JP4828012B2 - 殺菌水生成方法及び装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般には、食品加工、農水産業、医療など様々な分野における各種機器或いは食料品を汚染する微生物を殺菌、消毒するために利用することができる殺菌水の生成方法及び装置に関し、特に、殺菌剤として用いられる次亜塩素酸ナトリウムを活性化し、殺菌力を増強させる殺菌水生成方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば医療分野において、血液透析用機器の殺菌、消毒のために、次亜塩素酸ナトリウム(NaOCl)水溶液が用いられている。通常、次亜塩素酸ナトリウムは6w/w%程度の濃度で提供され、この原液を使用時に500〜1000ppmの濃度に希釈して殺菌水として使用する。
【0003】
しかし、このような次亜塩素酸ナトリウム含有殺菌水によって各種機器などを殺菌、消毒した後には、次亜塩素酸ナトリウムが残留しないように、十分に清水にて洗浄する必要があり、次亜塩素酸ナトリウムを含む機器洗浄廃液が環境中に排出されることとなる。従って、上述のように500〜1000ppmといった高濃度にて次亜塩素酸ナトリウムを含む殺菌水が多量に用いられると、環境に与える影響が大きいという問題があった。又、次亜塩素酸ナトリウムを高濃度で含む洗浄廃液が活性汚泥法を用いた排水処理施設に導入されるならば、汚泥(微生物)に相当のダメージを与え、処理不能となることさえあり得る。
【0004】
一方、上記問題点に鑑み、近年、次亜塩素酸ナトリウム含有殺菌水の殺菌力を増強させて、次亜塩素酸ナトリウムの使用量を削減することができる装置が提案された(特開平10−182325号公報)。又、例えば血液透析機器の洗浄、消毒方法として、次亜塩素酸ナトリウム及び酢酸を含む次亜塩素酸ナトリウム活性水を使用する方法の殺菌、消毒能力が実証されている(例えば“次亜塩素酸ナトリウム活性水の洗浄・消毒効果”、「機能水医療研究会第1巻第2号」、101頁〜104頁(1999))。
【0005】
即ち、次亜塩素酸ナトリウムを含む殺菌水が示す殺菌力の主成分は次亜塩素酸(HOCl)であり、且つ殺菌水中の次亜塩素酸(HOCl)の存在率が殺菌水のpHに依存することが明らかにされた。図5は、次亜塩素酸ナトリウム含有殺菌水中の、pHによる次亜塩素酸の存在率を示している。図5から理解されるように、次亜塩素酸ナトリウム自体は強アルカリ性であり、pHの低下に伴って約pH4.5まで次亜塩素酸(HClO)の含有量が増大する。又、約pH3.0より低くなり過ぎても次亜塩素酸(HClO)の含有量は減少する。
【0006】
つまり、次亜塩素酸ナトリウムを単に水で希釈した従来の殺菌水は強アルカリ性(約pH8.5〜pH10)であり、殺菌水中に500ppm〜1000ppmといった高濃度にて次亜塩素酸ナトリウムを希釈しても、含有次亜塩素酸ナトリウムのわずか5%程度しか殺菌力の強い次亜塩素酸(HClO)として存在していない。
【0007】
そこで、上記の次亜塩素酸ナトリウムの殺菌力増強装置(特開平10−182325号公報)では、次亜塩素酸ナトリウム含有殺菌水のpHをpH3.0〜6.0の範囲に調整する。これにより、殺菌水に含まれる次亜塩素酸ナトリウムのほぼ100%が殺菌に有効な次亜塩素酸(HClO)として存在できるので、強力な殺菌力を得るために必要とされる次亜塩素酸ナトリウムの量を低減させ、例えば10〜20ppmまで次亜塩素酸ナトリウムの濃度を低下させることができる。以下、この原理を用いて調製される次亜塩素酸ナトリウム含有殺菌水を、「次亜塩素酸ナトリウム活性水」或いは単に「活性水」と呼ぶ。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように次亜塩素酸ナトリウムの濃度を希薄にし、且つ殺菌力を強化した次亜塩素酸ナトリウム活性水を調製するためには、活性水の次亜塩素酸ナトリウム濃度及びpHを、所望の設定値に正確に合わせることが不可欠であり、これによって初めて強力な殺菌力が保証される。又、必要以上に次亜塩素酸ナトリウムが添加されることがあれば、上述のように消毒、殺菌廃液が環境中に排出されたときに問題となる。
【0009】
従来、活性水の次亜塩素酸ナトリウム濃度及びpHを調製する方法として、次亜塩素酸ナトリウム及び/又は酸の希釈用原水の流量を検出して、この流量に対して所定の割合で次亜塩素酸ナトリウムや酸を添加する方法がある。
【0010】
しかし、このような方法では、例えば次亜塩素酸ナトリウムや酸の原液が無くなった場合(使い切ったとき)や、次亜塩素酸ナトリウムや酸を供給するための薬液ポンプに異常が生じた場合などには、次亜塩素酸ナトリウム濃度及びpHが設定値に適合しなくなる。薬液ポンプの異常としては、機械的な故障(ダイアフラムの破損など)或いは電気的な故障(ヒューズ切れなど)が考えられる。又、ダイアフラム式のポンプにエアロックが発生したり、或いは薬液配管チューブがはずれるなどの不具合が生じることも考えられる。更に、活性水の次亜塩素酸濃度及びpHが設定値から外れる原因としては、希釈用原水の不足、断水などが生じることも考えられる。
【0011】
従って、このような様々な事象に対処し、常に所定の次亜塩素酸ナトリウム濃度及びpHを維持して、常に強い殺菌力を備えた次亜塩素酸ナトリウム活性水を調製するために、或いは所望の活性水が得られない恐れがある場合に活性水の調製を停止させたり、警報を発するために、次亜塩素酸ナトリウムの濃度及びpHを監視し、又次亜塩素酸ナトリウム及び酸の添加量を調整して信頼性を増すことが非常に重要である。
【0012】
活性水の次亜塩素酸ナトリウム濃度を検出する方法としては、所謂、ポーラログラフを利用した次亜塩素酸濃度検出センサ(残留塩素濃度検出器)を用いることが考えられる。例えば、この次亜塩素酸濃度計の指示を見ながら次亜塩素酸ナトリウムの濃度が所定値になるまで手動にて次亜塩素酸ナトリウムの注入量を調整したり、或いは次亜塩素酸濃度計の検出値を用いて自動にて調整することにより行うことができる。又、活性水のpHは、pH計を用いて検出し、その検出値から酸の添加量を調整することが考えられる。
