JP4836836B2 - 油圧式セイルドライブ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、帆船に搭載される推進装置に係り、詳しくは、油圧湿式多板形クラッチを備えた油圧式セイルドライブ装置に関する。
従来、帆船の中でも、船内外機等の推進装置を搭載する帆船は、エンジンを停止させて帆が受ける風力を利用して帆走する場合と、エンジンを駆動させてプロペラの推力により機走する場合とがある。
一般に帆船の推進装置は、エンジンの駆動力をプロペラシャフトに伝達するためのクラッチ、ギア、軸受け等が組み込まれたドライブユニットを備えており、エンジンを止めて帆走中もプロペラは水の抵抗によって回転する。そして、帆走時の方が機走時より高速になることもある。従って、クラッチ、ギア、軸受け等の焼き付きを防止するため、機走時のみならずエンジンが停止している帆走中においても、クラッチ、ギア、軸受け等の動力伝達系統の摺動部に潤滑油を供給することが必要となる。
プロペラシャフト若しくはプロペラシャフトとクラッチとをベベルギアでつなぐドライブシャフトに、遠心ポンプを組み込み、機走中は、この遠心ポンプによってケーシング底部の油溜から吸引・加圧された潤滑油を、ケーシング内に形成された潤滑油路を循環させ、クラッチ、ギア、軸受け等に潤滑油を供給するようしたものがある(例えば、特許文献1〜3)。
また、推進装置のドライブユニットに油圧湿式多板形の前後進用クラッチを組み込むとともに、エンジン駆動力を受ける入力軸にギアポンプを直結し、このギアポンプによって、潤滑油やクラッチの作動油を供給する形態もある(例えば、特許文献4)。
入力軸に直結のギアポンプは、エンジン停止時に潤滑油を供給することができないため、上記のようにエンジンを止めて帆走する場合には潤滑油を供給することができない。一方、プロペラシャフト又は前記ドライブシャフトに組み込まれた遠心ポンプでは、プロペラシャフト及びドライブシャフトが回転していないと作動しないため、停船時にクラッチを接続しようとしても油圧湿式多板クラッチに作動油を供給することができないためクラッチをつなぐことができない。このようなことから、従来、帆船では、プロペラシャフト又は前記ドライブシャフトによって駆動する遠心ポンプを用いるとともに、クラッチには、油圧湿式多板形クラッチではなく、機械式シフト機構によって作動するコーンクラッチを採用しているのである。
特開平3−7691号明細書 特開平6−221383号明細書 特開2000−318688号明細書 特開平4−143195
しかしながら、コーンクラッチは、油圧湿式多板クラッチに比べて、前・後進切り換え時のショックが大きく、特に、機関室と隣合う居住空間を広くして、かつ、快適性を求める帆船では、居住空間を広げるために機関室を狭くせざるをえず、その結果、機関室での騒音が居住空間に伝わり易くなり、その騒音がかなり耳障りであるという問題があった。
そこで、本発明は、油圧湿式多板クラッチを備える油圧式セイルドライブ装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る油圧式セイルドライブ装置は、エンジンに対して船内で連結される入力軸を有するアッパーユニットと、プロペラシャフトを含む出力軸を有し且つ下部が船底から突き出すロアユニットとが備えられたセイルドライブ装置において、前記アッパーユニットに、前記プロペラシャフトの回転方向を前記入力軸に対して正逆転切換可能に伝達する油圧式の前後進切換クラッチを備えさせたことを特徴とする。
前記入力軸によって駆動し、油溜から作動油及び潤滑油を前記クラッチに供給する第1油圧ポンプと、前記出力軸によって駆動し、油溜から作動油及び潤滑油の少なくとも潤滑油を前記クラッチに供給する第2油圧ポンプと、を有することが好ましい。
