JP4809643B2 - ポリウレタン発泡体 - Google Patents
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請求項3に記載の発明のポリウレタン発泡体は、請求項1又は請求項2に係る発明において、JIS Z8808に準拠して測定されるアセトアルデヒドの揮発量が、0.03ppm以下であることを特徴とするものである。
請求項1に記載の発明のポリウレタン発泡体においては、ポリウレタン発泡体の原料には、数平均分子量が350〜4000であり、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、及びラクトン系酸化防止剤から選ばれる1種又は2種以上の酸化防止剤が、ポリオール類100質量部当たり1〜20質量部含まれている。酸化防止剤の配合量は従来に比べて十分に多い。特に熔解処理時においてポリウレタン発泡体中に生成するラジカルは、可燃性ガス、酸素ガス等が熔解工程を経ることにより発生する。このラジカルが未反応の末端水酸基を酸化させるため、ラジカルを酸化防止剤が捕捉することで酸化が抑制され、アルデヒド類、カルボン酸類等の揮発性有機化合物の発生が抑えられる。しかも、酸化防止剤の数平均分子量が十分に大きいことから、ラジカルの吸収及び放出に伴うエネルギー緩和が行われるものと推測され、自身の分解が抑えられる。従って、熔解処理時における発泡体の酸化が抑えられ、特に揮発性有機化合物の発生を抑制することができる。
本実施形態におけるポリウレタン発泡体は次のようにして製造される。すなわち、ポリオール類、ポリイソシアネート類、触媒及び発泡剤を含むポリウレタン発泡体の原料を反応、発泡及び硬化させて得られる発泡体を熔解処理しセル膜を除去することによって製造される。この場合、ポリウレタン発泡体の原料には数平均分子量が350〜4000の酸化防止剤が、ポリオール類100質量部当たり1〜20質量部配合される。ここで、酸化防止剤の数平均分子量は、混合物である場合の平均の分子量を表すが、本発明では単一化合物の場合の分子量をも含む概念として使用する。また、本実施形態のポリウレタン発泡体は、熔解処理により連続気泡構造を有し、復元性を有しない発泡体を意味する。
(ポリオール類)
ポリオール類としては、ポリエーテルポリオール又はポリエステルポリオールが用いられるが、ポリイソシアネート類との反応性が高く、ポリウレタン発泡体が加水分解しない等の点からポリエーテルポリオールが好ましい。
(ポリイソシアネート類)
次に、ポリエーテルポリオールと反応させるポリイソシアネート類はイソシアネート基を複数有する化合物であって、具体的にはトリレンジイソシアネート(TDI)、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、トリフェニルメタントリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、これらの変性物等が用いられる。
(発泡剤)
発泡剤はポリウレタン樹脂を発泡させてポリウレタン発泡体とするためのもので、例えば水のほかペンタン、シクロペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ジクロロメタン、炭酸ガス等が用いられる。これらの発泡剤うち、ポリイソシアネート類と速やかに反応して十分な炭酸ガスを発生でき、取扱いが良好である点から水が好ましい。発泡剤の配合量は、ポリオール類100質量部当たり1〜5質量部であることが好ましい。発泡剤の配合量が1質量部未満の場合には、発泡が不十分となり、低密度の発泡体が得られ難くなる。一方、5質量部を越える場合には、発泡が過剰となり、発泡体の硬さ、引張強さ等の物性が低下する。
(触媒)
触媒は主としてポリオール類とポリイソシアネート類とのウレタン化反応を促進するためのものである。触媒として具体的には、トリエチレンジアミン、ジメチルエタノールアミン、N,N´,N´−トリメチルアミノエチルピペラジン等の第3級アミン、オクチル酸スズ(スズオクトエート)等の有機金属化合物、酢酸塩、アルカリ金属アルコラート等が単独、或いは混合して用いられる。触媒の配合量は、ポリオール類100質量部当たり0.5〜1.5質量部であることが好ましい。触媒の配合量が0.5質量部未満の場合、ウレタン化反応の進行が十分ではなく、発泡体の機械的物性等が低下する傾向を示す。一方、1.5質量部を越える場合、ウレタン化反応の進行が過度になって発泡体の形成に偏りが生じて好ましくない。
(整泡剤)
整泡剤としては、ポリウレタン発泡体の製造に際して一般に使用されるものを用いることができる。整泡剤として具体的には、シリコーン化合物、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム等のアニオン系界面活性剤、ポリエーテルシロキサン、フェノール系化合物等が用いられる。これらの中でも、線状或いは分枝状ポリエーテル−シロキサン共重合体が好ましく、特に連通性を高めるためには整泡力の低い線状ポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体がより好ましい。整泡剤の配合量は、ポリオール類100質量部当たり0.5〜2.5質量部であることが好ましい。この配合量が0.5質量部未満の場合には、ポリウレタン発泡体の原料の発泡時における整泡作用が十分に発現されず、良好な発泡体を得ることが難しくなる。一方、2.5質量部を越える場合には、整泡作用が強くなり、セルの連通性が低下する傾向を示す。
(酸化防止剤)
酸化防止剤は、特に発泡体の熔解処理時において、発泡体の酸化により発生するラジカル(フリーラジカル)を捕捉して酸化を停止させる作用を有する物質である。このような酸化防止剤としては、数平均分子量が高く、揮発性が低い化合物、すなわち数平均分子量が350〜4000の化合物が使用される。その数平均分子量としては、350〜1200であることが好ましい。数平均分子量が350未満の場合には、熔解処理時において酸化防止剤が揮発したり、分解したりして揮発性有機化合物の揮発量が増大する。一方、数平均分子量が4000を越える場合には、酸化防止剤の製造或いは入手が困難となる。
