JP4889246B2 - 筆記具用分散体及び該分散体を添加したボールペン用インク - Google Patents
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Description
すなわち本発明は、
(1)比表面積20m2/g以上である無機窒化物微粒子、ブチラール樹脂分散剤、並びに脂肪族アルコール類及び/または脂肪族グリコールモノエーテル類からなる溶剤を少なくとも含む筆記具用分散体。
(2)前記無機窒化物微粒子が窒化ホウ素微粒子である(1)記載の分散体。
(3)比表面積が50m2/g以上である微粒子シリカをさらに含む(1)または(2)記載の分散体。
(4)前記溶剤が下記に示す分子構造(1):
(5)(1)〜(4)のいずれか一つに記載の分散体、染料、及び溶剤を少なくとも含むボールペンインク。
(6)脂肪族アルコール類及び/または脂肪族グリコールモノエーテル類が、インク中の溶剤全量に対して50〜100質量%を占める(5)に記載のボールペンインク。
(7)前記溶剤が下記に示す分子構造(1):
(8)(5)〜(7)のいずれか一つに記載のインクを用いるボールペン。
本発明によれば、外観上その色を判別することができ、また、外観色と描線色が一致し、経時的な安定性に優れ、長時間保存した場合にもペン先の目詰まりを起こさない筆記具用油性インク組成物が提供される。
また、本発明の分散体中に微粒子シリカを添加することにより、分散体をインクに添加した際の微粒子の沈降が抑制でき、経時的にさら安定な分散体が提供される。
本発明の分散体に用いる無機窒化物微粒子には、例えば、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素等の微粒子を挙げることができる。これらの中で、窒化ホウ素が特に好ましい。窒化ホウ素はもっとも白色度が高く、インクの外観視認性を高めるために好適である。また、窒化ホウ素は比較的比重が小さく、本来的に沈降しにくい傾向を有する。本発明に用いることができる無機窒化物微粒子の具体的な例としては、市販品として水島合金鉄社製のBN粉末FS−1(窒化ホウ素微粒子)がある。
外観視認性を高めるために、本発明において白色微粒子として無機酸化物微粒子を使用すると、いずれの微粒子も分散体が経時的に相互作用して流動性が損なわれるか、もしくは凝集、沈降する傾向にある。これらの無機酸化物微粒子は酸化物であるが、表面に水酸基を有していると考えられ、微粒子同士でそれぞれの水酸基同士が水素結合により相互作用を示すと考えられる。これが、経時的な流動性の低下、もしくは凝集、沈降の問題を発生させると考えられる。これに対し無機窒化物微粒子は、酸化物のような水素結合による相互作用がほとんどないと考えられ、微粒子同士が相互作用しにくく、良好な分散体がえられると考えられる。
ブチラール樹脂の添加比率が無機窒化物微粒子に対して3質量%より少なくなった場合、分散剤不足により経時的に無機窒化物微粒子の凝集が生じ、分散体がゲル化する不具合が発生する。ブチラール樹脂の添加比率が無機窒化物微粒子に対して300質量%より多くなる場合は、分散体の粘度が高くなり分散効率が悪くなる。
従来の油性ボールペンインクに使用されている溶剤を用いることができるが、一般的なベンジルアルコールやエチレングリコールモノフェニルエーテル等の芳香族アルコールや芳香族グリコールモノエーテルを溶剤として使用すると、ブチラール樹脂で分散した無機窒化物微粒子分散体の経時的な安定性が悪く、経時的に粘度変化や無機窒化物微粒子が沈降する等の問題が発生する。この原因は定かではないが、芳香族系溶剤中においてはブチラール樹脂が顔料表面に吸着しにくいことや顔料表面に吸着したブチラール樹脂が拡がり難いためと考えられる。