前記第1油圧ポンプによって前記クラッチの潤滑油を供給する第1潤滑油供給路に、前記第2油圧ポンプからの第2潤滑油供給油路が接続され、前記第1潤滑油供給油路から前記第2油圧ポンプの側への潤滑油の流れを阻止する逆止弁が該第2潤滑油供給油路に設けられていることが好ましい。
前記第1油圧ポンプによる潤滑油供給油路は、前記第1油圧ポンプによる作動油供給油路の該第1油圧ポンプより下流位置から分岐し、前記第2油圧ポンプは、前記作動油供給油路の前記第1油圧ポンプより上流位置に組み込まれ、前記第1油圧ポンプと第2油圧ポンプの間で前記作動油供給油路から分岐させた第1バイパス油路が前記潤滑油供給油路に連通し、前記第1バイパス油路に、前記第1油圧ポンプによる潤滑油供給油路から前記第2油圧ポンプの側への潤滑油の流れを阻止する第1逆止弁が設けられ、前記第1油圧ポンプと前記第2油圧ポンプの間で前記作動油供給油路から分岐させた第2バイパス油路が前記油溜に連通し、前記第2バイパス油路に、前記作動油供給油路から前記油溜への油の流れを阻止する第2逆止弁が設けられていることが好ましい。
本発明に係る油圧式セイルドライブ装置によれば、前記プロペラシャフトの回転方向を前記入力軸に対して正逆転切換可能に伝達する油圧式の前後進切換クラッチを採用したことにより、クラッチ噛み合い時の騒音を抑えることができる。
また、前記入力軸によって駆動し、油溜から作動油及び潤滑油を前記クラッチに供給する第1油圧ポンプと、前記出力軸によって駆動し、油溜から作動油及び潤滑油の少なくとも潤滑油を前記クラッチに供給する第2油圧ポンプと、を更に備えることにより、機走中は第1油圧ポンプ及び第2油圧ポンプから潤滑油が供給され、帆走中は、第2油圧ポンプから潤滑油が供給される。
本発明に係る油圧式セイルドライブ装置の最良の形態について、以下、図1〜12照して説明する。なお、全図を通し、同一構成部分には同符号を付した。
図1は、油圧式セイルドライブ装置の油圧回路図である。先ず、図1の油圧回路を参照して、油圧式セイルドライブ装置の実施形態について説明する。
図1に示されているように、油圧式セイルドライブ装置は、図外のエンジンと駆動連結された入力軸1と、プロペラシャフト2を含む出力軸4と、入力軸1と出力軸4との間に介在され、出力軸4の前後進切り換え用の油圧湿式多板形のクラッチ5と、入力軸1によって駆動し、油溜6から作動油及び潤滑油をクラッチ5に供給する第1油圧ポンプ7と、出力軸4によって駆動し、油溜6から潤滑油をクラッチ5に供給する第2油圧ポンプ8と、を備えている。
第1油圧ポンプ7は、油溜6からクラッチ5に作動油を供給するための作動油供給油路10に組み込まれている。さらに、作動油供給油路10には、フィルター11、電磁式の前後進切換弁12、2位置切換弁13が組み込まれている。作動油供給油路10は、前後進切換弁12を介して、前進クラッチ5aに通じる前進用油路10aと、後進クラッチ5bに通じる後進用油路10bとに分かれ、前後進切換弁12によって作動油を供給する油路が、何れかの一方の油路10a又は10bに切り換わる。なお、図示は省略するが、2位置切換弁13を手動の機械式切換弁とすることもできる。
作動油供給油路10から分岐してクラッチ5に潤滑油を供給するための第1潤滑油供給油路15が設けられている。第1潤滑油供給路15に、第2油圧ポンプ8によって油溜6から潤滑油を供給するための第2潤滑油供給油路16が接続されている。第2潤滑油供給油路16には、フィルター17と、第1潤滑油供給油路15から第2油圧ポンプ8の側への潤滑油の流れを阻止する逆止弁18とが設けられている。
