JP4910860B2 - 画像ファイル作成装置、画像処理装置、画像処理システム、およびプログラム - Google Patents

画像ファイル作成装置、画像処理装置、画像処理システム、およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、色の見えを考慮して画像ファイルを扱う画像ファイル作成装置、画像処理装置、画像処理システム、およびプログラムに関する。
多色の画像データや画像そのものを入力デバイスで取り込んだり、出力デバイスにより表示やプリント出力する場合、それぞれのデバイスの特性に応じた色再現領域が定まる。例えば画像を画像形成装置により出力する場合、出力指示された画像に再現できない色が含まれているとき、この色を再現可能な色範囲に収めるための変換処理(色域圧縮処理や色補正処理)が行われる。画像形成装置等のデバイスでは、色材を用いて画像が形成され、これらの色材の色を要素とするデバイス色空間で画像の色が表現される。デバイス色空間の一例にはCMYK色空間等が知られている。また、色に関する変換処理では、個々のデバイスの特性に依存しない色空間(デバイス非依存色空間)で処理することが望ましい。デバイス非依存色空間の一例にはCIELAB色空間やCIEXYZ色空間等が知られている。
このように異なるデバイス間で色を管理するために、カラーマネージメントシステム(CMS)が知られている。CMSは、デバイスに依存しない色空間CIEXYZ色空間やCIELAB色空間等を介してデバイス間で色情報を交換することで、異なるデバイス間でも測色的な色の管理が可能になる。
ところが、色画像は、その色画像を観察する周囲環境に対する依存性がある。このため、観察環境により色の見え方がことなる場合があった。そこで、観察環境により色の見え方が異なるという色の見えの問題も解決するため、CMSに色の見えモデル(CAM)の概念が導入されて、観察環境による見え方の違いを考慮したシステムが提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。このようなシステムでは観察環境のデータが必要になる。このため、特許文献1では、着脱式の環境光源計測部を設けて、出力装置とは離れた、出力物が実際に観察される環境の光源を測定が可能にしている。また特許文献2では、ハードコピー間の色の見えを合わせるため、各出力装置の視環境と紙の色のデータをセンサにより取得し、色の見えを合わせるように補正している。
特開平09−080849号公報 特開平11−146214号公報
しかしながら、色画像の見え方を考慮するためにセンサを設けることはコスト高になると共に、センサの精度を維持するためには定期的な校正が必要であり管理が煩雑になる。なお、色画像の見え方は観察環境に依存するため、測定値が大きく変動する場合がある。すなわち、外光の影響や周辺物の色や配置、測定や照明装置の位置関係などにより同じ環境でも測定値が大きく異なる場合がある。
また、センサを用いることなく、観察環境条件に対応する補正値を予め準備して、これを設定することで、色画像の見え方を考慮することが考えられるが、この場合、熟練者等のように色画像の見え方についての高い知識が要求され、不適切な設定がなされる可能性が高い。
さらに、印刷業界等では、複数の色画像について測色的な一致を行なうカラーマネージメントが要求される場合ある。ところが、上述のようにCAMが導入されたCMSでは、観察条件を適切に設定しないと測色的な一致を実現することができない。
本発明は上記事実を考慮して成されたもので、色の見えを考慮した色画像作成者の意図を簡便に反映させつつ画像ファイルを扱うことができる画像ファイル作成装置、画像処理装置、画像処理システム、およびプログラムを得ることが目的である。
請求項1の発明の画像ファイル作成装置は、色画像を表す画像データと、前記画像データをデバイス非依存色空間の色データへ変換するときの変換条件と、前記色画像を作成したときにおける前記色画像を観察するときの色の見えに関係する観察環境を表す基本観察条件と、を取り込む取込手段と、前記色画像を作成したときに指定されかつ前記画像データを用いて形成される形成画像を観察するときの色の見えに関係する観察環境を表す目的観察条件を入力する入力手段と、前記画像データ、変換条件および基本観察条件の各々を格納するための主格納領域と、前記画像データを用いて形成される形成画像を観察するときの目的観察条件を格納するための副格納領域と、を備え、前記主格納領域に前記取込手段で取り込んだ前記画像データ、変換条件および基本観察条件を格納すると共に、前記副格納領域に前記入力手段で入力した目的観察条件を格納した画像ファイルを作成する作成手段と、を備えている。
請求項1の発明によれば、画像データ、変換条件および基本観察条件が格納される主格納領域と、目的観察条件が格納される副格納領域とを備えた画像ファイルが作成される。このように、色画像作成時における色の見え方を定める情報が主格納領域に格納されており、画像ファイルを用いて色画像を形成するための基本データを容易に得ることができる。また、画像ファイルを用いて色画像を形成するときの観察条件を副格納領域に格納される目的観察条件を用いれば、色の見えを考慮した色画像作成者の意図を簡便に反映させて色画像を形成することができる。
請求項2の発明の画像処理装置は、色画像を表す画像データと、前記画像データをデバイス非依存色空間の色データへ変換するときの変換条件と、前記色画像を作成したときにおける前記色画像を観察するときの色の見えに関係する観察環境を表す基本観察条件と、を少なくとも含む画像ファイルを読み取る読取手段と、前記色画像を作成したときに指定されかつ前記画像データを用いて形成される形成画像を観察するときの色の見えに関係する観察環境を表す目的観察条件に対応するものとして予め定めた初期観察条件を記憶する記憶手段と、前記読取手段で読み取った画像ファイルから前記目的観察条件を抽出する抽出手段と、前記記憶手段に記憶された初期観察条件または前記抽出手段で抽出した目的観察条件を、色の見えを反映させた色変換のための観察条件として選択する選択手段と、前記選択手段で選択した観察条件と、前記画像ファイルの画像データ、変換条件および基本観察条件と、に基づいて、デバイス非依存色空間の色データへ変換する色変換手段と、を備えている。
