JP4919997B2 - フランジ付きファスナー - Google Patents

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Description

本発明は、フランジ付きボルトやフランジ付きナット等のフランジ付きファスナーに関する。
従来から、フランジ付きボルトやフランジ付きナット等のフランジ付きファスナーは知られている(例えば、特許文献1参照)。このようなフランジ付きファスナーにおいて、例えば標準的なフランジ付き六角ボルトの場合、フランジ部に外力が負荷されたときには、そのフランジ部が反り上がるように変形し、座面面圧が頭部の外周面の各稜線直下に集中してしまう(不均一に内当たりしてしまう)ことで、結合剛性の低下を招いていた。
特開2001−124040号公報
そこで、本発明は、上記事情に鑑み、締結時等において、フランジ部の座面面圧をほぼ均一にできるフランジ付きファスナーを得ることを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係る請求項1に記載のフランジ付きファスナーは、角柱状に形成された頭部と、前記頭部に一体に設けられるとともに、雄ネジ部が形成された本体部と、前記頭部と前記本体部との間に一体に設けられ、該頭部側表面が、該頭部の外周面の稜線部分を谷部とし、該稜線間部分を山部とする側面視略波型形状とされたフランジ部と、を有することを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、フランジ部の頭部側表面が、その頭部の外周面の稜線部分を谷部とし、稜線間部分を山部とする側面視略波型形状とされているので、フランジ部の各稜線間部分の曲げ剛性を各稜線部分の曲げ剛性に近づけることができる。したがって、フランジ部に締結時の締付力や外力が負荷されても、フランジ部の座面面圧をほぼ均一にできる。
また、本発明に係る請求項2に記載のフランジ付きファスナーは、角筒状に形成され、内周面に雌ネジ部が形成された本体部と、前記本体部の一端側に一体に設けられ、該本体部の他端側を向く表面が、該本体部の外周面の稜線部分を谷部とし、該稜線間部分を山部とする側面視略波型形状とされたフランジ部と、を有することを特徴としている。
請求項2に記載の発明によれば、フランジ部の本体部側表面が、その本体部の外周面の稜線部分を谷部とし、稜線間部分を山部とする側面視略波型形状とされているので、フランジ部の各稜線間部分の曲げ剛性を各稜線部分の曲げ剛性に近づけることができる。したがって、フランジ部に締結時の締付力や外力が負荷されても、フランジ部の座面面圧をほぼ均一にできる。
以上のように、本発明によれば、締結時等において、フランジ部の座面面圧をほぼ均一にできるフランジ付きファスナーを提供することができる。
以下、本発明の最良な実施の形態について、図面に示す実施例を基に詳細に説明する。まず最初に、本実施形態に係るフランジ付きファスナーの一例としてのフランジ付き六角ボルト10について説明する。図1はフランジ付き六角ボルト10の概略斜視図であり、図2(A)はフランジ付き六角ボルト10の概略平面図、図2(B)は同じく概略正面図である。そして、図3は図2(B)とは90°異なる方向から見たときのフランジ付き六角ボルト10の概略正面図である。なお、説明の便宜上、各図において矢印UPで示す方向を上方向とする。
図1〜図3で示すように、このフランジ付き六角ボルト10は、六角柱状に形成された頭部12と、頭部12の下面中央に一体かつ同心軸に設けられた円柱状の本体部14と、頭部12と本体部14との間に一体かつ同心軸に設けられた円板状のフランジ部16と、を有している。なお、このフランジ部16は、その外周縁部19が、頭部12の外周面12Bに形成された各稜線12A部分よりも径方向外側へ所定長さ(後述する距離S2)張り出すような直径Rを有している。
