JP4876251B2 - 生菌、死菌及び疑似生菌の存在割合判別方法 - Google Patents

生菌、死菌及び疑似生菌の存在割合判別方法 Download PDF

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Description

本発明は、試料中に含まれる細菌の生死判別を効率的かつ正確に行う方法に関し、より詳しくは、増殖や代謝といった実質的な生命活動を停止した細菌であって、一部の酵素系などが活性を保持している場合であっても死菌として判別が可能な細菌の生死判別方法に関する。
試料中に含まれる細菌の生死の判別は、例えば食品などにおいて殺菌処理の効果などを検証するために重要である。特に多くの試料の検定を行う場合など、迅速かつ正確に細菌の生死を判別する必要がある。従来、試料中に含まれる細菌の生死を判別する方法としては、細胞を発色させる複数の化学物質に接触させ、発色光の波長差と発色量から細胞の生死を検出する方法、液体試料中のATP量を測定することで、生菌数を測定する方法、試料の一部を培養し、増殖してきた細菌を検量する方法などが開示されている(特許文献1−3)。しかしながら従来の方法は、検定の精度が不足していたり、処理工程に時間がかかりすぎたりするといった問題点があった。
また、特に試料に殺菌処理などを行った際、増殖や代謝といった実質的な生命活動そのものは停止しているにもかかわらず、酵素系などが活性を保持している「疑似生菌(後に定義する)」については、従来の細菌生死判別方法では生菌として認識されてしまうといった問題もあった。
特開2001−286296 微生物計量方法および微生物計量装置 特開平09−075098 植物飲料中の生菌数の測定方法 特開平06−113887 生菌数推定方法
上記の現状に鑑み、本発明は、複数種の色素、すなわち生菌を選択的に染色する色素と死菌を選択的に染色する色素を組み合わせて使用することにより、細菌の生死割合を精度良く、簡便かつ迅速に判別する方法を提供することを目的とする。
また本発明は、細菌生死の判別において、従来方法では生菌として誤認されてしまうおそれのあった「疑似生菌」を正しく死菌として認識する方法を提供することも目的とする。
本明細書及び特許請求の範囲において、次の用語は、それぞれ以下の定義に従って用いられるものとする。「生菌色素」とは、生菌(生きている細菌)によって細胞内に取り込まれ、生菌を着色するが、死菌(死んでいる細菌)を着色する能力は有しない色素をいう。
「死菌色素」とは、生菌の細胞膜孔を通過し得ないか、または生菌の細胞内にいったん取り込まれても排出され、生菌を着色することはできないが、死菌に対しては細胞内に入り込み、DNAと結合するなどして細胞内にとどまり、死菌を着色する能力を有する色素をいう。
「全菌色素」とは、生菌、死菌にかかわらず細菌を染色可能な色素をいう。
「疑似生菌」とは、増殖や代謝の機能を失い実質的な生命活動を停止した死菌であるが、細胞膜などの一部の酵素系などが活性を保持しているものをいう。
本発明者らは、殺菌効果の検証等、試料中の細菌の存在状態を正確かつ迅速に知る方法を得るべく種々の方法を検討し、その結果、疑似生菌を確実に死菌として測定しうる方法を見いだし、本発明を完成させた。
すなわち本発明の第1の態様は、生菌、死菌及び生命活動を停止して酵素活性を保持した疑似生菌が含まれる混合試料において、各菌の存在割合を判別する方法であって、該混合試料を予め寒天プレートの上に滴下し、5−30分ほど水分を寒天に吸収させることで半乾燥処理し、次いで塩類溶液及び/または界面活性剤溶液で処理する工程、生菌色素による細菌染色工程及び死菌色素による細菌染色工程を含むことを特徴とする、それぞれの状態にある細菌の存在割合を判別する方法。
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載の判別方法において、混合試料を半乾燥処理し、次いで塩類溶液及び/または界面活性剤溶液で処理する工程を行い、その後生菌色素による細菌の染色工程と死菌色素による細菌の染色工程を同時または順次行うことを特徴とする、生菌、死菌及び疑似菌の存在割合判別方法を提供する。
本発明の第3の態様は、生菌色素がフルオレセイン系蛍光色素である、第1または第2の態様に記載の生菌、死菌及び疑似菌の存在割合判別方法を提供する。
