(第1実施形態)
第1実施形態におけるヒートポンプ式貯湯温水装置110の構成および各部の配置構成を図1および図2を用いて説明する。図1は本実施形態におけるヒートポンプ式貯湯温水装置110および配管構成を示した模式図である。
本実施形態のヒートポンプ式貯湯温水装置110は、貯湯式のヒートポンプ式給湯装置であり、主に一般家庭用として使用されるものであり、タンク2内に蓄えられた給湯用の温水や、ヒートポンプユニット100で沸き上げられた温水を台所、洗面所、浴室などへの給湯使用側端末に供給するものである。なお、給湯使用側端末は、シャワー、カラン、手洗い栓などの給湯用水栓や、風呂の浴槽である。
図1に示すように、ヒートポンプ式貯湯温水装置は、水−冷媒熱交換器1で水を高温高圧の冷媒と熱交換させて加熱するヒートポンプユニット100と、水−冷媒熱交換器1の水流路1aで加熱された温水を貯えるタンク2と、本温水装置の作動を制御する制御手段である制御装置106と、を備えている。
そして、ヒートポンプ式貯湯温水装置110は、給湯用水が流れる主な配管として、タンク2内の水が水−冷媒熱交換器1の水流路1aを通ってタンク2内上部の高温水部に戻るようにタンク2と水−冷媒熱交換器1とを連絡する循環配管10と、タンク2内の高温水部の温水が流出して給湯使用側端末まで流れる給湯配管22と、水−冷媒熱交換器1の水流路1aで加熱された温水がタンク2に至るまでの間の循環配管10と給湯配管22とを連絡する直接出湯配管3と、タンク2内の中温水部と直接出湯配管3を連絡する中温水配管36と、を備えている。
また、給湯配管22は、シャワー、カラン、手洗い栓などに連通しており、途中で分岐する配管は風呂用配管18であり、風呂の浴槽内に連通する配管である。タンク2の下部には、水道水などの市水を取り入れる市水配管14から分岐した市水流入配管15が接続されている。循環配管10には、市水配管14と連通する給水用配管16が接続されている。市水配管14には、給水を停止できる止水栓21が設けられ、さらに給水の水温を検出する給水温サーミスタ34が設けられている。
タンク2は、給湯用の湯を蓄える容器であり、耐食性に優れた金属製、例えば、ステンレス製からなり、その外周部に断熱材が設けられ、給湯用の高温水を長時間に渡って保温することができる。タンク2は縦長形状であり、その底面に導入口6が設けられている。本実施形態のタンク2は、3〜4人の一般家庭の平均給湯量(43℃、430L)程度を充足できる容量を備えた小型のタンクである。
タンク2には、タンク2内部の貯湯量および貯湯温度を検出するために高さ方向に4個並んだサーミスタからなる水温サーミスタ30が設けられている。各水位におけるタンク2内に満たされた湯もしくは水の温度情報は、制御装置106に出力される。したがって、制御装置106は、水温サーミスタ30からの温度情報に基づいて、タンク2内上方の沸き上げられた湯とタンク2内下方の沸き上げられる前の水との境界位置を検出できるとともに、これにより貯湯量が検出できるようになっている。
この導入口6にはタンク2内に市水を供給する市水流入配管15が接続されている。市水流入配管15とつながっている市水配管14には、導入される水道水の水圧が所定圧となるように調節するとともに、断水などにおける湯の逆流を防止する減圧弁13が設けられている。この市水配管14は、後述する湯張り用混合弁17および給湯用混合弁23につながっている。また、市水流入配管15には、排水のための排水バルブを設けてもよい。
タンク2の底面にはタンク内の最下部の水を吸入するための吸入口8が設けられ、タンク2の上部にはタンク内の最上部に温水を吐出する吐出口12が設けられている。吸入口8と吐出口12は、水−冷媒熱交換器1を介在させて循環配管10と接続されることで連通している。循環配管10の一部は水−冷媒熱交換器1の水流路1aを構成している。