特に好ましいのは次の化学式1に示されるような溶剤である。
本発明の分散体は、それ自体経時的に安定であり、無機窒化物微粒子は沈降しにくいが当該分散体でもやはり微量の顔料の沈降が発生する場合がある。沈降は、経時的に無機窒化物微粒子同士が凝集し粒径が大きくなることにより発生すると考えられる。微粒子シリカは無機窒化物微粒子同士が凝集する際に凝集妨害物質として作用すると考えられ、微粒子シリカを添加することにより、凝集がさらに抑制される結果、より無機窒化物微粒子の沈降が起こりにくくなると考えられる。また、微粒子シリカは無機窒化物微粒子より一次粒子径が小さいため分散体中でより安定に分散しており、無機窒化物微粒子が沈降する際にその存在が抵抗となるため、無機窒化物微粒子の沈降が抑制されると考えられる。
本発明に用いる微粒子シリカは、シリカ表面を疎水化処理したものが好ましい。シリカ表面に親水基が多く残存していると、親水基が他のシリカ粒子や、分散剤等と相互作用を生じやすく経時的に安定な分散体が得られにくい。
一次粒子径の小さい無機窒化物微粒子を得るために製造時に結晶成長させる際、反応を比較的早く終了させ結晶が大きくならないようにコントロールする必要がある。そのため、製造時に未反応物質であるホウ酸等が残存し易く、当該未反応物がバインダーの役割をして無機窒化物微粒子をほぐれにくくしているためと考えられる。
粒子の添加量が0.1質量%未満となると、外観視認性の付与が困難となる。粒子添加量が15質量%を超えると、これらの粒子を含有した分散体を多量にインクに添加する必要があり、インクを生成する際にその他の原材料を添加することが難しくなる場合がある。また、粒子添加濃度が高い場合は、インク原材料と相互作用を起こしやすくなる傾向があり、経時的にインクがゲル化する等の不具合を生じる場合がある。
脂肪族アルコール類及び/または脂肪族グリコールモノエーテル類がインク中の溶剤全量の50%より少ない場合は、分散体をインクに添加した際に、分散体の安定性が損なわれ、インク中で窒化物微粒子が沈降する不具合が発生する。
蒸気圧が低すぎるとボールペンインクとして紙面に筆記した際に描線乾燥性、裏抜け等の問題が発生する。蒸気圧が高すぎるとボールペンとした際にペン先から溶剤が揮発し、初筆性が悪くなり、筆記不能の原因となる。また、ペン後端部にインク追従体を置き直接揮発を抑制したとしても経時的に溶剤がインク追従性を透過しインクの物性が変化する不具合が発生する。
なお、本発明のボールペンにおいては、適切な脂肪族系の溶剤を使用したとしてもペン後端部からインク溶剤の揮発を抑制し、インク溶剤の吸湿を抑制するためにインク追従体をインク後端部に充填することが好ましい。
これらの溶剤は、溶剤の蒸気圧に起因するボールペンインクの性能面、安全性及び経口毒性等の点から好ましい。
樹脂に染料を染着した染料としては、keiko−Colot MPI−500シリーズ、keiko−Colot MPI−500Cシリーズ、keiko−Colot NKS−1000シリーズがある。
本発明の分散体は、外観視認性を向上させるため、寒色系の色の染料に使用した場合、またピンクや空色等の鮮やかなインク色の染料に採用した場合に特に効果を発揮する。
補助溶剤としては、脂肪族系の溶剤だけでなく、芳香族系の溶剤も使用可能である。特に、ベンジルアルコール、エチレングリコールモノフェニルエーテルは染料の溶解助剤として有効であるため、補助溶剤として使用すると好ましい場合がある。
実施例1
BN粉末FS−1(水島合金鉄社製)(白色微粒子:窒化ホウ素) 5.0質量%
エスレックB BM−1(積水化学社製)(分散剤:ブチラール樹脂) 5.0質量%
ソルフィット(クラレ社製) 90.0質量%