なお、選択手段は、初期観察条件および目的観察条件に優先順位を予め定めておき、色の見えを反映させた色変換のための観察条件を自動的に選択することができる。また、初期観察条件および目的観察条件を入力指定装置等により選択することもできる。
請求項2の発明によれば、画像ファイルを読み取り、初期観察条件または、読み取った画像ファイルから抽出した目的観察条件を、色の見えを反映させた色変換のための観察条件として選択する。従って、色の見えを考慮した色画像作成者の意図を簡便に反映させて色画像を形成することができる。
請求項3の発明は、請求項2に記載の画像処理装置において、前記抽出手段は、前記読取手段で読み取った画像ファイルから副格納領域を検出すると共に副格納領域が存在すると検出したとき、該副格納領域に格納されているデータを目的観察条件として抽出することを特徴とする。
請求項3の発明によれば、読み取った画像ファイルに副格納領域が存在するときにそのデータを目的観察条件として抽出するので、自動的に目的観察条件を特定することができる。
請求項4の発明は、請求項2に記載の画像処理装置において、前記抽出手段は、前記読取手段で読み取った画像ファイルから主格納領域及び副格納領域を検出すると共に主格納領域及び副格納領域が存在すると検出したとき、該副格納領域に格納されているデータを読み取り、読み取ったデータが予め定めた目的観察条件に対応しないとき、前記主格納領域に格納されているデータを目的観察条件として抽出することを特徴とする。
請求項4の発明によれば、読み取った画像ファイルの副格納領域に格納されているデータが予め定めた目的観察条件に対応しないとき、例えば「0」や「空」のとき、主格納領域に格納されているデータを目的観察条件として抽出する。このため、色画像作成者が色画像作成時における色の見えを意図として簡便に反映させて色画像を形成することができる。
請求項5の発明は、請求項2に記載の画像処理装置において、前記抽出手段は、前記読取手段で読み取った画像ファイルから主格納領域及び副格納領域を検出すると共に副格納領域が存在しないと検出したとき、前記主格納領域に格納されているデータを目的観察条件として抽出することを特徴とする。
請求項5の発明によれば、読み取った画像ファイルに副格納領域が存在しないときであっても、色画像作成者が色画像作成時における色の見えを意図として簡便に反映させて色画像を形成することができる。
請求項6の発明は、請求項2に記載の画像処理装置において、前記抽出手段は、前記読取手段で読み取った画像ファイルから副格納領域を検出すると共に副格納領域が存在しないと検出したとき、予め定めた初期観察条件を目的観察条件として抽出し、かつ前記記憶手段に記憶された初期観察条件が前記観察条件として選択されるように前記選択手段を制御する、ことを特徴とする。
請求項6の発明によれば、読み取った画像ファイルに副格納領域が存在しないとき、初期観察条件を観察条件として選択することができるので、目的観察条件が存在しないときに、初期観察条件で色画像を形成することができる。
請求項7の発明の画像処理システムは、請求項1に記載の画像ファイル作成装置と、請求項2乃至請求項6の何れか1項に記載の画像処理装置と、前記画像ファイルを装置間で授受するための授受手段と、を備えている。
請求項7の発明の画像処理システムによれば、画像ファイルを用いて色画像を容易に形成することができ、目的観察条件によって色の見えを考慮した色画像作成者の意図を簡便に反映させて色画像を形成することができる画像処理システムを容易に構築することができる。
請求項8の発明は、コンピュータを、色画像を表す画像データと、前記画像データをデバイス非依存色空間の色データへ変換するときの変換条件と、前記色画像を作成したときにおける前記色画像を観察するときの色の見えに関係する観察環境を表す基本観察条件と、を取り込む取込手段と、前記色画像を作成したときに指定されかつ前記画像データを用いて形成される形成画像を観察するときの色の見えに関係する観察環境を表す目的観察条件を入力する入力手段と、前記画像データ、変換条件および基本観察条件の各々を格納するための主格納領域と、前記画像データを用いて形成される形成画像を観察するときの目的観察条件を格納するための副格納領域と、を備え、前記画像ファイルの主格納領域に前記取込手段で取り込んだ前記画像データ、変換条件および基本観察条件を格納すると共に、前記画像ファイルの副格納領域に前記入力手段で入力した目的観察条件を格納した画像ファイルを作成する作成手段と、として機能させる画像ファイル作成処理プログラムである。
本発明によれば、コンピュータを、前記各手段として機能させるので、コンピュータが本画像ファイル作成プログラムを実行させることで、請求項1に記載の画像ファイル作成装置として機能することになり、前記と同様に、色の見えを考慮した色画像作成者の意図を簡便に反映させて色画像を形成することができる。
請求項9の発明は、コンピュータを、色画像を表す画像データと、前記画像データをデバイス非依存色空間の色データへ変換するときの変換条件と、前記色画像を作成したときにおける前記色画像を観察するときの色の見えに関係する観察環境を表す基本観察条件と、を少なくとも含む画像ファイルを読み取る読取手段と、前記色画像を作成したときに指定されかつ前記画像データを用いて形成される形成画像を観察するときの色の見えに関係する観察環境を表す目的観察条件に対応するものとして予め定めた初期観察条件を記憶する記憶手段と、前記読取手段で読み取った画像ファイルから前記目的観察条件を抽出する抽出手段と、前記記憶手段に記憶された初期観察条件または前記抽出手段で抽出した目的観察条件を、色の見えを反映させた色変換のための観察条件として選択する選択手段と、前記選択手段で選択した観察条件と、前記画像ファイルの画像データ、変換条件および基本観察条件と、に基づいて、デバイス非依存色空間の色データへ変換する色変換手段と、として機能させる画像処理プログラムである。
本発明によれば、コンピュータを、前記各手段として機能させるので、コンピュータが本画像処理プログラムを実行させることで、請求項2に記載の画像処理装置として機能することになり、前記画像処理装置と同様に、色の見えを考慮した色画像作成者の意図を簡便に反映させて色画像を形成することができる。
以上説明したように本発明によれば、画像データ、変換条件および基本観察条件が格納される主格納領域と、目的観察条件が格納される副格納領域とを備えた画像ファイルが作成されるので、画像ファイルを用いて色画像を容易に形成することができ、目的観察条件によって色の見えを考慮した色画像作成者の意図を簡便に反映させて色画像を形成することができる、という優れた効果を有する。
