以下、図面を参照しながら、本発明の例を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
1. マルチドットフラッシュメモリのメモリセルアレイアーキテクチャー
(1) 第一例
メモリセルアレイアーキテクチャーの第一例については、国際特許出願(PCT/JP2008/053688)に開示されている。
本明細書では、マルチドットフラッシュメモリを、フローティングゲート内に蓄積される電荷(電子又は正孔)の量を1個又はそれ以上の単位で制御し、1つのメモリセルに2ビット以上のデータを記憶する次世代多値メモリと定義する。
図1は、メモリセルアレイアーキテクチャーの第一例を示す鳥瞰図である。また、図2は、図1のメモリセルアレイの第一方向の断面図である。
アクティブエリア(例えば、半導体基板、半導体層など)AA,・・・は、第一方向にライン&スペースで配置され、アクティブエリアAA,・・・のラインは、第二方向に延びる。ビット線BL,・・・は、アクティブエリアAA,・・・の間のスペース上に配置され、第二方向に延びる。アクティブエリアAA,・・・間のスペースは、素子分離エリア(例えば、STI: shallow trench isolation)となる。
アクティブエリアAA,・・・上であってビット線BL,・・・の間のスペースには、フローティングゲートFG,・・・がアレイ状に配置される。フローティングゲートFG,・・・は、左右2本のビット線BL(L),BL(R)によって挟み込まれる。
アクティブエリアAA,・・・とフローティングゲートFG,・・・との間のスペースには、ゲート絶縁膜が配置される。また、ビット線BL,・・・とフローティングゲートFG,・・・との間のスペースには、トンネル絶縁膜が配置される。このように、ゲート絶縁膜とトンネル絶縁膜とを別々にすることで信頼性の問題を解消する。
フローティングゲートFG,・・・上には、コントロールゲートCG,・・・が配置される。フローティングゲートFG,・・・とコントロールゲートCG,・・・との間のスペースには、電極間絶縁膜(例えば、IPD)が配置される。コントロールゲートCG,・・・上には、ワード線WL,・・・が配置される。ワード線WL,・・・は、第一方向に延び、第一方向に並んで配置されるコントロールゲートCG,・・・に共通に接続される。
このような構造を有するマルチドットフラッシュメモリにおいては、図2に示すように、ワード線WLに印加するゲート電位VGと、左側ビット線BL(L)に印加する電位V1と、右側ビット線BL(R)に印加する電位V2とを制御することにより、フローティングゲートFGに対する電荷の注入/放出を行うことができる。
このように、フローティングゲートFGの左右に存在する2つのトンネル絶縁膜のうちの1つを書き込み時の電荷注入に使用し、かつ、他の1つを消去時の電荷放出に使用する、という点が、マルチドットフラッシュメモリの特徴の一つである。
このようにすることで、トンネル絶縁膜に流れるトンネル電流(電子の流れ)の向きは常に一定になるため、トンネル絶縁膜の信頼性を向上させることができる。
また、トンネル絶縁膜とゲート絶縁膜とを別々にすることにより、書き込み/消去時に発生する電荷トラップの影響がゲート絶縁膜に及ぶことがなく、読み出し時の閾値電圧Vthのシフトを抑えることができる。
(2) 第二例
メモリセルアレイアーキテクチャーの第二例については、特願2009−42548号に開示されている。
マルチドットフラッシュメモリは、その原理上、フローティングゲート内の電荷量を1個単位、又は、2個以上ながら少数の電荷単位で制御するため、フローティングゲートのサイズを十分に小さくすることが、量子ドット効果による多値化に有効である。
しかし、図1及び図2のメモリセルアレイアーキテクチャーにおいて、フローティングゲートのサイズを十分に小さくすることは、フォトリソグラフィによる加工サイズの技術的限界や製造コストの面から、非常に難しい。
例えば、EUV(extreme ultraviolet)を用いる技術は、原理的には、線幅20 nmを実現できるが、実用化には至っていない。仮に、実用化されても、製造コストが非常に高くなることが予想される。また、当然に、EUVを用いる技術でも、加工サイズの技術的限界があることに間違いない。
このような状況の下、プロセス上の工夫により微細加工を実現する技術が提案されている。この技術は、側壁絶縁膜(side-wall insulating film)を利用して微細マスクパターンを形成する点に特徴を有し、側壁スペーサ転写プロセス(side-wall spacer lithography process)又は自己整合ダブルパターニングプロセス(self-aligned double patterning process)と称されている。
従って、マルチドットフラッシュメモリのフローティングゲートの加工にこのプロセスを用いることは非常に有効である。
しかし、側壁スペーサ転写プロセスを用いると、複数のフローティングゲートの側面形状やフローティング間のビット線の幅などにばらつきが発生する。
具体的には、微細ライン&スペースマスクパターンの一端側から奇数番目のパターンにより加工されたフローティングゲートの側面形状と、その一端側から偶数番目のパターンにより加工されたフローティングゲートの側面形状とが、交互に異なり、また、これに起因し、ビット線の幅が周期的に異なる。
このようなばらつきは、「偶奇ばらつき」と称される。
この偶奇ばらつきは、1つのフローティングゲートについてみると、同一方向に存在する二つの側面の形状が異なる、ということになり、また、同一方向に隣接する二つのフローティングゲートについてみると、互いに対向する二つの側面の形状が対称的、即ち、概ね線対称又は概ね同じである、ということになる。
図3は、偶奇ばらつきを模式的に示している。
エリアA内の隣接する二つのフローティングゲートFGは、同一のコア層の二つの側面上に形成された二つの側壁絶縁膜を利用して加工されたものであり、その形状が対称的である。即ち、コア層側(内側)の二つの側面が斜めになっている。
この側面の傾斜の度合いをテーパー角θで表すと、エリアA内の隣接する二つのフローティングゲートFGのコア層側の二つの側面のテーパー角θ(=θmin)は、コア層側とは反対側(外側)の二つの側面のテーパー角θ(=θmax)よりも小さい。
但し、テーパー角は、フローティングゲート(FG)の底面と側面とのなす角度として定義される。
同様に、エリアB内の隣接する二つのフローティングゲートFGは、同一のコア層の二つの側面上に形成された二つの側壁絶縁膜を利用して加工されたものであり、その形状が対称的である。
即ち、エリアB内の隣接する二つのフローティングゲートFGのコア層側の二つの側面のテーパー角θ(=θmin)は、コア層側とは反対側(外側)の二つの側面のテーパー角θ(=θmax)よりも小さい。
θmaxは、概ね90°であり、θminは、90°よりも小さい角度である。
この偶奇ばらつきの一因は、同一のコア層を元に形成される二つの側壁絶縁膜の形状の対称性にあると考えられる。
また、フローティングゲートFGの偶奇ばらつきに起因し、フローティングゲートFGの間隔Lmin/Lmaxも周期的に変化する。このフローティングゲートFGの間隔Lmin/Lmaxの周期的変化は、フローティングゲートFGの間に配置されるビット線の幅の周期的変化をもたらす。
このようなビット線の幅の変化は、「偶奇差」と称される。
ここで、ビット線の幅とは、(ビット線の下面の幅+ビット線の上面の幅)/2で定義されるものとする。
メモリセルアレイアーキテクチャーの第二例は、偶奇ばらつき及び偶奇差を積極的に利用するものである。具体的には、偶奇ばらつき及び偶奇差の周期性を利用し、この周期性に対応させて、フローティングゲート内へ電荷を供給するビット線としての電荷供給専用線と、フローティングゲート内からの電荷を受け入れるビット線としての電荷受入専用線とを、周期的に配置する。
また、フローティングゲートを挟み込む二つのビット線のうち、どちらを電荷供給専用線とし、どちらを電荷受入線とするか、については、そのフローティングゲートの二つの側面の形状の相違を考慮する。
即ち、一つの方法は、フローティングゲートの二つの側面のうち、大きなテーパー角θmaxを持つ側面側に電荷供給専用線を配置し、小さなテーパー角θminを持つ側面側に電荷受入専用線を配置する。小さなテーパー角θminを持つ側面側に電荷受入専用線を配置するのは、フローティングゲートの底面と側面とのなす角度が鋭角となり、フローティングゲートから電荷受入専用線に電荷を移動し易くなるためである。
もう一つの方法は、例えば太くなったビット線側を電荷供給専用線に、細くなったビット線を電荷受入専用線に配置する。こうすることで、小さなテーパー角θminを持つ側面側に電荷受入専用線を配置するのは、フローティングゲートの底面と側面とのなす角度が鋭角となり、フローティングゲートから電荷受入専用線に電荷を移動し易くなるためである。
このようなメモリセルアレイアーキテクチャーを採用することで、側壁スペーサ転写プロセスの採用が可能になり、マルチドットフラッシュメモリが実現可能になる。
図4は、メモリセルアレイアーキテクチャーの第二例を示す鳥瞰図である。また、図5及び図6は、図4のメモリセルアレイの第一方向の断面図である。
アクティブエリア(例えば、半導体基板、半導体層など)AA,・・・は、第一方向にライン&スペースで配置され、アクティブエリアAA,・・・のラインは、第二方向に延びる。ビット線BLs,BLr,・・・は、アクティブエリアAA,・・・の間のスペース上に配置され、第二方向に延びる。アクティブエリアAA,・・・間のスペースは、素子分離エリア(例えば、STI: shallow trench isolation)となる。
アクティブエリアAA,・・・上であってビット線BLs,BLr,・・・の間のスペースには、フローティングゲートFG,・・・がアレイ状に配置される。フローティングゲートFG,・・・は、2本のビット線BLs,BLrによって挟み込まれる。
アクティブエリアAA,・・・とフローティングゲートFG,・・・との間のスペースには、ゲート絶縁膜が配置される。また、ビット線BLs,BLr,・・・とフローティングゲートFG,・・・との間のスペースには、トンネル絶縁膜が配置される。このように、ゲート絶縁膜とトンネル絶縁膜とを別々にすることで信頼性の問題を解消する。
ここで、フローティングゲートFG,・・・の各々は、第一方向の二つの側面の形状が異なり、かつ、第一方向に隣接する二つのフローティングゲートFG,・・・は、互いに対向する二つの側面の形状が対称的である。
例えば、図4乃至図6において、左側から1番目のフローティングゲートFGの右側側面と、左側から2番目のフローティングゲートFGの左側側面とは、対称的であり、左側から2番目のフローティングゲートFGの右側側面と、左側から3番目のフローティングゲートFGの左側側面とは、対称的である。
また、左側から奇数番目のフローティングゲートFG,・・・、例えば、左側から1番目と3番目のフローティングゲートFGは、同じ形状を有している。具体的には、左側側面が斜めであり、右側側面がほぼ垂直である。即ち、左側側面のテーパー角θminは、右側側面のテーパー角θmaxよりも小さい。
同様に、左側から偶数番目のフローティングゲートFG,・・・、例えば、左側から2番目と4番目のフローティングゲートFGは、同じ形状を有している。具体的には、右側側面が斜めであり、左側側面がほぼ垂直である。即ち、右側側面のテーパー角θminは、左側側面のテーパー角θmaxよりも小さい。
このようなフローティングゲートFG,・・・の偶奇ばらつきの周期性を利用し、フローティングゲートFG,・・・内へ電荷を供給するビット線(電荷供給専用線)BLsと、フローティングゲートFG,・・・内からの電荷を受け入れるビット線(電荷受入専用線)BLrとを、交互に配置する。
即ち、フローティングゲートFG,・・・の二つの側面のうち、大きなテーパー角θmaxを持つ側面側にビット線(電荷供給専用線)BLsを配置し、小さなテーパー角minを持つ側面側にビット線(電荷受入専用線)BLrを配置する。