【0013】
しかしながら、ポーラログラフを利用した次亜塩素酸濃度検出センサは比較的高価であり、又検出精度を維持するためには、電極のメンテナンスなど保守のための費用もかかり操作も煩雑となる。又、周知のように、pH計は定期的に標準校正を行う必要があり、pHの検出精度を維持するためには、この標準校正を頻繁に行わなければならず、操作が煩雑となる。このように、次亜塩素酸濃度検出センサやpH計を使用する方法では、コスト、センサの保守、信頼性の点で問題がある。
【0014】
又、例えば次亜塩素酸ナトリウム活性水を食品加工分野における機器の消毒、殺菌に用いるような場合には、通常のガラス電極を使用したpH計を使用すると、ガラス電極が破損した際に食品にガラスの破片が混入する恐れがあり問題である。尚、ガラス電極を用いない、所謂、メトキシー電極型のpH計もあるが、活性水に含まれる次亜塩素酸は強力な酸化剤であるので使用に適さない。
【0015】
このように、安全、低コスト且つ簡便に活性水の次亜塩素酸濃度及びpHを監視でき、常に正確に所定の濃度及びpHの活性水を調製し得る方法及び装置が望まれる。
【0016】
更に、このような方法及び装置はまた、広範囲の希釈用原水の使用に適用し得ることが望まれる。即ち、例えば血液透析機器の殺菌、消毒に用いる次亜塩素酸ナトリウム活性水の調製には、希釈用原水として実質的に溶存イオンを含まない逆浸透水(R/O水)を用いる必要がある。逆浸透水生成(R/O)装置は、比較的高価であり、更には膜や樹脂の交換などのランニングコストもかかる。しかし、例えば、食品加工、農水産、畜産分野における、製造ライン、配管、タンクなどの機器或いは食料品の殺菌や消毒、半導体基板の殺菌など工業生産分野における殺菌や消毒、廃棄物処理や下水処理分野における殺菌や消毒、或いはプール水の殺菌の用途には、希釈用原水として水道水、井戸水などを使用することができ、これにより大幅にコストを削減することができる。
【0017】
又、水道水や井戸水に加えて、海水を希釈用原水として用いることが望まれる場合がある。即ち、水産分野において、魚洗浄や解凍などに使用する海水を、殺菌力の強い次亜塩素酸ナトリウム活性水とすることにより、例えば海水に含まれる有害微生物(例えば食中毒の原因となり得る腸炎ビブリオ菌など)の殺菌、繁殖防止、洗浄の効果が得られ、同時に、希釈用原水が海水であるので、魚の変色などの弊害を防止することができる。
【0018】
従って、本発明の目的は、安全、低コスト且つ簡便に、常に所望の次亜塩素酸ナトリウム濃度及びpHの殺菌水を得ることが可能な殺菌水生成方法及び装置を提供することである。
【0019】
又、本発明の他の目的は、特に、殺菌水を調製するための希釈用原水として、逆浸透水(R/O水)、水道水、井戸水或いは海水などの広範囲の希釈用原水を使用することができ、しかも安全、低コスト且つ簡便に、常に所望の次亜塩素酸ナトリウム濃度及びpHの殺菌水を得ることが可能な殺菌水生成方法及び装置を提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記目的は本発明に係る殺菌水生成方法及び装置にて達成される。要約すれば、本発明の第1の態様によると、一定流量で流動する原水に次亜塩素酸ナトリウムを添加して希釈混合することで次亜塩素酸ナトリウム希釈液を生成すると共に、一定流量で流動する原水に酸を添加して希釈混合することで酸希釈液を生成し、生成した前記次亜塩素酸ナトリウム希釈液と前記酸希釈液とを混合することで所望の次亜塩素酸ナトリウム濃度及びpHの殺菌水を生成する殺菌水生成方法であって;次亜塩素酸ナトリウム水溶液の濃度と電気伝導率との相関から、所望の濃度の次亜塩素酸ナトリウム水溶液における次亜塩素酸ナトリウムの添加による電気伝導率の増加分を第1の所定値と定めること;前記次亜塩素酸ナトリウム希釈液の濃度が所望の濃度となるように予め調整された添加量にて次亜塩素酸ナトリウムを前記一定流量で流動する原水に添加して希釈混合することで前記次亜塩素酸ナトリウム希釈液を得ること;酸水溶液の濃度と電気伝導率との相関から、所望の濃度の酸水溶液における酸の添加による電気伝導率の増加分を第2の所定値と定めること;前記酸希釈液の濃度が所望の濃度となるように予め調整された添加量にて酸を前記一定流量で流動する原水に添加して希釈混合することで前記酸希釈液を得ること;前記次亜塩素酸ナトリウム希釈液の電気伝導率(d1)、前記酸希釈液の電気伝導率(d2)、及び原水の電気伝導率(d3)を測定すること;前記次亜塩素酸ナトリウム希釈液と原水の電気伝導率の差である第1の電気伝導率差(d1−d3)、及び前記酸希釈液と原水の電気伝導率の差である第2の電気伝導率差(d2−d3)を求めること;前記第1の電気伝導率差(d1−d3)と前記第1の所定値とを比較して、前記第1の電気伝導率差(d1−d3)が前記第1の所定値から外れて所定時間経過した場合に、前記次亜塩素酸ナトリウム希釈液の濃度が所望の濃度から外れて正常な殺菌水を生成できないことを判断して、所定の警報を発するか、所定の情報表示を行うか、又は原水の供給を停止すること;前記第2の電気伝導率差(d2−d3)と前記第2の所定値とを比較して、前記第2の電気伝導率差(d2−d3)が前記第2の所定値から外れて所定時間経過した場合に、前記酸希釈液の濃度が所望の濃度から外れて正常な殺菌水を生成できないことを判断して、所定の警報を発するか、所定の情報表示を行うか、又は原水の供給を停止すること;前記次亜塩素酸ナトリウム希釈液と前記酸希釈液とを混合して殺菌水を得ること;を含むことを特徴とする殺菌水生成方法が提供される。
【0022】