第1潤滑油供給油路15には、前後進切換弁12を切り換えた時に前後進クラッチ5が急激に接の状態となるのを防止する調節弁20と、潤滑油の油圧を設定するためのリリーフ弁21と、が付設されている。
調節弁20は、一種の圧力調整弁で、作動油供給油路10における前進用油路10a、または後進用油路10bの油圧をパイロット圧とする2位置切換弁13によって作動される。この2位置切換弁13は、シリンダ13aの中に、一側面に形成したピストン13bが形成された弁本体13c、このピストン13bに対して当接自在でシリンダ13aを2分するためのピストン13d、および復帰ばね13eを備える。
前進用油路10aまたは後進用油路10bに圧油が流れてシリンダ13a内の、ピストン13dの受圧室13fまたはピストン13bの受圧室13gの油圧が高まれば、いずれかのピストン13d、13bが復帰バネ13eに抗して図の右側へ移動させられて2位置切換弁13が切り換わる。それによって、絞り13hで流量制御された作動油が流れて油路22、23を経て調節弁20の背室に圧入され、前後進切換弁7の切換後、所定時間に至るまでは制御ピストン20aを介しリリーフバネ20bの付勢力を徐々に増加、即ち、調節弁20の設定リリーフ圧を漸増させリリーフバネ20bの付勢力が最大となった位置でクラッチ5a又は5bが完全に入る圧力になる。また、作動油圧がなくなれば復帰ばね13eの付勢力により2位置切換弁13が原位置(図1に示す位置)に復帰し、作動油の流れが止まると共に、調節弁20の背室に圧入されていた圧油が2位置切換弁13を介して油溜6に排出され、調節弁20の制御ピストン20aは原位置にリセットされるように構成されている。
すなわち、前後進切換弁12が閉鎖位置(図1に示す位置)にあるときは、2位置切換弁13も閉鎖位置にあり、調節弁20の背室へ圧油が供給されないようにされている。従ってこのときは調節弁20のスプール20cは大きく後退していてリリーフ圧の低いリリーフ弁と同じ役目をし、第1油圧ポンプ7から作動油供給油路10の油路10cを通じて供給される圧油の一部が、第1潤滑油供給油路15の油路15aから調節弁20のリリーフ作動により排出され、第1潤滑油供給油路15の油路15bへと逃がされている。
なお、調節弁20から第1潤滑油供給油路15の油路15bへと逃がされる油圧は潤滑油圧設定リリーフ弁21により所定の低圧に規定されている。
そして、エンジンの駆動により第1油圧ポンプ7を駆動させておいて、電気指令によって前後進切換弁12を前進または後進位置に切り換えると、作動油供給油路10の油路10a又は10bを流れはじめる作動油油圧をパイロット圧としてピストン13d、13bにより2位置切換弁13も移動し油路22と油路23との間が開通すると共に、2位置切換弁13内に設けられた絞り13hで流量が制御されて、作動油が油路23を経て調節弁20の背室へ圧入される。そして、この圧入により、調節弁20は、スプールが前進されリリーフ圧が徐々に高められ、潤滑油供給油路15が徐々に閉じ、その反射的作用として前後進用クラッチ5a、5bの作動油圧が徐々に高められ、クラッチが急激に接合されるのを防止するようにされている。そして最終的にクラッチ5a、5bを高い圧力で完全に押圧して動力を完全に伝達するようにされている。
プロペラシャフト2の駆動によって第2油圧ポンプ8が駆動すると、第2潤滑油供給油路16から第1潤滑油供給油路15の油路15dを通じて、クラッチ5に潤滑油を供給する。第2油圧ポンプ8から吐出された圧油は、第1潤滑油供給油路15の油路15c、15dを通じて、リリーフ弁21により油圧が調整される。
上記の油圧回路構成を有する、油圧式セイルドライブ装置の作動について、以下に説明する。