小さなテーパー角minを持つ側面側にビット線(電荷受入専用線)BLrを配置するのは、フローティングゲートFG,・・・の底面と側面とのなす角度が鋭角となり、フローティングゲートFG,・・・からビット線(電荷受入専用線)BLrに電荷を移動し易くなるためである。
ビット線(電荷受入専用線)BLrは、小さなテーパー角minを持つ二つの側面の間に配置されるため、ビット線(電荷受入専用線)BLrの第一方向の二つの側面は、オーバーハング形状となる。従って、ビット線(電荷受入専用線)BLrの上面の第一方向の幅は、その下面の第一方向の幅よりも大きくなる。
また、第一方向に並ぶフローティングゲートFG,・・・の間隔が一定であるとすると、ビット線(電荷受入専用線)BLrの第一方向の断面積は、ビット線(電荷供給専用線)BLsの第一方向の断面積よりも小さくなる。即ち、ビット線(電荷受入専用線)BLrの抵抗値は、ビット線(電荷供給専用線)BLsの抵抗値よりも高い。
フローティングゲートFG,・・・上には、コントロールゲートCG,・・・が配置される。フローティングゲートFG,・・・とコントロールゲートCG,・・・との間のスペースには、電極間絶縁膜(例えば、IPD)が配置される。コントロールゲートCG,・・・上には、ワード線WL,・・・が配置される。ワード線WL,・・・は、第一方向に延び、第一方向に並んで配置されるコントロールゲートCG,・・・に共通に接続される。
このような構造を有するマルチドットフラッシュメモリにおいては、ワード線WLに印加するゲート電位VGと、ビット線(電荷供給専用線)BLsに印加する電位V1と、ビット線(電荷受入専用線)BLrに印加する電位V2とを制御することにより、フローティングゲートFG,・・・に対する電荷の注入/放出を行うことができる。
例えば、電荷が電子である場合、
これら電位の大小関係は、V2 > V1、VG > 0Vとなる。V2は、例えば、正電位であり、V1は、例えば、負電位である。
具体的には、書き込み時には、図5に示すように、VG = VDD/2、V1 = -VDD、V2 = VDDに設定する。但し、VDDは、電源電位とする。ここで、書き込みとは、フローティングゲートFG内に電子を注入する動作のことをいうものとする。以下、同じ。
この場合、電子は、ビット線(電荷供給専用線)BLsからフローティングゲートFG,・・・に注入される。
また、消去時には、図6に示すように、VG = -VDD、V1 = -VDD、V2 = VDDに設定する。但し、VDDは、電源電位とする。ここで、消去とは、フローティングゲートFG内から電子を放出する動作のことをいうものとする。以下、同じ。
この場合、電子は、フローティングゲートFG,・・・からビット線(電荷受入専用線)BLrに放出される。
以上のように、フローティングゲートFGの左右に存在する2つのトンネル絶縁膜のうちの1つを書き込み(電荷注入)に使用し、他の1つを消去(電荷放出)に使用する。
このようにすることで、トンネル絶縁膜に流れるトンネル電流(電子の流れ)の向きは常に一定になるため、トンネル絶縁膜の信頼性を向上させることができる。
また、トンネル絶縁膜とゲート絶縁膜とを別々にすることにより、書き込み/消去時に発生する電荷トラップの影響がゲート絶縁膜に及ぶことがなく、読み出し時の閾値電圧Vthのシフトを抑えることができる。
2. 本発明の原理
本発明は、書き込み/消去制御技術に関する。
そこで、まず、図1及び図2のメモリセルアレイアーキテクチャー、又は、図4乃至図6のメモリセルアレイアーキテクチャーを用いたときの書き込み/消去動作の例について説明する。
(1) 書き込み動作
図7は、書き込み動作の例を示している。
同図は、ロウアドレスRi、カラムアドレスCjにある選択された一つのフローティングゲートFG(Select)内に、その右側に存在するビット線BL14から電子を注入する例である。
この場合、選択されたフローティングゲートFG(Select)の右側のビット線BL14をV1(例えば、マイナス電位)にし、それよりも更に右側に存在するビット線BL15,…の全てをV1にする。また、選択されたフローティングゲートFG(Select)の左側のビット線BL13をV2(例えば、プラス電位)にし、それよりも更に左側に存在するビット線BL12,BL11,…の全てをV2にする。
選択されたフローティングゲートFG(Select)上に存在するワード線WL(Select)をVG(例えば、V2/2)にし、それ以外のワード線WLを0Vにする。
この状態において、電子は、矢印で示すように、選択されたフローティングゲートFG(Select)の右側のビット線BL14から選択されたフローティングゲートFG(Select)内に注入される。
(2) 消去動作
図8は、消去動作の例を示している。
同図は、ロウアドレスRi、カラムアドレスCjにある選択された一つのフローティングゲートFG(Select)内から、その左側に存在するビット線BL13に、電子を放出する例である。
この場合、選択されたフローティングゲートFG(Select)の右側のビット線BL14をV1(例えば、マイナス電位)にし、それよりも更に右側に存在するビット線BL15,…の全てをV1にする。また、選択されたフローティングゲートFG(Select)の左側のビット線BL13をV2(例えば、プラス電位)にし、それよりも更に左側に存在するビット線BL12,BL11,…の全てをV2にする。
選択されたフローティングゲートFG(Select)上に存在するワード線WL(Select)をVG(例えば、V1)にし、それ以外のワード線WLを0Vにする。
この状態において、電子は、矢印で示すように、選択されたフローティングゲートFG(Select)内から選択されたフローティングゲートFG(Select)の左側のビット線BL13に放出される。
(3) 課題
上述の書き込み動作と消去動作は、複数のビット線の電位関係が同じで、選択されたワード線WL(Select)に印加する電位が異なる。
例えば、複数のビット線についてみると、図9に示すように、選択されたフローティングゲートFG(Select)よりも右側にあるビット線BL14,BL15,…の全ては、V1であり、選択されたフローティングゲートFG(Select)よりも左側に存在するビット線BL13,BL12,BL11,…の全ては、V2である。
しかし、このような電位関係では、書き込み/消去時に、全てのビット線をV1又はV2に設定しなければならないため、消費電力が増大する。また、これに起因し、書き込み/消去のための待ち時間の増大や、昇圧回路のスペックアップによる設計マージンの減少など、といった問題が発生する。
また、書き込み/消去後には、書き込み/消去が完了したか否かを検証(verify)するペリファイが行われる。そして、書き込み/消去NG(書き込み/消去不足)と判断されると、再び、書き込み/消去を行い、書き込み/消去OK(書き込み/消去完了)と判断されると、書き込み/消去を終了する。
しかし、ペリファイ時に複数のビット線に印加する電位Vpassは、書き込み/消去時に複数のビット線に印加する電位V1,V2とは大きく異なる。
従って、書き込み/消去とペリファイとを繰り返し行うと、複数のビット線の電位変化(V1,V2→Vpass→V1,V2)が激しくなり、消費電力の増大や、書き込み/消去のための待ち時間の増大などがさらに顕著となる。
図10は、ペリファイ動作の例を示している。
同図は、ロウアドレスRi、カラムアドレスCjにある選択された一つのメモリセル(フローティングゲート)FG(Select)の閾値(電荷量)を検証する例である。
この場合、選択されたフローティングゲートFG(Select)上に存在するワード線WL(Select)をVv-readにし、それ以外のワード線WLをVpassにする。
ここで、Vv-readは、書き込み/消去により設定する閾値の最小値又は最大値を意味する。また、Vpassは、メモリセルFG(Select)を除くメモリセル(フローティングゲート)FGをその閾値によらずオンにする電位を意味する。
このため、フローティングゲートFG(Select)の閾値がVv-readよりも大きいか又は小さいかを判断することにより、書き込み/消去が完了しているか否かを検証することができる。
この時、全てのビット線は、Vpassに設定される。
そして、例えば、図11に示すように、書き込み/消去とペリファイとを繰り返し行うと、複数のビット線の電位変化(V1,V2→Vpass→V1,V2)が激しくなり、消費電力の増大や、書き込み/消去のための待ち時間の増大などが発生する。
(4) 着眼点
本発明は、書き込み/消去時に、非選択フローティングゲート(非選択メモリセル)の両端にある二つのビット線の電位を同じにする(電位差を零にする)のではなく、その二つのビット線に電位差を設け、その電位差をトンネリング現象による電荷の移動が発生しない値にして低消費電力化を図ろうとする点に着眼したものである。
即ち、本発明では、書き込み/消去時に、選択されたフローティングゲートFG(Select)よりも左側/右側に存在する複数のビット線の電位の絶対値を、選択されたフローティングゲートFG(Select)から離れるに従い、次第に小さくしていくことにより、低消費電力化を図る。
図12は、書き込み動作の例を示している。
同図は、ロウアドレスRi、カラムアドレスCjにある選択された一つのフローティングゲートFG(Select)内に、その右側に存在するビット線BL14から電子を注入する例である。
この場合、選択されたフローティングゲートFG(Select)の右側のビット線BL14をV1(1)(例えば、マイナス電位)にし、それよりも更に右側に存在するビット線BL15,…をV1(2),…にする。
また、選択されたフローティングゲートFG(Select)の左側のビット線BL13をV2(1)(例えば、プラス電位)にし、それよりも更に左側に存在するビット線BL12,BL11,…をV2(2),V2(3),…にする。
但し、V1(1)<V2(1)である。
また、V1(1)<0のとき、V1(1)<V1(2)<… であり、V1(1)>0のとき、V1(1)>V1(2)>… である。
また、V2(1)>0のとき、V2(1)>V2(2)>V2(3)>… であり、V2(1)<0のとき、V2(1)<V2(2)<V2(3)<… である。
選択されたフローティングゲートFG(Select)上に存在するワード線WL(Select)をVG(例えば、V2(1)/2)にし、それ以外のワード線WLを0Vにする。
この状態において、電子は、矢印で示すように、選択されたフローティングゲートFG(Select)の右側のビット線BL14から選択されたフローティングゲートFG(Select)内に注入される。
また、選択されたフローティングゲートFG(Select)よりも左側/右側に存在する複数のビット線の電位の絶対値は、選択されたフローティングゲートFG(Select)から離れるに従い、次第に小さくなるため、低消費電力化を図ることができる。
図13は、消去動作の例を示している。
同図は、ロウアドレスRi、カラムアドレスCjにある選択された一つのフローティングゲートFG(Select)内から、その左側に存在するビット線BL13に、電子を放出する例である。
この場合、選択されたフローティングゲートFG(Select)の右側のビット線BL14をV1(1)(例えば、マイナス電位)にし、それよりも更に右側に存在するビット線BL15,…をV1(2),…にする。
また、選択されたフローティングゲートFG(Select)の左側のビット線BL13をV2(1)(例えば、プラス電位)にし、それよりも更に左側に存在するビット線BL12,BL11,…をV2(2),V2(3),…にする。
但し、V1(1)<V2(1)である。
また、V1(1)<0のとき、V1(1)<V1(2)<… であり、V1(1)>0のとき、V1(1)>V1(2)>… である。
また、V2(1)>0のとき、V2(1)>V2(2)>V2(3)>… であり、V2(1)<0のとき、V2(1)<V2(2)<V2(3)<… である。
選択されたフローティングゲートFG(Select)上に存在するワード線WL(Select)をVG(例えば、V1(1))にし、それ以外のワード線WLを0Vにする。
