JP4820173B2 - 吸収式冷凍装置の制御装置および制御方法 - Google Patents

吸収式冷凍装置の制御装置および制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、吸収式冷凍装置を制御する装置および方法に関する。
吸収式冷凍装置は、フロンなどの温暖化ガスを用いないこと、また天然ガスおよび排熱を利用できることから、環境負荷が小さく、冷凍空調分野で好適に用いられている。この吸収式冷凍装置では、省エネルギ化が重要な課題となっており、効率向上が望まれている。
吸収式冷凍装置は、吸収器、再生器、凝縮器および蒸発器を備え、再生器において燃料を燃焼させて、熱を供給することによって、蒸発器から冷水を送出すことができるように構成されており、送出される冷水は、冷房などに用いられる。この吸収式冷凍装置を制御する制御装置は、再生器における燃焼状態を、高燃焼、低燃焼実行および燃焼停止の3つの状態に切替えるように制御して、冷水の出口温度を制御する。制御装置は、冷水の出口温度が、目標温度を基準とする予め定める仕様温度幅に収まるように、燃焼状態を制御している。
このように冷水の出口温度を制御するにあたって、冷水の出口温度が仕様温度幅内に収まるように、目標温度を上げることができれば、燃料を削減することが可能であるが、吸収式冷凍装置が高負荷状態のときに、目標温度を上げると、負荷が変動してさらに増加すると、たとえ高燃焼に切替ったとしても、冷水の出口温度が仕様温度幅内に容易に復帰しないおそれがある。吸収式冷凍装置が、中負荷状態および低負荷状態にあれば、負荷が増加するように変動しても、高燃焼に切替れば、冷水の出口温度を仕様温度幅内に比較的容易に復帰させることができる。したがって吸収式冷凍装置が中負荷状態および低負荷状態あるときだけ、目標温度を上げることができれば、中負荷状態および低負荷状態での燃料削減を可能にして、省エネルギ化を達成することができ、かつ冷水の温度制御性を維持することができる。しかしながら吸収式冷凍装置における負荷を、直接測定することは困難であり、このような制御を実現する吸収式冷凍装置の制御装置は、存在していない。
たとえば特許文献1に、圧縮式冷凍装置である冷蔵庫を制御する制御装置が示されている。制御装置は、所定の温度幅で、圧縮機を運転させる運転開始温度および圧縮機を停止させる運転停止温度を設定し、検出される庫内の温度に基づいて、圧縮機の運転および運転停止を制御するとともに、さらに外気温度を基準にして、運転開始温度と運転停止温度との温度幅を変更するように構成され、外気温度が低いとき、外気温度が高いときに比べて、運転開始温度および運転停止温度が高くなるように、温度幅を変更している。これによって低外気温時において圧縮機停止時間の拡大が可能となり、節電を図ることができるように構成されている。この特許文献1に示される制御装置では、低外気温時に節電を図ることはできるが、冷蔵庫の負荷は、外気温度だけによって決定されるのではなく、たとえば庫内の物品の収容量などによっても変化するので、高負荷状態において、温度幅が変更されてしまうおそれがあり、温度制御性が悪くなってしまうおそれがある。
また特許文献2に、圧縮式冷凍装置である冷蔵庫を制御する制御装置が示されている。この制御装置は、所定の温度幅で、圧縮機を運転させる運転開始温度および圧縮機を停止させる運転停止温度を設定し、検出される冷蔵室温度に基づいて、圧縮機の運転および運転停止を制御するとともに、圧縮機の運転時間および停止時間から運転率を算出し、この運転率に基づいて、運転開始温度と運転停止温度との温度幅を変更するように構成され、運転率が低くなると、運転温度域が低くなるように、かつ運転率が高くなると、運転温度域が高くなるように、温度幅を変更している。これによって低外気温時に、圧縮機の運転が行われず、冷凍室が温度上昇したり、冷蔵庫の設置時に圧縮機が運転されずに不良品扱いされるのを防止することができるように構成されている。この特許文献2に示される制御装置では、圧縮機の運転率がある範囲内に収まるように、圧縮機の運転率が低くなり過ぎることを防止している。つまり圧縮機の運転率が低い、低負荷状態になると、運転率が上がるように運転温度域を低くしており、省エネルギ化を達成することはできない。
また特許文献3に、ヒータとクーラとを備える温度調整システムを制御する制御装置が示されている。この制御装置は、室内の温度を設定値付近に保持するように制御する装置であり、クーラを制御するための上方制御目標値およびヒータを制御するための下方制御目標値を設定し、クーラおよびヒータのいずれか一方の運転および運転停止を制御することによって、室内の温度を設定値付近に保持するように制御するように構成され、さらに室内の温度の検出値と目標値との偏差を用いて、同偏差を算出する際に用いた目標値を設定値に近づけるように補正処理している。この特許文献3では、目標値を設定値に近づける補正して、温度制御性を向上することはできるが、省エネルギ化を達成できる構成することはできない。
特開昭56−130573号公報 特開平11−132619号公報 特開2001−265445号公報
前述のように、高い温度制御性を維持したうえで、省エネルギ化を達成することができる吸収式冷凍装置の制御装置は、存在しない。また圧縮式冷凍装置およびその他の装置の制御装置においても、高い温度制御性を維持したうえで、省エネルギ化を達成することができる制御装置は、存在しない。
本発明の目的は、高い温度制御性を維持したうえで、省エネルギ化を達成することができる吸収式冷凍装置の制御装置を提供することである。
本発明は、再生器で溶液に熱を供給することによって、蒸発器からブラインを温度調整して送出する吸収式冷凍装置を制御する制御装置であって、
蒸発器から送出されるブラインの温度を検出する温度検出手段と、
蒸発器から送出されるブラインの温度の目標温度を初期設定する設定手段と、
再生器における供給熱流量を制御する制御手段であって、
再生器における供給熱流量が大きい状態の占める割合を示す高燃焼率を求める負荷算出部と、
予め定められる数値であって、前記高燃焼率が該予め定められる数値以上の状態を高負荷状態とするときの該予め定められる数値を目標温度補正上限率と規定するとき、負荷算出部によって求められる高燃焼率が前記目標温度補正上限率未満である場合には、該目標温度補正上限率から該高燃焼率を減算した値に、予め定められる目標温度補正ゲインを乗算した値を目標温度補正量とし、負荷算出部によって求められる高燃焼率が前記目標温度補正上限率以上である場合には、目標温度補正量を0とする補正量算出部と、
設定手段によって初期設定された目標温度の初期値に、補正量算出部によって求められた目標温度補正量を加算または減算して目標温度を補正する補正処理演算部と、
温度検出手段によって検出されるブラインの温度と、補正処理演算部による補正後の目標温度とに基づいて、ブラインの温度が目標温度に近づくように、再生器における供給熱流量を制御する熱供給制御部とを有する制御手段とを備え
前記目標温度補正ゲインは、高燃焼率が0であると仮定した場合の目標温度補正量が、目標温度の初期値を中心として上下に所定の温度幅を有する仕様温度範囲の温度幅を2で除算した値以下となるように決定されていることを特徴とする吸収式冷凍装置の制御装置である。
本発明に従えば、蒸発器から送出されるブラインの温度が温度検出手段によって検出される。制御手段は熱供給制御部を有しており、検出されるブラインの温度が目標温度に近づくように、熱供給制御部によって、再生器における供給熱流量が制御される。これによって目標温度に近い温度のブラインが得られ、ブラインを好適に利用することができる。さらに制御手段は、負荷算出部、補正量算出部および補正処理演算部を有しており、再生器における供給熱流量が大きい状態の占める割合が小さいとき、供給熱流量が大きい状態の占める割合が小さくなるように目標温度が補正される。これによって再生器における供給熱流量を小さくして、省エネルギ化を実現することができる。しかも目標温度は、ブラインの温度が設定手段によって初期設定される目標温度を基準とする仕様温度範囲に収まるように、補正されるので、ブラインの温度が仕様温度範囲から外れてしまうことがなく、高い温度制御性を維持することができる。さらに加えて、再生器における供給熱流量が大きい状態の占める割合が小さい状態は、吸収式冷凍装置が中負荷状態および低負荷状態にあり、目標温度を補正している状態で吸収式冷凍装置の負荷が高くなるように変動したとしても、再生器における供給熱流量を高くすれば、負荷の変動後に、ブラインの温度を仕様温度範囲に容易に収めることができる。このように吸収式冷凍装置が中負荷状態および低負荷状態にあるときだけ、目標温度を補正するので、高い温度制御性を維持することができる。したがって高い温度制御性を維持したうえで、省エネルギ化を達成することができる。
また本発明は、吸収式冷凍装置は、冷暖房に用いられる吸収式冷温水機であって、
前記補正処理演算部は、冷房運転状態では、前記目標温度の初期値に、前記補正量算出部によって求められた目標温度補正量を加算して目標温度を補正し、暖房運転状態では、前記目標温度の初期値から、前記補正量算出部によって求められた目標温度補正量を減算して目標温度を補正することを特徴とする。
本発明に従えば、冷房運転状態では、再生器における供給熱流量が大きい状態の占める割合が小さいとき、補正処理演算部によって、目標温度が高くなるように補正される。また暖房運転状態では、再生器における供給熱流量が大きい状態の占める割合が小さいとき、補正処理演算部によって、目標温度が低くなるように補正される。これによって冷房運転状態および暖房運転状態のいずれの状態においても、省エネルギ化を達成することができる。
また本発明は、前記負荷算出部は、再生器における熱供給実行状態の占める割合を示す燃焼実行率を求め、
前記補正量算出部は、予め定められる数値であって、前記燃焼実行率が該予め定められる数値以上の状態を高負荷状態とするときの該予め定められる数値を切替温度補正上限率と規定するとき、負荷算出部によって求められる燃焼実行率が前記切替温度補正上限率未満である場合には、該切替温度補正上限率から該燃焼実行率を減算した値に、予め定められる切替温度補正ゲインを乗算した値を切替温度補正量とし、負荷算出部によって求められる燃焼実行率が前記切替温度補正上限率以上である場合には、切替温度補正量を0と定め、
前記補正処理演算部は、設定手段によって初期設定された目標温度の初期値に基づいて決定される熱供給開始温度および熱供給停止温度の各初期値に、補正量算出部によって求められた切替温度補正量を加算または減算して、熱供給開始温度および熱供給停止温度を補正し、
前記熱供給制御部は、温度検出手段によって検出されるブラインの温度と、補正処理演算部による補正後の熱供給開始温度および熱供給停止温度とに基づいて、ブラインの温度が目標温度に近づくように、再生器における熱供給実行および熱供給停止を制御し、
前記切替温度補正ゲインは、燃焼実行率が0であると仮定した場合の切替温度補正量が、前記仕様温度範囲の温度幅を2で除算した値以下となるように決定されていることを特徴とする。
