JP4901089B2 - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、非水電解液及びこれを用いた非水電解質二次電池に関するものであり、特に、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、及びγ−ブチロラクトンを同時に非水電解液の溶媒として用いた非水電解液及びこれを用いた高容量の非水電解質二次電池に関する。
近年、携帯電話、ノートパソコン、PDA等の移動情報端末の小型・軽量化が急速に進展しており、その駆動電源としての電池にはさらなる高容量化が要求されている。リチウムイオンが正、負極間を移動することにより充放電を行う非水電解質二次電池は、高いエネルギー密度を有し、高容量であるので、上記のような移動情報端末の駆動電源として広く利用されている。また、最近ではその特徴を利用して、携帯電話等のモバイル用途に限らず、電動工具や電気自動車、ハイブリッド自動車に至る中〜大型電池用途についても展開が進みつつある。
ここで、上記非水質電解質二次電池に用いられる非水電解液としては、通常、非プロトン性の溶媒にLiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、LiCF3SO3などのリチウム塩を溶解したものが使用されており、上記非プロトン性の溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネ一ト、エチルメチルカーボネートなどのカーボネート類、γ−ブチロラクトン、酢酸メチルなどのエステル類、ジエトキシエタンなどのエーテル類などが使用されており、特に、エチレンカーボネートやプロピレンカーボネートのような高誘電率の環状炭酸エステル化合物が広く用いられている。
上記高誘電率の環状炭酸エステル化合物は凝固点が低いことから、一般に鎖状炭酸エステル等の低沸点溶媒を50体積%以上混合させて用いているが、このように低沸点溶媒を多く混合させると、非水電解液における誘電率の低下、引火点の低下などの問題が生じる。このため、特に、電池の高エネルギー密度化、大型化が要求される近年においては、電池の充放電特性や信頼性を向上させることが不可欠となっているが、上記構成の電池では、このような要求を満たすことができない。
そこで、上記問題を考慮して、溶質にLiBF4を用い、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、及びビニレンカーボネートからなる混合溶媒を主体とした非水電解溶液を用いた非水電解質二次電池が提案されている(下記特許文献1参照)。
特開2003−203675号公報
ここで、近年、電池の高エネルギー密度化を図るべく、黒鉛などの炭素材料を負極活物質として用い、初期効率の向上を図るようなものが提案されている。ところが、上記の如くエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、及びビニレンカーボネートからなる混合溶媒を主体とした非水電解溶液を用い、炭素材料を負極活物質に用いると、非水溶媒にプロピレンカーボネート又はγ−ブチロラクトンを含むということから、初期充電時に負極上でのこれら溶媒の分解反応が生じ、十分な充放電特性を得ることができない。このことから、高エネルギー密度化、大型化などの多様化する用途に対応することができないという課題を有していた。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、高エネルギー密度で、信頼性の高い非水電解液及びこれを用いた非水電解質二次電池を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、リチウム含有遷移金属酸化物を正極活物質として用いた正極、炭素材料を負極活物質として用いた負極、及び溶質と溶媒とからなる非水電解液を有する非水電解質二次電池において、
上記溶質にはオキサラト錯体をアニオンとするリチウム塩と他種のリチウム塩とが含有されており、上記溶媒が主としてエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、及びγ−ブチロラクトンからなり、前記オキサラト錯体をアニオンとするリチウム塩が、化学式Li[M(C24xy](尚、式中Mはホウ素又はリンであり、Rはハロゲン、アルキル基、ハロゲン置換アルキル基から選択される基であり、xは正の整数、yは0又は正の整数である)で表されるとともに、前記オキサラト錯体をアニオンとするリチウム塩が溶媒に対して、0.01〜0.5モル/リットル含有されていることを特徴とする。