この状態において、電子は、矢印で示すように、選択されたフローティングゲートFG(Select)内から選択されたフローティングゲートFG(Select)の左側のビット線BL13に放出される。
また、選択されたフローティングゲートFG(Select)よりも左側/右側に存在する複数のビット線の電位の絶対値は、選択されたフローティングゲートFG(Select)から離れるに従い、次第に小さくなるため、低消費電力化を図ることができる。
(5) 効果
本発明の原理によれば、例えば、図14に示すように、選択されたフローティングゲートFG(Select)よりも右側にあるビット線BL14,BL15,…の電位V1(1),V1(2)…は、マイナス電位であり、選択されたフローティングゲートFG(Select)から離れるに従い、次第に大きくなる。
言い換えると、ビット線BL14,BL15,…の電位V1(1),V1(2)…の絶対値は、選択されたフローティングゲートFG(Select)から離れるに従い、次第に小さくなる。
また、選択されたフローティングゲートFG(Select)よりも左側に存在するビット線BL13,BL12,BL11,…の電位V2(1),V2(2),V2(3),…は、プラス電位であり、選択されたフローティングゲートFG(Select)から離れるに従い、次第に小さくなる。
言い換えると、ビット線BL13,BL12,BL11,…の電位V2(1),V2(2),V2(3),…の絶対値は、選択されたフローティングゲートFG(Select)から離れるに従い、次第に小さくなる。
従って、図9と図14の比較から明らかなように、本発明によれば、書き込み/消去時に、複数のビット線の電位を逐次的に変えているため、選択されたフローティングゲートFG(Select)から離れるほどビット線の電位変化が小さくなり、低消費電力化に貢献できる。また、これに伴い、書き込み/消去のための待ち時間の増大や、昇圧回路のスペックアップによる設計マージンの減少など、といった問題も解消される。
また、書き込み/消去後には、書き込み/消去が完了したか否かを検証するペリファイが行われる。そして、書き込み/消去NG(書き込み/消去不足)と判断されると、再び、書き込み/消去を行い、書き込み/消去OK(書き込み/消去完了)と判断されると、書き込み/消去を終了する。
ここで、本発明の原理を用いると、書き込み/消去時に、選択されたフローティングゲートFG(Select)よりも左側/右側に存在する複数のビット線の電位を、選択されたフローティングゲートFG(Select)から離れるに従い、次第にVpassに近付け、最終的にVpassにすることも可能である。
尚、Vpassとは、ペリファイ時に複数のビット線に印加する電位のことである。
この場合、書き込み/消去とペリファイとを繰り返し行っても、選択されたフローティングゲートFG(Select)から十分に離れたビット線では、その電位変化がなくなる(常にVpass)。このため、消費電力をさらに低減でき、かつ、書き込み/消去のための待ち時間もさらに短縮される。
図15は、ペリファイ動作の例を示している。
同図は、ロウアドレスRi、カラムアドレスCjにある選択された一つのメモリセル(フローティングゲート)FG(Select)の閾値(電荷量)を検証する例である。
この場合、選択されたフローティングゲートFG(Select)上に存在するワード線WL(Select)をVv-readにし、それ以外のワード線WLをVpassにする。
このため、フローティングゲートFG(Select)の閾値がVv-readよりも大きいか又は小さいかを判断することにより、書き込み/消去が完了しているか否かを検証することができる。
この時、全てのビット線は、Vpassに設定される。
そして、例えば、図16に示すように、書き込み/消去とペリファイとを繰り返し行うとき、ビット線BL10〜BL12,BL15〜BL19では、その電位変化が緩やかになり、ビット線BL0〜BL9,BL20〜BL28では、その電位変化がなくなる。
従って、消費電力の低減や、書き込み/消去のための待ち時間の短縮などの効果を得ることができる。
3. ビット線の電位の変化量について
選択されたフローティングゲートから離れるに従い、ビット線の電位を逐次的に変化させるに当っては、ビット線の電位の変化量を、誤書き込み及び誤消去が発生しない範囲内に設定しなければならない。
ここでは、その変化量の範囲について検討する。
まず、以下の説明を分かり易くするために、本発明のメモリセル構造を模式化する。
図17は、本発明のメモリセル構造を模式化したものである。
同図(a)は、ワード線が延びる第一方向に沿う断面図、同図(b)は、ビット線が延びる第二方向に沿う断面図である。この模式図から本発明のマルチドットフラッシュメモリのメモリセルの等価回路を作り出すと、図18に示すようになる。
また、メモリセルに発生する電気容量の等価回路は、図19に示すようになる。
図17乃至図19において、WLは、ワード線、CGは、コントロールゲート、FGは、フローティングゲート、AAは、アクティブエリア、BLnは、書き込み/消去の対象となる選択されたフローティングゲートからn(nは、自然数)番目に存在するビット線、BLn+1は、書き込み/消去の対象となる選択されたフローティングゲートからn+1番目に存在するビット線である。
Cnは、n番目のビット線BLnとフローティングゲートFGとの間の電気容量、Cn+1は、n+1番目のビット線BLn+1とフローティングゲートFGとの間の電気容量、Cpgは、コントロールゲートCGとフローティングゲートFGとの間の電気容量、CAAは、アクティブエリアAAとフローティングゲートFGとの間の電気容量である。
Vnは、n番目のビット線BLnの電位、Vn+1は、n+1番目のビット線BLn+1の電位、Vpgは、コントロールゲートCGの電位、VAAは、アクティブエリアAAの電位、VRは、フローティングゲートFGの電位である。
このような模式化されたメモリセル構造において、書き込み/消去の対象とならない非選択メモリセルの誤書き込み及び誤消去が発生しない条件を求める。
この条件は、非選択メモリセルのフローティングゲートに対して、トンネリング現象による電荷の注入/放出を発生させないこと、により満たされる。
但し、Qは、フローティングゲートFGに蓄積されている電荷量、V1は、n番目のビット線BLnとフローティングゲートFGとの間の電圧、V2は、n+1番目のビット線BLn+1とフローティングゲートFGとの間の電圧、V3は、コントロールゲートCGとフローティングゲートFGとの間の電圧、V4は、アクティブエリアAAとフローティングゲートFGとの間の電圧である。
また、V1=VR−V
n
V2=V
n+1−VR
V3=V
pg−VR
V4=V
AA−VR
を用いて、式(1)からV2、V3、VRを消去すると、数(2)が導かれる。
また、n番目のビット線BLnとフローティングゲートFGとの間でトンネリング現象による電荷の移動が発生する電界の閾値をEthnとし、n番目のビット線BLnとフローティングゲートFGとの間の絶縁膜の厚さをdnとする。
この時、n番目のビット線BL
nとフローティングゲートFGとの間でトンネリング現象による電荷の移動が発生しない条件は、式(3)に示される。
式(3)をV
nの条件として表すと、式(4)となる。
また、式(3)をV
n+1の条件として表すと、式(5)となる。
ここで、n番目のビット線BLnとn+1番目のビット線BLn+1とがそれらの間のフローティングゲートFGに対して対称とし、フローティングゲートFG内の最小電荷量をQminとし、最大電荷量をQmaxとすると、以下の式(6)〜式(9)を導くことができる。
・ n+1番目のビット線BL
n+1とフローティングゲートFGとの間でトンネリング現象による電荷の移動が発生しない条件
但し、n+1番目のビット線BLn+1とフローティングゲートFGとの間でトンネリング現象による電荷の移動が発生する電界の閾値をEthn+1とし、n+1番目のビット線BLn+1とフローティングゲートFGとの間の絶縁膜の厚さをdn+1とする。
・ n番目のビット線BL
nとフローティングゲートFGとの間でトンネリング現象による電荷の移動が発生しない条件
但し、n番目のビット線BLnとフローティングゲートFGとの間でトンネリング現象による電荷の移動が発生する電界の閾値をEthnとし、n番目のビット線BLnとフローティングゲートFGとの間の絶縁膜の厚さをdnとする。
・ コントロールゲートCGとフローティングゲートFGとの間でトンネリング現象による電荷の移動が発生しない条件
但し、コントロールゲートCGとフローティングゲートFGとの間でトンネリング現象による電荷の移動が発生する電界の閾値をEthpgとし、コントロールゲートCGとフローティングゲートFGとの間の絶縁膜の厚さをdpgとする。
・ アクティブエリアAAとフローティングゲートFGとの間でトンネリング現象による電荷の移動が発生しない条件
但し、アクティブエリアAAとフローティングゲートFGとの間でトンネリング現象による電荷の移動が発生する電界の閾値をEthAAとし、アクティブエリアAAとフローティングゲートFGとの間の絶縁膜の厚さをdAAとする。
以上より、非選択メモリセルのフローティングゲートFGに対して、トンネリング現象による電荷の注入/放出を発生させない条件は、式(10)及び式(11)で表される。
ここで、Qmin及びQmaxは、メモリとして機能させる際に仕様として事前に定められる値である。仕様は、例えば、書き込みが行われたフローティングゲート(メモリセル)が非選択状態のときに誤書き込み及び誤消去が発生しないこと、又は、書き込みが行われたフローティングゲート(メモリセル)が非選択状態のときにフローティングゲート内から電子が漏れ出ないこと、を条件に決める。
また、誤書き込み及び誤消去を起こさないために、非選択のビット線において常に式(10)及び式(11)を満たすように、仕様を決定することもできる。
4. 書き込み/消去のためのシステム
図20は、書き込み/消去のためのシステムを示している。
メモリセルアレイMAは、図1及び図2の構造、又は、図4乃至図6の構造を有する。
(N+1)本のワード線WL0,WL1,・・・WLNは、ワード線デコーダ21に接続され、(N+1)本のビット線BL0,BL1,・・・BLNは、ビット線デコーダ22に接続される。N本のデータ線DL1,DL2,・・・DLNは、センスアンプS/Aに接続される。
ROM11は、本発明の書き込み/消去動作を実行するためのプログラムを記憶する。
制御回路12は、ROM11に記憶されたプログラムに基づいて、ワード線デコーダ21、ビット線デコーダ22及びセンスアンプS/Aを制御する。
図21は、図20のメモリセルアレイMAを示している。
同図において、メモリセルは、図18の等価回路を用いて表している。
本例では、メモリセルアレイ上に、(N+1)本のワード線WL0,WL1,・・・WLNと、(N+1)本のビット線BL0,BL1,・・・BLNとを配置する。N本のデータ線DL1,DL2,・・・DLNは、N個のNAND列の一端のドレイン領域とセンスアンプ(S/A)とを電気的に接続する。
本発明のマルチドットフラッシュメモリでは、書き込み/消去は、ランダムアクセスで行う。また、読み出しは、1本のワード線WLiに接続される複数のメモリセルに対して同時に行い、NAND列内の複数のメモリセルに対して1つずつ順番に行う。
図22は、書き込み/消去動作の第1例を示している。
この動作は、図20の制御回路12により制御される。
まず、nを1に設定し(ステップST1)、アドレス信号に基づいて、選択されたメモリセル(フローティングゲート)から左側/右側にn(=1)番目に存在するビット線の電位を決定する(ステップST2)。
選択されたメモリセルから左側/右側にn(=1)番目のビット線の電位は、選択されたフローティングゲートに対して、トンネリング現象による電荷の移動が発生するのに十分な大きさに設定される。
例えば、選択されたフローティングゲートの左側にn(=1)番目に存在するビット線の電位をプラス電位とし、その右側にn(=1)番目に存在するビット線の電位をマイナス電位にする。
次に、n(=1)番目のビット線の電位が0Vか否かを判断する(ステップST3)。
