JP4830221B2 - フローセンサ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、流体の流量を検出するフローセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のフローセンサの一般的な概略断面構成を図6に示す。このものは、空洞部1aを有する半導体基板1と、基板1の空洞部1a上に設けられた流量検出部としての薄膜構造部(ダイアフラム)10とを備える。
【0003】
薄膜構造部10は、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜等の絶縁膜10aが複数積層されたものであり、発熱体および測温体等として機能するPt等よりなる抵抗体膜30、40が、これら絶縁膜10aに挟まれた形となっている。
【0004】
このようなフローセンサにあっては、例えば、半導体基板1上の薄膜構造部10以外の領域に設けられた流体温度検出体(図示せず)にて検出した温度より所定の温度高くなるように発熱体40の温度を制御し、流体の流れによる測温体30の温度変化に基づいて流体の流量を検出するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来のフローセンサでは、感度向上、低消費電力化のために、発熱体40が位置する部分を薄膜構造としているが、このように、薄膜構造とした場合、その部分の強度が低下し、薄膜構造部10の一面側と他面側に差圧が発生して薄膜構造部10がたわんだ場合に、薄膜構造部10が破壊しやすくなるという問題がある。
【0006】
さらに、薄膜構造部10を構成する絶縁膜10aにおいて、成膜条件等により緻密な膜が形成できない場合、特に膜中に存在するピンホールPの密度が多くなってしまう場合、設計上、十分な強度を確保することができない。
【0007】
そこで、本発明は上記問題に鑑み、フローセンサにおいて薄膜構造部の強度を確保できるようにすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1、2に記載の発明では、空洞部(1a)を有する基板(1)と、この基板の空洞部上に設けられ複数の積層された絶縁膜(11、12、13、14)よりなる流量検出部としての薄膜構造部(10)とを備えるフローセンサにおいて、
薄膜構造部は、4層の絶縁膜(11〜14)と、発熱体および測温体の少なくとも一方として機能する金属よりなる抵抗体膜(30、40)とを有し、4層の絶縁膜のうち2層が抵抗体膜の上に形成され、4層の絶縁膜のうち残りの2層が抵抗体膜の下に形成された構成を採用する。
そして、請求項1に記載の発明では、4層の絶縁膜の最上層(14)は他の3層(11〜13)に比べてピンホールの密度が低い膜としての減圧CVD法により形成されたシリコン窒化膜であり、他の3層(11〜13)はプラズマCVD法により形成されたシリコン窒化膜であることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明では、4層の絶縁膜の最上層(14)と最下層(11)は他の2層(12、13)に比べてピンホールの密度が低い膜としての減圧CVD法により形成されたシリコン窒化膜であり、他の2層(12、13)はプラズマCVD法により形成されたシリコン窒化膜であることを特徴とする。
【0009】
本発明では、薄膜構造部がたわんだ場合に最大応力が発生する最上層(もしくは最上層と最下層の両方)を、ピンホールの無い膜または従来に比べてピンホールの少ない膜とすることにより、たわみに対する薄膜構造部の強度を十分に確保することができる。
【0014】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示す実施形態について説明する。図1は、本発明の実施形態にかかるフローセンサS1の斜視図であり、図2は、図1中のA−A線に沿った一部概略断面図である。
【0016】
このフローセンサS1は、単結晶シリコン等で形成された半導体基板1を有する。半導体基板1の上には、下層絶縁膜となるシリコン窒化膜11およびシリコン酸化膜12が形成され、その上に、温度計をなす流体温度検出体20および流量検出体(測温体)30が形成されるとともにヒータ(発熱体)40が形成され、さらにその上に、上部絶縁膜となるシリコン酸化膜13およびシリコン窒化膜14が形成された構造となっている。