上記構成の如く、溶媒が主としてエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、及びγ−ブチロラクトンからなる非水電解液の溶質に、オキサラト錯体をアニオンとするリチウム塩を含有させると、この非水電解液を用いた非水電解質二次電池の充放電特性を改善することができる。これは、電解液中にオキサラト錯体をアニオンとするリチウム塩を含有させることにより、炭素材料を備えた負極表面上でプロピレンカーボネート及びγ−ブチロラクトンの分解を抑制し、安定でかつリチウムイオンの透過性に優れた被膜が形成されるためと考えられる。具体的には、以下の通りである。
上記オキサラト錯体をアニオンとするリチウム塩とは、中心原子にC24 2-が配位したアニオンを有するリチウム塩であり、当該リチウム塩の還元電位は、上記C24 2-が配位しているために、LiPF6やLiBF4などよりも高くなると考えられ、更に、上記プロピレンカーボネートやγ−ブチロラクトンよりも高くなると考えられる。このため、上記構成であれば、プロピレンカーボネートやγ−ブチロラクトンが負極と反応して分解する前にオキサラト錯体をアニオンとするリチウム塩が還元されて負極表面に安定でかつリチウムイオンの透過性に優れた被膜が形成されるものと考えられる。これにより、初期充電時に、プロピレンカーボネートやγ−ブチロラクトンが還元されるのを抑制することができ、この非水電解液を用いた非水電解質二次電池の充放電効率が向上して高エネルギー密度化が達成される。
尚、本発明における非水電解質二次電池の非水溶媒にエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、及びγ−ブチロラクトンを用いるのは、以下に示す理由による。先ず、プロピレンカーボネート及びエチレンカーボネートを用いるのは、プロピレンカーボネート及びエチレンカーボネートは誘電率が高く、且つ、沸点が各々242℃、238℃と高いことから、高エネルギー密度で、且つ信頼性の高い非水電解質二次電池を提供することができるからである。また、本発明における非水電解質二次電池の非水溶媒にγ−ブチロラクトンを用いるのは、γ−ブチロラクトンは、粘度が低く、沸点が204℃と高いことから、非水電解液の含液性やイオン導電率を下げることなく、非水電解質二次電池の信頼性を上げることができるため、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートと混合する第3の溶蝶として最も適した溶媒だからである。
上述の如く、オキサラト錯体をアニオンとするリチウム塩とは、中心原子にC24 2-が配位したアニオンを有するリチウム塩であり、上記化学式Li[M(C24xy]で表されるものが例示されるが、本発明はこれに限定するものではない。
請求項1記載の発明において、前記オキサラト錯体をアニオンとするリチウム塩における元素Mがホウ素又はリンであることを特徴とする。
このように規制するのは、元素Mがホウ素又はリンである場合、特に負極上で安定な被膜を形成するため、本発明の非水電解質二次電池の充放電特性が更に向上するからである。
オキサラト錯体をアニオンとするリチウム塩における元素Mがホウ素又はリンであるものとしては、例えば、リチウム−ビス(オキサラト)ボレート(Li[B(C242])、リチウム−ジフルオロ(オキサラト)ボレート(Li[B(C24)F2])、リチウム−ジフルオロビス(オキサラト)ホスフェート(Li[P(C2422])、リチウム−テトラフルオロ(オキサラト)ホスフェート(Li[P(C24)F4])等が例示されるが、これらに限定するものではない。
請求項記載の発明は請求項記載の発明において、前記オキサラト錯体をアニオンとするリチウム塩がリチウム−ビス(オキサラト)ボレート(Li[B(C242])であることを特徴とする。
このように規制するのは、オキサラト錯体をアニオンとするリチウム塩としてリチウム−ビス(オキサラト)ボレートを用いれば、電解液中において特に安定な錯体となり、電解液中で負極上に安定な被膜を形成するので、充放電特性が向上するからである。
請求項1記載の発明において、前記非水電解液中の溶質としてオキサラト錯体をアニオンとするリチウム塩と他種のリチウム塩とを含有していることを特徴とする。