本発明の第1の態様において、実施態様によると、前記原水の電気伝導率(d3)を測定する代わりに、原水の電気伝導率(d3)として一定値を用いる。
【0025】
本発明の第2の態様によると、原水に次亜塩素酸ナトリウム及び酸を添加して所望の次亜塩素酸ナトリウム濃度及びpHの殺菌水を生成する殺菌水生成装置であって原水を供給する原水供給流路と原水に次亜塩素酸ナトリウムを添加、混合して次亜塩素酸ナトリウム希釈液を得るための、前記原水供給流路から分岐した第1の希釈混合流路であって、当該第1の希釈混合流路中を流動する原水の流量を一定に維持する第1の流量規制手段と、当該第1の希釈混合流路中を流動する原水に次亜塩素酸ナトリウムを添加する第1の添加手段と、次亜塩素酸ナトリウムが添加された後の液を混合攪拌する第1の混合器とを備え、前記第1の添加手段は、前記次亜塩素酸ナトリウム希釈液の濃度が所望の濃度となるように予め調整された添加量にて次亜塩素酸ナトリウムを前記一定流量で流動する原水に添加する第1の希釈混合流路と原水に酸を添加、混合して酸希釈液を得るための、前記原水供給流路から分岐した第2の希釈混合流路であって、当該第2の希釈混合流路中を流動する原水の流量を一定に維持する第2の流量規制手段と、当該第2の希釈混合流路中を流動する原水に酸を添加する第2の添加手段と、酸が添加された後の液を混合攪拌する第2の混合器とを備え、前記第2の添加手段は、前記酸希釈液の濃度が所望の濃度となるように予め調整された添加量にて酸を前記一定流量で流動する原水に添加する第2の希釈混合流路と前記次亜塩素酸ナトリウム希釈液と前記酸希釈液とを混合するための、前記第1、第2の希釈混合流路からの液が合流し導かれる混合流路であって、前記第1の希釈混合流路からの液と前記第2の希釈混合流路からの液を混合攪拌する第3の混合器を備えた混合流路と前記第1の希釈混合流路の、前記第1の混合器の下流側に設けられ、前記次亜塩素酸ナトリウム希釈液の電気伝導率(d1)を測定する第1の電気伝導率測定手段と前記第2の希釈混合流路の、前記第2の混合器の下流側に設けられ、前記酸希釈液の電気伝導率(d2)を測定する第2の電気伝導率測定手段と前記原水供給流路に設けられ、原水の電気伝導率(d3)を測定する第3の電気伝導率測定手段と前記第1、第2及び第3の電気伝導率測定手段からの信号に基づく処理を行う制御手段であって;次亜塩素酸ナトリウム水溶液の濃度と電気伝導率との相関から定められた、所望の濃度の次亜塩素酸ナトリウム水溶液における次亜塩素酸ナトリウムの添加による電気伝導率の増加分が第1の所定値として記憶され、酸水溶液の濃度と電気伝導率との相関から定められた、所望の濃度の酸水溶液における酸の添加による電気伝導率の増加分が第2の所定値として記憶されており;前記次亜塩素酸ナトリウム希釈液と原水の電気伝導率の差である第1の電気伝導率差(d1−d3)、及び前記酸希釈液と原水の電気伝導率の差である第2の電気伝導率差(d2−d3)を求める処理;前記第1の電気伝導率差(d1−d3)と前記第1の所定値とを比較して、前記第1の電気伝導率差(d1−d3)が前記第1の所定値から外れて所定時間経過した場合に、前記次亜塩素酸ナトリウム希釈液の濃度が所望の濃度から外れて正常な殺菌水を生成できないことを判断する処理;及び前記第2の電気伝導率差(d2−d3)と前記第2の所定値とを比較して、前記第2の電気伝導率差(d2−d3)が前記第2の所定値から外れて所定時間経過した場合に、前記酸希釈液の濃度が所望の濃度から外れて正常な殺菌水を生成できないことを判断する処理を行う制御手段とを有することを特徴とする殺菌水生成装置が提供される。
【0026】
本発明の第2の態様において、実施態様によると、装置は更に、予め求められた原水の電気伝導率の所定値を前記制御手段に入力する電気伝導率入力手段を有し、前記制御手段は、原水の電気伝導率(d3)として前記第3の電気伝導率測定手段からの信号の代わりに、前記電気伝導率入力手段から入力された信号を利用する。
【0028】
本発明の第2の態様において、他の実施態様によると、前記制御手段は、前記正常な殺菌水が生成できないことを判断した場合に、所定の警報を発する処理、所定の情報表示を行う処理又は原水供給停止させる処理を行う。
【0029】
上記各本発明の一実施態様によると、原水は、水道水、井戸水、海水又は逆浸透水(R/O水)である。
【0030】
又、上記各本発明の一実施態様によると、好ましくは、前記殺菌水の次亜塩素酸ナトリウム濃度は0.5ppm〜1000ppmの範囲とされ、pHはpH3.0〜7.5の範囲とされる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る殺菌水生成方法及び装置を図面に則して更に詳しく説明する。
【0032】
本実施例では、本発明の殺菌水生成方法及び装置は、希釈用原水として水道水を用いるとして説明する。図1は、本発明の殺菌水生成方法を具現化する装置の一実施例の概略構成を示す。
【0033】
先ず、本実施例の殺菌水生成装置(活性水生成装置)の基本構成について説明する。図1に示すように、本実施例の殺菌水生成装置100は、希釈用原水の供給口1から装置内に水道水を取り込み、次亜塩素酸ナトリウムが活性化されて殺菌力が増強した殺菌水(次亜塩素酸ナトリウム活性水)を調製し、取出口13から装置外に取り出すことができる。本実施例によれば、詳しくは後述するように、次亜塩素酸ナトリウム及び酸は、各々単独で希釈用原水に希釈混合され、その後この次亜塩素酸ナトリウム希釈液流と酸希釈液流とを混合することによって次亜塩素酸ナトリウム活性水を得る。本実施例によれば、連続的に希釈用原水を供給して連続的に活性水を生成することができる。又、例えば、取出口13に活性水の貯留槽(図示せず)を接続し、これに活性水を貯留して用いるような場合に、貯留槽内の活性水が所定レベル以下となる毎に活性水の生成を開始するなど、活性水を間欠的に生成するように制御することもできる。
【0034】