n(=1)番目のビット線の電位が0Vでないときは、nを(n+1)に設定し(ステップST4)、選択されたメモリセル(フローティングゲート)から左側/右側にn+1番目に存在するビット線の電位を決定する(ステップST2)。
選択されたメモリセルから左側/右側にn+1番目のビット線の電位は、n番目のビット線とn+1番目のビット線との間にある非選択フローティングゲートに対して、トンネリング現象による電荷の移動が発生しない範囲の値に設定される。
具体的には、n+1番目のビット線の電位は、式(10)に基づいて決定する。
次に、n+1番目のビット線の電位が0Vか否かを判断する(ステップST3)。
n+1番目のビット線の電位が0Vであるときは、n+1番目以降のビット線の電位を0Vに決定する(ステップST5)。
そして、ビット線に、ステップST2及びステップST5で決定された電位を与えて、書き込み/消去を実行する(ステップST6)。
以上のように、第1例では、選択されたフローティングゲートに左側/右側に存在する複数のビット線の電位を、選択されたフローティングゲートに最も近いビット線から逐次的に決定する。
このような手法を採用することにより、書き込み/消去がランダムアクセスに行われても、複雑なプログラムを必要とせず、式(10)に示す条件を満たす複数のビット線の電位を決定できる。
図23は、書き込み/消去動作の第2例を示している。
第1例では、ビット線の電位を0Vに向かって下降/上昇させるが、第2例では、ビット線の電位をVpassに向かって下降/上昇させる。
この動作は、図20の制御回路12により制御される。
まず、nを1に設定し(ステップST1)、アドレス信号に基づいて、選択されたメモリセル(フローティングゲート)から左側/右側にn(=1)番目に存在するビット線の電位を決定する(ステップST2)。
選択されたメモリセルから左側/右側にn(=1)番目のビット線の電位は、第1例と同様に、選択されたフローティングゲートに対して、トンネリング現象による電荷の移動が発生するのに十分な大きさに設定される。
次に、n(=1)番目のビット線の電位がVpassか否かを判断する(ステップST3)。
n(=1)番目のビット線の電位がVpassでないときは、nを(n+1)に設定し(ステップST4)、選択されたメモリセル(フローティングゲート)から左側/右側にn+1番目に存在するビット線の電位を決定する(ステップST2)。
選択されたメモリセルから左側/右側にn+1番目のビット線の電位は、第1例と同様に、n番目のビット線とn+1番目のビット線との間にある非選択フローティングゲートに対して、トンネリング現象による電荷の移動が発生しない範囲の値に設定される。
具体的には、n+1番目のビット線の電位は、式(10)に基づいて決定する。
次に、n+1番目のビット線の電位がVpassか否かを判断する(ステップST3)。
n+1番目のビット線の電位がVpassであるときは、n+1番目以降のビット線の電位をVpassに決定する(ステップST5)。
そして、ビット線に、ステップST2及びステップST5で決定された電位を与えて、書き込み/消去を実行する(ステップST6)。
この後、全てのビット線をVpassにしてペリファイを実行する(ステップST7)。
このペリファイにより、書き込み/消去が完了していると判断されれば、書き込み/消去動作を終了する。また、書き込み/消去が完了していないと判断されれば、再び、ビット線に、ステップST2及びステップST5で決定された電位を与えて、書き込み/消去を実行する(ステップST8)。
以上のように、第2例では、書き込み/消去時のビット線の電位を、ペリファイ時に用いるVpassに収束させるため、書き込み/消去とペリファイとを繰り返し行う場合でも消費電力が増大することはない。
また、選択されたフローティングゲートに左側/右側に存在する複数のビット線の電位を、選択されたフローティングゲートに最も近いビット線から逐次的に決定するため、複雑なプログラムを必要とせず、式(10)に示す条件を満たす複数のビット線の電位を決定できる。
5. 実施例
書き込み/消去動作の実施例を説明する。
図12乃至図16の例は、選択されたフローティングゲートの数を1つとする基本動作を示すものなので、以下では、その他のパターンを説明する。
(1) 第1実施例
図24は、書き込み動作の例を示している。
同図は、ロウアドレスRi,Ri+2、カラムアドレスCjにある選択された二つのフローティングゲートFG(Select)1,FG(Select)2内に、その右側に存在するビット線BL14から電子を注入する例である。
この場合、選択された二つのフローティングゲートFG(Select)1,FG(Select)2は、同一カラムCjに存在する。
従って、選択されたフローティングゲートFG(Select)1,FG(Select)2の右側のビット線BL14をV1(1)(例えば、マイナス電位)にし、それよりも更に右側に存在するビット線BL15,…をV1(2),…にする。
また、選択されたフローティングゲートFG(Select)1,FG(Select)2の左側のビット線BL13をV2(1)(例えば、プラス電位)にし、それよりも更に左側に存在するビット線BL12,BL11,…をV2(2),V2(3),…にする。
但し、V1(1)<V2(1)である。
また、V1(1)<0のとき、V1(1)<V1(2)<… であり、V1(1)>0のとき、V1(1)>V1(2)>… である。
また、V2(1)>0のとき、V2(1)>V2(2)>V2(3)>… であり、V2(1)<0のとき、V2(1)<V2(2)<V2(3)<… である。
選択されたフローティングゲートFG(Select)1,FG(Select)2上に存在するワード線WL(Select)をVG(例えば、V2(1)/2)にし、それ以外のワード線WLを0Vにする。
この状態において、電子は、矢印で示すように、選択されたフローティングゲートFG(Select)1,FG(Select)2の右側のビット線BL14から選択されたフローティングゲートFG(Select)1,FG(Select)2内に注入される。
また、選択されたフローティングゲートFG(Select)1,FG(Select)2よりも左側/右側に存在する複数のビット線の電位の絶対値は、選択されたフローティングゲートFG(Select)1,FG(Select)2から離れるに従い、次第に小さくなるため、低消費電力化を図ることができる。
図25は、消去動作の例を示している。
同図は、ロウアドレスRi,Ri+2、カラムアドレスCjにある選択された二つのフローティングゲートFG(Select)1,FG(Select)2内から、その左側に存在するビット線BL13に、電子を放出する例である。
この場合、選択されたフローティングゲートFG(Select)1,FG(Select)2の右側のビット線BL14をV1(1)(例えば、マイナス電位)にし、それよりも更に右側に存在するビット線BL15,…をV1(2),…にする。
また、選択されたフローティングゲートFG(Select)1,FG(Select)2の左側のビット線BL13をV2(1)(例えば、プラス電位)にし、それよりも更に左側に存在するビット線BL12,BL11,…をV2(2),V2(3),…にする。
但し、V1(1)<V2(1)である。
また、V1(1)<0のとき、V1(1)<V1(2)<… であり、V1(1)>0のとき、V1(1)>V1(2)>… である。
また、V2(1)>0のとき、V2(1)>V2(2)>V2(3)>… であり、V2(1)<0のとき、V2(1)<V2(2)<V2(3)<… である。
選択されたフローティングゲートFG(Select)1,FG(Select)2上に存在するワード線WL(Select)をVG(例えば、V1(1))にし、それ以外のワード線WLを0Vにする。
この状態において、電子は、矢印で示すように、選択されたフローティングゲートFG(Select)1,FG(Select)2内から選択されたフローティングゲートFG(Select)1,FG(Select)2の左側のビット線BL13に放出される。
また、選択されたフローティングゲートFG(Select)1,FG(Select)2よりも左側/右側に存在する複数のビット線の電位の絶対値は、選択されたフローティングゲートFG(Select)1,FG(Select)2から離れるに従い、次第に小さくなるため、低消費電力化を図ることができる。
(2) 第2実施例
図26は、書き込み動作の例を示している。
同図は、ロウアドレスRi、カラムアドレスCj−1,Cjにある選択された二つのフローティングゲートFG(Select)1,FG(Select)2内に、その左側/右側に存在するビット線BL12,BL14から電子を注入する例である。
この場合、選択されたフローティングゲートFG(Select)2の右側のビット線BL14をV1(1)(例えば、マイナス電位)にし、それよりも更に右側に存在するビット線BL15,…をV1(2),…にする。
また、選択されたフローティングゲートFG(Select)1の左側のビット線BL12をV1(1)(例えば、マイナス電位)にし、それよりも更に左側に存在するビット線BL11,…をV1(2),…にする。
さらに、選択された二つのフローティングゲートFG(Select)1,FG(Select)2の間にあるビット線BL13をV2(1)(例えば、プラス電位)にする。
但し、V1(1)<V2(1)である。
また、V1(1)<0のとき、V1(1)<V1(2)<… であり、V1(1)>0のとき、V1(1)>V1(2)>… である。
選択されたフローティングゲートFG(Select)1,FG(Select)2上に存在するワード線WL(Select)をVG(例えば、V2(1)/2)にし、それ以外のワード線WLを0Vにする。
この状態において、電子は、矢印で示すように、選択されたフローティングゲートFG(Select)1,FG(Select)2の左側/右側のビット線BL12,BL14から選択されたフローティングゲートFG(Select)1,FG(Select)2内に注入される。
また、選択されたフローティングゲートFG(Select)1,FG(Select)2よりも左側/右側に存在する複数のビット線の電位の絶対値は、選択されたフローティングゲートFG(Select)1,FG(Select)2から離れるに従い、次第に小さくなるため、低消費電力化を図ることができる。
図27は、消去動作の例を示している。
同図は、ロウアドレスRi、カラムアドレスCj−1,Cjにある選択された二つのフローティングゲートFG(Select)1,FG(Select)2内から、それらの間にあるビット線BL13に、電子を放出する例である。
この場合、選択されたフローティングゲートFG(Select)2の右側のビット線BL14をV1(1)(例えば、マイナス電位)にし、それよりも更に右側に存在するビット線BL15,…をV1(2),…にする。
また、選択されたフローティングゲートFG(Select)1の左側のビット線BL12をV1(1)(例えば、マイナス電位)にし、それよりも更に左側に存在するビット線BL11,…をV1(2),…にする。
さらに、選択された二つのフローティングゲートFG(Select)1,FG(Select)2の間にあるビット線BL13をV2(1)(例えば、プラス電位)にする。
但し、V1(1)<V2(1)である。
また、V1(1)<0のとき、V1(1)<V1(2)<… であり、V1(1)>0のとき、V1(1)>V1(2)>… である。
選択されたフローティングゲートFG(Select)1,FG(Select)2上に存在するワード線WL(Select)をVG(例えば、V1(1))にし、それ以外のワード線WLを0Vにする。
この状態において、電子は、矢印で示すように、選択された二つのフローティングゲートFG(Select)1,FG(Select)2内から、これらの間にあるビット線BL13に放出される。
また、選択されたフローティングゲートFG(Select)1,FG(Select)2よりも左側/右側に存在する複数のビット線の電位の絶対値は、選択されたフローティングゲートFG(Select)1,FG(Select)2から離れるに従い、次第に小さくなるため、低消費電力化を図ることができる。