また、フランジ部16の頭部12側表面である上面18は、頭部12の各稜線12A直下が谷部18Aとなり、頭部12の各稜線12A間が山部18Bとなるような側面視略波型形状とされている。そして、このフランジ部16の上面18は、その外周縁部19から頭部12の外周面12Bに向かって板厚が徐々に厚くなる傾斜面とされており、その外周縁部19の板厚は全周において同一とされている。また、フランジ部16の本体部14側表面である下面(以下「座面」という)17は平面とされており、本体部14の下部側には、雄ネジ部15が所定高さ(長さ)形成されている。
ここで、フランジ付き六角ボルト10における頭部12及びフランジ部16の寸法の一例をM10サイズの場合で示す。まず、頭部12は、平面視で対辺間の距離W1が、W1=14.0mm、対角間の距離W2が、W2=16.166mmとされている。そして、フランジ部16は、平面視でその直径Rが、R=21.5mmとされ、外周縁部19における最小板厚D1が、D1=1.4mm、山部18Bにおける最大板厚D2が、D2=4.1mm、谷部18Aにおける最大板厚D3が、D3=2.371mmとされている。なお、谷部18Aにおけるフランジ部16の板厚は、従来のフランジ部の板厚と同じにしてもよい。
また、フランジ部16の波型形状とされた上面18の谷部18Aにおける底部(頭部12との境界部分)は、側面視で曲率半径3.5mmの曲面とされており、山部18Bにおける頂部(頭部12との境界部分)は、側面視で曲率半径0.9mmの曲面とされている。更に、側面視で、山部18Bにおける上面18の傾斜角度θ1は、θ1=35.754°とされ、谷部18Aにおける上面18の傾斜角度θ2は、θ2=19.999°とされている。なお、これらの寸法は一例であり、特に限定されるものではない。
次に、本実施形態に係るフランジ付きファスナーの一例としてのフランジ付き六角ナット20について説明する。図4(A)はフランジ付き六角ナット20の概略斜視図であり、図4(B)は同じく概略正面図である。そして、図5(A)はフランジ付き六角ナット20の概略平面図であり、図5(B)は図4(B)とは90°異なる方向から見たときのフランジ付き六角ナット20の概略正面図である。なお、説明の便宜上、各図において矢印UPで示す方向を上方向とする。
図4、図5で示すように、このフランジ付き六角ナット20は、六角筒状に形成され、その内周面に雌ネジ部24が形成された本体部22と、本体部22の一端側である下端部に一体かつ同心軸に設けられた円板状のフランジ部26と、を有している。なお、このフランジ部26も、その外周縁部29が、本体部22の外周面22Bに形成された各稜線22A部分よりも径方向外側へ所定長さ(後述する距離S2)張り出すような直径Rを有している。
また、フランジ部26の上面28(本体部22の他端側である上端部を向く表面)は、本体部22の各稜線22A直下が谷部28Aとなり、本体部22の各稜線22A間が山部28Bとなるような側面視略波型形状とされている。そして、このフランジ部26の上面28は、その外周縁部29から本体部22の外周面22Bに向かって板厚が徐々に厚くなる傾斜面とされており、その外周縁部29の板厚は全周において同一とされている。また、フランジ部26の下面(以下「座面」という)27は平面とされている。
ここで、フランジ付き六角ナット20における本体部22及びフランジ部26の寸法の一例を示すが、各部の寸法は、例えば上記したM10サイズのフランジ付き六角ボルト10と同一にしても構わない。すなわち、本体部22は、平面視で対辺間の距離W1が、W1=14.0mm、対角間の距離W2が、W2=16.166mmとされている。
そして、フランジ部26は、平面視でその直径Rが、R=21.5mmとされ、外周縁部29における最小板厚D1が、D1=1.4mm、山部28Bにおける最大板厚D2が、D2=4.1mm、谷部28Aにおける最大板厚D3が、D3=2.371mmとされている。なお、谷部28Aにおけるフランジ部26の板厚は、従来のフランジ部の板厚と同じにしてもよい。