吸入口8と水−冷媒熱交換器1との間の循環配管10には、水−冷媒熱交換器1に供給される水の温度を検出する入水温度サーミスタ31と、逆止弁28と、循環配管10の水を強制的に流動させる循環ポンプ9と、が設けられている。また、逆止弁28の上流側には、所定圧力値で作動する缶体保護弁を設けてもよい。
さらに、水−冷媒熱交換器1の水流路1aの出口には、水−冷媒熱交換器1で加熱された水の温度を検出する沸上げ温度サーミスタ32が設けられている。そして、いずれのサーミスタによって検出された温度情報も制御装置106に出力される。また、市水を取り入れる給水用配管16には、逆止弁29が設けられている。
ヒートポンプユニット100は、冷媒として臨界温度の低い二酸化炭素を使用するヒートポンプサイクルを有しており、少なくとも圧縮機101、放熱器としての水−冷媒熱交換器1、可変式減圧器102、蒸発器103および気液分離器105が閉回路を構成するように接続されている。また、蒸発器103の下流側には、蒸発器下流側の温度を検出する蒸発器温度サーミスタ104が設けられている。制御装置106は、蒸発器温度サーミスタ104から検出情報を受け取るとともに、可変式減圧器102や圧縮機101の運転を制御している。
ヒートポンプユニット100は、水−冷媒熱交換器1の冷媒流路1bを流れる高温高圧の冷媒と、水−冷媒熱交換器1の水流路1aを流れる水との間で熱交換を行うことにより、温水を沸き上げることができる。また、ヒートポンプユニット100は、電気式エジェクタを用いたエジェクタ式サイクルで構成してもよい。
ヒートポンプサイクルを超臨界ヒートポンプで構成した場合、一般的なヒートポンプサイクルよりも高温、例えば、85℃〜90℃程度の湯をタンク2内に蓄えることができる。ヒートポンプサイクルは、主に、タンク2内に貯まっている温水が不足しているときや料金設定の安価な深夜時間帯の深夜電力を利用してタンク2内の湯を沸き上げる沸上げ給湯運転を行う。
水−冷媒熱交換器1の水流路出口とタンク2の吐出口12との間は、温水戻り配管10aで接続されている。温水戻り配管10aは、水−冷媒熱交換器1で加熱された後の温水が流れ、循環配管10の一部を構成する配管であり、その途中には直接出湯配管3が接続されている。この直接出湯配管3と温水戻り配管10a循環配管10との合流部には切替弁11が設けられている。つまり、切替弁11は、水−冷媒熱交換器1で加熱された温水をその水温に応じて直接出湯配管3側、またはタンク2側に流すことができる流れ方向切換手段である。
この切替弁11は検出した流体の温度に応じて流れ方向を切り替える温度切替弁であることが好ましい。この温度切替弁は、流体がサーモエレメントに接触すると熱膨張体が流体の温度を検知してその温度に応じて流体の流れ方向を切り替える弁である。
タンク2の最上部には導出口7が設けられ、導出口7にはタンク2内に蓄えられた給湯用の温水のうち、高温水を導出するための給湯配管22が接続されている。また、この給湯配管22の経路途中には、逃がし弁35が配設された排出配管が接続され、タンク2内の圧力が所定圧以上に上昇した場合には、タンク2内の温水を外部に排出して、タンク2等に損害を与えないように構成されている。
タンク2内のほぼ中間部である中温水部は、タンク2内に蓄えられた給湯用の温水のうち、中温水を導出するための中温水配管36と連絡されている。直接出湯配管3と中温水配管36の合流部には、第1混合弁4が設けられている。第1混合弁4は、直接出湯配管3を流れてきた温水を給湯配管22側に流すか、後述する第2混合弁5の閉弁と連動してタンク2内の中温水部側に流すかを制御することができる。
さらに、第1混合弁4よりも下流部位であって直接出湯配管3と給湯配管22の合流部には、第2混合弁5が設けられている。第2混合弁5は、湯張り用混合弁17および給湯用混合弁23に流通させる給湯用水の湯温を調節する温度調節弁であり、それぞれの開口面積比を調節することで、給湯配管22から取り出した高温水と直接出湯配管3から取り出した中温水との混合比を調節することができる。