【0017】
半導体基板1には、図2に示すように、空洞部1aが形成されており、この空洞部1a上に薄膜構造部をなすダイアフラム10が形成され、ダイアフラム10に流量検出体30とヒータ40とが配置されている。
【0018】
流体温度検出体20、流量検出体30およびヒータ40は、流体の流れの方向(図1中の白抜き矢印で示す)に対し、上流側からその順で配置されており、いずれもPtなどの配線材料からなる抵抗体膜でパターン形成されている。
【0019】
流体温度検出体20は、流体の温度を検出するもので、ヒータ40の熱がその温度検出に影響を及ぼさないようにヒータ40から十分離隔した位置に配設されている。ヒータ40は、流体温度検出体20で検出された温度より一定温度高い基準温度になるように、図示しない制御回路によって制御される。
【0020】
このように構成されたフローセンサS1において、流体が流れると、その流体温度が流体温度検出体20により計測され、その計測された温度よりも一定温度高い基準温度になるようにヒータ40が通電制御される。そして、流体の流れの大きさによってヒータ40の熱分布が変化し、その熱分布の変化により流量検出体30の抵抗値が変化することで、流量が検出される。
【0021】
ここで、本フローセンサS1においては、半導体基板1の空洞部1a上に設けられ複数の積層された絶縁膜11〜14よりなる流量検出部としてのダイアフラム(薄膜構造部)10が形成されているが、これら絶縁膜11〜14における最上層14および最下層11の少なくとも一方が、ピンホールが低減された膜となっている。
【0022】
図2に示す例(第1の例)では、絶縁膜11〜14における最上層14が、ピンホールの無い膜となっている。また、本実施形態では、次の図3〜図5に示す形態も可能である。なお、図2〜図5において、ピンホールPは、小さな白丸にて示してある。
【0023】
図3に示す第2の例では、絶縁膜11〜14における最上層14が、当該最上層14以外の層11〜13に比べてピンホールPの少ない膜となっている。また、図4に示す第3の例では、絶縁膜11〜14における最上層14と最下層11が、ピンホールの無い膜となっている。また、図5に示す第4の例では、絶縁膜11〜14における最上層14と最下層11が、それ以外の層12、13に比べてピンホールPの少ない膜となっている。
【0024】
これらピンホールの無い膜およびピンホールPの少ない膜は、具体的には熱CVDより成膜されたシリコン窒化膜であり、より具体的には、減圧CVD(LPCVD)により成膜されたシリコン窒化膜(LP−SiN膜)よりなる。また、比較的ピンホールPの多い膜は、プラズマCVDより成膜されたシリコン酸化膜やシリコン窒化膜である。
【0025】
次に、上記したフローセンサS1の製造方法について、図2に示す第1の例を製造する場合について述べる。半導体基板として単結晶のシリコン基板1を用い、その一面(表面)側に、プラズマCVD法により、シリコン窒化膜11、その上にシリコン酸化膜12を形成する。
【0026】
次に、抵抗体材料としてPt膜を真空蒸着等によりシリコン酸化膜12の上に堆積させ、Pt膜をエッチング等により流体温度検出体20、流量検出体30およびヒータ40の配線形状にパターニングする。
【0027】
次に、流体温度検出体20、流量検出体30およびヒータ40間の絶縁のために、プラズマCVD法によりシリコン酸化膜13を堆積させる。その上に、減圧CVD(LPCVD)により、ピンホールの無い膜であるLP−SiN膜14を形成する。その後、図示しないが、流体温度検出体20、流量検出体30およびヒータ40の電極パッド形成のためにLP−SiN膜14に開口を形成する。
【0028】
次に、シリコン基板1の裏面にマスク材(例えばシリコン酸化膜もしくはシリコン窒化膜)を形成し、このマスク材をエッチングして空洞部に対応した開口部を形成する。
【0029】
そして、シリコン基板1の裏面側をシリコン窒化膜11が露出するまで異方性エッチングして空洞部1aを形成する。このときの終点検出は、例えばエッチング液にTMAH(水酸化4メチルアンモニウム)を用いることにより、シリコンに対してシリコン窒化膜11のエッチング速度が非常に小さいため容易に止めることができる。このようにして、図1、図2に示すフローセンサを製造することができる。
