JP4935511B2 - スクロール圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は、圧縮された冷媒から分離した潤滑油を、スクロール等の摺動部や、旋回スクロールのスラスト力を受けるための背圧室等に供給する間欠給油機構や圧力調整機構を備えたスクロール圧縮機に関し、特にCO2(二酸化炭素)を作動媒体とする空調装置において、作動媒体を圧縮するために使用されるCO2用圧縮機、およびそれを備えたヒートポンプシステムに好適なものである。
一般にスクロール圧縮機では、冷媒の中に潤滑油を混入させておいて、圧縮された冷媒が圧縮機の吐出室に一時滞留する際に冷媒から潤滑油を分離させると共に、分離した潤滑油を、スクロール等の摺動部や旋回スクロールのスラスト力を受けるための背圧室等に供給している。このような給油機構として、潤滑油ポンプを使用するもの、或いは吐出圧と吸入圧又はそれらの中間圧との差圧を利用するもの等が知られている。
このように、差圧を利用する給油機構においては、潤滑油を付勢するために利用する吐出圧と吸入圧の差圧が圧縮機の回転数の上昇に応じて大きくなると、供給される潤滑油の量が必要以上に多くなる場合があるので、小径の絞り孔や細くて長い絞り等を用いた流量制御手段が用いられている。しかしながら、細くて長い絞りのような減圧部品は加工性が低下してコスト増を招く。また、小径の孔や絞りは、吐出ガスや潤滑油中に混入した摺動部の磨耗粉、或いは製造過程で生ずる切削粉などによって詰まってしまい、安定な給油を妨げ、圧縮機、ひいては冷凍サイクル装置の性能や信頼性の低下を招く恐れがある。
このような問題を解決するものとして、従来より、特許文献1,2,3,4等による間欠給油機構が提案されている。
特開2005−201173号公報 特開2006−266170号公報 特開2005−163655号公報 特開平11−241682号公報
即ち、特許文献1により提案されている間欠給油機構では、旋回スクロールの固定スクロール側の一端面に設けられた孔と、潤滑油供給経路の一部をなす固定端板部孔とが旋回スクロールの公転に伴って間欠的に連通するようにしている。このようにして、両者の孔が連通したときに給油量が調整できるようにしている。
また、特許文献2により提案されている機構では、固定スクロールの端板面に形成された環状溝と、旋回スクロールの端板摺動面に形成された給油溝とが旋回スクロールの旋回運動に伴って間欠的に連通するようにしている。なお、環状溝は、密閉容器内の空間と常時連通されるようになっている。
また、特許文献3により提案されている機構では、固定スクロール端板に背圧制御弁を内在した間欠流路部が設けられていて、旋回スクロールの旋回運動によって間欠流路が間欠的に背圧室に連通するようになっている。
更に、特許文献4により提案されている機構では、圧縮機のセンタハウジングに設けられた給油通路が吸入室に向かって開口していて、旋回スクロールの公転に伴って旋回スクロールの端板部によってこの開口が間欠的に開閉されるようになっている。
このような特許文献1〜3により提案された間欠給油機構又は圧力調整機構では、旋回スクロール側に設ける孔は、最外周の渦巻状羽根部の外側の旋回スクロール端板部に設ける必要があるが、上記特許文献1〜3では、旋回スクロール側である可動側通路の設置位置が具体的には特定されていない。間欠給油機構又は圧力調整機構の設置範囲を確保するためには、旋回スクロールを大径化するか、孔を固定スクロールのチップシール等の摺接部にかかる作動室の位置に孔を設置する必要がある。しかしながら、旋回スクロールの大径化は圧縮機の大型化、ひいては重量増加につながる。
また、作動室にかかる位置に孔を設置すると、孔からの作動流体の逆流が生じて効率低下を招いたり、給油機構を通過する潤滑油に含まれる磨耗粉等の異物により、作動室の形成部に噛み込みキズ、磨耗が生ずると、作動室のシールが十分できなくなり、圧縮不良により効率が低下するという問題があった。
また、特許文献4においては、固定スクロール側穴23eの旋回スクロール端板22aとの相対的な軌跡が旋回スクロール端板外周から間欠的に外れることにより潤滑油量制御を行なうが、設置範囲が狭いと、開口率が大となり、給油穴を小径化する等加工の難易度が上がり、コスト増となる。または、小径化により、異物つまりも懸念される。