停船時において、図外のエンジンを駆動して入力軸1を回転させると、入力軸1が第1油圧ポンプ7を駆動することによって、第1油圧ポンプ7が油溜6の油をポンプアップする。前後進切換弁12は原位置において中立位置にあり、作動油供給油路10が前後進切換弁12によって閉鎖されているため、第1油圧ポンプ7によってポンプアップされた圧油は、作動油供給油路10の油路10cから第1潤滑油供給油路15へ流れ、クラッチ5に潤滑油として流れる。第1潤滑油供給油路15を流れる圧油は、逆止弁18によって第2潤滑油供給油路16への流出が阻止されている。なお、第2潤滑油供給油路16には遠心ポンプ等の第2油圧ポンプ8が油路に介在されており、この第2ポンプ8によっても第1潤滑油供給油路15から第2潤滑油供給油路16を通じて圧油が油溜6に流出することをほぼ防ぐことができるので、逆止弁18を省くことも可能である。図1では図示省略しているが、クラッチ5に供給された潤滑油は、図外の油路を通じて油溜6に戻される。
クラッチ5を接続するために、前後進切換弁12を前進又は後進に切り換えれば、上述のようにして、前進用又は後進用のクラッチ5に作動油が徐々に供給され、作動油が供給されるクラッチ5a又は5bの接触圧力が徐々に高まり、所定時間経過後にクラッチが完全に入る。
前進用又は後進用のクラッチ5a又は5bが入ると、入力軸1の回転は、クラッチ5a又は5b、クラッチ5側に取り付けられた駆動側ベベルギア30a又は30b、駆動側ベベルギア30a及び30bと噛み合う従動側ベベルギア31、従動側ベベルギア31を上端に備え、縦方向に延びて出力軸4の一部を構成するドライブシャフト3、ドライブシャフト3の下端に固定された駆動側ベベルギア32、そして、駆動側ベベルギア32と噛み合い且つ駆動側ベベルギア32より大径の従動側ベベルギア33、そして、従動側ベベルギア33を一端に備え、水平方向に延びて出力軸4の一部を構成するプロペラシャフト2、へと伝達され、エンジン駆動による前進機走又は後進機走が可能となる。
機走中、第1油圧ポンプ7と第2油圧ポンプ8とは共に駆動し、第1油圧ポンプ7は、作動油と潤滑油をクラッチ5に供給し、第2油圧ポンプは潤滑油を供給する。
帆を張って帆走するためにエンジンを停止すると、入力軸1の停止に伴って第1油圧ポンプ7は停止し、第1油圧ポンプ7からクラッチ5への潤滑油の供給は止まるが、帆走により出力軸4が回転駆動しているため、出力軸4によって第2油圧ポンプ8が駆動され、帆走中は、第2油圧ポンプ8によってクラッチ5に潤滑油が供給される。第2油圧ポンプ8から第1潤滑油供給油路10の油路15dに供給される圧油は、調節弁20によって、第1潤滑油供給油路15の油路15c、15bから作動油供給油路10への流出が防止される。
上記油圧回路を備える油圧式セイルドライブ装置を、図1〜10を参照して説明する。なお、図2〜図10において、図1と同様の構成部分については、同符号を付している。図2は、油圧式セイルドライブ装置を備える帆船を外観を示す側面図、図3は、油圧式セイルドライブ装置の外観を示す側面図、図4は、図3の油圧セイルドライブ装置の上部内部構造を示す縦断側面図、図5は、図4の油圧セイルドライブ装置の下部内部構造を示す縦断側面図、図6は、第2油圧ポンプの主要部品を示す斜視図、図7は、図5のVII−VII線断面図、図8は、図4のVIII−VIII線断面図、図9は、図4のIX−IX線断面図、図10は、図9のX−X線断面図である。
図2に示すように、油圧式セイルドライブ装置100は、船101の内部に設置されたエンジン102に連結され、下部が船底から突き出している。図3に示すように、油圧式セイルドライブ装置100は、アッパーユニット103と、アッパーユニット103に接合されたロアユニット104とを有する。