(溶剤:3−メトキシ,3−メチル,1−ブタノール)
これらの材料を2時間撹拌した後、室温まで放置し、日本アイリッヒ社製分散機DCP SF−12により5時間分散し分散体5Kgを得た。
粉砕媒体として、0.5mmのジルコニアビーズを使用した。
なお、BN粉末FS−1は、比表面積34m2/gの窒化ホウ素微粒子である。
BN粉末FS−1(水島合金鉄社製)(白色微粒子:窒化ホウ素) 10.0質量%
エスレックB BL−10(積水化学社製)(分散剤:ブチラール樹脂) 5.0質量%
ソルフィット(クラレ社製) 85.0質量%
(溶剤:3−メトキシ,3−メチル,1−ブタノール)
これらの材料を2時間撹拌した後、室温まで放置し、日本アイリッヒ社製分散機DCP SF−12により5時間分散し分散体5Kgを得た。
粉砕媒体として、0.5mmのジルコニアビーズを使用した。
BN粉末FS−1(水島合金鉄社製)(白色微粒子:窒化ホウ素) 10.0質量%
エスレックB BL−10(積水化学社製)(分散剤:ブチラール樹脂) 5.0質量%
アエロジルR972(日本アエロジル社製)(微粒子シリカ) 1.0質量%
ソルフィット(クラレ社製) 84.0質量%
(溶剤:3−メトキシ,3−メチル,1−ブタノール)
これらの材料を2時間撹拌した後、室温まで放置し、日本アイリッヒ社製分散機DCP SF−12により5時間分散し分散体5Kgを得た。
粉砕媒体として、0.5mmのジルコニアビーズを使用した。
なお、アエロジルR972は、比表面積130m2/gである。
実施例2の分散体(窒化ホウ素微粒子分散体) 20.0質量%
Keiko-Color MPI507C(日本蛍光化学社製)(染料) 30.0質量%
Aizen spilon Red C-BH(保土谷化学社製)(染料) 1.0質量%
エスレックB BL−10(積水化学社製)(粘度調整剤) 7.0質量%
ソルフィット(クラレ社製) 42.0質量%
(溶剤:3−メトキシ,3−メチル,1−ブタノール)
これら材料を5時間撹拌した後、室温まで放置し、ピンク色のボールペンインクを得た。
実施例3の分散体(窒化ホウ素微粒子分散体) 20.0質量%
Keiko-Color MPI507C(日本蛍光化学社製)(染料) 30.0質量%
Aizen spilon Red C-BH(保土谷化学社製)(染料) 1.0質量%
エスレックB BL−10(積水化学社製)(粘度調整剤) 7.0質量%
ソルフィット(クラレ社製) 42.0質量%
(溶剤:3−メトキシ,3−メチル,1−ブタノール)
これら材料を5時間撹拌した後、室温まで放置し、ピンク色のボールペンインクを得た。
実施例3の分散体(窒化ホウ素微粒子分散体) 20.0質量%
Keiko-Color MPI567C(日本蛍光化学社製)(染料) 30.0質量%
エスレックB BL−10(積水化学社製)(粘度調整剤) 7.0質量%
ソルフィット(クラレ社製) 43.0質量%
(溶剤:3−メトキシ,3−メチル,1−ブタノール)
これら材料を5時間撹拌した後、室温まで放置し、紫色のボールペンインクを得た。
実施例3の分散体(窒化ホウ素微粒子分散体) 20.0質量%
Keiko-Color MPI508C(日本蛍光化学社製)(染料) 30.0質量%
Aizen spilon Blue C-RH(保土谷化学社製)(染料) 1.0質量%
エスレックB BL−10(積水化学社製)(粘度調整剤) 7.0質量%
ソルフィット(クラレ社製) 42.0質量%
(溶剤:3−メトキシ,3−メチル,1−ブタノール)
これら材料を5時間撹拌した後、室温まで放置し、空色のボールペンインクを得た。
比較例1
エポスタ−S(日本触媒社製)(有機白色微粒子) 10.0質量%