また、間欠給油機構部より洩れた潤滑油は、旋回スクロール22が、旋回運動する空間に滞留すると、潤滑油の撹拌抵抗により動力損失が大となり、効率を低下させるという問題があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、間欠給油機構又は圧力調整機構の可動側通路の設置位置を特定することによって、旋回スクロールの小径化を図り、圧縮機全体の小型化、軽量化が可能で、かつ効率及び信頼性に優れるスクロール圧縮機を提供することである。
本発明は、前記課題を解決するための手段として、特許請求の範囲の各請求項に記載のスクロール圧縮機を提供する。
請求項1に記載の密閉型スクロール圧縮機は、高圧貯油室29に連通する固定スクロール端板部23aに設けた固定スクロール側穴23eと、低圧側に連通する旋回スクロール端板部22aに設けた旋回スクロール側穴22eとが、旋回スクロール22の公転運動により間欠的に連通することで潤滑油流量制御又は背圧流量制御を行う間欠給油機構を有していて、旋回スクロール側穴22eが、旋回スクロール22の渦巻状の旋回スクロール羽根部22bの巻き終り部Eからこの旋回スクロール羽根部22bが延長されていない側にかけて90度の角度範囲内に配置されるようにしたものであり、これにより、旋回スクロール22の小径化、小型化、軽量化を実現でき、圧縮機の体格や振動を削減できる。また、旋回スクロール側穴22eを設けるスペースを広くとることができる。
請求項2の密閉型スクロール圧縮機は、旋回スクロール側穴22eを固定スクロール23との摺接面の外側の範囲に位置するようにしたものであり、これにより、旋回スクロール側孔が作動室と連通することなく、作動流体の逆流を防止できる。また、給油機構を通過する磨耗粉等の異物により、作動室形成部に噛込みキズ、磨耗が生じることを防止できる。
請求項3のスクロール型圧縮機は、旋回スクロール側穴22eが、旋回スクロール端板部22aにおいて、固定スクロール23の羽根部23bが摺接する範囲よりも、径方向外側の範囲に位置しているようにしたものであり、これにより、作動流体の逆流による効率低下を防止でき、また、給油機構を通過する磨耗粉等の異物により、作動室形成部に噛込みキズ、磨耗が生じることを防止できる。
請求項4のスクロール型圧縮機は、固定スクロール側穴23eの穴径d 1 を、旋回スクロール側穴22eの穴径d 2 よりも小さくしたものであり、これにより、旋回スクロール側穴22eを固定スクロール側穴は必ず通ることができる。
請求項のスクロール型圧縮機は、作動媒体である冷媒としてCO 2 を使用したものである。CO 2 冷媒を用いる場合は、従来のフロレ系冷媒よりも高圧圧力で作動する冷凍、ヒートポンプサイクルとなり、洩れによる高圧貯油室のホットガスバイパスの可能性が高くなるが、洩れの増加を抑制する、または、洩れた場合も速やかに高圧側へ戻す本発明は好適である。
また、高差圧のため開口率をより低く抑える必要があるため、本発明は好適である。
さらに本発明のスクロール圧縮機では、間欠給油機構部を、旋回スクロールの固定スクロールと旋回スクロールによって形成される作動室にはかからない範囲へ配置し、作動流体の逆流による効率低下の防止、または作動室形成部のキズ、磨耗に伴なう洩れによる効率低下を防止できる。
また、旋回スクロール端板からの固定スクロール側孔の開口率を低く抑えることにより孔を大きく設定し、加工の容易化、または異物つまりを防止することができる。
また、間欠給油機構部にて洩れた潤滑油は、低圧部には滞留させずに、すみやかに作動室へ流入させ、高圧側へ戻すことができる。
以下、図面に従って本発明の実施の形態のスクロール圧縮機について説明する。図1は、本発明の実施の形態のスクロール圧縮機の断面図である。
スクロール圧縮機100は、容器としての外郭ハウジング1と、この外郭ハウジング1内に収容された圧縮機構部2、及び電動機部3とから構成されている。図1に示される密閉型スクロール圧縮機100は、横置き形の圧縮機であり、図において下面が設置面とされ、右側に圧縮機構部2が左側に電動機部3が配置され、両者は、主軸としてのシャフト4によって接続されている。そして電動機部3により圧縮機構部2が駆動されるようになっている。