本発明の第4の態様は、生菌色素が6−カルボキシフルオレセインジアセテートである、第3の態様に記載の生菌、死菌及び疑似菌の存在割合判別方法を提供する。
本発明の第5の態様は、死菌色素がヨウ化プロピジウムである、第1から第4の態様のうちいずれか1つに記載の生菌、死菌及び疑似菌の存在割合判別方法を提供する。
本発明の第6の態様は、生菌色素が6−カルボキシフルオレセインジアセテートであり、死菌色素がヨウ化プロピジウムである、第1または第2の態様に記載の生菌、死菌及び疑似菌の存在割合判別方法を提供する。
本発明の第7の態様は、生菌色素または死菌色素のいずれか一方が全菌色素で置き換えられた、第1から第6の態様うちいずれか1つに記載の生菌、死菌及び疑似菌の存在割合判別方法を提供する。
本発明の第8の態様は、全菌色素が4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドール二塩酸塩である、第7の態様に記載の生菌、死菌及び疑似菌の存在割合判別方法を提供する。
本発明の第9の態様は、塩類溶液が塩化ナトリウム水溶液である、第1から第8の態様のうちいずれか1つに記載の生菌、死菌及び疑似菌の存在割合判別方法を提供する。
本発明の第10の態様は、塩化ナトリウム水溶液の濃度が、0.75%−0.95%の範囲内である、第9の態様に記載の生菌、死菌及び疑似菌の存在割合判別方法を提供する。
本発明の第11の態様は、界面活性剤が、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートである、第1から第10の態様のうちいずれか1つに記載の生菌、死菌及び疑似菌の存在割合判別方法を提供する。
本発明の第12の態様は、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートの濃度が、10−5%から10−9%の範囲内である、第11の態様に記載の生菌、死菌及び疑似菌の存在割合判別方法を提供する。
本発明の第13の態様は、第1から第12のうちいずれか1つに記載の各工程により、生菌、死菌及び疑似菌を含む混合試料をそれぞれ蛍光染色し、分光光度計を用いて該混合試料の蛍光測定を行うことを特徴とする、生菌/死菌の存在比率計測方法を提供する。
本発明の提供する細菌の生死判別方法を利用することにより、これまでは生菌と区別できなかった疑似生菌を、死菌として判別する事が可能となり、より精度の高い殺菌効果の検証方法を提供できる。また本発明は、細菌生死判別方法における標準であった「菌の培養工程」を含まず、時間と人的労力を大幅に削減可能である。従来、特に食品関連の殺菌処理においては、可否の判定に3−4日を要していたが、本発明の利用によりこれを数時間で行うことが可能となる。
本発明は、生菌、死菌及び疑似生菌を含む混合試料(混合試料とは、これら3種の状態にある菌が含まれる可能性のある試料を指すものであり、実際にはそのうちの1種または2種のみが存在する場合も対象とされるものである)に対し、半乾燥処理を行い、次いで塩類溶液及び/または界面活性剤溶液処理を行う工程、生菌色素による細菌染色工程及び死菌色素による細菌染色工程を適当な順序または同時に行うことによって、細菌の状態別割合や存在個体数をも判別可能な方法である。もちろん上記の工程は、1つの試料に対して行うことができるし、また各工程の1つまたは2つごとに試料を分割して処理を行うことも可能である。各工程と対応する細菌の状態とは、表1に示す関係となる。
Figure 0004876251
表1において、A処理により(1)及び(3)が着色され、その存在(全菌色素を用いた場合には合計量)が確認される。また予め検量線などを作成するなどして、その着色の状態から存在量を算出することも可能である。B処理によっては、(2)が着色され、死菌の存在が確認される。A処理の場合と同様、検量線等により存在量も算出可能である。次に、C処理を行った後にA処理を行うことにより、(1)の存在を確認すると同時に生菌として判別されるおそれのある(3)を着色しないことが可能となり、更にC処理を行った後にB処理を行えば、(2)と(3)の合計量の存在が確認され、その量も算出可能となる。C処理を行った後でA処理とB処理の両方を行えば、特にA処理による発色(蛍光含む)とB処理による発色(蛍光含む)とを異なる色調にすることで、(1)、(2)及び(3)のそれぞれを判別することも可能となり、もちろんそれらの存在比を知ることも可能となる。