アッパーユニット103には、エンジン102に連結される入力軸1、入力軸1に支持されている前後進クラッチ5等が組み込まれ、アッパーユニット103の後方に固定されたオイルユニット105には、第1油圧ポンプ7、前後進切換弁12等が組み込まれている。ロアユニット104には、ドライブシャフト3及びプロペラシャフト2を含む出力軸4、プロペラシャフト2に取り付けられた第2油圧ポンプ8等が組み込まれている。油圧式セイルドライブ装置100は、防振ゴム106を介して、船底の据付台(図示せず)に固定された環状シールフランジ107に取り付けられている。
図4に示すように、アッパーユニット103内において、入力軸1は水平方向に支持されている。入力軸1は、一端がエンジンに連結されるためにアッパーユニット103から突出し、他端は、第1油圧ポンプ7を構成するギアポンプの一方のギアに連結され、エンジンの駆動によって入力軸1が回転すると、第1油圧ポンプ7が作動する。
入力軸1に支持されている前後進クラッチ5は、入力軸1に固定されたアウタードラム5cに植設された前進側及び後進側の複数枚のプレッシャープレートと、入力軸1に回転自在に嵌め込まれた前進側駆動ベベルギア30a及び後進側駆動ベベルギア30bと、前進側駆動ベベルギア30a及び後進側駆動ベベルギア30bの各々から延びるインナードラム30a1、30b1に植設された複数枚のクラッチプレートと、入力軸1内に形成された作動油供給油路10からの作動油の供給を受けてプレッシャープレートを押圧するピストン5f、5gと、を有する。
駆動ベベルギア30a、30bは、従動ベベルギア31と噛み合っている。従動ベベルギア31は、ロアユニット104の上端から突出しているドライブシャフト3とスプライン結合により連結されている。
ドライブシャフト3は、図5に示すように、ロアユニット104内を縦方向に延び、下端に固定された駆動ベベルギア32が、従動ベベルギア33に噛み合い、従動ベベルギア33は、ロアユニット104内に水平に支持されたプロペラシャフト2にスプライン結合されている。
従動ベベルギア33の一側面に、第2油圧ポンプ8を構成する遠心ポンプの羽根車が固定されている。図6に斜視図で示すように、羽根車8aは、カバープレート8bに複数枚の羽根8cが突設され、カバープレート8bの羽根8cと羽根8cとの間に吸引口8dが形成されている。羽根車8aのボス部8eには、従動ベベルギア33とピン40(図5)によって結合するためのピン穴8fが形成されている。
羽根車8aの周囲は、図7によく示されているように、ロアユニット104の内部に一体的に形成されてリング状をしたハウジング部41に囲まれ、このハウジング部41の一部(上部)に、ロアユニット104内に形成された第2潤滑油供給油路16と連通する連通路41aが形成されている。第2潤滑油供給油路16は、図7に示すように、ロアユニット104内において、ロアユニット104の厚み方向中心位置を通孔41aから上方に延びている。また、ロアユニット104内において、第2潤滑油供給油路16の両サイドに、油溜6から上方に延びる作動油供給油路10の油路10dが形成されている。
ロアユニット104内を延びる第2潤滑油供給路16は、ロアユニット104とアッパーユニット103との接合面を通じて流路断面を狭めてアッパーユニット103内を延び、更に、オイルユニット105内に連通する。アッパーユニット103とオイルユニット105との接合部において、第2潤滑油供給油路16に、オイルフィルター17、逆止弁18が介在されている。