第1混合弁4および第2混合弁5は、制御装置106に電気的に接続されており、水温サーミスタ30および湯温サーミスタ33によって検出される温度情報に基づいて制御される。湯温サーミスタ33は、第2混合弁5の下流側に設けられ、第2混合弁5で混合された温水の温度を検出する。第2混合弁5よりも下流部位には、給湯配管22と分岐した風呂用配管18とが接続されている。ここでは、湯温サーミスタ33で検出された温度情報が、浴槽設定温度、シャワー設定温度などに対して+2℃程度となるように温度調節している。
このように第1混合弁4および第2混合弁5は、水−冷媒熱交換器1を経て直接出湯配管3を流れてきた温水をタンク2内の中温水部側または給湯配管22側に流す切替手段として機能する。
給湯用混合弁23および湯張り用混合弁17は、それぞれ給湯配管22、風呂用配管18の末端で出湯する給湯用水の湯温を調節する温度調節弁である。これらは、それぞれの開口面積比、つまり、第2混合弁5で温度調節された給湯用水側の開度と市水配管14に連通する水側の開度の比率を調節することによって、出湯する湯温を設定温度に調節する。
給湯用混合弁23と湯張り用混合弁17は、制御装置106に電気的に連絡されており、給水サーミスタ34、湯温サーミスタ33、給湯サーミスタ24、循環用給湯サーミスタ44によって検出される温度情報に基づいて制御される。
給湯サーミスタ24は給湯配管22内の温度情報を、流量カウンタ25は給湯配管22内の流量情報を、循環用給湯サーミスタ44は風呂用配管18内の温度情報を、湯張り用流量カウンタ42は風呂用配管18内の流量情報を、それぞれ制御装置106に出力する。
また、第2混合弁5、給湯用混合弁23および湯張り用混合弁17は、それぞれの出口側に設けられた湯温サーミスタ33、給湯サーミスタ24、循環用給湯サーミスタ44等によって検出される給湯用水の湯温に基づいてフィードバック制御が行われている。
また、流量カウンタ25、湯張り用流量カウンタ42がそれぞれ給湯配管22、風呂用配管18内の水の流れを検出したときは、それぞれの配管の末端にある給湯水栓、シャワーまたは後述する湯張り用電磁弁41が開弁されて給湯用水を出湯している状態である。
給湯配管22は、下流端に接続されたシャワー、カラン、手洗い栓などの給湯水栓へ設定温度に温度調節された給湯用水を導く配管である。この配管の中途には給湯用混合弁23、給湯サーミスタ24および流量カウンタ25が設けられている。
風呂用配管18は、その下流端が浴槽流出配管50と浴槽流入配管51からなる循環回路に繋がれ、浴槽内に湯張り、差し湯、たし湯などを行うときに、所定温度に温度調節された給湯用水を導く配管である。風呂用配管18の中途には、温度調節手段である湯張り用混合弁17が設けられている。
さらに湯張り用混合弁17よりも下流側の風呂用配管18には、湯張り用開閉弁である湯張り用電磁弁41と、湯張り用流量カウンタ42と、循環回路内の浴水が風呂用配管18を通って逆流させないための逆止弁43と、湯張り用開電磁弁41に流入する逆流水を逃がして外部に排出するための逆流水開放弁46と、が設けられている。
浴槽流入配管51とともに循環回路を構成する浴槽流出配管50には、上流側、つまり浴槽に近い側から順に、水圧センサ47、風呂循環用電動弁48、循環ポンプ49が設けられている。浴槽流出配管50と浴槽流入配管51との連結部は、給湯配管22との合流部でもあり、この合流部に循環用給湯サーミスタ44が設けられている。また、浴槽流入配管51には、合流部から下流の浴槽に向かって順に、流水スイッチ45、風呂三方弁55、および浴槽流入温度サーミスタ39が設けられている。