更にまた、細菌の混合試料を複数個に分割しておき、予めA処理及び/またはB処理を施した試料について、それぞれの細菌の状態を把握し、また前記分割した別の試料を用いてC処理を行い、その後A処理及び/またはB処理を行って、各処理について得られたデータを比較すれば、混合試料中の細菌の状態ごとの数量や比率などを求めることが可能となる。なお、試料中の細菌の状態を知る目的に応じ、生菌色素または死菌色素のうちいずれか一方を全菌色素に代替することも可能であり、全菌色素で置き換えた方法もまた本発明に含まれるものである。
生菌色素と死菌色素の組み合わせとしては、両者が判別可能であればどの様なものでも良いが、例えば蛍光色素であって各々異なる自家蛍光の波長を有するもの、好ましくは、赤色蛍光と緑色蛍光を有する色素を組み合わせれば、通常の蛍光顕微鏡を用いた観察で容易に細菌の生死が判別でき、かつ同一視野内で生菌/死菌比なども計測可能となる。
本発明において生菌と死菌の判別を助ける重要な手段として、染色前の細菌試料に対して半乾燥処理と塩類溶液及び/または界面活性剤による処理を行うことが有効である。ATP量の定量など、細菌の生理活性に関わる物質の測定をする場合、細菌は既に死んでいるのにもかかわらず膜系の酵素などが活性を有していると、これらの酵素の活性により「生菌」と認識されてしまうことが多い。この点を解決するために、細菌試料を含む溶液を予め寒天プレートなどの上に滴下し、水分を寒天に吸収させることで半乾燥処理を行い、更に塩類溶液及び/または界面活性剤で処理し、死菌の酵素系の代謝活性を低下させる事が有効である。これらの処理によっても、生菌はその活性に影響を受けることはない。半乾燥処理についてはその手法に特に限定はなく、例えば上述の様にプレート上に溶液を滴下して5−30分程度、好適には10分間おくだけでも良い。また塩類溶液の種類は特に限定されないが、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、中でもナトリウム塩またはカリウム塩が好ましい、これらの塩類溶液は一般に水溶液であり、その濃度は例えば0.75%−0.95%のNaCl、好ましくは0.85%のNaClで1−3時間程度処理する事が有効である。界面活性剤も試料に合わせて適宜選択すればよく、その種類は本発明を限定するものではないが、生菌に対して影響を与えないとう観点からも中性界面活性剤が好ましく、例えば生物学実験で一般に用いられるポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(商品名Tween20、ICI Americas社製)であれば10−5から10−9%の範囲内、好ましくは10−7%の濃度で1−3時間処理することで、死菌の代謝活性を生菌と区別可能な程度まで低下させる事が可能である。Tween20の濃度は、大腸菌などのグラム陰性菌の場合は10−7〜10−9%、グラム陽性球菌では10−6〜10−7%が好適な濃度である。塩類溶液による処理と界面活性剤による処理は、別々に行っても良いが、反応時間の短縮の観点から同時に行うのでも良い。
本発明で用いる生菌色素を更に詳しく述べれば、フルオレセイン(Fluorescein)系の蛍光色素が好適である。Calcein−AM、Fluorescein diacetate、サクシニミジルエステルなどフルオレセインを基本骨格に持つ蛍光色素は、フルオレセイン骨格のフェノール性水酸基がアセチル基などで保護されるため脂溶性に富み、細胞膜を容易に通過できるという性質を持つ。細胞外では、エステル保護基のため蛍光が抑えられているが、細胞内に入ると細胞内に存在するエステラーゼにより加水分解を受け、蛍光を示すようになる。加えて、加水分解を受けることでこれらの色素は脂溶性が減少し、細胞内から外に溶出できなくなり、結果的に生きている細胞内にとどまってこれを染色することになる。エステラーゼ活性が無い死細胞では一連の反応が起こらず、細胞は蛍光で染色されない。生菌色素としては上記の性質を持った蛍光色素が好ましく、より好ましくは6−カルボキシフルオレセインジアセテートが適している。
本発明における死菌色素を更に詳しく述べれば、DNA結合性の蛍光色素であって、分子の大きさが生きた細胞の細胞膜を通過できない程度の大きさの蛍光色素である。これらの色素は死んだ細胞には入り込むことができ、細胞内で核DNAに結合する。ヨウ化プロピジウム(分子量668.39)は上記目的に適した死菌色素の一例である。