(3) 第3実施例
図28は、書き込み動作の例を示している。
同図は、ロウアドレスRi、カラムアドレスCol.1,Col.2にある選択された二つのフローティングゲートFG(Select)1,FG(Select)2内に、その左側/右側に存在するビット線BL4,BL14から電子を注入する例である。
この場合、選択されたフローティングゲートFG(Select)2の右側のビット線BL14をV1(1)(例えば、マイナス電位)にし、それよりも更に右側に存在するビット線BL15,…をV1(2),…にする。
また、選択されたフローティングゲートFG(Select)1の左側のビット線BL4をV1(1)(例えば、マイナス電位)にし、それよりも更に左側に存在するビット線BL3,…をV1(2),…にする。
さらに、選択されたフローティングゲートFG(Select)1の右側に隣接するビット線BL5及び選択されたフローティングゲートFG(Select)2の左側に隣接するビット線BL13をV2(1)(例えば、プラス電位)にする。
また、選択された二つのフローティングゲートFG(Select)1,FG(Select)2の間にあるビット線BL5,…BL13の電位の絶対値については、選択されたフローティングゲートFG(Select)から離れるに従い、次第に小さくしていく。
そして、選択された二つのフローティングゲートFG(Select)1,FG(Select)2の間にあるビット線BL5,…BL13のうち、その中央に位置するビット線BL9の電位Vcenterの絶対値を最小にする。
また、ビット線の電位をVpassに収束させる場合には、各々のビット線BL5,…BL13の電位からVpassを引いた値の絶対値のうち、|Vcenter−Vpass|が最小値になるようにする。
但し、V1(1)<V2(1)である。
また、V1(1)<0のとき、V1(1)<V1(2)<… であり、V1(1)>0のとき、V1(1)>V1(2)>… である。
また、V2(1)>0のとき、V2(1)>V2(2)>V2(3)>… であり、V2(1)<0のとき、V2(1)<V2(2)<V2(3)<… である。
選択されたフローティングゲートFG(Select)1,FG(Select)2上に存在するワード線WL(Select)をVG(例えば、V2(1)/2)にし、それ以外のワード線WLを0Vにする。
この状態において、電子は、矢印で示すように、選択されたフローティングゲートFG(Select)1の左側のビット線BL4から選択されたフローティングゲートFG(Select)1内に注入され、選択されたフローティングゲートFG(Select)2の右側のビット線BL14から選択されたフローティングゲートFG(Select)2内に注入される。
また、選択されたフローティングゲートFG(Select)1,FG(Select)2よりも左側/右側に存在する複数のビット線の電位の絶対値は、それぞれ、選択されたフローティングゲートFG(Select)1,FG(Select)2から離れるに従い、次第に小さくなるため、低消費電力化を図ることができる。
図29は、消去動作の例を示している。
同図は、ロウアドレスRi、カラムアドレスCol.1,Col.2にある選択された二つのフローティングゲートFG(Select)1,FG(Select)2内から、その左側/右側に存在するビット線BL5,BL13に、電子を放出する例である。
この場合、選択されたフローティングゲートFG(Select)2の右側のビット線BL14をV1(1)(例えば、マイナス電位)にし、それよりも更に右側に存在するビット線BL15,…をV1(2),…にする。
また、選択されたフローティングゲートFG(Select)1の左側のビット線BL4をV1(1)(例えば、マイナス電位)にし、それよりも更に左側に存在するビット線BL3,…をV1(2),…にする。
さらに、選択されたフローティングゲートFG(Select)1の右側に隣接するビット線BL5及び選択されたフローティングゲートFG(Select)2の左側に隣接するビット線BL13をV2(1)(例えば、プラス電位)にする。
また、選択された二つのフローティングゲートFG(Select)1,FG(Select)2の間にあるビット線BL5,…BL13の電位の絶対値については、選択されたフローティングゲートFG(Select)1,FG(Select)2から離れるに従い、次第に小さくしていく。
そして、選択された二つのフローティングゲートFG(Select)1,FG(Select)2の間にあるビット線BL5,…BL13のうち、その中央に位置するビット線BL9の電位Vcenterの絶対値を最小にする。
また、ビット線の電位をVpassに収束させる場合には、各々のビット線BL5,…BL13の電位からVpassを引いた値の絶対値のうち、|Vcenter−Vpass|が最小値になるようにする。
但し、V1(1)<V2(1)である。
また、V1(1)<0のとき、V1(1)<V1(2)<… であり、V1(1)>0のとき、V1(1)>V1(2)>… である。
また、V2(1)>0のとき、V2(1)>V2(2)>V2(3)>… であり、V2(1)<0のとき、V2(1)<V2(2)<V2(3)<… である。
選択されたフローティングゲートFG(Select)1,FG(Select)2上に存在するワード線WL(Select)をVG(例えば、V1(1))にし、それ以外のワード線WLを0Vにする。
この状態において、電子は、矢印で示すように、選択されたフローティングゲートFG(Select)1,FG(Select)2からその左側/右側に存在するビット線BL5,BL13に放出される。
また、選択されたフローティングゲートFG(Select)1,FG(Select)2よりも左側/右側に存在する複数のビット線の電位の絶対値は、それぞれ、選択されたフローティングゲートFG(Select)1,FG(Select)2から離れるに従い、次第に小さくなるため、低消費電力化を図ることができる。
図30は、第3実施例のビット線の電位関係を示している。
選択された二つのフローティングゲートFG(Select)1,FG(Select)2の間にあるビット線BL5,…BL13のうち、その中央に位置するビット線BL9の電位Vcenterの絶対値を最小値に設定される。
ビット線BL5,…BL13の電位を逐次的に求めるに当っては、ビット線BL5側とビット線BL13側の双方から求めるのが好ましい。
(4) 第4実施例
図31は、書き込み動作の例を示している。
同図は、ロウアドレスRi、カラムアドレスCj−1,Cjにある選択された二つのフローティングゲートFG(Select)1,FG(Select)2内に、それらの間にあるビット線BL13から電子を注入する例である。
この場合、選択されたフローティングゲートFG(Select)2の右側のビット線BL14をV2(1)(例えば、プラス電位)にし、それよりも更に右側に存在するビット線BL15,…をV2(2),…にする。
また、選択されたフローティングゲートFG(Select)1の左側のビット線BL12をV2(1)(例えば、プラス電位)にし、それよりも更に左側に存在するビット線BL11,…をV2(2),…にする。
さらに、選択された二つのフローティングゲートFG(Select)1,FG(Select)2の間にあるビット線BL13をV1(1)(例えば、マイナス電位)にする。
但し、V1(1)<V2(1)である。
また、V2(1)>0のとき、V2(1)>V2(2)>… であり、V2(1)<0のとき、V2(1)<V2(2)<… である。
選択されたフローティングゲートFG(Select)1,FG(Select)2上に存在するワード線WL(Select)をVG(例えば、V2(1)/2)にし、それ以外のワード線WLを0Vにする。
この状態において、電子は、矢印で示すように、選択されたフローティングゲートFG(Select)1,FG(Select)2の間にあるビット線BL13から選択されたフローティングゲートFG(Select)1,FG(Select)2内に注入される。
また、選択されたフローティングゲートFG(Select)1,FG(Select)2よりも左側/右側に存在する複数のビット線の電位の絶対値は、選択されたフローティングゲートFG(Select)1,FG(Select)2から離れるに従い、次第に小さくなるため、低消費電力化を図ることができる。
図32は、消去動作の例を示している。
同図は、ロウアドレスRi、カラムアドレスCj−1,Cjにある選択された二つのフローティングゲートFG(Select)1,FG(Select)2内から、その左側/右側に存在するビット線BL12,BL14に、電子を放出する例である。
この場合、選択されたフローティングゲートFG(Select)2の右側のビット線BL14をV2(1)(例えば、プラス電位)にし、それよりも更に右側に存在するビット線BL15,…をV2(2),…にする。
また、選択されたフローティングゲートFG(Select)1の左側のビット線BL12をV2(1)(例えば、プラス電位)にし、それよりも更に左側に存在するビット線BL11,…をV2(2),…にする。
さらに、選択された二つのフローティングゲートFG(Select)1,FG(Select)2の間にあるビット線BL13をV1(1)(例えば、マイナス電位)にする。
但し、V1(1)<V2(1)である。
また、V2(1)>0のとき、V2(1)>V2(2)>… であり、V2(1)<0のとき、V2(1)<V2(2)<… である。
選択されたフローティングゲートFG(Select)1,FG(Select)2上に存在するワード線WL(Select)をVG(例えば、V1(1))にし、それ以外のワード線WLを0Vにする。
この状態において、電子は、矢印で示すように、選択された二つのフローティングゲートFG(Select)1,FG(Select)2内から、その左側/右側に存在するビット線BL12,BL14に放出される。
また、選択されたフローティングゲートFG(Select)1,FG(Select)2よりも左側/右側に存在する複数のビット線の電位の絶対値は、選択されたフローティングゲートFG(Select)1,FG(Select)2から離れるに従い、次第に小さくなるため、低消費電力化を図ることができる。
(5) 第5実施例
図33は、書き込み動作の例を示している。
同図は、ロウアドレスRi、カラムアドレスCol.1,Col.2にある選択された二つのフローティングゲートFG(Select)1,FG(Select)2内に、その左側/右側に存在するビット線BL14,BL24から電子を注入する例である。
この場合、選択されたフローティングゲートFG(Select)1の右側のビット線BL14をV1(1)(例えば、マイナス電位)にし、それよりも更に右側に存在するビット線BL15,…をV1(2),…にする。
また、選択されたフローティングゲートFG(Select)1の左側のビット線BL13をV2(1)(例えば、プラス電位)にし、それよりも更に左側に存在するビット線BL12,…をV2(2),…にする。
さらに、選択されたフローティングゲートFG(Select)2の左側のビット線BL24をV1(1)(例えば、マイナス電位)にし、それよりも更に左側に存在するビット線BL23,…をV1(2),…にする。
また、選択されたフローティングゲートFG(Select)2の右側のビット線BL25をV2(1)(例えば、プラス電位)にし、それよりも更に右側に存在するビット線BL26,…をV2(2),…にする。
ところで、選択された二つのフローティングゲートFG(Select)1,FG(Select)2の間にあるビット線BL14,…BL24の電位の絶対値については、選択されたフローティングゲートFG(Select)1,FG(Select)2から離れるに従い、次第に小さくしていく。
そして、選択された二つのフローティングゲートFG(Select)1,FG(Select)2の間にあるビット線BL14,…BL24のうち、その中央に位置するビット線BL19の電位Vcenterの絶対値を最小にする。