本発明に従えば、蒸発器から送出されるブラインの温度が温度検出手段によって検出される。制御手段は熱供給制御部を有しており、検出されるブラインの温度と、目標温度に基づいて設定される熱供給開始温度および熱供給停止温度とに基づいて、熱供給制御部によって、再生器における熱供給実行および熱供給停止が制御される。これによって目標温度に近い温度のブラインが得られ、ブラインを好適に利用することができる。さらに制御手段は、負荷算出部、補正量算出部および補正処理演算部を有しており、再生器における熱供給実行状態の占める割合が小さいとき、熱供給実行状態の占める割合が小さくなるように熱供給開始温度および熱供給停止温度が補正される。これによって再生器における熱供給実行状態の時間を短くして、省エネルギ化を実現することができる。しかも熱供給開始温度および熱供給停止温度は、ブラインの温度が設定手段によって初期設定される目標温度を基準とする仕様温度範囲に収まるように、補正されるので、ブラインの温度が仕様温度範囲から外れてしまうことがなく、高い温度制御性を維持することができる。さらに加えて、再生器における熱供給実行状態の占める割合が小さい状態は、吸収式冷凍装置が中負荷状態および低負荷状態にあり、熱供給開始温度および熱供給停止温度を補正している状態で吸収式冷凍装置の負荷が高くなるように変動したとしても、再生器における熱供給実行状態の占める割合を高くすれば、負荷の変動後に、ブラインの温度を仕様温度範囲に容易に収めることができる。このように吸収式冷凍装置が中負荷状態および低負荷状態にあるときだけ、熱供給開始温度および熱供給停止温度を補正するので、高い温度制御性を維持することができる。したがって高い温度制御性を維持したうえで、省エネルギ化を達成することができる。
また本発明は、吸収式冷凍装置は、冷暖房に用いられる吸収式冷温水機であって、
前記補正処理演算部は、冷房運転状態では、前記熱供給開始温度および熱供給停止温度の各初期値に、前記補正量算出部によって求められた切替温度補正量を加算して熱供給開始温度および熱供給停止温度を補正し、暖房運転状態では、前記熱供給開始温度および熱供給停止温度の各初期値から、前記補正量算出部によって求められた切替温度補正量を減算して熱供給開始温度および熱供給停止温度を補正することを特徴とする。
本発明に従えば、冷房運転状態では、再生器における熱供給実行状態の占める割合が小さいとき、補正処理演算部によって、熱供給開始温度および熱供給停止温度が高くなるように補正される。また暖房運転状態では、再生器における熱供給実行状態の占める割合が小さいとき、補正処理演算部によって、熱供給開始温度および熱供給停止温度が低くなるように補正される。これによって冷房運転状態および暖房運転状態のいずれの状態においても、省エネルギ化を達成することができる。
また本発明は、再生器で溶液に熱を供給することによって、蒸発器からブラインを温度調整して送出する吸収式冷凍装置を制御する制御方法であって、
蒸発器から送出されるブラインの温度を検出する温度検出工程と、
再生器における供給熱流量が大きい状態の占める割合を示す高燃焼率を求める高燃焼率算出工程と、
予め定められる数値であって、前記高燃焼率が該予め定められる数値以上の状態を高負荷状態とするときの該予め定められる数値を目標温度補正上限率と規定するとき、高燃焼率算出工程において求められる高燃焼率が前記目標温度補正上限率未満である場合には、該目標温度補正上限率から該高燃焼率を減算した値に、予め定められる目標温度補正ゲインを乗算した値を目標温度補正量とし、高燃焼率算出工程において求められる高燃焼率が前記目標温度補正上限率以上である場合には、目標温度補正量を0として求める目標温度補正量算出工程と、
初期設定された目標温度の初期値に、目標温度補正量算出工程において求められた目標温度補正量を加算または減算して目標温度を補正する目標温度補正処理演算工程と、
温度検出工程において検出されるブラインの温度と、目標温度補正処理演算工程において補正された目標温度とに基づいて、ブラインの温度が目標温度に近づくように、再生器における供給熱流量を制御する供給熱流量制御工程とを含み、
前記目標温度補正ゲインは、高燃焼率が0であると仮定した場合の目標温度補正量が、目標温度の初期値を中心として上下に所定の温度幅を有する仕様温度範囲の温度幅を2で除算した値以下となるように決定されていることを特徴とする吸収式冷凍装置の制御方法である。
本発明に従えば、蒸発器から送出されるブラインの温度を検出し、そのブラインの温度が、目標温度に近づくように、再生器における供給熱流量を制御する。これによって目標温度に近い温度のブラインを得て、ブラインを好適に利用することができる。さらに再生器における供給熱流量が大きい状態の占める割合が小さいとき、供給熱流量が大きい状態の占める割合が小さくなるように、目標温度を補正する。これによって再生器における供給熱流量を小さくして、省エネルギ化を実現することができる。しかもブラインの温度が初期設定される目標温度を基準とする仕様温度範囲に収まるように、目標温度を補正するので、ブラインの温度が仕様温度範囲から外れてしまうことがなく、高い温度制御性を維持することができる。さらに加えて、再生器における供給熱流量が大きい状態の占める割合が小さい状態は、吸収式冷凍装置が中負荷状態および低負荷状態にあり、目標温度を補正している状態で吸収式冷凍装置の負荷が高くなるように変動したとしても、再生器における供給熱流量を高くすれば、負荷の変動後に、ブラインの温度を仕様温度範囲に容易に収めることができる。このように吸収式冷凍装置が中負荷状態および低負荷状態にあるときだけ、目標温度を補正するので、高い温度制御性を維持することができる。したがって高い温度制御性を維持したうえで、省エネルギ化を達成することができる。
また本発明は、吸収式冷凍装置は、冷暖房に用いられる吸収式冷温水機であって、
前記目標温度補正処理演算工程において、冷房運転状態では、前記目標温度の初期値に、前記目標温度補正量算出工程において求められた目標温度補正量を加算して目標温度を補正し、暖房運転状態では、前記目標温度の初期値から、前記目標温度補正量算出工程において求められた目標温度補正量を減算して目標温度を補正することを特徴とする。
本発明に従えば、冷房運転状態では、再生器における供給熱流量が大きい状態の占める割合が小さいとき、目標温度を高くするように補正する。また暖房運転状態では、再生器における供給熱流量が大きい状態の占める割合が小さいとき、目標温度を低くするように補正する。これによって冷房運転状態および暖房運転状態のいずれの状態においても、省エネルギ化を達成することができる。
また本発明は、再生器における熱供給実行状態の占める割合を示す燃焼実行率を求める燃焼実行率算出工程と、
予め定められる数値であって、前記燃焼実行率が該予め定められる数値以上の状態を高負荷状態とするときの該予め定められる数値を切替温度補正上限率と規定するとき、燃焼実行率算出工程において求められる燃焼実行率が前記切替温度補正上限率未満である場合には、該切替温度補正上限率から該燃焼実行率を減算した値に、予め定められる切替温度補正ゲインを乗算した値を切替温度補正量とし、燃焼実行率算出工程において求められる燃焼実行率が前記切替温度補正上限率以上である場合には、切替温度補正量を0として求める切替温度補正量算出工程と、
初期設定された目標温度の初期値に基づいて決定される熱供給開始温度および熱供給停止温度の各初期値に、切替温度補正量算出工程において求められた切替温度補正量を加算または減算して、熱供給開始温度および熱供給停止温度を補正する温度補正処理演算工程と、
温度検出工程において検出されるブラインの温度と、温度補正処理演算工程において補正された熱供給開始温度および熱供給停止温度とに基づいて、ブラインの温度が目標温度に近づくように、再生器における熱供給実行および熱供給停止を制御する実行停止制御工程とをさらに含み、
前記切替温度補正ゲインは、燃焼実行率が0であると仮定した場合の切替温度補正量が、前記仕様温度範囲の温度幅を2で除算した値以下となるように決定されていることを特徴とする。
本発明に従えば、蒸発器から送出されるブラインの温度を検出し、そのブラインの温度と、熱供給開始温度および熱供給停止温度とに基づいて、再生器における熱供給実行および熱供給停止を制御する。これによって目標温度に近い温度のブラインを得て、ブラインを好適に利用することができる。さらに再生器における熱供給実行状態の占める割合が小さいとき、熱供給実行状態の占める割合が小さくなるように、熱供給開始温度および熱供給停止温度を補正する。これによって再生器における熱供給実行状態の時間を短くして、省エネルギ化を実現することができる。しかもブラインの温度が初期設定される目標温度を基準とする仕様温度範囲に収まるように、熱供給開始温度および熱供給停止温度を補正するので、ブラインの温度が仕様温度範囲から外れてしまうことがなく、高い温度制御性を維持することができる。さらに加えて、再生器における熱供給実行状態の占める割合が小さい状態は、吸収式冷凍装置が中負荷状態および低負荷状態にあり、熱供給開始温度および熱供給停止温度を補正している状態で吸収式冷凍装置の負荷が高くなるように変動したとしても、再生器における熱供給実行状態の占める割合を高くすれば、負荷の変動後に、ブラインの温度を仕様温度範囲に容易に収めることができる。このように吸収式冷凍装置が中負荷状態および低負荷状態にあるときだけ、熱供給開始温度および熱供給停止温度を補正するので、高い温度制御性を維持することができる。したがって高い温度制御性を維持したうえで、省エネルギ化を達成することができる。
また本発明は、吸収式冷凍装置は、冷暖房に用いられる吸収式冷温水機であって、
前記温度補正処理演算工程において、冷房運転状態では、前記熱供給開始温度および熱供給停止温度の各初期値に、前記切替温度補正量算出工程において求められた切替温度補正量を加算して熱供給開始温度および熱供給停止温度を補正し、暖房運転状態では、前記熱供給開始温度および熱供給停止温度の各初期値から、前記切替温度補正量算出工程において求められた切替温度補正量を減算して熱供給開始温度および熱供給停止温度を補正することを特徴とする。
本発明に従えば、冷房運転状態では、再生器における熱供給実行状態の占める割合が小さいとき、熱供給開始温度および熱供給停止温度を高するように補正する。また暖房運転状態では、再生器における熱供給実行状態の占める割合が小さいとき、熱供給開始温度および熱供給停止温度を低くするように補正する。これによって冷房運転状態および暖房運転状態のいずれの状態においても、省エネルギ化を達成することができる。
本発明によれば、再生器における供給熱流量が大きい状態の占める割合が小さいとき、供給熱流量が大きい状態の占める割合が小さくなるように、補正処理演算部によって、目標温度が補正される。しかも目標温度は、ブラインの温度が設定手段によって初期設定される目標温度を基準とする仕様温度範囲に収まるように、補正される。したがって高い温度制御性を維持したうえで、省エネルギ化を達成することができる。また再生器における供給熱流量が大きい状態となることを抑制し、供給熱流量の変動を抑制することが可能であり、吸収式冷凍装置の寿命を延長することができる。
また本発明によれば、冷房運転状態および暖房運転状態のいずれの状態においても、省エネルギ化を達成することができる。
また本発明によれば、再生器における熱供給実行状態の占める割合が小さいとき、熱供給実行状態の占める割合が小さくなるように、補正処理演算部によって、熱供給開始温度および熱供給停止温度が補正される。しかも熱供給開始温度および熱供給停止温度は、ブラインの温度が設定手段によって初期設定される目標温度を基準とする仕様温度範囲に収まるように、補正される。したがって高い温度制御性を維持したうえで、省エネルギ化を達成することができる。また再生器における熱供給実行状態となることを抑制し、熱供給実行状態と熱供給停止状態の変動を抑制することが可能であり、吸収式冷凍装置の寿命を延長することができる。