水圧センサ47は、浴槽内に湯張りされた浴水の湯量、言い換えれば浴槽内の水位レベルを求めるための水圧を検出するセンサである。風呂循環用電動弁48は循環回路を開閉する電磁弁である。循環用給湯サーミスタ44は、浴槽流出配管50を流通する浴水の湯温を検出する水温センサである。
流水スイッチ45は、循環ポンプ49が駆動することにより循環回路内を循環する浴水を検知する流水センサであり、制御装置がこのスイッチのON時間によって浴槽内の浴水の有無を判断するために用いられる。循環ポンプ49は浴槽内の浴水を循環回路内で強制的に循環させる電動ポンプである。
また、湯張り用電磁弁41、湯張り用流量カウンタ42、逆止弁43、逆流水開放弁46、循環用給湯サーミスタ44および流水スイッチ45は、これらを接続する配管とともに一体化したモジュールにより構成してもよい。このモジュールは各給湯機能部品のアッシィであり、配管長さを可能な限り短くして圧力損失や流路抵抗を低減した箱体状のユニット部品として構成することができる。このモジュールは、タンク2の天面よりも上方と、タンク2の側面の径方向外方とに配置されている。また、このモジュールは各給湯機能部品や配管等を樹脂材料で形成することにより構成することができ、軽量化して施工性、メンテナンス性を高めることができる。
ここで給湯機能部品としては、給湯用水の流れを制御する働きを有する流路上に配設される部品であり、流体の流れを停止したり、流れ方向を変えたり、配管内の圧力を制御したりする弁や、流体を強制的に動かす駆動部品(ポンプ)や、流体を加熱するための装置である。
例えば、給湯機能部品は、水が停留しやすい混合弁である第1混合弁4、第2混合弁5、湯張り用混合弁17、給湯用混合弁23や、その他の弁機構を有する減圧弁13、逃がし弁35、湯張り用電磁弁41、逆流水開放弁46、風呂循環用電動弁48、風呂三方弁55や、循環ポンプである循環ポンプ9、風呂循環ポンプ49や、追焚き用熱交換器などである。
また、給湯機能部品の上記モジュールは、種々の給湯機能部品の中から適宜選択した複数個の部品を、各部品を接続する配管と一体化することにより、ブロック状に形成した給湯機能部品ユニット118としてもよい(図2参照)。
浴槽流入温度サーミスタ39は、浴槽流入配管51を流れて浴槽内に流入する湯温を検出する水温センサである。また、水圧センサ47、流水スイッチ45、循環用給湯サーミスタ44および浴槽流入温度サーミスタ39は、それぞれの容積情報、流水情報および温度情報を制御装置106に出力し、風呂循環用電動弁48および循環ポンプ49は制御装置106によって制御される。
湯張り後に浴槽内の浴水の温度を検出するときは、湯張り用電磁弁41を閉じるとともに、循環ポンプ49を作動させる。そして、浴槽内の浴水を浴槽流出配管50、浴槽流入配管51、浴槽内の順に循環させながら循環用給湯サーミスタ44によって浴水の温度を検出する。
制御装置106は、マイクロコンピュータを主体として構成され、記憶手段として内蔵するROMまたはRAMには、あらかじめ設定された制御プログラムや更新可能な制御プログラムが備えられている。制御装置106は、各サーミスタ24、30、31〜34、39、44からの温度情報、各流量カウンタ25、42および流水スイッチ45からの流量情報、および台所リモコン(図示せず)や風呂リモコン(図示せず)の操作スイッチからの操作信号等に基づいて、ヒートポンプユニット100、各混合弁4、5、17、23、湯張り用電磁弁41、切替弁11、風呂三方弁55、循環ポンプ9および循環ポンプ49などのアクチュエータ類を制御する。
また、台所リモコンや風呂リモコンには、電源操作部、給湯設定温度操作部、湯張り操作部、湯張り設定温度操作部などが設けられている。
また、ヒートポンプ式貯湯温水装置110は、風呂の浴槽の湯を熱交換によって追い焚きする追焚き用熱交換器を備えるように構成してもよい。この追い焚き運転を実施する場合には、制御装置106は、循環用給湯サーミスタ44によって検出される浴水の温度が所定温度になるまで追い焚き運転を継続する。
