JP4855295B2 - 万年筆のペン先 - Google Patents

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本発明は、一時的にインキを貯溜するくし溝とインキ流通路と空気通路を有した、外芯に形成した凹部に内芯を挿入してなるペン芯を備えた万年筆のペン先に関する。
従来、万年筆のペン先として、ペン芯のインキ流通路における安定したインキ流動面積が得られように外芯に凹部を形成し、該凹部に、インキ吸蔵体等の毛細管現象によってインキを導通させる内芯や、インキ溝の幅や形状を工夫して形成した合成樹脂製の内芯を嵌合してなる二重構造のペン芯にペンを装着した構造ものは知られている。
万年筆のペン先においては、ペン芯としてのインキ流通の性能を向上するために、外芯や内芯におけるインキ溝の幅や形状については多様提案されており改善されている。しかし、万年筆のペン先においては、ペンが筆記時に抑揚するという特性があり、ペンに筆圧をかけた状態で例えば長い線を引くと、ペンの先端部においてペンがペン芯から離れた状態で筆記が続けられるので、ペン芯のインキ溝からペンの切割溝へのインキ供給に不安があるという問題があるが、こうした問題を解決するための提案は見掛けない。
実開平2−121983号公報 実公昭31−6815号公報
本発明は、一時的にインキを貯溜するくし溝とインキ流通路と空気通路を有した、外芯に形成した凹部に内芯を挿入してなるペン芯を備えた万年筆のペン先において、筆記時においてもペン芯のインキ流通路からペンの切割溝へのインキ供給が不安なくスムーズに行われる万年筆のペン先を提供するものである。
本発明は、一時的にインキを貯溜するくし溝とインキ流通路と空気通路を有した外芯の凹部に内芯を挿入してなるペン芯を備えた万年筆のペン先であって、内芯を、少なくとも先端部が外芯の凹部の底面に対して揺動可能となるように形成するとともに凹部の底面から離間させて設け、ペンを、内芯の先端部を外芯の凹部の底面側に押圧するようにペン芯に装着して、内芯の先端部をペンの裏面に衝接し、少なくとも内芯のインキ溜部をペンの先端部の中央部に形成した切割溝に重なり合わせ、筆記時にペンがペン芯の先端部より離間しても、前記内芯の先端部がペンの裏面に衝接するとともに、前記内芯に形成したインキ溝と、前記外芯の凹部の内壁面とでインキ流通路を形成し、前記外芯の凹部が、前記外芯の幅方向における中央より片側に偏倚した位置に形成し、前記インキ流通路が幅方向における中央線上に位置してなる、万年筆のペン先である。
本発明において、内芯のインキ溜部がペンの切割溝に重なり合うとは、インキ溜部と切割溝が軸心方向に対して垂直方向の上下に位置した状態をいうもので、インキがインキ溜部からペンの切割溝へ供給されれば良く、密着状態のみをいうものではない。
本発明は前述したような構造なので、筆記時においても、常に内芯の先端部がペンの先端部分の裏面を外側方向に押圧するように衝接しており、ペン芯の先端部とペンの先端部の裏面が離間しても、内芯のインキ流通路とペンの切割溝は重なり合っているので、ペン芯からペンの切割溝にスムーズにインキを供給することができ、インキ出性能の良いペン先を提供することができる。
内芯は、インキ吸蔵体等の毛細管現象によってインキを導通させるものでも良いし、インキ通路を構成するインキ溝や空気溝を設けたものでも良い。インキ溝を設けたものにおいては、インキ溝が少なくともペンの先端部に形成した切割溝とが上下に重なり合いように設ける。
本発明の実施例を図面において説明する。図1は、本実施例における万年筆のペン先の要部の拡大断面図である。図2は、本実施例のペン先におけるペン芯の平面図である。図3は、図2におけるA−A線部分の拡大横断面図である。図4は、ペン芯の縦断面図である。図5は、ペン芯におけるの外芯の縦断面図である。図6は、ペン芯における内芯の平面図である。図7は、図6における内芯の側面図である。図8は、図6における内芯の反対側から見た状態を示す側面図である。図9は、図6におけるB−B線部分の拡大横断面図である。
図1に示す本実施例の万年筆のペン先1は、図2〜図5に示すように、ペン芯2が、ペン3を装着する側の上面4aに後端を外方に開口して軸心方向に伸びた凹部5を設けた外芯4と、前記凹部5に嵌合可能な内芯6とで構成され、内芯6を前記凹部5に嵌合した構造としてある。