また本発明によれば、冷房運転状態および暖房運転状態のいずれの状態においても、省エネルギ化を達成することができる。
また本発明によれば、再生器における供給熱流量が大きい状態の占める割合が小さいとき、供給熱流量が大きい状態の占める割合が小さくなるように、目標温度を補正する。しかもブラインの温度が設定手段によって初期設定される目標温度を基準とする仕様温度範囲に収まるように、目標温度を補正する。したがって高い温度制御性を維持したうえで、省エネルギ化を達成することができる。
また本発明によれば、冷房運転状態および暖房運転状態のいずれの状態においても、省エネルギ化を達成することができる。
また本発明によれば、再生器における熱供給実行状態の占める割合が小さいとき、熱供給実行状態の占める割合が小さくなるように、熱供給開始温度および熱供給停止温度を補正する。しかもブラインの温度が設定手段によって初期設定される目標温度を基準とする仕様温度範囲に収まるように、熱供給開始温度および熱供給停止温度を補正する。したがって高い温度制御性を維持したうえで、省エネルギ化を達成することができる。
また本発明によれば、冷房運転状態および暖房運転状態のいずれの状態においても、省エネルギ化を達成することができる。
図1は、本発明の実施の一形態の制御装置1を、吸収式冷温水機2とともに示すブロック図である。制御装置1は、吸収式冷凍装置の制御装置であって、吸収冷凍サイクルが適用される吸収式冷凍装置を制御するために用いられる。本実施の形態では、吸収式冷凍装置は、吸収式冷温水機2である。吸収式冷温水機2は、発生器とも呼ばれる再生器5と、凝縮器6と、蒸発器7と、吸収器8とを備える。本実施の形態では、吸収式冷温水機2は、二重効用吸収冷凍サイクルが適用される二重効用型冷凍装置であり、再生器5は、高温再生器10と、低温再生器11とを有する。
再生器5と、吸収器8との間には、吸収器8から高温再生器10および低温再生器11に、希溶液を送る希溶液管路20が設けられるとともに、高温再生器10および低温再生器11から吸収器8に濃溶液を送る濃溶液管路21が設けられている。希溶液管路20および濃溶液管路21は、中途部に熱交換器22が介在され、希溶液管路20によって送られる希溶液と、濃溶液管路21によって送られる濃溶液との間で、熱交換可能に構成されている。希溶液は、吸収液に冷媒が吸収された溶液のうち、吸収液の濃度が比較的低い溶液であり、濃溶液は、吸収液に冷媒が吸収された溶液のうち、吸収液の濃度が比較的高い溶液である。
希溶液管路20は、吸収器8と熱交換器22との間の希溶液共通管路部20aと、熱交換器22と高温発生器10との間の希溶液高温再生器管路部20bと、熱交換器22と低温発生器11との間の希溶液低温再生器管路部20cとを有する。希溶液共通管路部20aには、吸収器8から熱交換器22を経て高温再生器10および低温再生器11に、希溶液を送るための希溶液ポンプ23が設けられている。濃溶液管路21は、吸収器8と熱交換器22との間の濃溶液共通管路部21aと、熱交換器22と高温発生器10との間の濃溶液高温再生器管路部21bと、熱交換器22と低温発生器11との間の濃溶液低温再生器管路部21cとを有する。濃溶液低温再生器管路部21cには、低温再生器11から熱交換器22を経て吸収器8に、濃溶液を送るための濃溶液ポンプ24が設けられている。
高温再生器10には、燃焼炉14が設けられ、燃焼炉14では、燃料供給源から燃料供給管路13を介して供給される燃料が燃焼される。高温再生器10では、燃焼炉14における燃焼で発生される熱が、希溶液共通管路部20aおよび希溶液高温再生器管路部20bを介し、吸収器8から熱交換器22を経て送られる希溶液に供給され、希溶液が加熱される。このように希溶液が加熱されると、冷媒が蒸気となって希溶液から追出される。高温再生器10で蒸気となって追出された冷媒は、気液分離器15を経て、高温再生冷媒管路16を介して低温再生器11に送られる。高温再生器10で冷媒が追出された溶液は、濃溶液となり、濃溶液高温再生器管路部21bおよび濃溶液共通管路部21aを介し、熱交換器22を経て吸収器8に送られる。燃焼炉14で発生する排ガスは、排ガスダクト18を介して排出される。
低温再生器11には、高温再生器10から送られる冷媒が流下する低温再生器コイル6aが設けられ、この低温再生器コイル6aに、希溶液共通管路部20aおよび希溶液低温再生器管路部20cを介し、吸収器8から熱交換器22を経て送られる希溶液が、散布される。この構成によって、高温再生器10から送られる冷媒の熱が、吸収器8から送られる希溶液に供給され、希溶液が加熱される。このように希溶液が加熱されると、冷媒が蒸気となって希溶液から追出される。低温再生器11で蒸気となって追出される冷媒は、低温再生冷媒通路25を介して凝縮器6に送られる。また高温再生器10から低温再生器11に送られ、低温再生器コイルを流下して低温再生器11での希溶液の加熱に利用された冷媒は、低温再生冷媒通路25と異なる高温冷媒管路26を介して凝縮器6に送られる。低温再生器11で冷媒が追出された溶液は、濃溶液となり、濃溶液低温再生器管路部21cおよび濃溶液共通管路部21aを介し、熱交換器22を経て吸収器8に送られる。
凝縮器6には、冷却水が流下する凝縮器コイル6aが設けられ、この凝縮器コイル6aには、冷却水源から冷却水供給管路28を介して供給される冷却水が、吸収器8を経て導かれる。凝縮器6では、この凝縮器コイル6aの周囲に冷媒が導かれる。この構成によって、この冷却水によって、冷媒が冷却され、その冷媒が蒸気の状態にあれば凝縮される。このように凝縮器6で冷却され、液化された冷媒は、低温冷媒管路27を介して蒸発器7に送られる。凝縮器コイル6aを流下し、凝縮器6で冷媒の冷却に利用された冷却水は、冷却水排出管路29から排出される。
蒸発器7には、ブラインが流下する蒸発器コイルが設けられ、ブライン供給管路30を介して供給されるブラインが、蒸発器コイルを流下し、ブライン送出管路31を介して送出される。また蒸発器7には、冷媒循環管路33が設けられ、冷媒循環回路33に介在される冷媒循環ポンプ34によって、冷媒が循環され、蒸発器コイル7aに散布される。このような構成によって、冷媒が蒸発器コイル7aを流下するブラインから気化熱を奪って蒸発し、蒸発器コイル7aを流下するブラインを冷却することができる。蒸発器7と吸収器8とは連通されており、蒸発器7で蒸発した冷媒は、吸収器8に導かれる。
吸収器8には、冷却水が流下する吸収器コイル8aが設けられ、この吸収器コイル8aには、冷却水源から冷却水供給管路28を介して供給される。高温再生器10および低温再生器11から濃溶液管路21を介して送られる濃溶液は、濃溶液共通管路部21から、吸収器コイル8aに散布される。この構成によって高温再生器10および低温再生器11から送られる濃溶液は、冷却水によって冷却される。吸収器8では、蒸発器7で蒸発し、蒸発器7から導かれる冷媒が、吸収液に吸収される。吸収器コイル8aを流下し、吸収器8で溶液の冷却に利用された冷却水は、凝縮器コイル6aに送られる。
また吸収式冷温水機2は、高温冷媒管路26から分岐して、蒸発器7に接続されるバイパス管路37が設けられ、バイパス管路37には、冷暖切替弁38が介在されている。冷暖切替弁38は、バイパス管路37を開閉する開閉弁である。
冷暖切替弁38が閉じられている状態での運転は、冷運転であり、冷運転では、高温再生器10から低温再生器11に送られる冷媒は、前述のように、低温再生器コイル11aから高温冷媒管路26を介して凝縮器6に送られた後、凝縮器6から低温冷媒管路27を介して蒸発器7に送られる。この蒸発器7で冷媒を蒸発させることによって、ブラインを冷却することができる。したがって吸収式冷温水機2は、冷暖切替弁38を閉じた冷運転では、再生器5で熱を供給することによって、蒸発器7からブラインを冷却して送出すことができる。
冷運転では、蒸発器7から送出されるブラインの温度(以下「出口温度」ともいう)TCHOUTは、蒸発器7における単位時間あたりの冷媒の蒸発量が大きくなるにつれて低くなる。蒸発器7における単位時間あたりの冷媒の蒸発量は、吸収器8における単位時間あたりの冷媒の吸収量が大きくなるにつれて、大きくなる。吸収器8における単位時間あたりの冷媒の吸収量は、吸収器8における溶液の温度が低くなるにつれて大きくなり、また吸収器8における溶液の吸収液の濃度が高くなるにつれて大きくなる。吸収器8における溶液の吸収液の濃度は、再生器5における供給熱流量が大きくなるにつれて高くなる。したがって冷運転では、出口温度TCHOUTは、再生器5における供給熱流量が大きくなるにつれて低くなる。出口温度TCHOUTは、ブライン送出管路31の蒸発器7付近におけるブラインの温度である。
冷暖切替弁38が開かれている状態での運転は、暖運転であり、暖運転では、高温再生器10から低温再生器11に送られる冷媒は、高温冷媒管路26からバイパス管路37を介して、高温のまま蒸発器7に送られる。このように高温冷媒管路26の冷媒がバイパスする部分以外の構成において、溶液、冷媒、ブラインおよび冷却水は、前述の冷運転と同様に移動する。この暖運転では、蒸発器7において、冷媒がブラインから気化熱を奪うのではなく、高温の冷媒からブラインに熱が供給される状態となり、ブラインを加熱することができる。したがって吸収式冷温水機2は、冷暖切替弁38を開いた暖運転では、再生器5で熱を供給することによって、蒸発器7からブラインを加熱して送出すことができる。
暖運転では、出口温度TCHOUTは、蒸発器7におけるブラインへの加熱流量が大きくなるにつれて高くなる。加熱流量は、単位時間あたりの加熱量である。蒸発器7におけるブラインへの加熱流量は、高温冷媒管路26からバイパス管路37を介して蒸発器7に送られる冷媒の温度が高くなるにつれて、また冷媒の流量が大きくなるにつれて、大きくなる。高温冷媒管路26からバイパス管路37を介して蒸発器7に送られる冷媒の温度は、再生器5における供給熱流量が大きくなるにつれて高くなる。また高温冷媒管路26からバイパス管路37を介して蒸発器7に送られる冷媒の流量は、再生器5における供給熱流量が大きくなるにつれて大きくなる。したがって暖運転では、出口温度TCHOUTは、再生器5における供給熱流量が大きくなるにつれて高くなる。
また燃焼炉14に燃料を供給する燃料供給管路13には、燃料供給流量制御弁40が介在されている。この燃料供給流量制御弁40の開度を変更することによって、燃焼炉14に供給される燃料の流量を変更し、再生器5における燃焼状態を変更して、再生器5における供給熱流量を変更することができる。燃料供給流量制御弁40の開度が大きくなるにつれて、燃料の流量は大きくなり、燃焼状態は単位時間あたりの発生熱量が大きい状態となり、再生器における供給熱流量は大きくなる。このように吸収式冷温水機2は、再生器5における供給熱流量を変更可能に構成される。
燃料供給流量制御弁40の開度は、無段階的に変更可能に構成され、これによって燃料の流量、燃焼状態および供給熱流量が、無段階的に変更可能な構成であってもよいが、本実施の形態では、燃料供給流量制御弁40の開度は、多段階的に変更可能な構成であり、燃料の流量、燃焼状態および供給熱流量が、多段階的に変更可能な構成である。燃料供給流量制御弁40は、全開状態、全体状態における開度の50%の開度となる中間開状態、および全閉状態の3つの状態に、切替え可能に構成されている。