図2は、ヒートポンプ式貯湯温水装置110を構成する各部品の筐体内における配置が分かるように示された模式図である。図2に示すように、ヒートポンプ式貯湯温水装置110は、タンクユニットおよびヒートポンプユニットから構成されている。両ユニットは筐体内に収納されて外観上一体化した状態で設置されている。この筐体は、各ユニットを収納する筐体同士を一体に結合して構成してもよいし、本実施形態のようにヒートポンプ側筐体部111とタンク側筐体部112とから形成される1個の箱体で構成してもよい。
ヒートポンプ式貯湯温水装置110は、例えば、家庭用空調装置の室外ユニットのように、家屋の軒下または集合住宅のベランダなどの室外に設置され装置である。そして、この種の装置は、家屋の軒下またはベランダなどの狭隘地に設置する場合には、奥行き方向が薄くなるような向きに配置されることになる。
タンクユニットは、主に、タンク2内と給湯使用側端末または浴槽とを接続するとともに給湯用水の流れを制御する働きを有する給湯機能部品、タンク2および配管により構成され、鋼板で形成されたタンク側筐体部112の内部に格納されている。
タンク側筐体部112は、ヒートポンプ式貯湯温水装置110のタンク側の外殻を構成する筐体部であり、天面、側面、背面、前面およびタンク側ベース部117により囲まれ、ヒートポンプ側が開放されている容器である。タンク側筐体部112は、下部に底部であるタンク側ベース部117から鉛直方向下方に向けて伸長するタンク側脚部114を備えている。タンク側脚部114は設置用の基礎200にアンカーボルト等で固定されている。
ヒートポンプユニット100は鋼板で形成されたヒートポンプ側筐体部111の内部に格納されている。ヒートポンプ側筐体部111の内部には、背面側全体を覆う蒸発器103が設けられ、蒸発器103の正面側に蒸発器103に送風を行う2個の送風機107が上下に並んで設けられ、下部に圧縮機101が設けられ、タンク側の全体を覆うように水−冷媒熱交換器1が設けられている。送風機107による通風方向は、図2の手前から奥行きに向かう方向である。
ヒートポンプ側筐体部111は、ヒートポンプ式貯湯温水装置110のヒートポンプユニット側の外殻を構成する筐体部であり、天面、側面、背面、前面およびヒートポンプ側ベース部115により囲まれ、タンク側が開放されている容器である。ヒートポンプ側筐体部111には、下部に底部であるヒートポンプ側ベース部115から鉛直方向下方に向けて伸長するヒートポンプ側脚部113が設けられている。ヒートポンプ側脚部113はタンク側脚部114と同様に基礎200にアンカーボルト等で固定されている。このように基礎200はヒートポンプ側脚部113およびタンク側脚部114が固定される設置面である。
ヒートポンプ側ベース部115はタンク側ベース部117よりも基礎200から近い位置、つまり下方に位置しており、これに対応してヒートポンプ側脚部113はタンク側脚部114よりも鉛直方向長さが短くなっている。
この構成により、ヒートポンプ側筐体部111の高さ方向寸法はタンク側筐体部112よりも大きくなり、蒸発器103の伝熱面積を大きく形成できるので、ヒートポンプユニットの能力を確保することができる。さらにタンク側ベース部117下方に排水スペースを確保できるので配管施工の作業性が向上するとともに、装置全体の高さを抑えて装置の占めるスペースを小さくしてユーザーに圧迫感を与えない装置を提供できる。また、タンク2は、高さ方向寸法が小さくなるので小型になるとともにその重心位置が下がり安定する。したがって、基礎200の小型化により重量も小さくなり、設置に係る費用を低減でき作業性も向上する。
ヒートポンプ側ベース部115とタンク側ベース部117は、両者を連結する連結部116により一体になっている。連結部116は、両ベース部115、117が全体を渡って連結される形状である。したがって、ヒートポンプ式貯湯温水装置110の外殻を構成する筐体の下面全体は、両ベース部115、117および連結部116によって形成されている。