以下、図面を参照して本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。
〔色管理の概念プロセス〕
まず、本発明の実施形態の一例を説明するにあたって前提となる、色画像および画像ファイルを含むデータの扱いについての概念を説明する。
図4は、第1観察環境において目視される色画像から、第2観察環境において目視される色画像を形成するまでの過程について色の見え方を一致させつつ処理を可能とする概念プロセスを示したものである。
色画像は、観察する環境により、色の見え方が変動する。すなわち、外光の影響や周辺物の色や配置、そして照明装置の色や位置関係などにより観察環境は異なる。観察する環境が異なると、色の見え方(色に対する感じ方や知覚のされ方)が変化する。このため、同じ色刺激(同一の色画像)であっても、観察する環境が異なると異なる色に見えてしまう。そこで、色管理という側面から色の扱いを考えると、デバイス依存領域100,デバイス非依存領域102,色の見え表現領域104の3つの領域に分離して色を扱うことを想定した。
従来のCMSは、デバイスの色値による任意の表色系(例えばRGBやCMY)の色画像を、異なる表色系の色画像で形成するために、デバイスに依存しない色空間CIEXYZ色空間やCIELAB色空間等を介して色変換することで、異なるデバイス間で色再現を可能としていた。すなわち、図4に示すように、任意表色系(RGB表色系)の画像データ110を、デバイス非依存色空間(L*a*b*空間)の色データに変換する系を、第1のデバイスモデル114として、デバイス非依存色空間の色データを得る。一方、他の表色系(CMYK表色系)の画像データ126から、デバイス非依存色空間(L*a*b*空間)の色データに変換する系を、第2のデバイスモデル124として、その逆変換を実行することで、デバイス非依存色空間の色データからCMYK表色系の画像データ126を得ることができる。
このように、従来のCMSは、デバイス依存領域100とデバイス非依存領域102との間でのみ色を扱えば目的を達成可能であった。
色画像について観察環境を考慮するためには、色の見え方という概念を導入する必要がある。そこで、デバイス依存領域100とデバイス非依存領域102とに加えて色の見え表現領域104という概念まで拡張して考える。
測色的な色の扱いはデバイス非依存領域102における色データにより再現可能に維持確保できる。従って、色画像に対して観察環境に関するデータを付加すれば色画像について観察環境を考慮できる。そこで、デバイス依存領域100で画像データ110を作成したときの観察環境を第1観察環境112として、デバイス非依存色空間(L*a*b*空間)の色データに第1観察環境112のデータを反映させることで、観察環境を含む画像ファイル(JCh)に変換する系を、第1の色の見えモデル116とする。これにより、観察環境を含む画像ファイルを得ることができる。そして、第1のデバイスモデル114と第2のデバイスモデス124との色域の違いを補正するものをモデル118とする。一方、他の観察環境(第2観察環境128)を反映させる系を第2の色の見えモデル120とする。従ってその系の逆変換を実行することで、画像ファイルからデバイス非依存色空間の色データを得ることができる。
このように、観察環境を含む画像ファイルを扱うことによって、色画像について観察環境を考慮して、色の見え方が一致するように色再現することが可能となる。
なお、詳細は後述するが、本実施形態では、上記概念をさらに拡張して、第2の色の見えモデル120と、色画像の作成時に、その色画像の出力側における推奨する観察環境を反映させた推奨色の見えモデル122を利用可能にしている。これにより、第2観察環境128に関係することなく作成側の意図で推奨する観察環境による色画像を形成することができ、測色的な色の一致を実現できる。
(画像ファイル)
次に、本実施形態で扱う色画像を表現するための画像ファイルについて説明する。
図5は、本実施形態で扱う色画像を表現するための画像ファイルのデータ構造を示したものである。画像ファイル80は、主格納領域82と、副格納領域90とを含んでいる。
主格納領域82には、画像データ84,プロファイル86,及び観察条件88が格納される。画像データ84は、色画像を作成したときの任意表色系における色値であり、図4に示すRGB表色系の画像データ110に相当する。プロファイル86は、任意表色系の画像データをデバイス非依存色空間の色データに変換する系についての既知の数式の変換係数等であり、図4に示す第1のデバイスモデル114としてデバイス非依存色空間の色データを得る係数が対応する。観察条件88は、色画像を作成したときの観察環境を表すものであり、図4の第1観察環境112を数値化したものである。
また、副格納領域90には、観察条件92が格納される。この観察条件92は、詳細は後述するが、例えば作成時に追加するもので、主格納領域82に格納されたデータにより形成される色画像について、作成時の意図として推奨する観察条件を反映させるためのものである。
このように、本実施形態では、画像ファイル80として、主格納領域82と副格納領域90とからなることを想定しているが、主格納領域82のみからなる画像ファイルを扱うこともできる(詳細は後述)。これは、副格納領域90の有無や観察条件92の内容の適否を判断し、観察条件を決定すればよいためである。
(色の見えモデル)
次に、第1の色の見えモデル116,または第2の色の見えモデル120について説明する。色の見えモデルは、以下の数式により変換される系を示すものである。
まず、観察環境は、数値化して入力する必要がある。この入力は、キーボード等の入力装置で実行してもよく、センサで自動的に実行してもよい。入力すべき項目は次の項目である。
・順応視野輝度(cd/m):L
・白基準の相対三刺激値:X,Y,Z
・背景部の相対輝度:Yb
・周辺の影響度:c
・色誘導因子:Nc
・順応度因子:F
なお、周辺の影響度c、色誘導因子Nc、順応度因子Fは、周辺環境に応じて関連した値とすることができる。
また、上記のほかに色画像の色そのものの表現としては、色画像サンプルの相対三刺激値:X,Y,Zを用いることができる。