上記構成の如くオキサラト錯体をアニオンとするリチウム塩の他に他種のリチウム塩が含有されていれば、本非水電解質二次電池の充電容量が低下するのを抑制することができる。
尚、他種のリチウム塩としては、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiCF3SO3、LiN(Cl2l+1SO2)(Cm2m+1SO2)(l、mは1以上の整数)、LiC(CP2P+1SO2)(Cq2q+1SO2)(Cr2r+1SO2)(p、q、rは1以上の整数)等が例示される。これらの溶質は、1種類で使用してもよいし、2種類以上組み合わせて使用しても良い。また、これらリチウム塩の含有量は、溶媒に対して0.5〜1.5モル/リットルであることが好ましい。
請求項1記載の発明において、前記オキサラト錯体をアニオンとするリチウム塩が溶媒に対して0.01〜0.5モル/リットル含有されていることを特徴とする。
このように規制するのは、オキサラト錯体をアニオンとするリチウム塩の含有量が0.01モル/リットル未満であると発明の効果が十分に得られない場合がある一方、0.5モル/リットルを超えると負極表面に形成される被膜が厚くなって反応抵抗が増加し、放電特性が低下するという理由による。
請求項記載の発明は請求項記載の発明において、前記オキサラト錯体をアニオンとするリチウム塩が溶媒に対して0.1〜0.4モル/リットル含有されていることを特徴とする。
このように規制すれば、請求項の作用効果が一層発揮される。
本発明によれば、非水電解液及びこれを用いた非水電解質二次電池の高エネルギー密度化と、信頼性の向上とを図ることができるという優れた効果を奏する。
以下、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の最良の形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能なものである。
〔作用極の作製〕
人造黒鉛粉末97.5質量%と、スチレンブタジエンゴム(SBR)1.5質量%と、カルボキシメチルセルロース1質量%とを混合して負極合剤とし、この負極合剤を水に分散させ負極スラリーを作製した後、この負極スラリーを銅箔に塗布し、更に乾燥、圧延することにより負極となる作用極を作製した。
〔対極の作製〕
対極としては、リチウム圧延板を用いた。
〔非水電解液の調製〕
エチレンカーボネート(EC)と、γ−ブチロラクトン(γ−BL)と、プロピレンカーボネート(PC)とを、体積比が20:20:60となるように混合して混合溶媒を調製した後、溶質として六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を0.9モル/リットル、リチウム−ビス(オキサラト)ボレート(Li[B(C242])を0.1モル/リットルの割合で溶解させた。この非水電解液100質量部に対して、4質量部のビニレンカーボネート(VC)と4質量部のリン酸トリオクチル(TOP)とを添加し、非水電解液を調製した。
〔評価用電池の作製〕
図1に示すように、上記作用極1と上記対極2とを、ガラス製の3極式ビーカーセル5内に満たされた上記電解液4中に浸漬し、且つ、リチウム金属から成る参照極3を用いて3極式の評価用電池を作製した。
上記評価用電池は、本発明による負極と電解液との充放電特性を評価するために構成したものであるため、作用極を電気化学的に放電する方向に電流が通じると、作用極にリチウムイオンが吸蔵されて充電される。また、作用極が電気化学的に充電する方向に電流が通じると、作用極からリチウムイオンが放出されて放電される。また、この評価用電池は電気容量的に金属リチウムが大過剰の状態で構成されており、この評価用電池の特性は本発明の負極と電解液との特性を示すものとして評価できるものである。
(実施例1)
実施例1としては、前記発明を実施するための最良の形態で示した電池を用いた。
このようにして作製した評価用電池を、以下、本発明電池A1と称する。
(実施例2)
非水電解液の溶質として六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を0.8モル/リットル、リチウム−ビス(オキサラト)ボレート(Li[B(C242])を0.2モル/リットルの割合で溶解させた以外は、実施例1と同様にして評価用電池を作製した。
このようにして作製した評価用電池を、以下、本発明電池A2と称する。
(実施例3)