燃料供給流量制御弁40が全閉状態にある場合、燃料の供給が停止されて燃料の流量は0となり、単位時間あたりの発生熱量が0の燃焼停止状態にあり、再生器5における熱供給が停止される。これに対して、燃料供給流量制御弁40が開状態にある場合、燃料が供給されて燃焼実行状態にあり、再生器5では溶液に熱が供給される。開状態は、全開状態および中間開状態を含み、燃焼実行状態は、高燃焼状態および低燃焼状態を含む。燃料供給流量制御弁40が全開状態にある場合、中間開状態と比べて、燃料の流量は大きく、単位時間あたりの発生熱量が大きい、高燃焼状態にある。燃料供給流量制御弁40が中間開状態にある場合、全開状態と比べて、燃料の流量は小さく、単位時間あたりの発生熱量が小さい、低燃焼状態にある。燃焼停止状態、低燃焼状態および高燃焼状態の順に、再生器5における供給熱流量が大きくなる。
2次冷媒とも呼ばれるブラインは、需要先に供給され、温度調節に利用される。吸収式冷温水機2は、このようにブラインを加熱または冷却して供給する装置であり、その用途が限定されるわけではないが、本実施の形態では、冷暖房に用いられる。また本実施の形態では、ブラインは、水である。また吸収液および冷媒は、水およびアンモニアであってもよいが、本実施の形態では、臭化リチウム(LiBr)および水である。本実施の形態では、燃料は、都市ガスとも呼ばれる天然ガスである。このように吸収式冷温水機2は、吸収液に臭化リチウムが用いられ、かつ冷媒に水が用いられ、燃料として天然ガスが用いられる装置であり、たとえば中小型機に分類される。
この吸収式冷温水機2を制御するために、本発明に従う制御装置1が用いられる。制御装置1は、燃料供給流量制御弁40の開度を切替えるように制御することによって、燃焼炉14における燃焼状態を制御し、再生器5における溶液への供給熱量を制御して、ブライン送出管路31から送出されるブラインの温度、したがってブラインの出口温度TCHOUTを制御する。燃焼状態は、燃焼位置とも呼ばれ、したがって高燃焼状態、低燃焼状態および燃焼停止状態は、高燃焼位置、低燃焼位置および燃焼停止位置とも呼ばれる。制御装置1は、3つの燃焼位置を切替えるように制御する構成であり、このような制御は、3位置制御とも呼ばれる。
制御装置1は、出口温度TCHOUTを検出する温度検出手段50と、制御条件情報を設定する設定手段51と、燃料供給流量制御弁40を開閉動作させる制御弁駆動指令手段52と、冷暖切替弁38を開閉動作させる切替弁駆動指令手段53と、制御に用いる情報を記憶する記憶手段54と、制御弁駆動指令手段52および切替弁駆動指令手段53を制御する制御手段55とを備える。制御手段55は、検出手段50によって検出される出口温度TCHOUTと記憶手段54に記憶される情報とに基づいて、設定手段51によって設定される制御条件情報によって決定される制御条件を満たすように、制御弁駆動指令手段52および切替弁駆動指令手段53を制御して、燃料供給流量制御弁40および冷暖切替弁38に開閉動作させる。
温度検出手段50は、ブライン送出管路31の蒸発器7付近において、ブライン送出管路31内のブラインの温度を検出する。この検出される温度が出口温度TCHOUTであり、温度検出手段50は、出口温度TCHOUTを表す信号を制御手段55に与える。この温度検出手段50は、温度センサであり、各種原理の温度センサを用いることができる。
設定手段51は、操作者によって操作される操作部を備え、その操作部の操作によって情報を入力することができるように構成されている。設定手段51は、制御条件を決定する情報が入力されると、その情報を制御条件情報として設定し、制御条件情報を表す信号を制御手段55に与える。また設定手段51は、操作者が操作して、稼動開始および稼動停止を指令する情報を入力することができ、その情報を表す信号を制御手段55に与える。
制御条件は、運転条件と、温度条件とを含み、したがって制御条件情報は、運転条件情報と温度条件情報とを含む。運転条件は、ブラインを冷却して送出す冷運転およびブラインを加熱して送出す暖運転のうち、選択される運転を実行するという条件である。設定手段51は、操作者の操作によって入力される冷運転および暖運転の選択情報を、運転条件情報として設定する。ブラインが冷暖房に用いられる場合、冷運転は、冷房運転であり、暖運転は、暖房運転である。
温度条件は、出口温度TCHOUTを、操作者の要求を満足させることができる温度付近に保持するという条件である。設定手段51は、操作者が操作して要求温度を表す温度情報を入力することができる。この要求温度は、出口温度TCHOUTを表してもよいが、本実施の形態では、ブラインを利用して温度調整される対象物の温度を表してもよい。対象物の温度は、吸収式冷温水機2が冷暖房に用いられる場合、冷暖房される空間の雰囲気の温度である。
設定手段51は、入力される要求温度に基づいて、出口温度TCHOUTの目標温度T0を初期設定する。つまり出口温度TCHOUTの目標温度T0の初期値を設定する。設定手段51は、要求温度が出口温度TCHOUTを表す場合、その要求温度を目標温度T0の初期値に決定し、要求温度がブラインを利用して温度調整される対象物の温度を表す場合、対象物の温度を要求温度にすることが可能なブラインの温度を、目標温度T0の初期値に設定する。したがって温度条件は、出口温度TCHOUTを、目標温度T0付近に保持するという条件でもある。設定手段51は、入力される温度情報に基づいて、温度条件情報として目標温度T0を初期設定する。
制御弁駆動指令手段52は、制御手段55からの指令を表す信号に応答し、燃料供給流量制御弁40を開閉動作させるドライバである。切替弁駆動指令手段53は、制御手段55からの指令を表す信号に応答し、冷暖切替弁38を開閉動作させるドライバである。記憶手段54は、たとえば半導体メモリによって実現され、制御手段55によって読出し可能に情報を記憶する。記憶手段54は、制御に用いる情報として、燃焼位置を示す情報を記憶している。この燃焼位置を示す情報は、少なくとも燃焼状態の切替時刻と、切替後の燃焼状態とを含む。
制御手段55は、たとえば中央演算処理ユニット(略称CPU)によって実現される。制御手段55は、冷運転および暖運転を切替える冷暖制御部60と、出口温度TCHOUTを制御する温度制御部61とを有する。温度制御部61は、再生器5における燃焼状態を切替えて、出口温度TCHOUTを制御する。
冷暖制御部61は、設定手段51からの信号に応答し、制御条件として設定されている運転条件に基づいて、切替弁駆動指令手段53に指令を表す信号を与えて制御する。冷暖制御部61は、運転条件として、冷運転するように設定されている場合、切替弁駆動指令手段53に閉じるように指令する信号を与え、冷暖切替弁38を閉じさせる。また冷暖制御部61は、運転条件として、暖運転するように設定されている場合、切替弁駆動指令手段53に開くように指令する信号を与え、冷暖切替弁38を開かせる。このように冷暖制御部61は、設定される運転条件を満足するように、運転状態を切替制御する。
温度制御部61は、再生器5に熱供給するにあたって、温度検出手段50および設定手段51からの信号に応答し、温度検出手段50によって検出される出口温度TCHOUTと、目標温度T0とに基づいて、出口温度TCHOUTが目標温度T0に近づくように、再生器5における供給熱流量を制御する。温度制御部61は、制御弁駆動指令手段52を制御して、燃料供給流量制御弁40の開状態における開度を調整させて、供給熱量を制御する。さらに温度制御部61は、再生器5における熱供給実行状態での供給熱流量を制御するにあたって、再生器5における供給熱流量が大きい状態の占める割合が小さいとき、出口温度TCHOUTが仕様温度範囲に収まり、かつ供給熱流量が大きい状態の占める割合が小さくなるように、目標温度T0を補正する。
仕様温度範囲は、操作者の要求を満足させることができる出口温度TCHOUTの範囲であって、蒸発器7から送出されるブラインを利用して対象物の温度を、操作者が要求する温度に調整可能な出口温度TCHOUTの範囲である。したがって仕様温度範囲は、目標温度T0の初期値付近の温度範囲であって、目標温度T0の初期値を基準とする温度範囲である。仕様温度範囲は、たとえば目標温度T0の初期値を中心として上下に所定の温度幅を有する温度範囲であり、一例を述べると、目標温度T0の初期値±1℃の温度範囲である。この仕様温度範囲は、温度制御部61によって設定される。
また温度制御部61は、温度検出手段50および設定手段51からの信号に応答し、温度検出手段50によって検出される出口温度TCHOUTと、目標温度T0に基づいて設定される熱供給開始温度および熱供給停止温度とに基づいて、再生器5における熱供給実行および熱供給停止を制御する。温度制御部61は、制御弁駆動指令手段52を制御して、燃料供給流量制御弁40を開閉させることによって、供給熱量を制御する。さらに温度制御部61は、再生器5における熱供給実行および熱供給停止を制御するにあたって、再生器5における熱供給実行状態の占める割合が小さいとき、出口温度TCHOUTが仕様温度範囲に収まり、かつ熱供給実行状態の占める割合が小さくなるように、熱供給開始温度および熱供給停止温度を補正する。
温度制御部61では、燃供給および燃供給停止制御動作を優先させ、熱供給する場合、供給熱流量制御動作を実行する。このようにして温度制御部61では、再生器5で溶液に供給される熱流量を制御している。
図2は、冷運転時の温度制御部61における高低切替制御動作のための構成を示すブロック図である。高低切替制御動作は、再生器5で溶液に熱供給する場合の供給熱流量を制御する供給熱流量制御動作である。本実施の形態では、温度制御部61は、供給熱流量を大小の2段階に制御する。温度制御部61は、基本ロジック部である熱供給制御部65と、補正ロジック部である補正部66とを有している。
熱供給制御部65は、偏差演算部70と、制御演算部71と、切替判定部72と、制御指令部73とを有する。偏差演算部70は、目標温度T0から出口温度TCHOUTを減算して偏差を求める。制御演算部71は、偏差演算部70によって求められる偏差に対して、少なくとも比例動作を含む制御演算、本実施の形態では、比例動作、積分動作および微分動作を含む制御演算を実行する。
制御演算部71では、出口温度TCHOUTが高くなると、演算結果である演算出力値MVが高くなり、出口温度TCHOUTが低くなると、演算結果である演算出力値MVが低くなるように、演算する。
切替判定部72は、制御演算部71における演算結果である演算出力値MVと、高燃焼切替閾値MVHIおよび低燃焼切替閾値MVLOとを比較し、燃焼状態を高(HI)燃焼状態および低(LO)燃焼状態のいずれにするかを判定する。高燃焼切替閾値MVHIおよび低燃焼切替閾値MVLOは、吸収式冷温水機2の構成によって決定される値であり、高燃焼切替閾値MVHIは、低燃焼切替閾値MVLOよりも大きい値(MVHI>MVLO)である。切替判定部72では、演算出力値MVが高燃焼切替閾値MVHIを超える(MV>MVHI)場合、高燃焼状態と判定し、演算出力値MVが低燃焼切替閾値MVLO未満(MV<MVLO)の場合、低燃焼状態と判定し、演算出力値MVが低燃焼切替閾値MVLO以上高燃焼切替閾値MVHI以下(MVLO≦MV≦MVHI)の場合、その時点での燃焼状態を保持と判定する。