装置100が備えた原水供給手段としての原水供給流路L1は、供給口1を介して一般の水道水供給管の蛇口(図示せず)などに接続される。原水供給流路L1には電磁弁14が設けられ、この電磁弁14の開閉によって原水の供給が制御される。電磁弁14の開閉は、通常、装置操作部24における使用者の操作など従った制御手段20の指示により行われる。又、詳しくは後述するように、制御手段20が装置異常を検知した場合には電磁弁14が閉じられ、希釈用原水の供給が停止される。更に、原水供給流路L1の供給口1と電磁弁14との間に、圧力スイッチ15を設けることができる。これにより、供給口1付近に所定の圧力がかかっている場合に装置が作動するようにでき、断水や水量不足時には、後述の次亜塩素酸ナトリウムや酸が供給されない構成とすることができる。
【0035】
原水供給流路L1の下流側は、第1、第2の方向へと分岐され、それぞれ原水流量規制手段としての第1、第2の定流量弁2、3を介して、第1、第2の希釈混合手段としての次亜塩素酸ナトリウム希釈混合流路(第1の希釈混合流路)L2、酸希釈混合流路(第2の希釈混合流路)L3へと水道水が供給される。本実施例では、第1、第2の定流量弁2、3は、第1の希釈混合流路L2及び第2の希釈混合流路L3に等流量の希釈用原水を供給する。
【0036】
第1の希釈混合流路L2への原水の供給は、第1の定流量弁2により一定流量に維持される。第1の希釈混合流路L2には、第1の定流量弁2の下流に位置して第1の注入部6が設けられている。この第1の注入部6において、次亜塩素酸ナトリウム添加手段として、第1の原液タンク4から第1のポンプ5を介して、次亜塩素酸ナトリウム原液が希釈用原水流中に注入される。第1のポンプ5は、詳しくは後述するように制御手段20の制御により作動し、次亜塩素酸ナトリウムの注入量が調整される。本実施例では、次亜塩素酸ナトリウム原液の濃度は6w/w%であり、そのpHは12.4である。
【0037】
希釈用原水中に注入された次亜塩素酸ナトリウムは、第1の注入部6より下流に設けられた第1の混合器7にて十分に希釈用原水と攪拌混合される。
【0038】
又、原水供給路L1から酸希釈流路L3への希釈用原水の供給量は、第2の定流量弁3によって一定流量に維持される。第2の希釈混合流路L3には、第2の定流量弁3の下流に位置して、第2の注入部10が設けられている。この第2の注入部10において、酸添加手段として、第2の原液タンク8から第2のポンプ9を介して、酸原液が希釈用原水の液流中に注入される。第2のポンプ9は、第1のポンプ5と同様、後述のように制御手段20の制御によって作動し、酸の注入量が調整される。
【0039】
本実施例では、酸原液として、濃度30w/w%の酢酸を用いた。pH調整用の酸としては、価格及び無毒性であるという点で酢酸が好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、活性水のpH調整の目的に適合する任意の酸から適宜選択することすることができる。例えば、酢酸の代わりにクエン酸、塩酸、或いは酢酸と塩酸の混合酸を用いることができる。
【0040】
希釈用原水中に注入された酢酸は、第2の注入部10より下流に設けられた第2の混合器11にて十分に希釈用原水と攪拌混合される。
【0041】
混合器7、11を通過した次亜塩素酸ナトリウム希釈液流、及び酸希釈液流は、更に下流側にて合流し、両希釈液の混合手段としての混合流路L4に導入され、第3の混合器12において十分に攪拌混合される。
【0042】
第1、第2及び第3の混合器7、11、12としては、それぞれ十分な攪拌能力を備えた任意の混合器とすることができる。例えば、適当な攪拌子や水流を妨げる邪魔板部材などの攪拌手段を備えたものを用いることができる。
【0043】
前述のように、原水中に添加した次亜塩素酸ナトリウムがほぼ100%殺菌力の強い次亜塩素酸(HClO)として存在するためには、pH3.0〜7.5の範囲であることが好ましく、より好ましくは、pH3.0〜6.5、最も好ましくはpH4.0〜5.0である。
【0044】
又、活性水のpHを上述の範囲内とすることによって、次亜塩素酸ナトリウムは比較的低濃度にて有効な殺菌、消毒力を発揮することができる。環境に対する次亜塩素酸ナトリウムの影響を考えれば、次亜塩素酸ナトリウムはより低濃度であることが好ましいが、活性水の殺菌力は次亜塩素酸ナトリウムの濃度が高い方が強い。従って、次亜塩素酸ナトリウムの濃度は、所望の殺菌力、又環境への影響に鑑みて適宜選択することができる。好ましくは、次亜塩素酸ナトリウム濃度は0.5ppm〜1000ppmである。
【0045】
本実施例では、上述のように各々単独で希釈用原水中に希釈混合された次亜塩素酸ナトリウム希釈液と酸希釈液とを混合することによって、最終的に生成される活性水の次亜塩素酸ナトリウム濃度が10ppm、pHが5.0となるように設定されている。
【0046】
次に、殺菌水の次亜塩素酸ナトリウムの濃度及びpHの調整方法について更に説明する。上述のように、活性水の次亜塩素酸ナトリウム濃度及びpHを監視し、常に適正な値となるようにすることは、強力な殺菌力を発揮するために極めて重要である。
【0047】
先ず、本発明の原理を説明すると、図2は、水道水(200mL)に添加した次亜塩素酸ナトリウム(6w/w%)の量(μL)と、その次亜塩素酸ナトリウム希釈液の電気伝導率[μS/cm;×10-4S/m](約17℃)の関係の一例を示している。電気伝導率は、電気伝導率センサ(東亜電波製:CP916A)を用いて測定した。図示の通り、水道水への次亜塩素酸ナトリウムの添加量、即ち、濃度と次亜塩素酸ナトリウム希釈液の電気伝導率とには一定の相関があることが分かる。同様に、図3は、水道水(200mL)に添加した酢酸水溶液(5M)の量と、その酸希釈液の電気伝導率[μS/cm;×10-4S/m](約15℃)との関係の一例を示す。次亜塩素酸ナトリウム希釈液と同様、水道水への酢酸の添加量、即ち、酸濃度と酸希釈液の電気伝導率とには一定の相関があることが分かる。