本発明で色素を用いる際、重要なのは生菌色素と死菌色素の組み合わせである。すなわち両者がそれぞれ別の波長を有する蛍光色素で細菌試料を染色する事により、生菌と、死菌に加えて膜系の酵素などが活性を残した菌を区別する事が可能となる。下記実施例でも述べるとおり、上記色素の組み合わせとして、生菌色素として6−カルボキシフルオレセインアセテート(またはSYT9色素)、死菌色素としてヨウ化プロピジウムを用いれば、生菌と死菌を効果的に判別可能となる。
本発明においては、生菌色素または死菌色素のどちらか一方を全菌色素(生菌・死菌にかかわらず細菌を染色可能な色素)で置き換えることも可能である。この場合においても、生菌色素と置き換えた場合には死菌色素と異なる蛍光を発するもの、死菌色素と置き換えた場合には生菌色素と異なる蛍光を発するものであれば良く、色素の種類などはこれまで細菌染色に用いられてきたものの中から適宜選択すれば良い。その中でも特に、4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドール二塩酸塩(DAPI)などは多くの細胞でDNA蛍光染色用のコントロールとして用いられており、好適である。
下記実施例に示すとおり、本発明ではサンプルに含まれる細菌に対して生菌染色と死菌染色を行うため、分光光度計を用いて特定の波長を検出することにより、検出された蛍光の強度を生菌と死菌の存在比率に変換することが可能である。予め菌を全く含まない溶液の蛍光と特定量の生菌を含む溶液の蛍光を測定しておき、これを基準に試料中の生菌色素の波長と死菌色素の波長それぞれについて蛍光強度を測定し、この比を取ることによって溶液中にどれだけの生菌とどれだけの死菌が存在しているかを簡便に算出することが可能となる。標準の溶液や分光光度計などは必要に応じて利用可能なものを利用すれば良く、本発明を限定するものではない。
本発明における生菌と死菌の判別方法を、殺菌に係る試料に適用することによって、殺菌効果の検証方法としても利用可能である。例えば殺菌が必要な飲料水などを試料とし、殺菌後にこの試料に対して生菌色素と死菌色素による染色を行い、上記に示した塩類溶液及び/または界面活性剤溶液処理を行うことによって、この中に含まれる生菌と死菌の存在を算出し、殺菌の効果がどれだけあったかを殺菌前の試料と比較して検証することが可能となる。以下に本発明の実施例を述べるが、本発明は実施例にのみ限定されるものではない。
(大腸菌の調整) 実施例中、全ての操作において細菌は大腸菌(Escherichia coli)を用いた。大腸菌を5mlのLB培地(1%ペプトン、0.5%酵母エキス、0.5%NaCl)に植菌し、37℃で14時間程度培養した。14時間後に培養液の吸光度(670nm)を測定し、値が2.0となるよう溶液を調整した。大腸菌の培養液(懸濁液)1mlを10000×g、10分間、4℃で遠心して、細菌を沈殿させ、1mlの0.85%NaCl水溶液で再懸濁した。
(大腸菌の生死標準曲線用コントロールの作成) 上記の大腸菌再懸濁液50μlを1mlの70%イソプロピルアルコールに加え、室温で1時間処理して完全に殺菌して死菌サンプルとした。また、大腸菌再懸濁液50μlを1mlの0.85%NaCl水溶液に加え、こちらを生菌サンプルとした。死菌、生菌サンプル溶液を10000×g、10分間、4℃で遠心し、細菌の沈殿を回収した。この沈殿を1mlの0.85%NaCl水溶液で2回洗浄した後、0.1mlの0.85%NaCl水溶液に懸濁させた。
(UV照射による殺菌) プラスチック板の上に生菌の大腸菌懸濁液50μlを数個置き、UV非照射部(生菌のコントロール)にはアルミホイルでカバーをした。室温条件下で、254nmの紫外線を2J/cmの強さで1分間照射した。照射後懸濁液をチューブに回収し、10000×g、10分間、4℃で遠心して細菌を沈殿させ、0.1mlの0.85%NaCl水溶液に再懸濁させた。
(UV照射後のサンプル処理) UV照射を行った0.1ml大腸菌懸濁液(非照射をコントロールとした)をそれぞれLB寒天培地上に滴下し、10分間程度放置して懸濁液を一時的に寒天培地に吸収させ、菌体を半乾燥状態においた。その後、大腸菌を1mlの0.85%NaCl溶液を用いて寒天培地表面より回収し、10000×g、10分間、4℃で遠心して細菌を沈殿させ、0.1mlの0.85%NaCl溶液(10−7%Tween20含有)に再懸濁させた。この再懸濁液を60分間、37℃で処理した。半乾燥処理のコントロールとして、UV照射を行った0.1ml大腸菌懸濁液をチューブに入れ、10分間氷上で放置したものを用意した。