上記入力項目を用いて、色順応補正処理を、次の数式を用いて実行する。
Figure 0004910860
次に、環境依存定数を、次の数式を用いて算出する。
Figure 0004910860
次に、錐体応答補正処理を、次の数式を用いて実行する。
Figure 0004910860
上記各計算結果を用いて、色色の見えの相関量を、次の数式を用いて求める。
Figure 0004910860
Figure 0004910860
以上の計算過程の数式はモデルの過程を示し、計算結果による色の見えの相関量は、第1の色の見えモデル116等の変換結果を示す。従って、観察条件88には、少なくとも上述の入力データを格納すればよい。
なお、上記変換をするための数式および係数は、予め格納してもよく、外部から読み出すようにしても良い。この場合、上述の数式は、予めコンピュータのメモリに記憶させておくことができる。また、上記では、デバイス非依存の色空間の値として、三刺激値を用いたが、これに限定されるものではなく、他のデバイス非依存の色空間でもよい。
〔色管理システム〕
次に、上述の概念および構成を基にして本実施形態の一例を詳細に説明する。
図1には本発明が適用可能な色管理システム10が示されている。この色管理システム10は、色画像を表す画像ファイルを作成するための画像ファイル作成部12と、画像ファイルを用いて色画像を形成するための画像形成部14とを備えている。これらの画像ファイル作成部12と画像形成部14は、通信回線16によりデータやコマンドを授受可能に接続されている。なお、図1では色管理システムとして、通信回線16により画像ファイル作成部12と画像形成部14とを接続する場合を説明するが、画像ファイル作成部12と画像形成部14とを接続することなく、独立して構成してもよい。この場合、フレキシブルディスク等の記録媒体に画像ファイル(データ)を格納して、画像ファイル作成部12と画像形成部14との間で画像ファイルを授受するようにすればよい。
画像ファイル作成部12は、色画像を表す画像ファイルとして、色画像のもととなる画像データに各種プロファイルや各種条件を付与した画像ファイル(図5)を作成するものである。一方、画像形成部14は、画像ファイル作成部12で作成された画像ファイルを用いて、色変換処理(図4)を行うものである。
画像ファイル作成部12は、作成側デバイス20と、作成側色変換部22と、作成側出力インタフェース24とを備えている。なお、詳細は後述するが、本実施形態では、画像ファイル作成部12が作成側色変換部22を有するが、この作成側色変換部22は色変換処理を行うことが必須ではない。すなわち、少なくとも後段の処理で色変換処理が可能なように色変換処理のためのプロファイルを付与する機能部であればよい。
図1では、画像ファイル作成部12の主要機能をブロック図として示しているが、画像ファイル作成部12は、一例として図示を省略したコンピュータ構成としており、CPU、メモリ、及びキーボードやディスプレイ等の周辺装置によるハードウェア資源と、メモリに格納された処理プログラムやデータによるソフトウェア資源を備えている。これらハードウェア資源とソフトウェア資源とを用い、コンピュータにおいて処理プログラムを実行することで、作成側デバイス20、作成側色変換部22、作成側出力インタフェース24の機能を実現することができる。
作成側デバイス20は、色画像を作成するための色画像データ、例えば印刷対象の画像を表す画像データを作成するためのデバイスであり、原稿を読み取るスキャナや画像データを出力する他のコンピュータ(例えばRGB色空間における色で表現されたカラー画像の画像データを入力する装置)が一例として挙げられる。また、作成側デバイス20は、前記スキャナや他のコンピュータから画像データを入力する画像データ入力部として機能するようにしてもよい。
また、作成側デバイス20は、画像ファイル作成部12として用いるコンピュータのハードウェア資源とソフトウェア資源とから構成される場合もある。すなわち、コンピュータに予め格納済みの作図等のアプリケーションプログラムを、コンピュータにおいて実行させることによって、色画像データを作成するようにしてもよい。
作成側色変換部22は、色変換処理を実行する、または後段の処理で色変換処理が可能なように色変換処理のためのプロファイルを色画像データに付与する機能部である。例えば、作成側色変換部22は、詳細を後述するように(図2)、作成済みの色画像データに、色の見え方を反映させるための色変換処理を実行したり、各種プロファイルを付与したりする機能部である。この作成側色変換部22において、画像ファイル(図5)が作成される。
作成側出力インタフェース24は、作成側色変換部22で作成された画像ファイルを画像ファイル作成部12の外部へ出力可能な形態に変換する機能部である。一例としては、通信回線16で画像ファイルを授受するために所定のプロトコルに従った信号に変換して出力する機能を有する。また、記録媒体に記憶する形態を利用するときは、フレキシブルディスクへの書き込み装置を備えて、フレキシブルディスクへ画像ファイルを書き込む処理を実行する機能部である。
一方、画像形成部14は、出力側入力インタフェース30と、出力側色変換部32と、出力側デバイス34とを備えている。この画像形成部14も、図1では主要機能をブロック図として示しているが、図示を省略したコンピュータ構成としており、CPU、メモリ、及びキーボードやディスプレイ等の周辺装置によるハードウェア資源と、メモリに格納された処理プログラムやデータによるソフトウェア資源を備えている。これらハードウェア資源とソフトウェア資源とを用い、コンピュータにおいて処理プログラムを実行することで、出力側入力インタフェース30,出力側色変換部32,出力側デバイス34の機能を実現することができる。
なお、画像形成部14は、カラー複写機で代表される画像形成装置に内蔵することができる。画像形成装置としては、CMYK各色のトナーを用いて電子写真方式でカラー画像を形成した後に用紙上に転写・定着させる構成を用いることが可能であるが、これに限られるものではなく、CMYK各色のインクをノズルから記録液滴として吐出させて用紙上にカラー画像を形成させるインクジェット方式等の他の方式で用紙上に画像を形成させる構成を採用することも可能である。さらに、CMYKの4色に限らず多色印刷であっても本構成を採用可能である。