また、フランジ部26の波型形状とされた上面28の谷部28Aにおける底部(本体部22との境界部分)は、側面視で曲率半径3.5mmの曲面とされており、山部28Bにおける頂部(本体部22との境界部分)は、側面視で曲率半径0.9mmの曲面とされている。更に、側面視で、山部28Bにおける上面28の傾斜角度θ1は、θ1=35.754°とされ、谷部28Aにおける上面28の傾斜角度θ2は、θ2=19.999°とされている。なお、これらの寸法は一例であり、特に限定されるものではない。
以上のような構成とされたフランジ付き六角ボルト10及びフランジ付き六角ナット20において、次にその締結時における作用について、主に図6、図7を基に説明する。図6は被締結部材30、32をフランジ付き六角ボルト10及びフランジ付き六角ナット20で締結したときのFEM応力分布を正面から示す説明図であり、図7は同じくフランジ部16のFEM応力分布を平面で示す説明図である。
まず、図6で示すように、フランジ付き六角ボルト10の本体部14を被締結部材30に形成された貫通孔34に挿通し、更に被締結部材32に形成された貫通孔36に挿通する。そして、その被締結部材32の貫通孔36から突出した本体部14の雄ネジ部15に、フランジ付き六角ナット20の雌ネジ部24を螺合する。
なお、このとき、フランジ付き六角ナット20は、そのフランジ部26が上側(被締結部材32側)に来るように、図4、図5で示した上下方向を逆にしてフランジ付き六角ボルト10の本体部14に螺合される。そして、フランジ付き六角ボルト10及びフランジ付き六角ナット20の何れか一方を固定し、何れか他方を回転させて締結することにより、被締結部材30、32は、各フランジ部16、26間に狭持された状態で締め付け固定される。
ここで、図2(A)で示すように、フランジ付き六角ボルト10では、頭部12の各稜線12A間における外周面12Bからフランジ部16の外周縁部19までの径方向における距離S1(対辺部分)と、頭部12の各稜線12A部分からフランジ部16の外周縁部19までの径方向における距離S2(対角部分)とは異なる(S1>S2)。
また、図5(A)で示すように、フランジ付き六角ナット20でも、本体部22の各稜線22A間における外周面22Bからフランジ部26の外周縁部29までの径方向における距離S1(対辺部分)と、本体部22の各稜線22A部分からフランジ部26の外周縁部29までの径方向における距離S2(対角部分)とは異なる(S1>S2)。
したがって、フランジ部16と頭部12とがつながるフランジ付け根部と、フランジ部26と本体部22とがつながるフランジ付け根部に作用する曲げモーメントは、対辺部分(距離S1部分)及び対角部分(距離S2部分)で異なり、各フランジ部16、26の曲げ変形量も、対辺部分及び対角部分で異なる。つまり、各フランジ部16、26のモーメント長は、対辺部分が対角部分よりも長いため、周方向において板厚が一定のフランジ部の場合には、対辺部分が対角部分に比べて変形しやすく、その変形量も大きい。
例えば図8で示すように、フランジ部46の板厚が周方向において一定の従来のフランジ付き六角ボルト40の場合では、フランジ部46に締結時の締付力や外力が負荷されたときには、そのフランジ部46の対辺部分の曲げ剛性が、対角部分の曲げ剛性よりも低いため、フランジ部46の対辺部分は反り上がるように変形してしまい、その座面47の面圧が、対角部分である頭部42の各稜線42A直下に集中してしまう(不均一に内当たりしてしまう)。
そこで、本実施形態に係るフランジ付き六角ボルト10及びフランジ付き六角ナット20の各フランジ部16、26では、曲げモーメントが大きくなる対辺部分(各稜線12A、22A間部分)の板厚が、対角部分(各稜線12A、22A直下部分)の板厚よりも厚くなるように、その各上面18、28が、側面視略波型形状に形成されるとともに、各外周縁部19、29から各外周面12B、22Bに向かって徐々に板厚が厚くなるような傾斜面に形成されている。
これによれば、各フランジ部16、26の変形し難い対角部分(距離S2部分)の曲げ剛性に、対辺部分(距離S1部分)の曲げ剛性を近づけることができる。つまり、このような構成にすることにより、各フランジ部16、26の座面17、27全体の曲げ剛性を周方向及び径方向において、ほぼ均一化することができる。