非水電解液の溶質として六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を0.7モル/リットル、リチウム−ビス(オキサラト)ボレート(Li[B(C242])を0.3モル/リットルの割合で溶解させた以外は、実施例1と同様にして評価用電池を作製した。
このようにして作製した評価用電池を、以下、本発明電池A3と称する。
(実施例4)
非水電解液の溶質として六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を0.6モル/リットル、リチウム−ビス(オキサラト)ボレート(Li[B(C242])を0.4モル/リットルの割合で溶解させた以外は、実施例1と同様にして評価用セルを作製した。
このようにして作製した評価用電池を、以下、本発明電池A4と称する。
(実施例5)
非水電解液の溶質として六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を0.5モル/リットル、リチウム−ビス(オキサラト)ボレート(Li[B(C242])を0.5モル/リットルの割合で溶解させた以外は、実施例1と同様にして評価用電池を作製した。
このようにして作製した評価用電池を、以下、本発明電池A5と称する。
(比較例1)
非水電解液の溶質として六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を1.0モル/リットルのみ溶解させた以外は、実施例1と同様にして評価用電池を作製した。
このようにして作製した評価用電池を、以下、比較電池X1と称する。
(比較例2)
非水電解液の溶媒としてエチレンカーボネート(EC)とプロピレンカーボネート(PC)との混合溶媒(体積比EC:PC=20:80)を用い、且つ、溶質として六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を1.0モル/リットルのみ溶解させた以外は、実施例1と同様にして評価用電池を作製した。
このようにして作製した評価用電池を、以下、比較電池X2と称する。
(比較例3)
非水電解液の溶媒としてエチレンカーボネート(EC)とプロピレンカーボネート(PC)との混合溶媒(体積比EC:PC=20:80) を用い、且つ、溶質として六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を0.7モル/リットル、リチウム−ビス(オキサラト)ボレート(Li[B(C242])を0.3モル/リットルの割合で溶解させた以外は、実施例1と同様にして評価用電池を作製した。
このようにして作製した評価用電池を、以下、比較電池X3と称する。
(実験)
上記本発明電池A1〜A5及び比較電池X1〜X3における負極の充放電特性(初期充電容量、初期放電容量、及び初期充放電効率)を測定したので、その結果を表1に示す。具体的な充放電条件は、以下の通りである。
〔充放電条件〕
下記(1)〜(4)の順で充放電を行なった〔(1)〜(3)においては作用極にリチウムイオンが吸蔵され、(4)においては作用極からリチウムイオンが放出される〕。
(1)0.5mA/cm2の電流で、放電終止電位0V(vsLi/Li+)まで放電
(2)0.25mA/cm2の電流で、放電終止電位0V(vsLi/Li+)まで放電
(3)0.1mA/cm2の電流で、放電終止電位0V(vsLi/Li+)まで放電
(4)0.1mA/cm2の電流で、充電終止電位1.0V(vsLi/Li+)まで充電
表1から明らかなように、本発明電池A1〜A5は比較電池X1に比べて、充放電効率が高くなっていることが認められ、特にリチウム−ビス(オキサラト)ボレート(Li[B(C242])の含有量が多くなるにつれて充放電効率が高くなっていることが認められる。これは、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート及びγ−ブチロラクトンを含む非水電液の溶質としてオキサラト錯体をアニオンとするリチウム塩を用いることにより、負極表面にリチウムイオン透過性の高い良質な被膜が形成されることに起因するものと考えられ、特にリチウム−ビス(オキサラト)ボレートの含有量が多くなるにつれて当該作用効果がより発揮されるということに起因するものと考えられる。具体的には、以下に示す通りである。