外郭ハウジング1は、円筒状の本体ハウジング11、前部ハウジング12及び後部ハウジング13とから構成されている。これらのハウジング11,12,13が固着されて外郭ハウジング1内には密閉された空間が形成されるようになっている。本体ハウジング11には、圧縮機構部2の吸入室25に接続する吸入パイプ(図示せず)と、同じく圧縮機構部2の吐出室26に接続する吐出パイプ15とが設けられている。吸入パイプから冷凍サイクルからの低圧の冷媒及び低温のオイル(潤滑油)とが混合したガスが外郭ハウジング1内に流入するようになっている。
電動機部3は、主軸としてのシャフト4に固定される回転子31と、この回転子31の外周側に配置される固定子32とから構成されている。固定子32は、本体ハウジング11の内周面に焼嵌め又は圧入により固着されている。この電動機部3には、図示しない外部電源から電力が供給されるようになっており、これにより回転子31が回転駆動され、それとともにシャフト4も回転駆動するようになっている。
圧縮機構部2は、センタケーシング21、可動部材としての旋回スクロール22、固定スクロール23及び弁カバー24を備えている。センタケーシング21は、本体ハウジング11の内周面に焼嵌め又は圧入により固着されている。センタケーシング21の中心部には、シャフト4を貫挿する孔が設けられており、この孔に軸受が嵌入されて、シャフト40を回転可能に軸支する主軸受部5となっている。一方、本体ハウジング11の電動機部側には、シャフト4を支持するための支持部材14が本体ハウジング12の内周面に固定されており、この支持部材14の中央部には、芯出し部材15が固着されている。芯出し部材15の中央部にもシャフト4を貫挿する孔が設けられ、この孔に軸受が嵌入されてシャフト4を回転可能に軸支する副軸受部6となっている。
シャフト4内には、内部を軸方向に貫通しているオイル通路42が設けられていると共に、シャフト4の先端には、シャフト4の中心軸から偏心したクランク部41が設けられていて、このクランク部41が旋回スクロール22に連結されることで、シャフト4の回転に伴って、旋回スクロール22が偏心回転運動をするようになっている。
旋回スクロール22は、略円形をした旋回スクロール端板部22aと、この端板部22aの片側に突出して形成され、円筒形状をしたボス部22cと、このボス部22cが形成されている端板部22aの他面側に突出して形成されている渦巻き形状をした旋回スクロール羽根部22bとからなる。ボス部22cには、軸受が圧入固定されていてシャフト4のクランク部41に回転自在に支持されている。
旋回スクロール22に対して偏心した位置で対向して、回転方向に180度ずらして噛み合う固定スクロール23が設けられ、この固定スクロール23はボルト等によりセンタケーシング21に固定されている。固定スクロール23は、略円形をした固定スクロール端板部23aと、旋回スクロール羽根部22bと略同形状をした渦巻状の固定スクロール羽根部23bとからなり、この旋回スクロール羽根部22bと相対するように組み付けられる。旋回スクロール羽根部22bと固定スクロール羽根部23bとが噛み合うことによって、それらの渦巻状の羽根部22b,23b間に冷媒を取り込んで圧縮する三日月状の作動室(圧縮室)27が複数個形成されるが、2つのスクロール22,23の共通の中心部領域には、圧縮された冷媒の圧力が最も高くなる高圧作動室が1つだけ形成される。この固定スクロール端板部23aの略中央には、高圧作動室から圧縮された冷媒を吐出するための吐出口23cが形成されている。
固定スクロール23と旋回スクロール22の2つの渦巻状の羽根部23b,22bとが噛み合わされた外周側に位置して吸入室25が形成されている。吸入室25には吸入パイプ(図示せず)に接続していて、この吸入パイプが図示しない冷凍サイクルの低圧側と接続している。2つの渦巻状の羽根部23b,22bによって形成される作動室27のうちの最も外周側にある作動室が外周に向かって開いた時に、吸入室25から圧縮すべきCO2ガスが作動室に取り込まれるようになる。また、吸入室25は、センタケーシング21に設けられた連通孔21aによって、電動機部3が収容された密閉空間Sと連通している。