オイルユニット105内を延びる第2潤滑油供給油路16は、リリーフ弁21に連通するとともに、入力軸1内を入力軸線と平行に延びる第1潤滑油供給路15の油路15dに合流する。従って、第2潤滑油供給油路16を流れる潤滑油は、油路15dから入力軸1の周面に開く通孔を通して、潤滑油をクラッチ、ギア、軸受け等に供給される。第2潤滑油供給油路16を通じてクラッチ等に供給された潤滑油は、従動ベベルギア31の周囲の隙間や、ドライブシャフト3の周囲の隙間等を流下して、従動ベベルギア31の直下にオイルレベルを設定した油溜6に流れる。
図7示すように、ロアユニット104内を油溜6から上方に延びる作動油潤滑油路10の油路10dは、ロアユニット103とアッパーユニット103との図示しない接合面を通じて、図8に示すように、アッパーユニット103内に形成された油路10dから、オイルユニット105内に形成された油路10dにつながり、オイルユニット105内に設置されたフィルター7(図10参照)を介して、図9に示すように、作動油潤滑油路10の油路10eから第1油圧ポンプ7を構成するギアポンプの吸引側に開通し、該ギアポンプの吐出側から、カバー105a(図4)によって塞がれる溝によって形成される油路10f、10gを介し、前後進切換弁12を構成する電磁スプール弁のスリーブ12aを抜けて、スプール12bの外周面に形成された円周溝に通じ、該円周溝からスリーブ12aの開口12c、12dを通り、2位置切換弁13を介して、油路10h又は10iを通って、図4に示すように、入力軸1内に設けられた油路10a(図4では前進側の油路1Oaのみが示されている。)に通じ、クラッチ5のピストン室に連通する。
また、第1油圧ポンプ7から吐出された圧油は、油路10c、10fから、油路22に入り、2位置切換弁13の弁本体13cを構成するスプールの外周面に形成された周溝13mに開通している。前後進切換弁12から作動油がピストン13dの受圧室13fまたはピストン13bの受圧室13gに注入されると、ピストン13d又は13bが復帰ばね13eの弾性力に抗して2位置切換弁13の弁本体13cを図8の右方向に移動させる。2位置切換弁13の弁本体13cが図の右側へ移動すると、油路22から送られてきた圧油は、弁本体13cの外周溝13nに入り、弁本体13の外周の筋溝によって形成された絞り13hを通って、外周溝13mに入り、そこから、図9に示す油路23を通って、オイルユニット105に形成された溝とカバー105aとによって形成される油路23を通り、調節弁20の背室に送られ、制御ピストン20aに油圧をかける。
なお、上記の実施形態では、第2油圧ポンプはプロペラシャフトに取り付けられている例を示しているが、ドライブシャフト3に取り付けることも可能である。
図11は、本発明に係る油圧式セイルドライブ装置の他の実施形態を示す油圧回路図である。図11に示す実施形態は、第2油圧ポンプ8の配置が、図1で示した実施形態と異なっている。
図11に示す油圧回路において、第1油圧ポンプ7による潤滑油供給油路15が、第1油圧ポンプ7による作動油供給油路10の第1油圧ポンプ7より下流位置から分岐している点は、図1に示す油圧回路と同じである。
図11に示す油圧回路では、第2油圧ポンプ8は、作動油供給油路10の第1油圧ポンプ7より上流位置に組み込まれ、第1油圧ポンプ7と第2油圧ポンプ8の間で作動油供給油路10から分岐させた第1バイパス油路50が潤滑油供給油路15に連通し、第1バイパス油路50に、第1油圧ポンプ7による潤滑油供給油路から第2油圧ポンプ8の側への潤滑油の流れを阻止する第1逆止弁51が設けられ、第1油圧ポンプ7と第2油圧ポンプ8の間で作動油供給油路10から分岐させた第2バイパス油路52が油溜6に連通し、第2バイパス油路52に、作動油供給油路10から油溜6への油の流れを阻止する第2逆止弁53が設けられている。