エスレックB BL−10(積水化学社製)(分散剤:ブチラール樹脂) 5.0質量%
アエロジルR972(日本アエロジル社製)(微粒子シリカ) 1.0質量%
ソルフィット(クラレ社製) 84.0質量%
(溶剤:3−メトキシ,3−メチル,1−ブタノール)
これらの材料を2時間撹拌した後、室温まで放置し、日本アイリッヒ社製分散機DCP SF−12により5時間分散し分散体5Kgを得た。
粉砕媒体として、0.5mmのジルコニアビーズを使用した。
なお、エポスタ−Sは、比表面積35m2/gのメラミンホルムアルデヒド縮重合物である。
超微粒子酸化チタンTTO−55C(石原産業社製)(無機白色微粒子)10.0質量%
エスレックB BL−10(積水化学社製)(分散剤:ブチラール樹脂) 5.0質量%
アエロジルR972(日本アエロジル社製)(微粒子シリカ) 1.0質量%
ソルフィット(クラレ社製) 84.0質量%
(溶剤:3−メトキシ,3−メチル,1−ブタノール)
これらの材料を2時間撹拌した後、室温まで放置し、日本アイリッヒ社製分散機DCP SF−12により5時間分散し分散体5Kgを得た。
粉砕媒体として、0.5mmのジルコニアビーズを使用した。
なお、超微粒子酸化チタンTTO−55Cは、比表面積30m2/gの酸化チタンである。
本例は、白色微粒子が、窒化ホウ素微粒子であるがその比表面積が本発明の範囲外である例である。
BN粉末HP−P1(水島合金鉄社製)(白色微粒子:窒化ホウ素) 10.0質量%
エスレックB BL−10(積水化学社製)(分散剤:ブチラール樹脂) 5.0質量%
アエロジルR972(日本アエロジル社製)(微粒子シリカ) 1.0質量%
ソルフィット(クラレ社製) 84.0質量%
(溶剤:3−メトキシ,3−メチル,1−ブタノール)
これらの材料を2時間撹拌した後、室温まで放置し、日本アイリッヒ社製分散機DCP SF−12により5時間分散し分散体5Kgを得た。
粉砕媒体として、0.5mmのジルコニアビーズを使用した。
なお、BN粉末HP−P1は、比表面積15m2/gの窒化ホウ素微粒子である。
本例は溶剤として芳香族系溶剤を用いた例である。
BN粉末FS−1(水島合金鉄社製)(白色微粒子:窒化ホウ素) 10.0質量%
エスレックB BL−10(積水化学社製)(分散剤:ブチラール樹脂) 5.0質量%
アエロジルR972(日本アエロジル社製)(微粒子シリカ) 1.0質量%
ベンジルアルコール(芳香族系溶剤) 17.0質量%
エチレングリコールモノフェニルエーテル(芳香族系溶剤) 67.0質量%
これらの材料を2時間撹拌した後、室温まで放置し、日本アイリッヒ社製分散機DCP SF−12により5時間分散し分散体5Kgを得た。
粉砕媒体として、0.5mmのジルコニアビーズを使用した。
本例は、白色微粒子を含まない例である。
Keiko-Color MPI507C(日本蛍光化学社製)(染料) 30.0質量%
Aizen spilon Red C-BH(保土谷化学社製)(染料) 1.0質量%
エスレックB BL−10(積水化学社製)(粘度調整剤) 8.5質量%
ソルフィット(クラレ社製) 60.5質量%
(溶剤:3−メトキシ,3−メチル,1−ブタノール)
これら材料を5時間撹拌した後、室温まで放置し、ピンク色のボールペンインクを得た。
本例は、白色微粒子を含まない例である。
Keiko-Color MPI567C(日本蛍光化学社製)(染料) 30.0質量%
エスレックB BL−10(積水化学社製)(粘度調整剤) 8.5質量%
ソルフィット(クラレ社製) 61.5質量%
(溶剤:3−メトキシ,3−メチル,1−ブタノール)
これら材料を5時間撹拌した後、室温まで放置し、紫色のボールペンインクを得た。