また、ビット線の電位をVpassに収束させる場合には、各々のビット線BL14,…BL24の電位からVpassを引いた値の絶対値のうち、|Vcenter−Vpass|が最小値になるようにする。
但し、V1(1)<V2(1)である。
また、V1(1)<0のとき、V1(1)<V1(2)<… であり、V1(1)>0のとき、V1(1)>V1(2)>… である。
また、V2(1)>0のとき、V2(1)>V2(2)>V2(3)>… であり、V2(1)<0のとき、V2(1)<V2(2)<V2(3)<… である。
選択されたフローティングゲートFG(Select)1,FG(Select)2上に存在するワード線WL(Select)をVG(例えば、V2(1)/2)にし、それ以外のワード線WLを0Vにする。
この状態において、電子は、矢印で示すように、選択されたフローティングゲートFG(Select)1,FG(Select)2の左側/右側のビット線BL14,BL24から選択されたフローティングゲートFG(Select)1,FG(Select)2内に注入される。
また、選択されたフローティングゲートFG(Select)1,FG(Select)2よりも左側/右側に存在する複数のビット線の電位の絶対値は、それぞれ、選択されたフローティングゲートFG(Select)1,FG(Select)2から離れるに従い、次第に小さくなるため、低消費電力化を図ることができる。
図34は、消去動作の例を示している。
同図は、ロウアドレスRi、カラムアドレスCol.1,Col.2にある選択された二つのフローティングゲートFG(Select)1,FG(Select)2内から、その左側/右側に存在するビット線BL13,BL25に、電子を放出する例である。
この場合、選択されたフローティングゲートFG(Select)1の右側のビット線BL14をV1(1)(例えば、マイナス電位)にし、それよりも更に右側に存在するビット線BL15,…をV1(2),…にする。
また、選択されたフローティングゲートFG(Select)1の左側のビット線BL13をV2(1)(例えば、プラス電位)にし、それよりも更に左側に存在するビット線BL12,…をV2(2),…にする。
さらに、選択されたフローティングゲートFG(Select)2の左側のビット線BL24をV1(1)(例えば、マイナス電位)にし、それよりも更に左側に存在するビット線BL23,…をV1(2),…にする。
また、選択されたフローティングゲートFG(Select)2の右側のビット線BL25をV2(1)(例えば、プラス電位)にし、それよりも更に右側に存在するビット線BL26,…をV2(2),…にする。
ところで、選択された二つのフローティングゲートFG(Select)1,FG(Select)2の間にあるビット線BL14,…BL24の電位の絶対値については、選択されたフローティングゲートFG(Select)1,FG(Select)2から離れるに従い、次第に小さくしていく。
そして、選択された二つのフローティングゲートFG(Select)1,FG(Select)2の間にあるビット線BL14,…BL24のうち、その中央に位置するビット線BL19の電位Vcenterの絶対値を最小にする。
また、ビット線の電位をVpassに収束させる場合には、各々のビット線BL14,…BL24の電位からVpassを引いた値の絶対値のうち、|Vcenter−Vpass|が最小値になるようにする。
但し、V1(1)<V2(1)である。
また、V1(1)<0のとき、V1(1)<V1(2)<… であり、V1(1)>0のとき、V1(1)>V1(2)>… である。
また、V2(1)>0のとき、V2(1)>V2(2)>V2(3)>… であり、V2(1)<0のとき、V2(1)<V2(2)<V2(3)<… である。
選択されたフローティングゲートFG(Select)1,FG(Select)2上に存在するワード線WL(Select)をVG(例えば、V1(1))にし、それ以外のワード線WLを0Vにする。
この状態において、電子は、矢印で示すように、選択されたフローティングゲートFG(Select)1,FG(Select)2から、それらの左側/右側のビット線BL13,BL25に放出される。
また、選択されたフローティングゲートFG(Select)1,FG(Select)2よりも左側/右側に存在する複数のビット線の電位の絶対値は、それぞれ、選択されたフローティングゲートFG(Select)1,FG(Select)2から離れるに従い、次第に小さくなるため、低消費電力化を図ることができる。
図35は、第5実施例のビット線の電位関係を示している。
選択された二つのフローティングゲートFG(Select)1,FG(Select)2の間にあるビット線BL14,…BL24のうち、その中央に位置するビット線BL19の電位Vcenterの絶対値を最小値に設定される。
ビット線BL14,…BL24の電位を逐次的に求めるに当っては、ビット線BL14側とビット線BL24側の双方から求めるのが好ましい。
(6) 第6実施例
本発明は、ビット線の電位の絶対値を、選択されたフローティングゲートから離れるに従い、次第に小さくすることに特徴を有する。但し、ビット線の電位を0Vではなく、Vpassに収束させる場合は、最終的にビット線の電位をVpassにする。
ここで、回路設計の観点から、ビット線に与えることができる電位に制限がかかることがある。例えば、ビット線に与えることができる電位の値Vbitは、以下のように、Vminのk倍となり、不連続となる。
Vbit = k×Vmin(kは自然数)
このため、選択されたフローティングゲートからn+1番目のビット線の電位Vn+1を、最適値、例えば、式(10)及び式(11)で規定される範囲内の最大値又は最小値に規定できないことがある。
この場合、0<Δ<Vmin で表されるΔを用い、
式(12)及び式(13)に示されるように、選択されたフローティングゲートからn+1番目のビット線の電位V
n+1を調整する必要がある。
但し、ビット線の電位は、0Vに収束させるものとする。
尚、Δの値は、より小さいほうが効率がよいため、予めΔの値が小さくなるように、回路設計時にVminを決定しておくのが好ましい。
また、ビット線の電位を連続的に変化させることができる場合や、連続的に変化する電位を生成することができる場合などにおいては、式(12)及び式(13)によらず、例えば、式(10)及び式(11)で規定される範囲内の最大値又は最小値を直接ビット線に与えればよい。
ところで、ビット線の電位を0Vではなく、Vpassに収束させる場合は、選択されたフローティングゲートからn+1番目のビット線の電位V
n+1は、式(14)及び式(15)に示すようになる。
また、ビット線の電位をVpassに収束させる場合であって、かつ、第3及び第5実施例に示すように、選択された二つのフローティングゲートの間のビット線に対して第6実施例を適用する場合には、選択されたフローティングゲートからn+1番目のビット線の電位V
n+1は、式(16)及び式(17)に示すようになる。
図36は、Δによる調整前後の電位を示している。
前提として、ビット線BL12とビット線BL13との間のメモリセル(フローティングゲート)に対して、電荷の注入/放出を行うものとする。
この場合、まず、ビット線BL12の電位をV2(1)にし、ビット線BL13の電位をV1(1)にする。但し、V2(1)>V1(1)であり、かつ、V2(1)及びV1(1)は、集積回路により生成できる値、即ち、Vmin又は-Vminのk倍であるとする。
ビット線BL12及びそれ以降のビット線BL11,BL10,BL9,BL8,BL7の電位を、式(10)の範囲内の最小値として求めると、V2(2)’, V2(3)’, V2(4)’, V2(5)’, V2(6)’ を得ることができる。
しかし、これらの値は、Vminのk倍ではない。
そこで、ビット線BL12及びそれ以降のビット線BL11,BL10,BL9,BL8,BL7の電位を、式(12)のΔ(Δ1, Δ2, Δ3, Δ4, Δ5)により調整すると、V2(2), V2(3), V2(4), V2(5), V2(6),…を得ることができる。
これらの値は、Vminのk倍である。
同様に、ビット線BL14の電位を、式(11)の範囲内の最大値として求めると、V1(2)’ を得ることができる。しかし、この値は、-Vminのk倍ではない。そこで、ビット線BL14の電位を、式(13)のΔ(Δ0)により調整すると、V1(2)を得ることができる。この値は、-Vminのk倍である。
以上のように、マルチドットフラッシュメモリ内の集積回路により生成できる電位に応じて、Δにより、ビット線の電位を調整することにより、書き込み/消去動作を現実的に行うことができる。
尚、本例は、ビット線の電位を0Vに収束させる場合であるが、Vpassに収束させる場合も同様に、Δを用いて、ビット線の電位を調整する。
(7) 第7実施例
第7実施例は、数値例に関する。
電気容量Cnは、ビット線BLnとフローティングゲートFGとの間の距離をdnとし、ビット線BLnとフローティングゲートFGとの間の絶縁膜の誘電率をεとし、フローティングゲートFGのビット線BLn側の側面の面積をAnとすると、
Cn = (ε×An)/dn
となる。
ε=3.54×10-11 [F/m]とすると、Cnは、約2.5297×10-19 [F]となる。
電気容量Cn+1は、ビット線BLn+1とフローティングゲートFGとの間の距離をdn+1とし、ビット線BLn+1とフローティングゲートFGとの間の絶縁膜の誘電率をεとし、フローティングゲートFGのビット線BLn+1側の側面の面積をAn+1とすると、
Cn+1 = (ε×An+1)/dn+1
となる。
ε=3.54×10-11 [F/m]とすると、Cn+1は、約2.5297×10-19 [F]となる。
電気容量Cpgは、コントロールゲートCGとフローティングゲートFGとの間の距離をdpgとし、コントロールゲートCGとフローティングゲートFGとの間の絶縁膜の誘電率をεとし、フローティングゲートFGの上面の面積をApgとすると、
Cpg = (ε×Apg)/dpg
となる。
ε=3.54×10-11 [F/m]とすると、Cpgは、約1.4757×10-19 [F]となる。
電気容量CAAは、アクティブエリアAAとフローティングゲートFGとの間の距離をdAAとし、アクティブエリアAAとフローティングゲートFGとの間の絶縁膜の誘電率をεとし、フローティングゲートFGの下面の面積をAAAとすると、
CAA = (ε×AAA)/dAA
となる。
ε=3.54×10-11 [F/m]とすると、CAAは、約8.8540×10-20 [F]となる。
コントロールゲートCGの電位Vpg及びアクティブエリアAAの電位VAAは、例えば、6[V]である。Vpassは、例えば、0.5[V]である。
フローティングゲートFG内の最小電荷量Qminは、所定の電荷量を有するフローティングゲートFGから6個の電子を抜いたときの電荷量、例えば、9.61×10-19[C]であり、フローティングゲートFG内の最大電荷量Qmaxは、フローティングゲートFGに6個の電子を注入して所定の電荷量としたときの電荷量、例えば、-9.61×10-19[C]である。
n番目のビット線BLnとフローティングゲートFGとの間の絶縁膜の厚さdnは、例えば、3.5 nm、n+1番目のビット線BLn+1とフローティングゲートFGとの間の絶縁膜の厚さdn+1は、例えば、3.5 nmである。
コントロールゲートCGとフローティングゲートFGとの間の絶縁膜の厚さdpgは、例えば、6 nm、アクティブエリアAAとフローティングゲートFGとの間の絶縁膜の厚さdAAは、例えば、10 nmである。
n番目のビット線BLnとフローティングゲートFGとの間でトンネリング現象による電荷の移動が発生する電界の閾値Ethnは、例えば、Si/SiO2/Si構造のとき、10[MV/cm]である。この値は、絶縁膜(SiO2)の膜質や、ビット線BLn及びフローティングゲートFGに対する不純物のドープ量などにより変化する。
n+1番目のビット線BLn+1とフローティングゲートFGとの間でトンネリング現象による電荷の移動が発生する電界の閾値Ethn+1は、例えば、Si/SiO2/Si構造のとき、9[MV/cm]である。この値は、絶縁膜(SiO2)の膜質や、ビット線BLn+1及びフローティングゲートFGに対する不純物のドープ量などにより変化する。