即ち、本発明電池A1〜A5においては、約1.6V〜1.7V(vsLi/Li+)に還元電位を有するリチウム−ビス(オキサラト)ボレート(Li[B(C242])を溶質として用いている。したがって、この溶質よりも還元電位が低いプロピレンカーボネート及びγ−ブチロラクトンが還元される前に、リチウム−ビス(オキサラト)ボレートが還元されるので、負極表面にリチウムイオンの透過性の高い良質な被膜が形成される。この結果、プロピレンカーボネート及びγ−ブチロラクトンが還元されるのを抑制できるため、上記のような実験結果となったものと考えられる。
その一方、本発明電池A1〜A5は比較電池X1に比べて、充電容量が小さくなっていることが認められ、特にリチウム−ビス(オキサラト)ボレートの含有量が多くなるにつれて充電容量が小さくなっていることが認められる。
以上のことから、放電容量を最大にするという観点からは、本発明電池A3のように、リチウム−ビス(オキサラト)ボレートの含有量が0.3モル/リットル(溶質中のリチウム−ビス(オキサラト)ボレートの割合が30%程度)であることが最も望ましいということがわかる。
尚、リチウム−ビス(オキサラト)ボレート(Li[B(C242])及びγ-ブチロラクトンを含有しない比較評価用電池X2は充放電が不可能であった。また、γ−ブチロラクトンを含有しない比較評価用電池X3では、本発明電池A3と同様、リチウム−ビス(オキサラト)ボレートが非水電解液に対し0.3モル/リットルを含有しているにも関わらず、充放電が不可能であった。このことより、本発明におけるリチウム−ビス(オキサラト)ボレートを含有する非水電解液は、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートからなる溶媒にγ−ブチロラクトンを含有することでその効果を発揮することがわかる。
以上のことから、リチウム含有遷移金属酸化物からなる正極、炭素材料を含む負極、及び溶質と溶媒からなる非水電解液を有する非水電解質二次電池において、上記溶質がオキサラト錯体をアニオンとするリチウム塩[例えば、上記リチウム−ビス(オキサラト)ボレート]が含有されており、上記溶媒が主としてエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトンから構成されていれば、高エネルギー密度を有し信頼性に優れた非水電解質二次電池を提供できる。
〔その他の事項〕
(1)上記実施例では、電解液を評価すべく評価用電池を作製したが、電池の構造としてはこのような評価用電池の構造に限定するものではなく、円筒型、角型、扁平型など種々の形状の非水電解質二次電池に適用し得るものである。
また、上記非水電解質二次電池は、正極活物質、負極活物質、非水電解液の他にセパレータ、電池ケース、および活物質を保持すると共に集電を担う集電体などの電池構成部材を有して構成される。
(2)負極活物質としては上記黒鉛に限定するものではなく、グラファイト、コークス等の他の炭素材料を用いることができる。
(3)正極活物質としては上記リチウム金属に限定するものではなく、リチウムコバルト酸化物(LiCoO2)、リチウムニッケル酸化物(LiNiO2)、リチウムマンガン酸化物(LiMn24)等のリチウム含有遷移金属酸化物を用いることができる。このような正極材料を用いる場合には、これらの材料を、アセチレンブラック、カーボンブラック等の導電剤、及びポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)等の結着剤と混錬して合剤とすることにより、正極を作製することができる。
(4)非水電解液の非水溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート及びγ−ブチロラクトンの3種の混合溶媒を用いたが、このような混合溶媒にC=C不飽和結合を有する環状炭酸エステル化合物が1種以上含有されていることが更に好ましい。この場合、C=C不飽和結合を有する環状炭酸エステルであることが特に好ましく、このような環状炭酸エステルとしては、ビニレンカーボネート、4,5−ジメチルビニレンカーボネート、4,5−ジエチルビニレンカーボネート、4,5−ジプロピルビニレンカーボネート、4−エチル−5−メチルビニレンカーボネート、4−エチル−5−プロピルビニレンカーボネート、4−メチル−5−プロピルビニレンカーボネート、4−エチル−5−メチルビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、ジビニルエチレンカーボネートなどが例示される。なかでもビニレンカーボネート及びビニルエチレンカーボネートは、負極上に良好な皮膜を形成し、プロピレンカーボネートやγ−ブチロラクトンの分解を抑制することができるので、より好ましい。