比較例1の分散体(有機白色微粒子分散体) 20.0質量%
Keiko-Color MPI567C(日本蛍光化学社製)(染料) 30.0質量%
エスレックB BL−10(積水化学社製)(染料) 7.0質量%
ソルフィット(クラレ社製) 43.0質量%
(溶剤:3−メトキシ,3−メチル,1−ブタノール)
これら材料を5時間撹拌した後、室温まで放置し、紫色のボールペンインクを得た。
比較例2の分散体(白色酸化チタン粒子分散体) 20.0質量%
Keiko-Color MPI567C(日本蛍光化学社製)(染料) 30.0質量%
エスレックB BL−10(積水化学社製)(粘度調整剤) 7.0質量%
ソルフィット(クラレ社製) 43.0質量%
(溶剤:3−メトキシ,3−メチル,1−ブタノール)
これら材料を5時間撹拌した後、室温まで放置し、紫色のボールペンインクを得た。
比較例3の分散体(比表面積15m2/gの窒化ホウ素微粒子) 20.0質量%
Keiko-Color MPI567C(日本蛍光化学社製)(染料) 30.0質量%
エスレックB BL−10(積水化学社製)(粘度調整剤) 7.0質量%
ソルフィット(クラレ社製) 43.0質量%
(溶剤:3−メトキシ,3−メチル,1−ブタノール)
これら材料を5時間撹拌した後、室温まで放置し、紫色のボールペンインクを得た。
蓋をしたガラス管に分散体を入れ、70℃1週間放置し、ガラス管中の中層の分散体を採取し粘度を測定した。得られた粘度値と初期粘度と比較した。
粘度測定は、E型粘度計(トキメック社製)を使用し25℃、剪断速度を192/秒で測定した。
蓋をしたガラス管に分散体を入れ、70℃1週間放置し、ガラス管中の中層の分散体を採取し粘度を測定し、非ニュートン粘性指数を算出した。得られた非ニュートン粘性指数と初期の非ニュートン粘性指数を比較した。
非ニュートン指数測定は、E型粘度計(トキメック社製)を使用し25℃、剪断速度を38.3〜383.0/秒の間で変化させ、得られた粘度値から算出した。
蓋をしたガラス管に分散体を入れ、70℃1週間放置した後、ガラス管の底部分に沈降物がないか確認した。
以下の評価基準に従って判断した。
○:ガラス管の底部分に沈降物ほとんどなし。
×:ガラス管の底部分に明らかに沈降物あり。
ボールペンインクを内層がポリプロピレンのチューブに搭載し、先端にボールペン用チップ、後端部に鉱油からなるフォロワー充填した三菱鉛筆社製SXR−10のボールペンリフィール形態とした。
このSXR−10のボールペンリフィールの外観視認性を確認した。
以下の評価基準に従って判断した。
○:リフィール外観色と描線色がほぼ一致し、リフィール外観色からインク色が予想可能である。
×:リフィール外観色と描線色が一致せず、リフィール外観色からインク色が予想できない。
ボールペンインクを内層がポリプロピレンのチューブに搭載し、先端にボールペン用チップ、後端部に鉱油からなるフォロワー充填した三菱鉛筆社製SXR−10のボールペンリフィール形態とした。
SXR−10のボールペンリフィール形態で50℃1週間横向きに放置した後、チューブ側面に分散体微粒子が沈降しているか確認をした。
以下の評価基準に従って判断した。
○:分散体微粒子が沈降した跡がほとんどなし。
△:分散体微粒子が沈降した跡が薄い線となって見える。
△△:分散体微粒子が沈降した跡がはっきりと線となって見える。
×:分散体微粒子が沈降した跡が非常にはっきりしている。
以上より、実施例1〜3は本発明の分散体として良好な性能を有していることが確認された。
以上より本発明の無機窒化物微粒子分散体を油性ボールペンインクに添加すると外観視認性を付与する効果があることがわかる。