したがって、図6、図7のFEM応力分布(色の濃い方が応力は高く、色の薄い方が応力は低い)で示すように、被締結部材30、32をフランジ付き六角ボルト10とフランジ付き六角ナット20で締め付けても(或いは各フランジ部16、26に外力が負荷されても)、各フランジ部16、26の変形量を抑制することができ、各フランジ部16、26の座面17、27の面圧を周方向及び径方向において、ほぼ均一にすることができる。
また、このように、各フランジ部16、26の座面17、27における面圧が、径方向において(軸心部から外周縁部19、29にかけて)ほぼ均一に掛かるようになると、各フランジ部16、26の座面17、27全体に応力を分散させることができるため、各フランジ部16、26全体の曲げ剛性を向上させることができる。
したがって、被締結部材30、32に対するフランジ付き六角ボルト10とフランジ付き六角ナット20の結合剛性を向上させることができる。また、これにより、被締結部材30、32の限界面圧に対しても有利となり、フランジ付き六角ボルト10及びフランジ付き六角ナット20のゆるみ防止に対しても効果的となる。
以上、説明したように、本実施形態に係るフランジ付きファスナー(六角ボルト10及び六角ナット20)によれば、締結時等におけるフランジ部16、26の変形量を抑制することができ、座面17、27の面圧をほぼ均一にすることができる。したがって、より高い結合剛性が得られるとともに、ゆるみ防止等に対しても有効となる。なお、本実施形態に係るフランジ付きファスナーは、図示のものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、適宜設計変更可能であることは言うまでもない。
フランジ付き六角ボルトの概略斜視図 (A)フランジ付き六角ボルトの概略平面図、(B)フランジ付き六角ボルトの概略正面図 図2(B)とは90°異なる方向から見たときのフランジ付き六角ボルトの概略正面図 (A)フランジ付き六角ナットの概略斜視図、(B)フランジ付き六角ナットの概略正面図 (A)フランジ付き六角ナットの概略平面図、(B)図4(B)とは90°異なる方向から見たときのフランジ付き六角ナットの概略正面図 被締結部材をフランジ付き六角ボルト及びフランジ付き六角ナットで締結したときのFEM応力分布を正面から示す説明図 被締結部材をフランジ付き六角ボルト及びフランジ付き六角ナットで締結したときのフランジ部のFEM応力分布を平面で示す説明図 (A)従来のフランジ付き六角ボルトの概略正面図、(B)従来のフランジ付き六角ボルトで締結したときのフランジ部のFEM応力分布を平面で示す説明図
符号の説明
10 フランジ付き六角ボルト(フランジ付きファスナー)
12 頭部
12A 稜線
14 本体部
15 雄ネジ部
16 フランジ部
17 下面(座面)
18 上面(表面)
18A 谷部
18B 山部
20 フランジ付き六角ナット(フランジ付きファスナー)
22 本体部
22A 稜線
24 雌ネジ部
26 フランジ部
27 下面(座面)
28 上面(表面)
28A 谷部
28B 山部
30 被締結部材
32 被締結部材

Claims (2)

  1. 角柱状に形成された頭部と、
    前記頭部に一体に設けられるとともに、雄ネジ部が形成された本体部と、
    前記頭部と前記本体部との間に一体に設けられ、該頭部側表面が、該頭部の外周面の稜線部分を谷部とし、該稜線間部分を山部とする側面視略波型形状とされたフランジ部と、
    を有することを特徴とするフランジ付きファスナー。
  2. 角筒状に形成され、内周面に雌ネジ部が形成された本体部と、
    前記本体部の一端側に一体に設けられ、該本体部の他端側を向く表面が、該本体部の外周面の稜線部分を谷部とし、該稜線間部分を山部とする側面視略波型形状とされたフランジ部と、
    を有することを特徴とするフランジ付きファスナー。
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