連結部116は、両ベース部115、117を一直線上で連結する斜板により形成してもよい。また、連結部116は、両ベース部115、117から延びる二つの斜板を途中で水平部により連結する形状に形成してもよい。また、連結部116は、途中に湾曲部を有するように形成したり、階段状の段差部により形成したりしてもよい。いずれの形状においても、鉛直方向高さの異なる二つのベース部を1個のベース部となるように一体に連結してベース部の強度向上に寄与するとともに、ヒートポンプユニットとタンクユニットが載置される強固な土台部を構成するものである。
図2に示すように、連結部116は、水−冷媒熱交換器の下端部1cを支持しており、水−冷媒熱交換器1の鉛直方向下方への移動や位置ずれを抑制し、熱交換器の安定した設置に寄与している。また、この支持構造により、水−冷媒熱交換器の下端部側の固定構造を簡単化でき、設置のための螺子締め等の個数を低減することができる。
ヒートポンプ側脚部113は、例えば、基礎200の表面からヒートポンプ側ベース部115までの距離が少なくとも50mm以上有するような鉛直方向長さを備えていることが好ましい。また、タンク側脚部114は、基礎200の表面からタンク側ベース部117までの距離が少なくとも150mm以上有するような鉛直方向長さを備えていることが好ましい。また、ヒートポンプ側ベース部115とタンク側ベース部117との高さの差は100mm以上とするのが好ましい。
タンク側筐体部112内において給湯機能部品ユニット118は、タンク2の上部表面2aより高い位置から、タンク側筐体部112内部の筐体の側面(反ヒートポンプユニット側の側面)に沿って筐体内部の下方まで延設されている。タンク2の上部表面2aとは、タンク2を形成する表面部のうち、上方に向いた面であり、例えば、タンクの天井部を構成する天面を構成する。
この構成により、給湯配管22にタンク内最上部の高温水が流れるときに上方に放出される熱はタンク2の頂部と筐体の天面部との間に滞留するので、この空間の空気温度が上昇して給湯機能部品をさらに温め、凍結を防止できる。さらに筐体の側面(反ヒートポンプユニット側の側面)を形成する鋼板を取り外してメンテナンス作業ができるので、作業性が向上する。
タンク側筐体部112内部の下方で筐体の側面(反ヒートポンプユニット側の側面)寄りには、給湯機能部品ユニット118と給湯使用側端末に連通する配管とを連結するための配管接続部119が複数個設けられている。配管接続部119は、例えば、給水配管、風呂用配管、電気引き込み用配管等を接続するものである。
図3に示すように、複数個の配管接続部119は、タンク側筐体部112の内壁面に固定されて、タンク側筐体部112の背面側と正面側を橋渡しする支持部材121に固定されている。配管接続部119を筐体の側面(反ヒートポンプユニット側の側面)寄りに集中して設けることにより、筐体の前後方向(奥図2の行き方向、図3の左右方向)の長さを小さくすることができ、隣地との間隔が狭い場所での設置(例えば隣地境界500mm)が可能になる。また、配管接続部119が筐体内の下方に位置することにより、配管の長さや配管の圧損を低減でき、さらに配管組み付け作業を低所でまとめて行うことができる。
また、タンク2下部には排水ドレン120が設けられている。排水ドレン120はタンク側ベース部117を貫通してさらに下方にまで延設されている。図3は、タンク側筐体部112を反ヒートポンプユニット側からみたときの模式的側面図である。