以上の結果により、無機窒化物微粒子分散体中に所定の微粒子シリカを適当量添加することにより分散体微粒子の沈降を抑制できる効果があることがわかる。
これらの点に関しては、比較例1は筆記具用分散体として良好な性能を有していると考えられる。しかし、比較例1の分散体を使用したボールペンインクである比較例7のインクにおいては、有機白色微粒子であるエポスタ−Sとインク原材料である染料が相互作用を示し、有機白色微粒子であるエポスタ−Sが著しく凝集する現象が発生した。その結果、チューブにインクを充填しリフィール化する際に、ペン先にインクを供給するために遠心分離を行うが、その際に有機白色微粒子が遠心力により沈降しリフィール先端付近に集中するため、リフィール後端部においては、有機白色微粒子がほとんど存在しない状態となり、外観視認性がなくなる不具合が発生した(表1において「評価不能」で表す)。
以上より、比較例1の分散体は筆記具用分散体としては良好であるもののボールペンインクには使用できない結果が得られた。
以上より比較例2の分散体は、筆記具用分散体として非常に不安定であり適当でないことがわかる。
比較例2の分散体をボールペンインクに使用した比較例8では、酸化チタン微粒子を含む分散体を添加したため外観視認性は付与される。しかし、この分散体自体が非常に不安定であることから評価テスト5の試験において酸化チタン微粒子が著しく沈降し、沈降した跡が非常にはっきりする結果が得られた。
以上より、比較例2の分散体はボールペンインクに使用するには適当でないことがわかる。
以上より比較例3の分散体は、筆記具用分散体として非常に不安定であり適当でないことがわかる。
比較例3の分散体をボールペンインクに使用した比較例9では、窒化ホウ素微粒子を含む分散体を添加したため外観視認性は付与される。しかし、分散体自体が非常に不安定であることから評価テスト5の試験に置いて粒子が著しく沈降し、沈降した跡が非常にはっきりする結果が得られた。
以上より、比較例3の分散体はボールペンインクに使用する際には適当でないことがわかる。
以上より比較例4の分散体は、本発明の分散体と同じ窒化ホウ素微粒子を使用しているが分散体として非常に不安定であり適当でないことがわかる。しかし、発明例である実施例からわかるように、本発明の分散体で使用しているような脂肪族系の溶剤を使用することで所定の物性を示す窒化ホウ素微粒子の分散安定性が芳香族系の溶剤を使用した場合より良好になることがわかる。
比較例5は、インク色がピンクであるが外観視認できる色は暗赤色であり描線色と外観視認した際の色が異なる。比較例6は、インク色が紫であるが外観視認できる色はほとんど黒色であり描線色と外観視認した際の色が全く異なる。
以上より、本発明の分散体を添加することで描線色と外観視認できる色とが一致したインクを提供することがわかる。
Claims (8)
- 比表面積が20m2/g以上、平均粒径が130〜300nmである無機窒化物微粒子、ブチラール樹脂分散剤、並びに脂肪族アルコール類及び/または脂肪族グリコールモノエーテル類からなる溶剤を少なくとも含む筆記具用白色分散体。
- 前記無機窒化物微粒子が窒化ホウ素微粒子である請求項1記載の白色分散体。
- 比表面積が50m2/g以上である微粒子シリカをさらに含む請求項1または2記載の白色分散体。
- 請求項1〜4のいずれか一項記載の白色分散体、染料、及び溶剤を少なくとも含むボールペンインク。
- 脂肪族アルコール類及び/または脂肪族グリコールモノエーテル類が、インク中の溶剤全量に対して50〜100質量%を占める請求項5に記載のボールペンインク。
- 請求項5〜7のいずれか一項に記載のインクを用いるボールペン。
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