【0048】
又、次亜塩素酸ナトリウム希釈液と酸希釈液とを混合して生成される活性水のpHは、(1)希釈用原水のpH、及びバッファーアクション(2)次亜塩素酸ナトリウムの添加量、(3)酸添加量の3つを含むパラメータによって決定される。図4は、次亜塩素酸ナトリウムを30ppmの濃度にて含む水道水(200mL)、即ち、次亜塩素酸ナトリウム希釈液に添加した酢酸水溶液(5M)の量(μL)と、混合液のpHとの関係の一例を示している。図示の通り、所定の希釈用原水に所定の濃度で次亜塩素酸ナトリウムが希釈された次亜塩素酸ナトリウム希釈液への酸の添加量、即ち、濃度と、最終的に生成される活性水のpHとには一定の相関がある。
【0049】
このように、次亜塩素酸ナトリウム希釈液の濃度と電気伝導率との相関を求めておくことによって、第1の希釈混合流路L2にて生成される次亜塩素酸ナトリウム希釈液の電気伝導率値から、その次亜塩素酸ナトリウム濃度を検知することができる。同様に、酸希釈液の濃度と電気伝導率との相関を求めておくことによって、第2の希釈混合流路L3にて生成される酸希釈液の電気伝導率から、その酸濃度を検知することができる。
【0050】
最終的に、第1、第2の希釈混合流路L2、L3からの次亜塩素酸ナトリウム希釈液と酸希釈液が、所定の割合(流量)にて混合流路L4に導かれて混合されることで活性水は調製される。従って、第1の希釈混合流路L2における次亜塩素酸ナトリウム希釈液の濃度と第2の希釈混合流路L3における酸希釈液の濃度を監視することによって、最終的に調製される活性水の次亜塩素酸濃度及び酸濃度を監視することができる。そして、上述のように、次亜塩素酸ナトリウムを含む溶液中の酸濃度と、この溶液のpHとには一定の相関があるので、調製される活性水の酸濃度を所定値とすることによって、そのpHを所定値とすることができる。
【0051】
しかしながら、本実施例のように希釈用原水として水道水用いる場合、その水質は、時間経過(例えば季節変化や朝夕の差)、場所、地域によって一定せず、多くの場合その電気伝導率も大きく変化する。一般に、水道水の電気伝導率は200〜250[μS/cm;×10-4S/m]程度であるが、この電気伝導率が場合によっては140〜250[μS/cm;×10-4S/m]の範囲で大きく変動することがある。
【0052】
このように電気伝導率の一定しない希釈用原水を利用する場合には、希釈用原水の電気伝導率変動と共に次亜塩素酸ナトリウム希釈液と酸希釈液の電気伝導率も大きく変動し、次亜塩素酸ナトリウム濃度、酸濃度自体の変動を監視することができなくなる。
【0053】
そこで、本発明によれば、次亜塩素酸ナトリウム希釈液及び酸希釈液の電気伝導率に加えて、原水の電気伝導率をも利用し、詳しくは後述するように原水の電気伝導率変動を差し引くことによって常に正確に次亜塩素酸ナトリウム、酸濃度を検知できる構成とする。
【0054】
上述のような原理に従い、本発明によれば、先ず、次亜塩素酸ナトリウム希釈液の電気伝導率(d1)と、酸希釈液の電気伝導率(d2)に対応した信号を制御手段20に入力する第1、第2の電気伝導率測定手段を設ける。本実施例では、第1の電気伝導率測定手段として、第1の希釈混合流路L2に備えられた第1の混合器7の下流側に第1の電気伝導率センサD1を配置する。又、第2の電気伝導率測定手段として、第2の希釈混合流路L3に備えられた第2の混合器11の下流側に第2の電気伝導率センサD2を配置する。
【0055】
第1の電気伝導率センサD1は、第1の混合器7内で希釈混合された次亜塩素酸ナトリウム希釈液の電気伝導率(d1)を検出し、対応する信号を制御手段20に送信する。又、第2の電気伝導率センサD2は、第2の混合器11内で希釈混合された酸希釈液の電気伝導率(d2)を検出し、対応する信号を制御手段20に送信する。
【0056】
更に、本発明によれば、希釈用原水の電気伝導率(d3)を制御手段20に入力する第3の電気伝導率測定手段をも設ける。本実施例では、第3の電気伝導率測定手段として、原水供給流路L1の電磁弁14の下流側に第3の電気伝導率センサD3を配置する。第3の電気伝導率センサD3は、希釈用原水の電気伝導率(d3)を検出し、対応する信号を制御手段20に送信する。
【0057】
第1、第2及び第3の電気伝導率センサD1、D2、D3としては、限定するものではないが、東亜電波製CP916Aを好適に使用することができる。尚、各電気伝導率センサD1、D2、D3の出力を所定の要領で増幅し、或いはA/D変換して制御手段20に入力し得ることは当業者には明らかである。次亜塩素酸ナトリウム希釈水の電気伝導率(d1)、酸希釈液の電気伝導率(d2)及び原水の電気伝導率(d3)に応じた信号とは、これらの電気伝導率(d1、d2、d3)に応じて制御手段20に入力される任意の形態の信号を包含する。
【0058】
本実施例によれば、制御手段20には、予め求められた次亜塩素酸ナトリウム希釈液の電気伝導率d1と希釈用原水の電気伝導率d3の差(d1−d3)と、次亜塩素酸ナトリウム濃度との関係に基づいて、所定の次亜塩素酸ナトリウム濃度の活性水を調製するための次亜塩素酸ナトリウム希釈液の濃度に相当する電気伝導率(d1−d3)が設定されている。
【0059】
同様に、制御手段20には、予め求められた酸希釈液の電気伝導率d2と希釈用原水の電気伝導率d3の差(d2−d3)と、酸濃度との関係に基づいて、所定のpHの活性水を調製するための酸希釈液の濃度に相当する電気伝導率(d2−d3)が設定されている。
【0060】
尚、所定の次亜塩素酸ナトリウム濃度及びpHの活性水を調製するための電気伝導率差(d1−d3)、(d2−d3)の設定値を複数設け、例えば装置操作部24にて適宜選択することにより、次亜塩素酸ナトリウムの濃度及びpHの異なる複数種類の活性水を生成できる構成とすることもできる。
【0061】