次に、タンク2上部における各給湯機能部品の配置の一例について図4を用いて説明する。図4はタンク2上部と水−冷媒熱交換器1との位置関係を示した部分的拡大図である。図4に示すように、切替弁11はタンク2の頂部に当たる吐出口12や配管取出しフランジよりも高い位置に配置されており、さらに、タンク2を平面視したとき、タンク2の外周縁上、または外周縁よりも内側に位置している。また、タンク2は、鉛直方向に伸長する側部、上部表面2a、配管取出しフランジを含む天面、頂部およびタンクから突出する配管の周囲が断熱材20で覆われている。
水−冷媒熱交換器1の冷媒流出部19は、上記吐出口12および配管取出しフランジとほぼ同じ高さに設けられている。水−冷媒熱交換器1の上端部は、温水戻り配管10aや切替弁11とほぼ同じ高さ位置に配置されており、ヒートポンプユニットの上端部とタンクユニットの上端部はその高さをあわせるように配置されている。
水−冷媒熱交換器の下端部1cが連結部116により支持される構成と上記構成とにより、水−冷媒熱交換器1の高さ方向長さはタンク2の高さ方向長さよりも大きくなり、限られた筐体内のスペースを有効利用してヒートポンプユニットの加熱能力を大きくできる。さらに、水−冷媒熱交換器1の流出部19から吐出口12に至る配管の長さを短くすることができるので、その間の流路抵抗を小さくでき、配管部の放熱を低減してエネルギー損失を低減できる。
また、タンク2の頂部、上部表面2a、肩部等の上方には、複数個の混合弁を配置し、これらの混合弁を同じ高さに位置させることが好ましい。これは、複数の混合弁をユニット化して配置することができるので、給湯回路内の凍結低減の効果を向上させることができ、混合弁間の圧力バランスが保ちやすいからである。
本実施形態のヒートポンプ式貯湯温水装置は、ヒートポンプユニット100と、タンクユニットと、ヒートポンプユニット100が収納されるヒートポンプ側筐体部111、111Aと、タンクユニットが収納されるタンク側筐体部112、112Aと、ヒートポンプ側筐体部111、111Aを支えるヒートポンプ側脚部113と、タンク側筐体部112、112Aを支えるタンク側脚部114と、を備えている。
ヒートポンプ側筐体部111、111Aとタンク側筐体部112、112Aは一つの筐体を構成しており、タンク側ベース部117、117Aは、ヒートポンプ側ベース部115、115Aよりも高い位置に配置されている。さらに、タンク側脚部114が設置される基礎200とタンク側ベース部117、117Aとの距離は、ヒートポンプ側脚部113が設置される基礎200とヒートポンプ側ベース部115、115Aとの距離よりも長くなっている。
この構成によれば、タンクユニット側に排水ドレン120と排水ホッパ等の排水口との間の距離(排水スペース)や施工時およびメンテナンス時の作業スペースを確保できるので、装置が設置される基礎の内部に排水溝や排水トラップを埋め込まなくても排水通路を形成することができるとともに、配管の接続作業や配管に断熱材を巻く作業がやり易くなる。さらに、タンクユニットの格納スペースに比べてヒートポンプユニットの格納スペースを大きくできるので、蒸発器103や水−冷媒熱交換器1の伝熱面積を可能な限り大きくしてヒートポンプユニットの能力を確保できるとともに、タンクユニットの方の格納スペースを小さくして装置全体の高さを抑えることができる。
(第2実施形態)
本実施形態は、第1実施形態に対する給湯機能部品ユニットの変形例を示している。その他の構成については第1実施形態と同様である。図5は、本実施形態のヒートポンプ式貯湯温水装置110Aを構成する各部品の筐体内における配置を示した模式図である。
図5に示すように、各給湯機能部品のアッシィを構成する給湯機能部品ユニット118Aは、タンク側筐体部112内において、タンク2の上部表面2aよりも高い位置に集中して配置されている。この構成により、給湯配管22にタンク内最上部の高温水が流れるときに上方に放出される熱はタンク2の頂部と筐体の天面部との間に滞留するので、この空間の空気温度が上昇して給湯機能部品をさらに温め、さらに凍結を防止効果が顕著になる。また、給湯機能部品ユニット118Aと配管接続部119とは所定本数の配管により接続されている。