固定スクロール端板部23aの羽根部23bと反対側の略中央部には、凹状に窪んだ吐出室26が設けられていて、吐出室26は弁カバー24で覆われている。吐出室26は、吐出口23cを介して高圧作動室(圧縮室)27と連通している。吐出室26にはリード弁26aが設けられている。このリード弁26aは吐出室26側に開く構成とされており、吐出室26内の高圧冷媒が作動室27に逆流することを防止する弁である。
吐出室26は吐出管15によって遠心力によって気体と液体とを分離する気液分離部28に連通しており、圧縮された吐出ガスは吐出室26から気液分離部28に入り、ここで高圧冷媒ガスと高温のオイルとに分離され、高圧冷媒ガスは、図示しない冷凍サイクルの高圧側へと送られる。後部ハウジング13には、隔壁16によって仕切られた高圧側貯油室29が設けられていて、気液分離部28の下部と連通しており、気液分離部28で分離された高温のオイルが一時的に高圧側貯油室29に貯溜する。
一方、外郭ハウジング1内をセンタケーシング21によって仕切られた電動機部3が収容された密閉空間S内の下部には、低圧側油溜り17が形成されている。なお、冷媒ガスの吸入室25は、センタケーシング21に設けた連通孔21aによって低圧側油溜り17が形成されている低圧側の密閉空間Sと連通しており、オイルがミスト状に混入している吸入冷媒ガスの一部は密閉空間S内に流入している。また、支持部材14には、複数の開口14aが設けられていて、支持部材14の電動機部と反対であって、支持部材14と外郭ハウジング1とで囲まれる空間S′及び低圧側溜り17に連通するようになっている。また、吸入パイプ(図示せず)は、低圧側密閉空間Sに接続するように配設してもよい。
固定スクロール23及び旋回スクロール22には、高圧側貯油室29内のオイルを旋回スクロール22のボス部22c内の背圧空間22dへと導入する給油通路7が形成されている。本発明においては、固定スクロール23側の給油通路7と旋回スクロール22側の給油通路7とは、間欠的に連通するようになっているが、この間欠給油機構については、本発明の特徴をなすものであり後に詳述する。
旋回スクロール22のボス部22c内の背圧空間22dに達したオイルは、シャフト4内のオイル通路42に流入する。シャフト4の主軸受部5に対応する部位には径方向の孔43が形成されている。したがって、オイル通路42内を流れるオイルの一部は、孔43を通って主軸受部5に供給され、主軸受部5の軸受を潤滑した後、シャフト4の表面の溝を通ってセンターケーシング21内部に入り、スラスト軸受部を潤滑した後、吸入室25へと流入する。
また、シャフト4の副軸受部6に対応する部位にも、シャフト4内のオイル通路42に連通する径方向の孔44が形成されている。したがって、オイル通路42内を流れるオイルの一部は、孔44を通って副軸受部6に供給され、副軸受部6の軸受を潤滑した後、芯出し部材15の中央の孔内面とシャフト4の外周面との微小な隙間を通って低圧側油溜り17へと流下する。
次に本発明の特徴である間欠給油機構について説明する。固定スクロール23の固定スクロール端板部23aに設けられる給油通路7の固定スクロール側穴23eが、旋回スクロール22に向けて開けられている。一方、旋回スクロール22の旋回スクロール端板部22aに設けられる給油通路7の旋回スクロール側穴22eが、固定スクロール23に向けて開けられている。固定スクロール側穴23eと旋回スクロール側穴22eとは、旋回スクロール22の公転運動によって、間欠的に連通されるようになっている。したがって、固定スクロール側穴23eと旋回スクロール側穴22eとで、間欠給油機構を構成している。
本発明においては、図2に示されるように、旋回スクロール側穴22eを、旋回スクロール22の渦巻状の旋回スクロール羽根部22bの巻き終り部Eから、旋回スクロール羽根部22bが延長されていない側にかけて90度の角度範囲内の旋回スクロール端板部22aに設けるようにすると共に、固定スクロールと旋回スクロールとで形成される作動室範囲よりも外側に位置するようにしている。固定スクロール摺動範囲外側とは、図2においてハッチングされた部分であり、固定スクロール23の羽根部23bが、旋回スクロール端板部22aに摺接する部分の径方向外側部分を示している。