又、例えば、制御手段20が内蔵する記憶手段21に、電気伝導率(d1−d3)と次亜塩素酸ナトリウム濃度との関係、電気伝導率(d2−d3)と酸濃度との関係をテーブルや数式などとして記憶させることによって、例えば0.5ppm〜1000ppmの次亜塩素酸ナトリウム濃度、pH3.0〜pH7.5の範囲の活性水を任意に選択し、対応する次亜塩素酸ナトリウム希釈液と酸希釈液の濃度を監視することができる。
【0062】
更に、例えば、装置100の使用現場にて次亜塩素酸ナトリウムの濃度及びpHを次亜塩素酸濃度検出センサやpH計を用いて測定しながら、第1、第2のポンプ5、9を作動を制御して次亜塩素酸ナトリウムの添加量及び酸の添加量を手動にて調整し、目的の活性水が得られた時点での電気伝導率差(d1−d3)、(d2−d3)を設定、記憶させる構成とすることもできる。
【0063】
活性水の生成に際して、制御手段20は、入力された次亜塩素酸ナトリウム希釈水の電気伝導率(d1)から希釈用原水の電気伝導率(d3)を差し引いた電気伝導率(d1−d3)を設定値と比較することによって、次亜塩素酸ナトリウム希釈液の次亜塩素酸ナトリウム濃度を常に監視することができる。又、制御手段20は、入力された酸希釈液の電気伝導率(d2)から希釈用原水の電気伝導率(d3)を差し引いた電気伝導率(d2−d3)を設定値と比較することによって、酸希釈液の酸濃度を常に監視することができる。
【0064】
このように、次亜塩素酸ナトリウム希釈液の電気伝導率(d1)と希釈用原水の電気伝導率(d3)との差に相当する信号、又酸希釈液の電気伝導率(d2)と希釈用原水の電気伝導率(d3)との差に相当する信号を用いることによって、次亜塩素酸ナトリウム、及び酸の濃度変動のみに起因する電気伝導率変動を抽出して監視することができる。
【0065】
本実施例によれば、制御手段20は、上述のようにして監視している次亜塩素酸ナトリウムの濃度、或は酸の濃度が設定値となるように、即ち、連続的に第1、第2、第3の電気伝導率センサD1、D2、D3によって検出される電気伝導率d1、d3に基づいて検知される電気伝導率差(d1−d3)、及び電気伝導率差(d2−d3)が予め設定された所定値となるように、第1のポンプ5、及び第2のポンプ9の動作を制御し、第1の原液タンク4からの次亜塩素酸ナトリウム添加量、及び第2の原液タンク8からの酸添加量を調整する。
【0066】
より具体的には、本実施例の殺菌水生成装置100は、次亜塩素酸ナトリウム濃度10ppm、pH5.0の活性水を、約20L/分の供給量にて調製することができる。第1及び第2の定流量弁2、3は、それぞれ等流量(約10L/分)にて、第1の希釈混合流路L2、第2の希釈混合流路L3に希釈用原水を供給する。従って、第1のポンプ5は、第1の電気伝導率センサD1の位置で検出される次亜塩素酸ナトリウム濃度が20ppmとなるように、次亜塩素酸ナトリウム原液を注入する。又、酢酸は、終濃度0.05〜0.1w/w%、即ち、第2の電気伝導率センサD2の位置にて0.1〜0.2w/w%となるよう酢酸を注入することによって、活性水のpHをpH5.0とする。
【0067】
又、本発明によれば、所定の濃度の活性水を生成できない恐れのある場合に、警報や所定の情報表示など、所定の装置異常時動作を行うことよって、使用者に正常に活性水が生成されないことを報知することができる。又、このような場合に活性水の生成動作自体を停止させることもできる。
【0068】
本実施例では、制御手段20は、上述のようにして監視している次亜塩素酸ナトリウムの濃度、或は酸の濃度が設定値から外れ、即ち、電気伝導率差(d1−d3)及び電気伝導率(d2−d3)が予め設定された所定値から外れ、所定時間経過した場合に、警報装置23によって所定の警報を発する。又、同時に、制御手段20は電磁弁14を閉じることによって、希釈用原水の供給を停止させる。更に、表示手段22に装置が正常の作動していないことを使用者に知らせる情報を表示することもできる。
【0069】
尚、上述のように、生成される活性水のpHは希釈原水のpHやバッファーアクションといったパラメータによっても変動する。例えば水道水のpH及びバッファーアクションを含む水質は、時間経過(季節変化など)、場所、地域によって変化する。本発明者らの検討によると、或る特定の使用現場にて装置100を使用する場合、水道水のpH及びバッファーアクションの変化は短期間に活性水のpHを変動させるほどの影響は示さない。しかし、所望により、装置100の使用現場において、定期的にpH計を用いて活性水のpHをチェックし、活性水のpHと電気伝導率差(d2−d3)の設定値の関係、或いは記憶手段21に記憶した電気伝導率差(d2―d3)と酸希釈液の酸濃度との関係を適宜補正することができる。
【0070】
上述のように、本発明によれば、希釈用原水の電気伝導率変動に拘わらず、常に次亜塩素酸ナトリウム、酸自体の濃度変動を監視することが可能なので、例えば時間経過により水道水など希釈用原水の水質が変化し、その電気伝導率が大きく変化するような場合にも、次亜塩素酸ナトリウム及び酸の添加量を自動的に調整し、常に所定の次亜塩素酸ナトリウム濃度及びpHの活性水を得ることが可能である。又、所定の活性水が生成できない恐れのある場合に警報を発したり、活性水の生成動作を停止することにより、常に強力な殺菌力を有する活性水を生成することができ、更には必要以上の次亜塩素酸ナトリウムが使用されることによる、環境に与える影響やコストなどの問題も回避できる。
【0071】
又、本発明によれば、次亜塩素酸ナトリウム、酸をそれぞれ希釈混合した液の電気伝導率から、希釈用原水自体の電気伝導率は差し引かれるので、電気伝導率が約1.0[μS/cm;×10-4S/m]の逆浸透水(R/O水)、電気伝導率が約250[μS/cm;×10-4S/m]の水道水、電気伝導率が約20[mS/cm;×10-1S/m]の海水などの広範囲の希釈用原水を、その電気伝導率の変動に拘わらず使用することができる。これにより、本発明に従う方法及び装置は、希釈用原水として逆浸透水(R/O水)を必要とする血液透析機器の殺菌から、例えばカット野菜の洗浄などの食品加工分野における洗浄、殺菌、更には水産分野における魚の洗浄、殺菌まで、広範囲の分野にて使用される活性水の調製に適用することができる。