Ethnの値とEthn+1の値とが相違しているのは、例えば、図37に示すように、偶奇ばらつきを考慮したためである。この偶奇ばらつきは、主に、図4乃至図6のデバイス構造に生じる。
図37において、Tは、ビット線BLn,BLn+1,BLn+2の高さである。
ビット線BLn,BLn+1,BLn+2の幅を、上面の幅と下面の幅との平均値として定義すると、ビット線BLn,BLn+2の幅(=(Hub+Hdb)/2)は、ビット線BLn+1の幅(=(Hua+Hda)/2)よりも大きくなる。
また、フローティングゲートFGの下面のビット線BLn+1側のエッジの角度θminは、フローティングゲートFGの下面のBLn,BLn+2側のエッジの角度θmaxよりも小さい。即ち、フローティングゲートFGの下面のビット線BLn+1側のエッジは、鋭角となっている。
従って、この例では、Ethn+1の値は、Ethnの値よりも小さくなる。
アクティブエリアAAとフローティングゲートFGとの間でトンネリング現象による電荷の移動が発生する電界の閾値EthAAは、例えば、Si/SiO2/Si構造のとき、10[MV/cm]である。この値は、絶縁膜(SiO2)の膜質や、アクティブエリアAA及びフローティングゲートFGに対する不純物のドープ量などにより変化する。
コントロールゲートCGとフローティングゲートFGとの間でトンネリング現象による電荷の移動が発生する電界の閾値Ethpgは、例えば、12[MV/cm]である。Ethpgは、例えば、コントロールゲートCGとフローティングゲートFGとの間の絶縁膜の構造をSi/SiO2/Si構造とは異ならせ、Ethn,Ethn+1及びEthAAよりも大きくする。
6. 書き込み/消去時のバイアス条件
図38は、書き込み/消去時のバイアス条件の例を示している。
同図において、VGは、ゲート電位であり、V2(1)-V1(1)は、書き込み/消去の対象となる選択されたフローティングゲートを挟み込む二つのビット線間の電圧である。
その特徴は、二つのビット線に電位を与えた後に、選択されたフローティングゲート上のワード線にゲート電位VGを与える点にある。
例えば、書き込みの場合には、V2(1)-V1(1)を0Vから3Vに上昇させ、この後、VGを0Vから5Vに上昇させる。この状態で書き込みを実行する。また、VGを5Vから0Vに低下させた後に、V2(1)-V1(1)を3Vから0Vに低下させる。
図39は、図38のバイアス条件下での書き込みシミュレーションを示している。
同図において、横軸は、時間を、縦軸は、フローティングゲートに蓄積される電子数(Stored Electrons)を示している。
ゲート電位VGが印加される前(0−2 nsec)では、フローティングゲートへの電子の注入が行われない。ゲート電位VGが上昇する2 nsec−3 nsecの間において、VGの上昇に応じて電子が一個ずつフローティングゲート内に注入される。
このように、電子が一個ずつ注入される現象が見られるのは、このセル構造が単電子効果による書き込みを利用していることを表している。但し、このシミュレーションで用いたフローティングゲートのサイズは、5nmx5nmx5nmである。
7. データ保持特性
図40は、電子保持特性(データ保持特性)を示している。
電子保持特性とは、フローティングゲート内に注入した電子をどれだけの期間保持していられるかを示す指標である。
本発明のセル構造によれば、トンネル絶縁膜の厚さToxが3.5nmのとき、約100年間、フローティングゲート内に一定量の電荷を保持し続けることができる。但し、これは、トンネル絶縁膜に電荷トラップが発生していない場合の試算である。
そこで、本発明のセル構造による書き込み/消去方法において、トンネル絶縁膜内に電荷トラップが発生したときの電荷保持特性を説明する。
図41は、書き込み時の電荷トラップの発生メカニズムを示している。図42は、消去時の電荷トラップの発生メカニズムを示している。
一般的な不揮発性半導体メモリでは、書き込み時及び消去時に同じトンネル絶縁膜を使用する。このため、トンネル絶縁膜の両サイドにトラップ準位が発生してしまう。トンネル絶縁膜の両サイドにおいて、その全体の厚さの25%の範囲内にトラップ準位が発生すると仮定すると、実際にトンネル絶縁膜として機能する部分は、トンネル絶縁膜の全体の厚さの50%ということになる。
これに対し、本発明のマルチドットフラッシュメモリの特徴の一つは、既に述べたように、書き込み時に使用するトンネル絶縁膜と消去時に使用するトンネル絶縁膜が異なる点にある。
この場合、図41に示すように、書き込み時に使用するトンネル絶縁膜では、その一サイドのみにトラップ準位が発生する。このため、トンネル絶縁膜の一サイドにおいて、その全体の厚さの25%の範囲内にトラップ準位が発生すると仮定すると、実際にトンネル絶縁膜として機能する部分は、トンネル絶縁膜の全体の厚さの75%ということになる。
同様に、図42に示すように、消去時に使用するトンネル絶縁膜でも、その一サイドのみにトラップ準位が発生する。このため、トンネル絶縁膜の一サイドにおいて、その全体の厚さの25%の範囲内にトラップ準位が発生すると仮定すると、実際にトンネル絶縁膜として機能する部分は、トンネル絶縁膜の全体の厚さの75%ということになる。
即ち、本発明のセル構造によれば、一般的な不揮発性半導体メモリのセル構造よりも、実際にトンネル絶縁膜として機能する部分を多くすることができるため、トンネル絶縁膜の薄膜化に有利である。
また、ゲート絶縁膜とトンネル絶縁膜とが完全に分離されているので、書き込み/消去を繰り返しても閾値ウィンドウが狭まることはない。
尚、本発明のメモリセルは、2つのトンネル絶縁膜を持っていることが特徴であり、信頼性の問題を考えるとき、各々について書き込み用と消去用とをそれぞれ定めて使用することが好ましい。
8. 読み出し動作
続いて、読み出し動作の例について説明する。
図43は、読み出し動作の例を示している。
中央に一列に並んだメモリセルのデータ、即ち、フローティングゲート(灰色に塗り潰した部分)内に蓄積された電荷量を読み出す場合、それらの上部に存在するワード線WL(Select)をVREADにし、それ以外のワード線WL,・・・をVpassにする。また、フローティングゲートの左右に存在するビット線BL,・・・もVpassにする。
VREADは、フローティングゲート内の電荷量に応じてメモリセルのオン/オフが決まる値とし、Vpassは、フローティングゲート内の電荷量によらずメモリセルが常にオンになる値とする。例えば、VREAD < Vpassである。
この状態で、ソース領域(Source)とドレイン領域(Drain)との間に流れるセル電流を検出することにより、中央に一列に並んだメモリセルのデータを読み出すことができる。
ここで、ソース領域及びドレイン領域に関しては、図44に示すように、これらをメモリセルアレイの両端に配置すれば、例えば、ドレイン領域(Drain)とセンスアンプ(S/A)とを接続するための導電線CLは、メモリセルアレイ上に配置する必要がない。
また、メモリセルアレイ内にセレクトゲートトランジスタが不要になる。
しかし、メモリセルアレイの大容量化を考えると、ソース領域とドレイン領域との間に非常に多くのメモリセルを接続する必要が生じる。この場合、読み出し時にソース領域とドレイン領域との間の抵抗が増大し、センス感度を低下させる原因となる。
そこで、図45に示すように、メモリセルアレイをブロック化してもよい。この場合、NAND型フラッシュメモリと同様に、メモリセルアレイ上に、複数のブロックBK,・・・に共通に第二方向に延びる新たなビット線(導電線)NBL,・・・を設ける。この新たなビット線NBLは、複数のブロックBK,・・・内のドレイン領域(Drain)とセンスアンプ(S/A)とを接続する。
新たなビット線NBLは、フローティングゲートの左右に存在するビット線BLとは異なる。
また、このようにメモリセルアレイをブロック化した場合、メモリセルアレイ内にセレクトゲートトランジスタが必要になる。
図46及び図47は、それぞれ、図43のメモリセルアレイから互いに異なる一つのNAND列を取り出したものである。
(a)は、NAND列の平面図、(b)は、NAND列の第二方向の断面図である。
メモリセルMC,・・・は、ソース領域(Source)とドレイン領域(Drain)との間に直列に接続される。本例では、半導体基板内にメモリセルMC,・・・の拡散層を有しないが、必要に応じて、半導体基板内にメモリセルMC,・・・の拡散層(点線)を形成してもよい。
NAND列の中央のメモリセルMC(Select)を選択する場合、選択されたメモリセルMC(Select)上のワード線WL(Select)にVREADを与え、それ以外のワード線WLにVpassを与える。
図46のNAND列の中央に存在するメモリセルMC(Select)と図47の中央に存在するメモリセルMC(Select)とは、図43から明らかなように、ワード線WL(Select)に共通に接続される。即ち、本発明のマルチドットフラッシュメモリでは、NANDフラッシュメモリと同様に、複数のメモリセル(例えば、1ページ又は複数ページ)のデータを同時に読み出すことが可能である。
図48は、読み出し動作の変形例である。
この変形例は、Vpass及びVREADの値に特徴を有し、Vpassを電源電位VDDとし、VREADを−VDD/2とする。その他については、図43乃至図47と同じである。
図49は、NAND列の変形例である。
この変形例は、NAND列を構成するメモリセルの数に特徴を有している。NAND列のセル数は、もちろん5個でなくてもよい。これは一例に過ぎない。その他については、図43乃至図47と同じである。
この例では、ワード線WL,・・・の幅を一定とした場合、ワード線WL,・・・のピッチを広げることにより、ワード線同士の干渉(Interference)を小さくし、読み出しディスターブを防止できる。
9. 三次元化
本発明の例に係わるマルチドットフラッシュメモリは、三次元化が可能である。
図50は、三次元化されたマルチドットフラッシュメモリを示している。
同図では、図4乃至図6のメモリセルアレイを、半導体基板の表面に対して垂直方向となる第三方向に複数個積み重ねている。
このような構造を実現するには、例えば、アクティブエリアをSOI基板の半導体層から構成する必要がある。半導体層は、多結晶シリコン層、若しくは、多結晶シリコン層を再結晶化して作成した単結晶シリコン層とする。
具体的には、SOI基板に最も下の一つめのメモリセルアレイを形成し、その上に第一絶縁層を形成し、第一絶縁層上に二つめのメモリセルアレイのアクティブエリアとなる半導体層を形成する。
また、三つめ以降のメモリセルアレイについては、二つめのメモリセルアレイと同様に形成すればよい。
これにより、マルチドットフラッシュメモリの三次元化を達成し、メモリ容量のさらなる大容量化を実現する。
図51は、図50のメモリを駆動する周辺回路の例を示している。
半導体基板(例えば、SOI基板)20上には、積み重ねられた複数のメモリセルアレイARRAY 1,・・・ARRAY M-1, ARRAY Mが配置される。複数のメモリセルアレイARRAY 1,・・・ARRAY M-1, ARRAY Mの構造については、図50と同じである。
また、半導体基板20上には、周辺回路として、ワード線デコーダ21A,21B、ビット線デコーダ22、データ線デコーダ23及びメモリセルアレイ切り替え回路(Layer Exchanger)24がそれぞれ配置される。
ワード線デコーダ21Aは、メモリセルアレイARRAY 1,・・・ARRAY M-1, ARRAY Mの第一方向の一端に配置され、ワード線デコーダ21Bは、メモリセルアレイARRAY 1,・・・ARRAY M-1, ARRAY Mの第一方向の他端に配置される。ワード線デコーダ21A,21Bは、書き込み時、消去時及び読み出し時にワード線を駆動する。
ビット線デコーダ22は、メモリセルアレイARRAY 1,・・・ARRAY M-1, ARRAY Mの第二方向の一端に配置され、データ線デコーダ23は、メモリセルアレイARRAY 1,・・・ARRAY M-1, ARRAY Mの第二方向の他端に配置される。