【0030】
ところで、本実施形態によれば、ダイアフラム(薄膜構造部)10の絶縁膜11〜14における最上層14および最下層11の少なくとも一方が、ピンホールが低減された膜となっていることを特徴とする。
【0031】
本実施形態では、ピンホールが低減された膜として減圧CVD等の熱CVDにより成膜されたSiN膜としている。例えば、減圧CVDは成膜温度(例えば700〜800℃)がプラズマCVDの成膜温度(例えば400℃)に比べて高い。この成膜温度の違い等によりピンホールの少ない緻密な膜質を実現できると考えられる。
【0032】
そして、本実施形態では、ダイアフラム10がたわんだ場合に最大応力が発生する最上層14および最下層11の少なくとも一方の絶縁膜を、ピンホールの無い膜または従来に比べてピンホールの少ない膜とすることにより、たわみに対するダイアフラム10の強度を十分に確保することができる。
【0033】
一般に、ダイアフラム10の両面に発生する差圧により、ダイアフラム10は空洞部1a側に凸となるようにたわむ。この場合、最大応力が発生するのは、最上層14である。そこで、上記図2等に示す様に、最上層14が、ピンホールが低減された膜となっていれば、上記効果を有効に発揮できる。
【0034】
また、ダイアフラム10に加わる圧力の方向が逆になって、ダイアフラム10が空洞部1aとは反対側に凸となるように、たわむ場合には、最大応力が発生するのは、最下層11である。この場合、上記図4や図5に示す様に、最下層14が、ピンホールが低減された膜となっていれば、上記効果を有効に発揮できる。
【0035】
また、ダイアフラム10の絶縁膜11〜14全てが、ピンホールが低減された膜となっているこても良く、この場合、より高いレベルにて上記効果を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかるフローセンサの斜視図である。
【図2】図1中のA−A線に沿った概略断面図である。
【図3】上記実施形態の第2の例を示す概略断面図である。
【図4】上記実施形態の第3の例を示す概略断面図である。
【図5】上記実施形態の第4の例を示す概略断面図である。
【図6】従来の一般的なフローセンサを示す概略断面図である。
【符号の説明】
1…半導体基板、1a…空洞部、10…ダイアフラム(薄膜構造部)、
11〜14…絶縁膜。
Claims (2)
- 空洞部(1a)を有する基板(1)と、
この基板の前記空洞部上に設けられ複数の積層された絶縁膜(11〜14)を有する流量検出部としての薄膜構造部(10)とを備えるフローセンサにおいて、
前記薄膜構造部は、4層の絶縁膜(11〜14)と、発熱体および測温体の少なくとも一方として機能する金属よりなる抵抗体膜(30、40)とを有し、
前記4層の絶縁膜のうち2層は前記抵抗体膜の上に形成され、前記4層の絶縁膜のうち残りの2層は前記抵抗体膜の下に形成されており、
前記4層の絶縁膜の最上層(14)は他の3層(11〜13)に比べてピンホールの密度が低い膜としての減圧CVD法により形成されたシリコン窒化膜であり、前記他の3層(11〜13)はプラズマCVD法により形成されたシリコン窒化膜であることを特徴とするフローセンサ。 - 空洞部(1a)を有する基板(1)と、
この基板の前記空洞部上に設けられ複数の積層された絶縁膜(11〜14)を有する流量検出部としての薄膜構造部(10)とを備えるフローセンサにおいて、
前記薄膜構造部は、4層の絶縁膜(11〜14)と、発熱体および測温体の少なくとも一方として機能する金属よりなる抵抗体膜(30、40)とを有し、
前記4層の絶縁膜のうち2層は前記抵抗体膜の上に形成され、前記4層の絶縁膜のうち残りの2層は前記抵抗体膜の下に形成されており、
前記4層の絶縁膜の最上層(14)と最下層(11)は他の2層(12、13)に比べてピンホールの密度が低い膜としての減圧CVD法により形成されたシリコン窒化膜であり、前記他の2層(12、13)はプラズマCVD法により形成されたシリコン窒化膜であることを特徴とするフローセンサ。
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