図3は、仮に旋回スクロール22の旋回スクロール側穴22eを固定した場合における固定スクロール側穴23eの相対軌跡を示す図である。旋回スクロール側穴22eの穴径をd2とし、固定スクロール側穴23eの穴径をd1とし、旋回半径(クランク半径)をrkとすると、固定スクロール側穴23eの軌跡は、図3に破線で示されるように、rkを半径とするd1の幅をもつドーナツ状となる。このように、本発明においては、固定スクロール側穴23eの相対軌跡が、旋回スクロール22の外径から外れないようにしている。これによって、旋回スクロール側穴22eを、旋回スクロール羽根部22bの巻き終り部Eに至る迄の側に配置するよりも、羽根部22bの厚み分だけ旋回スクロール22の外径を小さくすることができる。なお、旋回スクロール側孔22eを固定スクロール摺接範囲より外側に配置しているため、作動流体の逆流による効率低下を防止でき、また、給油機構を通過する磨耗粉等の異物により、作動室形成部に噛込みキズ、磨耗が生じることを防止できる。
図4は、先に述べた特許文献4のように旋回スクロールの端面で間欠率を決める方式の場合における問題点を説明する図である。図において、破線は旋回スクロールを固定した場合における固定スクロール側穴23eの相対軌跡を示している。図4のように旋回スクロール羽根部22bが、旋回スクロール22の外径(外周部)に近い位置にある旋回スクロール端板部22aに固定スクロール側穴23eを対向させている場合には、間欠率を小さくすることができない。この間欠率を小さくする(下げる)場合には、二点鎖線で示すように旋回スクロール22の外径を大きくする必要がある。従って、従来技術のものでは、旋回スクロールの小径化、即ち圧縮機の小型化が難しいという問題があった。
図5は、本実施形態におけるスクロール圧縮機の作用効果を説明する図である。図5に示すように、本実施形態では、固定スクロール側穴23eの対向位置を、旋回スクロール羽根部22bの巻き終り部Eから旋回スクロール羽根部22bが延長されていない側にかけて90°の角度範囲内で、かつ固定スクロール23との摺接面の外側の範囲と定めている。固定スクロール側穴23eの相対軌跡が破線で示されるようになり、図4で二点鎖線で示される旋回スクロール22の外径の場合と同様の間欠率とすることができる。したがって、本発明では旋回スクロール22の外径を大きくすることなく、間欠率を小さくすることが可能となる。
次に上記のように構成されたスクロール圧縮機100の作動について説明する。電動機部3に外部から電力が供給されると、回転子31が回転駆動し、それに伴いシャフト4が回転する。このシャフト4が回転することに伴いシャフト4の先端のクランク部41が所定の偏心量rkをもってシャフト4のまわりを回転し、クランク部41に連結された旋回スクロール22は旋回する。これにより、圧縮機構部2の作動が行われる。
圧縮機構部2の作動に伴う冷媒及びオイル(潤滑油)の流れは以下のように行われる。なお、本発明では、冷媒として好適には二酸化炭素(CO2)が使用される。
まず、圧縮機構部2の作動により、外部の冷凍サイクル系から吸入パイプを通って圧縮機構部2の吸入室25内に低圧の冷媒と低温のオイルの混合ガスが流入する。なお、吸入パイプから流入する冷媒は原則として気体である。この混合ガスは、圧縮機構部2の作動室27内に入り圧縮された後に吐出口23cから吐出室26内に吐出される。なお、吸入室25内の混合ガスの一部は、センタケーシング21の連通孔21aを通って低圧側密閉空間S内に流入する。
吐出室26内の圧縮された混合ガスは、吐出管15を通って気液分離部28に運ばれ、ここで高温の冷媒ガスと高温のオイルとに分離され、高温の冷媒ガスは外部の冷凍サイクル系に送られる。一方、高温のオイルは高圧側貯油室29に一時的に貯溜され、その後、給油通路7を通って背圧室22dに供給される。なお、給油通路7の途中には、固定スクロール側穴23eと旋回スクロール側穴22eとからなる間欠給油機構が設けられていて、旋回スクロールの回転により間欠的に連通することで、高圧側貯油室29から背圧室22dに送られるオイルが流量制御又は背圧流量制御される。背圧室22dに送給されたオイルは、シャフト4のオイル通路42を通って、主軸受部5及び副軸受部6に供給され、それらの軸受を潤滑する。オイル通路42から孔43を通って主軸受部5に供給されるオイルは、その後シャフト4の表面に設けた溝を通ってセンターケーシング21内部に入り、スラスト軸受部53を潤滑した後、吸入室25へと流入する。また、オイル通路42から孔44を通って副軸受部6に供給されるオイルは、副軸受部のすき間を通って低圧油溜り17へと流下する。