【0072】
尚、上記実施例では、装置100は水道水供給管に直接接続されるものとして説明したが、希釈用原水として例えば逆浸透水(R/O水)を用いる場合は、原水供給手段として逆浸透水生成装置を介して供給口1を水道水供給管に接続したり、或は逆浸透水貯留槽から逆浸透水を供給口1に供給する構成とすることができる。又、希釈用原水として海水を用いる場合には、原水供給手段として、海水供給装置に供給口1を接続したり、或は海水貯留槽に供給口1を接続する構成とすることもできる。
【0073】
又、例えば上記の電気伝導率センサ(東亜電波製CP916A)など、一般に電気伝導率センサは金属及びプラスチックを用いて作製されるため、本発明によれば、ガラス電極を用いたpH計を使用する場合のように、ガラス電極の破損によりその破片が活性水中に混入するという危険はない。又、一般に電気伝導率センサの校正周期は80ヶ月程度と相当長くできるので、取り扱いが簡易であり、常に正確な検出が可能である。又、次亜塩素酸濃度センサ(残留塩素濃度検出器)のように定期的に電極部品を交換する必要もないので、保守の手間、コストも格段に軽減する。
【0074】
上述の実施例では、希釈用原水の電気伝導率(d3)を制御手段に入力する手段として、殺菌水の生成時に希釈用原水の電気伝導率を検出する電気伝導率センサd3を使用したが、別法として、例えば血液透析用機器の殺菌、消毒に用いる活性水を調製する場合など、希釈用原水として逆浸透水(R/O水)のように水質が一定であることが分かっている場合には、電気伝導率入力手段として、例えば、装置100の操作部24から希釈用原水の電気伝導率d3の一定値を入力することによって、対応する信号を制御手段20に入力することができる。この場合、制御手段20は上述の実施例における第3の電気伝導率センサD3の検出信号の代わりに、入力された希釈用原水の電気伝導率値d3の一定値を使用することが可能とされる。尚、予め記憶手段21に複数種類の希釈用原水の電気伝導率d3を記憶させ、適宜選択して用いることもできる。
【0075】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、安全、低コスト且つ簡便に、常に所望の次亜塩素酸ナトリウム濃度及びpHの殺菌水を得ることができる。又、殺菌水を調製するための希釈用原水として、逆浸透水(R/O水)、水道水、井戸水或いは海水などの広範囲の希釈用原水を使用することができ、しかも安全、低コスト且つ簡便に、常に所望の次亜塩素酸ナトリウム濃度及びpHの殺菌水を得ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る次亜塩素酸ナトリウム活性水の調製方法を具現化する装置の一実施例を示す概略構成図である。
【図2】水道水への次亜塩素酸ナトリウム添加量と電気伝導率の関係の一例を示すグラフ図である。
【図3】水道水への酢酸添加量と電気伝導率の関係の一例を示すグラフ図である。
【図4】次亜塩素酸ナトリウム水溶液への酢酸添加量とpHの関係の一例を示すグラフ図である。
【図5】pHによる次亜塩素酸存在率を説明するためのグラフ図である。
【符号の説明】
1 供給口
2 第1の定流量弁
3 第2の定流量弁
4 第1の原液タンク(次亜塩素酸ナトリウム原液タンク)
5 第1のポンプ
6 第1の注入部
7 第1の混合器
8 第2の原液タンク(酸原液タンク)
9 第2のポンプ
10 第2の注入部
11 第2の混合器
12 第3の混合器
13 取出口
14 電磁弁
15 圧力スイッチ
20 制御手段
21 記憶手段
22 表示手段
23 警報装置
24 装置操作部(電気伝導率入力手段)
100 殺菌水生成装置(次亜塩素酸ナトリウム活性水生成装置)
D1、D2、D3 電気伝導率センサ(電気伝導率測定手段)
L1 原水供給流路
L2 第1の希釈混合流路(次亜塩素酸ナトリウム希釈混合流路)
L3 第2の希釈混合流路(酸希釈混合流路)
L4 混合流路

Claims (9)

  1. 一定流量で流動する原水に次亜塩素酸ナトリウムを添加して希釈混合することで次亜塩素酸ナトリウム希釈液を生成すると共に、一定流量で流動する原水に酸を添加して希釈混合することで酸希釈液を生成し、生成した前記次亜塩素酸ナトリウム希釈液と前記酸希釈液とを混合することで所望の次亜塩素酸ナトリウム濃度及びpHの殺菌水を生成する殺菌水生成方法であって、
    次亜塩素酸ナトリウム水溶液の濃度と電気伝導率との相関から、所望の濃度の次亜塩素酸ナトリウム水溶液における次亜塩素酸ナトリウムの添加による電気伝導率の増加分を第1の所定値と定めること、
    前記次亜塩素酸ナトリウム希釈液の濃度が所望の濃度となるように予め調整された添加量にて次亜塩素酸ナトリウムを前記一定流量で流動する原水に添加して希釈混合することで前記次亜塩素酸ナトリウム希釈液を得ること、
    酸水溶液の濃度と電気伝導率との相関から、所望の濃度の酸水溶液における酸の添加による電気伝導率の増加分を第2の所定値と定めること、
    前記酸希釈液の濃度が所望の濃度となるように予め調整された添加量にて酸を前記一定流量で流動する原水に添加して希釈混合することで前記酸希釈液を得ること、
    前記次亜塩素酸ナトリウム希釈液の電気伝導率(d1)、前記酸希釈液の電気伝導率(d2)、及び原水の電気伝導率(d3)を測定すること、
    前記次亜塩素酸ナトリウム希釈液と原水の電気伝導率の差である第1の電気伝導率差(d1−d3)、及び前記酸希釈液と原水の電気伝導率の差である第2の電気伝導率差(d2−d3)を求めること、