制御指令部73は、切替判定部72における判定結果に基づいて、燃焼HI/LOを指令、つまり燃焼状態を高燃焼状態にするか低燃焼状態にするかを指令する信号を、制御弁駆動指令手段52に与える。制御指令部73では、切替判定部72における判定が低燃焼状態から高燃焼状態に切替ったとき、燃焼状態を高燃焼状態にするように指令する信号を、制御弁駆動指令手段52に与える。これによって制御弁駆動指令手段52によって燃料供給流量制御弁40が全開状態に切替えられ、燃焼状態が高燃焼状態に切替えられる。また制御指令部73では、切替判定部72における判定が高燃焼状態から低燃焼状態に切替ったとき、燃焼状態を低燃焼状態にするように指令する信号を、制御弁駆動指令手段52に与える。これによって制御弁駆動指令手段52によって燃料供給流量制御弁40が中間開状態に切替えられ、燃焼状態が低燃焼状態に切替えられる。
このようにして熱供給制御部65は、温度検出手段50によって検出されるブラインの出口温度TCHOUTと、目標温度T0とに基づいて、ブラインの出口温度TCHOUTが目標温度T0に近づくように、再生器における供給熱流量を制御する。
高燃焼切替閾値MVHIおよび低燃焼切替閾値MVLOは、前述のような制御によって得られる出口温度TCHOUTが、目標温度T0を基準とする制御温度範囲に収まるように、予め設定される。制御温度範囲は、前記仕様温度範囲の温度幅よりも小さい温度幅を有する範囲であって、たとえば目標温度T0を中心として上下に所定の温度幅を有する温度範囲であり、一例を述べると、目標温度T0±0.5℃の温度範囲である。
前述のように、高燃焼状態は、燃料供給流量制御弁40が全開状態で供給される燃料を燃焼させる状態であり、低燃焼状態は、燃料供給流量制御弁40が中間開状態で供給される燃料を燃焼させる状態である。中間開状態における開度は、全開状態における開度を100%として半分の50%である。したがって高燃焼状態で溶液に与えられる供給熱流量を定格(=100%)とした場合、低燃焼状態で溶液に与えられる供給熱流量は半分の50%となる。高燃焼切替閾値MVHIは、定格の供給熱流量となる高燃焼状態に切替えるための閾値であり、低燃焼切替閾値MVLOは、定格の50%の供給熱流量となる低燃焼状態に切替えるための閾値である。
高燃焼切替閾値MVHIと、低燃焼切替閾値MVLOとが近いほど、燃焼状態を高燃焼状態と低燃焼状態との間で切替える切替動作が頻繁に発生する。したがって実験およびシミュレーションの少なくともいずれか一方の結果に基づいて、単位時間あたり、たとえば1時間あたりの切替回数が予め定める回数以下となり、かつ出口温度TCHOUTが制御温度範囲内に収まるように、高燃焼切替閾値MVHIおよび低燃焼切替閾値MVLOが設定される。
補正部66は、補正量演算部75と、補正処理演算部76とを有する。補正量演算部75は、吸収式冷温水機2の負荷状態を求め、その負荷状態に応じた目標温度補正量Trs1を演算して求める。吸収式冷温水機2の負荷状態は、再生器5における供給熱流量が大きい状態の占める割合によって求められる。供給熱流量が大きい状態は、予め定める閾値以上の状態である。本実施の形態では、閾値が高燃焼状態における供給熱流量と低燃焼状態における供給熱流量との間に設定され、高燃焼状態が供給熱流量が大きい状態となる。補正処理演算部76は、冷運転状態では、設定手段52で設定される目標温度T0の初期値に、補正量演算部75によって求められる目標温度補正量Trs1を加算して、目標温度T0を高くするように補正する。この補正後の目標温度T0が偏差演算部70に与えられる。
図3は、冷運転時の温度制御部61における燃焼実行および燃焼停止切替制御動作のための構成を示すブロック図である。熱供給制御部65の切替判定部72では、前述の高燃焼状態および低燃焼状態の判定に加えて、燃焼実行および燃焼停止を判定する。切替判定部72は、温度検出手段50によって検出される出口温度TCHOUTと、熱供給開始温度である燃焼開始温度TON SPおよび熱供給停止温度である燃焼停止温度TOFF SPとを比較し、燃焼状態を燃焼実行状態および燃焼停止状態のいずれにするかを判定する。燃焼開始温度TON SPは、燃焼停止温度TOFF SPよりも大きい値(TON SP>TOFF SP)である。
燃焼開始温度TON SPおよび燃焼停止温度TOFF SPは、それらの各初期値が、目標温度T0の初期値に基づいて決定される。燃焼停止は、温度制御性に加え、過冷却による凍結防止の役割を果たしており、燃焼実行および燃焼停止切替制御動作では、高低切替制御動作のように制御演算値を用いるのではなく、直接温度で切替制御する。これによって演算量を少なくしかつ演算を簡易にして演算ミスを未然に防ぐ効果を達成できる。したがって燃焼停止温度TOFF SPの初期値は、出口温度TCHOUTがこの温度以下に冷却されると過冷却となるので燃焼実行の必要性がない、または吸収式冷温水機を損傷してしまうおそれがある温度に、またはその温度に基づいて設定される。燃焼停止温度TOFF SPの初期値がこのような条件を満たしたうえで、燃焼開始温度TON SPおよび燃焼停止温度TOFF SPの初期値は、出口温度TCHOUTが燃焼開始温度TON SP以下の温度から上昇して燃焼開始温度TON SPを超えると、燃焼実行状態に切替え、出口温度TCHOUTが燃焼停止温度TON SP以上の温度から低下して燃焼停止温度TOFF SP未満になると、燃焼停止状態に切替えるように制御することによって、得られる出口温度TCHOUTが、前述の制御温度範囲に収まるように設定される。
切替判定部72では、出口温度TCHOUTが燃焼開始温度TON SPを超える(TCHOUT>TON SP)場合、燃焼実行状態と判定し、出口温度TCHOUTが燃焼停止温度TOFF SP未満(TCHOUT>TON SP)の場合、燃焼停止状態と判定し、出口温度TCHOUTが燃焼停止温度TOFF SP以上燃焼開始温度TON SP未満(TOFF SP≦TCHOUT≦TON SP)の場合、その時点での燃焼状態を保持と判定する。
さらに制御指令部73は、切替判定部72における判定結果に基づいて、燃焼状態を燃焼実行状態にするか燃焼停止状態にするかを指令する信号を、制御弁駆動指令手段52に与える。制御指令部73では、切替判定部72における判定が燃焼停止状態から燃焼実行状態に切替ったとき、燃焼状態を燃焼実行状態にするように指令する信号を、制御弁駆動指令手段52に与える。これによって制御弁駆動指令手段52によって燃料供給流量制御弁40が開状態に切替えられ、燃焼状態が燃焼実行状態に切替えられる。また制御指令部73では、切替判定部72における判定が燃焼実行状態から燃焼停止状態に切替ったとき、燃焼状態を燃焼停止状態にするように指令する信号を、制御弁駆動指令手段52に与える。これによって制御弁駆動指令手段52によって燃料供給流量制御弁40が全閉状態に切替えられ、燃焼状態が燃焼停止状態に切替えられる。
温度制御部61では、燃焼実行および燃焼停止切替制御動作を、高低切替制御動作よりも優先して実行する。燃焼実行および燃焼停止切替制御動作において、切替判定部72で、燃焼実行状態から切替えて燃焼停止状態にすると判定した場合、および燃焼停止状態を保持すると判定した場合は、温度制御部61は、高低切替制御動作を実行しない。これに対して、燃焼実行および燃焼停止切替制御動作において、切替判定部72で、燃焼停止状態から切替えて燃焼実行状態にすると判定した場合、および燃焼実行状態を保持して継続すると判定した場合、温度制御部61は、高低切替制御動作を併せて実行する。
このようにして熱供給制御部65は、温度検出手段50によって検出される出口温度TCHOUTと、目標温度T0に基づいて設定される熱供給開始温度である燃焼開始温度TON SPおよび熱供給停止温度である燃焼停止温度TOFF SPとに基づいて、出口温度TCHOUTが目標温度T0に近づくように、再生器5における熱供給実行および熱供給停止を制御する。
また補正部66では、燃焼開始温度TON SPおよび燃焼停止温度TOFF SPを補正する。補正量演算部75は、吸収式冷温水機2の負荷状態を求め、その負荷状態に応じた切替温度補正量Trs2を演算して求める。吸収式冷温水機2の負荷状態は、再生器5における熱供給実行状態である燃焼実行状態の占める割合によって求められる。補正処理演算部76は、冷運転状態では、燃焼開始温度TON SPおよび燃焼停止温度TOFF SPの初期値に、補正量演算部75によって求められる切替温度補正量Trs2をそれぞれ加算して、燃焼開始温度TON SPおよび燃焼停止温度TOFF SPを高くするようにそれぞれ補正する。切替判定部72では、この補正後の燃焼開始温度TON SPおよび燃焼停止温度TOFF SPに用いて、燃焼状態を燃焼実行状態および燃焼停止状態のいずれにするかを判定する。
さらに制御指令部73は、切替えるように制御したとき、その切替時刻と切替後の燃焼状態がどの状態であるかを表す情報を、記憶手段54に与えて記憶させる。つまり制御手段73は、燃焼状態を、高燃焼状態に切替えるように制御したとき、その時刻と切替後の燃焼状態が高燃焼であることを表す情報を、記憶手段54に与えて記憶させる。また制御指令部73は、燃焼状態を、低燃焼状態に切替えるように制御したとき、その時刻と切替後の燃焼状態が低燃焼状態であることを表す情報を、記憶手段54に与えて記憶させる。また制御指令部73は、燃焼状態を、燃焼停止状態に切替えるように制御したとき、その時刻と切替後の燃焼状態が燃焼停止状態であることを表す情報を、記憶手段54に与えて記憶させる。
図4は、補正量演算部75の目標温度補正量Trs1を求めるための構成を示すブロック図である。補正量演算部75は、負荷算出部77と、補正量算出部78とを有する。負荷算出部77は、吸収式冷温水機2の負荷状態を求める。負荷は、直接検出することが困難であり、高低切替制御動作においては、負荷を表す指標として、再生器5における供給熱流量が大きい状態の占める割合を求める。この再生器5における供給熱流量が大きい状態の占める割合は、高燃焼状態が再生器5における供給熱流量が大きい状態に相当するので、高燃焼率Duty1として求める。高燃焼率Duty1は、高燃焼周期t1と高燃焼時間Δt1とのデューティ比(=Δt1/t1)から、式(1)によって求める。
Figure 0004820173
高燃焼周期t1は、高燃焼状態への切替時刻の周期であり、本実施の形態では、現時点に最も近い高燃焼状態への切替時刻と、その1つ前の高燃焼状態への切替時刻との周期である。高燃焼時間Δt1は、高燃焼周期t1内における高燃焼状態の時間であり、本実施の形態では、現時点に最も近い高燃焼状態への切替時刻の1つ前の高燃焼状態への切替時刻から、その高燃焼状態が他の燃焼状態に切替る切替時刻との時間である。高燃焼周期t1と高燃焼時間Δt1とのデューティ比(=Δt1/t1)は、記憶手段54に記憶されている、燃焼状態の切替時刻と切替後の燃焼状態を表す情報を読出し、この情報から算出する。負荷算出部77では、高燃焼率Duty1を、負荷状態を表す情報として求める。
補正量算出部78は、負荷算出部77で求められる高燃焼率Duty1に基づいて、目標温度補制量Trs1を、式(2)によって求める。
Figure 0004820173
式(2)において、DutyLIM1は、目標温度補正上限率であり、KDuty1は、目標温度補正ゲインである。
吸収式冷温水機2が高負荷状態にある場合は、目標温度T0の補正を禁止し、吸収式冷温水機2が高負荷状態以外の中負荷状態および低負荷状態にある場合だけ、目標温度T0を補正するために、制御装置1では、高燃焼率Duty1が、式(3)の範囲に収まる場合にだけ、目標温度T0を補正する。
0<Duty1<DutyLIM1 …(3)