尚、非水電解液中におけるC=C不飽和化合物を有する環状エステル化合物の割合は、電解液に対して1〜15質量部、より好ましくは2〜10質量部である。なぜなら、含有量が少なすぎると充放電特性の改善効果が十分に得られない場合がある一方、含有量が多すぎると負極表面上に形成される被膜が厚くなって負極の反応抵抗が増大し、充放電特性が低下する虞があるからである。
また、非水電解液の粘度を下げるために、低沸点溶媒を混合しても良い。この場合、低沸点溶媒の割合は30体積%以下であることが好ましく、特に15体積%以下であることが好ましい。尚、低沸点溶媒は、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどの鎖状カーボネートなどが例示される。
更に、溶媒の総体積に対するプロピレンカーボネートの体積比は、10体積%以上70体積%以下であることが望ましい。なぜなら、プロピレンカーボネートの体積比が70体積%を超えると、負極表面での溶媒の分解が起こりやすくなって充電容量が低下する一方、プロピレンカーボネートの体積比が10体積%未満になると、非水電解液の誘電率が低下するからである。また、このようなことを考慮すれば、溶媒の総体積に対するプロピレンカーボネートの体積比は、20体積%以上60体積%以下であることが特に好ましい。尚、エチレンカーボネートの比率については規制していないが、エチレンカーボネートの体積比が大きくなると、非水電解液の粘度が増加し、含液性の低下やイオン導電率の低下が大きくなることから、溶媒の総体積に対するエチレンカーボネートの体積比は30体積%以下であることが好ましい。
(5)本発明においては、セパレータヘの濡れ性を向上させるため、リン酸トリオクチルやエステルなどの界面活性剤を非水電解液に添加することが好ましい。この場合の界面活性剤の添加量は、非水電解液100質量部に対して0.5〜5質量部程度であることが好ましい。
(6)本発明に係わる非水電解質二次電池の作製工程において、電解液注入後の最初の充電を、10時間率(0.1It)以下の電流値で行うことが好ましい。なぜなら、最初の充電電流が10時間率より大きいと、C=C不飽和結合を有する環状炭酸エステル化合物による被膜の形成が均一に行われず、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトンの分解が促進され、放電特性が低下するからである。また、この最初の充電に関して、電池容量の10%以上の容量を10時間率以下の電流値で行うことが好ましく、その後は10時間率より大きい電流密度で充電を行うことも可能である。
本発明は、例えば携帯電話、ノートパソコン、PDA等の移動情報端末の駆動電源のみならず、電気自動車やハイブリッド自動車の車載用電源等の大型電池に適用することもできる。
評価用電池の構成を示す説明図である。
符号の説明
1 作用極
2 対極
3 参照極
4 電解液
5 3極式ビーカーセル

Claims (3)

  1. リチウム含有遷移金属酸化物を正極活物質として用いた正極、炭素材料を負極活物質として用いた負極、及び溶質と溶媒とからなる非水電解液を有する非水電解質二次電池において、
    上記溶質にはオキサラト錯体をアニオンとするリチウム塩と他種のリチウム塩とが含有されており、上記溶媒が主としてエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、及びγ−ブチロラクトンからなり、前記オキサラト錯体をアニオンとするリチウム塩が、化学式Li[M(C24xy](尚、式中Mはホウ素又はリンであり、Rはハロゲン、アルキル基、ハロゲン置換アルキル基から選択される基であり、xは正の整数、yは0又は正の整数である)で表されるとともに、前記オキサラト錯体をアニオンとするリチウム塩が溶媒に対して、0.01〜0.5モル/リットル含有されていることを特徴とする非水電解質二次電池
  2. 前記オキサラト錯体をアニオンとするリチウム塩が、リチウム−ビス(オキサラト)ボレート(Li[B(C242])である、請求項1記載の非水電解質二次電池
  3. 前記オキサラト錯体をアニオンとするリチウム塩が溶媒に対して、0.1〜0.4モル/リットル含有されている、請求項1または請求項2に記載の非水電解質二次電池
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