    前記第1の電気伝導率差(d1−d3)と前記第1の所定値とを比較して、前記第1の電気伝導率差(d1−d3)が前記第1の所定値から外れて所定時間経過した場合に、前記次亜塩素酸ナトリウム希釈液の濃度が所望の濃度から外れて正常な殺菌水を生成できないことを判断して、所定の警報を発するか、所定の情報表示を行うか、又は原水の供給を停止すること、
    前記第2の電気伝導率差(d2−d3)と前記第2の所定値とを比較して、前記第2の電気伝導率差(d2−d3)が前記第2の所定値から外れて所定時間経過した場合に、前記酸希釈液の濃度が所望の濃度から外れて正常な殺菌水を生成できないことを判断して、所定の警報を発するか、所定の情報表示を行うか、又は原水の供給を停止すること、
    前記次亜塩素酸ナトリウム希釈液と前記酸希釈液とを混合して殺菌水を得ること、
    を含むことを特徴とする殺菌水生成方法。
  2. 前記原水の電気伝導率(d3)を測定する代わりに、原水の電気伝導率(d3)として一定値を用いることを特徴とする請求項1に記載の殺菌水生成方法。
  3. 原水は、水道水、井戸水、海水又は逆浸透水(R/O水)であることを特徴とする請求項1又は2に記載の殺菌水生成方法。
  4. 殺菌水の次亜塩素酸ナトリウム濃度は0.5ppm〜1000ppmの範囲とされ、pHはpH3.0〜7.5範囲とされる請求項1〜3のいずれかの項に記載の殺菌水生成方法。
  5. 原水に次亜塩素酸ナトリウム及び酸を添加して所望の次亜塩素酸ナトリウム濃度及びpHの殺菌水を生成する殺菌水生成装置であって、
    原水を供給する原水供給流路と、
    原水に次亜塩素酸ナトリウムを添加、混合して次亜塩素酸ナトリウム希釈液を得るための、前記原水供給流路から分岐した第1の希釈混合流路であって、当該第1の希釈混合流路中を流動する原水の流量を一定に維持する第1の流量規制手段と、当該第1の希釈混合流路中を流動する原水に次亜塩素酸ナトリウムを添加する第1の添加手段と、次亜塩素酸ナトリウムが添加された後の液を混合攪拌する第1の混合器とを備え、前記第1の添加手段は、前記次亜塩素酸ナトリウム希釈液の濃度が所望の濃度となるように予め調整された添加量にて次亜塩素酸ナトリウムを前記一定流量で流動する原水に添加する第1の希釈混合流路と、
    原水に酸を添加、混合して酸希釈液を得るための、前記原水供給流路から分岐した第2の希釈混合流路であって、当該第2の希釈混合流路中を流動する原水の流量を一定に維持する第2の流量規制手段と、当該第2の希釈混合流路中を流動する原水に酸を添加する第2の添加手段と、酸が添加された後の液を混合攪拌する第2の混合器とを備え、前記第2の添加手段は、前記酸希釈液の濃度が所望の濃度となるように予め調整された添加量にて酸を前記一定流量で流動する原水に添加する第2の希釈混合流路と、
    前記次亜塩素酸ナトリウム希釈液と前記酸希釈液とを混合するための、前記第1、第2の希釈混合流路からの液が合流し導かれる混合流路であって、前記第1の希釈混合流路からの液と前記第2の希釈混合流路からの液を混合攪拌する第3の混合器を備えた混合流路と、
    前記第1の希釈混合流路の、前記第1の混合器の下流側に設けられ、前記次亜塩素酸ナトリウム希釈液の電気伝導率(d1)を測定する第1の電気伝導率測定手段と、
    前記第2の希釈混合流路の、前記第2の混合器の下流側に設けられ、前記酸希釈液の電気伝導率(d2)を測定する第2の電気伝導率測定手段と、
    前記原水供給流路に設けられ、原水の電気伝導率(d3)を測定する第3の電気伝導率測定手段と、
    前記第1、第2及び第3の電気伝導率測定手段からの信号に基づく処理を行う制御手段であって;次亜塩素酸ナトリウム水溶液の濃度と電気伝導率との相関から定められた、所望の濃度の次亜塩素酸ナトリウム水溶液における次亜塩素酸ナトリウムの添加による電気伝導率の増加分が第1の所定値として記憶され、酸水溶液の濃度と電気伝導率との相関から定められた、所望の濃度の酸水溶液における酸の添加による電気伝導率の増加分が第2の所定値として記憶されており;前記次亜塩素酸ナトリウム希釈液と原水の電気伝導率の差である第1の電気伝導率差(d1−d3)、及び前記酸希釈液と原水の電気伝導率の差である第2の電気伝導率差(d2−d3)を求める処理;前記第1の電気伝導率差(d1−d3)と前記第1の所定値とを比較して、前記第1の電気伝導率差(d1−d3)が前記第1の所定値から外れて所定時間経過した場合に、前記次亜塩素酸ナトリウム希釈液の濃度が所望の濃度から外れて正常な殺菌水を生成できないことを判断する処理;及び前記第2の電気伝導率差(d2−d3)と前記第2の所定値とを比較して、前記第2の電気伝導率差(d2−d3)が前記第2の所定値から外れて所定時間経過した場合に、前記酸希釈液の濃度が所望の濃度から外れて正常な殺菌水を生成できないことを判断する処理を行う制御手段と、
    を有することを特徴とする殺菌水生成装置。
  6. 更に、予め求められた原水の電気伝導率の所定値を前記制御手段に入力する電気伝導率入力手段を有し、前記制御手段は、原水の電気伝導率(d3)として前記第3の電気伝導率測定手段からの信号の代わりに前記電気伝導率入力手段から入力された信号を利用することを特徴とする請求項5に記載の殺菌水生成装置。
  7. 前記制御手段は、前記正常な殺菌水が生成できないことを判断した場合に、所定の警報を発する処理、所定の情報表示を行う処理、又は原水の供給を停止させる処理を行うことを特徴とする請求項5又は6に記載の項に記載の殺菌水生成装置。
  8. 原水は、水道水、井戸水、海水又は逆浸透水(R/O水)であることを特徴とする請求項5〜7のいずれかの項に記載の殺菌水生成装置。
  9. 前記殺菌水の次亜塩素酸ナトリウム濃度は0.5ppm〜1000ppmの範囲とされ、pHはpH3.0〜7.5の範囲とされる請求項5〜8のいずれかの項に記載の殺菌水生成装置。
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