ペン芯2の内芯6の先端部7は、外芯4の凹部5の底面8に対して揺動可能となるように形成してあり、先端部7を凹部5の底面8から離間させて内芯6を外芯4に嵌合してある。ペン芯2には、内芯6の先端部7を外芯4の凹部5の底面8側に押圧するように通常の万年筆のペン3を装着してあり、内芯6の先端部7をペン2の裏面9に衝接させてある。内芯6の先端部7には、ペン芯2に設けたインキ流通路10に連通させたインキ溜部21を設けて有り、該インキ溜部21をペン3の先端部の中央部に形成した切割溝12に重なり合うようにしてある。ペン3は筆記時に上下方向(図において上下方向)に抑揚するが、内芯6の先端部7もペン3の裏面9を押圧するようにしてあるので、内芯6の先端部7がペン3の裏面9から離間することがない。
本実施例のペン先1においては、内芯6の先端部7を外芯4の凹部5の底面8に当接するようにしても良いし、底面8から若干離間した状態にしても、どちらでも良い。また、ペン3が、ペン芯2の先端部において図1に示すように若干離間した状態であっても良いし、通常のペン先のように当接しているような状態でも良いが、インキの飛び出しや乾燥等を考慮すると、当接するようにした方が良い。
ペン芯2について図2〜図9を用いて詳述すると、外芯4には、図5に示すように、従来のペン芯に見られるように、一時的にインキを貯溜するくし溝13を形成してあり、外芯4の底部4bには前端を開口した空気溝14を形成してある。
図6〜図9に示すように、内芯6は、軸心方向に延びた略直方体形状で、一方の側面15には、前後端に開口して軸心方向に延びた肉幅を薄くすることで形成したインキ溝16を設けてある。反対側の他方の側面17の後方には、後端に開口した肉幅を薄くすることで形成した空気溝18を形成してある。内芯6の先端部には前記インキ溝16に連通し、図7または図8において上下方向の内芯6の底面19からの距離を短くした、すなわち内心6の表面20より高さを一段下げた状態によるインキ溜部21を形成してある。
外芯4に設けた凹部5は、図2に示すように、軸心方向に対して垂直方向である幅方向における中央より先端に向かって右側(図面において上側)に偏倚した位置に設けてあり、凹部5に内芯6を嵌合して内芯6に形成したインキ溝16と凹部5の内壁面とで形成されるインキ流通路10が前記幅方向における中央線22上に位置するようにしてある。また、凹部5に内芯6を嵌合して内芯6に形成した空気溝18と凹部5の内壁面とで形成される空気通路23は、くし溝13を介して外芯4に設けた空気溝14と連通しており、空気通路としてペン芯1の先端から後端までを連通させてある。
本発明は万年筆のペン先に関するもので、ペンへ安定したインキ量を供給することで万年筆の良好なインキ出を得たい場合に適用できる。
本実施例における万年筆のペン先の要部の拡大断面図である。 本実施例のペン先におけるペン芯の平面図である。 図2におけるA−A線部分の拡大横断面図である。 ペン芯の縦断面図である。 ペン芯における外芯の縦断面図である。 ペン芯における内芯の平面図である。 図6における内芯の側面図である。 図7における内芯の反対側から見た状態を示す側面図である。 図6におけるB−B線部分の拡大横断面図である。
符号の説明
1 ペン先
2 ペン芯
3 ペン
4 外芯
5 凹部
6 内芯
7 先端部
8 底面
9 裏面
10 インキ流通路
12 切割溝
13 くし溝

Claims (1)

  1. 一時的にインキを貯溜するくし溝とインキ流通路と空気通路を有した外芯の凹部に内芯を挿入してなるペン芯を備えた万年筆のペン先であって、内芯を、少なくとも先端部が外芯の凹部の底面に対して揺動可能となるように形成するとともに凹部の底面から離間させて設け、ペンを、内芯の先端部を外芯の凹部の底面側に押圧するようにペン芯に装着して、内芯の先端部をペンの裏面に衝接し、少なくとも内芯のインキ溜部をペンの先端部の中央部に形成した切割溝に重なり合わせ、筆記時にペンがペン芯の先端部より離間しても、前記内芯の先端部がペンの裏面に衝接するとともに、前記内芯に形成したインキ溝と、前記外芯の凹部の内壁面とでインキ流通路を形成し、前記外芯の凹部が、前記外芯の幅方向における中央より片側に偏倚した位置に形成し、前記インキ流通路が幅方向における中央線上に位置してなる、万年筆のペン先。
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