出力側入力インタフェース30は、色の見え方を反映させつつ色画像を形成するための画像ファイルを取得するためのインタフェースである。一例としては、画像ファイル作成部12の作成側出力インタフェース24から送信された画像ファイルを受け取る機能部である。すなわち出力側入力インタフェース30は、所定のプロトコルに従った信号を通信回線16を介して受信し、受信した信号を画像ファイルに変換して出力する機能を有する。他例としては、画像ファイルが記録媒体に記憶される形態の場合、フレキシブルディスクからの読み取り装置を備えて、フレキシブルディスクから画像ファイルを読み取る処理を実行する機能部である。
出力側色変換部32は、詳細を後述するように(図3)、取得した画像ファイルを、色の見え方を反映させつつ画像形成するための画像ファイルに変換する色変換処理を実行する機能部である。
出力側デバイス34は、出力側色変換部32で作成された画像ファイルを色画像として形成する機能部である。一例としては、画像形成装置の本体が対応する。すなわち、出力側デバイス34は、入力された画像データによる色画像を形成するデバイスであり、例えばカラー複写機で代表される画像形成装置(例えばCMYK各色の色材を用いて用紙上にカラー画像を形成(印刷)する装置)が一例として挙げられる。なお、出力側デバイス34は、画像形成装置へいろ画像データを出力する処理を実行する機能部として構成してもよい。
(作成側色変換部)
図2は、作成側色変換部22の概略構成を示したものである。以下の説明では、作成側色変換部22として後段の処理で色変換処理が可能なように色変換処理のためのプロファイルを画像データに付与する機能部として説明する。作成側色変換部22は、作成側デバイスデータ入力部40,デバイス非依存プロファイル生成部42,入力部48が接続された観察環境非依存プロファイル生成部44、入力部52が接続された画像ファイル生成部50,及び出力部54を備えている。なお、図2では作成側色変換部22の機能ブロック図を示しているが、作成側色変換部22は、図示しないコンピュータのCPUが予め記憶された所定の処理プログラムを実行することで実現することができる。
作成側デバイスデータ入力部40は、作成側デバイス20からの画像データを受け取り、デバイス非依存プロファイル生成部42へ出力する機能部である。
デバイス非依存プロファイル生成部42は、作成側デバイスデータ入力部40から入力された画像データの色空間が後段で用いる色空間と異なる場合に、後段で用いる色空間への色空間変換処理を行うときの係数をプロファイルとして生成し、記憶する機能部である。すなわち、入力された画像データがデバイス非依存の色空間での画像データではないときに、デバイス非依存の色空間での画像データに変換処理するときの係数をプロファイルとして生成するものである。ここでは、デバイスに依存しない色空間として、例えばCIE−L*a*b*などの色空間を用いる。なお、作成側デバイスデータ入力部40から入力される画像データに例としては、CRT等に表示させるためのRGB色空間におけるカラー画像データや、CMY色空間、CMYK色空間におけるカラー画像データがある。このため、デバイス非依存プロファイル生成部42は、デバイス依存色空間からデバイス非依存色空間への変換を行うと共に、その係数をデバイス非依存プロファイルとして生成する。
観察環境非依存プロファイル生成部44は、上述の色の見えモデル(図4)を得るためのプロファイルを生成する機能部であり、その色の見えモデルにおける数式の係数をプロファイル(観察環境非依存プロファイル)として生成し、記憶する。この観察環境非依存プロファイル生成部44には、入力部48が接続されている。この入力部48は、作成時の観察環境(図4の第1観察環境112)を示す基本観察条件を入力するための機能部である。この基本観察条件から観察環境非依存プロファイルが生成されて作成側の観察条件(図5)として格納される。なお、入力された基本観察条件をそのまま作成側の観察条件として格納してもよい。
画像ファイル生成部50は、色の見え方を考慮可能な画像ファイル80を作成する機能部である。この画像ファイル生成部50には、入力部52が接続されている。この入力部52は、作成時に、作成した色画像の推奨する観察環境を示す目的観察条件(以下、推奨観察条件という。)を入力するための機能部である。画像ファイル生成部50は、観察環境非依存プロファイル生成部44と同様に、入力部52で入力された推奨観察条件に対応する色の見えモデルにおける数式の係数をプロファイル(推奨観察環境依存プロファイル)として生成し、記憶する。この推奨観察条件から推奨観察環境依存プロファイルが生成されて出力側の観察条件(図5)として格納される。なお、入力された推奨観察条件をそのまま出力側の観察条件として格納してもよい。
この画像ファイル生成部50は、作成側デバイスデータ入力部40で取得した画像データ,デバイス非依存プロファイル生成部42で生成したデバイス非依存プロファイル,そして観察環境非依存プロファイル生成部44で生成した観察環境非依存プロファイルである観察条件を、主格納領域82に格納する。そして、推奨観察条件として生成し、記憶した推奨観察環境依存プロファイルである観察条件を、副格納領域90に格納する。これによって、画像ファイル80(図5)が生成される。
出力部54は、画像ファイル生成部50で生成された画像ファイル80を作成側出力インタフェース24へ出力する機能部である。
(出力側色変換部)
図3は、出力側色変換部32の概略構成を示したものである。出力側色変換部32は、画像ファイル入力部60,入力部64が接続された観察条件判定部62、観察環境依存色変換部70,デバイス依存色変換部72,及び出力部74を備えている。観察環境依存色変換部70には、スイッチ部68を介して初期観察条件格納部66が接続されている。このスイッチ部68には、観察条件判定部62も接続されており、観察環境依存色変換部70へ出力する観察条件を観察条件判定部62からのものか初期観察条件格納部66からのものかをスイッチ部68で切り替え可能になっている。なお、図3では出力側色変換部32の機能ブロック図を示しているが、出力側色変換部32は、図示しないコンピュータのCPUが予め記憶された所定の処理プログラムを実行することで実現することができる。
画像ファイル入力部60は、出力側入力インタフェース30からの画像ファイルを受け取り、観察条件判定部62へ出力する機能部である。