(生菌・死菌の染色) 半乾燥処理後の大腸菌再懸濁液から50μlを分取し、生菌色素として6−カルボキシフルオレセインジアセテート(またはSYT9色素)を、死菌色素としてヨウ化プロピジウムをそれぞれ加えた。溶液入りチューブを15分間振とう処理し、染色した大腸菌懸濁液を0.85%NaCl水溶液を用いて30−50倍に希釈し、蛍光分光計を用いて蛍光を測定した。蛍光顕微鏡を用いた観察には、懸濁液を希釈せずにスライドグラス上に分取し観察した。蛍光分光器の励起波長は488nmを用い、緑色蛍光は515−530nmを、赤色蛍光は590−620nmを測定した。
(生菌と死菌の色素染色の結果) 図1に示すとおり、生きている大腸菌はヨウ化プロピジウムによって染色されず、6−カルボキシフルオレセインジアセテートによってのみ染色されて緑色の蛍光を発するのが観察された(左図)。一方、イソプロピルアルコールを用いて完全に殺菌せしめた菌(死菌)は、ヨウ化プロピジウムによって染色され赤色蛍光が観察された(右図)。これにより、本発明の染色法により生菌と死菌を区別することが可能となることが明らかとなった。また、作成した大腸菌の生死標準曲線用生菌/死菌サンプルを用い、生菌と死菌の割合が図2横軸の値(生存率=生菌比率で表される)のようになるように生菌サンプルと死菌サンプルを混合して調整した。その混合細菌液を用いて緑色蛍光と赤色蛍光の測定を行い、その比を算出した。グラフ横軸は全菌体中における生菌の占める割合(%)を、縦軸は緑色(515nm)/赤色(590nm)比を表す。全菌体中における生菌の割合と、緑色/赤色蛍光の比率はグラフの様に正の相関関係を示すことが明らかとなり、この緑色/赤色比を用いて溶液内の生菌の比率を求めることも可能となった。
(UVによる殺菌と色素染色の結果) UVの1分間の照射によって、細菌は増殖不可能な菌(死菌)となった(図3)。図3中、左図はプレート上のスポットの模式図を表し、数字は細菌の希釈系列を示す。右写真は実際の紫外線照射/未照射のプレートの写真を表す。紫外線未照射のプレート(左)では、各スポットで大腸菌が増殖してコロニーが観察されるのに対し、UV照射プレート(右)では、高密度の菌を含む溶液でもコロニーの形成が見られず、UV照射によって細菌が確実に死んでいることを示している。しかし、6−カルボキシフルオレセインジアセテートとヨウ化プロピジウムによる染色では、UV照射による増殖不可能な菌(死菌)は生菌と同様な染色像を示した。この死菌を、前記方法で示した半乾燥処理と0.85%NaCl水溶液(10−7%Tween20含有)で1時間以上処理し、前記の染色法で6−カルボキシフルオレセインアセテートとヨウ化プロピジウムにより染色し、その蛍光の緑色/赤色比率を算出した(図4)。図2で用いた機器とは別の機器で測定を行ったため、図4では完全に死んでいる菌の蛍光強度比が3.3付近の値を示している。UV照射後、塩化ナトリウム/界面活性剤溶液処理を行わなかった細菌では、生きている菌に塩化ナトリウム/界面活性剤処理を行ったものと同様の緑色/赤色比率を示し、細菌の生死が蛍光の比率からは判別できなかったが、UV照射後に塩化ナトリウム/界面活性剤溶液処理を行った細菌では、緑色/赤色比率の数字はイソプロピルアルコールを用いて完全に殺菌した菌と同様のレベルにまで低下し、UV照射後の菌を死菌として判別可能であることが示された。また食塩/界面活性剤溶液処理については、1時間行ったものと2−3時間行ったものの間に明瞭な差はなく、1時間の処理で十分な効果が得られることが明らかとなった。
作成した大腸菌の生死標準曲線用の殺菌コントロールの染色像を示す。生菌、死菌の両サンプルを生菌色素である6−カルボキシフルオレセインジアセテート(商品名:SYT9)と死菌色素であるヨウ化プロピジウムで染色し、励起波長480nmを用い、緑色蛍光(左図の生菌)では520nmを、赤色蛍光(右図の死菌)は600nmの蛍光を観察した。左図(生菌)では死菌色素が細胞内から代謝により排出され、ほとんど赤色染色が見られないのに対して、右図(死菌)では死菌色素により菌体が染色され、鮮やかな赤色蛍光が観察された。 生菌と死菌の割合と緑色蛍光/赤色蛍光の関係を示す。図中グラフ横軸は全菌体中における生菌の占める割合(%)を、縦軸は緑色/赤色比を表す。