目標温度補正上限率DutyLIM1は、高燃焼率Duty1が、この目標温度補正上限率DutyLIM1以上になる状態を高負荷状態とする、負荷状態の区切に相当する。目標温度補正上限率DutyLIM1は、吸収式冷温水機2の構成などに基づいて、適宜決定されるが、たとえば50であり、この場合、高燃焼率Duty1が50以上の状態が高負荷状態である。
補正量算出部78は、高燃焼率Duty1が、目標温度補正上限率DutyLIM1未満の場合、目標温度補制量Trs1を、式(2)によって求め、高燃焼率Duty1が、目標温度補正上限率DutyLIM1以上の場合、目標温度補制量Trs1を0にする。これによって高燃焼率Duty1が、目標温度補正上限率DutyLIM1未満の場合だけ、目標温度T0を補正することによって、吸収式冷温水機2が高負荷状態以外の中負荷状態および低負荷状態にある場合だけ、目標温度T0を補正することができる。
目標温度補正ゲインKDuty1は、吸収式冷温水機2の構成などに基づいて、適宜決定される。この目標温度補正ゲインKDuty1は、高燃焼率Duty1が0であると仮定した場合の目標温度補正量Trs1が、仕様温度範囲の温度幅から制御温度範囲の温度幅を減算した値を、2で除算した温度以下となるように決定される。これによって目標温度T0を、目標温度補正量Trs1補正しても、出口温度TCHOUTを仕様温度範囲に収めることが可能である。
このような構成の補正量演算75によって求められる目標温度補正量Trs1が、補正処理部76に与えられ、目標温度T0が補正される。このようにして補正部66は、再生器5における供給熱流量が大きい状態の占める割合が小さいとき、出口温度TCHOUTが設定手段51によって初期設定される目標温度T0を基準とする仕様温度範囲に収まり、かつ供給熱流量が大きい状態の占める割合が小さくなるように、目標温度T0を補正する。
図5は、補正量演算部75の切替温度補正量Trs2を求めるための構成を示すブロック図である。前述の高燃焼率Duty1は、高低切替制御動作において、目標温度T0を補正するに当たっての負荷を表す指標として好適であるが、燃焼実行および燃焼停止切替制御動作において、燃焼開始温度TON SPおよび燃焼停止温度TOFF SPを補正するにあたっての負荷を表す指標としては、再生器5における熱供給実行状態の占める割合の方が好適である。したがって負荷算出部77は、高低切替制御動作においては、負荷を表す指標として、再生器5における熱供給実行状態の占める割合を求める。この再生器5における熱供給実行状態の占める割合は、燃焼実行状態が再生器5における熱供給実行状態に相当するので、燃焼実行率Duty2として求める。燃焼実行率Duty2は、燃焼実行周期t2と燃焼実行時間Δt2とのデューティ比(=Δt2/t2)から、式(4)によって求める。
Figure 0004820173
燃焼実行周期t2は、燃焼実行状態への切替時刻の周期であり、本実施の形態では、現時点に最も近い燃焼実行状態への切替時刻と、その1つ前の燃焼実行状態への切替時刻との周期である。燃焼実行時間Δt2は、燃焼実行周期t2内における燃焼実行状態の時間であり、本実施の形態では、現時点に最も近い燃焼実行状態への切替時刻の1つ前の燃焼実行状態への切替時刻から、その燃焼実行状態が燃焼停止状態に切替る切替時刻との時間である。燃焼実行周期t2と燃焼実行時間Δt2とのデューティ比(=Δt2/t2)は、記憶手段54に記憶されている、燃焼状態の切替時刻と切替後の燃焼状態を表す情報を読出し、この情報から算出する。負荷算出部77では、燃焼実行率Duty2を、負荷状態を表す情報として求める。
補正量算出部78は、負荷算出部77で求められる燃焼実行率Duty2に基づいて、目標温度補制量Trs2を、式(5)によって求める。
Figure 0004820173
式(5)において、DutyLIM2は、切替温度補正上限率であり、KDuty2は、切替温度補正ゲインである。
吸収式冷温水機2が高負荷状態にある場合は、目標温度T0の補正を禁止し、吸収式冷温水機2が高負荷状態以外の中負荷状態および低負荷状態にある場合だけ、目標温度T0を補正するために、制御装置1では、燃焼実行率Duty2が、式(6)の範囲に収まる場合にだけ、燃焼開始温度TON SPおよび燃焼停止温度TOFF SPを補正する。
0<Duty2<DutyLIM2 …(6)
切替温度補正上限率DutyLIM2は、燃焼実行率Duty2が、この切替温度補正上限率DutyLIM2以上になる状態を高負荷状態とする、負荷状態の区切に相当する。切替温度補正上限率DutyLIM2は、吸収式冷温水機2の構成などに基づいて、適宜決定されるが、たとえば50であり、この場合、燃焼実行率Duty2が50以上の状態が高負荷状態である。
補正量算出部78は、燃焼実行率Duty2が、切替温度補正上限率DutyLIM2未満の場合、切替温度補制量Trs2を、式(5)によって求め、燃焼実行率Duty2が、切替温度補正上限率DutyLIM2以上の場合、切替温度補制量Trs2を0にする。これによって燃焼実行率Duty2が、切替温度補正上限率DutyLIM2未満の場合だけ、燃焼開始温度TON SPおよび燃焼停止温度TOFF SPを補正することによって、吸収式冷温水機2が高負荷状態以外の中負荷状態および低負荷状態にある場合だけ、燃焼開始温度TON SPおよび燃焼停止温度TOFF SPを補正することができる。
切替温度補正ゲインKDuty2は、吸収式冷温水機2の構成などに基づいて、適宜決定される。この切替温度補正ゲインKDuty2は、燃焼実行率Duty2が0であると仮定した場合の切替温度補正量Trs2が、仕様温度範囲の温度幅から制御温度範囲の温度幅を減算した値を、2で除算した温度以下となるように決定される。これによって燃焼開始温度TON SPおよび燃焼停止温度TOFF SPを、切替温度補正量Trs2補正しても、出口温度TCHOUTを仕様温度範囲に収めることが可能である。
このような構成の補正量演算部75によって求められる切替温度補正量Trs2が、補正処理部76に与えられ、燃焼開始温度TON SPおよび燃焼停止温度TOFF SPが補正される。このようにして補正部61は、再生器5における熱供給実行状態である燃焼実行状態の占める割合が小さいとき、出口温度TCHOUTが設定手段51によって初期設定される目標温度T0を基準とする仕様温度範囲に収まり、かつ燃焼実行状態の占める割合が小さくなるように、燃焼開始温度TON SPおよび燃焼停止温度TOFF SPを補正する。
図6は、暖運転時の温度制御部61における高低切替制御動作のための構成を示すブロック図である。暖運転時の高低切替制御動作のための構成は、冷運転時の高低切替制御動作のための構成と類似しており、異なる構成についてだけ説明する。
冷運転時には、制御演算部71は、出口温度TCHOUTが高くなると、演算結果である演算出力値MVが大きくなり、出口温度TCHOUTが低くなると、演算結果である演算出力値MVが小さくなるように演算したけれども、暖運転時には、制御演算部71は、出口温度TCHOUTが高くなると、演算結果である演算出力値MVが小さくなり、出口温度TCHOUTが低くなると、演算結果である演算出力値MVが大きくなるように演算する。また冷運転時には、補正処理部76は、目標温度T0の初期値に、目標温度補正量Trs1を加算して、目標温度T0を補正したけれども、暖運転時には、補正処理部76は、目標温度T0の初期値から、目標温度補正量Trs1を減算して、目標温度T0を補正する。その他の構成は、同様である。
図7は、暖運転時の温度制御部61における燃焼実行および燃焼停止制御動作のための構成を示すブロック図である。暖運転時の燃焼実行および燃焼停止切替制御動作のための構成は、冷運転時の燃焼実行および燃焼停止切替制御動作のための構成と類似しており、異なる構成についてだけ説明する。
暖運転時には、燃焼停止は、温度制御性に加え、過熱の防止の役割を果たしており、燃焼実行および燃焼停止切替制御動作では、高低切替制御動作のように制御演算値を用いるのではなく、直接温度で切替制御する。これによって演算量を少なくしかつ演算を簡易にして演算ミスを未然に防ぐ効果を達成できる。燃焼停止温度TOFF SPの初期値は、出口温度TCHOUTがこの温度以下に加熱されると過熱となるので燃焼実行の必要性がない、または吸収式冷温水機を損傷してしまうおそれがある温度に、またはその温度に基づいて設定される。燃焼停止温度TOFF SPの初期値がこのような条件を満たしたうえで、燃焼開始温度TON SPおよび燃焼停止温度TOFF SPの初期値は、出口温度TCHOUTが燃焼開始温度TON SP以下の温度から上昇して燃焼開始温度TON SPを超えると、燃焼実行状態に切替え、出口温度TCHOUTが燃焼停止温度TON SP以上の温度から低下して燃焼停止温度TOFF SP未満になると、燃焼停止状態に切替えるように制御することによって、得られる出口温度TCHOUTが、前述の制御温度範囲に収まるように設定される。冷運転時では、燃焼開始温度TON SPが、燃焼停止温度TOFF SPよりも大きい値(TON SP>TOFF SP)であってけれども、暖運転時では、燃焼開始温度TON SPが、燃焼停止温度TOFF SPよりも小さい値(TON SP<TOFF SP)である。
また冷運転時には、補正処理部76は、燃焼開始温度TON SPの初期値および燃焼停止温度TOFF SPの初期値に、切替温度補正量Trs2を加算して、燃焼開始温度TON SPおよび燃焼停止温度TOFF SPをそれぞれ補正したけれども、暖運転時には、補正処理部76は、燃焼開始温度TON SPの初期値および燃焼停止温度TOFF SPの初期値から、切替温度補正量Trs2を減算して、燃焼開始温度TON SPおよび燃焼停止温度TOFF SPをそれぞれ補正する。その他の構成は、同様である。
図8は、制御手段55における冷運転温度制御動作を示すフローチャートである。冷運転温度制御動作は、本発明の吸収式冷凍装置の制御方法に従う制御動作である。制御手段55は、冷暖制御部60の制御によって冷運転状態に設定され、かつ操作者による設定手段51の操作に基づいて、吸収式冷温水機2を稼動開始後、予め定める設定時間、たとえば2時間経過した時点で、ステップs0において、冷運転温度制御動作を開始し、ステップs1に進む。ステップs1では、熱供給制御部65が、温度検出手段50からの信号を受取って、検出される出口温度TCHOUTを取得する。
ステップs2では、補正部66が、切替温度補正量Trs2を演算して求める。このステップs2では、まず補正部66における補正量演算部75の負荷算出部77で、式(4)によって燃焼実行率Duty2を算出する。そして補正量演算部75の補正量算出部78で、燃焼実行率Duty2が、切替温度補正上限率DutyLIM2未満の場合、式(5)によって切替温度補正量Trs2を算出し、燃焼実行率Duty2が、切替温度補正上限率DutyLIM2以上の場合、切替温度補正量Trs2を0にする。
ステップs3では、補正部66が、燃焼開始温度TON SPおよび燃焼停止温度TOFF SPをそれぞれ補正する。このステップs3では、補正部66の補正処理部76で、燃焼開始温度TON SPの初期値に、切替温度補正量Trs2を加算して、燃焼開始温度TON SPを補正し、燃焼停止温度TOFF SPの初期値に、切替温度補正量Trs2を加算して、燃焼停止温度TOFF SPを補正する。