観察条件判定部62は、入力された画像ファイルについて色の見え方を反映させるモードを判定する機能部である。観察条件判定部62には、入力部64が接続されており、モード設定のための入力値が入力されるようになっている。このモードには、自動的に推奨観察条件を利用する推奨モード、推奨観察条件を利用することなく画像形成部14側で予め定めた観察条件を利用する通常モード、推奨観察条件を利用できる場合に推奨観察条件を利用しかつ利用できない場合に予め定めた観察条件を利用する合成モードがある。このモードの設定に応じて、観察条件判定部62は、詳細を後述するように、スイッチ部68を切り替えて観察条件を出力する。
観察環境依存色変換部70は、上述の色の見えモデル120,122(図4)を得るための観察環境非依存プロファイルを基にして、デバイス非依存色空間の色データに色変換する機能部である。この観察環境依存色変換部70は、主格納領域82に格納された作成時の観察条件による画像ファイルを基準として、初期観察条件格納部66に格納された初期観察条件または観察条件判定部62からの推奨観察条件の何れかを反映させて色の見えモデルの逆変換を実行する。
デバイス依存色変換部72は、入力されたデバイス非依存色空間の画像データをデバイス依存色空間の画像データへ色空間変換処理を行う機能部である。図4の例では、カラープリンタなどのYMCK色空間の画像データがデバイス依存色空間の画像データであるため、デバイス依存色変換部72は、デバイス非依存色空間(ここではCIE−L*a*b*などの色空間)の色データを、デバイス依存色空間(ここではYMCK色空間)への画像データに色空間変換処理を行う。この色空間変換の手順としては、例えば、デバイス色空間であるCMYK色空間からデバイス非依存色空間であるCIELAB色空間への順方向でモデル化し、その逆のモデルによりデバイス非依存色空間であるCIE−L*a*b*色空間からデバイス色空間であるCMYK色空間への変換を行うための色変換係数を求める。モデルの作成方法としては、例えば「Makoto Sasaki and Hiroaki Ikegami, "Proc. of International Congr ess of Imaging Science 2002",(2002),p.413-141」(以下、技術文献という)に記載されている方法などを用いることができる。
なお、デバイス依存色変換部72は、デバイス非依存色空間のまま出力してもよい。この場合にはデバイス依存色変換部72の処理は不要であり、デバイス依存色変換部72を設けずに構成してもよい。
(色管理システムの動作)
次に、本実施形態の作用を説明する。図6には、画像ファイル作成部12において実行されるプロセスをフローチャートして示した。また、図7には、画像形成部14において実行されるプロセスをフローチャートして示した。なお、ここでは、色管理システム10における上記構成のうち画像ファイル作成部12および画像形成部14における処理をプログラム化して、そのプログラムを実行する場合を説明する。なお、上記各構成における処理をプログラム化することにより、コンピュータを上記各構成として機能させることもできる。
画像ファイル作成部12には、図6に示す画像ファイル作成処理ルーチンが予めメモリに記憶されており、キーボード等の入力装置によるユーザの指示によって、この処理ルーチンが実行される。
まずステップ200では、画像ファイルを作成するめの対象デバイスの色空間における色画像の画像データを読み取り、次のステップ202においてデバイス非依存のプロファイルを生成し、一時的に記憶する。この時点で色画像の画像データは、デバイス非依存プロファイルを用いてデバイス非依存の色データに変換することができる。このステップ200の処理は作成側デバイス20で取得したデータを作成側デバイスデータ入力部40で入力する機能に対応し、ステップ202の処理はデバイス非依存プロファイル生成部42の機能に対応する。
次のステップ204では、基本観察条件を読み取り、次のステップ206において観察環境非依存プロファイルを生成し、一時的に記憶する。この時点で、色画像の画像データに、作成時の環境条件を付与することが可能になる。このステップ204の処理は観察環境非依存プロファイル生成部44において入力部48からの入力データを読み取る機能に対応し、ステップ206は観察環境非依存プロファイル生成部44の機能に対応する。
次のステップ208では、推奨観察条件を読み取り推奨観察環境依存プロファイルを生成して、次のステップ210において画像ファイルを生成する。すなわち、一時的に記憶したデバイス非依存プロファイル、観察環境非依存プロファイルおよび推奨観察環境依存プロファイルを、色画像の画像データに付与することによって、画像ファイルを生成する。この時点で、色画像の画像データに、作成時の環境条件と、作成時に作成者が推奨する観察環境を想定した観察条件が付与された画像ファイルとなる。このステップ208の処理は画像ファイル生成部50において入力部52からの入力データを読み取る機能に対応し、ステップ210は画像ファイル生成部50の機能に対応する。
以上のようにして画像ファイルが生成されると、ステップ212においてその画像ファイルを出力する。このステップ212の処理は、出力部54から出力した画像ファイルを作成側出力インタフェース24により外部へ出力する機能に対応する。
画像形成部14には、図7に示す画像ファイル作成処理ルーチン及び図8に示す判定処理ルーチンが予めメモリに記憶されており、キーボード等の入力装置によるユーザの指示によって、図7に示す処理ルーチンが実行される。
まずステップ220では、画像ファイルをを読み取り、次のステップ222において観察条件の判定処理を実行する。このステップ220の処理は出力側入力インタフェース30により外部から取得した画像ファイルを画像ファイル入力部60で入力する機能に対応する。また、ステップ222の処理は観察条件判定部62の機能に対応する。ステップ222の処理の詳細は後述するが、この判定処理では、設定されたモードに応じて観察条件を決定する。
次にステップ224では、決定された観察条件に応じて画像ファイルを、デバイス非依存ではあるものの環境依存する色データへ変換する環境依存色変換処理が実行される。このステップ224の処理は、観察環境依存色変換部70の機能に対応する。次のステップ226では、ステップ224で変換された色データをデバイス依存の画像データに変換するデバイス依存色変換処理が実行される。このステップ226の処理は、デバイス依存色変換部72の機能に対応する。