作成した大腸菌の生死標準曲線用のサンプルを用いて、生菌と死菌の割合がグラフのようになるように調整した。その混合細菌液を用いて緑色蛍光と赤色蛍光の測定を行い、その比を算出した。 紫外線照射により増殖能が喪失した様子を示す。左図はプレート上のスポットの模式図を表し、数字は細菌の希釈系列を示す。右写真は実際の紫外線照射/未照射のプレートの写真を表す。紫外線未照射のプレート(左)では、各スポットで大腸菌が増殖してコロニーが観察されるのに対し、UV照射プレート(右)では、高密度の菌を含む溶液でもコロニーの形成が見られず、UV照射によって細菌の増殖能が喪失していることを示している。 UVの照射後の細菌に対する処理(NaCl、Tween20)による、緑色蛍光と赤色蛍光の比を未処理のもの等と比較して示す。UV未照射の菌にNaCl、Tween20処理を行っても緑色/赤色蛍光比率(=生菌/死菌比率)にほとんど影響は無く、またUV照射後NaCl、Tween20処理を行わないサンプル(氷上に放置)では生菌/死菌比率はUV未照射と差がなかったが、UV照射後の菌にNaCl及びTween20処理を行うと、生菌として計測される割合が減少し、1時間の処理で十分この効果が見られることが明らかとなった。

Claims (13)

  1. 生菌、死菌及び生命活動を停止して酵素活性を保持した疑似生菌が含まれる混合試料において、各菌の存在割合を判別する方法であって、該混合試料を予め寒天プレートの上に滴下し、5−30分ほど水分を寒天に吸収させることで半乾燥処理し、次いで塩類溶液及び/または界面活性剤溶液で処理する工程、生菌色素による細菌染色工程及び死菌色素による細菌染色工程を含むことを特徴とする、それぞれの状態にある細菌の存在割合を判別する方法。
  2. 請求項1に記載の判別方法において、混合試料を半乾燥処理し、次いで塩類溶液及び/または界面活性剤溶液で処理する工程を行い、その後生菌色素による細菌の染色工程と死菌色素による細菌の染色工程を同時または順次行うことを特徴とする、生菌、死菌及び疑似生菌の存在割合判別方法。
  3. 生菌色素がフルオレセイン系蛍光色素である、請求項1または請求項2に記載の生菌、死菌及び疑似生菌の存在割合判別方法。
  4. 生菌色素が6−カルボキシフルオレセインジアセテートである、請求項3に記載の生菌、死菌及び疑似生菌の存在割合判別方法。
  5. 死菌色素がヨウ化プロピジウムである、請求項1から請求項4のうちいずれか1項に記載の生菌、死菌及び疑似生菌の存在割合判別方法。
  6. 生菌色素が6−カルボキシフルオレセインジアセテートであり、死菌色素がヨウ化プロピジウムである、請求項1または請求項2に記載の生菌、死菌及び疑似生菌の存在割合判別方法。
  7. 生菌色素または死菌色素のいずれか一方が全菌色素で置き換えられた、請求項1から請求項6のうちいずれか1項に記載の生菌、死菌及び疑似生菌の存在割合判別方法。
  8. 全菌色素が4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドール二塩酸塩である、請求項7に記載の生菌、死菌及び疑似生菌の存在割合判別方法。
  9. 塩類溶液が塩化ナトリウム水溶液である、請求項1から請求項8のうちいずれか1項に記載の生菌、死菌及び疑似生菌の存在割合判別方法。
  10. 塩化ナトリウム水溶液の濃度が、0.75%−0.95%の範囲内である、請求項9に記載の生菌、死菌及び疑似生菌の存在割合判別方法。
  11. 界面活性剤が、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートである、請求項1から請求項10のうちいずれか1項に記載の生菌、死菌及び疑似生菌の存在割合判別方法。
  12. ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートの濃度が、10−5%から10−9%の範囲内である、請求項11に記載の生菌、死菌及び疑似生菌の存在割合判別方法。
  13. 請求項1から請求項12のうちいずれか1項に記載の各工程により、生菌、死菌及び疑似生菌を含む混合試料をそれぞれ蛍光染色し、分光光度計を用いて該混合試料の蛍光測定を行うことを特徴とする、生菌/死菌の存在比率計測方法。
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