ビット線デコーダ22は、書き込み時及び消去時にビット線を駆動する。また、データ線デコーダ23は、読み出し時にデータ線を駆動する。
メモリセルアレイ切り替え回路24は、メモリセルアレイARRAY 1,・・・ARRAY M-1, ARRAY Mにそれぞれ接続される。
図52は、図51のメモリセルアレイの1つを示している。
メモリセルアレイARRAR j 内のワード線WLとワード線デコーダ21A,21Bとの間、メモリセルアレイARRAR j 内のビット線BLとビット線デコーダ22との間、及び、メモリセルアレイARRAR j 内のNAND列のドレイン領域とデータ線デコーダ23との間には、それぞれ、メモリセルアレイARRAY jを選択するためのレイヤーセレクトゲートトランジスタLSG(Layer SG)が接続される。
レイヤーセレクトゲートトランジスタLSGのオン/オフは、メモリセルアレイ切り替え回路24により制御される。
メモリセルアレイARRAY jが選択されるとき、レイヤーセレクトゲートトランジスタLSGはオンになり、メモリセルアレイARRAY jが非選択のとき、レイヤーセレクトゲートトランジスタLSGはオフになる。
例えば、図51の半導体基板20上に積み重ねられた複数のメモリセルアレイARRAY 1,・・・ARRAY M-1, ARRAY Mのうちの一つ又は複数のメモリセルアレイは、書き込み/消去/読み出しの各モードに応じて選択される。
図53は、ビット線デコーダとメモリセルアレイとの間のレイヤーセレクトゲートトランジスタを示している。
複数のメモリセルアレイARRAY 1, ・・・ARRAY M-1, ARRAY Mの各々は、例えば、図52に示すように、(N+1)本のビット線を有する。LSGM(0,・・・N)は、M番目のメモリセルアレイARRAY M内の(N+1)個のレイヤーセレクトゲートトランジスタを意味する。
尚、Mは2以上の自然数であり、Nは自然数とする。
図54は、データ線デコーダとメモリセルアレイとの間のレイヤーセレクトゲートトランジスタを示している。
複数のメモリセルアレイARRAY 1, ・・・ARRAY M-1, ARRAY Mの各々は、例えば、図52に示すように、N本のデータ線を有する。LSGM(1,・・・N)は、M番目のメモリセルアレイARRAY M内のN個のレイヤーセレクトゲートトランジスタを意味する。
尚、Mは2以上の自然数であり、Nは自然数とする。
図55及び図56は、ワード線デコーダとメモリセルアレイとの間のレイヤーセレクトゲートトランジスタを示している。
複数のメモリセルアレイARRAY 1, ・・・ARRAY M-1, ARRAY Mの各々は、例えば、図52に示すように、(N+1)本のワード線を有する。また、(N+1)本のワード線は、図52に示すように、二つに分けられ、一つは、ワード線デコーダ21Aに接続され、他の一つは、ワード線デコーダ21Bに接続される。
図55のLSGM(1, 3, ・・・N)は、M番目のメモリセルアレイARRAY M内のワード線デコーダ21Aに接続される[(N+1)/2]個のレイヤーセレクトゲートトランジスタを意味する。また、図56のLSGM(0, 2, ・・・N-1)は、M番目のメモリセルアレイARRAY M内のワード線デコーダ21Bに接続される[(N+1)/2]個のレイヤーセレクトゲートトランジスタを意味する。
尚、Mは2以上の自然数であり、Nは奇数とする。
10. 製造方法
本発明の例に係わるマルチドットフラッシュメモリの製造方法を説明する。
ここで説明する製造方法は、図45に示すレイアウト、即ち、メモリセルアレイがブロック化され、NAND列にセレクトゲートトランジスタが接続される構造を実現する。
図57は、マルチドットフラッシュメモリの製造方法を示している。
まず、同図(a)に示すように、P型シリコン基板(P−sub)30上に第一酸化膜31を形成する。また、同図(b)に示すように、セレクトゲートトランジスタを形成する領域に存在する第一酸化膜31に開口を形成する。
次に、同図(c)に示すように、P型シリコン基板30上及び第一酸化膜31上に第一アモルファスシリコン(1st a-Si)32を堆積し、同図(d)に示すように、第一アモルファスシリコン32を横方向に固層エピ成長(L-SPE)させる。
また、同図(e)に示すように、第一アモルファスシリコンを結晶化し、シリコン膜32’を形成する。続いて、同図(f)に示すように、シリコン膜32’上に第二酸化膜33を形成し、ビット線コンタクトを形成する領域に存在する第二酸化膜33に開口を形成する。
次に、同図(g)に示すように、シリコン膜32’上及び第二酸化膜33上に第二アモルファスシリコン(2nd a-Si)34を堆積し、同図(h)に示すように、第二アモルファスシリコン34を横方向に固層エピ成長(L-SPE)させる。また、同図(i)に示すように、第二アモルファスシリコンを結晶化し、シリコン膜34’を形成する。
ここで、同図(i)において、「BC」は、ビット線コンタクトが形成される領域、「ST」は、セレクトゲートトランジスタが形成される領域、「MC」は、メモリセルが形成される領域を示している。
以上の工程により、二つのシリコン膜32’,34’が絶縁膜を介して積み重ねられた構造(二重SOI構造)が完成する。
この二重SOI構造を用いて、本発明のマルチドットフラッシュメモリを形成する。
図58(a)は、図57(i)の二重SOI構造におけるビット線コンタクトの周辺部を取り出した鳥瞰図である。
図58(a)が図57(i)と異なる点は、セレクトゲートトランジスタが形成される領域におけるシリコン膜32’内にP型拡散層35が存在し、ビット線コンタクトが形成される領域におけるシリコン膜32’内にN型拡散層36が存在する点にある。
P型拡散層35は、セレクトゲートトランジスタのチャネル領域となり、N型拡散層36は、NAND列におけるドレイン拡散層となる。P型拡散層35及びN型拡散層36は、例えば、シリコン膜32’を形成した後にイオン注入を行うことにより形成できる。
この後、図58(b)に示すように、ライン&スペースのフォトレジストを形成し、このフォトレジストをマスクにシリコン膜34’をエッチングし、第一方向に延びるライン&スペース構造のシリコン膜34’を形成する。この後、フォトレジストについては、除去する。
次に、図58(c)に示すように、CVD法により、ライン&スペース構造のシリコン膜34‘の間のスペースを絶縁膜37により満たし、さらに、CMP法により、絶縁膜37の上面がシリコン膜34’の上面に一致する程度まで、絶縁膜37を研磨する。
また、図58(d)に示すように、側壁スペーサ転写プロセスを用いて、微細ライン&スペースのハードマスクパターンを形成し、このハードマスクパターンをマスクにして、絶縁膜37、シリコン膜34’、第二酸化膜33、及び、シリコン膜32’を、順次、エッチングする。
その結果、シリコン膜32’から構成され、第二方向に延びるライン&スペース構造のアクティブエリアAA,・・・が形成される。また、アクティブエリアAA,・・・上には、第二酸化膜(ゲート絶縁膜)33を介してフローティングゲートFG,・・・が形成される。
ビット線コンタクト領域BCでは、シリコン膜32’内のN型拡散層36とシリコン膜34’とが接触する。
図58(d)のプロセスを終えると、側壁スペーサ転写プロセスに起因し、フローティングゲートFGの形状に偶奇ばらつきが発生する。
但し、ここでは、製造方法を説明することを主眼にし、図面の複雑化をなくすため、図面上、偶奇ばらつきを表示していない。
実際には、フローティングゲートFGの形状は、図4乃至図6に示すようになる。
次に、図59(a)に示すように、熱酸化法により、アクティブエリアAA,・・・及びフローティングゲートFG,・・・の側面に側壁熱酸化膜38を形成する。この側壁酸化膜38は、書き込み時又は消去時に使用するトンネル絶縁膜となる。
また、図59(b)に示すように、アクティブエリアAA,・・・の間のスペースを絶縁膜39により満たす。
続けて、図59(c)に示すように、CVD法により、フローティングゲートFG,・・・の間のスペースに導電材を満たし、さらに、CMP法により、導電材の上面がフローティングゲートFG,・・・の上面に一致する程度まで、導電材を研磨する。
その結果、フローティングゲートFG,・・・の間のスペースに第二方向に延びるビット線BL,・・・が形成される。
次に、図59(d)に示すように、フローティングゲートFG,・・・上及びビット線BL,・・・上に電極間絶縁膜40を形成する。また、セレクトゲートトランジスタが形成される領域における電極間絶縁膜40の一部を除去し、開口41を形成する。
この後、図59(e)に示すように、CVD法により、電極間絶縁膜40上に導電材42を形成する。
また、図59(f)に示すように、ライン&スペースのフォトレジストを形成し、このフォトレジストをマスクに図59(e)の導電材42をエッチングし、第一方向に延びるライン&スペース構造のワード線WL,・・・を形成する。この後、フォトレジストについては、除去する。
また、CVD法により、ワード線WL,・・・の間のスペースを絶縁膜43により満たし、さらに、CMP法により、絶縁膜43の上面がワード線WL,・・・の上面に一致する程度まで、絶縁膜43を研磨する。
最後に、図60に示すように、ワード線WL,・・・上及び絶縁膜43上に層間絶縁膜(図示せず)を形成し、さらに、シリコン膜34’を介してN型拡散層(ドレイン拡散層)36に電気的に接続されるビット線コンタクト44を形成する。
ここで、ビット線コンタクト44は、例えば、図45の導電線NBLに電気的に接続される。「ビット線コンタクト」という言葉は、NANDフラッシュメモリに対応させたものであり、本発明のマルチドットフラッシュメモリのビット線に対するコンタクトではない。
図61は、上述の製造方法により完成するデバイス構造の断面図を示している。
同図から明らかなように、本発明のマルチドットフラッシュメモリの第二方向(ビット線が延びる方向)に沿う断面は、NANDフラッシュメモリのそれとほぼ同じである。つまり、NANDフラッシュメモリの製造技術を応用することにより、開発費を低く抑えることができる。
尚、上述の製造方法において、絶縁膜や導電膜の材料については、デバイス仕様などを考慮して適宜選択することが可能である。酸化膜についても、これに代えて、窒化膜や、酸窒化膜などの材料を用いてもよい。
また、構造に関しても、ワード線の直下にコントロールゲートとなるポリシリコン層を形成する、ワード線を立体千鳥格子にする、などの変形が可能である。
また、フローティングゲートは、シリコンドットでなくてもよい。フローティングゲートは、シリサイド、金属、非金属などをドット状にしてもよいし、ドットのサイズについても、30nmx30nmx30nm以下のサイズであれば、本発明の原理によるマルチドットフラッシュメモリを実現できる。
さらに、フローティングゲートのサイズは、単電子効果を利用する場合には、20nmx20nmx20nm以下にするのが好ましい。単電子効果を利用すれば、ばらつき耐性が強いマルチドットフラッシュメモリを提供できる。
但し、単電子効果が利用できない20nmx20nmx20nmを越えるサイズであっても、本発明で提案する新しいアーキテクチャーを実現することは可能である。
セレクトゲートトランジスタについては省略することが可能であるが、その場合には、SOI構造を採用し、絶縁層上の半導体層の厚さをソース/ドレイン拡散層の深さよりも薄くするのが好ましい。
11. むすび
本発明によれば、マルチドットフラッシュメモリの新しいメモリセルアレイアーキテクチャーにおいて、書き込み/消去の低消費電力化を実現できる。
本発明の例は、上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、各構成要素を変形して具体化できる。また、上述の実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を構成できる。例えば、上述の実施形態に開示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよいし、異なる実施形態の構成要素を適宜組み合わせてもよい。