以上のようにしてデバイス依存の画像データが生成されると、ステップ228においてその画像データを出力する。このステップ228の処理は、出力部74から出力した画像データに基づき出力側デバイス34により色画像を形成する機能に対応する。
次に、図8を参照して、ステップ222の詳細を説明する。図7のステップ222では、図8の判定処理ルーチンが実行される。
まず、ステップ230では、判定の基準となるモード設定値を読み取る。このステップ230の処理は、入力部64で入力されたモード設定値を観察条件判定部62で読み取る機能に対応する。モードには、自動的に推奨観察条件を利用する推奨モード、推奨観察条件を利用することなく画像形成部14側で予め定めた観察条件を利用する通常モード、推奨観察条件を利用できる場合に推奨観察条件を利用しかつ利用できない場合に予め定めた観察条件を利用する合成モードがある。
次にステップ232では、入力された画像ファイルを読み取る。このステップ232の処理は、観察条件判定部62において画像ファイル入力部60からの画像ファイルを読み取る機能に対応する。
次のステップ234では、ステップ230で読み取った設定値が推奨モードまたは合成モードを示すものか否かを判断し、肯定されるとステップ236へ進み、否定されると、ステップ248へ進む。ステップ236では、ステップ232で読み取った画像ファイルに副格納領域90である出力側の観察条件領域が存在するか否かを判断し、肯定されるとステップ238へ進み、副格納領域90に格納された条件値(推奨観察条件の値)が適正か否かを判断する。ステップ238の判断は、データが空(例えば「0」やNULL)でないことと、観察条件の値として許容できる予め定めた値であることとから判断することができる。
ステップ238で肯定されたときは、ステップ240において副格納領域90に格納されている推奨観察条件の値を観察環境依存色変換部70において利用させるために、スイッチ部68を初期観察条件格納部66から観察条件判定部62に切り替える。これによって、後段の処理では、画像ファイル入力部60で入力した画像ファイルに含まれる推奨観察条件を用いて、色変換処理を実行することができる。そして、ステップ242において、画像ファイルとして主格納領域82に格納されたデータを出力すると共に、副格納領域90に格納された推奨観察条件の値を出力する。
一方、ステップ236で否定またはステップ238で否定されたときは、推奨観察条件自体が存在しない場合や推奨観察条件を利用できない場合である。そこで、ステップ244へ進み、ステップ230で読み取った設定値が推奨モードを示すものか否かを判断する。推奨モードのときは、後の色画像形成時において作成時の意図を反映させることを推奨する指示であるため、ステップ246で肯定され、ステップ246へ進み、作成時の観察条件の値を推奨観察条件の値に変えて出力するべく設定する。この処理では、スイッチ部68を初期観察条件格納部66から観察条件判定部62に切り替えると共に、推奨観察条件の値として作成時の観察条件の値を観察環境依存色変換部70において利用させるために出力する内容を変更する。これによって、後段の処理では、画像ファイル入力部60で入力した画像ファイルに含まれる作成時の観察条件を用いて、色変換処理を実行することができる。
また、ステップ234で否定またはステップ244で否定されたときは、通常モードで実行する指示である。そこで、ステップ248へ進み、初期の観察条件の値を出力させるべく設定する。この処理では、スイッチ部68を初期観察条件格納部66に切り替えると共に、推奨観察条件の値を出力することを禁止する。これによって、後段の処理では、画像ファイル入力部60で入力した画像ファイルに含まれる作成時の観察条件と、画像形成部14側で予め定めた初期の観察条件を用いて、色変換処理を実行することができる。
このように本実施形態では、色画像の画像データを含む色の見えを考慮した画像ファイル作成時に、この画像ファイルを用いて形成する色画像の色の見え方を左右する観察環境を、予め指定しておくことができる。これにより、色の見え方を観察環境として含めた画像ファイルであっても、作成時の意図を反映させることができる。従って、作成時に測色的に色の見えを維持したいという要求を実現することが可能となる。
なお、上記ではCMYK各色の色材を用いて画像形成を行うことを前提に、L*a*b*値をCMYK値へ変換する色空間変換を行う場合に本発明を適用した態様を説明したが、本発明における色要素は上記に限られるものではなく、例えばより多数色の色材を用いて画像形成を行うことを前提に、CMYK値をより多数種の色値へ変換する色変換を行う場合に適用することも可能である。本発明は上記のような態様も権利範囲に含むものである。また、上記では本発明に係るデバイスに依存しない色空間として、L*a*b*色空間を例に説明したが、これに限定されるものでもなく、CIECAM02空間のような色の見えモデル、CIEXYZ三刺激値やiCAM等の色空間を適用することも可能である。
本発明が適用可能な色管理システムの概略構成を示すブロック図である。 本実施形態にかかる作成側色変換部の概略構成を示すブロック図である。 本実施形態にかかる出力側色変換部の概略構成を示すブロック図である。 作成時の色画像から異なる観察環境において目視される色画像を形成するまでの過程について色の見え方を考慮した概念プロセス図である。 画像ファイルの構造を示す概念図である。 画像ファイル作成部の処理の流れを示すフローチャートである。 画像形成部の処理の流れを示すフローチャートである。 図7のステップ222の詳細を示すフローチャートである。
符号の説明
10…色管理システム
12…画像ファイル作成部
14…画像形成部
16…通信回線
20…作成側デバイス
22…作成側色変換部
24…作成側出力インタフェース
30…出力側入力インタフェース
32…出力側色変換部
34…出力側デバイス
80…画像ファイル
82…主格納領域
84…画像データ
86…プロファイル
88…観察条件
90…副格納領域
92…観察条件
100…デバイス依存領域
102…デバイス非依存領域
104…色の見え表現領域
110…画像データ
112…第1観察環境
114…第1のデバイスモデル
116…第1の色の見えモデル