ステップs4では、熱供給制御部65が、燃焼実行および燃焼停止のいずれにするかを判定する。このステップs4では、熱供給制御部65の切替判定部72で、前述のように、TCHOUT>TON SPの場合、燃焼実行状態と判定し、TCHOUT>TON SPの場合、燃焼停止状態と判定し、TOFF SP≦TCHOUT≦TON SPの場合、その時点での燃焼状態を保持と判定する。このような基準で、燃焼実行状態と判定するとステップs5に進み、燃焼停止状態と判定するとステップs12に進む。
ステップs5では、補正部66が、目標温度補正量Trs1を演算して求める。このステップs5では、まず補正部66における補正量演算部75の負荷算出部77で、式(1)によって高燃焼率Duty1を算出する。そして補正量演算部75の補正量算出部78で、高燃焼率Duty1が、目標温度補正上限率DutyLIM1未満の場合、式(2)によって目標温度補正量Trs1を算出し、高燃焼率Duty1が、目標温度補正上限率DutyLIM1以上の場合、目標温度補正量Trs1を0にする。
ステップs6では、補正部66が、目標温度T0を補正する。このステップs6では、補正部66の補正処理部76で、目標温度T0の初期値に、目標温度補正量Trs1を加算して、目標温度T0を補正する。ステップs7では、熱供給制御部65が、偏差を演算する。このステップs7では、熱供給制御部65の偏差演算部70で、補正後の目標温度T0から出口温度TCHOUTを減算して偏差を求める。ステップs8では、熱供給制御部65が、偏差に対して制御演算する。このステップs8では、熱供給制御部65の制御演算部71で、偏差演算部70によって求められる偏差に対して、比例動作、積分動作および微分動作を含む制御演算を実行し、制御演算出力値MVを求める。
ステップs9では、熱供給制御部65が、高燃焼状態および低燃焼状態のいずれにするかを判定する。このステップs9では、熱供給制御部65の切替判定部72で、前述のように、MV>MVHIの場合、高燃焼状態と判定し、MV<MVLOの場合、低燃焼状態と判定し、MVLO≦MV≦MVHIの場合、その時点での燃焼状態を保持と判定する。このような基準で、低燃焼状態と判定するとステップs10に進み、高燃焼状態と判定するとステップs13に進む。
ステップs10では、熱供給制御部65は、再生器5における燃焼状態が低燃焼状態となるように、制御弁駆動指令手段52を制御する。このステップs10では、熱供給制御部65の制御指令部73で、現時点の燃焼状態が低燃焼状態であれば、制御弁駆動指令手段52への指令を特にはせず、現時点の燃焼状態が低燃焼状態以外であれば、燃焼状態を低燃焼状態にするように指令する信号を、制御弁駆動指令手段52に与える。これによって燃焼状態が低燃焼状態に制御される。そしてステップs1に戻る。
ステップs11では、熱供給制御部65は、再生器5における燃焼状態が燃焼停止状態となるように、制御弁駆動指令手段52を制御する。このステップs12では、熱供給制御部65の制御指令部73で、現時点の燃焼状態が燃焼停止状態であれば、制御弁駆動指令手段52への指令を特にはせず、現時点の燃焼状態が燃焼停止状態以外であれば、燃焼状態を燃焼停止状態にするように指令する信号を、制御弁駆動指令手段52に与える。これによって燃焼状態が燃焼停止状態に制御される。そしてステップs1戻る。
ステップs12では、熱供給制御部65は、再生器5における燃焼状態が高燃焼状態となるように、制御弁駆動指令手段52を制御する。このステップs13では、熱供給制御部65の制御指令部73で、現時点の燃焼状態が高燃焼状態であれば、制御弁駆動指令手段52への指令を特にはせず、現時点の燃焼状態が高燃焼状態以外であれば、燃焼状態を高燃焼状態にするように指令する信号を、制御弁駆動指令手段52に与える。これによって燃焼状態が高燃焼状態に制御される。そしてステップs1に戻る。
制御手段55は、冷暖制御部60の制御によって冷運転状態に設定され、かつ操作者による設定手段51の操作に基づいて、吸収式冷温水機2を稼動開始後、予め定める設定時間、たとえば2時間経過するまでは、燃焼開始温度TON SPおよび燃焼停止温度TOFF SPならびに目標温度T0を補正しない制御動作を実行する。したがって制御手段55は、図8に示す冷運転温度制御動作において、ステップs2では、切替温度補正量Trs2を0にし、ステップs6では、目標温度補正量Trs1を0にする、制御動作を実行する。
図9は、制御手段55における暖運転温度制御動作を示すフローチャートである。暖運転温度制御動作は、本発明の吸収式冷凍装置の制御方法に従う制御動作である。暖運転温度制御動作は、冷運転温度制御動作と類似しており、異なる構成についてだけ説明する。制御手段55は、冷暖制御部60の制御によって暖運転状態に設定され、かつ操作者による設定手段51の操作に基づいて、吸収式冷温水機2を稼動開始後、予め定める設定時間、たとえば2時間経過した時点で、ステップs0において、冷運転温度制御動作を開始し、ステップs1に進む。ステップa1〜a2は、冷運転温度制御動作のステップs1〜s2と同様の動作である。
ステップa3では、補正部66が、燃焼開始温度TON SPおよび燃焼停止温度TOFF SPをそれぞれ補正する。このステップs3では、補正部66の補正処理部76で、燃焼開始温度TON SPの初期値から、切替温度補正量Trs2を減算して、燃焼開始温度TON SPを補正し、燃焼停止温度TOFF SPの初期値から、切替温度補正量Trs2を減算して、燃焼停止温度TOFF SPを補正する。
ステップa4〜a5は、冷運転温度制御動作のステップs4〜s5と同様の動作である。ステップa6では、補正部66が、目標温度T0を補正する。このステップa6では、補正部66の補正処理部76で、目標温度T0の初期値から、目標温度補正量Trs1を減算して、目標温度T0を補正する。ステップa7〜a13は、冷運転温度制御動作のステップs7〜s13と同様の動作である。
制御手段55は、冷暖制御部60の制御によって暖運転状態に設定され、かつ操作者による設定手段51の操作に基づいて、吸収式冷温水機2を稼動開始後、予め定める設定時間、たとえば2時間経過するまでは、燃焼開始温度TON SPおよび燃焼停止温度TOFF SPならびに目標温度T0を補正しない制御動作を実行する。したがって制御手段55は、図9に示す暖運転温度制御動作において、ステップa2では、切替温度補正量Trs2を0にし、ステップa6では、目標温度補正量Trs1を0にする、制御動作を実行する。
本実施の形態によれば、制御手段55は、熱供給制御部65を有しており、検出される出口温度TCHOUと目標温度T0とに基づいて、再生器5における燃焼状態が制御される。まず検出される出口温度TCHOUTと、目標温度T0に基づいて設定される燃焼開始温度TON SPおよび燃焼停止温度TOFF SPとに基づいて、再生器5における燃焼状態が、燃焼実行状態および燃焼停止状態のいずれかに制御される。さらに燃焼実行状態では、検出される出口温度TCHOUTが目標温度T0に近づくように、再生器5における燃焼状態が、高燃焼状態および低燃焼状態のいずれかに制御される。これによって目標温度T0に近い温度のブラインが得られ、ブラインを好適に利用することができる。
さらに制御手段55は、補正部65を有しており、燃焼実行および燃焼停止切替制御動作においては、燃焼開始温度TON SPおよび燃焼停止温度TOFF SPを補正し、高低切替制御動作においては、目標温度T0を補正する。これによって再生器5における燃焼実行状態の時間を短くするとともに、燃焼実行状態でも高燃焼状態の時間を短くし、燃焼停止状態および低燃焼状態の時間を長くして、省エネルギ化を実現することができる。
しかも燃焼開始温度TON SPおよび燃焼停止温度TOFF SPならびに目標温度T0の補正は、出口温度TCHOUTが仕様温度範囲に収まるような補正である。したがって出口温度TCHOUTが仕様温度範囲から外れてしまうことがなく、高い温度制御性を維持することができる。さらに加えて、制御手段55は、吸収式冷温水機2が中負荷状態および低負荷状態にあるときだけ、燃焼開始温度TON SPおよび燃焼停止温度TOFF SPならびに目標温度T0を補正しているので、吸収式冷温水機2の負荷が高くなるように変動したとしても、再生器5における燃焼状態を高燃焼状態に切替えることによって、負荷の変動後に、出口温度TCHOUTを仕様温度範囲に容易に収めることができ、高い温度制御性を維持することができる。
また前述のような制御によって、中負荷状態および低負荷状態において、燃焼状態が高燃焼状態に切替ることを抑制することができる。燃焼状態の切替回数を低減することが可能であり、吸収式冷温水機2の寿命を延長することができる。また吸収式冷温水機2の稼動開始から設定時間経過するまでは、燃焼開始温度TON SPおよび燃焼停止温度TOFF SPならびに目標温度T0を補正しないように、つまり各補正量Trs1,Trs2を0にすることによって、負荷状態を正確に把握することが困難な稼動開始後の間もない時間における温度制御性を高く維持することができる。
また吸収式冷温水機2の負荷状態を表す指標として、再生器5における燃焼状態の時間比を用いるので、吸収式冷温水機2の周囲の温度、外気温度などの環境の影響を受けることなく、負荷状態を比較的正確に把握することができ、好適に制御することができる。しかも燃焼状態の比は、単位時間を基準に求めるのではなく、燃焼状態の切替周期を基準に求めるので、現時点の負荷状態を忠実に表す燃焼状態の比を求めることができ、好適に制御することができる。
燃焼実行および燃焼停止切替制御動作は、前述のように、冷運転時における過冷却および暖運転時における過熱を防止するための役割を果たしている。したがって燃焼実行および燃焼停止切替制御動作は、いわば安全回路の役割を果たしており、直接温度を比較して制御している。このような構成では、演算量を少なくし、演算ミスをすくなくして、信頼性の高くすることができる。また作業者が、制御の状態を直感的に理解しやすいという利点がある。高低切替制御動作は、冷運転時における過冷却および暖運転時における過熱を防止する役割を果たす必要がないので、制御演算部71による制御演算を実行し、出口温度TCHOUTの目標温度T0に対する応答性、追従性を良好にしている。このように燃焼実行および燃焼停止切替制御動作と、高低切替制御動作とで、制御のし方を異ならせることによって、優れた制御動作を実行することができる。
図10は、制御手段55による冷運転温度制御動作のシミュレーション結果を示すグラフである。表1は、図10に示すシミュレーション結果を示す。
Figure 0004820173
本件発明者らは、シミュレーションによって、本発明の効果を検証した。図10に結果を示すシミュレーションでは、時刻(Time)50minまでは、燃焼開始温度TON SPおよび燃焼停止温度TOFF SPならびに目標温度T0の補正を無効とし、その後、燃焼開始温度TON SPおよび燃焼停止温度TOFF SPならびに目標温度T0の補正を有効とした。補正の無効および有効の切替前後において、燃料消費量などを比較した。この結果、図10および表1から明らかなように、本発明に従う補正を行うことによって、補正をしない場合に比べて、燃料消費量が削減され、かつ単位時間あたりの燃焼状態の切替周期を長くし、切替回数を抑制することが可能であることを確認した。また出口温度TCHOUTは、燃焼開始温度TON SPおよび燃焼停止温度TOFF SPならびに目標温度T0の補正を適用しても、仕様温度範囲に収めることができることを確認した。
