51aを移動させる機構は周知の機構を適宜適用することが可能である。なお、本発明は、一つのローラ51aを直線移動させる場合に限らず、複数のローラをそれぞれ直線移動させてもよい。
また、上記した実施の形態では、一対(2つ)のローラ51a,51bが備えられた構成になっているが、本発明は、3つ以上のローラが備えられた構成になっていてもよく、ローラの数は適宜変更可能である。
また、上記した実施の形態では、一対のローラ51a,51bをそれぞれ保持する回転保持体53を手動で回転させ、所定位置で係止部材56を基盤54の孔54に嵌入させ、回転保持体53を係止させる構成になっているが、本発明は、回転保持体53をモータ等で回転させる構成であってもよく、その他、ラックとピニオンとからなる機構やギヤとベルトとからなる機構によって回転保持体を回転させる構成であってもよく、回転保持体を回転させる手段は適宜変更可能である。
また、上記した実施の形態では、エクステンション動作およびフレクション動作の両方のトレーニングが行えるように、支持アーム33が回転体29との間で相対的に回転可能に取り付けられて、また、回転体29には、ベルト30を挟んで両側に円弧面31a,31bがそれぞれ形成された構成になっているが、本発明は、エクステンション動作又はフレクション動作のいずれか一方のみのトレーニングを行う下肢運動器具であってもよく、この場合、回転体と回転軸と支持アームと足パッドとが一体的に形成され、また、回転体に形成される円弧面も何れか一方のみとなる。
また、上記した実施の形態において、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、下肢運動器具1の各部の構造や材料等について他の構成を採用しても構わず、本発明は、上記した構成を適宜組み合わせた他の構成であってもよい。
本発明に係る下肢運動器具の第1の実施の形態を説明するための側面図である。 本発明に係る下肢運動器具の第1の実施の形態を説明するための正面図である。 本発明に係る下肢運動器具の第1の実施の形態を説明するための回転体の側面図である。 本発明に係る下肢運動器具の第1の実施の形態を説明するためのエクステンション動作のトレーニング時における回転体の動作を表した図である。 本発明に係る下肢運動器具の第1の実施の形態を説明するためのフレクション動作のトレーニング時における回転体の動作を表した図である。 本発明に係る下肢運動器具の第1の実施の形態を説明するための足パッドの最適な負荷曲線を表した図である。 本発明に係る下肢運動器具の第1の実施の形態を説明するためのローラとローラ位置変更手段とを表した側面図である。 本発明に係る下肢運動器具の第1の実施の形態を説明するためのローラとローラ位置変更手段とを表した断面図である。 本発明に係る下肢運動器具の第1の実施の形態を説明するためのローラ位置変更手段の部分詳細図である。 本発明に係る下肢運動器具の第1の実施の形態を説明するためのローラ位置変更手段の部分詳細図である。 本発明に係る下肢運動器具の第1の実施の形態を説明するためのローラとローラ位置変更手段との動きを表した側面図である。 本発明に係る下肢運動器具の第2の実施の形態を説明するためのローラ位置変更手段を表した側面図である。 本発明に係る下肢運動器具の第2の実施の形態を説明するためのローラ位置変更手段を表した側面図である。 本発明に係る下肢運動器具の第2の実施の形態を説明するためのローラ位置変更手段を表した断面図である。 本発明に係る下肢運動器具の第2の実施の形態を説明するためのローラ位置変更手段を表した断面図である。 本発明に係る下肢運動器具の他の実施の形態を説明するための側面図である。 従来の下肢運動器具を説明するための側面図である。
符号の説明
4 座部
5 足パッド
7 負荷導入手段
28 ウエイト
29 回転体
30 ベルト
31a,31b 円弧面
32 回転軸
33 支持アーム
51a,51b ローラ
52,52’,52” ローラ位置変更手段
53,53’ 回転保持体
55’ 回転軸
64 ウォームギア機構
67 ウォームホイール
68 ウォーム

Claims (4)

  1. 運動者を着座させる座部と、座部の前方に配置され、前記運動者の下肢によって押されることで円弧状に移動する足パッドと、前記運動者の下肢によって押される前記足パッドに負荷を与える負荷導入手段とが備えられ、
    該負荷導入手段は、上下方向に移動自在のウエイトと鉛直方向に回転自在の回転体とが、上下に折り返されて延在するベルトを介してつるべ井戸状に接続されているとともに、前記回転体に、該回転体の回転によって前記ベルトが巻き掛けられる円弧面が形成され、さらに、前記回転体の回転軸に、該回転軸に交差する方向に延在して前記足パッドを支持する支持アームが固定されている構成からなり、
    前記運動者の下肢によって前記足パッドが押されて、前記回転体が回転され、前記円弧面に前記ベルトが巻き掛けられて該ベルトが牽引され、前記ウエイトが吊り上げられることで、前記足パッドに負荷が与えられるとともに、前記円弧面が、最適な負荷曲線で足パッドに負荷がかかるような形状に形成されている下肢運動器具において、
    前記ウエイトと回転体の間で、前記ベルトの一部にそれぞれ巻き掛けられて該ベルトの一部をジグザグ状に延在させる複数のローラと、該複数のローラのうちの少なくとも一つのローラの位置を変更させるローラ位置変更手段とが備えられていて、
    前記ローラ位置変更手段によって前記ローラの位置を変更させることで、前記ベルトが緩みまたは引っ張られ、これに応じて前記回転体が回転されて足パッドの初期位置を調整するようにしたことを特徴とする下肢運動器具。
  2. 請求項1記載の下肢運動器具において、
    前記ローラ位置変更手段は、前記複数のローラをそれぞれ保持する回転保持体を鉛直方向に回転させるものであることを特徴とする下肢運動器具。
  3. 請求項1記載の下肢運動器具において、
    前記ローラ位置変更手段は、前記複数のローラのうちの少なくとも一つを直線的に移動させるものであることを特徴とする下肢運動器具。
  4. 請求項2記載の下肢運動器具において、
    前記ローラ位置変更手段には、前記回転保持体を回転させるセルフロック機能を有するウォームギア機構が備えられており、
    該ウォームギア機構は、前記回転保持体の回転軸に設けられたウォームホイールと、該ウォームホイールに噛合されたウォームとを備えた構成からなることを特徴とする下肢運動器具。
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