118…モデル
120…第2の色の見えモデル
122…推奨色の見えモデル
124…第2のデバイスモデル
126…CMYK表色系の画像データ
128…第2観察環境

Claims (9)

  1. 色画像を表す画像データと、前記画像データをデバイス非依存色空間の色データへ変換するときの変換条件と、前記色画像を作成したときにおける前記色画像を観察するときの色の見えに関係する観察環境を表す基本観察条件と、を取り込む取込手段と、
    前記色画像を作成したときに指定されかつ前記画像データを用いて形成される形成画像を観察するときの色の見えに関係する観察環境を表す目的観察条件を入力する入力手段と、
    前記画像データ、変換条件および基本観察条件の各々を格納するための主格納領域と、前記画像データを用いて形成される形成画像を観察するときの目的観察条件を格納するための副格納領域と、を備え、前記主格納領域に前記取込手段で取り込んだ前記画像データ、変換条件および基本観察条件を格納すると共に、前記副格納領域に前記入力手段で入力した目的観察条件を格納した画像ファイルを作成する作成手段と、
    を備えた画像ファイル作成装置。
  2. 色画像を表す画像データと、前記画像データをデバイス非依存色空間の色データへ変換するときの変換条件と、前記色画像を作成したときにおける前記色画像を観察するときの色の見えに関係する観察環境を表す基本観察条件と、を少なくとも含む画像ファイルを読み取る読取手段と、
    前記色画像を作成したときに指定されかつ前記画像データを用いて形成される形成画像を観察するときの色の見えに関係する観察環境を表す目的観察条件に対応するものとして予め定めた初期観察条件を記憶する記憶手段と、
    前記読取手段で読み取った画像ファイルから前記目的観察条件を抽出する抽出手段と、
    前記記憶手段に記憶された初期観察条件または前記抽出手段で抽出した目的観察条件を、色の見えを反映させた色変換のための観察条件として選択する選択手段と、
    前記選択手段で選択した観察条件と、前記画像ファイルの画像データ、変換条件および基本観察条件と、に基づいて、デバイス非依存色空間の色データへ変換する色変換手段と、
    を備えた画像処理装置。
  3. 前記抽出手段は、前記読取手段で読み取った画像ファイルから副格納領域を検出すると共に副格納領域が存在すると検出したとき、該副格納領域に格納されているデータを目的観察条件として抽出する
    ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記抽出手段は、前記読取手段で読み取った画像ファイルから主格納領域及び副格納領域を検出すると共に主格納領域及び副格納領域が存在すると検出したとき、該副格納領域に格納されているデータを読み取り、読み取ったデータが予め定めた目的観察条件に対応しないとき、前記主格納領域に格納されているデータを目的観察条件として抽出する
    ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  5. 前記抽出手段は、前記読取手段で読み取った画像ファイルから主格納領域及び副格納領域を検出すると共に副格納領域が存在しないと検出したとき、前記主格納領域に格納されているデータを目的観察条件として抽出する
    ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  6. 前記抽出手段は、前記読取手段で読み取った画像ファイルから副格納領域を検出すると共に副格納領域が存在しないと検出したとき、予め定めた初期観察条件を目的観察条件として抽出し、かつ前記記憶手段に記憶された初期観察条件が前記観察条件として選択されるように前記選択手段を制御する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  7. 請求項1に記載の画像ファイル作成装置と、
    請求項2乃至請求項6の何れか1項に記載の画像処理装置と、
    前記画像ファイルを装置間で授受するための授受手段と、
    を備えた画像処理システム。
  8. コンピュータを、
    色画像を表す画像データと、前記画像データをデバイス非依存色空間の色データへ変換するときの変換条件と、前記色画像を作成したときにおける前記色画像を観察するときの色の見えに関係する観察環境を表す基本観察条件と、を取り込む取込手段と、
    前記色画像を作成したときに指定されかつ前記画像データを用いて形成される形成画像を観察するときの色の見えに関係する観察環境を表す目的観察条件を入力する入力手段と、
    前記画像データ、変換条件および基本観察条件の各々を格納するための主格納領域と、前記画像データを用いて形成される形成画像を観察するときの目的観察条件を格納するための副格納領域と、を備え、前記画像ファイルの主格納領域に前記取込手段で取り込んだ前記画像データ、変換条件および基本観察条件を格納すると共に、前記画像ファイルの副格納領域に前記入力手段で入力した目的観察条件を格納した画像ファイルを作成する作成手段と、
    として機能させる画像ファイル作成処理プログラム。
  9. コンピュータを、
    色画像を表す画像データと、前記画像データをデバイス非依存色空間の色データへ変換するときの変換条件と、前記色画像を作成したときにおける前記色画像を観察するときの色の見えに関係する観察環境を表す基本観察条件と、を少なくとも含む画像ファイルを読み取る読取手段と、
    前記色画像を作成したときに指定されかつ前記画像データを用いて形成される形成画像を観察するときの色の見えに関係する観察環境を表す目的観察条件に対応するものとして予め定めた初期観察条件を記憶する記憶手段と、
    前記読取手段で読み取った画像ファイルから前記目的観察条件を抽出する抽出手段と、
    前記記憶手段に記憶された初期観察条件または前記抽出手段で抽出した目的観察条件を、色の見えを反映させた色変換のための観察条件として選択する選択手段と、
    前記選択手段で選択した観察条件と、前記画像ファイルの画像データ、変換条件および基本観察条件と、に基づいて、デバイス非依存色空間の色データへ変換する色変換手段と、
    として機能させる画像処理プログラム。
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