(第3実施形態)
本実施形態は、第2実施形態に対する配管接続部の設置箇所の変形例を示している。その他の構成については第1実施形態および第2実施形態と同様である。図6は、本実施形態のヒートポンプ式貯湯温水装置110Bを構成する各部品の筐体内における配置を示した模式図である。
図6に示すように、本実施形態の配管接続部119は、タンク2より上方で筐体の天面から突出するように配置されている。この構成により、配管接続部119が給湯機能部品の配置箇所から近い場所に配置されるので、配管の長さや配管の圧損を低減でき、さらに、メンテナンスや配管組み付け作業を筐体の上部でまとめて行うことができる。
(第4実施形態)
本実施形態は、第1実施形態に対する、ヒートポンプ式貯湯温水装置の外殻となる筐体の変形例を示している。その他の構成については第1実施形態と同様である。図7は本実施形態のヒートポンプ式貯湯温水装置110Cを収納する筐体の外観を示した斜視図である。当該筐体は、タンク側筐体部112Aの底部であるタンク側ベース部117Aがヒートポンプ側筐体部111Aの底部であるヒートポンプ側ベース部115Aよりも高い位置に配置されている構成の他に、以下に示す構成を備えている。
図7に示しように、ヒートポンプ式貯湯温水装置110Cのヒートポンプ側の外殻を構成するヒートポンプ側筐体部111Aは、内部の蒸発器103と対向する前面に、外部から蒸発器103へと空気を流入させる送風機107の吸込口を備えている。そして、当該吸込口が形成された前面と対向する背面には、蒸発器103を通過した空気を外部へと吹き出す吹出口(図示せず)が形成されている。
蒸発器103と送風機107とが配されるヒートポンプ側筐体部111Aは、タンク側筐体部112Aよりも奥行き方向(送風機107の通風方向)の幅が短く形成されている。そして、ヒートポンプ側筐体部111Aの前面とタンク側筐体部112Aの前面は、ヒートポンプ側筐体部111A側からタンク側筐体部112A側に向かうにつれて前方に突出するように傾斜した連結板130によって滑らかに連結されている。
また、ヒートポンプ側筐体部111Aは背面に吸込口を備え、前面に吹出口を備えるように構成してもよい。また、ヒートポンプ側筐体部111Aとタンク側筐体部112Aは、図7のようにそれぞれの背面が合わさってフラットな一平面を構成してもよいし、それぞれの前面が合わさってフラットな一平面を構成してもよい。また、ヒートポンプ側ベース部115A、連結部116Aおよびタンク側ベース部117Aはそれぞれ第1実施形態のヒートポンプ側ベース部115、連結部116、タンク側ベース部117と同様の構成および作用効果を有するものである。
家屋の軒下、集合住宅のベランダなどの狭い場所にヒートポンプ式貯湯温水装置110Cを設置する場合、装置は背面側に風路(例えば、壁から10cm以上の空間)を確保して設置される。ヒートポンプ側筐体部111Aをタンク側筐体部112Aよりも奥行き方向長さが短くなるように形成することにより、吹出口の周辺に吹き出し空間を形成できるので、送風機107によって吹き出された空気を確実に外部に吐き出すことができる。したがって、装置が狭い場所に設置された場合、吹き出された熱交換後の空気が蒸発器103の吸込み側に回り込むショートサーキットを防止することができる。
(その他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。
例えば、ヒートポンプユニット100の回路を流れる作動冷媒は、二酸化炭素に限定されるものではなく、フロン等の他の冷媒であってもよい。
また、上記実施形態のヒートポンプユニット100は、冷媒の圧力が臨界圧力以上となる超臨界ヒートポンプサイクルによるものであるが、これに限定されるものではなく、冷媒の圧力が臨界圧力未満のヒートポンプサイクルによるものよい。