以上説明したように、本発明では、旋回スクロール端板部に設ける給油孔の位置を所定の範囲内に規定することによって、旋回スクロールの外径を大きくすることなく間欠給油機構を配置できるので、圧縮機の小型化、軽量化に寄与することができる。また、間欠給油機構を設けるスペースが広くとれる。また、間欠給油機構部より洩れた潤滑油は、滞留させることなく、速やかに循環させることができる。
また、作動流体の逆流による効率低下を防止でき、さらに給油機構を通過する磨耗粉等の異物により、作動室形成部に噛込みキズ、磨耗が生じることを防止できる。
また、開口率を低く抑えることができるため、孔を大きく設定し、加工の容易化、および異物つまりの防止ができる。
本発明の実施形態のスクロール圧縮機の断面図である。 図1の旋回スクロールに設けた旋回スクロール側穴の設置位置を説明するための旋回スクロールの正面図である。 図2の旋回スクロール側穴の設置位置の詳細説明図である。 従来技術(特許文献3)における間欠給油穴の説明図である。 本発明の作用効果を説明する図である。
符号の説明
100 スクロール圧縮機
1 外郭ハウジング(容器)
11 本体ハウジング
12 前部ハウジング
13 後部ハウジング
14 支持部材
17 低圧側油溜り
2 圧縮機構部
21 センタケーシング
22 旋回スクロール
22a 旋回スクロール端板部
22b 旋回スクロール羽根部
22d 背圧室
22e 旋回スクロール側穴(間欠給油機構)
23 固定スクロール
23a 固定スクロール端板部
23b 固定スクロール羽根部
23e 固定スクロール側穴(間欠給油機構)
25 吸入室
26 吐出室
27 作動室(圧縮室)
28 気液分離部
29 高圧側貯油室
3 電動機部
31 回転子
32 固定子
4 シャフト
42 オイル通路
5 主軸受部
6 副軸受部
7 給油通路
E 巻き終り部
S 密閉空間

Claims (5)

  1. 旋回スクロール(22)及び固定スクロール(23)とを互いに摺動するように組み合わせて構成し、作動媒体を圧縮する圧縮機構部(2)と
    前記圧縮機構部(2)を収納する容器(1)と、
    前記圧縮機構部(2)の吐出側に設置され、作動媒体から分離された潤滑油を貯留する高圧貯油室(29)と、
    を備えていて、分離した潤滑油を吐出圧と吸入圧或いはそれらの中間圧との差圧を用いて、前記容器(1)内を循環させるスクロール圧縮機(100)において、
    前記高圧貯油室(29)に連通する固定スクロール端板部(23a)に設けた固定スクロール側穴(23e)と、低圧側に連通する旋回スクロール端板部(22a)に設けた旋回スクロール側穴(22e)とが、前記旋回スクロールの公転運動により間欠的に連通することで潤滑油流量制御又は背圧流量制御を行う間欠給油機構を有し、前記旋回スクロール側穴(22e)が、前記旋回スクロール(22)の渦巻状の旋回スクロール羽根部(22b)の巻き終り部(E)から該旋回スクロール羽根部(22b)が延長されていない側にかけて90度の角度範囲内に配置されていることを特徴とするスクロール圧縮機。
  2. 前記旋回スクロール側穴(22e)が、前記固定スクロール(23)と前記旋回スクロール(22)によって形成される作動室(27)よりも外側の範囲に位置していることを特徴とする請求項1に記載のスクロール圧縮機。
  3. 前記旋回スクロール側穴(22e)が、前記旋回スクロール端板部(22a)において、前記固定スクロール(23)の羽根部(23b)が摺接する範囲よりも、径方向外側の範囲に位置していることを特徴とする請求項1又は2に記載のスクロール圧縮機。
  4. 前記固定スクロール側穴(23e)の穴径(d 1 )が、前記旋回スクロール側穴(22e)の穴径(d 2 )よりも小さいことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のスクロール圧縮機。
  5. 作動媒体である冷媒が、二酸化炭素(CO2)であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のスクロール圧縮機。
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