ここで、シミュレーションでは、目標温度の初期値を7℃とし、仕様温度範囲を7℃±1℃とした。またデューティ比は、高燃焼周期t1と高燃焼時間Δt1とのデューティ比(=Δt1/t1)である。燃焼消費割合は、補正していないときの単位時間あたりの燃焼消費量Fを100とした値である。単位時間あたりの燃料消費量Fは、デューティ比(=Δt1/t1)をDutyとし、高燃焼状態における燃焼消費量をFHIとし、低燃焼状態における燃焼消費量を高燃焼状態における燃焼消費量の半分(0.5×FHI)として、式(7)で求めた。また燃料停止状態は無かったものとした。
Figure 0004820173
前述の実施の形態は、本発明の例示であり、本発明を限定するものではない。たとえば制御演算部71における制御演算は、比例積分部分演算に限定されるものではなく、比例演算、比例積分演算、比例微分演算など、他の制御演算であってもよい。また再生器5における溶液への供給熱流量は、前述のような3段階に制御する構成に代えて、2段階、4段階以上または無段階的に制御する構成であってもよい。また制御対象とする吸収式冷凍装置は、ブラインを冷却して送出す冷運転だけを行う構成でもよいし、1重効用型であってもよいし、燃料の燃焼以外の手段で、たとえば蒸気を用いて加熱する構成であってもよい。また仕様温度範囲、制御温度範囲、目標温度補正上限率、切替温度補正上限率などは、適宜変更することができる。
本発明の実施の一形態の制御装置1を、吸収式冷温水機2とともに示すブロック図である。 冷運転時の温度制御部61における高低切替制御動作のための構成を示すブロック図である。 冷運転時の温度制御部61における燃焼実行および燃焼停止切替制御動作のための構成を示すブロック図である。 補正量演算部75の目標温度補正量Trs1を求めるための構成を示すブロック図である。 補正量演算部75の切替温度補正量Trs2を求めるための構成を示すブロック図である。 暖運転時の温度制御部61における高低切替制御動作のための構成を示すブロック図である。 暖運転時の温度制御部61における燃焼実行および燃焼停止制御動作のための構成を示すブロック図である。 制御手段55における冷運転温度制御動作を示すフローチャートである。 制御手段55における暖運転温度制御動作を示すフローチャートである。 制御手段55による冷運転温度制御動作のシミュレーション結果を示すグラフである。
符号の説明
1 制御装置
2 吸収式冷温水機
50 温度検出手段
51 設定手段
52 制御弁駆動指令手段
53 切替弁駆動指令手段
54 記憶手段
55 制御手段
60 冷暖切替部
61 温度制御部
65 熱供給制御部
66 補正部
70 偏差演算部
71 制御演算部
72 切替比較部
73 制御指令部
75 補正量演算部
76 補正処理部
77 負荷算出部
78 補正量算出部

Claims (8)

  1. 再生器で溶液に熱を供給することによって、蒸発器からブラインを温度調整して送出する吸収式冷凍装置を制御する制御装置であって、
    蒸発器から送出されるブラインの温度を検出する温度検出手段と、
    蒸発器から送出されるブラインの温度の目標温度を初期設定する設定手段と、
    再生器における供給熱流量を制御する制御手段であって、
    再生器における供給熱流量が大きい状態の占める割合を示す高燃焼率を求める負荷算出部と、
    予め定められる数値であって、前記高燃焼率が該予め定められる数値以上の状態を高負荷状態とするときの該予め定められる数値を目標温度補正上限率と規定するとき、負荷算出部によって求められる高燃焼率が前記目標温度補正上限率未満である場合には、該目標温度補正上限率から該高燃焼率を減算した値に、予め定められる目標温度補正ゲインを乗算した値を目標温度補正量とし、負荷算出部によって求められる高燃焼率が前記目標温度補正上限率以上である場合には、目標温度補正量を0とする補正量算出部と、
    設定手段によって初期設定された目標温度の初期値に、補正量算出部によって求められた目標温度補正量を加算または減算して目標温度を補正する補正処理演算部と、
    温度検出手段によって検出されるブラインの温度と、補正処理演算部による補正後の目標温度とに基づいて、ブラインの温度が目標温度に近づくように、再生器における供給熱流量を制御する熱供給制御部とを有する制御手段とを備え
    前記目標温度補正ゲインは、高燃焼率が0であると仮定した場合の目標温度補正量が、目標温度の初期値を中心として上下に所定の温度幅を有する仕様温度範囲の温度幅を2で除算した値以下となるように決定されていることを特徴とする吸収式冷凍装置の制御装置。
  2. 吸収式冷凍装置は、冷暖房に用いられる吸収式冷温水機であって、
    前記補正処理演算部は、冷房運転状態では、前記目標温度の初期値に、前記補正量算出部によって求められた目標温度補正量を加算して目標温度を補正し、暖房運転状態では、前記目標温度の初期値から、前記補正量算出部によって求められた目標温度補正量を減算して目標温度を補正することを特徴とする請求項1記載の吸収式冷凍装置の制御装置。
  3. 前記負荷算出部は、再生器における熱供給実行状態の占める割合を示す燃焼実行率を求め、
    前記補正量算出部は、予め定められる数値であって、前記燃焼実行率が該予め定められる数値以上の状態を高負荷状態とするときの該予め定められる数値を切替温度補正上限率と規定するとき、負荷算出部によって求められる燃焼実行率が前記切替温度補正上限率未満である場合には、該切替温度補正上限率から該燃焼実行率を減算した値に、予め定められる切替温度補正ゲインを乗算した値を切替温度補正量とし、負荷算出部によって求められる燃焼実行率が前記切替温度補正上限率以上である場合には、切替温度補正量を0と定め、
    前記補正処理演算部は、設定手段によって初期設定された目標温度の初期値に基づいて決定される熱供給開始温度および熱供給停止温度の各初期値に、補正量算出部によって求められた切替温度補正量を加算または減算して、熱供給開始温度および熱供給停止温度を補正し、
    前記熱供給制御部は、温度検出手段によって検出されるブラインの温度と、補正処理演算部による補正後の熱供給開始温度および熱供給停止温度とに基づいて、ブラインの温度が目標温度に近づくように、再生器における熱供給実行および熱供給停止を制御し、
    前記切替温度補正ゲインは、燃焼実行率が0であると仮定した場合の切替温度補正量が、前記仕様温度範囲の温度幅を2で除算した値以下となるように決定されていることを特徴とする請求項1または2記載の吸収式冷凍装置の制御装置。
  4. 吸収式冷凍装置は、冷暖房に用いられる吸収式冷温水機であって、
    前記補正処理演算部は、冷房運転状態では、前記熱供給開始温度および熱供給停止温度の各初期値に、前記補正量算出部によって求められた切替温度補正量を加算して熱供給開始温度および熱供給停止温度を補正し、暖房運転状態では、前記熱供給開始温度および熱供給停止温度の各初期値から、前記補正量算出部によって求められた切替温度補正量を減算して熱供給開始温度および熱供給停止温度を補正することを特徴とする請求項3記載の吸収式冷凍装置の制御装置。
  5. 再生器で溶液に熱を供給することによって、蒸発器からブラインを温度調整して送出する吸収式冷凍装置を制御する制御方法であって、
    蒸発器から送出されるブラインの温度を検出する温度検出工程と、
    再生器における供給熱流量が大きい状態の占める割合を示す高燃焼率を求める高燃焼率算出工程と、
    予め定められる数値であって、前記高燃焼率が該予め定められる数値以上の状態を高負荷状態とするときの該予め定められる数値を目標温度補正上限率と規定するとき、高燃焼率算出工程において求められる高燃焼率が前記目標温度補正上限率未満である場合には、該目標温度補正上限率から該高燃焼率を減算した値に、予め定められる目標温度補正ゲインを乗算した値を目標温度補正量とし、高燃焼率算出工程において求められる高燃焼率が前記目標温度補正上限率以上である場合には、目標温度補正量を0として求める目標温度補正量算出工程と、
    初期設定された目標温度の初期値に、目標温度補正量算出工程において求められた目標温度補正量を加算または減算して目標温度を補正する目標温度補正処理演算工程と、
    温度検出工程において検出されるブラインの温度と、目標温度補正処理演算工程において補正された目標温度とに基づいて、ブラインの温度が目標温度に近づくように、再生器における供給熱流量を制御する供給熱流量制御工程とを含み、
    前記目標温度補正ゲインは、高燃焼率が0であると仮定した場合の目標温度補正量が、目標温度の初期値を中心として上下に所定の温度幅を有する仕様温度範囲の温度幅を2で除算した値以下となるように決定されていることを特徴とする吸収式冷凍装置の制御方法。
  6. 吸収式冷凍装置は、冷暖房に用いられる吸収式冷温水機であって、
    前記目標温度補正処理演算工程において、冷房運転状態では、前記目標温度の初期値に、前記目標温度補正量算出工程において求められた目標温度補正量を加算して目標温度を補正し、暖房運転状態では、前記目標温度の初期値から、前記目標温度補正量算出工程において求められた目標温度補正量を減算して目標温度を補正することを特徴とする請求項5記載の吸収式冷凍装置の制御方法。
  7. 再生器における熱供給実行状態の占める割合を示す燃焼実行率を求める燃焼実行率算出工程と、
    予め定められる数値であって、前記燃焼実行率が該予め定められる数値以上の状態を高負荷状態とするときの該予め定められる数値を切替温度補正上限率と規定するとき、燃焼実行率算出工程において求められる燃焼実行率が前記切替温度補正上限率未満である場合には、該切替温度補正上限率から該燃焼実行率を減算した値に、予め定められる切替温度補正ゲインを乗算した値を切替温度補正量とし、燃焼実行率算出工程において求められる燃焼実行率が前記切替温度補正上限率以上である場合には、切替温度補正量を0として求める切替温度補正量算出工程と、
    初期設定された目標温度の初期値に基づいて決定される熱供給開始温度および熱供給停止温度の各初期値に、切替温度補正量算出工程において求められた切替温度補正量を加算または減算して、熱供給開始温度および熱供給停止温度を補正する温度補正処理演算工程と、
    温度検出工程において検出されるブラインの温度と、温度補正処理演算工程において補正された熱供給開始温度および熱供給停止温度とに基づいて、ブラインの温度が目標温度に近づくように、再生器における熱供給実行および熱供給停止を制御する実行停止制御工程とをさらに含み、
    前記切替温度補正ゲインは、燃焼実行率が0であると仮定した場合の切替温度補正量が、前記仕様温度範囲の温度幅を2で除算した値以下となるように決定されている
    ことを特徴とする請求項5または6記載の吸収式冷凍装置の制御方法。
  8. 吸収式冷凍装置は、冷暖房に用いられる吸収式冷温水機であって、
    前記温度補正処理演算工程において、冷房運転状態では、前記熱供給開始温度および熱供給停止温度の各初期値に、前記切替温度補正量算出工程において求められた切替温度補正量を加算して熱供給開始温度および熱供給停止温度を補正し、暖房運転状態では、前記熱供給開始温度および熱供給停止温度の各初期値から、前記切替温度補正量算出工程において求められた切替温度補正量を減算して熱供給開始温度および熱供給停止温度を補正することを特徴とする請求項7記載の吸収式冷凍装置の制御方法。
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