(その他の配合剤)
ポリウレタン発泡体の原料にはその他必要に応じて、架橋剤、充填剤、安定剤、着色剤、難燃剤、可塑剤等が配合される。
ポリウレタン発泡体の原料を反応させて発泡及び硬化させることによりポリウレタン発泡体が製造されるが、その際の反応は複雑であり、基本的には次のような反応が主体となっている。すなわち、ポリオール類とポリイソシアネート類との付加重合反応(ウレタン化反応、樹脂化反応)、ポリイソシアネート類と発泡剤としての水との泡化(発泡)反応及びこれらの反応生成物とポリイソシアネート類との架橋(硬化)反応である。ポリウレタン発泡体を製造する場合には、ポリオール類とポリイソシアネート類とを直接反応させるワンショット法、或いはポリオール類とポリイソシアネート類とを事前に反応させて末端にイソシアネート基を有するプレポリマーを得、それにポリオール類を反応させるプレポリマー法のいずれも採用される。いずれの場合にも、酸化防止剤をポリオール類に混合することが好ましく、その場合酸化防止剤をポリオール類に十分に攪拌、混合する。そして、ポリオール類とポリイソシアネート類との混合液、或いはプレポリマーとポリオール類との混合液に、発泡剤を混和し、さらに整泡剤及び触媒を添加し、それらの原料を反応、発泡及び硬化させる。
・ 本実施形態のポリウレタン発泡体においては、ポリウレタン発泡体の原料には数平均分子量350〜4000の酸化防止剤が、ポリオール類100質量部当たり1〜20質量部含まれている。この酸化防止剤の配合量は従来に比べて十分に多い。特に、熔解処理時においてポリウレタン発泡体中に生成するラジカルは、可燃性ガス、酸素ガス等が熔解工程を経ることにより発生する。このラジカルが未反応の末端水酸基を酸化させるため、ラジカルを酸化防止剤が捕捉することで酸化が抑制され、アルデヒド類、カルボン酸類等の揮発性有機化合物の発生が抑えられる。しかも、酸化防止剤の数平均分子量が十分に大きいことから、ラジカルの吸収及び放出に伴うエネルギー緩和が行われるものと推測され、自身の分解が抑えられる。従って、熔解処理時における発泡体の酸化が抑えられ、特に揮発性有機化合物の発生を抑制することができる。
・ また、アセトアルデヒドの揮発量が0.03ppm以下であることにより、アセトアルデヒドの室内濃度指針値をクリアすることができる。さらに、プロピオン酸の揮発量が1.0ppm以下であることにより、プロピオン酸に基づくにおいを軽減することができる。
・ ポリウレタン発泡体原料のポリオール類がポリエーテルポリオールであることにより、発泡体が大気中のオゾンによって劣化しやすい場合でも酸化防止剤の効果を十分に発揮させることができる。
(実施例1〜9及び比較例1〜10)
まず、各実施例及び比較例で用いたポリオール類、ポリイソシアネート類、発泡剤、整泡剤及び触媒よりなるポリウレタン発泡体の原料を以下に示す。酸化防止剤は4種類の物質を用い、それぞれA、B、C及びDとした。
触媒:トリエチレンジアミン、エアプロダクツ(Air products)社製の商品名33LV。
整泡剤:シリコーン系整泡剤、東レダウコーニング(株)製の商品名SZ−1136。
酸化防止剤A:トリブチルヒドロキシトルエン(tributylhydroxytoluene)(BHT)(分子量278)。
酸化防止剤D:5,7−ジ−tert−ブチル−3−(3,4−ジメチルフェニル)−3H−ベンゾフラン−2−オン(数平均分子量350)。
硬さ(N):JIS K6400−2(A法)に準拠して測定した。
引張強さ(kPa):JIS K6400−5(2004)に準拠して測定した。
アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド及びプロピオン酸の揮発量(ppm)は、次に示す方法で測定を行った。すなわち、1Lのガラスデシタケータにポリウレタン発泡体のサンプル(縦30mm、横30mm及び厚さ5mm)を入れた後、窒素置換を実施し、65℃の恒温槽に2時間放置する。その後、ガラスデシタケータ中のガスを吸引し、ガスクロマトグラフを用いて、JIS Z8808に準拠して、測定を実施した。なお、厚生労働省の2002年1月22日に設定された、アセトアルデヒドの室内濃度指針値は、48μg/m3(0.03ppm)である。この48μg/m3(0.03ppm)をアセトアルデヒドの室内濃度指針値という。
・ 酸化防止剤として、種類、分子量等の異なる複数の酸化防止剤を組合せ、かつ配合量を変えて使用することができる。
さらに、前記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
Claims (5)
- ポリオール類、ポリイソシアネート類、触媒及び発泡剤を含むポリウレタン発泡体の原料を反応、発泡及び硬化させて得られる発泡体を熔解処理しセル膜を除去してなるポリウレタン発泡体であって、
前記ポリウレタン発泡体の原料には、数平均分子量が350〜4000であり、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、及びラクトン系酸化防止剤から選ばれる1種又は2種以上の酸化防止剤が、ポリオール類100質量部当たり1〜20質量部含まれていることを特徴とするポリウレタン発泡体。 - 前記熔解処理が、爆破処理であることを特徴とする請求項1に記載のポリウレタン発泡体。
- JIS Z8808に準拠して測定されるアセトアルデヒドの揮発量が、0.03ppm以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のポリウレタン発泡体。
- JIS Z8808に準拠して測定されるプロピオン酸の揮発量が、1.0ppm以下であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のポリウレタン発泡体。
- 前記ポリオール類は、ポリエーテルポリオールであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のポリウレタン発泡体。
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