かかる構成の油圧回路によれば、図示しないが、ロアユニット内に形成される油路の数を減らすことができる。即ち、図7で示した油路16、10d、10fを、1本の油路とすることが可能となる。
図12は、本発明に係る油圧式セイルドライブ装置の更に他の実施形態を示す油圧回路図である。
図12に示す油圧回路は、第2油圧ポンプ8による潤滑油供給油路16が、第1油圧ポンプ7からの潤滑油供給油路15と独立して形成されている点が、図1に示す油圧回路図と異なり、その他の構成は図1に示す油圧回路図と同様である。
本発明に係る油圧式セイルドライブ装置の油圧回路の一実施形態を示す油圧回路図である。 本発明に係る油圧式セイルドライブ装置を搭載した帆船の外観を示す側面図である。 図2の油圧式セイルドライブ装置を拡大して示す側面図である。 図4は、図3の油圧セイルドライブ装置の上部内部構造を示す縦断側面図である。 図5は、図4の油圧セイルドライブ装置の下部内部構造を示す縦断側面図である。 図6は、第2油圧ポンプの主要部品を示す斜視図である。 図7は、図5のVII−VII線断面図である。 図8は、図4のVIII−VIII線断面図である。 図9は、図4のIX−IX線断面図である。 図10は、図9のX−X線断面図である。 図11は、本発明に係る油圧式セイルドライブ装置の他の実施形態を示す油圧回路図である。 図12は、本発明に係る油圧式セイルドライブ装置の更に他の実施形態を示す油圧回路図である。
符号の説明
1 入力軸
2 プロペラシャフト
4 出力軸
5 クラッチ
7 第1油圧ポンプ
8 第2油圧ポンプ
102 エンジン
103 アッパーユニット
104 ロアユニット

Claims (3)

  1. エンジンに対して船内で連結される入力軸を有するアッパーユニットと、プロペラシャフトを含む出力軸を有し且つ下部が船底から突き出すロアユニットとが備えられたセイルドライブ装置において、
    前記アッパーユニットに、前記プロペラシャフトの回転方向を前記入力軸に対して正逆転切換可能に伝達する油圧式の前後進切換クラッチを備えさせ
    前記入力軸によって駆動し、油溜から作動油及び潤滑油を前記クラッチに供給する第1油圧ポンプと、
    前記出力軸によって駆動し、油溜から作動油及び潤滑油の少なくとも潤滑油を前記クラッチに供給する第2油圧ポンプと、
    を更に備えることを特徴とする、油圧式セイルドライブ装置。
  2. 前記第1油圧ポンプによって前記クラッチの潤滑油を供給する第1潤滑油供給路に、前記第2油圧ポンプからの第2潤滑油供給油路が接続され、
    前記第1潤滑油供給油路から前記第2油圧ポンプの側への潤滑油の流れを阻止する逆止弁が該第2潤滑油供給油路に設けられていることを特徴とする請求項に記載の油圧式セイルドライブ装置。
  3. 前記第1油圧ポンプによる潤滑油供給油路は、前記第1油圧ポンプによる作動油供給油路の該第1油圧ポンプより下流位置から分岐し、
    前記第2油圧ポンプは、前記作動油供給油路の前記第1油圧ポンプより上流位置に組み込まれ、
    前記第1油圧ポンプと第2油圧ポンプの間で前記作動油供給油路から分岐させた第1バイパス油路が前記潤滑油供給油路に連通し、
    前記第1バイパス油路に、前記第1油圧ポンプによる潤滑油供給油路から前記第2油圧ポンプの側への潤滑油の流れを阻止する第1逆止弁が設けられ、
    前記第1油圧ポンプと前記第2油圧ポンプの間で前記作動油供給油路から分岐させた第2バイパス油路が前記油溜に連通し、
    前記第2バイパス油路に、前記作動油供給油路から前記油溜への油の流れを阻止する第2逆止弁が設けられていることを特徴とする請求項に記載の油圧式セイルドライブ装置。
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